JPH0361330A - ブラウン管シールド用冷間圧延鋼板の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、カラーテレビ、カラーデイスプレー等のシャ
ドウマスク用として好適な、消磁特性の良好なブラウン
管シールド用冷間圧延鋼板の製造法に関する。

（従来の技術） 従来より、テレビやデイスプレィ等のブラウン管のイン
ナーシールド素材は、低炭素リムド鋼および低炭素Ｍキ
ルド鋼が用いられていた．このインナーシールド材は、
０．２０＋ｗｍ厚以下の極薄鋼板を使用するため、冷間
圧延前のホットコイル厚も比較的薄く、リムド鯛の特徴
であるリム層部分の結晶粒成長による平坦不良およびＮ
時効によるストレッチャーストレインの発生等の問題が
あった。

また、通常の低炭素ＡＱキルド鋼の場合は、その成分や
製造条件により、フェライト結晶が混粒または細粒とな
り、消磁特性す゛なわち保磁力および透磁率の不良が発
生し、インナーシールド材としての性能を満たすことが
できない。

一方、ブラウン管のシャドウマスク素材もインナーシー
ルド材と同様に、地磁気等の外部磁界による電子ビーム
の軌道の偏向を遮断する役目を持っており、シャドウマ
スク自体の消磁特性も重要となる。

そこで、このような問題を解決するため様々な手段が提
案されている。たとえば、 （ａ）特公昭６３−４０８４９号公報により、Ｍｎ含有
量とＳ含有量との比、およびｓｏｌ、Ｍ含有量とＮ含有
量との比をそれぞれ限定した、ある特定した組成を有す
る鋼片を真空脱ガス装置を用いて溶製した後、普通造塊
または連続鋳造により鋼片（または鋳片）とし、この鋼
片をさらに、熱間圧延および冷間圧延後にＯＣＡ　（オ
ープンコイル焼鈍炉）にて脱炭焼鈍を施し、Ｃ量を０．
００４重量％以下とし、さらに再度冷間圧延を行って、
板厚０．２　ｍｍ以下とする手段が、また （ｂ）特公昭６３−４０８４８号公報により、Ｃ，ｓｏ
ｌ．Ａｌ、Ｍｎ、Ｎを通常の低炭素ＡＱキルド鋼と同等
条件に特定した組成を有する、板厚０．２　ｍｍ以下の
冷延鋼帯を製造し、この冷延鋼帯と連続焼鈍工程で、Ｃ
Ｏ＋ＣＯ□、Ｈ８、ＮおよびＨ２０からなる特定の雰囲
気、温度で焼鈍した後、調質圧延し、シャドウマスク用
の素材を製造する手段が、さらに （Ｃ）特開昭５５−１３８０２７号公報により、鋼中の
固溶ＮをＢＮとして固定すること、および炭化物（Ｆｅ
ｓＣ）を極力小さくすることを目的として、Ｂを添加し
たある特定した組成を有する鋼片を仕上温度８２０″Ｃ
以上で熱間圧延し、４８０〜６４０℃で巻取って酸洗し
、その後に圧下率４０％以上で冷間圧延した後に、６０
０〜７００℃で箱型焼鈍し、再び圧下率４０％以上の冷
間圧延を行う手段が、それぞれ提案されている。

（発明が解決しようとする課Ｍ） しかし、これらの手段は全てブラウン管用シャドウマス
ク素材に関するものであり、ブラウン管インナーシール
ド材とはその後の工程における製造条件および要求され
る性能が大いに異なる。

また、これらの手段では、得られるインナーシ工ルド用
調板の消磁特性を充分に改善することができない。

すなわち、（ａ）に示した手段では、その母材の溶製に
際して、真空脱ガス装置を用いてＣ含有量をｏ、ｏｏｓ
％以下に低減したうえに、冷間圧延後オープンコイル脱
炭焼鈍を施す必要があり、製造コストが大幅に上昇する
と共に真空脱ガス装置を用いてＣ含有量を低くする工程
が増えるという問題があり、決して望ましい方法である
とはいい難い。

また、い）に示した手段では、熱間圧延条件を特定して
いないため、フェライト結晶粒度の制御が不能となり、
鋼板の消磁特性が悪化するという問題もあり、決して望
ましい方法とはいい難い。

さらに、（Ｃ）に示した手段でも、低温巻取りを施すた
めに、フェライト結晶粒度が大きくなりにくく、鋼板の
消磁特性が悪化するという問題もある。

又、Ｂを添加するためコストが上昇し、決して望ましい
方法とはいい難い。

つまり、従来の手段では、例えばブラウン管インナーシ
ールド材として好適な、優れた磁気特性を有するインナ
ーシールド用冷間圧延鋼板を提供することはできなかっ
たのである。

ここに、本発明の目的は、上記の課題を解決することが
できる、消磁特性の良好なブラウン管シールド用冷間圧
延鋼板の製造法を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者は、上記の課題を解決するため、種々検討を重
ねた結果、熱間圧延時の加熱温度および仕上げ温度、冷
間圧延条件および最終的に得られる冷間圧延鋼板のフェ
ライト結晶粒度を特定することにより、リムド鋼を用い
ることなく、低炭素ＡＱキルド鋼を用いた場合において
も上記の課題を解決することができるブラウン管シール
ド用冷間圧延ｗ４板の製造法を提供できることを知見し
て、本発明を完成した。

ここに、本発明の要旨とするところは、重量％で、 Ｃ：０．０３〜０．０７％、　Ｓｉ：０．０４％以下、
Ｍｎ：０．１０〜０．２７％、　Ｓ　：０．０１０％以
下、ｓｏｌ．Ａｌ：０．０１５〜０．０５０％、Ｎ　：
０．０４０％以下、残部Ｆｅおよび不可避的不純物 からなる鋼組成を有する鋼片を、１１５０〜１２２０℃
に加熱し、仕上げ温度８８０℃以上で熱間圧延を行い、
巻き取り温度６２０〜７５０℃で巻き取り、さらに酸洗
後冷間圧延およびオープンコイル脱炭焼鈍を行って、Ｃ
含有量を０．００２５％以下、フェライト結晶粒度番号
を３．０以下とすることを特徴とする消磁特性の製造法
である。

（作用） 以下、本発明をその作用効果とともに詳述する。

なお、本明細書において、「％」は特にことわりがない
限り「重量％」を意味するものとする。

まず、本発明において用いる鋼片の組成を制限する理由
を説明する。

Ｃ：鋼片中の炭素量を０．０３％未満に低減するために
は、製鋼工程において炭素量を低下させるための工程が
増加し製造コストが増加するとともに、鋼片中の酸素量
が増加し、後述する冷間圧延中の粒成長が阻害されてし
まう。また、本発明においては、後続する焼鈍工程で炭
素含有量をさらに低減することから、製鋼工程では炭素
含有量を０．０３％未満に低減する必要がない．したが
って、炭素含有量の下限を０．０３％以上と制限する。

一方、炭素含有量が０．０７％を越えると、後続する焼
鈍工程での脱炭に時間がかかり過ぎるとともに、熱間圧
延時に析出したセメンタイト（ＦｅｓＣ）により、冷間
圧延後の焼鈍中の粒成長が阻害されてしまう。そこで、
炭素含有量の上限を０．０７％以下と制限する。

Ｓｉ：　Ｓｉ含有量が０．０４％を越えると加工性を阻
害し、またシリケート系介在物が増加するため好ましく
ない。したがって、Ｓｉ含有量を０．０４％以下と制限
する。

Ｍｌｌ：　Ｍｎ含有量が０．２７％を越えると強度が高
くなりすぎ加工性を阻害されるため、ブラウン管シール
ド用冷間圧延鋼板としては不適当である。また、実際の
製鋼工程ではＭｎ含有量を０．１０％未満に低下するこ
とは困難であり、またＭｎ含有量を必要以上に低減する
と熱間圧延時に赤熱脆性による割れ疵発生を伴うだけで
なく、微細ＭｎＳの析出により粒成長も阻害することに
なってしまう．したがって、Ｍｎの含有量を０．１０〜
０．２７％と制限する。

Ｓ：Ｓは不純物として鋼中に不可避的に含有される元素
であり、その含有量は少ないほうが望ましく、また微細
ＭｎＳの析出を抑え粒成長を促進するためにもできるだ
けその含有量は少ないほうが望ましい。しかし、完全な
脱Ｓにはかなりのコストを要することとなるため、Ｓの
含有量を０．０１０％以下と制限する。

ｓｏｌ．ＡＱ：　ｓｏｌ．ＡＱは製鋼時のＭ脱酸により
不可避的に含有される元素であるが、その含有量が０．
０１５％未満であると脱酸効果が乏しく、一方０．０５
０％を越えるとＡＱｚＯｓ系介在物を増加させ、また、
八ＱＮの析出が多く結晶粒の成長を阻害するため好まし
くない。したがって、ｓｏｌ．ＡＱ含有量を０．０１５
〜０．０５０％と制限する。

ＮＵＮは製鋼工程で大気から侵入してくる元素であるが
、０．０４０％を越えて含有されるとＡｉ２Ｎ析出によ
り結晶粒の成長を阻害するため、少ないほうが望ましい
。よって、０．０４０％以下と制限する。

好ましくは０．００４０％以下である。

以上の＆ＩＩ戒を有する鋼片をまず１１５０〜１２２０
″Ｃに加熱する．加熱温度の範囲を制限した理由は次の
通りである。すなわち、加熱温度が１２２０℃を越える
とＭｎＳの固溶が多くなり、これらが熱間圧延時に微細
析出物となり、最終的に得られる冷間圧延鋼板の結晶粒
の成長を阻害して磁気特性を劣化させることとなる。し
たがって、できるだけ低温の加熱を行うことが望ましい
が、１１５０″Ｃ未満にまで加熱温度を低下すると、鋼
片の変形抵抗が増加するため、熱間圧延を充分行うこと
が困難になり、最終的な製品である鋼板の寸法、平坦形
状等の確保ができなくなる。したがって、加熱温度範囲
をｌ１５０〜１２２０゜Ｃに制限する。

次に、加熱された鋼片に熱間圧延を施す。この熱間圧延
により、前記鋼片を例えば板厚２．３〜３．２開程度の
熱間圧延鋼板とする。このときの熱間圧延の仕上げ温度
（熱間圧延終了温度〉は８８０　”Ｃ以上とする。仕上
げ温度が８８０゜Ｃ未満であると、結晶粒が微細化し、
また動的再結晶が進行せず混粒＆ＩＩｔａとなるので、
これらを防ぐためである。

そして、このようにして熱間圧延を終えた熱間圧延鋼板
を６２０〜７５０℃で巻き取る．巻き取り温度を７５０
℃以下と制限するのは、７５０℃超の温度で巻き取ると
コイル段階における腰折れの発生および酸洗時の脱スケ
ール性の悪化のため、実際には７５０℃超の温度で巻き
取ることは工程上無理であるからである。一方、６２０
℃以上と制限するのは、６２０℃未満では熱間圧延時に
ＡＱＮ　、　Ｆｅ５Ｃの析出および凝集が抑えられ、冷
間圧延後の焼鈍時の再結晶および粒成長が阻害されるか
らである。したがって、巻き取り温度は、６２０〜７５
０℃に制限する。

この後にコイルに巻き取った熱間圧延調板に酸洗および
冷間圧延を行う、酸洗および冷間圧延ともに通常の条件
であればよく、例えば酸洗液としては、塩酸を用いれば
よく、また冷間圧延の圧下率は７０％程度であって０．
５１１１１程度の板厚の薄鋼板とすることが例示される
。

そしてさらに、この薄鋼板に、例えば７００℃程度に加
熱して脱炭した後に、７５０℃程度に加熱し５時間程度
保持するという条件下でオープンコイル脱炭焼鈍を行う
、この焼鈍により薄鋼板の炭素含有量を０．００２５％
以下に低減する。Ｃが０．００２５％超であると消磁特
性（透磁率μ、保磁力Ｈｃ）が改善されず、所望の消磁
特性を得ることができないだけでなく、残存する固溶Ｃ
により、ブレス底形によりインナーシールド材とした時
にストレッチャーストレインが発生してしまう、したが
ってこれを防止するために、炭素含有量を０．００２５
％以下に低減するのである。このようにして、フェライ
ト結晶粒度番号が３．０以下である冷間圧延鋼板を得る
。フェラ・イト結晶粒度が小さくなると、すなわち粒度
番号が大きくなると、得られる鋼板の消磁特性が悪化し
てしまう、したがって、脱炭焼鈍後の粒度番号を３．０
以下にすることは有効である。

そして、この後に板厚が例えば０．１５ｍｍ以下になる
まで再び冷間圧延を行って、ブラウン管シールド用冷間
圧延鋼板とする。

このようにして、例えばカラーテレビ、カラーデイスプ
レーのシャドウマスク用として好適な、消磁特性に優れ
たブラウン管シールド用冷間圧延鋼板を製造することが
できる。

次に、本発明をその実施例とともに詳述するが、これは
あくまでも本発明の例示であり、これにより本発明が限
定的に解釈されるものではない。

実施例 第１表に示す組成を有する低炭素ＡＱキルド鋼のスラブ
階１ないしスラブに６　　（２１０５ｎＸ９５０請−０
８１００ｍｍ）を連続鋳造法により製造した。

第１表 （注） は本発明の範囲外 そしてこれらの鋼片を、第２表に示すように、１１５０
〜１２５０℃の温度に加熱し、その後７９０〜９００℃
の仕上げ温度で熱間圧延を終了して、板厚２．３閣の熱
間圧延調板を得て、５２０〜７５０″Ｃの温度で巻き取
ってオープンコイルとした。

この後に、酸洗、冷間圧延を行って、板厚０．５３開の
薄板とするとともに、第２表に示す条件でオープンコイ
ル脱炭焼鈍を行い、その後に再度冷間圧延を施すことに
より、板厚０．１５ｍの冷間圧延綱板を得て、試料階１
ないし試料Ｎα２０とした。

これらの試料から、 ■フェライト粒度 ■磁気的特性値（Ｈｅ、μ。１．） を測定した。

測定結果を併せて第２表に示す。

第２表から明らかなように、本発明にかかる試料は、カ
ラーテレビ、カラーデイスプレー等のブラウン管シール
ド用冷間圧延鋼板の磁気的特性として求められている値
［例えばＨｅ≦１　、２５　（Ｏｅ）、μ。、３．≧７
５０　（ｇｌｏｅ）　］を充分に満足し、優れた消磁特
性をも有することがわかる。

これに対して比較例の試料は、フェライト粒度が大きく
、保持力・透磁率とも不充分で、消磁特性が悪化してい
ることがわかる。

（発明の効果） 以上詳述してきたように、本発明により、カラーテレビ
、カラーデイスプレー等のシャドウマスク用として好適
な消磁特性に優れたブラウン管シールド用冷間圧延鋼板
の製造法を提供することができた。

したがって、ブラウン管シールド用冷間圧延鋼板におい
て、従来発生していたミクロ１１ｔｓ不均一に起因する
鋼板の反りおよび磁気的特性の不良を完全に解消するこ
とができる。

かかる効果を有する本発明の実用上の意義は、極めて著
しい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 重量％で、 Ｃ：０．０３〜０．０７％、Ｓｉ：０．０４％以下、Ｍ
   ｎ：０．１０〜０．２７％、Ｓ：０．０１０％以下、ｓ
   ｏｌ．Ａｌ：０．０１５〜０．０５０％、Ｎ：０．０４
   ０％以下、残部Ｆｅおよび不可避的不純物 からなる鋼組成を有する鋼片を、１１５０〜１２２０℃
   に加熱し、仕上げ温度８８０℃以上で熱間圧延を行い、
   巻き取り温度６２０〜７５０℃で巻き取り、さらに酸洗
   後冷間圧延およびオープンコイル脱炭焼鈍を行って、Ｃ
   含有量を０．００２５％以下、フェライト結晶粒度番号
   を３．０以下とすることを特徴とする消磁特性の良好な
   ブラウン管シールド用冷間圧延鋼板の製造法。