JPH0123910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自動二輪車に関し、特に、燃料タン
ク廻りの構造に係るものである。

〔従来技術〕

エンジンを支承する車体フレームの上部前端
に、前輪懸架装置を支承するヘツドパイプが一体
に設けられ、このヘツドパイプの後方、かつ、エ
ンジンの上方の位置に燃料タンクが配設された構
造は、自動二輪車として一般的なものであるが、
従来、この種の自動二輪車において、エアクリー
ナ、キヤブレータ等のエンジンの補器を燃料タン
ク廻りに配置する場合、燃料タンクの前方、また
は、下方等に配した補器を別部材のシエルタで覆
うか、あるいは、燃料タンクの前部に上下に抜け
る溝状の凹部を形成して、この凹部空間に補器を
収容するかしていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来例のうち、シエルタで覆う構造は、別
部材を用いるものであるから、組立て等において
繁雑となり、あるいは、外観的にも簡潔でない。
また、燃料タンクの凹部空間に収容する構造で
は、この凹部空間に補器を収容したとしても、そ
の凹部空間になおムダな空間が残りがちで、スペ
ースの有効利用が充分に図れない上、凹部空間に
より外観上の不具合も生じる。

本考案は、上記事情に鑑み、別部材を用いるこ
となく、燃料タンク廻りのスペースの有効利用を
図り、かつ、外観上の不具合を防止することので
きる構造を得ようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案では、上記問題点を解決するために、燃
料タンクの前部に、上下に抜ける溝状の凹部を形
成し、この凹部空間にエンジンの補器を収容する
とともに、この凹部空間がこの凹部空間に臨む計
器類を備えた燃料タンクカバーにより上方から覆
われる構造とした。

〔作用〕

燃料タンクの前部の凹部空間の下部側には、下
方のエンジンにつながる補器が収容され、上部側
には計器類が収容されるので、死空間を生じせし
めず、凹部空間が効率よく利用される。

〔実施例〕 以下図面に従つて本考案の一実施例を説明す
る。

第２図は自動二輪車の全体側面図、第３図は一
部を切り欠いた要部の拡大側面図で、１は車体フ
レーム、２は車体フレーム１の上部前端に一体に
設けられたヘツドパイプで、このヘツドパイプ２
は、前輪３を回動自在に軸支する前輪懸架装置４
を支持する。前記車体フレーム１は、ヘツドパイ
プ２から上部にて後方に延びるメインパイプ１
ａ、ヘツドパイプ２から下側後方に延びるダウン
チユーブ１ｂを有しており、メインパイプ１ａと
ダウンチユーブ１ｂとの間においてＶ型エンジン
５を支承している。また、ヘツドパイプ２の後方
で、エンジン５の上方の位置には燃料タンク６が
配設されており、この燃料タンク６は車体フレー
ム１に支持されている。なお、７はラジエータで
ある。

前記燃料タンク６の部分を第１図も参照して説
明すると、燃料タンク６は、鞍形をなしてメイン
パイプ１ａを跨ぐように配置され、前部取付け板
９、後部取付け板１０にて車体フレーム１に取り
付けられる。この燃料タンク６の前部には、上下
に抜ける溝状の凹部６ａが形成され、したがつて
その部分に空間（この空間を凹部空間と称する）
Ａが形成され、この凹部空間Ａの下側部分にエア
クリーナ１１が収容されている。

そして、燃料タンク６の上面には、凹部空間Ａ
に臨むメータ１２を備えた燃料タンクカバー（以
下単にカバーと略す）１３が取り付けられ、この
カバー１３により凹部空間Ａが上方から覆われて
いる。このカバー１３は、凹部空間Ａの上方のみ
ならず、さらに後方に延びて、燃料供給口１４の
部分も覆う形状をなしている。メータ１２は、カ
バー１３にあけた円形孔１３ａから挿入され、メ
ータ１２のつば部１２ａがカバー１３とメータパ
ネル１５との間に挾まれ、孔１５ａを通した４本
のビス１６により締め付けられてカバー１３に取
り付けられる。前方側の２本のビス１６は、燃料
タンク側取付け片１７まで延びてそのねじ孔にね
じ込まれ、カバー１３の前部を燃料タンク６に取
り付けることになる。また、１８は前記燃料供給
口１４を閉ざすキヤツプで、このキヤツプ１８
は、ビス１９でタンク側取付け部２８に取り付け
られるヒンジ１８ｂを介して燃料タンク６に回動
自在に取り付けられ、そして、カバー１３の後部
は、キヤツプ１８の部分に開口１３ｂを有し、キ
ヤツプ１８の周囲を覆うが如く、かつ、キヤツプ
１８と面一となるように、燃料タンク６上面に取
り付けられている。なお、カバー１３後部の取付
けは、カバー１３側の取付け片１３ｃと燃料タン
ク６側の取付け片２１とをビス２０で締め付ける
ことにより行う。

２２，２３，２４は燃料タンク６の前部取付け
板９を車体フレーム１側に結合するための結合部
材、２５，２６，２７は後部取付け板１０を車体
フレーム１に結合するための結合部材を示す。

なお、実施例では凹部空間Ａにエアクリーナ１
１を収容したが、キヤブレータその他のエンジン
補器を収納することができる。

また、カバー１３に取り付けるメータ１２とし
て、燃料計、温度計等の種々のメータが考えられ
るが、さらには、イグニシヨンスイツチその他の
スイツチをカバー１３に取り付けることができ
る。メータ、スイツチ等を計器類と称した。

〔効果〕

以上説明した本考案によれば、燃料タンクの前
部に上下に抜ける溝状の凹部を形成し、この凹部
空間にエンジンの補器を収容するとともに、この
凹部空間がこの凹部空間に臨む計器類を備えた燃
料タンクカバーにより上方から覆われるようにし
たので、凹部空間に生じる死空間が有効に利用さ
れる。また、シエルタなどの別部材を用いないの
で、構造が簡単である。さらに、燃料タンクカバ
ーにより、凹部空が呈する外観上の不都合が解消
されるとともに、燃料タンクカバーに計器類が取
り付けられることで、従来では配置に苦慮する場
合もあつた計器類のレイアウトが容易となり、ま
た、デザイン上の自由度が増す等種々の優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は燃料タンクおよびその廻りの各部品の分解斜視
図、第２図は第１図の燃料タンクを備えた自動二
輪車の側面図、第３図は第２図における一部切欠
きの要部拡大図である。 １……車体フレーム、２……ヘツドパイプ、４
……前輪懸架装置、５……エンジン、６……燃料
タンク、６ａ……凹部、Ａ……凹部空間、１１…
…エアクリーナ（補器）、１２……メータ（計器
類）、１３……燃料タンクカバー、１５……メー
タパネル、１８……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンを支承する車体フレームの上部前端
   に、前輪懸架装置を支持するヘツドパイプが一体
   に設けられ、このヘツドパイプの後方、かつ、エ
   ンジンの上方の位置に燃料タンクが配設された自
   動二輪車において、燃料タンクの前部に上下に抜
   ける溝状の凹部を形成し、この凹部空間にエンジ
   ンの補器を収容するとともに、この凹部空間がこ
   の凹部空間に臨む計器類を備えた燃料タンクカバ
   ーにより上方から覆われるようにした自動二輪
   車。