JPH01168234A - ガラクトオリゴ糖含有加工乳の製造法 - Google Patents

ガラクトオリゴ糖含有加工乳の製造法

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JPH01168234A
JPH01168234A JP62325488A JP32548887A JPH01168234A JP H01168234 A JPH01168234 A JP H01168234A JP 62325488 A JP62325488 A JP 62325488A JP 32548887 A JP32548887 A JP 32548887A JP H01168234 A JPH01168234 A JP H01168234A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビフィドバクテリウム菌増殖促進因子である
ガラクトオリゴ糖を含有する加工乳を製造する方法に関
するものである。
〔従来の技術〕
一般式Gal−(Gal)+1−Glc(但し、式中G
alはガラクトース残基、Glcはグルコース残基、n
は1〜4の整数を、それぞれ表わす)のガラクトオリゴ
糖(以下、単にガラクトオリゴ糖という)は、母乳オリ
ゴ糖の主要構成成分であり、かつヒト腸内に生息する有
用細菌・ビフィドバクテリウム菌の増殖促進因子である
ことが知られている。そこで近年、このガラクトオリゴ
糖を乳糖または乳糖含有物質から大量に製造し、発酵乳
や乳児用粉乳等の乳製品に添加することが行われるよう
になった。
ガラクトオリゴ糖は、従来、アスペルギルス・オリゼの
生産するβ−ガラクトシダーゼで乳糖または乳糖含有物
質を処理する方法(特公昭58−20266号公報)等
で製造されている。これら従来の製造法では、単なる加
水分解反応に優先するガラクトシル転移反応が生じるの
は乳糖濃度が高い場合に限られ、通常の生乳、脱脂乳な
ど、乳糖濃度が約10%未満のものを処理しても、生じ
る反応はほとんど加水分解だけになる。
したがって、従来ガラクトオリゴ糖含有乳製品を製造す
るには、濃縮あるいは粉乳混入などの方法により乳糖濃
度を高くした原料乳を酵素処理して原料乳中の乳糖から
ガラクトオリゴ糖を生成させるか、高濃度乳糖溶液を酵
素処理して製造したガラクトオリゴ糖を原料乳に添加す
る方法が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これらの方法は、主として飲用に供しようとするガラク
トオリゴ糖含有加工乳を製造する方法としては満足でき
るものではない。なぜならば、生乳や脱脂乳を直接処理
できないため一旦濃縮して酵素処理を行い、その後希釈
して飲用に適した乳固形分濃度に調整するという、繁雑
で、しかも乳蛋白質の熱変成が避けられない工程を必要
とするからである。別に乳糖から調製したガラクトオリ
ゴ糖を添加する方法は、きわめてコスト高であるばかり
か、製品の全糖濃度の著しい上昇、したがって好ましく
ないカロリーアップと甘味増加が避けられない(乳糖か
ら工業的に製造されるガラクトオリゴ糖は、ガラクトオ
リゴ糖以外に、それと等量以上の二糖類や単糖類を含有
するのが普通である)。
本発明の目的は、上述のような問題点のないガラクトオ
リゴ糖含有加工乳の製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成することに成功した本発明のガラクトオ
リゴ糖含有加工乳の製造法は、ストレプトコッカス・サ
ーモフィルスもしくはラクトバチルス・ブルガリクスに
由来するβ−ガラクトシダーゼを獣乳に作用させ、原料
乳中の乳糖の少なくとも15%を一般弐G*1−(Ga
l)+−Glc (式中G!lはガラクトース残基、G
lcはグルコース残基、口は1〜4の整数を、それぞれ
表わす)のガラクトオリゴ糖に変換することを特徴とす
るものである。
本発明において使用する“ストレプトコッカス・サーモ
フィルスもしくはラクトバチルス・ブルガリクスに由来
するβ−ガラクトシダーゼ”は、低濃度乳糖溶液からも
β−ガラクトシル転移反応を生起させ得る酵素を求めて
本発明者らが探索を重ねた結果発見されたものであって
、特異的に、生乳程度の低濃度乳糖溶液からも高率でβ
−ガラクトシル転移反応を生じさせる。
ストレプトコッカス・サーモフィルスに由来するβ−ガ
ラクトシダーゼはとりわけ有利な性質を有し、本発明の
製造法において用いる酵素として好ましい。
表1は実験結果の一部を示し、一般的には生乳等をその
ままβ−ガラクトシダーゼ処理するガラクトオリゴ糖含
有加工乳の製造は成り立たないものであることが分かる
(表中、ガラクトオリゴ糖の収率は5%乳糖溶液を4単
位/g乳糖の酵素により40℃で処理したときの最大収
率である。なお、この明細書におけるβ−ガラクトシダ
ーゼの“単位”は、2%(v/v)の乳糖溶液(0,0
IMリン酸緩衝液でpH7,0に調整)から温度40℃
、反応時間1時間で平均1μmol/l1linの速度
でグルコースを生成させる酵素活性を1単位としたもの
である。) 表1 β−ガラクトシダーゼ生産菌 ガラクトオリゴ糖収率(
%)Aspergillus oryxae     
       13.7Lactobacilllus
 bulgaricus        15 、1L
actobacilllus helveticus 
        6.7Lictobaeilllus
 5alivarius         4.7La
ctobacilllus fermentum   
      3.7Lxctobacilllus  
cssei               OL!ct
ob!cilllus 1cidophilus   
        05LrepLococcus  1
acLis                05Lr
eptococcus termophilus   
       20 、2Bifidobicteri
um b百idum          4°9Bif
idobicterium forum       
      5.3BifidobacLerium 
1dolescentis        9.5Bi
lidobacLeriu+a breve     
       4 、3B!cillus 5ubLi
lis                 5.5に1
ayveromyces  Izcjis      
         5.OKlnyveromyces
 fragilis             4.7
ストレプトコツカス・サーモフィルスもしくはラクトバ
チルス・ブルガリクスに由来するβ−ガラクトシダーゼ
(以下、特に断らない限り、“β−ガラクトシダーゼ”
とはここで特定されたβ−ガラクトシダーゼを意味する
。)を用いてガラクトオリゴ糖含有加工乳を製造する方
法についてさらに詳しく説明する。
反応に用いるβ−ガラクトシダーゼは、ストレプトコッ
カス・サーモフィルスもしくはラクトバチルス・ 。
ブルガリクスの菌体を超音波処理、加圧処理など、細胸
壁を物理的に破壊する方法、あるいは自己消化法、細胞
壁溶解酵素(I;とえばりゾチーム)を作用させる方法
、などにより抽出するに由来することができる。
抽出した酵素は、そのまま使用してもよいが、塩析法、
限外濾過法、溶媒沈澱法などの方法により精製してから
用いてもよく、さらに、固定化酵素にして用いてもよい
。また、菌体をメタノール、エタノール、プロバノーノ
呟アセトン、トルエンなどの有機溶媒、あるいはドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ等の界面活性剤で処理する
ことにより、β−ガラクトシダーゼ固定化菌体とし、こ
れを用いてもよい。
原料乳としては、牛乳、やぎ乳、またはそれらの脱脂乳
、粉乳からの還元乳などを、そのまま用いることができ
るが、本発明で用いるβ−ガラクトシダーゼといえども
乳糖濃度が高いほどβ−ガラクトシル転移反応を生じさ
せ易いことに変わりはないから、乳固形分濃度(したが
って乳糖濃度)が高くなるような濃度調整を行なった乳
を原料にすることは差し支えない。
酵素処理において生じる主反応は、グルコースおよびガ
ラクトースへの加水分解反応とガラクトオリゴ糖および
転移二糖類へのβ−ガラクシル転移反応である。
ただし、転移反応が起こっても、生成したオリゴ糖の加
水分解も起こるので、長時間反応させると反応液中のオ
リゴ糖類は徐々に減少し、単糖類の比率が高くなる。言
うまでもなく、この場合に好ましい反応条件はガラクト
オリゴ糖の収率が高くなるような条件、具体的には、少
なくとも対乳糖収率が15%になるような条件であり、
それ以下の収率では、意味ある量のガラクトオリゴ糖を
含有する加工乳にはならない。ガラクトオリゴ糖を高率
で生成させるだめの好適条件は、酵素の品質、被処理乳
の組成(特に乳糖濃度)等によっても多少異なるが、い
かなる場合も、反応開始直後に急速な加水分解反応が生
じないようにすることが最も重要であって、反応開始か
ら1時間までのグルコース生成率を対乳糖30重量%以
下、望ましくは20重量%以下に抑制しなければ、反応
時間をどのように選んでも、ガラクトオリゴ糖の最大収
率を15%以上にすることは困難である(第1図参照。
実験条件は、酵素添加率を変えることにより反応開始直
後のグルコース生成率を変化させたほかは後記実施例1
と同じ。)。
したがって、反応開始から1時間までのグルコース生成
率が上記上限を超えないようにし、且つガラクトオリゴ
糖収率が最大になる時点の前後で酵素を失活させて反応
を打ち切ることが望ましい。
β−ガラクトシダーゼの至適温度およびPH(40〜6
0°C!、 pH約6〜8)付近で通常の乳糖濃度の生
乳を処理する場合、酵素濃度を約1〜100単位/ml
の範囲で選ぶことにより、反応開始直後の加水分解反応
を上記範囲に抑制し、約2〜24時間後に、ガラクトオ
リゴ糖を15〜20重量%程度含有する加工乳を得るこ
とができる。酵素濃度1単位/m1未満では、ガラクト
オリゴ糖の最大収率は悪くないが、反応速度が遅すぎる
本発明の製造法は、そのまま飲用する加工乳の製造に採
用するのが最も効果的であるが、育児用粉乳、乳酸菌飲
料、発酵乳、アイスクリーム、練乳などの各種乳製品や
、パン、菓子類など乳を原料とする一般食品あるいはペ
ットフード、離乳期用飼料等を製造するためのガラクト
オリゴ糖含有原料乳の製造に採用することもできる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を示して本発明を説明する。
実施例1 無脂乳固形分濃度8.2%、乳糖濃度4.5%の滅菌牛
乳1011を40℃に加温し、これにストレプトコッカ
ス・サーモフィルス由来のβ−ガラクトシダーゼを45
00単位添加して6時間反応させた。この処理の最初の
1時間におけるグルコースの生成率は、原料乳中の乳糖
の12.0重量%であった。その後、反応液を加熱して
酵素を失活させた。
得られた製品は、ガラクトオリゴ糖0.94%、二糖類
1.54%(内、乳糖0.45%)、単糖類2.02%
を含有し、弱い甘味が感じられるものであった。
実施例2 無脂乳固形分濃度8.2%、乳糖濃度4.5%の滅菌牛
乳1011を40℃に加温し、これにラクトバチルス・
ブルガリクス由来のβ−ガラクトシダーゼ4500単位
を加えて6時間反応させた。この処理の最初の1時間に
おけるグルコースの生成率は、原料乳中の乳糖の11.
5重量%であった。その後、反応液を加熱して酵素を失
活させた。
得られた製品は、ガラクトオリゴ糖0.68%、二糖類
1.39%(内、乳糖0.41%)、単糖類2.43%
を含有し、弱い甘味が感じられるものであった。
比較例1 無脂乳固形分濃度8.2%、乳糖濃度4.5%の滅菌牛
乳101を40°Cに加温し、これにクルイベロマイセ
ス・フラジリス由来のβ−ガラクトシダーゼ・ラクトザ
イム(ノボ社製品)4500単位を加えて6時間反応さ
せた。この処理の最初の1時間におけるグルコースの生
成率は、原料乳中の乳糖の18.5重量%であった。そ
の後、反応液を加熱して酵素を失活させた。
得られた製品は、ガラクトオリゴ糖0.45%、二糖類
0.90%(内、乳糖0.31%)、単糖類3.15%
を含有し、甘味が顕著に感じられるものであった。
比較例2 無脂乳固形分濃度8.2%、乳糖濃度4.5%の滅菌牛
乳lOtを40°Cに加温し、これに、アスペルギルス
・オリゼ由来のβ−ガラクトシダーゼ・ラクターゼY−
400(株式会社ヤクルト本社製品)4500単位を加
えて、6時間反応させた。この処理の最初の1時間にお
けるグルコースの生成率は、原料乳中の乳糖の13.0
重量%であった。その後、反応液を加熱して酵素を失活
させた。
得られた製品は、ガラクトオリゴ糖0.60%、二糖類
2.20%(内、乳糖1.95%)、単糖類1.70%
を含有し、未反応の乳糖を多量に含むものであった。
実施例3 無脂乳固形分濃度10%、乳糖濃度5.2%、温度40
°Cの脱脂乳を、ストレプトコッカス・サーモフィルス
由来のβ−ガラクトシダーゼ(30単位/に乳糖)で処
理した。反応時間を0.5〜7時間の範囲で変化させた
場合の反応液糖組成の変化を表2に示す。
表2 葺 二糖類カッコ内は乳糖、葺葺  単糖類カッコ内は
グルコース〔発明の効果〕 上述のように、本発明の製造法によれば獣乳を直接β−
ガラクトシダーゼで処理してガラクトオリゴ糖含有加工
乳とすることができる。この製造法は、原料乳の濃縮に
ともなう蛋白質の熱変成や、全糖濃度の増加による顕著
な甘味増加およびカロリーアップを招くことがない。ま
た、乳糖含有率を初期値の約20%以下に低下させるこ
とができるので、いわゆる乳糖不耐症の人でも飲用可能
な製品を与える。したがって、これにより初めて、飲用
に適した高品質ガラクトオリゴ糖含有加工乳を安価に提
供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はβ−ガラクトシダーゼ処理の最初の1時間にお
けるグルコースの生成率とガラクトオリゴ糖の最大収率
との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ストレプトコッカス・サーモフィルスもしくはラ
    クトバチルス・ブルガリクスに由来するβ−ガラクトシ
    ダーゼを獣乳に作用させ、原料乳中の乳糖の少なくとも
    15%を一般式Gal−(Gal)_n−Glc(但し
    、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース
    残基、nは1〜4の整数を、それぞれ表わす)のガラク
    トオリゴ糖に変換することを特徴とするガラクトオリゴ
    糖含有加工乳の製造法。
  2. (2)酵素処理の最初の1時間におけるグルコースの生
    成率が原料乳中の乳糖の30重量%以下になるような条
    件でβ−ガラクトシダーゼを作用させる特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。
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