JPH0119949B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、揺動選穀装置の改良に関する。

従来の技術 実公昭57−20299号や実開昭54−65863号として
提案された従来の揺動選穀装置は、第１図に示す
ような構成になつている。すなわち、１は粗雑面
を有し、傾斜して複数段重ねられた選別盤で、支
脚２，３により傾斜角αを有して傾斜して設けら
れ、エキセントリツク４により角αより大きい同
側の傾斜角βで揺動される。５は、選別盤１の上
方に位置して選別盤１と一体に揺動する供給樋
で、選別盤１の低部６側で選別盤１に取付けら
れ、選別盤１の高部７の上方に至り、各選別盤１
に穀粒を供給するための複数の分散樋８を連結し
ている。９は、選別盤１の低部６の下方に設けた
籾米収集部、１０は、選別盤１の中程下方に設け
た混合米収集部、１１は、選別盤１の高部７の下
方に設けた脱粒収集部である。１２は、籾米収
集部９の下方に設けた籾米供給部、１３は脱ロ
ール、１４は籾殻風選部、１５は排風機、１６は
スクリユーコンベア、１７は揚穀機、１８はタン
ク、１９は脱粒排出路、２０は樋である。

籾米と脱粒との混じつた被選別粒が、タンク
１８から供給樋５に流下ると、供給樋５は、選別
盤１と一体に揺動しているので、被選別粒は供給
樋５の凹凸移送面上を次第に進み、選別盤１の高
部７の上方に至り、複数の分散樋８を通り、複数
の選別盤１上に流下する。選別盤１は、角αより
大きい角βの方向へ揺動するので、被選別粒のう
ち籾米は低部６に、脱粒は高部７に次第に選別
され、籾米収集部９へは籾米が、脱粒収集部１
１へは脱粒が、そして混合米収集部１０へは両
者の混合粒が、それぞれ流下する。籾米収集部９
へ流下した籾米は、籾米供給部１２から二つの脱
ロール１３の間を通つて籾摺され、籾殻風選部
１４により、籾殻が風選分離され、スクリユーコ
ンベア１６、揚穀機１７により上方に運ばれ、再
びタンク１８に投入される。脱粒収集部１１に
入つた脱粒は、脱粒排出路１９を通つて適所
に運ばれる。また、混合粒は、樋２０、揚穀機１
７を通つて、同様に再びタンク１８に投入され
る。タンク１８に投入された混合粒は、再度、被
選別粒として、供給樋５を介して選別盤１に投入
され、選別盤１によつて選別される。

このような揺動選穀装置は、より以前に用いら
れた万石式のものと比べ、選別能力は大きいが、
揺動部の重量が大で、エネルギー消費が大きい欠
点があつた。

また、脱風選機と各揚穀機とを装備し、一方
側上方には傾斜上位側に標準目と傾斜下位側に荒
目を有する１枚状の万石網を傾斜し、下方におい
て傾斜し揺動する従来形の大形揺動選穀板には万
石網の標準目を漏下したものを供給できるように
装設し万石網の荒目を漏下したものを小形の揺動
選穀板に供給できるように装設し、両選穀板によ
る選別ものを合流して各揚穀機に送出できるよう
構成した籾すり選別装置が実開昭56−17936号と
して提案されている。

しかし、このものは、万石網の標準目及び荒目
を漏下しない籾を脱風選機に送つて脱し、そ
の処理物を再度万石網から揺動選別板に供給する
ものであつて、最終的に脱粒を含むすべての被
選別粒が選別板に投入されるため選別盤の選別負
荷が全被処理物に対するものとなるものであつ
た。

発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、選別能率は低下させずに運動
エネルギーの消費を少なくした揺動選穀機を提供
しようとするものである。

課題を解決するための手段 本発明は、前記目的を達成するため、傾斜して
設けた穀粒の選別盤と該選別盤の上方に設けた穀
粒の供給樋とを一体に揺動自在とした揺動選穀装
置において、前記供給樋の移送面上に脱粒のみ
が通過可能な篩を間隔をあけて一体的に形設する
と共に、該篩の排出部を前記選別盤の供給部に連
絡し、前記供給樋の移送面の排出部を揺動選穀装
置の脱粒排出体に連絡したことを特徴とする構
成を有する。

作 用 穀粒の供給樋に投入された被選別粒のうち、供
給樋の移送面上に間隔をあけて一体的に形設され
た篩を通過した脱粒は、供給樋の揺動動作によ
つて移送面上を送られ、選別盤に至ることなく直
接脱粒排出体に移送される。

篩を通過しない被選別粒は、供給樋に一体的に
形設された篩の揺動動作によつて該篩上を送られ
て選別盤に至り、該選別盤の揺動動作による選別
作用を受ける。

実施例 以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明
する。

第２図は、本発明の実施例を示し、第３図、第
４図は、要部拡大図である。

本発明の実施例においては、供給樋以外は第１
図のものと同様の構造である。

供給樋２１は、凹凸移送面２２と、それより少
し上方に間隔をあけて該移送面２２と一体的に形
設された篩２３よりなる。この篩２３の目の大き
さは、脱粒のみが通過可能であつて籾米は落下
できない大きさとし、また篩２３の端部には、選
別盤１に連通する分散樋８に被選別粒を案内する
ための分離板２４を設けて篩２３の排出部を選別
盤１の供給部に連絡し、また、上方にはならし板
２５を設ける。凹凸移送面２２の端部の排出部に
は脱粒排出部となる脱粒排出用樋２６からな
る脱粒排出体を連絡する。

タンク１８より供給樋２１に流下した被選別粒
は、供給樋２１が選別盤１と共に揺動するので、
篩２３の目より小さい脱粒の多くは凹凸移送面
２２上に落下し、凹凸移送面２２の端部に移送さ
れ、脱粒排出用樋２６に流下し、適宜の場所に
運ばれる。篩２３より下に落下しなかつた混合粒
は、ならし板２５及び分離板２４により適量ずつ
複数の分散樋８に流下し、第１図のものと同様に
選別盤１上で揺動され、選別される。

以上述べたように、供給樋２１に投入された被
選別粒に含まれる脱粒の多くは篩２３を通過し
て供給樋２１の凹凸移送面２２上に落下し、選別
盤１に至ることなく脱粒排出用樋２６に直接排
出されるため、揺動部の一部を構成する選別盤１
に対する選別負荷が軽減されるので、運転エネル
ギーの消費を節約することができる。

発明の効果 本発明によれば、傾斜して設けた穀粒の選別盤
と該選別盤の上方に設けた穀粒の供給樋とを一体
に揺動自在とした揺動選穀装置において、穀粒の
供給樋に投入された被選別粒に含まれる脱粒の
多くが、供給樋の移送面上に間隔をあけて一体的
に形設された篩を通過して移送面上に落下し、選
別盤に至ることなく直接脱粒排出体に移送され
るので、その分量だけ選別盤の負荷が軽減され、
運動エネルギーの消費を節約することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の揺動選穀装置の一部断面正面
図、第２図は、本発明の実施例の一部断面正面
図、第３図は、第２図の要部正断面図、第４図
は、第３図の平断面図である。 １…選別盤、２，３…支脚、４…エキセントリ
ツク、８…分散樋、９…籾米収集部、１０…混合
米収集部、１１…脱粒収集部、１３…脱ロー
ル、１６…スクリユーコンベア、１７…揚穀機、
１８…タンク、２１…供給樋、２２…凹凸移送
面、２３…篩、２４…分離板、２５…ならし板、
２６…脱粒排出用樋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 傾斜して設けた穀粒の選別盤と該選別盤の上
   方に設けた穀粒の供給樋とを一体に揺動自在とし
   た揺動選穀装置において、前記供給樋の多送面上
   に脱粒のみが通過可能な篩を間隔をあけて一体
   的に形設すると共に、該篩の排出部を前記選別盤
   の供給部に連絡し、前記供給樋の移送面の排出部
   を揺動選穀装置の脱粒排出体に連絡したことを
   特徴とする揺動選穀装置。