JPH01213395A - メソフェースピッチの連続的製造方法 - Google Patents

メソフェースピッチの連続的製造方法

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JPH01213395A
JPH01213395A JP3916888A JP3916888A JPH01213395A JP H01213395 A JPH01213395 A JP H01213395A JP 3916888 A JP3916888 A JP 3916888A JP 3916888 A JP3916888 A JP 3916888A JP H01213395 A JPH01213395 A JP H01213395A
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JP
Japan
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pitch
reactor
mesophase
heat treatment
mesoface
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JP3916888A
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English (en)
Inventor
Kenji Kazuma
謙二 数馬
Kiyotoshi Mase
間瀬 清年
Koichi Sakurai
桜井 公一
Shiyuuji Fuseshiro
伏代 周司
Hiroyuki Kuroda
博之 黒田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Toa Nenryo Kogyyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は炭素繊維及び成形炭素材料を製造するのに適し
たメソフェースピッチの製造方法に関する。更に詳しく
は、本発明は高強度、高弾性率を有する高性能の炭素繊
維及び成形炭素材料の原料として好適なメソフェースピ
ッチの連続的製造方法に関する。
〔従来技術〕
従来、自動車、航空機その他の各種産業分野にわたって
、軽量、高強度、高弾性率等を有する高性能素材の開発
が要望されており、かする観点から炭素繊維が注目され
ている。
現在市販の炭素繊維は依然としてポリアクリロニトリル
を原料とするPAN系炭素繊維が主流であるが、石炭又
は石油系ピッチ類を原料とする炭素繊維は原料が安価で
、炭化工程での歩留りが高く、弾性率の高い繊維が得ら
れるなどの利点から重要視され、活発な開発研究が行な
われている。
光学的に等方性のピッチから得られる炭素繊維は強度、
弾性率ともに低いが、光学的等方性ピッチを熱処理して
得られる光学的異方性ピッチ(即ちメソフェースピッチ
)からは高性能炭素繊維が得られる。しかし、メンフェ
ースピッチから炭素繊維を製造する方法においては、紡
糸原料であるメソフェースピッチ中に揮発性低分子物が
残留するとか、軟化点の低いメソフェースピッチを得る
ことが困難であるとかいう問題があり、これらの欠点を
解消する方法として、高性能炭素繊維を安定的に製造し
得るメソフェースピッチに関する多数の提案がなされて
いる。
その上、低軟化点を有し且つ均質なメソフェースピッチ
を工業的に大規模で連続的に製造しようとする場合には
、ピッチの熱処理を均一に行なうための配慮が必要にな
り、特に局部過熱の発生を回避し且つピッチの滞留時間
分布を狭くすることが要求される。即ち、熱処理初期に
発生したメソフェースと熱処理後期で発生したメソフェ
ースとが混合することのないようにしなければならない
しかも、メソフェースピッチの製造方法は炭素質原料を
熱分解重縮合反応させるものであることから、原料の大
略50%以上に当たる多量の軽質油を反応系外に排出さ
せる必要がある。このためこの熱分解重縮合反応を所謂
バッチ方式で大規模に行なう場合、反応壁面の伝熱ネッ
クが大きく、コーキングを避けようとすると入熱ネック
になり、一方ヒーター容量を大きくすると外周部ヒータ
ーと油温との温度差が大きくなるので、ヒートバランス
が悪くなって操作安定性に欠け、またコーキング等が発
生するという問題がある。
ピッチの連続的製造方法としては、反応槽を上下に分割
し、反応槽上部を約380℃以上、好ましくは380〜
430℃に加熱撹拌された反応域とし、反応槽下部を約
400℃以下で実質的に撹拌されていない静置域とし、
原料を該反応域に導入し、得られたメソフェースピッチ
を該静置域から連続的に抜出す方法(特開昭58−16
8687号公報)やピッチ原料を加熱処理器の上部に添
加し、ここで撹拌処理してメソフェースピッチを生成さ
せ、熱処理された生成物を別の容器であるメソフェース
成長融着器の中程に添加し、ここで成長融着したピッチ
を下部から抜き出し、非メソフェースピッチを上部から
抜き出して加熱処理器に戻すことによって100%メソ
フェースピッチを製造する方法(特開昭58−1341
81号公報)などがある、しかし、これらの方法では、
低分子成分を生成したメソフェース(球晶)中に取り込
み易く、またメソフェース濃度を高めようとすると、ど
うしても生成したメソフェースの滞留時間分布が広くな
るので、メソフェース中の狭雑物が多くなり、分子量分
布が広くなって均一なピッチが得にくいこと、また反応
器周辺から加熱する(壁面加熱)ため、コーキングを避
けつつ加熱しようとすると入熱ネックになるので、装置
の大容量化ができないことなどという欠点がある。
また特開昭62−146986号公報には、外周部にお
いて加熱され、外周部に導入口を内部に排出口を有し、
且つ外周部から内部に至るように流路形成部材により区
分された該導入口から該排出口に連通ずる流路を有する
加熱処理帯域を設けて、原料を該導入口に供給し、該排
出口から生成メソフェースピッチを抜出す方法が提案さ
れているが、この方法は均一なピッチを調製する面では
改良されるものの、反応器内部の形状が複雑であり、大
容量化ができないという欠点がある。更に特開昭61−
271392号公報には、管状炉を用いて450〜52
0℃に加熱して、単一反応槽に導入し、ガス状蒸気熱媒
体と接触させて、熱分解油及び熱分解ガスを気相成分と
して分離除去すると共に、メソフェースの分散したピッ
チを液相成分として生成させ、これをメソフェース分離
装置に移送してメソフェース含量の高いメソフェースピ
ッチ成分とメソフェース含量の低いマトリックスピッチ
成分とに分離してメソフェースピッチを得、しかもこの
際1反応槽で得られた熱分解油は水添後、反応槽ヘリサ
イクルし、またメソフェース分離工程で得られたメンフ
ェース含量の低いマトリックスピッチ成分を反応槽ヘリ
サイクルする方法が開示されているが、この方法は大容
量化の点では前進が見られるものの、生成メソフェース
中に極めて挾雑物が多くなり、均質なピッチが得られに
くいという欠点を有する。
また、上記の特開昭58−134181号及び特開昭6
1−271392号公報には、分離した非メソフェース
ピッチ成分を反応器ヘリサイクルすることが述べられて
はいるものの、そのリサイクルのタイミングについては
考慮されておらず、これが均一なピッチを更に得にくく
する原因ともなっている。
〔目   的〕
本発明の目的は、操作安定性に優れると共にコーキング
の発生がなく、ピッチの滞留時間分布を極めて狭くする
ができ、反応中にコーキングを避けつつ加熱しようとす
ると入熱ネックになる問題点を解決して、均質なメソフ
ェースピッチを高収率で連続的に大量に製造する方法を
提供することにある。
〔構  成〕
本発明によれば、炭素質原料がらメソフェースピッチを
連続的に製造する方法において、(i)炭素質原料を、
反応器外に設置された外部加熱手段を有する直列的に配
置された複数基の連続予備処理反応器に供給して、連続
式に予備処理されたピッチを得、 (…)次いでこの予備処理されたピッチを、交互に又は
サイクルしながら使用される並列的に配置された複数基
の熱処理反応器の少くとも1基に供給し、しかも該熱処
理反応器への予備処理されたピッチの供給、熱処理及び
生成メソフェース含有ピッチの抜出しを順次繰返して連
続的に行ない、 (■)次いで得られたメソフェース含有ピッチを、メソ
フェースピッチ成分と非メソフェースピッチ成分とに分
離して、メソフェースピッチを得、(tv)且つ前記工
程(■)で得られた非メソフェースピッチを、前記熱処
理反応器に循環注入する、 ことを特徴とするメソフェースピッチの連続的製造方法
が提供される。
即ち、本発明のメソフェースピッチの連続的製造方法は
、第1に炭素質原料を予め、反応器外に設置された外部
加熱手段を有する直列的に配置された複数基の予備処理
反応器に供給して、連続式に予備処理されたピッチを得
ることを特徴とする。
反応器外に設置された外部加熱手段で加熱して予備処理
されたピッチを得る工程を、メソフェース生成反応工程
の前に設けたことがら、本発明においては、コーキング
を避けつつ加熱しようとすると入熱ネックになる問題点
を解決することができてヒートコントロールが良くなる
ため、コーキングの発生をバッチシステムに比べて少な
くすることが−できる上、設備費も低廉なものとなり、
しかも安定且つ効率的な原料の供給が可能となる。
また、本発明のメソフェースピッチの連続的製造方法は
、前記の予備処理工程の採用と共にメソフェース生成の
ための熱処理工程において、熱処理反応器自体の操作を
半回分方式で実施することにより、熱処理工程における
メソフェースの滞留時間分布を狭くすると共に、メソフ
ェースピッチ分離工程から得られる非メソフェースピッ
チを、該熱処理反応器に循環することにより、メソフェ
−スピッチの収率を向上させ、しかもコーキングを避け
ようとすると該熱処理反応器における入熱ネックになる
問題点を解決して、ヒートバランスがとり易く、均質な
メソフェースピッチを得ることができる。
また本発明の好ましい態様においては、熱処理反応器内
で反応中の原料より生成したピッチにメソフェース(球
晶)が発生し始めた時点又は該反応器内で反応中の原料
より生成したピッチのキノリン不溶成分濃度がメソフェ
ースピッチ分離工程で得られた非メソフェースピッチの
キノリン不溶成分濃度とほぼ同一になった時点の何れか
で、メソフェースピッチ分離工程で得られた非メソフェ
ースピッチを該反応器に循環注入することにより、メソ
フェースピッチの滞留時間分布を広げることなしに、メ
ソワニスピッチの収率を向上させることができる。
以下、本発明のメソフェースピッチの連続的製造方法に
ついて詳細に説明する。
〔炭素質原料〕
本発明で用いるメンフェースピッチ製造用原料としては
、種々の、所謂重質炭化水素油、タール又はピッチを使
用することができる。これらの原料の例としては、例え
ば、石油系の種々の重質油、アスファルト(例えばスト
レートアスファルト。
ブローンアスファルト等)、熱分解タール、又は接触分
解タール、或いは石炭の乾留などで得られる重質油、タ
ール、ピッチ又は1石炭液化工程から製造される重質液
化石炭、或いはこれらを水添したもの、これらの混合物
等を挙げることができ、これらは必要な場合には、濾過
、溶剤抽出等の予備処理を施した上で使用される。更に
本発明により製造されるメソフェースピッチの品質を安
定させるため、特に、熱分解重縮合反応の結果、一部、
既に少量のメソフェースピッチを含む炭素質ピッチを原
料として使用してもよい。
なお、本発明で言うメソフェースピッチ(即ち光学的異
方性ピッチ)とは、常温で固化したピッチ塊の断面を研
摩し、反射型偏光顕微鏡で直交ニコルを回転して光輝が
認められるピッチ、即ち実質的に光学的異方性であるピ
ッチが大部分であるピッチを意味し、光輝が認められず
光学的等方性であるピッチにつしては、本明細書では非
メソフェースピッチ(光学的等方性ピッチ)と呼称する
従って、本明細書におけるメソフェースピッチには、純
粋な光学的異方性ピッチのみならず、光学的異方性相の
中に光学的等方性相が球状又は不定形の島状に包含され
ている場合も含まれる。これとは逆に、非メソフェース
ピッチとは、光学的等方性ピッチ中に、少量の光学的異
方性相を包含するものも含まれる。またメソフェースに
はキノリン又はピリジンに不溶なものとキノリン又はピ
リジンに可溶な成分を多く含むものとの二種類があり、
本明細書で言うメソフェースは主として、後者のメソフ
ェースである。
また、本発明でいうメソフェース含量とは、試料を偏光
顕微鏡で直交ニコル下で観察写真撮影して、試料中のメ
ソフェース部分の占める面積割合を測定することにより
求めたものである。なお本発明でいうピッチの軟化点と
は、ピッチの固−液転移温度をいうが、差動走査型熱量
計を用い、ピッチの融解又は凝固する潜熱の吸、放出ピ
ーク温度から求めたものである。この温度はピッチ試料
について他のリングアンドボール法、微量融点法などで
測定したものと±10℃の範囲で一致する。
〔予備処理工程〕
予備処理工程は前記炭素質原料を予め1反応器外に設置
された外部加熱手段を有する直列的に配置された複数の
予備処理反応器に連続式に供給し、装置内にコーキング
が起らないようにして熱処理することによって行なわれ
る。予備処理反応器としては円筒状容器を用いることが
でき、該円筒状容器に炭素質原料を導入し外部より加熱
する型式のもの、例えば外部熱交換器、管状式加熱炉な
どを用いることができる。なお予備処理反応器には撹拌
機が設置され、熱交換器などの外部加熱手段の他に、補
助ヒーターとして外周部加熱ヒーターを有するものが好
ましい。
また予備処理反応器は複数基用いられ通常は2〜20基
、特に好ましくは3〜10基である。予備処理反−、ノ 応器が2基未満では、熱処理により生成するメソフェー
スピッチ中に低分子物質が入り易くなるため好ましくな
く、逆に該反応器が20基を越えると、設備費が高くな
るので好ましくない。
なお、本発明においては最前列(第1)の予備処理反応
器の容量を、熱処理反応器の2.0倍以上とするのが望
ましい。そして、第2の予備処理反応器の容量は第1の
予備処理反応器の容量より小さくし、第3の予備処理反
応器以降についても、同様にして前段にある予備処理反
応器の容量より、順次小さくするのが好ましい、但し、
熱処理反応器よりは小さくしない。第1の予備処理反応
器の容量が熱処理反応器の2.0倍未満であると、生成
するピッチ中に未だに反応が進んでいない低分子量成分
の量が増大し、紡糸性の良好なピッチが得にくくなる。
この予備処理条件は炭素質原料の種類によっても異なる
が、−量的には反応時間は1〜20時間、好ましくは2
〜10時間、温度は350−440℃、好ましくは36
0〜420℃、圧力は常圧〜20Kg/dG、好ましく
は常圧〜5Kg/ff1Gである。なお、温度は前の方
にある反応器の温度を低くシ、後段にある反応器はそれ
と同等又は高くするようにするのが好ましい。
予備処理工程では、均一に反応させるために撹拌が行な
われるが、更に熱分解の結果生成した低分子量の物質を
速かに除くため、不活性ガスを0.5〜10Q/min
/kgの割合で流通しながら行なうのが好ましい、この
場合不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、水蒸気、炭
酸ガスなどの他、メタン、エタンその他の軽質炭化水素
などが使用される。
また予備処理反応を減圧下で行なうこともできる。
この予備処理工程においては、原料油中の炭化水素成分
の軽質油分が除去されると共に炭化水素の重縮合化や芳
香族化が起こり原料油のピッチ化が促進される。
(熱処理工程〕 メソフェースピッチを生成する熱処理工程はメソ化反応
、即ち、前記予備処理工程で得られたピッチの熱分解重
縮合反応を行ないメソフェースを生成させる工程であり
、本発明では並列的に配置された複数基の熱処理反応器
を用いて実施される。
該反応器では前記予備処理工程で得られたピッチ(即ち
中間ピッチ)の張込み完了後、熱分解重縮合反応が行な
われ、所望のメソ化率(熱分解重縮合反応後のピッチ中
のメソフェースの割合、体積算と定義する)に達したと
ころで反応を停止し、生成メソフェース含有ピッチは該
反応器下部から抜出され、メソフェースピッチ分離工程
へ送られる。
並列的に配置された複数基の熱処理反応器は、−度に同
時に原料中間ピッチの供給、反応及び反応生成物の抜出
しを行なうこともできるが、本発明では熱処理反応器を
複数のグループに分けて、該反応器を交互に又はサイク
ルしながら使用して熱処理反応を行ない、メソフェース
含有ピッチを連続的に製造する0例えば、2つのグルー
プに分けた場合は、一方のグループで熱処理反応を行な
っている間に、他方のグループでは反応生成物の抜出し
及び原料中間ピッチの供給を行なう、好ましくは、少な
くとも3グル一プ以上に分けて、原料中間ピッチの供給
、反応及び反応生成物の抜出しを連続的に行ない、シー
ケンスを組み、メソフェース含有ピッチを連続的に製造
する。このようにして連続的にメソフェース含有ピッチ
が得られ。
ラインにピッチが常時流れているので、製造ラインの閉
塞トラブルもなく、また分解油、分解ガスの回収系もミ
ニマムなものにすることができるので、効率的に且つ円
滑にメソフェース含有ピッチが製造できる。
以上のような操作を繰返すことにより、複数基の熱処理
反応器の何れかに原料中間ピッチが逐次供給さ、れ、該
反応器の何れかで熱分解重縮合反応が実施され且つ該反
応器の何れかからメソフェース含有ピッチが逐次抜出さ
れ、熱処理を連続的に実施することができる。[湯中間
ピッチの張込み、反応及び反応生成物の抜出しという操
作から、熱処理反応器のグループ分けは2−5グループ
が好ましい、2グル一プ未満では、系内が連続フローに
ならないので好ましくなく、逆に5グループを超えると
シーケンスが複雑になり、設備費が高くなるので好まし
くない。
1つの熱処理反応器の大きさは、コーキングを避けつつ
入熱ネックにならないようにするために、50〜100
0fl、張込み量で30〜700kgのものが好ましい
、これをピッチの必要量に応じて、必要な数だけ、並列
的に配置する。なお熱分解重縮合反応とは、重質炭化水
素の熱分解反応と重縮合反応とが、ともに主反応として
併列的に起ることにより、ピッチ成分分子の化学構造を
変化させる反応を意味し、この反応の結果、パラフィン
鎖構造の切断、脱水素、閉環、重縮合による多環縮合芳
香族の平面構造の発達等が進行するものである。
この反応のために、yK料中間ピッチは約380〜約4
60℃、好ましくは400〜440℃で熱処理される0
反応温度が約460℃を超過すると、原料未反応物の揮
発が増大し、メソフェースの軟化点も高くなり且つコー
キングを発生し易くなるので不適当であり、逆に約38
0℃未満では、反応に長時間を要し好ましくない。
熱処理工程では、局部過熱を防ぎ、均一に反応させるた
めに、撹拌が行なわれるが、更に、熱分解の結果、生成
した低分子量の物質を速やかに除くため、減圧下におい
て、あるいは常圧〜20Kg/ff1G下において、不
活性ガスを反応器中へ吹き込みながら行うことができる
。この場合、不活性ガスとしては、窒素、水蒸気、炭酸
ガス、軽質炭化水素ガス、又はこれらの混合ガス等、反
応温度でピッチとの化学反応性が充分小さいものを使用
することができる。これらの不活性ガスは、吹込み前に
予熱しておくことが、反応温度を下げることなく好まし
い。
分解油及び分解ガスを含んだ該不活性ガスは、反応器上
部より抜き出され、コンデンサー、スクラバー、分離槽
等を経て、分解油及び分解ガスが除去される。その後、
該不活性ガスを再循環使用することも可能である。
この熱処理反応器は通常円筒状容器からなるものが用い
られ、原料中間ピッチ供給口、分解油、分解ガス、不活
性ガス等の排出口、メンフェース含有ピッチ抜出口、後
記するメソフェースピッチ分離工程から得られた非メソ
フェースピッチを循環注入する導入口等が設けられ、反
応器内部には撹拌装置等が、また外周部にはピッチ加熱
用のヒーター等が配設されている。
本発明の熱処理工程では、低分子量分解生成物や未反応
物を実質上瞼いた生成ピッチ中にメソフェース成分が約
30〜約80%、好ましくは約30ト約70%含有され
るような状態になったとき、中止し、次のメソフェース
ピッチ分離工程へ移送するのが好ましい、と言うのは、
メソフェースピッチ分離工程で低軟化点の均質なメソフ
ェースピッチを高収率で得るためには、熱分解重縮合反
応後のピッチ収率が高く且つメソフェース含量が約20
〜約80%。
軟化点が260℃以下であるものが好ましいためである
。熱分解重縮合反応後のピッチ中のメソフェース成分が
20%未満のものでは、次の分解工程でのメソフェース
ピッチの収率が極めて小さく、逆にメソフェース成分を
80%より大きいものにしたり、軟化点が260℃より
高いものにしたりすると、分離工程での分離性が悪くな
って高濃度のメソフェースピッチが得られず、取得メソ
フェースピッチの軟化点が高いものとなる。この工程で
得られるメソフェース含有ピッチとしては、メソフェー
スの大部分又は実質的に全てが直径500μm以下、好
ましくは300μm以下の球状の状態であるものが適切
であり、またキノリン不溶成分濃度が30重量%以下で
且つベンゼン不溶−キノリン可溶成分濃度が25重量%
以上であるものが好ましい。
また、本発明においては、後記するメソフェースピッチ
分離工程で得られた非メソフェースピッチが、熱処理反
応器に循環注入される。
特に熱処理反応器内で反応中の原料より生成したピッチ
にメソフェース(球晶)が発生し始めた時点又は該反応
器内で反応中の原料より生成したピッチのキノリン不溶
成分濃度が前記非メソフェースピッチのキノリン不溶成
分濃度とほぼ同一になった時点の何れかで、前記非メソ
フェースピッチを該反応器に循環注入することが好まし
い。と言うのは、メソフェースが発生し始めた時点にお
ける生成ピッチと少量のメソフェースを含有する非メソ
フェースピッチとはその性状が非常に接近しており、こ
の時点で生成ピッチと非メソフェースピッチとを混合す
ることにより、熱分解重縮合反応中メソフェースの滞留
時間分布(即ち分子量分布)を広げることなしに、メソ
フェースピッチの収量を向上させることができるからで
ある。またこのことは、原料より生成したピッチのキノ
リン不溶成分濃度が前記非メソフェースピッチのキノリ
ン不溶成分濃度とほぼ同一になった時点で、両者を混合
することによっても達成できることが容易に理解される
であろう。なお、キノリン不溶成分濃度は粉末ピッチを
キノリンを溶剤としてJIS−に−2425に基いて遠
心分離法で不溶分を測定することによって求められる。
前記非メソフェースピッチの循環注入が遅すぎると、等
方性相のメソ化反応が充分進まず、メソフェースの収量
向上に殆んど寄与しなくなるし、逆に前記非メソフェー
スピッチの注入が早すぎると、該非メソフェースピッチ
成分のメソ化反応が進みすぎて、メソフェース含有ピッ
チ中のメソフェースの分子量分布が広がり、製品ピッチ
の品質低下をもたらす危険性がある。従って、熱処理反
応器内のピッチの性状が前記非メソフェースピッチの性
状とほぼ同一になった時点で、両者を混合するのが好ま
しい、なお生成ピッチの均質性の向上と反応を促進する
目的で、熱処理反応器への前記非メソフェースピッチの
循環注入後、インジェクションガス量を増加する場合も
ある。
〔メソフェースピッチ分離工程〕
本発明においては、前記熱処理工程で生成したメソフェ
ース含有ピッチは、次のメンフェースピッチ分離工程に
送られ、ここでメソフェースピッチ成分と非メソフェー
スピッチ成分とに分離される。このメソフェースピッチ
と非メソフェースピッチを分離するための方法としては
、公知の種々の分離法が適宜採用されるが、特に熟成沈
積法(参、特公昭61−38755号公報)や遠心分離
法(参、特開昭58−180585号、同60−346
19号公報)を採用するのが好ましく、とりわけ工業的
大規模連続生産においては、遠心分離法を採用するのが
好ましい。
遠心分離法は、熱処理工程で生成したメソフェース含有
ピッチに、その溶融状態で、遠心分離操作を加えること
により、メンフェース成分は等方性分よりも比重が大き
いために迅速に沈降し1合体成長しつつ下層(遠心力方
向の層)へ集積し、メソフェースが約80%以上で連続
相を形成し、その中にわずかに等方性を島状または微小
な球状体の形で包含するメソフェースピッチが下層とな
り。
一方上層は等方性相が大部分で、その中にメソフェース
が微小な球状体で分散している形態の非メソフェースピ
ッチとなり、しかもこの上層と下層との界面が明瞭であ
って、しかも上層と下層の溶融状態での比重差が異るこ
とを利用して、下層を上層より分離して取出し、メソフ
ェースピッチと非メソフェースピッチとを分離する方法
である。
なお、遠心分離操作とは、流体に高速回転作用を与え、
流体中のより比重の大きい相を下層(遠心力の方向)へ
集め、これを分離する処理操作であり、その実施態様の
一つとして所謂遠心分離機による操作、特に連続的に重
相と軽相を分離排出する連続型遠心分離機などが有利に
使用される。
本工程における温度は遠心力の大きさにもよるが、メソ
フェース含有ピッチの軟化点以上好ましくは280℃〜
400℃、さらに好ましくは320℃〜380℃の範囲
である。この範囲内の所定の一定温度でもよく、また必
らずしも一定温度でなくてもよい。
この工程では、メソフェースの多くの部分を遠心力方向
へ沈積させ合体せしめることが主目的であり、熱分解お
よび重縮合反応はできるだけ避ける必要がある。従って
400℃以上の温度は好ましくないし、また必要以上の
温度は遠心分離装置の長時間の連続運転を難しくするが
、上述の温度では、その問題もない。また上述の範囲よ
りも低温ではピッチ系全体の、特にメソフェース成分の
粘度が大きいため下層メソフェース中に共沈した等方性
相が脱けにくく、長時間の且つ非常に大きい遠心力加速
度を与えても分離が難しくなる。
また、該遠心分離操作の遠心力加速度は、如何なる値で
あってもよいが、メソフェース成分(重相)と非メソフ
ェース成分(軽相)とを、滞留時間を短かくして、効率
的に短時間で分離するために、好ましくは1 、0OO
G以上、特に10,000〜40,0OOGの範囲を採
用することができる。なお、50 、0OOG以上では
装置面の制約がある。
本工程で分離されたメソフェースピッチは連続的に系外
へ取出され、液状のままあるいは固化され製品となる0
本工程からメソフェース含量が802以上の高濃度メソ
フェースピッチを容易に得ることができ、特にメソフェ
ース含量が95%以上のものを短時間に、経済的に、得
ることができ、しかもその軟化点は充分に低く、230
℃〜320℃の範囲にある。そして、このメソフェース
含量の高い、特に95%以上のメソフェース含量の且つ
軟化点が230℃〜320℃の範囲のメソフェースピッ
チは、溶融紡糸加工特性において優れ、その均質性と高
い分子配向性のために、これから製造した炭素繊維及び
黒鉛繊維は特に引張り強度、弾性率に優れたものとなる
また、本工程で分離された非メソフェースピッチは、前
記したように前記熱処理工程に循環され、再度熱処理を
受けて、最終的なピッチの収率を向上させる。
〔仕上げ工程など〕
なお、本発明においては、メソフェースピッチ分離工程
の後に、適当な後処理仕上げ工程を加えることも可能で
ある。即ち、分離工程で特に短い滞留時間を用いて、軟
化点は充分低いが、メソフェース含量が約80%〜90
%と、やや不充分なメソフェースピッチを製造し、次に
これを300℃〜430℃の温度で熱重質化反応処理を
加えて、最終ピッチ製品の特性が狭い品質管理限界内に
入るように調節する方法である。
メソフェースを80〜90%含有するメソフェースピッ
チは等方性成分を10〜20%含有しているが、この等
方性成分はさらに熱重質化反応処理を少し加えることに
よって減少し、また軟化点も次第に上昇することが判っ
ているので、適度に調節された温度と処理時間で、遠心
分離後のピッチを熱重質化することによって、メソフェ
ースの含量を95%以上、軟化点を230℃〜320℃
に調節することができ。
この方法によってその後の炭素繊維製造工程即ち溶融紡
糸、不融化、炭化の工程条件がほぼ一定で管理でき、ま
た製品の炭素繊維の品質も安定するという効果がある。
また、この後処理仕上げ工程には、熱重質化反応以外に
溶剤抽出、溶剤による洗浄なども用いうろことはいうま
でもない。
〔フローシート〕
図面は本発明の方法を実施するためのフローシートの1
例を示すものである。
図面において、■は原料タールタンク、2は原料タール
予備加熱器、3−a、3−b及び3−eは連続式予備処
理反応器、 4−a、4−b、 4−c及び4−dは熱
処理反応器、5は循環ポンプ、6は外部熱交換器(加熱
器)、7は液面(流量)制御バルブ、8は反応器外周部
ヒーター、9は反応器の撹拌機、IOは撹拌機用モータ
ー、11はメソフェース含有ピッチタンク(セパレータ
ー)、12はメソフェース分離装置、13はメソフェー
スピッチタンク、14は非メソフェースピッチタンク、
15は分解油セパレ−ター、16はリサイクルガス加圧
器、17はガス予熱器である。
原料タールタンク1からの原料タールは原料タール予備
加熱器2で加熱され、先ず第1予備処理反応器3−aに
導入される。予熱された原料タールは第1予備処理反応
器3−aにおいて、該反応器底部からその1部を抜出し
、循環ポンプ5により外部熱交換器6を通して該反応器
に循環することにより、好ましくは更に副次的に反応器
外周部ヒーター8により、加熱されて予備熱処理を受け
る。所定の予備熱処理を受けた生成物(ピッチ)は、次
に第2予備処理反応器3−bに導入され、該反応器で同
様な方法で予備熱処理を受けた後、更に第3予備処理反
応器3−cに導入され、同様にして予備熱処理される。
この間各予備処理反応器の液面レベルは、液面制御バル
ブ7によって常に一定に保たれる。
一方、リサイクルガス加圧器16からのガス予熱器17
で予熱されたリサイクルガス(不活性ガス)が各予備処
理反応器3−a〜3−cに夫々の底部から吹込まれ、予
備熱処理反応により発生した熱分解油及び熱分解ガスな
どの低沸点成分が気相中にストリッピングされる。なお
予備熱処理中、各予備処理反応器において、液相部はモ
ーター1o勿IK動された撹拌機9によって撹拌され、
液相部の均−化及び低沸点成分のストリッピングが促進
される状態に保たれる。
各反応器3−a〜3−cの容量は第1予備処理反応器3
−aが最も大きく、以下反応器3−b、同3−cの順に
小さくなり、第1予備処理反応器3−aの容量は後記す
る熱処理反応器4−a〜4−dの容量の2.0倍以上で
ある。
また各予備処理反応器3−a〜3−cの温度は、第1予
備処理反応器3−aの温度が最も低く、予備処理反応器
3−b以降の温度は第1予備処理反応器3−aの温度と
同等か又はそれより高く設定される。
予備熱処理が終了したピッチは第3予備処理反応器3−
cから次に、例えば熱処理反応器4−aに張込まれる。
張込み終了後、原料中間ピッチは反応器外周部ヒーター
8により加熱され、熱分解重縮合反応が進行する。一方
、リサイクルガス加圧器16からのガス予熱器17で予
熱された不活性ガスが熱処理反応器4−aにその底部か
ら吹込まれ、熱分解重縮合反応により発生した熱分解油
及び熱分解ガスなどの低沸点成分が気相中にストリッピ
ングされる。なお熱分解重縮合反応中、液相部はモータ
ー10で駆動された撹拌機9によって撹拌され、液相部
の均−化及び低沸点成分のストリッピングが促進される
状態に保たれる。
所望のメソ化率に達した時点で、生成メソフェース含有
ピッチは熱処理反応器4−aの底部から抜出され、メソ
フェース含有ピッチタンク11へ送られる。一方熱処理
反応器4−aからストリップされた分解油及び分解ガス
などの低沸点成分を含有する不活性ガスは、前記予備処
理反応器3−a〜3−cからの不活性ガスと共に、分解
油セパレーター15で分解油が除去された後、リサイク
ルガス加圧器16及びガス予熱器17を経て、各反応器
へ送られ循環使用される。
なお、熱処理反応器4−aでの張込みが終了した時点で
、原料中間ピッチは例えば熱処理反応器4−dに切換え
て供給され、熱処理反応器4−aでの熱分解重縮合反応
が終了した時点で、熱処理反応器4−dでの熱分解重縮
合反応が開始される。以後同様にして、熱処理反応器4
−dでの熱分解重縮合反応が終了した時点で、熱処理反
応器4−cに張込んである原料ピッチの熱処理が開始さ
れ、その熱分解重縮合反応終了後、熱処理反応器4−b
での熱処理に切換えられる。それ以降、熱分解重縮合反
応が終る毎に、熱処理反応器4−a、同4−d、同4−
C1同4−b、同4−aと切換えて、熱分解重縮合反応
が連続的に行なわれる。
メソフェース含有ピッチタンク11からは連続的にメソ
フェース含有ピッチが抜出され、メソフェース分離装置
12(好ましくは連続型遠心分離機)へ送られ、メソフ
ェースピッチ成分と非メソフェースピッチ成分とに分離
され、前者はメソフェースピッチタンク13へまた後者
は非メソフェースピッチタンク14へ夫々送られる。メ
ソフェースピッチタンク13へ送られたメソフェースピ
ッチは高性能炭素繊維製造用原料として好適なものであ
る。
また非メソフェースピッチタンク14へ送られた非メソ
フェースピッチは、熱処理反応器4−a〜4−dに循環
され、特に好ましくは熱処理反応器4−a〜4−d内で
反応中の原料より生成したピッチにメソフェースが発生
し始めた時点又は該反応器内で反応中の原料より生成し
たピッチのキノリン不溶成分濃度が該非メンフェースピ
ッチのキノリン不溶成分濃度とほぼ同一になった時点の
何れかで、該反応器4−a−4−dに循環注入され、該
循環成分は再度熱介解重縮合反応を受け、メソフェース
ピッチ収量の向上に寄与する。
〔効  果〕
本発明は、熱処理工程の前に、反応器外に設置された外
部加熱手段を有する直列的に配置された複数基の連続予
備処理反応器を使用する予備処理工程を設け、且つ熱処
理工程で並列的に配置された複数の反応器を交互に又は
サイクルしながら使用し、該反応器への予備処理された
ピッチの供給、熱処理及び生成メソフェース含有ピッチ
の抜出しを順次繰返して連続的に行なうことにより。
(イ)分子量分布の狭い均質な高品質メソフェースピッ
チが連続的に容易に得られる、 (ロ)コーキングを回避しつつ加熱しようとすると入熱
ネックになる問題点が解決され、装置の大容量化が7可
能になる、 (ハ)ヒートコントロールが良くなるため、回分方式に
比ベコーキングの発生が抑制できる。
(ニ)回分方式と比べ、同一生産規模において反応器の
容量を小さくできる、 という卓越した効果を奏する。
更に本発明は好ましい態様において、メソフェースピッ
チ分離工程から得られる非メソフェースピッチを特定時
点で熱処理工程に循環注入することにより、 (ホ)メソフェースの分子量分布を広げることなしに、
高いピッチ収率で高品質メンフェースピッチが連続的に
容易に得られる、 という卓越した効果を奏する。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 石油の接触分解で副生ずるタールを、常圧に換算して4
50℃まで減圧蒸留し、更に得られたタールを100℃
において10,0OOGで遠心分離し、更に静電集塵装
置にかけて、タール中の固形分を除去して得たタールを
出発原料とし、図面に示されるような装置を用いてピッ
チを製造した。
反応器は3段直列に設置された予備処理反応器3−a、
3−b、3−cと、並列的に配置された熱処理反応器4
−a、4−b、4−c、 4−dからなり、第1予備処
理反応器3−aは直径40c+++、容量150fiで
あって、後段の反応器はど容量が減少し、第2予備処理
反応器3−bは容量120Q、第3予備処理反応器3−
cは容量95Qで、熱処理反応器4−a〜4−dは何れ
も直径30c+*、容量60flである。
固形分除去後の原料タールを予備加熱器2で400℃に
加熱し、第1予備処理反応器3−aへ100kg/hr
で導入した。該予備処理反応器3−a中の処理液は次に
連続的に第2予備処理反応器3−bへ、更に第3予備処
理反応器3−cへと順次送られる。第1予備処理反応器
3−8は400℃に、以降の予備処理反応器3−b及び
3−c並びに熱処理反応器4−a〜4−dは何れも41
5℃にセットした。各予備処理反応器3−a−3−c共
に各反応器底部から処理液(ピッチ)を抜出し、循環ポ
ンプ5を用い外部熱交換器6を通して各予備処理反応器
に再循環し、且つ反応器外周部ヒーター8を併用して、
各予備処理反応器をセット温度になるようにして、予備
熱処理を行なった。
各予備処理反応器の液面レベルは常に一定になるように
液面制御バルブ7でコントロールし、また分解油及び分
解ガスを液相部から除去するために、リサイクルガス加
圧器16からガス予熱器17を通して予熱された窒素ガ
スを各予備処理反応器に夫々の底部から吹込みながら、
且つ各予備処理反応器の液相部をモーター10で駆動さ
れた撹拌機9で撹拌しながら、予備熱処理反応を行なっ
た。
第1予備処理反応器3−aから第3予備処理反応器3−
cまでの予備熱処理反応は、合計で2.5時間になるよ
うに調節して行なった。
第3予備処理反応器3−cから生成した中間ピッチを抜
出し、熱処理反応器4−a〜4−dの空いている何れか
、例えば4−aに張込み、反応器外周部ヒーター8でセ
ット温度になるようにして、熱処理反応を行なった。な
お熱処理反応中、前記予備熱処理反応と同様に、生成分
解油及び分解ガスを除去するため、予熱された窒素ガス
を熱処理反応器の底部に吹込み、且つ熱処理反応器の液
相部を撹拌機9で撹拌した。
熱処理反応器4−aでの熱処理反応終了後、直ちに該反
応器底部からメソフェース含有ピッチの抜出しを開始し
、メソフェース含有ピッチタンク11へ送り出した。一
方、中間生成ピッチは熱処理反応器4−aへの張込み終
了後、如いている他の熱処理反応器、例えば4−bへ切
換えて張込みを開始し、熱処理反応器4−aでの熱処理
が終了すると同時に熱処理反応器4−bでの熱処理を開
始した。
このようにして、熱処理反応器4−8〜4−dをサイク
ルして使用して、中間生成ピッチの張込み、熱処理及び
生成メソフェース含有ピッチの抜出しを順次繰返して連
続的に行ない、メソフェース含有ピッチを連続的に製造
した。
また、熱処理反応器4−a〜4−dに、後記するメソフ
ェース含有ピッチの遠心分離工程で得られた非メソフェ
ースピッチを、原料タールに対して10%になるように
して循環注入した。循環注入した非メソフェースピッチ
中のメソフェース含量は0.4%であり、且つ非メソフ
ェースピッチ中のキノリン不溶成分濃度は0.5重量%
であった。なお、前記非メソフェースピッチの循環注入
は、第3予備処理反応器3−cからの中間ピッチ中にメ
ソフェース(球晶)が出てきた時点で行なった。この時
の中間ピッチ中のキノリン不溶成分濃度は0.3重量%
であった。
熱処理反応器では、415℃の温度で1.0時間熱処理
を行なった。得られたメンフェース含有ピッチの収率は
49%であり、そのメソフェース含量は39.8%であ
った。
得られたメンフェース含有ピッチをメソフェース含有ピ
ッチタンク11からメソフェース分離用の連続遠心分離
機12に導入し、連続的に350℃においてto、oo
OGの遠心力下で遠心分離を行ない、メソフェース成分
と非メソフェース成分とに分離した。連続遠心分離機1
2で分離されたメンフェースピッチのメソフェース含量
は97%であり、その軟化点は260℃であった。分離
したメソフェースピッチはメソフェースピッチタンク1
3におとし、炭素繊維用紡糸ピッチとして使用し、一方
弁メソフェースピッチは非メソフェースピッチタンク1
4に送った後、前記したように熱処理反応器4−a〜4
−dに循環注入し、再使用した。
以上のようにして1ケ月間連続運転を行なったが1反応
器内及び外部加熱器系におけるコーキングトラブルはな
く且つ入熱ネックになることもなく、円滑に連続運転す
ることができた。また得られたメソフェースピッチ中に
は揮発性成分は殆ど無く、該ピッチの性状及び炭素繊維
にしたときの物性も良好なものであった。
運転前期に得られたメソフェースピッチを、直径0.3
mmφのノズルを有する紡糸機に充填し、340℃で溶
融し、200mmHgの窒素圧で押出し、500m/m
inの速度で30分間巻取ったところ、紡糸中の糸切れ
はなかった。得られたピッチ繊維の一部を、酸素雰囲気
中で230℃に1時間保持して不融化し、次に窒素ガス
中で30℃/winの昇温速度で1 、500℃まで加
熱して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張強度は
3.2GPa、引張弾性率は270GPaであった。
比較例 実施例において、メソフェース含有ピッチの遠心分離工
程で得られた非メソフェースピッチを。
熱処理反応器4−a〜4−dへ循環注入せずに運転した
ところ、メンフェースピッチの収率は37%であり、そ
のメソフェース含量は38%であった。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明の一実施態様を示すフローシートである。 1・・・原料タールタンク、2・・・原料タール予備加
熱器、3−a、3−b、3−c一連続式予備処理反応器
、4−a、4−b、4−c、4−d・・・熱処理反応器
、5・・・循環ポンプ、6・・・外部熱交換器、7・・
・液面制御バルブ、8・・・反応器外周部ヒーター、9
・・・反応器の撹拌機、10・・・撹拌機用モーター、
11・・・メソフェース含有ピッチタンク、12・・・
メソフェース分離装置、13・・・メソフェースピッチ
タンク、14・・・非メソフェースピッチタンク、15
・・・分解油セパレーター、16・・・リサイクルガス
加圧器、17・・・ガス予熱器。 特許出願人 東亜燃料工業株式会社

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素質原料からメソフェースピッチを連続的に製
    造する方法において、 (i)炭素質原料を、反応器外に設置された外部加熱手
    段を有する直列的に配置された複数基の連続予備処理反
    応器に供給して、連続式に予備処理されたピッチを得、 (ii)次いでこの予備処理されたピッチを、交互に又
    はサイクルしながら使用される並列的に配置された複数
    基の熱処理反応器の少くとも1基に供給し、しかも該熱
    処理反応器への予備処理されたピッチの供給、熱処理及
    び生成メソフェース含有ピッチの抜出しを順次繰返して
    連続的に行ない、 (iii)次いで得られたメソフェース含有ピッチを、
    メソフェースピッチ成分と非メソフェースピッチ成分と
    に分離して、メソフェースピッチを得、(iv)且つ前
    記工程(iii)で得られた非メソフェースピッチを、
    前記熱処理反応器に循環注入する、ことを特徴とするメ
    ソフェースピッチの連続的製造方法。
  2. (2)前記熱処理反応器内で反応中の原料より生成した
    ピッチにメソフェース(球晶)が発生し始めた時点又は
    該反応器内で反応中の原料より生成したピッチのキノリ
    ン不溶成分濃度が前記非メソフェースピッチのキノリン
    不溶成分濃度とほぼ同一になった時点の何れかで、前記
    非メソフェースピッスを該反応器に循環注入する請求項
    (1)に記載の方法。
  3. (3)前記直列的に配置された複数基の連続予備処理反
    応器の最前列の反応器として、前記熱処理反応器の容量
    の2.0倍以上の容量を有するものを使用する請求項(
    1)又は(2)に記載の方法。
  4. (4)2〜20基の前記予備処理反応器を使用する請求
    項(1)〜(3)の何れか1項に記載の方法。
  5. (5)前記複数基の熱処理反応器が2〜5グループに分
    けて使用される請求項(1)〜(4)の何れの1項に記
    載の方法。
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