JP2002524064A - 乳をベースとするペット用粉末 - Google Patents

乳をベースとするペット用粉末

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JP2002524064A JP2000568341A JP2000568341A JP2002524064A JP 2002524064 A JP2002524064 A JP 2002524064A JP 2000568341 A JP2000568341 A JP 2000568341A JP 2000568341 A JP2000568341 A JP 2000568341A JP 2002524064 A JP2002524064 A JP 2002524064A
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クジイ、フランソワ
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ソシエテ デ プロデユイ ネツスル ソシエテ アノニム
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Abstract

(57)【要約】 栄養乳として再構成し、ペットに給与する場合、胃腸不耐容性の低減したペット粉乳。粉乳はラクトースおよびラクターゼを含有する牛乳粉末を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明はペット、特に幼少のペット用に再構成して乳をベースとする栄養組成
物を供することができる乳をベースとする粉末に関する。
【０００２】 多くのペットの飼主、特に幼少ペットの飼主は、牛乳がペットに対しすぐれた
栄養源であるので牛乳または乳をベースとする組成物を彼らのペットに給飼する
。さらに、非常に幼いペットが母乳を得ることができない場合、牛乳または牛乳
をベースとする組成物は幼少動物に対し唯一の栄養源である。
【０００３】 不幸なことに、ペット哺乳動物に対し牛乳を給飼すると、胃腸に不耐容性を生
じうる。これは鼓腸、膨張、けいれん、膨満、軟便、重篤な場合、下痢を含む各
種腸症状が現われる。軟便および下痢は特に周知の症状である（ムント・エイチ
−シィーおよびメイヤー・エイチ、１９８９、ワルサムシンポジウム７、犬猫の
栄養、ケンブリッジ大学刊行物、２６７〜２７４頁）。胃腸不耐容性の原因は牛
乳のラクトースによるものとされる。
【０００４】 牛乳からラクトースの除去はヒトの場合周知である。これは通例液体乳または
ホエイ溶液のマイクロ濾過または限外濾過、または酵素処理、または双方の処理
により行なわれる。さらに、低ラクトース、またはラクトースを含まない乳また
はホエイ粉末は市販されており、ペットに給飼できる。しかし、これらの粉末は
ペット製品に工業的に使用するには一般に高価すぎる。
【０００５】 ペットの場合、この問題に対する可能な解決はヨーロッパ特許第０２５９７１
３号明細書に記載される。この場合組成物のラクトースは組成物の粉乳含量を約
６０重量％以下に減らすことにより減少させる。タン白の減少を補なうために、
ラクトースを低減した乳またはラクトースを含まない乳タン白を組成物に添加す
る。この方法で、組成物のラクトース含量は約３０重量％以下に低減できる。し
かし、これはラクトースを低減した乳タン白またはラクトースを含まない乳タン
白を多量に添加する必要があり、コストを上げる。
【０００６】 ムントおよびメイヤー（上記）はペットの粉乳を製造する前に酵素を使用して
ラクトースを加水分解する別の解決法を提案する。これは乳を液体形で自由に、
かつ安価に入手できる場合許容しうる解決法である。しかし、通常の場合のよう
に乳成分を粉末形で入手する場合実行しうる解決法ではない。
【０００７】 従って、再構成して乳をベースとする栄養組成物を供することができ、比較的
製造が簡単で、比較的安価である牛乳をベースとする粉末に対する要求が尚存す
る。
【０００８】 従って、１つの特徴では、本発明はラクトースおよびラクターゼを含有する牛
乳粉末から成るペット粉乳を供する。
【０００９】 粉乳にラクターゼを単に添加することによりラクトースの消費と関連する胃腸
問題を回避し、または有意に低減できることが意外にも分かった。これは粉乳を
再構成して調製した乳組成物は再構成後直ちに、すなわちラクターゼが粉乳のラ
クトースを分解する時間のないうちに消費できる事実にも拘らずである。
【００１０】 好ましくは、ラクターゼはβ−ガラクトシダーゼであり、一層好ましくは微生
物起源のものである。酸性ｐＨで活性のβ−ガラクトシダーゼは特に好ましい。
【００１１】 粉乳はさらに任意の脂質起源、タン白起源、ビタミンおよびミネラルを含むこ
とができる。
【００１２】 別の特徴では、本発明は猫に対する粉乳を供し、粉乳はラクトース、ラクター
ゼ、タウリン、アルギニンおよびコリンを含有する牛乳粉末を含む。
【００１３】 尚それ以上の特徴では、本発明は犬に対する粉乳を供し、粉乳はラクトース、
ラクターゼおよびコリンを含有する牛乳粉末を含む。
【００１４】 それ以上の特徴では、本発明は牛乳をベースとする栄養組成物の消費後の哺乳
動物ペットの胃腸不耐容性症状を低減する方法を供し、該方法は有効量のラクタ
ーゼを栄養組成物と組合わせてペットに与えることを含む。
【００１５】 本発明の態様は単に例として記載する。 本発明は水で再構成してペットに対し胃腸不耐性を低減した栄養乳を供するこ
とができる乳をベースとする粉末に関する。
【００１６】 乳をベースとする粉末は牛乳粉末およびラクターゼを含有する。牛乳粉末は牛
乳をベースとする任意の適当な粉乳、例えば脱脂粉乳および全乳粉末でよい。さ
らに、標準化乳をベースとする溶液から製造した粉乳は使用できる。望む場合、
牛乳粉末はビタミン、ミネラル、タン白、脂質などのような添加物を含有できる
。粉乳のラクトース含量は本発明では重要ではない。勿論、低ラクトース含量を
有する牛乳粉末を容易に、かつ安価に入手できる場合、これらは使用することが
有利である。
【００１７】 ラクターゼは一般に安全と認められる任意の適当なラクターゼでよい。β−ガ
ラクトシダーゼ、特に微生物起源のβ−ガラクトシダーゼは好ましい。胃腸管の
条件は酸性であるので、酸性条件下で活性のラクターゼは好ましい。しかし、中
性またはアルカリ性条件下で活性のラクターゼも使用できる。これらの場合、乳
をベースとする粉末に胃腸管のｐＨ降下を示すアルカリを含むことは有用である
。
【００１８】 特に適する酵素はアマノ・エンチーム社、米国、イリノイ州、ロンバードから
得られるβ−ガラクトシダーゼである。この酵素は「ラクターゼ アマノ」の名
称で入手できる。本酵素はＡｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｏｒｙｚａｅから得られ、
ラクトースが基質である場合約４．８の最適ｐＨを有する。酵素は最適ｐＨで５
００００ユニット／ｇ以上の活性を有する。酵素は一般に安全と見なされ、食品
級である。
【００１９】 ラクターゼの添加量は牛乳粉末のラクトース含量や酵素活性のような各種要素
により異る。しかし、量は当業者には容易に決定できる。通常、ラクターゼは乳
粉末１００ｇ当り約２５ＵＩ〜約２００ＵＩ、例えば約５０ＵＩ〜約１２５ＵＩ
を供するように添加することができる。単位ＵＩは、０．１Ｍマキルベンバッフ
ァー１００ｍｌ当たり２００ｍｇのＯ−ニトロフェノール−β−ガラクトピラノ
シドを含有し、ｐＨ４．５の３．０ｍｌの溶液を１．０ｍｌの稀釈酵素溶液に添
加する場合、３０℃で１分につき１μモルのＯ−ニトロフェノールを産生する酵
素量を示す。反応は１０分後停止させる。
【００２０】 粉末１００ｇ当たり約５０ＵＩ〜約１２５ＵＩの活性を有する酵素では、乳を
ベースとする粉末で約０．０５％〜約０．４重量％、例えば約０．１５％〜約０
．２５重量％のラクターゼを含むことができる。
【００２１】 乳をベースとする粉末を栄養的に一層完全にすることを望む場合、他の栄養成
分を粉末に添加できる。例えば、脂質源は乳をベースとする粉末に添加できる。
任意の適当な脂質源、例えば大豆油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コーン油、落花
生油および菜種油のような植物油、または乳脂肪およびタローのような動物脂肪
を使用できる。一般に、使用する脂質源は栄養価、コストおよび呈味性を考慮し
て選択する。
【００２２】 さらにタン白およびアミノ酸源を添加することもできる。例えば、ホエイタン
白粉末は乳をベースとする粉末に添加できる。同様に、乳をベースとする粉末は
完全栄養に対し哺乳動物が要求する遊離アミノ酸を補充することができる。例え
ば、子猫のための乳をベースとする粉末では、粉末はタウリンまたはアルギニン
、または双方を補充することができる。
【００２３】 乳をベースとする粉末はビタミンおよびミネラルを含有することもできる。特
にカルシウム源、例えばリン酸２カルシウムを含むことは好ましい。
【００２４】 乳をベースとする粉末はプロビオチック微生物を含むこともできる。プロビオ
チック微生物は腸の微生物バランスを改良することにより宿主に有利な影響を与
える微生物である（フラー・アール、１９８９、Ｊ．Ａｐｐｌｉｅｄ Ｂａｃｔ
ｅｒｉｏｌｏｇｙ，６６，３６５〜３７８）。一般に、プロビオチック微生物は
乳酸および酢酸のような有機酸を産生し、これは病原菌の生育を抑止する。適当
なプロビオチック微生物の例はＳａｃｃｈａｒｏｍｙｃｅｓ，Ｄｅｂａｒｏｍｙ
ｃｅｓ，Ｃａｎｄｉｄａ，ＰｉｃｈｉａおよびＴｏｒｕｌｏｐｓｉｓのような酵
母、Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ，Ｐｈｉｚｏｐｕｓ，ＭｕｃｏｒおよびＰｅｎｉｃ
ｉｌｌｉｕｍおよびＴｏｒｕｌｏｐｓｉｓのようなかび、および属Ｂｉｆｉｄｏ
ｂａｃｔｅｒｉｕｍ，Ｂａｃｔｅｒｏｉｄｅｓ，Ｃｌｏｓｔｒｉｄｉｕｍ，Ｆｕ
ｓｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ，Ｍｅｌｉｓｓｏｃｏｃｃｕｓ，Ｐｒｏｐｉｏｎｉｂａ
ｃｔｅｒｉｕｍ，Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ，Ｅｎｔｅｒｏｃｏｃｃｕｓ，Ｌ
ａｃｔｏｃｏｃｃｕｓ，Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ，Ｐｅｐｔｏｓｔｒｅｐ
ｏｃｏｃｃｕｓ，Ｂａｃｉｌｌｕｓ，Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓ，Ｍｉｃｒｏｃｏ
ｃｃｕｓ，Ｌｅｕｃｏｎｏｓｔｏｃ，Ｗｅｉｓｓｅｌｌａ，Ａｅｒｏｃｏｃｃｕ
ｓ，ＯｅｎｏｃｏｃｃｕｓおよびＬａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓのような細菌を含
む。適当なプロビオチック微生物の特別の例はＳａｃｃｈａｒｏｍｙｃｅｓ ｃ
ｅｒｅｖｉｓｅａｅ，Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｃｏａｇｕｌａｎｓ，Ｂａｃｉｌｌｕ
ｓ ｌｉｃｈｅｎｉｆｏｒｍｉｓ，Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｓｕｂｔｉｌｉｓ，Ｂｉ
ｆｉｄｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ ｂｉｆｉｄｕｍ，Ｂｉｆｉｄｏｂａｃｔｅｒｉｕ
ｍ ｉｎｆａｎｔｉｓ，Ｂｉｆｉｄｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ ｌｏｎｇｕｍ，Ｅｎ
ｔｅｒｏｃｏｃｃｕｓ ｆａｅｃｉｕｍ，Ｅｎｔｅｒｏｃｏｃｃｕｓ ｆａｅｃ
ａｌｉｓ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄｏｐｈｉｌｕｓ，Ｌａｃｔｏ
ｂａｃｉｌｌｕｓ ａｌｉｍｅｎｔａｒｉｕｓ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ
ｃａｓｅｉ ｓｕｂｓｐ．ｃａｓｅｉ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃａｓｅ
ｉ ｓｈｉｒｏｔａ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｃｕｒｖａｔｕｓ，Ｌａｃ
ｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｄｅｌｂｒｕｃｋｉｉ ｓｕｂｓｐ．ｌａｃｔｉｓ，Ｌ
ａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｆａｒｃｉｍｉｎｕｓ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕ
ｓ ｇａｓｓｅｒｉ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｈｅｌｖｅｔｉｃｕｓ，Ｌ
ａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｊｏｈｎｓｏｎｉｉ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ
ｒｅｕｔｅｒｉ，Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｒｈａｍｎｏｓｕｓ（Ｌａｃ
ｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ＧＧ），Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｓａｋｅ，Ｌａ
ｃｔｏｃｏｃｃｕｓ ｌａｃｔｉｓ，Ｍｉｃｒｏｃｏｃｃｕｓ ｖａｒｉａｎｓ
，Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓ ａｃｉｄｉｌａｃｔｉｃｉ，Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕ
ｓ ｐｅｎｔｏｓａｃｅｕｓ，Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓ ａｃｉｄｉｌａｃｔｉ
ｃｉ，Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓ ｈａｌｏｐｈｉｌｕｓ，Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃ
ｃｕｓ ｆａｅｃａｌｉｓ，Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｔｈｅｒｍｏｐｈｉ
ｌｕｓ，Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ｃａｒｎｏｓｕｓ、およびＳｔａｐｈ
ｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ｘｙｌｏｓｕｓである。プロビオチック微生物は好ましく
は粉末、乾燥形、特に胞子を形成する微生物では胞子形である。さらに、望む場
合、プロビオチック微生物は例えば糖マトリックス、脂肪マトリックスまたは多
糖類マトリックスでカプセルに包まれ、さらに生存の可能性を高めることができ
る。
【００２５】 さらに、乳をベースとする粉末は発酵できる可溶性繊維源、例えばチコリ繊維
、イヌリン、フラクトオリゴ糖などを含むこともできる。好ましくは、選択した
発酵できる可溶性繊維は選択したプロビオチック微生物に対する基質であり、ま
たは発酵できる可溶性繊維とプロビオチック微生物は有利な効果を助長する共生
関係を形成するようなものである。
【００２６】 勿論、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および脂質源は牛乳粉末の製造に使用す
ることは可能である。この場合、これらの成分の少量を添加することが必要であ
り、または添加を必要としない。
【００２７】 乳をベースとする粉末は牛乳粉末、ラクターゼ、および任意の他の成分を乾燥
混合して製造することができる。脂質源を添加する場合、最後に混合することが
好ましい。任意の適当な混合装置は使用できる。次に乳をベースとする粉末は適
当なパッケージに包装される。
【００２８】 毎日哺乳動物に給与される栄養組成物量は哺乳動物の年令、哺乳動物の種類お
よび他の栄養源のような要素による。しかし、栄養組成物はほとんど同じ方法で
、および使用する乳と同量で使用できる。例えば、中型および大型の犬では、１
日につき約２５０ｍｌまでの栄養組成物を犬に給与できる。小型の犬では１日に
つき約１２５ｍｌまでの栄養組成物を犬に給与できる。同様の価は猫および他の
哺乳動物に対し容易に決定できる。
【００２９】 説明のために、本発明の特別な例を記載する。例 １ 乳をベースとする犬用の粉末は全乳粉末、β−ガラクトシダーゼ（「ラクター
ゼ アマノ」）、ビタミン、ミネラルおよび大豆油を乾燥混合して製造する。粉
末の組成は次の通りである。 乳をベースとする粉末は約３３重量％のラクトース含量を有する。粉乳は水道
水に添加し、急速に再構成して乳をベースとする栄養組成物を供する。栄養組成
物は子犬および犬には非常に美味である。
【００３０】例 ２ 乳をベースとする猫用の粉末は全乳粉末、β−ガラクトシダーゼ、アルギニン
、タウリン、ビタミン、ミネラルおよび大豆油を乾燥混合して製造する。粉末の
組成は次の通りである。 乳をベースとする粉末は約３３重量％のラクトース含量を有する。粉乳は水道
水に添加し、急速に再構成して乳をベースとする栄養組成物を供する。栄養組成
物は子猫および猫には非常に美味である。
【００３１】例 ３ ５〜１２才の７匹のビーグル犬を試験に使用する。各犬は別々に犬舎に収容す
る。犬は自由に乾燥飼料に接近できる。 試験の最初の部分では、犬に十分な脂肪乳粉末から再構成した乳を７日間与え
る。乳はビタミンおよびミネラルを含有する。乳は給与直前に十分な脂肪乳粉末
に冷水道水を添加して再構成する。フードの消費、液体の消費および便の堅さを
監視する。 試験の第２部分では、犬に乳をベースとする粉末または例１から再構成した栄
養組成物を７日間与える。栄養組成物は給与直前に乳をベースとする粉末に冷水
道水を添加して再構成する。フードの消費、液体の消費および便の堅さを監視す
る。 双方の試験の部分では、各犬に乳または栄養組成物を１日につき９００ｇ与え
る。乳または栄養組成物は午前９時〜午後３時に利用でき、この時間中唯一の液
体源である。一般に液体の全量は急速に消費される。午後３時から午前９時の間
犬は水に自由に接近できる。 栄養組成物はこの高量の消費でさえ有意な改良を示す。
【００３２】例 ４ ５〜１２才の７匹の猫を試験に使用する。各猫は別々におりに収容する。猫は
魚をベースとする乾燥飼料に自由に接近できる。 試験の最初の部分では、猫に十分な脂肪乳粉末から再構成した乳を７日間与え
る。乳はビタミンおよびミネラルを含有する。乳は給与直前に十分な脂肪乳粉末
に冷水道水を添加して再構成する。フードの消費、液体の消費および便の堅さを
監視する。 試験の第２部分では、猫に乳をベースとする粉末または例２から再構成した栄
養組成物を７日間与える。栄養組成物は給与直前に乳をベースとする粉末に冷水
道水を添加して再構成する。フードの消費、液体の消費および便の堅さを監視す
る。 双方の試験の部分では、各猫に乳または栄養組成物を１日につき１８０ｇ与え
る。乳または栄養組成物は午後３時から午前９時まで利用でき、この時間中唯一
の液体起源である。午前９時〜午後３時、猫は自由に水に接近できる。 栄養組成物は非常に重要な改良を与える。乳と栄養組成物間の消費の有意な変
化は認められない。従って酵素の添加は呈味性に影響を与えない。
【００３３】例 ５ 乳をベースとする粉末はＬａｃｔｏｚｙｍの名称で販売され、ノボ ノルディ
スクＡ／Ｓ，Ｂａｇｓｖａｅｒｄ，デンマークから得たβ−ガラクトシダーゼ酵
素を使用して製造する。粉末は使用酵素が異ることを除いて例１の粉末と実質的
に同一である。酵素はアルカリ性条件下で最適活性を有する。 ビーグル犬に与えた場合、乳をベースとする粉末は例１の粉末と実質的に同じ
性質を有する。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年９月１１日（２０００．９．１１）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ２３Ｋ 1/175 Ａ２３Ｋ 1/175 1/18 1/18 Ａ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 粉末はラクトースおよびラクターゼを含有する牛乳粉末を含
    む、ペット乳粉末。
  2. 【請求項２】 ラクターゼは酸性条件下で最適活性を有する、請求項１記載
    の粉末。
  3. 【請求項３】 ラクターゼはβ−ガラクトシダーゼである、請求項１記載の
    粉末。
  4. 【請求項４】 β−ガラクトシダーゼは微生物起源のものである、請求項３
    記載の粉末。
  5. 【請求項５】 ラクターゼは粉末の約０．０５〜約０．４重量％を含む、請
    求項１記載の粉末。
  6. 【請求項６】 ラクターゼは粉末１００ｇ当たり約７５ＵＩ〜約１２５ＵＩ
    を示す、請求項１記載の粉末。
  7. 【請求項７】 さらにカルシウム源を含む、請求項１記載の粉末。
  8. 【請求項８】 粉末はラクトース、ラクターゼ、タウリンおよびコリンを含
    有する牛乳粉末を含む、猫用ペット乳粉末。
  9. 【請求項９】 粉末はラクトース、ラクターゼおよびコリンを含有する牛乳
    粉末を含む、犬用ペット乳粉末。
  10. 【請求項１０】 ラクトースを含有する牛乳粉末を含むペット乳粉末にペッ
    トの胃腸不耐容用性症状を低減するためにラクターゼの使用。
JP2000568341A 1998-09-08 1999-09-07 乳をベースとするペット用粉末 Pending JP2002524064A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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