JP2005224133A - 動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分、及びその調製方法 - Google Patents

動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分、及びその調製方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 極めて少ない量の鼓腸誘発性オリゴ糖しか含まず、且つ、比較的多くの乳酸を含み、子牛及び子豚等の家畜及び家禽が摂取しても下痢を誘発しないような動物用飼料成分を経済的に調製する方法を提供すること。
【解決手段】有意なレベルまで低下した量の鼓腸誘発性オリゴ糖及び比較的多量の乳酸を含有する動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の調製方法であって、
(a)大豆タンパク質及び鼓腸誘発性オリゴ糖を含む水性粗大豆原料を、該鼓腸誘発性オリゴ糖を発酵性糖類に加水分解するに有効な量のグリコシダーゼで処理する工程、及び
(b)乳酸生産性培養物で該発酵性糖類を処理する工程、を含む前記方法、及び、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分。
【選択図】 なし

Description

本発明は鼓腸誘発性オリゴ糖を含まない動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の調製方法等に関する。本発明方法は、水性粗大豆原料に含まれる鼓腸誘発性オリゴ糖を発酵性糖類に加水分解するに有効なグリコシダーゼで処理する工程、及び乳酸生産性培養物で該発酵性糖類を処理する工程、を含む。
従来から、スキムミルクは特に授乳期におけるタンパク質源として動物飼料に使用されている。しかしながら、スキムミルクは非常に高価であるために、大豆粕は動物飼料目的のタンパク質源として最近注目されるようになった。ところで、大豆粕には約12−14%含まれているが、牛及び豚のような家畜及び鶏のような家禽はこのようなオリゴ糖を消化することができないので、特に授乳期に、それらオリゴ糖の大腸中の菌叢によるバクテリア発酵により生産されるガスによって、豚の下痢又は家禽の水様便等の深刻な症状が誘発される。動物飼料に大豆粕を利用するためには、スタキオース及びラフィノースのようなオリゴ糖をある程度まで除去しなければならない。アルコールまたは酸で大豆粕を洗うことにより大豆粕からオリゴ糖を脱離することができるが、そのようなプロセスは高価で複雑である。
日本特許第2603412号は、カビ、酵母菌類、細菌類等の微生物を接種してそれによる発酵処理によってオリゴ糖が除去されている大豆粕を含む動物飼料を開示する。
しかしながら、このプロセスには、1)好気性微生物を使用した培養であるために発酵期間中に他の多くの微生物がそれらの増殖に非常に都合の良い水を含む大豆粕へ侵入することがあり、従って、生成物の風味は動物にとって好ましいものではないこと;及び
2)好気性微生物の発酵によりオリゴ糖は1日に少ししか減少しないので、オリゴ糖の量が少ない場合には、その反応時間は24時間を越える長いものとなること、という欠点があった。
又、特開2001−346521号公報には、乳酸発酵大豆タンパク質食品成分の調製方法等が記載されている。この成分は各種チーズ、ヨーグルト、プディング、パスタ、肉製品、シリアル、及び飲料等の人が食する所謂食品に使用することを意図するものである。更に、上記乳酸発酵大豆タンパク質食品成分は、水性粗製大豆原料と比べて、鼓腸誘発性オリゴ糖のレベルが低下していることに加えて、イソフラボンのレベルを保持されていることを特徴とする。実施例によれば、鼓腸誘発性オリゴ糖は約85%減少したことが記載されている。
日本特許第2603412号公報 特開2001−346521号公報
極めて少ない量の鼓腸誘発性オリゴ糖しか含まず、且つ、比較的多くの乳酸を含み、子牛及び子豚等の家畜及び家禽が摂取しても下痢又は水様便を誘発しないような動物用飼料成分を経済的に調製する方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、有意なレベルまで低下した量の鼓腸誘発性オリゴ糖及び比較的多量の乳酸を含有する動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の調製方法であって、
(a)大豆タンパク質及び鼓腸誘発性オリゴ糖を含む水性粗大豆原料を、該鼓腸誘発性オリゴ糖を発酵性糖類に加水分解するに有効な量のグリコシダーゼで処理する工程、及び
(b)乳酸生産性培養物で該発酵性糖類を処理する工程、を含む前記方法に係る。
本発明において、低下した鼓腸誘発性オリゴ糖量に関する「有意なレベル」とは、現在のFDA推奨量(即ち、1回の食事当たりの大豆蛋白:約6.25g)が動物に消化されたときに、動物において過度の鼓腸を実質的に回避することができるような鼓腸誘発性オリゴ糖の量、又は、特に授乳期において家禽の水様便又は家畜の下痢等の症状を引き起こさない程度の量を意味する。一般に、かかる「有意なレベル」は、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分中の鼓腸誘発性オリゴ糖量が、該水性粗大豆原料に比べて、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、更に好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%低下又は実質的に100%低下していることを意味する。
本発明において、「比較的多量の乳酸」とは、本発明方法において得られる動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分自体を酸性pHにするに十分な量の乳酸を意味する。このようなpHの範囲は、通常、約3.8〜5.2、好ましくは約4.0〜4.8である。
鼓腸誘発性オリゴ糖の代表例として、ラフィノース、スタキオース又はその混合物を挙げることが出来る。
更に、本発明は、水性粗大豆原料から調製される動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分であり、(1)鼓腸誘発性オリゴ糖を該原料に比べて有意なレベルまで低下した量、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下で含み、且つ、(2)比較的多量の乳酸、好ましくは少なくとも2.8%、より好ましくは少なくとも3.5%の乳酸を含む、前記飼料成分に係る。この動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分は、上記の本発明方法により有利に調製することが出来る。
更に、本発明は、このような乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分を含む、家禽飼料、豚飼料及び牛飼料などの家畜用飼料、ペット飼料又は、魚飼料等の各種動物用飼料に係る。
本発明の動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分には、鼓腸誘発性オリゴ糖が実質的に含有されておらず、子牛及び子豚等の家畜及び家禽が摂取しても水様便及び下痢を誘発しない。更に、病原微生物を低下させる作用を有する乳酸のような有機酸を比較的多量に含み、それ自体酸性を示すので、乳製品飼料中に添加される高価な酸性化剤の量を減らすことが出来、この点からも動物用飼料成分として有益である。
又、本発明方法による処理によって、一旦グリコシダーゼ活性によって生産された糖類が乳酸培養物によって完全に使用され、大豆原料中の動物成長用の有用なエネルギーが増加することになり、本発明の動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の価値を高めるものとなる。
シュクロースのような水溶性糖類は乳酸菌によって発酵されるが、ラフィノース及びスタキオース等は発酵されない。本発明の調製方法の工程(a)において、グリコシダーゼにより、例えば、ラフィノース及びスタキオース等の鼓腸誘発性オリゴ糖から発酵性二糖類及び/又は単糖類のような発酵性糖類が生産され、それらは、その後、乳酸生産性培養物による発酵によって乳酸を有効に生産するために使用される。従って、工程(a)及び(b)は同時に行なうことが出来るが、少なくとも工程(a)の一部が工程(b)の前に行われることが好ましい。
乳酸生産性培養物がない状態では、グリコシダーゼによる加水分解反応は非常に遅くなるので、かなりの量の鼓腸誘発性オリゴ糖は残る。乳酸生産性培養物による処理によって、該加水分解は完結する方向に導かれる。
即ち、本発明の方法では、乳酸生産性培養物は水性粗大豆原料に元来含まれているか、又は、ラフィノース及びスタキオーススクロース等の鼓腸誘発性オリゴ糖の加水分解によって得られるシュクロース等の発酵性糖類を利用する能力を有する。また、生産される乳酸及びそれによる酸性条件は、グリコシダーゼ活性による鼓腸誘発性オリゴ糖の更なる加水分解に有益であり、その結果、乳酸生産性発酵に利用される発酵性糖類が更に生成される。このように発酵性糖類は乳酸生産性培養物の基質として利用されることによって更に発酵され、それによって、鼓腸誘発性オリゴ糖の一層の加水分解を可能にする。このように、本発明方法において、鼓腸誘発性オリゴ糖の大部分は消化され、最終的に発酵によって乳酸へ変換される。
グリコシダーゼしか存在しないとすると、「平衡効果」又は「最終生成物阻害」と呼ばれる効果により、かなりの量の鼓腸誘発性オリゴ糖が系に残存してしまうことになる。本発明方法においては、グリコシダーゼ活性による発酵によって生成された発酵性二糖類及び/又は単糖類のような発酵性糖類が乳酸生産性発酵物による処理によって除去されることによって、上記の弊害を防ぐことができ、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分中の鼓腸誘発性オリゴ糖の量を有意なレベルまで低下することができたものと考えられる。
本発明方法の主な利点は、鼓腸誘発性オリゴ糖を所望のレベルまで低減させるために反応条件を変えることができるということである。
したがって、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分中の鼓腸誘発性オリゴ糖量を、該水性粗大豆原料に比べて、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、更に好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%低下、実質的に100%まで低減させることが可能である。
使用するグリコシダーゼと乳酸生産性培養物の量、処理の時間、処理温度、pHレベル等の諸条件は当業者が適宜選択することができ、それらを調節することによって低下した鼓腸誘発性オリゴ糖のレベルは広く変えることができる。
一般に、鼓腸誘発性オリゴ糖を高いレベルまで低下させる(低含有量)ためには加工費が増加するだろう。また、多くの場合では、所望の効果を得るために、そのような高いレベルまで鼓腸誘発性オリゴ糖を低下させる必要もない。
水性粗大豆原料としては、当業者に公知の任意のもの、例えば、大豆粉、粗挽き大豆、脱皮大豆フレーク、非脱皮大豆フレーク、脱皮大豆ミール、非脱皮大豆ミール、豆乳、又は、これらの何れかの任意の組み合わせから選択したものを使用することが出来る。これら原料は天然のままでも良いし、脱脂等の加工されたものでも良い。
「豆乳」は、不溶性繊維含有量が低減された大豆タンパク質を含んでいる任意の水性分散物を意味する。例えば、豆乳は大豆の水による抽出によって得られ、必要ならば、その後、水不溶性物質を除去する。大豆粉及び粗挽き大豆等の乾燥した粉又は粒状固体を使用する場合には、それらを水に懸濁又はスラリー状にさせて水性粗大豆原料を得ることが出来る。豆乳は既にこのような水性であり、直ちに使用することが出来る。
水性粗大豆原料には、適宜、水及び/又は他の成分(例えば、追加大豆タンパク質)を追加することができる。水性粗大豆原料は一般に、約25%〜60%、好ましくは約50%〜55%の範囲で固形物を含んでいる。
所望により、水性粗大豆原料は、グリコシダーゼおよび乳酸生産性培養物での処理に先立って低温殺菌することができる。
そのような殺菌は処理中に存在する可能性がある偶発的な微生物の成長を最小限にすることができる。
殺菌はバッチ、半連続的、又は連続工程で実施することが出来る。低温殺菌の条件は当業者に公知の任意の条件、例えば、73℃で15分間行なうことが出来る。殺菌の後、グリコシダーゼおよび乳酸生産性培養物が加えられる前に、適当な温度(通常、約24℃〜46℃)まで冷却する。
グリコシダーゼはグリコシド結合を加水分解する酵素群の総称であり、一般的には、オリゴ糖等の非還元末端グリコシド結合を順次加水分解して単糖類を遊離するエキソ型の酵素である。当業者に公知の任意のグリコシダーゼ、例えば、α-1,6-ガラクトシダーゼ等のα-ガラクトシダーゼ、α(β)グルコシダーゼ、及びマンノシダーゼ等の当業者に公知の任意のグリコシダーゼを使用することが出来る。
これら酵素は当業者に公知の任意の微生物由来のものである。例えば、α-1,6-ガラクトシダーゼ等はアスペルギルス属(Aspergillus)、好ましくはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・オリザ(Aspergillus oryzae)、モナスカス菌株(Monascus)、好ましくはモナスカス・ピロサス(Monascus pilosus)、バチルス菌株(Bacillus s)、好ましくはバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、モルチエレラ菌株(Mortierella)、ペニシリウム菌株 (Penicillia)、及びサッカロマイセス菌株 (Saccharomyces) 等から得られる。更に、トウモロコシ及びコーヒー豆のような植物由来のものを使用することも可能である。これら酵素源からの各酵素の取得・精製法は当業者に公知の任意の手段で容易に行なうことが出来、又は、市販されている酵素は容易に入手することもできる。
エキソ−α−ガラクトシダーゼ等の酵素はpH4.2〜6.5で有効な活性があるので、乳酸培養物がそれらの代謝活動を開始する前でも該酵素は作用する。発酵性糖類がより多量に生産されるようになると、乳酸生産性培養物がより増殖するようになる。又、或る量の乳酸が放出され、反応環境(反応系)全体にいきわたり乳酸培養物によって生産された乳酸が十分に豊富になると、上記酵素はより有効に働く。その結果、本発明方法は、経済的に有効に機能することが出来る。
本発明方法の工程(a)において該鼓腸誘発性オリゴ糖は発酵性糖類に加水分解するに有効な量のグリコシダーゼで処理される。十分な量のシュクロースのような発酵性糖類が生産されるように、処理時間は、通常、約1〜24時間、好ましくは約3〜5時間である。処理時の水性粗大豆原料及び/又は得られる動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分のpHは、グリコシダーゼが活性であり、乳酸発酵を促進させることができる範囲、例えば、鼓腸誘発性オリゴ糖の加水分解を促進するための初期pHとしては約6〜7、好ましくは約4.2〜4.8である。
乳酸生産性培養物としては、当該技術分野において、糖類を資化して乳酸発酵することが知られている任意の微生物、例えば、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・デュランス(Streptococcus durans)、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス(Streptococcus diacetylactis)、ストレプトコッカス・ファエカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ファエシウム(Streptococcus faecium)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、リューコノストック・クレモリス(Leuconostoc cremoris)、リューコノストック・シトロボラム(Leuconostoc citrovorum)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lctobacillus acidophillus)、ラクトバチルス・ブルガリア(Lctobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カセイ(Lctobacillus casei)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lctobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lctobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ビファーメンタンス(Lctobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ケフィール(Lctobacillus kefir)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillu amylovorus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・セロビオシス(Lactobacillus cellobiosis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるものを挙げることが出来る。
これら乳酸生産性培養物による処理時間は、通常、約16〜48時間、好ましくは約18〜24時間である。
本発明方法において、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分は最終的に水性固形物の形態で得られる。一般的にはこの固形分が十分に高いので、余分な水分を分離する必要はない。従って、本発明においてはこのような余分な水分の除去のための設備などが不要であり、本発明方法の実施に伴うコストを有益に低下させる。
更に、真空乾燥方法などの当業者に公知の方法を用いて、動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の含水量を低下させることもできる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はそれらに限定されるものではない。尚、本明細書中の「%」はすべて重量%を意味する。
更に、各組成物中の各鼓腸誘発性オリゴ糖及び乳酸の量は当業者に公知の標準的方法で測定した。
大豆フレーク中のオリゴ糖を低下させるα-1,6-ガラクトシダーゼの効果を示すために、以下の実験を実施した。
脂肪が除かれた大豆フレーク(脂肪0.8〜1.2%;鼓腸誘発性オリゴ糖(ラフィノース及びスタキオース)約8.3%; TTETユニオン社、台湾製)に、固体分35%となるように水を加え水性粗大豆原料とした。 得られた水性固形物のpHは6.43だった。これを、α-1,6-ガラクトシダーゼ(マガジン・インターナショナル・アイルランド株式会社)で処理した。4つの処理は次のとおりだった:
Figure 2005224133
α-1,6-ガラクトシダーゼ単独の処理によっても鼓腸誘発性オリゴ糖含有量は確かに低下したが、工業的観点からな満足のいくものではなかった。
次に、グリコシダーゼ加水分解および乳酸生産性培養物の組み合わせによる処理を以下の条件で実施した。
脂肪が除かれた大豆フレーク(脂肪0.9〜1.2%;鼓腸誘発性オリゴ糖(ラフィノース及びスタキオース)約8.1
%; TTETユニオン社、台湾製)に、固体分35%となるように水を加え水性粗大豆原料とした。 得られた水性固形物のpHは6.47だった。 これを、まずα-1,6- ガラクトシダーゼ(マガジン・インターナショナル・アイルランド株式会社)で処理(第1反応:39℃)した後、乳酸生産性培養物(ラクトバチルス・アシドフィルス(Lctobacillus acidophillus)及びストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)の混合物、CCRC(台湾))を1.3%加えて、39℃で保持した(第2反応)。
Figure 2005224133
上記表2中で示されるように、鼓腸誘発性オリゴ糖含有量は水性粗大豆原料中の80%以上低下したことがわかる。更に、得られた動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の中には乳酸が2.8%以上含有されていた。
本発明の動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分には、鼓腸誘発性オリゴ糖が実質的に含有されておらず、これを含む動物用飼料を子牛及び子豚等の家畜及び鶏等の家禽が摂取しても水様便及び下痢を誘発しない。又、乳酸発酵によって、飼料の風味を改善する望ましい風味特性も付与される。従って、これを動物飼料に添加して使用することが出来る。

Claims (17)

  1. 有意なレベルまで低下した量の鼓腸誘発性オリゴ糖及び比較的多量の乳酸を含有する動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分の調製方法であって、
    (a)大豆タンパク質及び鼓腸誘発性オリゴ糖を含む水性粗大豆原料を、該鼓腸誘発性オリゴ糖を発酵性糖類に加水分解するに有効な量のグリコシダーゼで処理する工程、及び
    (b)乳酸生産性培養物で該発酵性糖類を処理する工程、を含む前記方法。
  2. 少なくとも工程(a)の一部が工程(b)の前に行われる、請求項1記載の方法。
  3. 発酵性糖類が発酵性二糖類及び/又は単糖類である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 鼓腸誘発性オリゴ糖がラフィノース、スタキオース又はその混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 水性粗大豆原料が大豆粉、粗挽き大豆、脱皮大豆フレーク、非脱皮大豆フレーク、脱皮大豆ミール、非脱皮大豆ミール、豆乳、又は、これらの何れかの任意の組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. グリコシダーゼがα-1,6-ガラクトシダーゼである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. α-1,6-ガラクトシダーゼがアスペルギルス属、モナスカス菌株、バチルス菌株、モルチエレラ菌株、ペニシリウム菌株、又は、サッカロマイセス菌株から得られる、請求項6記載の方法。
  8. 乳酸生産性培養物が、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus
    cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・デュランス(Streptococcus durans)、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス(Streptococcus diacetylactis)、ストレプトコッカス・ファエカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ファエシウム(Streptococcus faecium)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、リューコノストック・クレモリス(Leuconostoc cremoris)、リューコノストック・シトロボラム(Leuconostoc citrovorum)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lctobacillus acidophillus)、ラクトバチルス・ブルガリア(Lctobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カセイ(Lctobacillus casei)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lctobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lctobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ビファーメンタンス(Lctobacillus bifermentans)、ラクトバチルス・ケフィール(Lctobacillus kefir)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillu amylovorus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・セロビオシス(Lactobacillus cellobiosis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 飼料成分中の鼓腸誘発性オリゴ糖が該原料のレベルの少なくとも約90%低下している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 水性粗大豆原料から調製される動物用乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分であり、(1)鼓腸誘発性オリゴ糖を該原料に比べて有意なレベルまで低下した量で含み、且つ、(2)比較的多量の乳酸を含む、前記飼料成分。
  11. 該原料に比べて有意なレベルまで低下した鼓腸誘発性オリゴ糖の量が、動物に摂取されたときに、水様便又は下痢を実質的に引き起こさない程度のものである、請求項10記載の飼料成分
  12. 約2%以下の鼓腸誘発性オリゴ糖を含む請求項11記載の飼料成分。
  13. 少なくとも2.8%の乳酸を含有する請求項10〜12のいずれか一項に記載の飼料成分。
  14. 少なくとも3.5%の乳酸を含有する請求項13記載の飼料成分。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の調製方法によって得られた、請求項10〜14のいずれか一項に記載の飼料成分。
  16. 請求項10〜15のいずれか一項に記載の乳酸発酵大豆タンパク質性飼料成分を含む動物用飼料。
  17. 家禽飼料、豚飼料、牛飼料、ペット飼料、又は、魚飼料である、請求項16記載の動物用飼料。
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