JPS6121942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバインの刈刃装置への稈や泥のた
まりを防止する為の刈取装置の構成に関する考案
である。

コンバインは圃場に立つている刈取適期の稲や
麦を刈取り乍ら脱穀してゆく装置であり、刈刃装
置はコンバインの前方下部で地表面スレスレを進
行し乍ら株元を切断してゆくものである。その為
に長時間の刈取作業を続けるうちに、刈刃装置は
土壌に突つ込んで泥をかぶり、それが除々に刈刃
装置近辺にたまつてゆくのである。又、穀稈の一
部が脱落してこれらも刈刃近辺にたまつてゆき、
長時間使用の間に刈刃近辺に稈と泥のかたまりが
生じ、これらが刈刃や受刃の切れ味を落とし、更
には刈取後の穀稈の流れに影響を与え、株元の不
揃いや穀稈搬送姿勢の乱れ、ひいては稈抜け等に
つながつていたのである。

第５図は従来の刈取装置の平面図、第６図は従
来の刈取装置の側面図である。

これらの図面に示す如く従来は、分草杆１１の
上面を刈刃取付座に兼用し、分草杆１１と分草杆
１１の間の上部に渡架しして受刃取付台１７を配
置し、その上に受刃２０を固設し、受刃２０の上
面に刈刃１９を摺動させ、刈刃１９を刈刃押え１
８で抑えていたのである。２４は掻き込み装置、
２５は株元搬送装置、２１は株元案内棒である。

このような従来の構造における欠点は、刈刃装
置Ａにてすくい上げた泥や、上から落ちてくる稈
が刈刃装置Ａの上から刈取フレーム上に乗つてし
まい、そのまま掻き込み装置２４の基部の株元搬
送装置の基部にたまつてくるのである。更に欠点
は刈刃装置Ａよりも分草杆１１が低い位置にある
ので株元の地表面に近い位置で株を切断しようと
しても或る程度以上は刈刃装置Ａを低くできない
のである。本考案は刈刃装置の上下の高さも調節
可能にしたものである。

また他の従来の技術としては、実開昭52−
80824号公報や実開昭53−6824号公報の如き技術
が公知とされるのである。

しかし、該従来においても、分草杆の後の端に
横設した刈取フレーム横杆と刈刃装置との間に、
泥や藁屑を排出する空間や開口部がないので、刈
刃装置の上に乗つて来た泥や藁屑が徐々に滞留し
て、かつこれらが長い間に刈取フレームの方へ移
動して掻き込み装置の基部や株元搬送装置の下部
にたまつて穀稈株元部の搬送を阻害するという不
具が合つたのである。

本考案はこれらの不具合を解消する為に、従来
分草杆の上に受刃取付台が配置され、分草杆の一
部を刈刃取付座としていたのを廃止して、分草杆
は刈刃装置よりも上方を通過させ、刈刃装置と分
草杆とで作つていた杆や泥の留り部を廃止し刈刃
取付座は刈取フレームの横杆より前方へ突設し、
その上に刈刃装置を構成し、かつ刈取フレーム横
杆と受刃取付台の間に、刈刃取付座により仕切ら
れた窓枠状の空間を構成して該窓枠状の空間より
刈刃装置上に乗つた泥や藁屑が、刈取フレームに
至る以前に脱落するように構成したものである。

本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて本考案の構成を
説明すると。第１図は、コンバインの全体の側面
図である。

分草板１２にて圃場面に立つている穀稈の株元
を左右に分草し、株元部は分草杆１１に沿つて刈
刃装置Ａへ向う。

刈刃装置Ａで刈取られると略同時に掻き込み装
置２４で掻込まれ、株元搬送装置３にて縦搬送装
置４へと導かれる。縦搬送装置４にて株元部は跳
ね上げられる如く搬送され、フイードチエーン５
に挟持される。

穂先部か引起し装置１より引起され乍ら、上部
搬送装置２に受継がれ、そのまま脱穀装置７を入
口鉄板へと導かれる。フイードチエーン５に株元
部を挟持され乍ら、脱穀装置７を通過する間に脱
穀され、排稈は排稈チエーン８にて排稈処理装置
９へと送られ、排稈は切断・結束・集束等の処理
を受けた後、圃場面に放置される。

このような構成のコンバインにおいて、本考案
は特に刈刃装置Ａと分草杆１１の位置関係に関す
るものである。

本考案の詳細な構成を第２図、第３図、第４図
で説明する。

第２図は刈刃装置Ａ近辺の側面図、第３図は同
じく刈刃装置Ａを刈刃取付座１６の上面に取付け
た状態の側面図、第４図は同じく平面図である。

刈取フレーム横杆１１ａより前方へ分草杆１１
を突設し、従来、分草杆１１が兼ねていた刈刃取
付座１６を別体として刈取フレーム横杆１１ａよ
り前方へ突出している。分草杆１１は第１図の全
体側図にも見られる如く、刈刃装置Ａの上方を通
過させている。

１４は掻き込み装置２４及び株元搬送装置２５
等の被駆動体の回転軸であり、上部に設けられて
いるのはベルトの掻き込み装置３０である。刈刃
１９は刈刃摺動体２３は係合しており、刈刃摺動
体２３はクランク装置２１及びベルクラン継手１
５と連動している。

これらの駆動装置により、刈刃１９は左右へ摺
動され、受刃２０との間で株元を挟み切断する。
刈刃取付座１６は刈取フレーム横杆１１ａより突
設されており、該刈刃取付座１６に受刃取付台１
７が取着されている受刃取付台１７の取付けに際
し、第２図の如く下方から受刃取付台１７を固設
する場合と第３図の如く受刃取付台１７を刈刃取
付座１６の上方から取付ける場合とに変更するこ
とがあり、この取付け方の相違により刈刃装置の
分草杆１１に対する高さを調整することができ
る。

刈刃取付座１６が前方へ突設され、その先端に
刈刃装置Ａが固設されているので、刈刃装置Ａと
刈取フレーム横杆１１との間に窓枠状の空間Ｂが
生じ、この窓枠状の空間Ｂより刈刃装置の上に載
つた稈や泥を逃がすことができるのである。

以上の如く本考案は、フオーク状に前方へ突出
した分草杆１１の後端に横設した刈取フレーム横
杆１１ａに、複数本の刈刃取付座１６の後端基部
を固設して、該刈刃取付座１６を前方へ突出し
て、該突出部に横設して受刃取付台１７を設け、
該受刃取付台１７に刈刃装置Ａを構成し、刈取フ
レーム横杆１１ａと受刃取付台１７の間に、刈刃
取付座１６により仕切られた窓枠状の空間Ｂを構
成し、側面視において刈刃装置Ａが分草杆１１よ
り下方となるように配置すると共に、刈刃取付座
１６に対し受刃取付台１７を、下方から固設する
場合と上方から付設する場合とにより、刈刃装置
Ａの分草杆１１に対する高さ調節を可能としたの
で、次のような効果を奏するものである。

第１に、従来は分草杆の刈取フレーム横杆の直
ぐ前に刈刃装置Ａが連続的に配置されていたの
で、刈刃装置Ａの上に乗つた泥が逃げる部分が無
くなり、ここに滞留していたのであるが、本考案
においては、刈取フレーム横杆１１ａと受刃取付
台１７の間に、刈刃取付座１６により仕切られた
窓枠状の空間Ｂを構成したので、該空間Ｂより泥
や藁屑が下方へ落下して逃げて行き、泥の詰まり
による搬送姿勢の悪化を防ぐことが出来たのであ
る。

第２に、従来は刈刃装置Ａの方が、分草杆より
も側面視で上に配置されていたので、刈刃を一定
の刈り高さ以下にすることが出来なかつたのであ
るが、本考案においては、側面視において刈刃装
置Ａが分草杆１より下方となるように配置したの
で、刈刃により地表面にギリギリまで切断するこ
とができ、刈り跡を整然としたものにすることが
出来たのである。

第３に、刈刃取付座１６に対し受刃取付台１７
を下方から固設する場合と上方から付設する場合
とにより、刈刃装置Ａの分草杆１１に対する高さ
調節を可能としたので、従来の構成においては不
可能であつた分草杆１１に対する、刈刃装置Ａの
位置関係を調節することができ、他方によつて異
なる刈り高さの相違や土壌の性質の違いにより、
刈刃装置Ａの位置を変更調節することができたも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの全体側面図、第２図は刈
刃装置Ａ近辺の側面図、第３図は同じく刈刃装置
Ａを刈刃取付座１６の上面に取付けた状態の側面
図、第４図は同じく平面図、第５図は従来の刈取
装置の平面図、第６図は同じく側面図である。 Ａ……刈刃装置、Ｂ……窓枠状の空間、１１…
…分草杆、１１ａ……刈取フレーム横杆、１６…
…刈刃取付座、１７……受刃取付台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フオーク状に前方へ突出した分草杆１１の後端
   に横設した刈取フレーム横杆１１ａに、複数本の
   刈刃取付座１６の後端基部を固設して、該刈刃取
   付座１６を前方へ突出して、該突出部に横設して
   受刃取付台１７を設け、該受刃取付台１７に刈刃
   装置Ａを構成し、刈取フレーム横杆１１ａと受刃
   取付台１７の間に、刈刃取付座１６により仕切ら
   れた窓枠状の空間Ｂを構成し、側面視において刈
   刃装置Ａが分草杆１１より下方となるように配置
   すると共に、刈刃取付座１６に対し受刃取付台１
   ７を、下方から固設する場合と上方から付設する
   場合により、刈刃装置Ａの分草杆１１に対する高
   さ調節を可能にしたことを特徴とするコンバイン
   の刈取装置。