JPH06178692A - カルシウム剤及びその製造方法 - Google Patents
カルシウム剤及びその製造方法Info
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- JPH06178692A JPH06178692A JP4352987A JP35298792A JPH06178692A JP H06178692 A JPH06178692 A JP H06178692A JP 4352987 A JP4352987 A JP 4352987A JP 35298792 A JP35298792 A JP 35298792A JP H06178692 A JPH06178692 A JP H06178692A
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Abstract
方法を提供する。 【構成】 乳酸菌を、乳糖及び/又は乳糖含有物を含む
培地に植菌し、生じる乳酸を水酸化カルシウムで中和し
てpH調整しながら培養することにより、乳酸カルシウ
ムを含有する培養物を得る。上記培地には酵母エキスを
添加することが好ましい。得られた培養物を、そのまま
濃縮して、あるいは凍結乾燥法、スプレレードライ法等
により乾燥粉末化して、カルシウム剤とする。
Description
た消化吸収性の良いカルシウム剤及びその製造方法に関
する。
の中で、唯一その所要摂取量が不足している栄養成分で
ある。カルシウムの補給食品には、牛乳、卵、小魚、緑
葉等があるが、中でも牛乳中のカルシウムは、消化吸収
性が高いため、最も優れたカルシウム補給食品とされて
いる。
達や、あるいは、カルシウムの摂取絶対量が不足してい
る人達を対象にして、栄養剤の成分にしたり、各種食品
に添加物したりすることを目的としたカルシウム剤の開
発が盛んに行われている。こうしたカルシウム剤には、
牛や魚の骨粉、卵や貝の殻等の天然物を利用したもの
や、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩等の有機酸カル
シウムを含むもの、及び炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、塩化カルシウム等の無機塩を用いるもの等があ
る。
ー及び該ホエーを限外濾過膜処理して脱タンパクしたホ
エーパーミエートを加熱濃縮することにより、ホエー中
に多量含まれる乳糖を部分的に結晶化・除去し、その含
量を低下したもの(ホエー回収ミネラル)を飲料中に配
合し、pH4.6以下で可溶化してなるカルシウム補強
飲料が開示されている。
ウムの人体における消化吸収性は一般に良いものではな
い。最も消化吸収性の良いカルシウムは、牛乳由来のも
のだとされているが、従来開発されたカルシウム剤は、
一般に消化吸収性において牛乳に劣るとされており、カ
ルシウム補強剤としての目的を十分に果たしているとは
言えなかった。
るホエー回収ミネラルは、ホエー中に本来含まれるカル
シウム分を濃縮したものであるから、カルシウム剤とし
ての収率が低いという問題点があった。
に優れ、大量生産が可能なカルシウム剤及びその製造方
法を提供することにある。
め、本発明のカルシウム剤は、乳酸菌培養物であって、
生成した乳酸が水酸化カルシウムで中和されていること
を特徴とする。
は、乳酸菌を、乳糖及び/又は乳糖含有物を含む培地に
植菌して培養し、生じる乳酸を水酸化カルシウムで中和
することを特徴とする。
て更に詳細に説明する。本発明において、乳酸菌として
は、例えばストレプトコッカス・ラクチス(Streptococ
cus lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス
(Streptococcusthermophilus)、ストレプトコッカス
・クレモリス(Streptococcus cremolis)、ストレプト
コッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)等の
乳酸球菌、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacil
lus bulgaricus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobac
illus caseii)、ラクトバチルス・プランタルム(Lact
obacillus plantarum )、ラクトバチルス・サリバリウ
ス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・ア
シドフィルス(Lactobacillus acidophilus )等の乳酸
桿菌などの公知のものが使用される。これらはいずれも
容易に入手できる菌である。
は、乳糖又は乳糖含有物を含有するものが用いられ、こ
こで、乳糖又は乳糖含有物としては、例えば、乳糖、乳
清(ホエー)、脱脂粉乳等が用いられる。上記乳糖及び
/又は乳糖含有物は、固形分換算で培地中に3〜30重
量%含有させることが好ましい。また、他の栄養成分と
して、酵母エキスを添加することが好ましい。酵母エキ
スの添加量は、培地中に0.1〜1.0重量%とするこ
とが好ましい。更に、培地中には、上記栄養成分の他、
乳酸菌の増殖を促進するような各種の無機塩類、界面活
性剤、ビタミン、酵素等を適宜添加することができる。
特に、脱脂粉乳等の乳糖含有物を主成分として使用する
場合は、その分解を容易にするために、培地を加熱滅菌
後、植菌前に、「ニュートラーゼ」(商品名、ノボノル
ディスクバイオインダストリー株式会社製)、「プロテ
アーゼA「アマノ」」、「プロテアーゼN「アマノ」」
(商品名、天野製薬株式会社製)、「パンチターゼNP
−2」(商品名、ヤクルト薬品工業株式会社製)等の蛋
白分解酵素を添加することが好ましい。なお、培地を蛋
白分解酵素等で処理する場合には、酵母エキスの代わり
に食用酵母粉末等を添加して、酵素作用によりエキス化
することもできる。
後、嫌気状態で、30〜50℃、好ましくは35〜45
℃で、撹拌培養するのが好ましい。培養時間は、6〜4
8時間が好ましく、より好ましくは16〜36時間であ
る。
用により生じる乳酸により、培地のpHが低下して乳酸
菌の増殖が阻害されるので、水酸化カルシウムを徐々に
添加して、培地のpHを5.0〜7.0に保つことが好
ましい。培地中の乳糖が完全に消費されて、pHの低下
が認められなくなったら培養を終了する。こうして、乳
酸菌培養物中の乳酸を水酸化カルシウムで中和すること
により、本発明のカルシウム剤を得ることができる。
のまま、あるいは濃縮して製品化することもできるが、
乾燥粉末化して製品化することが好ましい。乾燥方法と
しては、スプレードライ法、ドラムドライ法、凍結乾燥
法等、各種の方法が採用できるが、乳酸菌の生菌を含有
させて、整腸効果等をもたらすためには、凍結乾燥法が
好ましい。
酸を水酸化カルシウムで中和した乳酸カルシウムを多量
に含有する。また、乳酸カルシウム以外の乳酸菌代謝産
物、及び乳酸菌の菌体成分等を含有するものである。本
発明のカルシウム剤は、乳酸菌培養物中に含有される、
乳糖や、牛乳蛋白質の酵素処理によって生ずるCPP
(カゼインホスホペプチド)をはじめとする各種成分
が、消化管内におけるカルシウムの消化吸収を促進する
効果を持つため、優れた消化吸収能を有している。
て、酵母エキスを加えた培地で乳酸菌を培養した場合
は、乳酸菌の増殖上好ましいばかりでなく、カルシウム
の消化吸収をより高める効果がもたらされる。その理由
は、酵母エキス中に含まれるビタミンD前駆体であるエ
ルゴステロールが変化して生成したビタミンDが、カル
シウムの消化吸収を促進するためと推測される。
0〜7.0の範囲に維持されるように、水酸化カルシウ
ムを徐々に添加しながら培養を行なうことにより、乳酸
菌の増殖性をより高めることができる。すなわち、従来
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどでpH調整
しながら培養していたのであるが、これらは溶解度が高
いため、培地の浸透圧が上昇して増殖を停止させる要因
となっていた。水酸化カルシウムを用いた場合、中和さ
れて生じる乳酸カルシウムは、溶解度が低く沈殿しやす
いので、培地の浸透圧の上昇を招くことがない。その結
果、乳糖などの培地成分が効率よく消費され、より高密
度に乳酸菌の増殖がなされるものと考えられる。実際、
水酸化ナトリウムでpH調整した場合は、乳酸菌数にし
て8.0×109 /mlが限度であったが、水酸化カル
シウムでpH調整した場合には、2.9×1010/ml
まで増殖させることができた。
は、更に凍結乾燥等を行なうことにより、乳酸菌の生菌
数が高く、保存安定性の高い粉末を得ることができる。
乳酸菌の生菌を摂取することにより、整腸効果が得られ
るばかりでなく、カルシウムの消化吸収を一層高める効
果がもたらされる。その理由は、製品に含まれる乳酸菌
が、カルシウムの吸収部位である小腸内で増殖して腸内
のpHが下がり、この結果カルシウムの溶解性が高まる
ためと推測される。
ク)4kg、粗製乳糖16kg、無機塩溶液2L、乾燥
ビール酵母2.6kg、クエン酸ソーダ0.4kg、プ
ロテアーゼ0.04kgを含む培地に、乳酸菌(ラクト
バチルス・プランタルム)の前培養液1Lを植菌し、嫌
気状態で、40℃の温度下で、撹拌培養した。培養中、
生成される乳酸によって培地pHが低下するため、20
%水酸化カルシウム水溶液を徐々に添加してpHを6.
3に維持した。こうして20時間培養した後、培地pH
の低下が認められなくなったので、培養を終了した。こ
の培養液をスプレードライし、粉末状のカルシウム剤を
得た。このカルシウム剤は、乳酸カルシウムを80重量
%含むものであった。
培地に、乳酸菌(ラクトバチルス・カゼイ)の前培養液
1mlを植菌し、嫌気状態で、37℃の温度下で、攪拌
培養した。培養中、生成される乳酸によって培地pHが
低下するため、20%水酸化カルシウム水溶液を徐々に
添加してpHを6.3に維持した。こうして24時間培
養した後、培地pHの低下が認められなくなったので、
培養を終了した。この培養液を凍結乾燥し、粉末状のカ
ルシウム剤を得た。このカルシウム剤は、乳酸カルシウ
ムを73重量%含むものであった。
ム剤は、乳酸菌培養物の乳酸を水酸化カルシウムで中和
したものからなるので、多量の乳酸カルシウムの他に、
乳糖、CPP、ビタミンDとその前駆物質など、多種類
のカルシウム吸収促進物質を含有する。そのため、優れ
たカルシウム消化吸収性を有し、カルシウム栄養剤、あ
るいは食品のカルシウム補強剤として幅広く利用するこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 乳酸菌培養物であって、生成した乳酸が
水酸化カルシウムで中和されていることを特徴とするカ
ルシウム剤。 - 【請求項2】 前記乳酸菌培養物が、酵母エキスを含有
する培地で培養されたものである請求項1記載のカルシ
ウム剤。 - 【請求項3】 乾燥粉末化された請求項1又は2記載の
カルシウム剤。 - 【請求項4】 乳酸菌を、乳糖及び/又は乳糖含有物を
含む培地に植菌して培養し、生じる乳酸を水酸化カルシ
ウムで中和することを特徴とするカルシウム剤の製造方
法。 - 【請求項5】 酵母エキスを含有する培地で培養する請
求項4記載のカルシウム剤の製造方法。 - 【請求項6】 培地のpHが5.0〜7.0の範囲に維
持されるように、前記水酸化カルシウムを徐々に添加し
ながら培養を行なう請求項4又は5記載のカルシウム剤
の製造方法。 - 【請求項7】 前記水酸化カルシウムで中和された培養
物を乾燥粉末化する請求項4〜6のいずれか1つに記載
のカルシウム剤の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35298792A JP3587536B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | カルシウム補強剤及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06178692A true JPH06178692A (ja) | 1994-06-28 |
JP3587536B2 JP3587536B2 (ja) | 2004-11-10 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007215427A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Musashino Chemical Laboratory Ltd | 乳酸の製造方法 |
JP2007215428A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Musashino Chemical Laboratory Ltd | 乳酸の製造方法 |
JP2010279286A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Nippon Bio Co Ltd | ブドウ発酵物及びその製造方法 |
JP2013143956A (ja) * | 2007-05-21 | 2013-07-25 | Meiji Co Ltd | ナチュラルチーズの製造方法 |
CN103876162A (zh) * | 2014-02-24 | 2014-06-25 | 南通励成生物工程有限公司 | 一种溶解度高口味好的l-乳酸钙的生产方法 |
CN114732092A (zh) * | 2022-04-21 | 2022-07-12 | 清远金沣生物药品有限公司 | 一种活性钙、镁微乳剂及其制备方法 |
-
1992
- 1992-12-11 JP JP35298792A patent/JP3587536B2/ja not_active Expired - Fee Related
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