JPH0124086B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車のサンバイザに関する。自
動車の日除装置であるサンバイザには、板状の本
体を天井部からウインドウガラスに向つて回動さ
せる起倒形式のものの外、天井部からウインドウ
ガラス沿いに引出して用いるシヤツタ形式のもの
がある。

従来のシヤツタ形式のサンバイザとしては、例
えば第１図、第２図に示すようなものがある。第
１図は自動車の天井裏Ａに格納した板状のサンバ
イザ本体１を、必要に応じてフロントウインドウ
ガラスＢの内面側に繰り出して遮光する引出しタ
イプのものである。（特開昭48−82519号公報参
照） ２は天井裏Ａに固定した支持枠で、その両サイ
ドには彎曲状に形成した剛体の案内レール２ａを
有する。前記サンバイザ本体１は、この案内レー
ル２ａに合致する彎曲状に予め成形してある。そ
して案内レール２ａ及び図示しない案内滑車を介
して前後摺動可能に、前記支持枠２内に取付けて
ある。更にサンバイザ本体１の後端は、支持枠２
に固定した正逆転モータ３と軸受け４で支持した
彎曲可撓性の回転螺杆５に、螺動子６を介して片
持式に連繋している。

上述のように構成された従来の引出しタイプの
サンバイザは、サンバイザ本体１の繰出しと格納
を正逆転モータ３の回転により行うことができる
が、サンバイザ本体１を支持枠に片持式に支持し
ているから、車体の振動により、鎖線で示す遮光
状態では特に、本体１がばたつく。また、予め彎
曲成形した構成のため、ウインドウＢの傾斜角の
関係次第で（特に傾斜が急になると）適用できな
いという問題があつた。

第２図は、天井裏Ａに巻取つて格納した可撓性
の幕状サンバイザ本体７をフロントウインドウガ
ラスＢの内面側に引出して遮光するタイプのもの
である。８は天井裏Ａに取付けた巻取軸で、巻取
方向に回転させるバネを有する。前記サンバイザ
本体７は、この巻取軸８に一端を固着して巻取り
格納されている。他端には複数の吸盤９が設けて
あり、遮光時に前記バネに抗して引出したとき、
この吸盤９をウインドウガラスＢ内面に吸着させ
て遮光状態に張設することができるが、吸盤の固
定及びその開放が手間どる。また、走行中に窓を
開けると、風にあおられて本体がばたつくという
問題点があつた。

また、従来のこの種の引き出しタイプのサンバ
イザとしては、上記のほか、例えば実開昭54−
77328号公報に開示されたものがある。特に重複
図示は省略するが、この考案にあつては、弾性板
である日避け板の左右幅の両端を日避枠の案内ロ
ーラやガイドレール等によつて支持しているた
め、一般の乗用自動車の前後のウインドウの曲面
ガラスの内側に装着したとき、日避け板を引き出
して使用する状態の先端部の中央部は、上記曲面
の分だけウインドウガラス内面から浮く傾向とな
り、両端部は弾圧されていても、車体振動や風等
による中央部に“ばたつき”が発生し易くなると
いう問題があつた。

また、日避け板自体が原寸法形状のまま天井内
に格納されるよう構成されているため、一般の乗
用車の天井に搭載するに際し、左右の各日避け板
を同時に一杯に引き出した時に、並列する左右の
各乗員席に対してそれぞれ適当な遮蔽効果を得る
ように配置すると、各日避け板はそれぞれ相応の
縦横面積を必要とすることから、格納時、左右の
両日避け板を引き上げたとき、天井内で各日避け
板の後端内側部分が互いに干渉してしまうことに
なり、この干渉を避けるように配設すると、一杯
に引き出した時に、左右の中央部に大きな隙間を
生じて、遮蔽性能が低下することになるという問
題点があつた。

この発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、ガイドレールは弾性材により
形成し、これを弓なりに弾性付勢してルーフレー
ルを横断貫通させることにより、自身の弾性力で
その一端を常時ウインドウガラス内面に弾圧させ
るとともに、天井裏に押し込んで格納し、かつウ
インドウガラス内面沿いに引出し任意の長さに自
己保持して張設できるように構成し、このガイド
レールに、伸縮自在に形成した遮光本体を吊り下
げるようにして、上記問題点を解決することを目
的としている。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。

第３図ないし第９図は、この発明の一実施例を
示す図である。第３図において、Ｓは使用状態す
なわち遮光時のサンバイザを示し、S′は格納状態
のサンバイザを示す。１１はリヤウインドウガラ
ス、１２はリヤシートバツク、１３は天井板であ
るヘツドライニング、１４はウインドウアツパガ
ーニツシユ、１５はリヤコーナフイニツシヤであ
る。

まず構成を説明すると、第４図、第５図に示す
ように、ルーフパネル２０の後端に設けてあるリ
ヤルーフレール２１の側面には、相対する位置に
孔を穿ち、更にその孔をそれぞれ縁取るガイド２
２とガイド２３を装着してある。図では孔は前後
一組を示してあるが、車輛の幅方向に振り分けて
両サイド寄りに左右二組設けるとよい。ガイド２
２はヘツドライニング１３の端末を被覆するウイ
ンドウアツパガーニツシユ１４と一体的に形成し
たものを示したが、もちろん別体で形成してあつ
てもよい。２４は例えば合成樹脂などの弾性材よ
りなる帯状の一対のガイドレールで、その両者の
配設間隔は、後述する遮光本体２７の全幅より狭
くしてある。このガイドレール２４の一端には取
手兼用の端末ガーニツシユ２５を係着するととも
に、また別に、小型のローラ２６を軸支して取付
けてある。更にまた、帯板状のガイドレール２４
の片面（図では車室側となる面）には、長手方向
に係止手段であるラツク２４ａを一体的に形成し
してある（第６図）。上記のように形成したガイ
ドレール２４は強制的に彎曲させて、これを弓な
りに弾性付勢し、他端側から前記ルーフレール２
１のガイド２２、ガイド２３と順次さし通すこと
により、ルーフレール２１を横断貫通させて車体
の天井裏Ａに挿通しある。これにより、ガイドレ
ール２４は、自身の弾性力で、その一端をローラ
２６を介して常時ウインドウガラス１１の内面に
強く弾圧させた状態で車体に取付けられることと
なる。２３ａは前記ガイド２３に形成した弾性ラ
チエツトで、前記ガイドレール２４のラツク２４
ａと噛み合うようにしてある（第６図、第７図）。
これにより第４図に実線で示すように、天井裏Ａ
に押し込んで格納した状態からガイドレール２４
を引出したとき、任意の引出し位置で前記ラツク
２４ａとラチエツト２３ａが係合して、ガイドレ
ール２４は自動的に任意の長さを保つて、すなわ
ち自己保持した状態で張設できるようにしてあ
る。

２７は、前記ガイドレール２４により吊るよう
にした伸縮自在の遮光本体である。すなわちこの
遮光本体２７は、例えば鋼線のような弾性線材を
角形のコイル状に巻いて芯材２８を形成し（第９
図）、この芯材２８に室内側の布地２９ａと室外
側の布地２９ｂをかぶせ、全体を弾性的に伸縮自
在な蛇腹状に構成してある。そして、前記芯材２
８の各コイル辺の一部を折曲して形成した凸状の
吊環部２８ａ，２８ｂに、前記ガイドレール２
４，２４を挿通させることにより、第８図に矢符
号Ｃで示す方向に自由に移動して伸縮することが
可能で、かつまた矢符号Ｄで示す方向にガイドレ
ール２４とともに大きく移動することもできるよ
うに懸垂されている。３０は前記遮光本体２７の
一端末をはめこんで回動自在に支持するグリツプ
で、端末ガーニツシユ２５の内面長手方向に形成
してある。一方、遮光本体２７の他の端末は、ウ
インドウアツパガーニツシユ１４に形成した係止
突起１４ａに固着して係止してある。なお、前記
ガイドレール２４端部に設けたローラ２６は、図
示とは異なり、端末ガーニツシユ２５のガイドレ
ール差込みボス部２５ａに設けてもよい。

次に作用を説明する。

このサンバイザＳを使用しない時は、ガイドレ
ール２４を天井裏Ａ内に深く押し込んでおく。こ
の場合、遮光本体２７は折りたたまれてウインド
ウアツパガーニツシユ１４と端末ガーニツシユ２
５で囲まれた空間内に圧縮して収納されるから、
邪魔にならないし、見栄えもよく、また振動でが
たつくこともない。

遮光時は、端末ガーニツシユ２５の取手部２５
ｂに手を掛けてガイドレール２４を天井裏Ａから
引き出す。遮光本体２７もこのガイドレール２４
と共に引き出される。ガイドレール２４はその先
端のローラ２６によりウインドウガラス１１の内
面に滑らかに回転接触しており、かつガイド２
２，２３の２点で確実に案内されるから、無造作
に操作しても極めて円滑に、手頃な手応えで引き
出すことができる。第２図に示す従来のもののよ
うに引出方向に気を使う必要は全くない。

望む長さだけ引き出して手を離せば、ガイドレ
ール２４のラツク２４ａとガイド２３の弾性ラチ
エツト２３ａとが係合するから、その位置で自動
的に自己保持した状態で張設できる。従来のよう
に（第２図）、いちいち吸盤で固定する面倒はな
く、張設長さの変更も端末ガーニツシユ２５を引
くか、押すだけの１動作で完了する。

このように張設したサンバイザＳは、ガイドレ
ール２４が上記ラツク２４ａとラチエツト２３ａ
との係合部及び先端ローラ２６の２個所で支持さ
れる。しかもウインドウガラス１１に向つて強く
押し付けられる状態で安定している。一方遮光本
体２７はそのコイル状芯材２８のばね力と均衡し
た状態で緊張して、複数の各ひだ毎にガイドレー
ル２４により吊り下げられている。したがつて従
来の片持式（第１図）のように車輛の振動でがた
つくことはないし、単に幕状のものを吸盤で固定
した（第２図）場合のように、風にあおられてめ
くれたりばたついたりすることもない。

また、ガイドレール２４、遮光本体２７がとも
に可撓性を有するから、従来（第１図）のものと
異なりウインドウガラス１１の傾斜角に規制され
ることなく、自在に適用することが可能である。

以上説明してきたように、この発明によれば、
その構成を、弾性材よりなるガイドレールを弓な
りに弾性付勢してルーフレールを横断貫通させる
ことにより、その一端を常時ウインドウガラス内
面に弾圧させるとともに、自動車の天井裏に押し
込んで格納し、ウインドウガラス面沿いに引き出
して張設できるように車体に取付け、かつ前記ガ
イドレールは前記ルーフレールと任意の位置で係
止して自己保持できる係止手段を備え、そのガイ
ドレールで、伸縮自在に形成した遮光本体を、折
りたたみ引伸ばし自在に吊り下げてなる自動車の
サンバイザとしたため、自由に取付可能で、操作
も簡単、かつ、ガイドレール間隙を適切に設定す
ることにより、車体振動や風による“ばたつき”
を防止することができる。

また、この遮光本体を自動車のウインドウに左
右乗員席に対応して並列に配設する場合、格納時
に左右が互いに干渉することなく、それぞれ引き
伸ばし時の遮蔽面積を大きくとることができると
いう効果がある。なお上記実施例はリヤウインド
ウに配設した例を示したが、フロントウインドウ
に設けてもよく、その場合の作用効果に異なる所
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサンバイザの一例を示す断面
図、第２図は同じく従来の他の例を示す断面図、
第３図はこの発明に係る一実施例の使用態様を示
す斜視図、第４図は第３図の―断面図、第５
図は第４図の要部拡大斜視図、第６図は第４図に
示すものの係止手段の要部斜視図、第７図は第６
図の―断面図、第８図は第４図の要部拡大断
面図、第９図はこの発明に係る遮光本体の芯材構
造の斜視図である。 １１……ウインドウガラス、Ａ……天井裏、２
１……ルーフレール、２４……ガイドレール、２
３ａ……弾性ラチエツト、２４ａ……ラツク｝係
止手段、２７……遮光本体、２８……弾性芯材、
Ｓ……サンバイザ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弾性材より成るガイドレールを弓なりに弾性
   付勢してルーフレールを横断貫通させることによ
   り、その一端を常時ウインドウガラス内面に弾圧
   させるとともに、前記ガイドレールを自動車の天
   井裏に押し込んで格納し、該ウインドウガラス面
   沿いに引き出して張設し得るよう車体に取付け、
   かつ、該ガイドレールは、その長手方向位置を前
   記ルーフレールに対して任意位置で互に係止して
   自己保持し得るよう構成した係止手段を備えると
   ともに、該ガイドレールには、その長手方向に沿
   つて遮光本体を伸縮自在に吊下げて成り、該遮光
   本体の一端末を該ガイドレールの先端部に固設す
   ると共に、該遮光本体の他端末をルーフレール側
   に固着係止し、該ガイドレールを引き出しまたは
   押し込むことにより、それぞれ引き伸ばしまたは
   折りたたみ可能とし、かつ、該ガイドレールを該
   遮光本体を幅方向外縁より内側に配設したことを
   特徴とする自動車のサンバイザ。 ２ 前記係止手段は、車体側に設けた弾性ラチエ
   ツトと噛み合うラツクよりなることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の自動車のサンバイ
   ザ。 ３ 前記遮光本体を、コイル状の弾性芯材を有す
   る蛇腹体で形成したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項または第２項記載の自動車のサンバイ
   ザ。