JPH01247487A - メソフェースピッチの製造方法 - Google Patents

メソフェースピッチの製造方法

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JPH01247487A
JPH01247487A JP7447288A JP7447288A JPH01247487A JP H01247487 A JPH01247487 A JP H01247487A JP 7447288 A JP7447288 A JP 7447288A JP 7447288 A JP7447288 A JP 7447288A JP H01247487 A JPH01247487 A JP H01247487A
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pitch
mesophase
mesoface
heat treatment
softening point
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JP7447288A
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Inventor
Takashi Hino
日野 隆
Tsutomu Naito
勉 内藤
Masaru Miura
勝 三浦
Kikuji Komine
小峰 喜久治
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は炭素繊維及び成形炭素材料を製造するのに適し
たメソフェースピッチの製造方法に関する。更に詳しく
は1本発明は高強度、高弾性率を有する高性能の炭素繊
維及び成形炭素材料の原料として好適なメソフェースピ
ッチの製造方法に関する。
〔従来技術〕
従来、自動車、航空機その他の各種産業分野にわたって
、軽量、高強度、高弾性率等を有する高性能素材の開発
が要望されており、かする観点から炭素繊維が注目され
ている。
現在市販の炭素繊維は依然としてポリアクリロニトリル
を原料とするPAN系炭素繊維が主流であるが、石炭又
は石油系ピッチ類を原料とする炭素繊維も原料が安価で
、炭化工程での歩留りが高く、弾性率の高い繊維が得ら
れるなどの利点から重要視され、活発な開発研究が行な
われている。
光学的に等方性のピッチから得られる炭素繊維は強度、
弾性率ともに低いが、光学的等方性ピッチを熱処理して
得られる光学的異方性ピッチ(即ちメソフェースピッチ
)からは高性能炭素繊維が得られる。これらの方法とし
て、例えば、単に原料ピッチを加熱処理する(特開昭4
9−19127号、同57−42924号各公報)、光
学的等方性ピッチを溶媒で抽出しその不溶分を加熱処理
する(特開昭54−160427号公報等)、不活性ガ
スを吹込みながら加熱処理する(特開昭58−1686
87号公報)1部分水添した後、加熱処理する(特開昭
57−100186号、同58−18421号各公報)
、熱分解重縮合を半ばで打切って、比重差によって沈積
分離又は遠心分離して高濃度異方性ピッチを得る(特公
昭61−38755号、同62−24036号各公報)
方法などが提案されている。
ただ、これらのメソフェースピッチの使用により、 P
AN系炭素繊維に較べて、超高弾性率、高弾性率の繊維
が容易に得られるものの、高強度を発現させるには、未
だ不充分なものであった。この面での改善が切望される
本発明者らは、高強度炭素繊維を得るためのメソフェー
スピッチの製造について、鋭意検討した結果、メソフェ
ース分離工程で得られたメソフェースピッチを仕上げ熱
処理し、その後に軽度の水素添加処理することにより、
炭素繊維製造時に高い強度を発現し得るメソフェースピ
ッチが得られることを見出し、本発明を完成した。
〔目   的〕
本発明の目的は、高強度を発現し得る。ピッチ系炭素繊
維の製造に適した、軟化点が低く且つ均質なメソフェー
スピッチを安定的に製造する方法を提供することにある
〔構  成〕
本発明によれば、炭素質原料を熱処理してメソフェース
含有ピッチを生成させる熱処理工程及び生成メンフェー
ス含有ピッチをメソフェースピッチ成分と非メソフェー
スピッチ成分とに分離してメソフェースピッチを得るメ
ソフェースピッチ分離工程を含むメソフェースピッチの
製造方法において、前記メソフェースピッチ分離工程で
得られたメソフェースピッチを、仕上げ熱処理後、軽度
の水素添加処理に付すことを特徴とするメソフェースピ
ッチの製造方法が提供される。
即ち1本発明のメソフェースピッチの製造方法は、メソ
フェースピッチ分離工程で得られたメソフェースピッチ
に、仕上げ熱処理を施すことによって、炭素繊維にした
ときに、高い強度を発現し易いようにピッチ構造を変え
るものであるが、しかし仕上げ熱処理により、ピッチの
軟化点が上昇し、紡糸時の紡糸性が悪くなるので、仕上
げ熱処理後、ピッチに軽度の水素化処理を行なうことに
よって、ピッチの軟化点を下げて紡糸性を改善するもの
である。
なお、本発明で言うメソフェースピッチ(即ち光学的異
方性ピッチ)とは、常温で固化したピッチ塊の断面を研
摩し1反射型偏光顕微鏡で直交ニコルを回転して光輝が
認められるピッチ、即ち実質的に光学的異方性であるピ
ッチが大部分であるピッチを意味し、光輝が認められず
光学的等方性であるピッチにつしては、本明細書では非
メソフェースピッチ(光学的等方性ピッチ)と呼称する
従って、本明細書におけるメソフェースピッチには、純
粋な光学的異方性ピッチのみならず、光学的異方性相の
中に光学的等方性相が球状又は不定形の島状に包含され
ている場合も含まれる。これとは逆に、非メソフェース
ピッチとは、光学的等方性ピッチ中に、少量の光学的異
方性相を包含するものも含まれる。またメンフェースに
はキノリン又はピリジンに不溶なものとキノリン又はピ
リジンに可溶な成分を多く含むものとの二種類があり、
本明airで言うメンフェースは主として、後者のメソ
フェースである。
また、本発明でいうメソフェース含有量とは、試料を偏
光顕微鏡で直交ニコル下で観察写真撮影して、試料中の
メソフェース部分の占める面積割合を測定することによ
り求めたものである。なお本発明でいうピッチの軟化点
とは、ピッチの同−液転移温度をいうが、差動走査型熱
量計を用い。
ピッチの融解又は凝固する潜熱の吸、放出ピーク温度か
ら求めたものである。この温度はピッチ試料について他
のリングアンドボール法、微量融点法などで8111定
したものと±10℃の範囲で一致する。
以下、本発明のメソフェースピッチの製造方法について
詳細に説明する。
本発明は、炭素質原料を熱処理してメンフェース含有ピ
ッチを生成する熱処理工程、生成メソフェース含有ピッ
チをメソフェースピッチ成分と非メソフェースピッチ成
分とに分離してメソフェースピッチを得るメソフェース
ピッチ分離工程並びに最終仕上げのための仕上げ熱処理
工程及び水素添加処理工程を含む。
本発明で用いるメソフェースピッチ製造用の炭素質原料
としては、種々の、いわゆる重質炭化水素油、タール又
はピッチを使用することができる。
これらの原料の例としては、例えば、石油系の種々の重
質油、アスファルト(例えばストレートアスファルト、
ブローンアスファルト等)、熱分解タール、接触分解タ
ール、或いは石炭の乾留などで得られる重質油、タール
、ピッチ又は1石炭液化工程から製造される重質液化石
炭等を挙げることができ、特に好適なものとして石油の
接触分解残渣油が挙げられる。これらは必要な場合には
、濾過、溶剤抽出等の予備処理を施した上で使用される
。更に本発明により製造されるメソフェースピッチの品
質を安定させるため、特に、熱分解重縮合反応の結果、
一部、既に少量のメソフェースピッチを含む炭素質ピッ
チを原料として使用してもよい。
メンフェース含有ピッチを生成する熱処理工程は、熱分
解重縮合反応によりメン化反応(メンフェースを生成さ
せる反応と定義する)を行なう工程である。なお熱分解
重縮合反応とは、重質炭化水素の熱分解反応と重縮合反
応とが、ともに主反応として併列的に起ることにより、
ピッチ成分分子の化学構造を変化させる反応を意味し、
この反応の結果、パラフィン鎖構造の切断、脱水素、閉
環、重縮合による多環縮合芳香族の平面構造の発達等が
進行するものである。
この反応のために、炭素質原料は約380〜約460℃
、好ましくは400〜430℃で熱処理される。反応温
度が約460℃を超過すると、原料未反応物の揮発が増
大し、メソフェースの軟化点も高くなり且つコーキング
を発生し易くなるので不適当であり。
逆に約380〜約濶では1反応に長時間を要し好ましく
ない。
熱処理工程では1局部過熱を防ぎ、均一に反応させるた
めに、撹拌が行なわれるが、更に、熱分解の結果、生成
した低分子量の物質を速やかに除くため、減圧下におい
て、又は必要な場合には、不活性ガスを反応器中へ吹き
込みながら行なうことができる。この場合、不活性ガス
としては、窒素、水麻気、炭酸ガス、軽質炭化水素ガス
、又はこれらの混合ガス等、反応温度でピッチとの化学
反応性が充分小さいものを使用することができる。
これらの不活性ガスは、吹込み前に予熱しておくことが
、反応温度を下げることなく好ましい。
分解油ガスを含んだ該不活性ガスは1反応器上部より抜
き出され、コンデンサー、スクラバー、分離槽等を経て
、分解油ガスが除去される。その後、該不活性ガスを再
循環使用することも可能である。
この熱処理反応器は通常円筒状容器からなるものが用い
られ、原料供給口、分解油、分解ガス、不活性ガス等の
排出口、ピッチ抜出口、後記する非メソフェースピッチ
導入口等が設けられ、反応器内部には撹拌装置等が、ま
た外部にはヒーター等が配設されている。
本発明の熱処理工程では、低分子量分解生成物や未反応
物゛を実質上除いた生成ピッチ中にメンフェース成分が
約30〜約80%、好ましくは約380〜約70%含有
されるような状態になったとき、中止し。
次のメソフェースピッチ分離工程へ移送するのが好まし
い。と言うのは、メソフェースピッチ分離工程で低軟化
点の均質なメソフェースピッチを高収率で得るためには
、熱分解重縮合反応後のピッチ収率が高く且つメソフェ
ース含有量が約20〜約80%、軟化点が260℃以下
であるものが好ましいためである。熱分解1【縮合反応
後のピッチ中のメソフェース成分が20%未満のもので
は、次の分離工程でのメソフェースピッチの収率が極め
て小さく、逆にメソフェース成分を80%より大きいも
のにしたり、軟化点が260℃より高いものにしたりす
ると、分離工程での分離性が悪くなって高濃度のメソフ
ェースピッチが得られず、取得メソフェースピッチの軟
化点が高いものとなる。この工程で得られるメソフェー
ス含有ピッチとしては、メソフェースの大部分又は実質
的に全てが直径500μm以下、好ましくは300μm
以下の球状の状態であるものが適切である。
本発明においては、前記熱処理工程で生成したメンフェ
ース含有ピッチは、次のメソフェースピッチ分離工程に
送られ、ここでメソフェースピッチ成分と非メソフェー
スピッチ成分とに分離される。このメソフェースピッチ
と非メソフェースピッチを分離するための方法としては
、公知の種々の固液分離法が適宜採用されるが、特に比
重差を利用する分離法(参、特公昭61−38755号
、同62−24036号各公報)を採用するのが好まし
く、とりわけ工業生産においては、遠心分離法を採用す
るのが好ましい。
遠心分離法は、熱処理工程で生成したメソフェース含有
ピッチに、その溶融状態で、遠心分離操作を加えること
により、メソフェース成分は等方性成分よりも比重が大
きいために迅速に沈降し、合体成長しつつ下層(遠心力
方向の層)へ集積し。
メソフェースが約80%以上で連続相を成し、その中に
わずかに等方性相を島状または微小な球状体の形で包含
するメソフェースピッチが下層となり、一方上層は等方
性相が大部分で、その中にメンフェースが微小な球状体
で分散している形態の非メソフェースピッチとなり、し
かもこの上層と下層との界面が明瞭であって、しかも上
層と下層の溶融状態での比重が大きく異ることを利用し
て、下層を上層より分離して取出し、メソフェースピッ
チと非メソフェースピッチとを分離する方法である。な
お、遠心分離操作とは、流体に高速回転作用を与え、流
体中のより比重の大きい相を下/1ff(遠心力の方向
)へ集め、これを分離する処理操作であり、その実施態
様の−っとしていわゆる遠心分離機による操作、特に連
続的に重相と軽相を分離排出する連続型遠心分離機など
が有利に使用される。
本工程における温度は遠心力の大きさにもよるが、メソ
フェース含有ピッチの軟化点以上好ましくは280℃−
400℃、さらに好ましくは320”C−380℃の範
囲である。この範囲内の所定の一定温度でもよく、また
必らずしも一定温度でなくてもよい。
この工程では、メンフェースの多くの部分を遠心力方向
へ沈積させ合体せしめることが主目的であり、熱分解お
よび重縮合反応はできるだけ避ける必要がある。従って
400℃以上の温度は好ましくないし、また必要以上の
温度は遠心分離装置の長時間の連続運転を難しくするが
、上述の温度では、その問題もない。また上述の範囲よ
りも低温ではピッチ系全体の、特にメソフェース成分の
粘度が大きいため下層メソフェース中に共沈した等方性
相が脱けに<<、長時間の且つ非常に大きい遠心力加速
度を与えても分離が難しくなる。
また、該遠心分離操作の遠心力加速度は、如何なる値で
あってもよいが、メソフェース成分(重相)と非メソフ
ェース成分(軽相)とを、滞留時間を短かくして、効率
的に短時間で分離するために。
好ましくは1 、0OOG以上、特に10,000〜4
0,0OOGの範囲を採用することができる。なお、5
0,0OOG以上では装置面の制約がある。
本工程で分離されたメソフェースピッチは、後記する仕
上げ熱処理工程を含む後処理工程に送られ、再度の熱処
理を加えることによって、メソフェース含有量が9部以
上のものに転化することができるので、本工程では短か
い滞留時間を用いて。
メソフェース含有量が約80〜約90%とや)低いメソ
フェースピッチを製造しても差支えない。
また本工程で分離された非メソフェースピッチは、再度
の熱処理を加えることによって、メソフェース含有ピッ
チに転化することができるので、好ましい態様において
は、この非メソフェースピッチは特定時点で前記熱処理
工程に循環される。
たゾこの循環は、前記熱処理工程におけるメソフェース
の滞留時間分布(即ち分子量分布)が広がることを回避
するために、前記熱処理工程における生成ピッチの物性
が非メソフェースピッチの物性とはゾ同一になった時点
で行なうことが好ましい。
この非メソフェースピッチの循環により、該非メソフェ
ースピッチは再度熱処理を受け、最終的なピッチの収率
を向上させることができる。
本発明においては、メソフェースピッチ分離工程で得ら
れたメソフェースピッチには、仕上げ熱処理を施す。仕
上げ熱処理は、約330〜約430 ’Cの温度で、通
常011〜24時間実施される。
この仕上げ熱処理工程においても、前記熱処理工程と同
様に1局部加熱を防ぎ、均一に反応させるために撹拌が
行なわれ、また生成した低分子量物質を速やかに除くた
め、減圧下において又は不活性ガスを反応器中に吹き込
みながら行なうのが好ましい。この場合の不活性ガスと
しては前記熱処理工程において例示されたものと同様の
ものが挙げられる。
仕上げ熱処理により、メソフェースピッチは炭素繊維に
したときに強度を発現し易いように、熱重質化が進み、
ピッチ構造が変化する。しかし、仕上げ熱処理により、
ピッチの軟化点が300〜390℃に、場合によっては
、400℃以上に上昇して、紡糸時の紡糸性が悪くなる
ので、これを改善する目的で、本発明においては、仕上
げ熱処理後、軽度の水素化処理を行なう。
水素化処理の方法としては、従来公知の種々の方法が採
用され、例えば、Li、Na、Caなどのアルカリ金属
、アルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いて還元す
る方法、電解還元法、錯体触媒などを用いた均一系接触
水素添加法、固体触媒を用いた不均一系接触水素添加法
などが挙げられる。また水素加圧下で無触媒で水素添加
する方法やテトラリン、テトラヒドロキノン、芳香族油
又はこれらの水素化物などの水素供与体(Hydrog
en Donor)を用いて水素添加する方法なども採
用することができる。芳香族油としては、接触分解で得
られる沸点200〜450℃の芳香族油、潤滑油精製に
おけるフェノール抽出、フルフラール抽出などで得られ
る芳香族油、或いはこれらの水添物などが使用できる。
反応条件は使用する方法によって異なるが、一般的には
約250〜約400℃の温度及び常圧〜約200気圧の
圧力を採用することができる。
水素化処理で得られたメソフェースピッチは連続的に系
外へ取出され、液状のままあるいは固化され製品となる
。水素化処理で得られたピッチは、メソフェース含有量
が95%以上であって、しかもその軟化点は充分に低く
、230℃〜320℃の範囲にある。そして、このメソ
フェース含有量の高い、特に98以上のメンフェース含
有量の且つ軟化点が230℃〜320℃の範囲のメソフ
ェースピッチは、溶融紡糸加工特性において優れ、その
均質性と高い分子配向性のために、これから製造した炭
素繊維及び黒鉛繊維は特に引張り強度、弾性率に優れた
ものとなる。
特に本発明では前記の後処理工程を設けたことにより、
製品メソフェースの物性をメンフェース含有量が95%
以上で且つ軟化点が約250〜約300℃に調節するこ
とができ、このことによってその後の炭素繊維製造工程
すなわち溶融紡糸、不融化、炭化の工程条件がほぼ一定
で管理でき、また製品の炭素繊維の品質も安定するとい
う効果がある。
以上のようにして得られたメソフェースピッチを、公知
の方法に従って、溶融紡糸し、得られたピッチ繊維を不
融化し、炭化し、場合により更に黒鉛化することにより
、高性能のピッチ系炭素繊維及び黒鉛繊維を得ることが
できる。
〔効  果〕
本発明によれば、メソフェースピッチ分離工程で分離さ
れたメソフェースピッチに、更に仕上げ熱処理及び軽度
の水素添加処理を付すことにより、炭素繊維にしたとき
に、高い強度を発現し得、且つ低軟化点で紡糸時の紡糸
性が良好なピッチが安定的に得られる。また、黒鉛化ま
で進めることによって、高強度、超高弾性率のピッチ系
黒鉛繊、維が製造できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、も
ちろん本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
参考例1 石油の接触分解で副生ずるタールを、常圧に換算して4
50℃まで減圧蒸留し、更に得られたタールを100℃
において10,0OOGで遠心分離し、更に静電集塵装
置にかけて、タール中の固形分を除去して得たタールを
出発原料とした。
固形分除去後の原料タールを、内容量20Qの撹拌機付
熱処理反応器に13蹟張込み、反応器の上部から窒素ガ
スを吹込みながら、415℃に5時間保って熱処理し、
メソフェース含有ピッチを得た。このメソフェース含有
ピッチのメソフェース含有量は43.0%であり、ピッ
チの収率は37重量Xであった。
反応器での熱処理反応終了後、反応器の底部からメソフ
ェース含有ピッチを抜出し、メソフェース分離用の連続
遠心分離機に導入し、連続的に350℃において、2,
0OOGの遠心力で遠心分離を行ない、メンフェース成
分と非メソフェース成分とに分離した。メソフェースピ
ッチ成分中のメソフェース含有量は8錦であり、その軟
化点は280℃であった。
このピッチを直径0.3nnφのノズルを有する紡糸機
に入れ、330℃で溶融して、200amHgの窒素ガ
ス圧で押し出し、500+a/分で巻取った。紡糸の糸
切れ頻度は3回/10分であった。
得られたピッチ繊維の1部を、酸素雰囲気中で。
230℃で1時間保持して不融化を行ない、次に窒素ガ
ス中で、30℃1分の速度で1,500℃まで昇温しで
、炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張強度は1 
、9GPaであり、その引張弾性率は220GPaであ
った。
実施例1゛ 参考例1で得られたメソフェースピッチを用いて、40
0℃で、3時間の仕上げ熱処理を行なった6ガスの吹込
み撹拌は、最初の熱処理と同様に行なった。その生成物
の軟化点は330℃であった。
上記のピッチに、芳香族性油として、接触分解タールを
蒸留して得た沸点300−450℃の留分を水添して得
たものを、等量混合し、その混合物を330℃で、水素
ガス雰囲気下で、圧力20kg/a#で30分間反応さ
せた後、減圧蒸留を行ない、線点500℃以下の留分を
除去した。上記のようにして得たピッチのメソフェース
含有量は、98%であり、その軟化点は270℃であっ
た。
上記のピッチを直径0.3ffIIlφのノズルを有す
る紡糸機に入れ、340℃で溶融して200nnHgの
窒素ガス圧で押し出し、500m/分で10分間巻取っ
たところ、紡糸中の糸切れはなかった。
得られたピッチ繊維の一部を、酸素雰囲気中で、230
℃で、1時間保持して不融化し、次に窒素ガス中で、3
0℃/分の昇温速度で、1 、500℃まで加熱して、
炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張強度は3.4
GPa、引張弾性率は270GPaであった。
実施例2 参考例1のメソフェース含有ピッチを、350℃におい
て、10,0OOGで遠心分離し、メソフェース含有f
1に98%のメソフェースピッチを得た。そのメソフェ
ースピッチの軟化点は310℃であった。
上記以外は、実施例1と同様に処理4した仕上げ熱処理
後のピッチの軟化点は、350℃であった。
仕上げ熱処理後、実施例1と同様に水素化処理を行なっ
た。得られたピッチのメソフェト、ブス含有量は98%
であり、その軟化点は271℃であった。
上記のピッチを、実施例1と同様に10分間紡糸したと
ころ、この間の糸切れはなかった。また。
1.500℃まで昇温しで得た炭素繊維の引張強度は3
、/1GPa、引張弾性率は270GPaであり、実施
例1のケースと差が見られなかった。
比較例1 実施例2で得られた仕上げ熱処理後のピッチを、直径0
.3m+φのノズルを有する紡糸機に入れ、390℃で
溶融し、200℃mHgの窒素ガス圧で押出し、SOO
mI分で巻取ったところ、糸切れが激しく、紡糸できな
かった。
比較例2 参考例1のメソフェース含有ピッチを、350℃におい
て、 10,0OOGで遠心分離し、メソフェース含有
量98%のメソフェースピッチを得た。そのメソフェー
スピッチの軟化点は310℃であった。
このメソフェースピッチを、仕上げ熱処理を行なうこと
なく、実施例2と同様に水素化処理を行なった。その他
は、実施例2と同様に処理した。
得られたピッチのメソフェース含有量は98%であり、
その軟化点は230℃であった。
得られたピッチを、1,500’Cまで昇温しで得た炭
素繊維の引張強度は2.2GPa 、引張弾性率は25
0GPaであり、引張強度は実施例2と較べて低かった
。尚、紡糸性については、糸切れは1回/10分あった
が、はぼ良好であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素質原料を熱処理してメソフェース含有ピッチ
    を生成させる熱処理工程及び生成メソフェース含有ピッ
    チをメソフェースピッチ成分と非メソフェースピッチ成
    分とに分離してメソフェースピッチを得るメソフェース
    ピッチ分離工程を含むメソフェースピッチの製造方法に
    おいて、前記メソフェースピッチ分離工程で得られたメ
    ソフェースピッチを、仕上げ熱処理後、軽度の水素添加
    処理に付すことを特徴とするメソフェースピッチの製造
    方法。
JP7447288A 1988-03-30 1988-03-30 メソフェースピッチの製造方法 Pending JPH01247487A (ja)

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JP (1) JPH01247487A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106544759A (zh) * 2016-10-21 2017-03-29 中国石油大学(华东) 一种石油沥青基碳纤维的制备方法
CN106544758A (zh) * 2016-10-21 2017-03-29 中国石油大学(华东) 一种高模量沥青基碳纤维的制备方法
CN107384462A (zh) * 2017-07-17 2017-11-24 青岛科技大学 一种fcc油浆两段临氢改质‑热缩聚制备中间相沥青的方法
CN110284218A (zh) * 2019-05-21 2019-09-27 湖南东映碳材料科技有限公司 一种中间相沥青纤维上油的方法

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