JPH0126197Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取部を走行機体から上下揺動自在
に延出すると共に、機体横方向に並設された複数
本の刈取り部フレームと、それらフレームに横架
されたバリカン型刈刃とに対する着脱自在なスペ
ーサーを設けた刈取収穫機における刈刃取付部の
構造に関する。

上記刈取収穫機は、刈取部が揺動によつて対機
体上昇するために、刈刃高さの変化量がフレーム
前端の分草具の高さ変化量よりも少ないにもかか
わらず、走行装置が泥土に深く沈下する湿田にお
いて、スペーサーを使用して刈刃の対フレーム取
付高さを乾田時より高くすることにより、分草具
を泥面上近くに位置させながら、刈刃も泥面上近
くに位置させることができるように構成されたも
のである。ところが、従来のスペーサーは、刈刃
の刈取部フレームに対する取付部にのみ配置する
ものであつたために、刈刃の下方でスペーサーど
うしの間に隙間ができ、走行装置が凹入部に落ち
込む等して機体が前下りになつた際に、泥土が前
記隙間から刈刃の後方に入り込み、刈刃の後方に
配置されている刈取茎稈搬送用デツキに乗り上が
つて刈取茎稈搬送に支障を招く等の不都合が生じ
ることがあつた。

本考案は、泥土が刈刃の後方に入り込むことを
経済面においても操作面においても有利に防止で
きるようにすることにある。

本考案の特徴構成は、冒記した刈取収穫機にお
ける刈刃取付部の構造において、前記スペーサー
を、間隔保持部が前記刈刃の全巾あるいはほぼ全
巾にわたつて一連に存在する形状に形成した事に
ある。

つまり、スペーサーの間隔保持部、換言すると
縦壁部分を刈刃に対して上述のように配置させる
ことにより、刈刃の後方への泥土入り込みを、間
隔保持部による押圧排除作用で確実に防止できる
ようになつた。しかも、スペーサーに排土機能を
備えさせることにより、例えばスペーサーと別体
の排土部材を付設するに比して、部品点数を少く
でき、かつ、刈刃の取付位置を湿田用に変更する
際の操作を容易迅速に行え、全体として、刈取茎
稈搬送不良等の泥土に起因するトラブルを招くこ
とがなく作業できると共に、コスト面及び操作面
においても、有利になつた。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、植立穀稈に対する分草具
１及び引起し装置２、引起し穀稈を刈取るバリカ
ン型刈刃、及び、刈取穀稈を機体後方に搬送する
装置４等から成る刈取部５を、クローラ走行装置
６、運転部７、及び、前記搬送装置４からの刈取
穀稈をフイードチエーン８ａにより受継ぎ搬送し
ながら脱穀する脱穀部８等を有した走行機体の前
部から油圧シリン９による軸芯Ｐ周りでの上下揺
動操作が自在に延出させて、コンバインを構成し
てある。

第２図ないし第４図に示すように、走行機体か
ら上下揺動自在に延出された伝動ケース兼用の第
１刈取部フレーム１０の延出端部から機体横方向
に並列させた３本の第２刈取部フレーム１１…を
延出させ、これら第２刈取部フレーム１１の基端
部に、前記刈刃３を刈取穀稈搬送用デツキ１２、
及び、ボルト１３を介して着脱自在に架設連結し
てある。そして、第２図、第３図及び第５図に示
すように、第２刈取部フレーム１１に対する連結
部１４ａ、刈刃３の載置取付部１４ｂ、及び、間
隔保持部１４ｃの夫々を刈刃３の全巾あるいはほ
ぼ全巾にわたつて一連に有するように横断面コ字
状に成形した板体により、刈刃３と第２刈取部フ
レーム１１の間に着脱自在に介在させて刈刃３の
取付レベルを高くするためのスペーサー１４を構
成し、走行装置１が泥土に深く沈下する湿田で作
業するに際し、前記スペーサー１４を使用するこ
とにより、分草具１及び刈刃３のいずれをも泥面
上近くに位置させられるように、かつ、機体が前
下り姿勢になつた際に刈刃３の前方泥土が刈刃３
の後方に入り込むことが、前記間隔保持部１４ｃ
の排土作用により防止されるようにしてある。

第５図に示すように、湿田作業のために刈取部
５を乾田作業時より対機体上昇させても、刈刃３
の側面視における対地姿勢が乾田作業時のそれと
同一あるいはほぼ同一となるように、前記スペー
サー１４の刈刃載置面を前下り傾斜面に形成して
あり、スペーサー１４を使用しても、刈刃３を植
立穀稈の穀身に直交あるいはほぼ直交する姿勢で
作用させられるように配慮してある。

刈刃３を低位置から高位置に付け換える際に
は、第６図に示すように、刈刃３の摺動刃駆動用
ピン１５に取付けられているローラ１６を、刈刃
駆動用の駆動揺動部材１７に対してそれが仮相線
で示す低位置用よりもローラ１６の下端側に作用
するように差し換えるようにしてある。前記ロー
ラ１６の環状突部１６ａは、揺動部材１７との接
当によりローラ１６のピン１５からの抜け止めを
行うものである。

第７図は、スペーサー１４の別実施例を示し、
スペーサー１４により押圧排除される泥土が刈刃
３に乗り上がらないように、間隔保持部１４ｃの
前面を、泥土を下方に押圧する下向き傾斜面に形
成してある。

尚、前記スペーサー１４としては、対刈取部フ
レーム連結部１４ａや刈刃取付部１４ｂが刈取部
フレーム１１に対応する箇所にのみ存在するよう
に点在する形状のものを採用してもよい。

尚、本考案は、稲麦以外の各稈茎稈を収穫する
ものや茎稈を単に刈取るだけのも等刈取対象物や
刈取茎稈の処理形態が各種異なる収穫機に適用で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機における刈刃取
付部の構造の実施例を示し、第１図はコンバイン
の側面図、第２図は刈刃取付部の斜視図、第３図
は刈刃取付部の正面図、第４図は刈刃取付部の断
面図、第５図はスペーサー取付状態の断面図、第
６図は刈刃駆動部の断面図、第７図はスペーサー
の別実施例を示す横断面図である。 ３……刈刃、５……刈取部、１１……刈取部フ
レーム、１４……スペーサー、１４ｃ……間隔保
持部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刈取部５を走行機体から上下揺動自在に延出
   すると共に、機体横方向に並設された複数本の
   刈取り部フレーム１１…と、それらフレーム１
   １…に横架されたバリカン型刈刃３とに対する
   着脱自在なスペーサー１４を設けた刈取収穫機
   における刈刃取付部の構造であつて、前記スペ
   ーサー１４を、間隔保持部１４ｃが前記刈刃３
   の全巾あるいはほぼ全巾にわたつて一連に存在
   する形状に形成してある刈取収穫機における刈
   刃取付部の構造。 前記スペーサー１４の刈刃載置面が前下り傾
   斜面である実用新案登録請求の範囲第項に記
   載の構造。