JPH057704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は主としてパネル取付けされるねん回
形や押釦形の操作スイツチの取付部シール装置に
関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種従来の例えばねん回形操作スイツチのシ
ール装置としては第１図に示すものが知られてい
る。図においてこの操作スイツチは操作ハンドル
１をねん回すると、その先端部にパツキン２を介
してねじ３により取付けられた回転駒４が回動
し、回転駒４が回動するとその足部４ａが円筒状
のカム５の面５ａ上を摺動する。これによりカム
５は押し下げられ、カム５に設けた押棒６を介し
て操作棒７を押し接点部８を開閉させる。すなわ
ち、操作ハンドル１のねん回位置により円筒状の
カム５を上下に移動させて接点部８の“閉”また
は“開”の状態が選択される。なお、回転駒４の
位置が元に戻り円筒状カム５の押圧が解かれれば
円筒状カム復帰ばね９のばね力によりカム５は元
に戻る。操作部ケース１０はその外周のパネル１
３の前面側には環状フランジ１４とスプライン結
合するスプライン１０ａが形成され、パネル１３
の後面側には雄ねじ部１０ｂが設けられ、スプラ
イン１０ａと雄ねじ部１０ｂとの間にはＯリング
１１を嵌込むための条溝１０ｃが設けられてい
る。そして操作部本体と操作ケース１０との防水
用シールとしては、前述した回転駒４を操作ハン
ドル１の先端に取付ける際に用いたパツキン２
と、回転駒４の外周に設けられた条溝４ｂに装着
され操作部ケース１０の内壁と弾性的に摺接する
断面Ｖ字形の環状シール１２とでなされている。
一方操作部本体とパネル１３の取付孔１３ａとの
防水シールは操作部ケース１０の前面側スプライ
ン１０ａに螺着された環状フランジ１４の内壁と
ケース１０の条溝１０ｃに装着されたＯリング１
１と、環状フランジ１４のパネル１３側端面とパ
ネル１３正面間に介挿された弾性材による環状パ
ツキン１５と、ケース１０の後面側雄ねじ部１０
ｂに螺着された環状のナツト１６の緊締によりな
されている。なお操作部ケース１０と環状フラン
ジとを分割し、螺着により一体化する構成にして
いるのはフランジの形状の多様化に対応し易くし
たことによるものである。

ところで前記環状フランジ１４はケース１０を
パネル１３に取付ける以前に各種フランジ形状お
よび色等を任意に選択して操作部ケース１０に着
脱自在とされているので、環状フランジ１４はケ
ース１０に対して容易に取り付け、取り外しがで
きなければならない。ところが第１図に示す従来
装置においてはケース１０に設けた条溝１０ｃに
装着されたＯリング１１のために次のような欠点
を有する。すなわち、環状フランジ１４をケース
１０に対して容易に取り付け、取り外しを行なえ
るようにＯリング１１の環状フランジ１４との密
着力を弱めるとＯリング１１による良好なシール
効果が得られず、一方Ｏリング１１によるシール
効果を高めるためにＯリング１１と環状フランジ
１４の密着力を強くすると環状フランジ１４のケ
ース１０に対する取り付け、取り外しが困難とな
る欠点を有する。更に環状フランジ１４とケース
１０との間のシールのために２個のシール部材
（Ｏリング１１と環状パツキン１５）を必要とし
部品点数が多くなるという欠点を有する。

〔考案の目的〕

この考案は上述した従来装置の欠点を除去して
フランジ形状の多様化への対応ならびにシール性
能を低下させることなく、部品点数および加工、
組立の両時間も低減された操作スイツチのシール
構造を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

この考案は上述の目的を達成するために、パネ
ルに取付けられ筒状内部に操作部を収納する円筒
状のケースと、該ケース外周のパネル前面側に着
脱自在に取付けられるフランジと、該フランジと
前記パネルとの間に配置されるパツキンと、前記
ケースのパネル後面側に取付けられるナツトとを
備え、前記パツキンは、その内側寸法を前記ケー
スの外側寸法とほゞ同一寸法としかつ内側にパネ
ル前面方向に突出する傾斜面からなる縁枠を形成
し、前記フランジは、前記パツキンの縁枠の傾斜
面と対向する部分に傾斜面からなる面取りを形成
したものである。

〔考案の実施例〕

以下この考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。第２図はこの考案の一実施例の要部縦断面図
であり、前記第図の従来例と同一部分には同一符
号を付している。第２図に示す本考案の実施例に
おいて従来装置との相異点は第１図に示すケース
１０の外周とフランジ１４の内壁との間のシール
すなわち条溝１０ｃ，Ｏリング１１を排除したこ
とと、フランジ１４のパツキン１７側の内壁に面
取り１４ａを設けかつパツキン１７の内径をケー
ス１０の当該外周の直径とほゞ同一でフランジ１
４側を向く縁枠１７ａを設けたことである。この
ように構成することによりケース１０にフランジ
１４を取付ける際シール部材がないのでフランジ
１４のケース１０への取付は極めて容易で、フラ
ンジ１４をケース１０から取外す際にはパツキン
１７がケース１０の当該外径との間に締代がない
ことからフランジ１４をケース１０から容易に取
外すことができる。またパツキン１７によるシー
ルはケース１０をパネル１３の取付孔１３ａに嵌
挿後ナツト１６を締付けるとこのとき発生する垂
力Ｆは面取１４ａによつて分力F₁を生し、この
分力F₁はパツキン１７を内側に向けて押圧する
ように作用し、ケース１０の当該外周とパツキン
１７の内径とは圧接させられシールは確保され
る。またフランジ１４とパネル１３との間のシー
ルは垂力Ｆによつて確保される。したがつて部品
点数が少なくして加工および組立時間の短縮すな
わちシール性能を低下することなくコストダウン
が可能となる。

〔考案の効果〕

この考案によればケースに装着されるフランジ
のパツキン側当接面に傾斜面からなる面取りを設
け、フランジとパネル面間に介挿されるパツキン
の内側寸法をケースの外側寸法とほゞ同一寸法と
するとともにパツキンの内側にパネル前面方向に
突出した傾斜面からなる縁枠を設けることによ
り、パネル背面側よりケースに螺着されるナツト
の緊締だけで確実なシール性能が保持されかつフ
ランジの着脱が極めて容易で安価な操作スイツチ
のシール装置を得ることができるという利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の操作スイツチのシール装置の一
例を示す縦断面図、第２図はこの考案による操作
スイツチのシール装置の一実施例を示す要部縦断
面図である。 １０……ケース、１０ａ……スプライン、１０
ｂ……雄ねじ部、１３……パネル、１３ａ……取
付孔、１４……フランジ、１４ａ……面取り、１
６……ナツト、１７……パツキン、１７ａ……縁
枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネルに取付けられ筒状内部に操作部を収納す
   るケースと、該ケース外周のパネル前面側に着脱
   自在に取付けられるフランジと、該フランジと前
   記パネルとの間に配置されるパツキンと、前記ケ
   ースのパネル後面側に取付けられるナツトとを備
   え、前記パツキンは、その内側寸法を前記ケース
   の外側寸法とほゞ同一寸法としかつ内側にパネル
   前面方向に突出する傾斜面からなる縁枠を形成
   し、前記フランジは、前記パツキンの縁枠の傾斜
   面と対向する部分に傾斜面からなる面取りを形成
   したことを特徴とする操作スイツチのシール装
   置。