JP2739335B2 - ガラクトオリゴ糖の製造法 - Google Patents

ガラクトオリゴ糖の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビフィドバクテリウム菌増殖促進作用を有
するガラクトオリゴ糖を収率よく製造する方法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
近年、ヒト腸内に生息する有用細菌であるビフィドバ
クテリウム菌を腸内で積極的に増やすための手段とし
て、ヒトの消化酵素で分解されずに下消化管に達しビフ
ィドバクテリウム菌に選択的に利用される性質を備えた
オリゴ糖の投与が注目されている。このような性質を備
えたオリゴ糖の例としては、ガラクトオリゴ糖、フラク
トオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラフイノース、スタ
キオースなどがある。この中で、一般式Gal−(Gal)n
−Glc(但し式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコ
ース、nは1〜4の整数)で示されるガラクトオリゴ糖
は、全菌種のビフィドバクテリウム菌に利用される一
方、他の腸内細菌には利用されにくいという有利な性質
を備えているから、ビフィドバクテリウム菌増殖促進能
の最も高いオリゴ糖と考えられている。
ガラクトオリゴ糖の代表的な製造法は、乳糖をアスペ
ルギルス・オリゼのβ−ガラクトシダーゼで処理するこ
とによりβ−ガラクトシル転移反応を生じさせる方法
(特公昭58−20266号公報)である。しかしながら、こ
の製造法によるときは、ガラクトオリゴ糖の生成率が30
%程度と低く、未反応の乳糖が多量に残るという問題が
あった。
多量の乳糖を含有する反応液をそのままガラクトオリ
ゴ糖製品として飲食物に利用することは、乳糖不耐症と
の関係で好ましくなく、また、溶解性の点でも不都合を
生じる場合がある。一方、反応液からガラクトオリゴ糖
を分離精製して利用することは、複雑な工程を必要と
し、製品を、一般的な機能性食品としての利用が困難な
高価なものにしてしまう。
そこで、乳糖のβ−ガラクトシダーゼ処理によるガラ
クトオリゴ糖収率を極力高くし、さらには未反応乳糖の
少ない反応液を得ることが、いずれにせよ有利であり望
ましいことになる。このような観点からなされた発明の
一つは特開昭63−91092号公報に開示されており、そこ
では、由来の異なる2種以上のβ−ガラクトシダーゼを
用いて乳糖を逐次処理する方法によって、単一の酵素処
理の場合よりも未反応乳糖の量を減らすことに成功して
いる。該発明の製法において使用可能なβ−ガラクトシ
ダーゼの具体例としては、下記の微生物により生産され
たものが例示されている。
カビ:アスペルギルス・オリゼ,アスペルギルス・ニガ
ー,アスペルギルス・フラバス,ムコール・プシルス 細菌:ストレプトコッカス・サーモフィルス,ストレプ
トコッカス・ラクチス,ラクトバチルス・ブルガリク
ス,ラクトバチルス・サリバリウス,ラクトバチルス・
ライヒマニー,ラクトバチルス・ヘルベティクス,バチ
ルス・ステアロサーモフィルス,バチルス・ブレビス,
サームス・サーモフィルス,ビフィドバクテリウム・ビ
フィダム,ビフィドバクテリウム・ロンガム,ビフィド
バクテリウム・ブレーベ,ビフィドバクテリウム・アド
レスセンティス 酵母:クルイベロマイセス・フラジリス,クルイベロマ
イセス・ラクチス,カンジダ・シュードトロピカリス そして、一部の例においてはガラクトオリゴ糖収率も
同時に向上し、最高38%のガラクトオリゴ糖収率を達成
しているが、その理由は明らかにされていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、乳糖のβ−ガラクトシダーゼ処理に
よるガラクトオリゴ糖の製造において上記従来の水準を
こえる高いガラクトオリゴ糖収率の達成を可能にするこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記特開昭63−91092号の発明におい
て試みられていなかった多くのβ−ガラクトシダーゼの
組合わせによる逐次処理を子細に検討した結果、由来の
異なる2種類のβ−ガラクトシダーゼのある特定の組合
わせによる逐次処理においては50%に近い驚異的な高収
率でガラクトオリゴ糖が生成することを確認し、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、乳糖のβ−ガラクトシダーゼ処
理によりガラクトオリゴ糖を製造するに当たり、β−ガ
ラクトシダーゼとしてブレラ・シンギュラリス由来のβ
−ガラクトシダーゼまたはバチルス・サーキュランス由
来のβ−ガラクトシダーゼを用いて乳糖に第一の酵素処
理を施し、次いで、ストレプトコッカス・サーモフィル
ス由来のβ−ガラクトシダーゼまたはラクトバチルス・
ブルガリクス由来のβ−ガラクトシダーゼにより上記第
一の酵素処理の反応液に第二の酵素処理を施すことを特
徴とするものである。
上述のように、本発明の製造法においては乳糖または
乳糖含有物質に2段のβ−ガラクトシダーゼ処理を施す
が、各段酵素処理そのものは、基本的には従来の製法と
同様にして差支えない。すなわち、乳糖、ホェー等の乳
糖含有物質を、乳糖濃度10〜90w/v%、望ましくは50〜8
0w/v%、酵素濃度1〜100単位/mlで、用いる酵素の至適
pH付近および至適温度付近のpHおよび温度において処理
する。反応が進むにつれてグルコース、ガラクトース等
の単糖とオリゴ糖がほぼ直線的に増加するが、加水分解
されるオリゴ糖も増えるため、オリゴ糖はある時点から
徐々に減少する傾向を示す。第一の酵素処理の反応時間
は、概ねその反応において最高のオリゴ糖生成率に達す
る時間としてよいが、第二の酵素処理を終わった時点で
の最終的なオリゴ糖収率が最高になるよう、第二の酵素
処理の内容も考慮して決定することが望ましい。第一の
酵素処理を打切った後は、反応液を加熱して酵素を失活
させてから別のβ−ガラクトシダーゼを加え、反応を再
開させる。この第二の酵素処理においては、乳糖等の二
糖類からガラクトオリゴ糖への転移がさらに進行し、一
方、ガラクトオリゴ糖の加水分解は、単一のβ−ガラク
トシダーゼを用いて反応時間を延長した場合よりもずっ
と少なく、したがって、反応液中では二糖類が減少して
オリゴ糖が増加する。しかしながら、この第二の酵素処
理も平衡反応であることに変わりはなく、ガラクトオリ
ゴ糖はある時点から減少し始めるから、最大収率に達し
た段階で処理を打切る。
〔発明の効果〕
本発明の製造法によれば、約40〜50%という高率で乳
糖をガラクトオリゴ糖に変換することができる。また、
それにともない、製品中の他の糖類、特に乳糖の含有率
を従来よりも顕著に減少させることができる。したがっ
て、本発明の製造法による製品は乳糖や甘味の強い単糖
類の存在による不都合を招くことなしに多くの用途にお
いてそのまま利用することができる。勿論、必要ならば
適宜脱色処理、濃縮、乾燥、その他飲食物とするのに必
要な加工を施して利用することができ、さらにこれを精
製ガラクトオリゴ糖の製造に利用することもできるが、
分離困難な二糖類の含有率が低いため精製は容易であ
り、容易に高純度の製品を得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を示して本発明を説明す
る。
比較例 1 2.5kgの乳糖を4.95の熱水に溶解し、1M−リン酸カ
リウム緩衝液(pH6)50mlとブレラ・シンギュラリスの
β−ガラクトシダーゼ2200単位を加えて50℃で反応させ
た。16時間経過してガラクトオリゴ糖生成率が最高にな
ったところで反応液を加熱して酵素を失活させ、淡黄色
の糖液を得た。
実施例1 比較例1で得た糖液にストレプトコッカス・サーモフ
ィルスのβ−ガラクトシダーゼ5000単位および8.36%の
塩化マグネシウム溶液5mlを加え、50℃で16時間作用さ
せた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
実施例2 比較例1で得た糖液に、ラクトバチルス・ブルガリク
スのβ−ガラクトシダーゼ12000単位、および8.36%の
塩化マグネシウム溶液5mlを加え、pHを7.0に調整して50
℃で4時間作用させた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
比較例2 2.5kgの乳糖を4.95の熱水に溶解し、1M−リン酸カ
リウム緩衝液(pH7)50mlとバチルス・サーキュランス
のβ−ガラクトシダーゼ5500単位を加えて、60℃で反応
させた。5時間経過してガラクトオリゴ糖生成率が最高
になったところで糖液を加熱して酵素を失活させ、黄色
の糖液を得た。
実施例3 比較例2で得た糖液に、ストレプトコッカス・サーモ
フィルスを乳糖培地で培養することにより得られたβ−
ガラクトシダーゼ活性を有する菌体酵素5000単位および
8.36%の塩化マグネシウム溶液5mlを加え、50℃で16時
間作用させた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
実施例4 比較例2で得た糖液に、ラクトバチルス・ブルガリク
スのβ−ガラクトシダーゼ12000単位、および8.36%の
塩化マグネシウム溶液5mlを加え、50℃で4時間作用さ
せた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
比較例 3 2.5kgの乳糖を4.95の熱水に溶解し、1M−リン酸カ
リウム緩衝液(pH6.5)50ml、ストレプトコッカス・サ
ーモフィルスのβ−ガラクトシダーゼ活性を有する菌体
酵素5000単位および8.36%の塩化マグネシウム溶液5ml
を加え、50℃で16時間作用させた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
比較例4 2.5kgの乳糖を4.95の熱水に溶解し、1M−リン酸カ
リウム緩衝液(pH6.5)50ml、ラクトバチルス・ブルガ
リクスのβ−ガラクトシダーゼ3000単位および8.36%の
塩化マグネシウム溶液5mlを加え、50℃で4時間作用さ
せた。
得られた糖液を熱処理後、50gの活性炭を加えて脱色
処理することにより、無色透明の糖液を得た。
以上の各例によって得られた糖液の糖組成は次のとお
りであった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳糖をβ−ガラクトシダーゼで処理してβ
    −ガラクトシル転移反応を生じさせることにより一般式
    Gal−(Gal)n−Glc(但し式中Galはガラクトース残
    基、Glcはグルコース残基、nは1〜4の整数)のガラ
    クトオリゴ糖を製造するに当たり、β−ガラクトシダー
    ゼとしてブレラ・シンギュラリス由来のβ−ガラクトシ
    ダーゼまたはバチルス・サーキュランス由来のβ−ガラ
    クトシダーゼを用いて乳糖に第一の酵素処理を施し、次
    いで、ストレプトコッカス・サーモフィルス由来のβ−
    ガラクトシダーゼまたはラクトバチルス・ブルガリクス
    由来のβ−ガラクトシダーゼにより上記第一の酵素処理
    の反応液に第二の酵素処理を施すことを特徴とするガラ
    クトオリゴ糖の製造法。
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