JPH0123513B2

JPH0123513B2 -

Info

Publication number: JPH0123513B2
Application number: JP60088191A
Authority: JP
Inventors: Juichi Kobayashi; Satoshi Saito
Original assignee: Pentel Co Ltd
Current assignee: Pentel Co Ltd
Priority date: 1985-04-24
Filing date: 1985-04-24
Publication date: 1989-05-02
Also published as: JPS61246272A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）本発明はマーキングインキ組成物に関し、更に
詳細には表面が平滑で不浸透性であるプラスチツ
ク板、金属板、セラミツク表面板、ガラス板、焼
付塗装板等の筆記面上に筆記することができ、且
つ、その筆跡を必要に応じて乾いた布や柔軟な紙
で軽く擦過することにより容易に消去することが
できるマーキングインキ組成物に関するものであ
る。（従来の技術）従来、着色材、樹脂、及び溶剤からなるマーキ
ングインキ組成物に少量の不揮発性液体を添加し
たり、界面活性剤を添加するなど種々の方法で筆
跡の消去性を向上させる試みがなされている。（発明が解決しようとする問題点）然し乍ら、これらのマーキングインキ組成物
は、筆跡の初期消去性及び経時消去性が未だ充分
でなく、筆跡を乾いた布等で何回擦過してもかす
かな色残りが確認され、筆跡が完全に消去されな
いといつた問題点を有している。（問題点を解決する為の手段）そこで本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、着
色材を顔料とし、溶剤を低級アルコールとし、樹
脂を該低級アルコールに可溶な樹脂としたマーキ
ングインキ組成物に、添加剤として炭素数８以上
のモノカルボン酸と炭素数８以上の脂肪族一価ア
ルコールとのエステルである脂肪酸エステルと、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン
系界面活性剤及び／又はポリオキシエチレンアル
キルフエノールエーテル型非イオン系界面活性剤
とを併用することにより、著しく消去性が向上す
ることを見い出し、遂に本発明を完成したもので
ある。即ち本発明は顔料と、低級アルコールと、
該低級アルコールに可溶な樹脂と、炭素数８以上
のモノカルボン酸と炭素数８以上の脂肪族一価ア
ルコールとのエステルである脂肪酸エステルと、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン
系界面活性剤及び／又はポリオキシエチレンアル
キルフエノールエーテル型非イオン系界面活性剤
とから少なくともマーキングインキ組成物を要旨
とするものである。（作用）本発明のマーキングインキ組成物が何故消去性
に優れているのかは定かではないが以下の様に推
察する。本発明のマーキングインキ組成物による筆跡は
溶剤が蒸発すると、炭素数８以上のモノカルボン
酸と炭素数８以上の脂肪族一価アルコールとのエ
ステルである脂肪酸エステルと、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル型非イオン系界面活性剤及
び／又はポリオキシエチレンアルキルフエノール
エーテル型非イオン系界面活性剤とが樹脂に可塑
性、及び湿潤性を与え、皮膜全体を脆化させてい
ることにより消去性が向上しているものと推察さ
れる。尚、上記の脂肪酸エステルと上記の非イオ
ン系界面活性剤の２種添加剤のうち一つでも欠け
ると消去性が極端に悪くなる事により、２種添加
剤が互いに何らかの相乗効果により消去性の向上
に寄与しているものと思われる。（発明の構成）以下に本発明の各成分について詳細に説明す
る。顔料は着色材として使用するもので、インキ組
成物中に微粒子として安定に分散されるものであ
れば、使用可能であるが、特に表面を樹脂コーテ
イングした加工顔料が分散性、経時安定性、作業
性の点から好ましい顔料の１つである。これらの
使用量は顔料の種類、他のインキ成分により異な
るが、インキ全量に対して１〜20重量％、好まし
くは２〜６重量％である。低級アルコールは溶剤として使用するもので、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、イソブタノール等の１
種又は２種以上が使用可能であり、使用する助剤
との混和性を考慮して種々のアルコールの混和比
が決定される。これらの使用量はインキ全量に対
して65〜90重量％、好ましくは72〜85重量％であ
る。樹脂はインキに皮膜形成能を与え、被筆記面へ
の付着性、インキの粘性、及び顔料の分散安定性
の付与の為に使用するもので、前記低級アルコー
ルに可溶なものであれば使用可能であるが、イン
キの粘度を低くする為に比較的低重合度のものを
用いるのが好ましい。具体例としてはポリビニル
ブチラール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル
樹脂、ポリアクリル酸エステル、シエラツク、エ
チルセルロース等が挙げられ、これらの１種又は
２種以上が使用可能であり、その使用量はインキ
全量に対して１〜20重量％、好ましくは２〜10重
量％である。尚、前記顔料が加工顔料の場合は、
顔料中の樹脂を代替とすることも可能である。炭素数８以上のモノカルボン酸と炭素数８以上
の脂肪族一価アルコールとのエステルである脂肪
酸エステルは、筆跡の消去性を向上させる為に使
用するもので、その具体例としては、カプリル酸
イソステアリル、カプリル酸オレイル、２―エチ
ル―ヘキサン酸ヘキサデシル、２―エチル―ヘキ
サン酸ステアリル、ミリスチン酸イソオクチル、
パルミチン酸イソオクタデシル、ステアリン酸イ
ソオクチル、ステアリン酸イソオクタデシル等が
挙げられ、これらは１種又は２種以上が使用可能
であり、その使用量はインキ全量に対して0.5〜
12重量％、好ましくは３〜８重量％である。ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオ
ン系界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキル
フエノールエーテル型非イオン系界面活性剤は、
筆跡消去性を向上させるとともに筆跡が乾いた
後、連続皮膜を形成させる為に使用するもので、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエニル
エーテル等があり、具体的にはエマルゲン105（花
王アトラス(株)製）、ニツコールBC―２、同BO―
２（以上、日光ケミカルズ(株)製）、エマルゲン404、
同408、同903（以上、花王アトラス(株)製）、ニツコ
ールBS―２（日光ケミカルズ(株)製）、ノイゲンEA
―50、同EA―70（以上、第１工業製薬(株)製）等が
挙げられ、その使用量はインキ全量に対して１〜
８重量％、好ましくは２〜５重量％である。以上に示した成分以外に必要に応じて、防腐
剤、防カビ剤、湿潤剤、粘度調節剤、凍結安定
剤、消泡剤、界面活性剤などの種々の添加剤を適
宜選択して使用することもできる。本発明のマーキングインキ組成物は上述せる成
分をボールミルなどの分散機にて混合分散するこ
とにより容易に得ることができる。（実施例）以下に本発明を実施例に従つて更に詳細に説明
するが実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。以下の表―１に示す実施例１〜４、比較例１〜
３の各成分をボールミルにより混合分散させるこ
とによりマーキングインキ組成物を得た。

【表】（発明の効果）以上、実施例１〜４、比較例１〜３で得られた
マーキングインキ組成物を使用して各試験を行な
つた結果を表―２に表す。

【表】

【表】以上の如く、本発明のマーキングインキ組成物
は表面が平滑で不浸透性である筆記面上に筆記で
き、その筆跡を乾いた布等で軽く擦過することで
容易に消去でき、しかも経時後の消去性も優れた
ものである。

Claims

【特許請求の範囲】

１顔料と、低級アルコールと、該低級アルコー
ルに可溶な樹脂と、炭素数８以上のモノカルボン
酸と炭素数８以上の脂肪族一価アルコールとのエ
ステルである脂肪酸エステルと、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル型非イオン系界面活性剤及
び／又はポリオキシエチレンアルキルフエノール
エーテル型非イオン系界面活性剤とから少なくと
もなるマーキングインキ組成物。