JPH0114294B2 - - Google Patents

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JPH0114294B2
JPH0114294B2 JP58222821A JP22282183A JPH0114294B2 JP H0114294 B2 JPH0114294 B2 JP H0114294B2 JP 58222821 A JP58222821 A JP 58222821A JP 22282183 A JP22282183 A JP 22282183A JP H0114294 B2 JPH0114294 B2 JP H0114294B2
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Akira Ikeda
Osamu Yugai
Hiromi Taoda
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Toyo Kohan Co Ltd
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Toyo Kohan Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は磁気特性に優れたシヤドウマスク用素
材の製造法に関し、より詳しくは外部磁場によつ
て影響を受ける事がなく、従つて色ズレを生じな
いカラーブラウン管を造るために必要なシヤドウ
マスク用素材の製造方法に関する。 従来シヤドウマスク用素材は、主として連続鋳
造低炭素アルミキルド鋼熱延鋼帯を1次冷延した
後、電気清浄ラインを通し、オープンコイル焼鈍
を施して脱炭処理し、しかる後2次冷延して所定
板厚の冷延コイルとし、これを所定巾のスリツト
コイルとすることによつて製造されていた。 連続鋳造低炭素アルミキルド鋼を原材料鋼種と
して選ぶ理由は、以前のインゴツト材リムド鋼乃
至キヤツプド鋼(両者を含めて以下リムド鋼と呼
ぶことがある。)に比して製品であるシヤドウマ
スク用素材のマスク製造工程におけるエツチング
特性及び機械的性質が優れるところに存する。 すなわち以前のインゴツト材リムド鋼は表面に
高純度のリム層を有し、表面が美麗であるという
特徴を有していたが、インゴツト材であるために
インゴツトのTop部とBottom部において成分差
が生じる事が避けられず、また非金属介在物等の
不純物が多く存在し、均質な製品シヤドウマスク
用素材が得られなかつた。そしてそのために例え
ばエツチング工程で所謂ガザ孔を生じる傾向があ
つた。またリムド鋼中のNはアルミキルド鋼の如
くAlNとして固定されていないから後工程にお
けるプレス成形時にストレツチヤーストレインを
生じるという機械的性質上の問題点があつた。 そこで、均質かつ清浄度の高いアルミキルド鋼
連鋳材の採用によつて従前の問題点は美事に解決
された訳である。 ところが意外にもこの完全無欠と思われた最新
のシヤドウマスク用素材にも問題点が隠されてい
た。それは完成したカラーブラウン管の色ズレ現
象である。 すなわちカラーブラウン管は常時変動する地磁
気(0.460e程度)その他の外部擾乱磁場に常に晒
されており、それによつてブラウン管中の電子ビ
ームが影響を受けるのは事実である。この対策と
してカラーTV受像機には通常消磁機構が組み込
まれている。しかし、コストダウン、コンパクト
化及び省エネルギーの見地よりこの消磁機構は完
全なものではないしまた消磁後の再着磁も常に生
じる。従つてカラーブラウン管内のシヤドウマス
ク自体の磁気特性が前記色ズレ現象と関わつて来
る。検討の結果消磁特性に最も影響を与えるのは
磁気特性の中でも特に保磁力Hcである事が確認
された。すなわち保磁力が小さい程消磁し易く、
従つて色ズレを生じ難いことが判明した。 そしてアルミキルド鋼連鋳材を原材料とするシ
ヤドウマスクの保磁力が従前のリムド鋼のそれよ
りもやや大きいという事実が発見されたのであ
る。更に検討の結果、アルミキルド鋼連鋳材を原
材料とするシヤドウマスクの保磁力がやや大きい
理由は主として結晶粒の微細な点にあり、ために
粒界が磁壁移動の障害となるからであろうことが
推察された。 そこで本発明者等はアルミキルド鋼連鋳材を原
材料とするシヤドウマスク用素材の成分について
種々検討した結果、製品シヤドウマスクの磁気特
性を改善し、色ズレを減少し得ることを見出し、
本発明に到達した。 本発明の目的は、エツチング特性、プレス成形
性、黒化膜密着性が良いのみならず、更に磁気特
性が低保磁力の点で優れ、製品カラーブラウン管
において色ズレ現象の生じないシヤドウマスク用
素材の製造方法を提供する事にある。 本発明により、 低炭素アルミキルド鋼、熱延鋼帯に対し、少な
くとも1次冷延、中間焼鈍、2次冷延の各工程を
付与する事により、C:0.01%以下、Mn:0.10
%以下、Si:0.03%以下、P:0.10%以下、S:
0.05%以下、Sol.Al:0.01〜0.50%、Cr:0.01〜
0.50%、残部Feおよび下可避的不純物から成る冷
延鋼板を製造する事を特徴とするシヤドウマスク
用素材の製造方法 (本明細書中の成分%はすべて重量%である。) が提供される。 以下に本発明を詳細に説明する。 先づ従来のシヤドウマスク用素材の製造法及び
そのシヤドウマスク用素材を用いてシヤドウマス
クを製造する方法について簡単に説明する。 従来のシヤドウマスク用素材は、低炭素リムド
鋼もしくはアルミキルド鋼連鋳材熱延鋼帯を1次
冷延した後、電気清浄装置を通してから所謂オー
ブンコイル焼鈍(中間焼鈍の一種)を施して脱炭
処理し、しかる後2次冷延して所定の厚みとして
スリツトコイルの状態とすることによつて製造さ
れるのが普通であつた。ついで前記スリツトコイ
ルは、フオトエツチング工程並びにマスク成形工
程を通る。すなわちスリツトコイルは、フオトレ
ジストを両面に塗布後、乾燥され、引き続き両面
に基準パターン(スロツトあるいはドツト形状)
を真空密着され、両面から露光後現像される。現
像により未感光部(穿孔される部分)のフオトレ
ジストは溶解除去され、ついで残存フオトレジス
トは加熱硬化(バーニング)される。そしてスリ
ツトコイルは塩化第二鉄溶液によつて前記フオト
レジストによつて保護されていない部分に所定寸
法の孔を開けられる(エツチング)。そしてスリ
ツトコイル表面の残存フオトレジストは熱アルカ
リ溶液によつて溶解除去される。かくてエツチン
グ工程を終つたスリツトコイルは剪断され、検査
工程を経てフラツトマスクになる。 次に前記フラツトマスクはガス雰囲気中で焼鈍
される(フラツトマスク焼鈍)。この焼鈍には歪
取りのみを目的としたドライ雰囲気の所謂ドライ
焼鈍と更に加工性を改善するための脱炭処理を目
的としたウエツト雰囲気の所謂ウエツト焼鈍があ
る。 ついで焼鈍後のフラツトマスクはレベラーに通
される(レベリング)。 これは降伏点伸びを消滅せしめて次のプレス成
形工程でのストレツチヤーストレインを防止し、
かつ焼鈍によつて生じた板歪を矯正するためであ
る。続いて前記フラツトマスクはプレス成形され
て所定の曲面をつけられ、最後に気相または液相
による黒化処理が施されてシヤドウマスクとな
る。 以上が従来の一般的なシヤドウマスク用素材及
びシヤドウマスクの製造法である。 本発明の特徴は、製造工程自体は前述の一般的
シヤドウマスク用素材の製造法に依るが、その原
材料成分のMn、Cr等を、製鋼段階において制御
し、終局的に特許請求の範囲第1項記載の成分の
冷延鋼板即ちシヤドウマスク用素材を得るところ
にある。 以下に本発明各成分の限定理由を述べる。 C:0.01%より多く含むと炭化物が析出しやす
く、かつ結晶粒も成長し難くなるので、磁気特
性が悪くなる。依つて上限を0.01%以下に限定
した。下限は可能な限り少ない程良いので特に
限定しない。Cを0.01%以下にする手段として
は製鋼の際の真空脱ガス処理を行う方法およ
び/もしくは1次冷延後の焼鈍の際、脱炭焼鈍
を行う方法および/もしくはフラツトマスクを
ウエツト雰囲気中で脱炭する方法がある。 Mn:従来の如く0.10%より多く含むと結晶粒成
長が妨げられ、磁気特性上望ましくない。故
に、Mn成分は0.10%以下とした。下限は少な
い程良いので限定しない。 元々鈍鉄は非常に良い磁気特性を示すことが知
られているが、工業的にシヤドウマスク素材とし
て使用する事は困難である。 すなわちMnも可能な限り少ない方が磁気特性
に対して良い結果を生むが、工業上の可能性を含
めて種々検討した結果、Mn成分を0.10%以下に
すれば必要な諸特性を満足する事が明らかとなつ
た。具体的に云うと、Mnは、通常鋼中S成分に
よる熱間脆性を、MnSを形成して防止するため
にフエロマンガンとして転炉における製鋼工程で
添加されるものである。 そこで本発明者等は高炉内脱硫法、炉外脱硫
法、転炉内脱硫法、就中主として炉外脱硫法によ
つてSを減少せしめ、低Mnでも熱延工程で問題
となるような熱間脆性の生じない鋼材を製造し
た。 なお脱硫剤としてはCaO、CaC2、CaCN2
CaF2等のCa化合物、Na2CO3、NaOH、KOH、
NaCl、NaF等のアルカリ化合物及びMg乃至Mg
化合物が用いられる。 Si:Siは非金属介在物の主要な構成因子をなして
おり、この非金属介在物により孔の精度を悪化
させ、黒化膜の密着性も劣化させるので0.03%
以下とした。 P:P含有量が増加すると鋼の硬化によりプレス
成形性が阻害されるので0.10%以下とした。 S:Sについては硫化物系介在物がエツチング特
性を阻害する大きな要素としてシヤドウマスク
材にとつて好ましくないものであり、またMn
との関係において前述の理由により、可能な限
り少ないことが好ましいからその成分範囲を
0.05%以下とした。 Al:Alは脱酸剤として転炉溶製後取鍋で添加さ
れ清浄度を向上させる作用を有するが、Sol.Al
が0.50%を超えると熱延コイル巻取り温度が高
い時結晶粒の異常成長が生じ易くなること、及
び非金属介在物Al2O3が増加してエツチング特
性を阻害するので好ましくなく、また0.01%未
満では脱酸効果並びに非時効性効果が充分でな
い。 したがつてSol.Alは、0.01〜0.50%とした。
なお、Alは鋼中のNをAlNとして固定し、マ
スクレベリング後の降伏点伸びを抑制する働き
を持ちプレス成形性を向上させる大きなフアク
ターとなる。なお、本発明においては、脱酸剤
をAlに限定したが、Alと同様の作用を持つTi、
Zr等も適用できるし、またAlとの併用も可能
なことは云うまでもない。 Cr:CrはクロムカーバイドとしてCを固定しマ
スク成形性を改善すると同時にマスク黒化膜密
着性向上に寄与する。このため製鋼時にフエロ
クロムを添加して、Cr含有量の有効下限を0.01
%とし、上限は経済性とプレス成形性の見地よ
り0.50%とした。 本発明では素材として低炭素アルミキルド鋼熱
延鋼帯を選定しているが、その理由を以下に述べ
る。 先に述べたようにフオトエツチング工程のエツ
チングの際の穿孔特性を高めるには、素材自体の
介在物が少ないこと、すなわち清浄性が優れてい
ること、結晶粒が微細で均一であること、板厚及
び成分が薄鋼板コイル全長に亘つて均一であるこ
と、更に薄鋼板コイルの形状がフラツトであるこ
とが要求されるが、冷間圧延技術の進歩によつて
板厚の均一性、形状については概ね満足されるも
のである。したがつて、穿孔特性を左右するのは
鋼の清浄度(介在物の少ないこと)及び成分の均
一性にあるということが出来る。ところが、従来
エツチング穿孔の過程から薄鋼板表面の性状が重
視され、特公昭54−25492号公報に見られるよう
に表面性状の優れた低炭素リムド鋼が選ばれてき
た。しかし、リムド鋼はインゴツト材に限られる
から(連続鋳造によるリムド鋼はまだ実用化され
ていない。)、インゴツトのトツプ部とボトム部と
では成分的に相当な差があり、成分限定により例
え全体の清浄度が向上しても、トツプ部において
はなお介在物が比較的多く、エツチングにおいて
孔内壁に介在物が露出し、所謂ガザ孔が生じるこ
とがしばしばあつた。加えてダークバンドが発生
する傾向もある。 これに対してアルミキルド鋼は、従来表面性状
においてリムド鋼に劣り、シヤドウマスク用素材
として不適当であるといわれてきたが、最近の製
鋼技術、特に連続鋳造技術の発達によつて、表面
性状においてもリムド鋼と比肩し得るようにな
り、また、連続鋳造剤はその製造方法の特質から
コイル長手方向における冶金的、機械的特性が均
一で、冷延工程での板厚精度並びに形状の確保の
点でリムド鋼より遥かに有利である。特に清浄度
については第1表に示すとおり連続鋳造アルミキ
ルド鋼がリムド鋼に比して著しく優れている。
【表】 以上述べたとおり本発明では素材を低炭素アル
ミキルド鋼、就中同連鋳材でなる熱延鋼帯として
選択するが、成分についてはあくまでも冷延鋼板
の段階で捉えているので、上記成分限定は熱延鋼
帯の成分を直接規定するものではない。 次にシヤドウマスク用素材としての冷延鋼板製
造工程について述べる。まず前述した低炭素アル
ミキルド熱延鋼帯を、酸洗処理して一次冷延を施
す。圧延率は特に限定しないが、冷延鋼板最終板
厚、2次冷延率並びに熱延鋼帯厚みを勘案すれば
70%以上が好ましい。次に中間焼鈍工程は真空脱
ガスにより脱炭した材料の場合は箱型焼鈍炉また
は連続焼鈍ラインで、再結晶温度以上800℃まで
の温度範囲で再結晶焼鈍を施す。脱炭焼鈍により
脱炭する場合はクリーニング処理の後、コイルを
タイトからルーズへ巻き替え箱型焼鈍炉において
脱炭雰囲気中で再結晶温度以上800℃までの温度
範囲で再結晶脱炭焼鈍を行い、その後コイルをル
ーズからタイトへ巻き替える。この際雰囲気によ
つては脱窒効果を伴なうことがある。焼鈍後2次
冷延を施して所定の板厚とするが、シヤドウマス
ク用鋼板としては通常板厚は0.10〜0.18mmであ
る。なお2次冷延の圧延率は真空脱ガスによる脱
炭の場合が20〜60%、脱炭焼鈍による脱炭の場合
が60〜90%程度である。2次冷延完了後、スリツ
ターラインにおいて所定のコイル幅にスリツトし
シヤドウマスク用冷延鋼板ができ上がる。 なお、1次冷延で圧下率を大きくとれば、2次
冷延圧下率を小さくすることが出来、その場合に
は2次冷延は所謂調質圧延とすることが可能であ
る。 つぎにシヤドウマスク製造工程について若干説
明しておく。 フオトエツチング工程において前記シヤドウマ
スク用素材である冷延鋼板は、先に述べたような
公知の方法によつて所定のエツチング穿孔をされ
てフラツトマスクとなり、剪断されて次のマスク
成形工程に送られる。 マスク成形工程では、まずマスク焼鈍を施す
が、このマスク焼鈍はウエツト焼鈍と呼ばれる水
蒸気を含む脱炭雰囲気ガス中もしくは真空中で行
なう。すなわち、マスク焼鈍はマスクとたとえば
ステンレス製のスクリーンスペーサとを交互に積
み重ねてマスクと雰囲気との接触をよくし、600
〜850℃の温度で1〜30分間行なわれる。 さて、叙上の如く、ウエツト焼鈍もしくは真空
焼鈍を施したアルミキルド材によるマスクは従来
のように多数回のレベラー通しを施す必要はな
い。先に述べたように鋼中に添加されたAlによ
り時効を促進するNがAlNとして固定されてい
ると同時に同様な作用を持つCについても真空脱
ガスもしくはオープンコイル脱炭焼鈍、さらにマ
スク工程でのウエツト焼鈍により強脱炭されてお
り、したがつて降伏点が低く降伏点伸びも小さ
い。なお、マスク工程での真空焼鈍は積極的な脱
炭効果はないが真空引きによりCarbon源が取り
除かれているので最早や浸炭現象は生じない。し
たがつて製鋼時の真空脱ガスもしくは一次冷延後
の脱炭焼鈍により充分にCが低減されていれば降
伏点が低く降伏点伸びも小さくなる。しかしなが
ら一般に製鋼時の真空脱ガスによる脱炭のみでは
充分な効果が得られず、この場合はマスク工程で
の焼鈍は脱炭効果の有るウエツト焼鈍を選択する
必要がある。以上のように降伏点伸びが小さいの
で、レベリング工程は不要といえるが、実際作業
上においては一般的にマスク焼鈍によつて板歪が
発生することがあり、プレス成形後これがシワに
なるおそれがあるので、最少限のレベリングすな
わち1〜2回程度のレベラー通しを行つてもよ
い。このように軽いレベリングを行なつても4〜
6回に及ぶ多数回のレベラー通しを必要としてい
た従来の方法に比べてエツチング孔の変形は僅少
で、孔精度を維持することができるから省力化、
高品質化に寄与する。 さて、マスク焼鈍とこれに続くレベリングの処
理の後、マスクにプレス成形によつて所定の曲面
を付与するが、本発明の方法によれば降伏点並び
に降伏点伸びが小さくプレス成形性が極めて良好
でかつ板幅方向、長手方向に於いて特性が均一で
あり、特性のバラツキによる成形性不良の発生が
ない。 つぎにマスクにはプレス成形後、600℃前後の
水蒸気又は炭酸ガス系の雰囲気にて黒化処理が施
される。これは前にも述べたがカラー管製造工程
中の錆発生の防止および熱放射の良好化、および
電子ビームの不所望な反射防止を目的としてい
る。ところが素材の表面状態によつては局部的に
黒化膜が形成されなかつたり、厚みのばらつきを
生じ、厚い部分が剥離する現象を生ずることがあ
る。この結果、防錆効果を失つたり、カラーブラ
ウン管として動作させる際、温度変化に伴つて黒
化膜の剥離現象を生ずることになり、電子銃にお
けるスパークを発生させる原因となる。このため
均一で、素材との密着性が優れた黒化膜が要求さ
れる。なお、黒化処理には、アルカリ金属の硝酸
塩、塩素酸塩、臭素酸塩もしくはこれらの混合物
水溶液中で液相処理する方法もあるが、本発明は
これらの場合にも有効である。 低炭素アルミキルド鋼を素材とする場合、従来
一般に用いられていた低炭素リムド鋼のインゴツ
ト材に比べ黒化膜の密着性が著しく低下する事は
前にも述べたが、その問題点は成分限定の項にお
いて既に述べた如く、Alキルド鋼にCrを添加す
る事によつて解決されている。そしてこの黒化膜
密着性改善効果はMn及びSを減少させる事によ
つていささかも損われる事はない。 第1図は以上に詳述した本発明の効果を示すグ
ラフである。 Mn成分を減少するにつれて保持力Hcが減少
し、本発明範囲であるMn≦0.10%となるとHcが
約1.30e以下となり、従つて消磁特性が改善され
るから、外部磁場の変化によつてカラーブラウン
管の電子ビームのズレによる色ムラがなくなる効
果がある。 すなわち本発明を実施する事により、前記本発
明目的のすべてが達成される。 実施例 第1表は、本発明の実施例および比較例を示す
一覧表である。 試料No.1〜6に示す成分の低炭素Alキルド鋼
連続鋳造鋼片に、熱間圧延−酸洗−1次冷延−電
気清浄(クリーニング)−脱炭焼鈍−2次冷延の
工程を与え、シヤドウマスク用素材(薄鋼板)と
した後、700℃×10分のユーザ相当焼鈍を経て、
磁化特性を測定した結果を示す。 シヤドウマスクに必要とされる磁化特性は、消
磁特性が優れていることが要求されるが、消磁特
性の優劣を判断する値として保磁力Hcを採用し
た。 ここで、ユーザ相当焼鈍とは、シヤドウマスク
材のユーザ(ブラウン管製造メーカ)がエツチン
グ後の平板マスクのプレス成形性を増すため行な
う一種の軟化焼鈍をいい、通常は次の条件で行な
う。
【表】 磁化特性の測定方法には、電磁鋼板試験方法
(JIS C 2550)に示す25cmエプスタイン試験枠
を使用した直流磁化特性試験を簡略化した、10cm
エプスタイン試験枠を使用した直流磁化特性試験
によつた。 25cmエプスタイン枠を用いる方法においては、
30mm(幅)×280mm〜320mm(長さ)の長方形状の
試験片を最小12枚を4枚ずつ矩形状に積み重ねて
測定することとされているが、本発明効果を見る
ための簡易測定法においては10mm(幅)×100mm
(長さ)の試験片を4枚矩形状に配置して測定し
た。 なお、試験片の板厚は0.025mm乃至0.3mmのもの
を用いた。 25cmエプスタイン枠を用いて測定した結果と10
cmエプスタイン枠を用いた場合の結果との対応
は、あらかじめ検量線を作成し結果を補正した
が、磁化特性はいずれもほぼ同じ傾向を示す。 第1表における保磁力Hcの欄に示す結果から、
本発明のシヤドウマスク材(試料No.4〜6)は保
磁力Hcが1.22〜1.30Oeと低く、比較例に示した
鋼(同No.1〜3)の保磁力(Hc=1.60〜2.00Oe)
に比較すると優れている。すなわち、本発明を実
施することにより、消磁特性が19%〜39%向上
し、顕著な効果がもたらされた。
【図面の簡単な説明】
第1図はMn成分と保持力Hcの関係を示すグラ
フである。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低炭素アルミキルド鋼熱延鋼帯に対し、少な
    くとも1次冷延、中間焼鈍、2次冷延の各工程を
    付与する事により、C:0.01%以下、Mn:0.10
    %以下、Si:0.03%以下、P:0.10%以下、S:
    0.05%以下、Sol.Al:0.01〜0.50%、Cr:0.01〜
    0.50%、残部Feおよび不可避的不純物から成る冷
    延鋼板を製造する事を特徴とするシヤドウマスク
    用素材の製造方法。 2 中間焼鈍がオープンコイル脱炭焼鈍もしくは
    脱窒・脱炭焼鈍である特許請求の範囲第1項記載
    の製造方法。 3 低炭素アルミキルド鋼熱延鋼帯が真空脱ガス
    処理を経て製造されたものであり、中間焼鈍が非
    脱炭焼鈍である特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。
JP22282183A 1983-11-26 1983-11-26 シヤドウマスク用素材の製造方法 Granted JPS60114523A (ja)

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