JPH10219409A - 磁気シールド用インナーシールド材とその製造方法 - Google Patents

磁気シールド用インナーシールド材とその製造方法

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JPH10219409A
JPH10219409A JP9039878A JP3987897A JPH10219409A JP H10219409 A JPH10219409 A JP H10219409A JP 9039878 A JP9039878 A JP 9039878A JP 3987897 A JP3987897 A JP 3987897A JP H10219409 A JPH10219409 A JP H10219409A
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steel
cold rolling
annealing
magnetic
less
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Akio Nagai
秋男 永井
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カラー受像管の内部に装着され、電子銃とシ
ャドウマスクないしは蛍光面との関の電子ビームが通過
する空間を囲う磁気シールド材。 【解決手段】 C:0.005%以下、Si:0.03
%以下、Mn:0.15〜0.50%、S:0.01%
以下、sol.Al:0.003〜0.015%を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物の鋼板からなる磁
気シールド用インナーシールド材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気シールド用イ
ンナーシールド材に関するもので、詳しくはカラー受像
管の内部に装着され、電子銃とシャドウマスクないしは
蛍光面との間の電子ビームが通過する空間を囲う磁気シ
ールド材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来カラー受像管の内部には、電子銃か
ら発射された電子ビームのシャドウマスクないしは蛍光
面までの進行経路が、地磁気や周辺の電子機器により生
じる磁界の影響を受け、色ずれ等の画像の歪みが生じる
のを避けるため、カラー受像管内あるいは外に漏斗状の
磁気シールドが設けられている。
【0003】上記磁気シールドは、カラー受像管の内部
に封入されるのが一般的であり、この場合素材として用
いられる強磁性体である0.15mm程度の薄鋼板に
は、磁気特性が優れていること、成形加工性が良好であ
ること、機械的強度が大きいことの外に、熱放射率が高
く、かつガス放出の少ないこと、黒化処理性のよいこと
などが特に要求される。
【0004】磁気シールド材の磁気特性に関しては、最
小限地磁気による影響を低減するため、地磁気に近い磁
界、すなわち0.35エルステッド(以下0.35Oe
という)における比透磁率μができるだけ高いことが要
求される。
【0005】また、カラー受像管による画像表示装置に
は、通常電源スイッチを入れた直後に作動する消磁回路
が設けられており、受像管周辺の画像に悪影響を及ぼす
残存磁気を消去しているが、シールド材の消磁を効果的
に行うには、保磁力Hcができるだけ小さいことが好ま
しい。ただし、比透磁率μと保磁力Hcは良好な相関が
あり、比透磁率μの高いほど保磁力Hcは小さい傾向が
ある。
【0006】磁気シールド材における磁気特性を向上さ
せるには、素材の鋼中の化学成分の管理や製造法の改善
が重要であるが、それに加えて圧延やプレス成形等にお
ける加工歪みの残存は僅かであっても磁気特性を大きく
劣化させるので、最終形状に加工したのち十分に磁気特
性の回復、向上のためのいわゆる磁気焼鈍することが必
要である。
【0007】しかるのち、磁気シールド材は、さらに防
錆加工および電子ビームの乱反射の防止や熱放射率向上
のためにシールド機体表面に薄い黒色酸化被膜をつける
黒化処理が施され、受像管内部に組込まれる。この黒色
酸化被膜は、通常黒化処理と称する水蒸気添加空気のよ
うな湿潤雰囲気および/またはCO2等のガス雰囲気中
でシールド機体を550〜600℃に10〜30分間加
熱し、表面酸化させて付着させるが、黒色酸化被膜の健
全なものが要求される。
【0008】磁気シールド材のガス放出に関しては、上
記した薄鋼板の場合受像管組立ての最終工程で加熱しな
がら真空排気するベイキング工程で、通常問題のないレ
ベルまで低減される。しかしながら、もし磁気シールド
材の炭素含有率が高ければ、表面の黒化酸化被膜の酸素
と反応してCOガスが発生する可能性があるが、磁気特
性向上を目的として極低炭素化した鋼を用いる場合は、
ほとんど問題とはならない。
【0009】さらに、受像管内のシールド機体の形状に
よっては、絞り加工性を要求される場合や、曲げ加工だ
けの殆ど加工性が不要な場合もあるが、厳しい加工が行
われる磁気シールド材では、それに応じた加工性が必要
である。
【0010】上記のとおり様々な性能が要求される受像
管内の磁気シールド材は、従来リムド鋼ないしはキャッ
プド鋼から製造された薄鋼板が多く使用されていた。リ
ムド鋼ないしはキャップド鋼は、上記磁気シールド材と
しての要求をほぼ満足し、薄鋼板にした状態で雰囲気調
整による脱炭焼鈍を行って極低炭素化したり、十分な焼
鈍を行って結晶粒を大きくすれば、磁気特性も改善され
る。
【0011】その後、磁気シールド材の素材は、連続鋳
造法の発達につれて、脱酸にAlを使用するいわゆるア
ルミキルド鋼が主流になってきている。この連続鋳造法
によるアルミキルド鋼は、リムド鋼やキャップド鋼に比
較して偏析も少なく、介在物も少ないが、脱酸剤として
添加するAlが鋼中の窒素と結合して生成する微細なA
lNの存在によって、地磁気程度の弱い磁場における磁
気特性がよくなく、また、焼鈍における結晶粒の成長性
も良くない。
【0012】しかし、リムド鋼やキャップド鋼は、次第
に生産されないようになってきたため、アルミキルド鋼
を用いてリムド鋼やキャップド鋼と同等ないしはそれよ
り良好な性能の磁気シールド材の開発が検討され、種々
の提案が行われている。
【0013】例えば、C:0.08%以下、Si:0.
5%以下、Mn:0.1〜0.3%、Sol.Al:
0.005〜0.080%、N:0.008%以下、残
部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の鋼を熱
間圧延し、冷間圧延した後、これに焼鈍を施してC含有
量が0.01%以下の再結晶鋼板となし、次いで圧下
率:5〜17%の中間冷間圧延を施してから680〜8
00℃にて焼鈍することで粒度番号:5番以下の粗大結
晶粒とし、その後さらに圧下率:50%以上の冷間圧延
を施す方法(特公昭64−1531号公報)、C:0.
0030%以下、Al:0.005〜0.06%、N:
0.0030%以下を含有するスラブを、1000℃以
上の均熱温度であって、かつTs≦1.65Tc+12
1.25を満足させる均熱温度Tsおよび巻取温度T
c、720〜870℃の仕上温度で2.0mm以下まで
熱間圧延し、冷間圧延後650℃以上でバッチ焼鈍また
は連続焼鈍する方法(特公平6−2905号公報)、
C:0.12%以下、Mn:0.10〜0.50%、S
i:0.02%以下、P:0.03%以下、S:0.0
3%以下、Sol.Al:0.01%以下、N:0.0
001〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物か
らなるリムド鋼熱延鋼帯に、少なくとも一次冷間圧延、
焼鈍後の鋼帯C成分が0.01%以下であるオープンコ
イル脱炭焼鈍、圧下率40〜90%の二次冷間圧延を施
す方法(特公平6−13730号公報)、C:0.00
5%以下、Si:0.03%以下、Mn:0.23〜
0.40%、Sol.Al:0.003%未満、S:
0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的
不純物からなる溶鋼を、連続鋳造して鋳片となし、加熱
温度1000〜1200℃、仕上げ温度730〜860
℃、巻取り温度400〜620℃で熱間圧延し、酸洗し
て表面のスケールを除去したのち、720〜900℃の
温度範囲でバッチ焼鈍または連続焼鈍し、その後一次冷
間圧延して中間焼鈍したのち、圧下率40〜75%で二
次冷間圧延する方法(特開平8−60246号公報)が
提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭64−15
31号公報および特公平6−2905号公報に開示の方
法は、磁気シールド材としての十分な特性を得るには、
微細なAlNの無害化が十分安定して達成できないばか
りでなく、焼鈍コストが高くなり、実操業上必ずしも優
れた方法とは言えない。
【0015】また、特公平6−13730号公報に開示
の方法は、リムド鋼を使用するものであって、磁気シー
ルド材のためにリムド鋼を生産する必要があるばかりで
なく、オープンコイル脱炭焼鈍による極低炭素化が必須
であるばかりでなく、十分な焼鈍を行って結晶粒を大き
くする必要があり、焼鈍コストが高くなるという欠点を
有している。特開平8−60246号公報に開示の方法
は、Sol.Alが0.003%未満と少ないため、比
透磁率に関係する鋼中酸素含有率がバラつき、磁気特性
が悪化する。
【0016】さらに、シールド効果に対する磁気特性
は、前記したとおり受像管内部に組込まれた状態におい
て比透磁率μが高く、保磁力Hcが低いことが重要で、
同じ材料を用いる場合、最終形状に成形加工したのち、
600℃以上の高温で十分焼鈍し、加工歪を除去してや
ることが好ましい。しかしながら、成形加工後の高温焼
鈍は、その分余分の工程が必要となり、560〜590
℃程度の黒化処理温度で加工歪による磁気特性劣化が回
復するような素材が要求されるようになってきている。
【0017】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、素材としてアルミキルド鋼を使用し、磁気特性に
優れた磁気シールド用インナーシールド材とその製造方
法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、製鋼時
の精錬過程で極低炭素化し、さらに、脱酸に際して少量
のsol.Alを残留させることによって、磁気特性に
優れた磁気シールド用インナーシールド材が得られるこ
とを究明し、この発明に到達した。
【0019】本発明の請求項1の磁気シールド用インナ
ーシールド材は、C:0.005%以下、Si:0.0
3%以下、Mn:0.15〜0.50%、S:0.01
%以下、sol.Al:0.003〜0.015%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物の鋼板からな
る。このように鋼中に0.003〜0.015%のso
l.Alを残留させることによって、比透磁率に関係す
る鋼中酸素を低減できると共に、AlがAlNとして析
出することによる悪影響を及ぼさない範囲に低位安定さ
せることができ、磁気特性に優れた磁気シールド用イン
ナーシールド材となる。
【0020】また、本発明の請求項2の磁気シールド用
インナーシールド材の製造方法は、C:0.005%以
下、Si:0.03%以下、Mn:0.15〜0.50
%、S:0.01%以下、sol.Al:0.003〜
0.015%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
物からなる鋼を、連続鋳造してスラブとなし、加熱温度
1000〜1200℃、仕上温度730〜860℃、巻
取り温度600〜700℃で熱間圧延し、酸洗して一次
冷間圧延を行ったのち、650〜750℃でバッチ焼鈍
または750〜900℃で連続焼鈍し、次いで圧下率6
〜12%で二次冷間圧延を行い、670〜750℃でバ
ッチ焼鈍した後、圧下率40〜75%で最終冷間圧延を
行うこととしている。
【0021】上記のように鋼中に0.003〜0.01
5%のsol.Alを残留させることによって、比透磁
率に関係する鋼中酸素を低減できると共に、AlがAl
Nとして析出することによる悪影響を及ぼさない範囲に
低位安定させることができると共に、加熱温度1000
〜1200℃、仕上温度730〜860℃、巻取り温度
600〜700℃での熱間圧延によって、磁気特性の向
上と熱間圧延の安定化を図ることができる。さらに、酸
洗して一次冷間圧延を行ったのち、650〜750℃で
バッチ焼鈍または750〜900℃で連続焼鈍し、次い
で圧下率6〜12%で二次冷間圧延を行い、670〜7
50℃でバッチ焼鈍した後、圧下率40〜75%で最終
冷間圧延を行うことによって、十分に粗大化した再結晶
粒を得ることができると共に、磁気特性に優れた磁気シ
ールド用インナーシールド材を製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下にこの発明における溶鋼の成
分組成ならびに鋼板の製造条件を前記のとおり限定した
理由を説明する。
【0023】Cは、優れた磁気特性を確保するためにで
き得る限りその含有量を低減する必要のある不純物元素
であるが、製鋼コストの面から0.005%以下とし
た。
【0024】Siは、黒化処理における酸化被膜の密着
性を劣化させるため、少ない方が好ましく、0.03%
以下とした。
【0025】Mnは、鋼において磁気特性に大きく影響
を与える元素で特に重要であるが、0.15%未満では
所期の磁気特性が得られず、0.50%を超えると硬く
なって加工性が悪化すると共に、コストも上昇するた
め、0.15〜0.50%とした。
【0026】Sは、鋼において0.010%を超えると
磁気特性が悪化するため、0.010%以下とするが、
少なければ少ないほど磁気特性が向上する。
【0027】sol.Alは、0.003%未満では鋼
中酸素が増加して磁気特性が不安定とり、また、0.0
15%を超えると微細なAlN析出の原因となり、磁気
特性を悪化させるため、0.003〜0.015%とし
た。
【0028】その他の不純物元素は、磁気特性を悪化さ
せる場合が多いので、少なければ少ないほどよく、特に
Ti、Nb、Vなどの元素は微量であっても磁気特性を
大きく劣化させるため、0.005%以下とすることが
好ましい。
【0029】連続鋳造後の鋳片加熱温度を1000〜1
200℃としたのは、磁気特性は加熱温度の低い方が良
好であるが、1000℃未満では熱間圧延が不可能とな
り、1200℃を超えると磁気特性が劣化する傾向にあ
るからである。
【0030】熱間圧延における仕上温度を730〜86
0℃としたのは、一般に鋼の熱間圧延は、A3変態点以
上で圧延を終えるが、磁気特性を見る限りにおいては、
鋳片加熱温度を下げ、仕上温度をA3変態点以下とする
方が良好であるが、730℃未満では変形抵抗が増して
圧延が不安定となる。そこで磁気特性の向上と熱間圧延
の安定性の点から730〜860℃とした。
【0031】巻取温度は、600℃未満では均一な再結
晶粒が得られず、また、700℃を超えるとスケールが
多くなり、また、コイル変形が発生するケースが生じる
ため、600〜700℃とした。
【0032】熱間圧延機で安定して圧延できるのは、通
常板厚が約1.5mm以上であるが、この熱延コイルを
0.15mm前後の薄鋼板まで一工程で冷間圧延した場
合、磁気シールド材として磁気特性の良好なものは得ら
れないため、より優れた磁気特性を得るために、結晶粒
の粗粒化処理を含めた冷間圧延−焼鈍を繰り返す。一次
冷間圧延における圧下率は、最終板厚から要求される二
次および三次の冷間圧延における圧下率を満足すればよ
い。一次冷間圧延後の一次焼鈍は、バッチ焼鈍であれば
650℃未満では結晶粒の粗大化が十分でなく、750
℃を超えると焼鈍時焼付きが発生するため、650〜7
50℃とした。また、連続焼鈍の場合は、750℃未満
では結晶粒の粗大化が十分でなく、900℃を超えると
変態により磁気特性が劣化するため、750℃〜900
℃とした。
【0033】二次冷間圧延における圧下率は、6%未満
では再結晶温度が高くなって実操業が困難で、12%を
超えると再結晶粒が粗大化しないため、6〜12%とし
た。二次冷間圧延後の二次焼鈍は、670℃未満では十
分な再結晶粒を得ることができず、750℃を超えると
焼鈍時焼付きが発生するため、670〜750℃とし
た。
【0034】三次冷間圧延における圧下率は、40%未
満では磁気シールド部材に成形した後の焼鈍または黒化
処理において十分な再結晶がなされず、磁気特性を確保
することができず、また、75%を超えると粗粒化が不
十分となって磁気特性が劣化するため、40〜75%と
した。
【0035】
【実施例】製鋼段階で真空脱ガス処理した表1に示す化
学組成の未脱酸キルド鋼を連続鋳造してスラブとなし、
表2に示す条件で熱間圧延したのち、表3に示す条件で
冷間圧延、焼鈍を実施し、板厚0.15mmの冷延鋼帯
を得た。この各極低炭素冷延鋼帯からJIS C 25
31に規定の鉄ニッケル磁性合金板および条のリング試
験片(外径45mm、内径33mm)を打抜き、各リン
グ試験片にCO2:12%、残部窒素、水素、COから
なる黒化処理雰囲気中、590℃で15分間の黒化処理
を施したのち、直流磁化による比透磁率(0.35O
e)を測定すると共に、温度90℃での熱放射率の測定
と、黒化膜の耐剥離性の試験を行った。その結果を表4
に示す。
【0036】なお、熱放射率は、試験片の熱放射の輝度
(あるいは発散度)と、同温度の黒体の熱放射の輝度
(あるいは発散度)との比を示す。また、黒化膜の耐剥
離性を示す黒化膜密着剥離限界ρ(mm)については、
所定厚みのゲージ板を間に挟んで試験片を180°折曲
げ、その折曲げ部において試験片表面の黒化膜の剥離が
生じた時のゲージ板の厚みの値から簡易的に曲げ半径を
求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】表1〜4に示すとおり、Sol.Al含有
量が0.005〜0.015%の鋼種A〜Dの本発明鋼
は、鋼種E〜Lの比較鋼に比べ、いずれも0.35Oe
での比透磁率が優れている。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1の磁気シールド用イン
ナーシールド材は、所定化学成分のうち、特にsol.
Alを0.003〜0.015%残留させることによっ
て、比透磁率に関係する鋼中酸素を低減できると共に、
AlがAlNとして析出することによる悪影響を及ぼさ
ない範囲に低位安定させることができ、磁気特性に優れ
た磁気シールド用インナーシールド材となる。
【0043】また、本発明の請求項2の磁気シールド用
インナーシールド材の製造方法は、前記請求項1で限定
した鋼片を加熱温度1000〜1200℃、仕上温度7
30〜860℃、巻取温度600〜700℃での熱間圧
延によって、磁気特性の向上と熱間圧延の安定化を図る
ことができる。さらに、酸洗して一次冷間圧延を行った
のち、650〜750℃でバッチ焼鈍または750〜9
00℃で連続焼鈍し、次いで圧下率6〜12%で二次冷
間圧延を行い、670〜750℃でバッチ焼鈍した後、
圧下率40〜75%で最終冷間圧延を行うことによっ
て、十分に粗大化した再結晶粒を得ることができると共
に、磁気特性に優れた磁気シールド用インナーシールド
材を製造することができる。
【0044】なお、前記磁気シールド用インナーシール
ド材の製造方法では、粗粒化処理を含む一次〜三次冷間
圧延と一次〜二次焼鈍→黒化処理の評価で示したが、本
発明の磁気シールド用インナーシールド材は、1回の冷
間圧延と1回の焼鈍、熱延板の焼鈍を含む一次〜二次冷
間圧延と一次〜二次焼鈍、一次〜三次冷間圧延と一次〜
三次焼鈍による高比透磁率、高延性の磁気シールド材へ
の適用も当然ながら可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 9/00 H01F 1/16 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.005%以下、Si:0.03
    %以下、Mn:0.15〜0.50%、S:0.01%
    以下、sol.Al:0.003〜0.015%を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物の鋼板からなるこ
    とを特徴とする磁気シールド用インナーシールド材。
  2. 【請求項2】 C:0.005%以下、Si:0.03
    %以下、Mn:0.15〜0.50%、S:0.01%
    以下、sol.Al:0.003〜0.015%を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を、連
    続鋳造してスラブとなし、加熱温度1000〜1200
    ℃、仕上温度730〜860℃、巻取り温度600〜7
    00℃で熱間圧延し、酸洗して一次冷間圧延を行ったの
    ち、650〜750℃でバッチ焼鈍または750〜90
    0℃で連続焼鈍し、次いで圧下率6〜12%で二次冷間
    圧延を行い、670〜750℃でバッチ焼鈍した後、圧
    下率40〜75%で最終冷間圧延を行うことを特徴とす
    る磁気シールド用インナーシールド材の製造方法。
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