JPH0148315B2 - - Google Patents

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JPH0148315B2
JPH0148315B2 JP56062427A JP6242781A JPH0148315B2 JP H0148315 B2 JPH0148315 B2 JP H0148315B2 JP 56062427 A JP56062427 A JP 56062427A JP 6242781 A JP6242781 A JP 6242781A JP H0148315 B2 JPH0148315 B2 JP H0148315B2
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JP
Japan
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raw material
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present
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JP56062427A
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Seiichi Kamimura
Shunichi Yamamoto
Takao Hirose
Hiroaki Takashima
Osamu Kato
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は炭素繊維製造用原料としての優れた性
能を有するピツチの製造方法に関する。 現在、炭素繊維は主にポリアクリロニトリルを
原料として製造されている。しかしながらポリア
クリロニトリルを原料とした場合、原料が高価で
あり、また加熱炭化時において繊維状の原形がく
ずれ易く、さらに炭化収率も悪いという欠点があ
る。 近年、この点に着目してピツチを原料として炭
素繊維を製造する方法が数多く報告されている。
ピツチを原料として用いた場合、原料が安価であ
り、また炭化収率が通常85〜95%と高いため、安
価に炭素繊維を製造できることが期待される。し
かしながら、ピツチを原料として得られる炭素繊
維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維に比べ、
弾性率は高いものの、強度が劣るという問題があ
る。従つて、もしこの問題点を解決し、また弾性
率をさらに向上し得ることができれば、ピツチか
ら安価に高強度かつ高弾性率の炭素繊維を製造す
ることが可能となる。 最近になつて、市販の石油ピツチを熱処理し
て、メソ相(mesophase)と呼ばれる光学的異方
性の液晶を含有するピツチを得、このメソ相を含
有するピツチを前駆体ピツチ(以後、溶融紡糸時
におけるピツチを前駆体ピツチと呼ぶ)として用
い、この前駆体ピツチを溶融紡糸した後、不融化
し、次いで炭化あるいは更に黒鉛化することによ
り、弾性率および強度が向上した炭素繊維が得ら
れることが報告された(特開昭49−19127号)。 しかしながら、ピツチが液晶を形成し得るか否
かは種々の要因により決まるものであり、また液
晶の構造や軟化点、粘度等の物性は原料ピツチに
大きく依存するものである。前記特開昭49−
19127号はメソ相を含有するピツチ(以後、メソ
相ピツチと略記する)の調製法に関するものであ
つて、良質のメソ相ピツチを形成するための原料
ピツチについては何ら言及していない。前記した
ように、良質のメソ相ピツチは原料ピツチに大き
く依存するものであり、最適な原料ピツチを見出
すことができれば弾性率および強度がさらに優れ
た炭素繊維を製造することが可能となる。それ
故、この最適の原料ピツチを見出すことが当該技
術分野の重要な課題である。 例えば、コールタールピツチはカーボンブラツ
ク状のキノリンに不溶で不融性の物質を含有して
おり、これらは前駆体ピツチの不均一性の原因と
なり紡糸性を悪くさせるばかりか、炭素繊維の強
度および弾性率に悪影響を及ぼす。 一方、市販の石油ピツチやその他の合成ピツチ
の多くは、キノリンに不溶で不融性の物質をほと
んど含有していないが、これらのピツチを加熱処
理して前駆体ピツチを調製する段階で、キノリン
に不溶な高分子量成分が生成する。すなわち、こ
れらのピツチを熱処理すると熱分解と重縮合反応
が併発し、低分子量成分は徐々に高分子量化し、
キノリンに不溶の高分子量成分となり、また同時
に高分子量成分はさらに高分子量化する。これに
伴つてピツチの軟化点も上昇する。このキノリン
不溶分がコールタール中のカーボンブラツク状物
質に類似の物質であれば、前述の如く紡糸以降の
工程で悪影響を及ぼす。また、前記のカーボンブ
ラツク状物質とは異なる物質であつたとしても、
多量のキノリン不溶分の存在と高い軟化点は溶融
紡糸の段階で悪影響を及ぼす。すなわち、前駆体
ピツチを溶融紡糸するためには、前駆体ピツチが
紡糸可能な粘度になるまで紡糸温度を上げること
が必要であつて、前駆体ピツチの軟化点が余りに
も高過ぎれば、紡糸温度も当然高くせざるを得
ず、その結果、キノリン不溶分は一層高分子量化
すると共に、ピツチの熱分解が起こり軽質ガスが
発生し、均一な前駆体ピツチとはなり得ず、紡糸
することが事実上不可能となる。 このように前駆体ピツチは、比較的低い軟化点
と紡糸するために適当な粘度を持つていなければ
ならない。また、紡糸時さらには炭化時に揮発性
成分を実質的に含有するものであつてはならな
い。 このため、生成したキノリン不溶分を加圧過
や溶剤分別等の手段により除去することにより炭
素繊維製造用前駆体ピツチを調製することが行な
われている(特開昭47−9804号、同50−142820
号、同55−1342号、同55−5954号)。しかしなが
ら、これらの手段を用いた場合には処理装置の複
雑化および処理費用の増大を招き、経済的観点か
ら好ましいものではない。 もし、原料ピツチとして優れた性能を有するピ
ツチを用いることにより、メソ相化の加熱段階で
キノリン不溶分となる高分子量成分を生成させな
いことができれば最も好ましいものである。 本発明者らは、これらの課題について鋭意研究
した結果、本発明を完成したものである。すなわ
ち、本発明者らは、前駆体ピツチを調製する段階
で高分子量成分の生成を抑制し、最適な粘度を有
し、また炭化初期の段階では芳香族平面が秩序だ
つて配列をし易い組成を持つことができる性能の
優れた原料ピツチを見出だしたものである。換言
すれば、本発明は軟化点が比較的低く保持され、
かつメソ相を容易に形成するような原料ピツチの
製造方法を提供するものである。 以下に本発明を詳述する。 本発明は原料ピツチを加熱処理して得られる前
駆体ピツチを溶融紡糸した後、不融化処理および
炭化あるいは更に黒鉛化処理して炭素繊維を製造
するに当たり、該原料ピツチが(1)石油類を水蒸気
分解した際に得られる沸点200℃以上の重質油100
容量部に対し、(2)原料ピツチを加熱処理により調
製する段階で生成する沸点範囲が160〜400℃の範
囲内の留分を水素化触媒の存在下に水素と接触さ
せ、該留分中に含有される芳香族系炭化水素の芳
香族核を10〜70%核水素化して得られる水素化油
10〜200容量部を添加し、温度370〜480℃、圧力
2〜50Kg/cm2・Gで熱処理することにより得られ
るものであることを特徴とする炭素繊維用原料ピ
ツチの製造方法に関する。 本発明により得られる原料ピツチを用いてメソ
相化反応を行なわせしめた場合、キノリン不溶分
の生成が抑制されるばかりか、ピツチが改質さ
れ、最終製品である炭素繊維が高弾性率で、かつ
高強度となり得たことは全く予期され得ないもの
であつた。 これに対し、コールタールピツチ、市販の石油
ピツチあるいは合成ピツチを特開昭49−19127号
の方法に従つて加熱処理し、メソ相化を行なつた
ところ、生成ピツチの軟化点が340℃以上のもの、
固形物が沈積したもの、あるいは固形物が沈積し
ないまでもキノリン不溶分が70%以上にも達した
もの等、多くの場合、溶融紡糸が事実上不可能で
あつた。また溶融紡糸を行ない得た場合でも、さ
らに不融化、炭化および黒鉛化処理して得た炭素
繊維の強度は120〜200Kg/mm2、弾性率は12〜
20ton/mm2程度であつた。また高軟化点のものを
紡糸した場合には、紡糸物中に熱分解ガス発生に
起因する空孔が存在していた。 本発明において原料ピツチの成分(1)として用い
られる石油類を水蒸気分解した際に得られる沸点
200℃以上の重質油とは、ナフサ、灯油あるいは
軽油等の石油類を通常700〜1200℃で水蒸気分解
して、エチレン、プロピレン等のオレフイン類を
製造する際に副生する沸点範囲が実質的に200〜
450℃の範囲内の重質油である。 本発明において原料ピツチの成分(2)として用い
られる水素化油とは、原料ピツチを加熱処理によ
り調製する段階で生成する沸点範囲が実質的に
160〜400℃、好ましくは170〜350℃の範囲内の留
分を、水素化触媒の存在下に水素と接触させ、該
留分中に含有される芳香族系炭化水素の芳香族核
を部分的に核水素化したものである。 このとき使用する水素化触媒は通常の水素化反
応に用いられる触媒でよく、例えばボーキサイ
ト、活性炭素、珪藻土、ゼオライト、シリカ、チ
タニヤ、ジリコニア、アルミナあるいはシリカゲ
ル等の無機固体を担体として用い、銅などの周期
律表IB族金属、クロム、モリブデンなどの周期
律表B族金属、コバルト、ニツケル、パラジウ
ムあるいは白金などの周期律表族金属を金属の
形で、または酸化物あるいは硫化物の形で前記担
体に担持させたもの等が用いられる。 水素化条件は、使用する触媒の種類により異な
るものであるが通常、温度が120〜450℃、好まし
くは150〜350℃、圧力が20〜100Kg/cm2・G、好
ましくは30〜70Kg/cm2・Gで行なわれる。また回
分式で行なつた場合の、水素化処理時間は0.5〜
3時間が適当である。連続式で行なつた場合には
空間速度(LHSV)0.5〜3.0が選ばれる。 水素化条件の例を挙げれば、2wt%のラネー・
ニツケルを触媒として用い回分式で行なつた場合
には、圧力40〜50Kg/cm2・G、温度160〜170℃、
処理時間1〜1.5時間が好ましく採用され、ニツ
ケル・モリブデン系触媒を用いて連続式で行なつ
た場合には、圧力30〜50Kg/cm2・G、温度330℃
程度、空間速度(LHSV)1.5程度が好ましく採
用される。 水素化反応により、留分中に含有される芳香族
系炭化水素の芳香族核を部分的に核水素化を行な
うが、この時の核水素率が10〜70%、好ましくは
15〜50%、最も好ましくは15〜35%となるように
することが必要である。なお、核水素化率は下式
によつて定義されるものであり、また下式中の芳
香族環炭素数とはASTM D−2140−66で示され
るものである。 核水素化率=(水素化処理前の芳香族環炭素数)−(
水素化処理後の芳香族環炭素数)/水素化処理前の芳香
族環炭素数 本発明の原料ピツチは成分(1)の重質油と成分(2)
の水素化油を特定の割合で混合し、かつ特定の条
件下で加熱処理することにより得られる。 成分(1)の重質油と成分(2)の水素化油の混合割合
は成分(1):成分(2)が容量比で1:0.1〜2、好ま
しくは、1:0.2〜1.5であることが必要である。
加熱処理温度としては370〜480℃、好ましくは
390〜460℃の範囲内の温度で行なう。加熱処理温
度が370℃よりも低いと反応の進行が遅く、長時
間要するため不経済である。また480℃よりも高
い温度で熱処理を行なうとコーキング等の問題が
生じ、好ましくない。加熱処理時間は、加熱処理
温度との兼ね合いで決められるものであり、低温
の場合は長時間、高温の場合は短時間行なう。通
常は、15分〜20時間、好ましくは30分〜10時間の
範囲内の処理時間を採用することができる。圧力
に関しては任意の圧力下で実施し得るが、原料中
の有効成分が未反応のまま実質的に系外に留出し
ない圧力が好ましく、具体的には2〜50Kg/cm2
G、好ましくは5〜30Kg/cm2・Gが採用される。 第1図により本発明を説明すれば、ライン1よ
り本発明の原料ピツチの成分(1)である重質油が導
入され、ライン3より成分(2)である水素化油が導
かれ、成分(1)と成分(2)が所定の割合に混合された
後、所定の条件下に加熱処理が施され原料ピツチ
が調製される。この時に生成する沸点範囲が160
〜400℃の範囲内の留分はライン2から抜き出さ
れ部分核水素化処理が施された後、ライン3によ
り原料ピツチの成分として戻される。 本発明を実施するに際し、最初の段階では本発
明の原料ピツチの成分(2)は存在しないが、本発明
の成分(2)の代わりに他の油を代用するかあるいは
用いずに加熱処理を行ない、このとき生成する沸
点範囲が実質的に160〜400℃の範囲内の留分を部
分核水素化した水素化油を、次の段階から本発明
の原料ピツチの成分(2)として置き換えていくこと
により本発明を達成することができる。 最初の段階で本発明の成分(2)の代わりに他の油
を代用する場合、代用される油としては例えば、
石油類を水蒸気分解した際に得られる沸点範囲が
160〜400℃の範囲内の留分を部分核水素化した水
素化油、石油類を流動接触分解した際に得られる
沸点範囲が160〜400℃の範囲内の留分を部分核水
素化した水素化油、本発明の原料ピツチの成分(1)
として用いられる重質油を380〜480℃で加熱処理
した際に生成する沸点範囲が160〜400℃の範囲内
の留分を部分核水素化した水素化油、石油類を流
動接触分解した際に得られる沸点が200℃以上の
重質油を380℃〜480℃で加熱処理した際に生成す
る沸点範囲が160〜400℃の範囲内の留分を部分核
水素化した水素化油、ナフタリン、インデン、ア
ントラセン、フエナンスレン等の2環もしくは3
環の芳香族系炭化水素の核水素化物、あるいはこ
れらに類似の油を好ましい油として例示すること
ができる。 かくして得られる本発明よりなる原料ピツチを
用いることにより、加熱処理してメソ相化を行な
つた際、キノリン不溶分である高分子量成分の生
成が抑制されると同時にピツチの軟化点の上昇を
防ぐことができ、さらに芳香族平面が秩序だつて
配列し易い組成を持つた良好な前駆体ピツチとな
る。この結果、弾性率および強度がきわめて優れ
た炭素繊維を得ることができる。 本発明により得られる原料ピツチ製造方法を用
いて炭素繊維を製造する方法は公知の方法を採用
することができる。すなわち、原料ピツチを加熱
処理してメソ相化を行ない、得られる前駆体ピツ
チを溶融紡糸した後、不融化処理および炭化ある
いはさらに黒鉛化処理を行なつて炭素繊維を製造
する。 原料ピツチを加熱処理し、メソ相化を行なつて
前駆体ピツチを得る段階での反応は、通常、温度
340〜450℃、好ましくは370〜420℃で常圧あるい
は減圧下に窒素等の不活性ガスを通気することに
よつて行なわれる。この時の加熱処理時間は、温
度、不活性ガスの通気量等の条件により任意に行
ない得るものであるが、通常、1〜50時間、好ま
しくは3〜20時間で行なう。不活性ガスの通気量
は0.7〜5.0scfh/1bピツチが好ましい。 前駆体ピツチを溶融紡糸する方法としては、押
出法、遠心法、霧吹法等の公知の方法を用いるこ
とができる。 溶融紡糸されて得られるピツチ繊維は、次に酸
化性ガス雰囲気下で不融化処理が施される。酸化
性ガスとしては、通常、酸素、オゾン、空気、窒
素酸化物、ハロゲン、亜硫酸ガス等の酸化性ガス
を1種あるいは2種以上用いる。この不融化処理
は、被処理体である溶融紡糸されたピツチ繊維が
軟化変形しない温度条件下で実施される。例えば
20〜360℃、好ましくは20〜300℃の温度が採用さ
れる。また処理時間は通常、5分〜10時間であ
る。 不融化処理されたピツチ繊維は、次に不活性ガ
ス雰囲気下で炭化あるいは更に黒鉛化を行ない、
炭素繊維を得る。炭化は通常、温度800〜2500℃
で行なう。一般には炭化に要する処理時間は0.5
分〜10時間である。さらに黒鉛化を行なう場合に
は、温度2500〜3500℃で、通常1秒〜1時間行な
う。 また、不融化、炭化あるいは黒鉛化処理の際、
必要であれば収縮や変形等を防止する目的で被処
理体に若干の荷重あるいは張力をかけておくこと
もできる。 以下に実施例をあげ本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに制限されるものではない。 実施例 1 ナフサを830℃で水蒸気分解した際に副生した
沸点200℃以上の重質油(A)を採取した。この重質
油(A)の性状を第1表に示す。次いで重質油(A)を圧
力15Kg/cm2・G、温度400℃にて3時間熱処理し
た。この熱処理油(B)を250℃/1.0mmHgにて蒸留
し、軽質分を留去させ、軟化点82℃のピツチ
()を得た。 一方、上記熱処理油(B)を250℃/1.0mmHgにて
蒸留して得られる軽質油のうち、沸点160〜400℃
の留分(C)を分取した。その性状を第2表に示す。
この留分(C)をニツケル・モリブデン系の触媒
(NM―502)を用いて圧力35Kg/cm2・G、温度
330℃、空間速度(LHSV)1.5で水素と接触させ
て、部分核水素化を行なわせ、水素化油(D)を得
た。このときの核水素化率は31%であつた。
【表】
【表】 次に、重質油(A)60容量部に、水素化油(D)40容量
部を混合し、圧力15Kg/cm2・G、温度415℃にて
3時間熱処理した。この熱処理油(E)を250℃/1.0
mmHgで軽質分を留出させ、軟化点57℃のピツチ
()を得た。 上記熱処理油(E)を250℃/1.0mmHgにて蒸留し
て得られる軽質分のうち、沸点160〜400℃留分(F)
を分取した。その性状を第3表に示す。この留分
(F)にラネー・ニツケルを2wt%懸濁させて温度
167℃、水素圧力40〜50Kg/cm2・Gにて2時間部
分核水素化を行なわせ、水素化油(G)を得た。この
時の核水素化率は35%であつた。
【表】 重質油(A)70容量部に、水素化油(G)30容量部を混
合し、圧力15Kg/cm2・G、温度420℃にて3時間
熱処理を行なつた。この熱処理油を減圧蒸留して
軽質分を留去させ軟化点59℃の原料ピツチを得
た。 次に、この原料ピツチ30gに対し、窒素500
ml/分で通気しながら撹拌し、温度400℃で10時
間熱処理を行ない、軟化点291℃、キノリン不溶
分29重量%、メソ相含量66%のピツチを得た。こ
のピツチをノズル径0.3mmφ、L/D=1の紡糸
器を用い350℃で溶融紡糸し、10〜15μのピツチ
繊維をつくり、さらに下記に示す条件にて不融
化、炭化、黒鉛化処理して炭素繊維を得た。 不融化、炭化および黒鉛化の処理条件は以下の
如くである。 ・ 不融化条件;空気雰囲気中で、200℃までは
3℃/分、300℃までは1℃/分の昇温速
度で加熱し、300℃で10分間保持。 ・ 炭化条件;窒素雰囲気中で10℃/分で昇温
し、1000℃で20分間保持。 ・ 黒鉛化条件;アルゴン気流中で50℃/分の昇
温速度で2500℃まで加熱処理。 得られた炭素繊維の引張強度は273Kg/mm2、弾
性率は42ton/mm2であつた。 比較例 1 実施例1で得られたピツチ()を、原料ピツ
チとして用い、実施例1と同様の方法で熱処理を
行ない軟化点320℃、キノリン不溶分59重量%、
メソ相含量98%のピツチを得た。 このピツチを実施例1で用いた紡糸器により
367℃で溶融紡糸し、16〜23μのピツチ繊維をつ
くり、実施例1と同様の方法で不融化、炭化およ
び黒鉛化処理して炭素繊維を得た。 この炭素繊維の引張強度は115Kg/mm2、弾性率
は16ton/mm2であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の炭素繊維製造工程を示すプロ
セスシートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 原料ピツチを加熱処理して得られる前駆体ピ
    ツチを溶融紡糸した後、不融化処理および炭化あ
    るいは更に黒鉛化処理して炭素繊維を製造するに
    当たり、該原料ピツチが(1)石油類を水蒸気分解し
    た際に得られる沸点200℃以上の重質油100容量部
    に対し、(2)原料ピツチを加熱処理により調製する
    段階で生成する沸点範囲が160〜400℃の範囲内の
    留分を水素化触媒の存在下に水素と接触させ、該
    留分中に含有される芳香族系炭化水素の芳香族核
    を10〜70%核水素化して得られる水素化油100〜
    200容量部を添加し、温度370〜480℃、圧力2〜
    50Kg/cm2・Gで熱処理することにより得られるも
    のであることを特徴とする炭素繊維用原料ピツチ
    の製造方法。
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JPS57170990A (en) * 1981-04-14 1982-10-21 Nippon Oil Co Ltd Raw material pitch for carbon fiber

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