JP2002161335A - シャドウマスク用素材、その製造方法、その素材からなるシャドウマスク及びそのシャドウマスクを用いた受像管 - Google Patents
シャドウマスク用素材、その製造方法、その素材からなるシャドウマスク及びそのシャドウマスクを用いた受像管Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コイル内で均一で優れた磁気特性、即ち、保
磁力Hcが90A/m以下の特性を有するシャドウマス
クを得ることができるシャドウマスク用素材、その製造
方法、該素材を用いたシャドウマスク及びそのシャドウ
マスクを組み込んだ受像管を提供する。 【解決手段】 成分が、C≦0.0030重量%、Si
≦0.03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦
0.02重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01
〜0.07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.
5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、熱延工程の仕上げ温度を
Ar3点の0〜30℃以下、巻き取り温度を高温側の6
50〜700℃とし、さらに、最終圧延(2次冷間圧
延)を30〜45%以下とすることによって、上記課題
を達成するシャドウマスク用素材を得る。
磁力Hcが90A/m以下の特性を有するシャドウマス
クを得ることができるシャドウマスク用素材、その製造
方法、該素材を用いたシャドウマスク及びそのシャドウ
マスクを組み込んだ受像管を提供する。 【解決手段】 成分が、C≦0.0030重量%、Si
≦0.03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦
0.02重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01
〜0.07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.
5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、熱延工程の仕上げ温度を
Ar3点の0〜30℃以下、巻き取り温度を高温側の6
50〜700℃とし、さらに、最終圧延(2次冷間圧
延)を30〜45%以下とすることによって、上記課題
を達成するシャドウマスク用素材を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー受像管に用い
られるシャドウマスク用素材、その製造方法、その素材
を用いたシャドウマスク及びそのシャドウマスクを組み
込んだ受像管に関するものである。
られるシャドウマスク用素材、その製造方法、その素材
を用いたシャドウマスク及びそのシャドウマスクを組み
込んだ受像管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク用の素材である冷延鋼板
は、従来下記の製造工程にて製造されてきた。すなわち
鉄鋼メーカーにて製造された低炭素鋼を、仕上げ温度を
Ar3変態点以上で仕上げ熱延を行い、その後に、酸
洗、冷間圧延し、所定の板厚としたのち、脱脂後箱型焼
鈍炉にて湿水雰囲気で脱炭焼鈍を施され、その後、必要
に応じて2次冷間圧延を50%以上の圧延率により、最
終製品の厚みとしてきた。
は、従来下記の製造工程にて製造されてきた。すなわち
鉄鋼メーカーにて製造された低炭素鋼を、仕上げ温度を
Ar3変態点以上で仕上げ熱延を行い、その後に、酸
洗、冷間圧延し、所定の板厚としたのち、脱脂後箱型焼
鈍炉にて湿水雰囲気で脱炭焼鈍を施され、その後、必要
に応じて2次冷間圧延を50%以上の圧延率により、最
終製品の厚みとしてきた。
【0003】この製造方法で製造された冷延鋼板は、エ
ッチングメーカーにてフォトエッチング後、プレスメー
カーにて軟質化のための焼鈍を行った後,所定の形状に
プレスし,その後,赤錆発生の防止,輻射率の低減のた
め,酸化雰囲気にて,表層に黒化膜と称する酸化膜を生
成させる焼鈍を行う。ここで求められる重要な特性の一
つに軟磁気特性がある。TVブラウン管内のシャドウマ
スクは、インナーシールドと共に地磁気などの環境中の
外磁場(以下、環境磁場という)から電子ビームの直進
性を保護するため、シャドウマスク自身が容易に環境磁
場に磁化される必要があると共に、TVの方向を変えた
場合の環境磁場に応じて、シャドウマスクも同じ方向に
磁化されるため、消磁性が優れていることが望ましい。
これらの要求される軟磁気特性を満たすには、シャドウ
マスク材は、保磁力(以下、単にHcとする)の値が小
さいこと望ましい。
ッチングメーカーにてフォトエッチング後、プレスメー
カーにて軟質化のための焼鈍を行った後,所定の形状に
プレスし,その後,赤錆発生の防止,輻射率の低減のた
め,酸化雰囲気にて,表層に黒化膜と称する酸化膜を生
成させる焼鈍を行う。ここで求められる重要な特性の一
つに軟磁気特性がある。TVブラウン管内のシャドウマ
スクは、インナーシールドと共に地磁気などの環境中の
外磁場(以下、環境磁場という)から電子ビームの直進
性を保護するため、シャドウマスク自身が容易に環境磁
場に磁化される必要があると共に、TVの方向を変えた
場合の環境磁場に応じて、シャドウマスクも同じ方向に
磁化されるため、消磁性が優れていることが望ましい。
これらの要求される軟磁気特性を満たすには、シャドウ
マスク材は、保磁力(以下、単にHcとする)の値が小
さいこと望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シャドウマスク材の保
磁力を小さくするには、結晶粒が粗大であることが望ま
しいが、従来のシャドウマスク材では結晶粒の粗大化に
限界があり、焼鈍温度にもよるが、Hc=103〜13
5A/m程度であり、上記要求を満足に満たすまでに至
っていない。そこで、本発明は、従来のシャドウマスク
材よりも軟磁気特性に優れ、特にHcが特段に低くシャ
ウマスクに要求される軟磁気特性を満たす超軟磁気特性
を有するシャドウマスク用素材とその製造方法、並びに
シャドウマスクと受像管を提供することを目的とするも
のである。
磁力を小さくするには、結晶粒が粗大であることが望ま
しいが、従来のシャドウマスク材では結晶粒の粗大化に
限界があり、焼鈍温度にもよるが、Hc=103〜13
5A/m程度であり、上記要求を満足に満たすまでに至
っていない。そこで、本発明は、従来のシャドウマスク
材よりも軟磁気特性に優れ、特にHcが特段に低くシャ
ウマスクに要求される軟磁気特性を満たす超軟磁気特性
を有するシャドウマスク用素材とその製造方法、並びに
シャドウマスクと受像管を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題解決のための手段】上記課題を解決する本発明の
シャドウマスク用素材は、成分が、N≦0.0030重
量%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有されてお
り、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、保磁力
が90A/m以下のシャドウマスクを得ることができる
ものであることを特徴とするものである。
シャドウマスク用素材は、成分が、N≦0.0030重
量%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有されてお
り、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、保磁力
が90A/m以下のシャドウマスクを得ることができる
ものであることを特徴とするものである。
【0006】本発明のシャドウマスク用素材は、より好
ましくは成分が、C≦0.0030重量%、Si≦0.
03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦0.0
2重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01〜0.
07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.5≦B
/N≦2の関係で含有されており、残部がFeおよび不
可避的不純物からなり、保磁力が90A/m以下のシャ
ドウマスクを得ることができるものであることを特徴と
するものである。
ましくは成分が、C≦0.0030重量%、Si≦0.
03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦0.0
2重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01〜0.
07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.5≦B
/N≦2の関係で含有されており、残部がFeおよび不
可避的不純物からなり、保磁力が90A/m以下のシャ
ドウマスクを得ることができるものであることを特徴と
するものである。
【0007】そして、本発明のシャドウマスク用素材の
製造方法は、成分が、N≦0.0030重量%、B:
0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がF
eおよび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間仕上げ圧
延をAr3点の0〜30℃以下にし、巻き取り温度を5
40〜700℃で巻き取り、酸洗後、冷間圧延し、その
後連続焼鈍工程にて、残存C量を0.0015重量%以
下にすることを特徴とするものである。
製造方法は、成分が、N≦0.0030重量%、B:
0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がF
eおよび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間仕上げ圧
延をAr3点の0〜30℃以下にし、巻き取り温度を5
40〜700℃で巻き取り、酸洗後、冷間圧延し、その
後連続焼鈍工程にて、残存C量を0.0015重量%以
下にすることを特徴とするものである。
【0008】さらに、上記課題を解決する本発明のシャ
ドウマスク用素材の他の製造方法は、成分が、C≦0.
0030重量%、Si≦0.03重量%、Mn:0.1
〜0.5重量%、P≦0.02重量%、S≦0.02重
量%、Al:0.01〜0.07重量%、N≦0.00
30重量%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有され
ており、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片
を、熱間仕上げ圧延をAr3点の0〜30℃以下にし、
巻き取り温度を540〜700℃で巻き取り、酸洗後、
冷間圧延し、その後連続焼鈍工程にて、残存C量を0.
0015重量%以下にし、2次圧延率で、圧下率を30
〜45%にすることを特徴とするものである。
ドウマスク用素材の他の製造方法は、成分が、C≦0.
0030重量%、Si≦0.03重量%、Mn:0.1
〜0.5重量%、P≦0.02重量%、S≦0.02重
量%、Al:0.01〜0.07重量%、N≦0.00
30重量%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有され
ており、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片
を、熱間仕上げ圧延をAr3点の0〜30℃以下にし、
巻き取り温度を540〜700℃で巻き取り、酸洗後、
冷間圧延し、その後連続焼鈍工程にて、残存C量を0.
0015重量%以下にし、2次圧延率で、圧下率を30
〜45%にすることを特徴とするものである。
【0009】本発明のシャドウマスクは、前記シャドウ
マスク素材を用いたことを特徴とし、保磁力が90A/
m以下で、厚さが0.05〜0.25mmの範囲内の極
薄シャドウマスクであり、且つ本発明の受像管は、前記
シャドウマスクを組み込んだことを特徴とするものであ
る。
マスク素材を用いたことを特徴とし、保磁力が90A/
m以下で、厚さが0.05〜0.25mmの範囲内の極
薄シャドウマスクであり、且つ本発明の受像管は、前記
シャドウマスクを組み込んだことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係るシャドウ
マスク用素材となる熱延鋼板は、N≦0.003重量
%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片からな
り、保磁力が90A/m以下であることが望ましい。上
記成分の数値限定理由はそれぞれ次の通りである。 窒素N:N≦0.0030重量% 鋼中のNは、Alとで窒化物をつくり、固溶Nを減少さ
せ、時効性効果を低減するので少ない方が望ましい。ま
た、シャドウマスク素材としてのプレス成形性を確保す
るためには、Nを極力少なくする必要があるため上限を
0.0030重量%とすることが望ましい。より好まし
くは0.0020重量%以下である。 ホウ素B:0.5≦B/N≦2、より好ましくは0.8
≦B/N≦1.2 鋼中のBは、薄鋼板の結晶粒を粗大化させるのでシャド
ウマスク素材としての磁気特性に優れた効果を奏する。
特に近年用いられている0.08mm〜0.25mm程
度の板厚である極薄シャドウマスクでは添加の効果が著
しい。また、鋼中のBは、固溶Nを固定させるために有
効な元素であるので添加することが望ましい。一方、過
剰なBの添加は結晶粒を微細化させ、磁気特性を害する
ので一定範囲の範囲であることが望ましい。そのような
観点で、BはNとの関係で0.5≦B/N≦2、より好
ましくは0.8≦B/N≦1.2を満たすようにBの量
を選択するのが良い。 保磁力Hc:Hc≦90A/m 従来のシャドウマスクの保磁力103〜135A/mよ
りも優れた消磁性を有するシャドウマスクを得るには、
シャドウマスク用素材の保磁力Hcが90A/m以下で
あることが望ましい。
マスク用素材となる熱延鋼板は、N≦0.003重量
%、B:0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片からな
り、保磁力が90A/m以下であることが望ましい。上
記成分の数値限定理由はそれぞれ次の通りである。 窒素N:N≦0.0030重量% 鋼中のNは、Alとで窒化物をつくり、固溶Nを減少さ
せ、時効性効果を低減するので少ない方が望ましい。ま
た、シャドウマスク素材としてのプレス成形性を確保す
るためには、Nを極力少なくする必要があるため上限を
0.0030重量%とすることが望ましい。より好まし
くは0.0020重量%以下である。 ホウ素B:0.5≦B/N≦2、より好ましくは0.8
≦B/N≦1.2 鋼中のBは、薄鋼板の結晶粒を粗大化させるのでシャド
ウマスク素材としての磁気特性に優れた効果を奏する。
特に近年用いられている0.08mm〜0.25mm程
度の板厚である極薄シャドウマスクでは添加の効果が著
しい。また、鋼中のBは、固溶Nを固定させるために有
効な元素であるので添加することが望ましい。一方、過
剰なBの添加は結晶粒を微細化させ、磁気特性を害する
ので一定範囲の範囲であることが望ましい。そのような
観点で、BはNとの関係で0.5≦B/N≦2、より好
ましくは0.8≦B/N≦1.2を満たすようにBの量
を選択するのが良い。 保磁力Hc:Hc≦90A/m 従来のシャドウマスクの保磁力103〜135A/mよ
りも優れた消磁性を有するシャドウマスクを得るには、
シャドウマスク用素材の保磁力Hcが90A/m以下で
あることが望ましい。
【0011】さらに本発明において、熱延鋼板の素材で
ある鋼片成分として次のものを採用することが、近年用
いられている板厚が0.08mm〜0.25mm程度の
いわゆる極薄シャドウマスク用の素材として好ましい。
すなわち、C≦0.0030重量%、Si≦0.03重
量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦0.02重量
%、S≦0.02重量%、Al:0.01〜0.07重
量%、とすることである。以下にその規制理由を成分ご
とに述べる。
ある鋼片成分として次のものを採用することが、近年用
いられている板厚が0.08mm〜0.25mm程度の
いわゆる極薄シャドウマスク用の素材として好ましい。
すなわち、C≦0.0030重量%、Si≦0.03重
量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦0.02重量
%、S≦0.02重量%、Al:0.01〜0.07重
量%、とすることである。以下にその規制理由を成分ご
とに述べる。
【0012】炭素C:C≦0.0030重量% 熱延鋼板中のC量は、脱炭を行う連続焼鈍工程に大きく
影響し、0.0030重量%を超えると、連続焼鈍工程
での脱炭が十分になされず、シャドウマスク素材に含有
させる残存C量を0.0015重量%以下、望ましくは
0.0008重量%以下とするには、焼鈍温度のアッ
プ、焼鈍時間の増加が必要となり、生産コスト上昇と生
産性低下となる。そのため、上限を0.0030重量%
とすることが望ましい。望ましくは0.0025重量
%、さらに望ましくは、0.0020重量%以下であ
る。 珪素Si:Si≦0.03重量% シャドウマスク素材中のSiは、受像管製造の際の黒化
処理工程において黒化を阻害する元素であり、少ないほ
うが好ましいが、Alキルド鋼としては不可避的に含有
される元素であり、上限を0.03重量%とすることが
好ましい。望ましくは0.025重量%、さらに好まし
くは0.02重量%以下である。 マンガンMn:0.1〜0.5重量% 熱延鋼板中のMnは、不純物であるSによる熱延中の赤
熱脆性を防止するために必要な成分である。従って、本
発明が対象とする極薄シャドウマスク素材は、冷間圧延
時に割れを生じやすいので積極的にMnを所定量添加す
ることが好ましい。この効果は0.1重量%以上の添加
が好ましいが、好ましくは0.25重量%以上である。
一方、0.6%を超えると成形性を劣化させることか
ら、0.5重量%とすることが好ましいが,好ましくは
0.40重量%さらに好ましくは0.35重量%以下で
ある。 リンP:≦0.02重量% シャドウマスク素材中のPは、結晶粒を微細化するため
磁気特性が悪くなり、少ないほうが好ましい。特に本発
明の極薄シャドウマスク素材はこの効果が著しく0.0
2%重量%以下が好ましい。 硫黄S:≦0.02重量% 熱延鋼板中のSは、不可避的に含有される元素であり、
熱延中の赤熱脆性を生じる不純物成分であり、極力少な
いことが望ましい。本発明の極薄シャドウマスク素材は
冷間圧延時に割れを生じやすいので積極的に排除するこ
とが好ましい。この効果は0.02重量%以下にするの
が好ましいが、好ましくは0.01重量%以下である。 アルミニウムAl:0.01〜0.07重量% 熱延鋼板中のAlは、製鋼に際し、脱酸剤として鋼浴中
に添加され、スラグとして除かれるが、添加量が少ない
と安定した脱酸効果が得られない。そこで,この効果は
0.01重量%以上添加するのが好まく,より好ましく
は0.02重量%以上である。一方、0.07重量%を
超えて添加しても効果が小さい。また,本発明では結晶
粒の粗大化を目的としており,Alの過剰な添加による
結晶粒の微細化は好ましくなく、0.07重量%以下と
することが望まく、より好ましくは0.04重量%以下
である。 残部:残部はFe及び不可避的不純物 Fe及びエッチング性、プレス成形性を損なわない程度
に不可避的に含有される元素は規制しない。
影響し、0.0030重量%を超えると、連続焼鈍工程
での脱炭が十分になされず、シャドウマスク素材に含有
させる残存C量を0.0015重量%以下、望ましくは
0.0008重量%以下とするには、焼鈍温度のアッ
プ、焼鈍時間の増加が必要となり、生産コスト上昇と生
産性低下となる。そのため、上限を0.0030重量%
とすることが望ましい。望ましくは0.0025重量
%、さらに望ましくは、0.0020重量%以下であ
る。 珪素Si:Si≦0.03重量% シャドウマスク素材中のSiは、受像管製造の際の黒化
処理工程において黒化を阻害する元素であり、少ないほ
うが好ましいが、Alキルド鋼としては不可避的に含有
される元素であり、上限を0.03重量%とすることが
好ましい。望ましくは0.025重量%、さらに好まし
くは0.02重量%以下である。 マンガンMn:0.1〜0.5重量% 熱延鋼板中のMnは、不純物であるSによる熱延中の赤
熱脆性を防止するために必要な成分である。従って、本
発明が対象とする極薄シャドウマスク素材は、冷間圧延
時に割れを生じやすいので積極的にMnを所定量添加す
ることが好ましい。この効果は0.1重量%以上の添加
が好ましいが、好ましくは0.25重量%以上である。
一方、0.6%を超えると成形性を劣化させることか
ら、0.5重量%とすることが好ましいが,好ましくは
0.40重量%さらに好ましくは0.35重量%以下で
ある。 リンP:≦0.02重量% シャドウマスク素材中のPは、結晶粒を微細化するため
磁気特性が悪くなり、少ないほうが好ましい。特に本発
明の極薄シャドウマスク素材はこの効果が著しく0.0
2%重量%以下が好ましい。 硫黄S:≦0.02重量% 熱延鋼板中のSは、不可避的に含有される元素であり、
熱延中の赤熱脆性を生じる不純物成分であり、極力少な
いことが望ましい。本発明の極薄シャドウマスク素材は
冷間圧延時に割れを生じやすいので積極的に排除するこ
とが好ましい。この効果は0.02重量%以下にするの
が好ましいが、好ましくは0.01重量%以下である。 アルミニウムAl:0.01〜0.07重量% 熱延鋼板中のAlは、製鋼に際し、脱酸剤として鋼浴中
に添加され、スラグとして除かれるが、添加量が少ない
と安定した脱酸効果が得られない。そこで,この効果は
0.01重量%以上添加するのが好まく,より好ましく
は0.02重量%以上である。一方、0.07重量%を
超えて添加しても効果が小さい。また,本発明では結晶
粒の粗大化を目的としており,Alの過剰な添加による
結晶粒の微細化は好ましくなく、0.07重量%以下と
することが望まく、より好ましくは0.04重量%以下
である。 残部:残部はFe及び不可避的不純物 Fe及びエッチング性、プレス成形性を損なわない程度
に不可避的に含有される元素は規制しない。
【0013】次に、本発明の極薄シャドウマスク素材の
製造方法について説明する。スラブ加熱温度条件は、1
100℃より低いと熱間圧延性が悪化し、熱間圧延温度
を確保する観点からも1100℃より高くすることが望
ましい。一方、スラブ加熱温度が高すぎるとスラブ時の
AlNが完全に溶解し、熱延板で、微細な結晶粒となる
ため、磁気特性を劣化させる。すなわち、Hcが大きく
なる。したがって、スラブ加熱温度は1250℃を超え
ないことが望ましい。
製造方法について説明する。スラブ加熱温度条件は、1
100℃より低いと熱間圧延性が悪化し、熱間圧延温度
を確保する観点からも1100℃より高くすることが望
ましい。一方、スラブ加熱温度が高すぎるとスラブ時の
AlNが完全に溶解し、熱延板で、微細な結晶粒となる
ため、磁気特性を劣化させる。すなわち、Hcが大きく
なる。したがって、スラブ加熱温度は1250℃を超え
ないことが望ましい。
【0014】熱間圧延仕上げ温度は、Ar3点以上にす
ると、仕上げ圧延後にγ→α変態が生じるため、微細な
結晶粒となり、磁気特性を劣化させる。すなわち、Hc
が大きくなる。したがって、仕上げ圧延前にγ→α変態
を終了させ、仕上げ圧延から、巻き取るまでは、γ→α
変態を生じさせないようにする。したがって、熱延仕上
げ温度は、Ar3点の0〜30℃以下、望ましくは、1
0〜20℃低い温度で行う。巻取温度は、熱延時のコイ
ル幅方向および長手方向の品質安定性を考慮して、54
0〜700℃とすることが望ましいが、熱延板の結晶粒
を大きくするために650〜700℃にすることがさら
に望ましい。巻き取り温度の上限は磁気特性からは規制
しないが、酸洗工程での脱スケール性から、700℃と
する。下限はHcの点から540℃以上とする。
ると、仕上げ圧延後にγ→α変態が生じるため、微細な
結晶粒となり、磁気特性を劣化させる。すなわち、Hc
が大きくなる。したがって、仕上げ圧延前にγ→α変態
を終了させ、仕上げ圧延から、巻き取るまでは、γ→α
変態を生じさせないようにする。したがって、熱延仕上
げ温度は、Ar3点の0〜30℃以下、望ましくは、1
0〜20℃低い温度で行う。巻取温度は、熱延時のコイ
ル幅方向および長手方向の品質安定性を考慮して、54
0〜700℃とすることが望ましいが、熱延板の結晶粒
を大きくするために650〜700℃にすることがさら
に望ましい。巻き取り温度の上限は磁気特性からは規制
しないが、酸洗工程での脱スケール性から、700℃と
する。下限はHcの点から540℃以上とする。
【0015】(酸洗、1、2次冷間圧延工程)酸洗、1
次冷間圧延は通常行われる条件でよい。本発明の極薄シ
ャドウマスク素材の脱炭焼鈍を効率良く行うには、1次
冷間圧延後の板厚を、0.6mm以下とすることが望ま
しいが、ここでは、Hcを小さくするため、2次圧延率
を30〜45%にする。2次圧延率の下限は、磁気特性
からは、特に制限しないが、製品原板の機械特性が、ユ
ーザーとの制約である500MPa以上の抗張力にする
ため、30%以上とする。そこで、1次圧延後の厚みは
製品厚み0.08〜0.25mmを考慮すると、0.4
2mm以下、望ましくは、0.38mm以下となる。
次冷間圧延は通常行われる条件でよい。本発明の極薄シ
ャドウマスク素材の脱炭焼鈍を効率良く行うには、1次
冷間圧延後の板厚を、0.6mm以下とすることが望ま
しいが、ここでは、Hcを小さくするため、2次圧延率
を30〜45%にする。2次圧延率の下限は、磁気特性
からは、特に制限しないが、製品原板の機械特性が、ユ
ーザーとの制約である500MPa以上の抗張力にする
ため、30%以上とする。そこで、1次圧延後の厚みは
製品厚み0.08〜0.25mmを考慮すると、0.4
2mm以下、望ましくは、0.38mm以下となる。
【0016】(連続焼鈍工程)連続焼鈍工程は、脱炭焼
鈍を行う本発明において重要な工程であり、板温度75
0℃以上、均熱時間60秒以上、焼鈍雰囲気を水素ガス
0〜75重量%、残りは窒素ガスで、露点を−30〜7
0℃で連続焼鈍を行うことが望ましい。
鈍を行う本発明において重要な工程であり、板温度75
0℃以上、均熱時間60秒以上、焼鈍雰囲気を水素ガス
0〜75重量%、残りは窒素ガスで、露点を−30〜7
0℃で連続焼鈍を行うことが望ましい。
【0017】(焼鈍温度)焼鈍温度は、脱炭の効率と磁
気特性を左右するものであり、750℃未満では、脱炭
に長時間を要し、生産性が低下するばかりでなく、焼鈍
後の再結晶組織にムラがあり、均一な磁気特性を得るこ
とができない。したがって、焼鈍温度を750℃以上と
することが好ましい。さらに望ましくは800℃以上と
することが好ましい。上限は装置の耐久性の点から85
0℃とする。
気特性を左右するものであり、750℃未満では、脱炭
に長時間を要し、生産性が低下するばかりでなく、焼鈍
後の再結晶組織にムラがあり、均一な磁気特性を得るこ
とができない。したがって、焼鈍温度を750℃以上と
することが好ましい。さらに望ましくは800℃以上と
することが好ましい。上限は装置の耐久性の点から85
0℃とする。
【0018】(焼鈍時間)焼鈍時間は60秒以上とする
ことが好ましい。60秒未満では、極薄シャドウマスク
素材としての脱炭が不充分であり、目標とするC量を
0.0015%以下とすることが困難である。上限は特
に限定する必要はないが、生産性と粗大粒防止の観点か
ら180秒以下が望ましい。
ことが好ましい。60秒未満では、極薄シャドウマスク
素材としての脱炭が不充分であり、目標とするC量を
0.0015%以下とすることが困難である。上限は特
に限定する必要はないが、生産性と粗大粒防止の観点か
ら180秒以下が望ましい。
【0019】(連続焼鈍雰囲気中の水素濃度及び露点)
連続焼鈍雰囲気の水素濃度を70%以下に保持すれば、
極薄シャドウマスク素材のC量を0.0015%以下と
することができる。水素濃度が70%を超えても脱炭時
間に差は無く、かえってコストアップとなるので、上限
を70%とすることが好ましい。露点は、−35〜70
℃の範囲であれば、極薄シャドウマスク素材のC量を
0.0015%以下とすることができる。
連続焼鈍雰囲気の水素濃度を70%以下に保持すれば、
極薄シャドウマスク素材のC量を0.0015%以下と
することができる。水素濃度が70%を超えても脱炭時
間に差は無く、かえってコストアップとなるので、上限
を70%とすることが好ましい。露点は、−35〜70
℃の範囲であれば、極薄シャドウマスク素材のC量を
0.0015%以下とすることができる。
【0020】(焼鈍後の2次冷間圧延工程)焼鈍後の2
次冷間圧延工程の圧延率は、Hcが90A/m以下にす
るためには、30〜45%にすることが重要である。3
0%未満では、機械的性質の1つである抗張力が500
MPa未満となり強度不足となり、45%を超えると上
記Hcが不満足となる。
次冷間圧延工程の圧延率は、Hcが90A/m以下にす
るためには、30〜45%にすることが重要である。3
0%未満では、機械的性質の1つである抗張力が500
MPa未満となり強度不足となり、45%を超えると上
記Hcが不満足となる。
【0021】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明
する。表1の実施例1〜実施例5にそれぞれ示す化学成
分をもつ鋼片を、表2に示す条件で熱間圧延にて2.3
mmの熱延鋼板とし、酸洗後、冷間圧延し板厚が0.3
mmの冷延板とした。その後表2に示す条件で連続焼鈍
工程にて、焼鈍温度800℃にて脱炭焼鈍を施して、実
施例1〜5のシャドウマスク素材を得た。同様に、比較
例として、表1の比較例1〜6の化学成分を有する鋼片
を、表2に示すそれぞれの熱延条件および焼鈍条件で熱
延及び焼鈍して比較例1〜6を得た。さらに、さらにそ
れぞれを冷間圧延により板厚0.25mmの極薄シャド
ウマスク素材を製造した。
する。表1の実施例1〜実施例5にそれぞれ示す化学成
分をもつ鋼片を、表2に示す条件で熱間圧延にて2.3
mmの熱延鋼板とし、酸洗後、冷間圧延し板厚が0.3
mmの冷延板とした。その後表2に示す条件で連続焼鈍
工程にて、焼鈍温度800℃にて脱炭焼鈍を施して、実
施例1〜5のシャドウマスク素材を得た。同様に、比較
例として、表1の比較例1〜6の化学成分を有する鋼片
を、表2に示すそれぞれの熱延条件および焼鈍条件で熱
延及び焼鈍して比較例1〜6を得た。さらに、さらにそ
れぞれを冷間圧延により板厚0.25mmの極薄シャド
ウマスク素材を製造した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】上記のようにして得られた実施例及び比較
例のそれぞれのシャドウマスク素材について、機械的特
性と磁気特性を測定し、それぞれを評価した。その結果
を表3に示す。機械的特性は、JIS5号試験片で抗張
力(Tensile strengthで略してT.Sで表す)を評価
し、表3では、500MPa以上を○で、500MPa
未満を×で表した。次に、得られたシャドウマスク素材
の磁気特性の評価は、得られたシャドウマスク素材を新
たに焼鈍して磁気特性の重要パラメータであるHcを次
のように測定して磁気特性を評価した。焼鈍条件は鋼板
を水素ガス5.5重量%、残りが窒素ガス雰囲気中で、
露点10℃の条件化において725℃、830℃の2水
準で10分間行い、四極エプスタイン法にてHcを求め
た。表3では、磁気特性Hcが90A/m未満を○で、
90A/m以上を×で表した。脱スケール性は常温、3
0重量%H2SO4溶液で、30秒浸漬して、スケールが
あるかないかを目視で判定した。スケールがある場合を
×、スケールがない場合を○で表した。
例のそれぞれのシャドウマスク素材について、機械的特
性と磁気特性を測定し、それぞれを評価した。その結果
を表3に示す。機械的特性は、JIS5号試験片で抗張
力(Tensile strengthで略してT.Sで表す)を評価
し、表3では、500MPa以上を○で、500MPa
未満を×で表した。次に、得られたシャドウマスク素材
の磁気特性の評価は、得られたシャドウマスク素材を新
たに焼鈍して磁気特性の重要パラメータであるHcを次
のように測定して磁気特性を評価した。焼鈍条件は鋼板
を水素ガス5.5重量%、残りが窒素ガス雰囲気中で、
露点10℃の条件化において725℃、830℃の2水
準で10分間行い、四極エプスタイン法にてHcを求め
た。表3では、磁気特性Hcが90A/m未満を○で、
90A/m以上を×で表した。脱スケール性は常温、3
0重量%H2SO4溶液で、30秒浸漬して、スケールが
あるかないかを目視で判定した。スケールがある場合を
×、スケールがない場合を○で表した。
【0025】
【表3】
【0026】表3の結果から明らかなように、実施例1
〜5は全て磁気特性としての保磁力Hcが、725,8
30℃のいずれの温度条件においても90A/m以下で
あり、良好な磁気特性を有するシャドウマスク素材が得
られていることが確認された。また、前焼鈍温度が72
5℃から、830℃と高くなる程、2次再結晶、すなわ
ち、粒成長が生じるため、製品の結晶粒が大きくなり、
磁気特性(Hc)が向上していることが分かる。そし
て、機械的特性、及び脱スケール性にも優れていること
が確認された。これに対し、比較例の場合は、比較例4
及び比較例6を除いてHcが90A/m以上であり、所
望する超軟磁気特性が得られていない。本発明の実施例
1,2が比較例1、2よりも磁気特性が良好なのは仕上
げ圧延温度の影響であり、比較例3よりも磁気特性が良
好なのは、巻き取り温度の影響である。また、比較例4
の磁気特性は良好だが、製品の機械特性が500MPa
以下と低く、ユーザーのハンドリング性を害する。さら
に、本発明の実施例1,2が比較例5より、磁気特性
(Hc)が良好なのは、2次圧延率の影響である。ま
た、比較例6は特性は良好だが、巻き取り温度が高く、
脱スケール性が悪く、工業的生産には向かない。
〜5は全て磁気特性としての保磁力Hcが、725,8
30℃のいずれの温度条件においても90A/m以下で
あり、良好な磁気特性を有するシャドウマスク素材が得
られていることが確認された。また、前焼鈍温度が72
5℃から、830℃と高くなる程、2次再結晶、すなわ
ち、粒成長が生じるため、製品の結晶粒が大きくなり、
磁気特性(Hc)が向上していることが分かる。そし
て、機械的特性、及び脱スケール性にも優れていること
が確認された。これに対し、比較例の場合は、比較例4
及び比較例6を除いてHcが90A/m以上であり、所
望する超軟磁気特性が得られていない。本発明の実施例
1,2が比較例1、2よりも磁気特性が良好なのは仕上
げ圧延温度の影響であり、比較例3よりも磁気特性が良
好なのは、巻き取り温度の影響である。また、比較例4
の磁気特性は良好だが、製品の機械特性が500MPa
以下と低く、ユーザーのハンドリング性を害する。さら
に、本発明の実施例1,2が比較例5より、磁気特性
(Hc)が良好なのは、2次圧延率の影響である。ま
た、比較例6は特性は良好だが、巻き取り温度が高く、
脱スケール性が悪く、工業的生産には向かない。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来の
シャドウマスク材よりも軟磁気特性に優れ、特に保磁力
Hcが特段に低くシャドウマスクに要求される軟磁気特
性を満たし、且つ機械的特性(抗張力)に優れた超軟磁
気特性を有する極薄シャドウマスクを得ることができる
シャドウマスク素材及び該素材から得られたシャドウマ
スクと受像管を得ることができる。
シャドウマスク材よりも軟磁気特性に優れ、特に保磁力
Hcが特段に低くシャドウマスクに要求される軟磁気特
性を満たし、且つ機械的特性(抗張力)に優れた超軟磁
気特性を有する極薄シャドウマスクを得ることができる
シャドウマスク素材及び該素材から得られたシャドウマ
スクと受像管を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 晋一 山口県下松市東豊井1302番地 東洋鋼鈑株 式会社下松工場内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA02 EA04 EA15 EA18 EA23 EA25 EA27 EB01 FC04 FC08 FE01 FE02 FE03 FG03 FH01 FH05 FM01 JA06 5C027 HH02 HH03 5C031 EE05 EH04 EH08
Claims (6)
- 【請求項1】 成分が、N≦0.0030重量%、B:
0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がF
eおよび不可避的不純物からなり、保磁力が90A/m
以下となるシャドウマスクを得ることができることを特
徴とするシャドウマスク用素材。 - 【請求項2】 成分が、C≦0.0030重量%、Si
≦0.03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦
0.02重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01
〜0.07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.
5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、保磁力が90A/m以下
となるシャドウマスクを得ることができることを特徴と
するシャドウマスク用素材。 - 【請求項3】 成分が、N≦0.0030重量%、B:
0.5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がF
eおよび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間仕上げ圧
延をAr3点の0〜30℃以下にし、巻き取り温度を5
40〜700℃で巻き取り、酸洗後、冷間圧延し、その
後連続焼鈍工程にて、残存C量を0.0015重量%以
下にすることを特徴とするシャドウマスク用素材の製造
方法。 - 【請求項4】 成分が、C≦0.0030重量%、Si
≦0.03重量%、Mn:0.1〜0.5重量%、P≦
0.02重量%、S≦0.02重量%、Al:0.01
〜0.07重量%、N≦0.0030重量%、B:0.
5≦B/N≦2の関係で含有されており、残部がFeお
よび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間仕上げ圧延を
Ar3点の0〜30℃以下にし、巻き取り温度を540
〜700℃で巻き取り、酸洗後、冷間圧延し、その後連
続焼鈍工程にて、残存C量を0.0015重量%以下に
し、2次圧延率で、圧下率を30〜45%にすることを
特徴とするシャドウマスク用素材の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2の素材を用いた保磁力が
90A/m以下で、厚さが0.05〜0.25mmの範
囲内にあることを特徴とするシャドウマスク。 - 【請求項6】 請求項5のシャドウマスクを組み込んだ
受像管。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000354284A JP2002161335A (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | シャドウマスク用素材、その製造方法、その素材からなるシャドウマスク及びそのシャドウマスクを用いた受像管 |
KR10-2003-7006825A KR20040010563A (ko) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | 섀도우 마스크용 소재, 그 제조방법, 그 소재로이루어지는 섀도우 마스크 및 그 섀도우 마스크를 사용한수상관 |
EP01983803A EP1338666A4 (en) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | METHOD FOR A PERFORATED MASK, CORRESPONDING MANUFACTURING METHOD, PERFORATED MASK COMPRISING MATERIALS AND IMAGE TUBE USING THE PERFORATED MASK |
CNB018192424A CN1200129C (zh) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | 荫罩材料及其制备方法、包含该材料的荫罩以及使用所述荫罩的显像管 |
US10/432,379 US7026751B2 (en) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | Material for shadow mask, method for production thereof, shadow mask comprising the material and picture tube using the shadow mask |
PCT/JP2001/009964 WO2002042509A1 (fr) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | Procede destine a un masque perfore, procede de fabrication correspondant, masque perfore comprenant des materiaux et tube d'images utilisant le masque perfore |
AU2002215214A AU2002215214A1 (en) | 2000-11-21 | 2001-11-14 | Material for shadow mask, method for production thereof, shadow mask comprising the material and picture tube using the shadow mask |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000354284A JP2002161335A (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | シャドウマスク用素材、その製造方法、その素材からなるシャドウマスク及びそのシャドウマスクを用いた受像管 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2000354284A Withdrawn JP2002161335A (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | シャドウマスク用素材、その製造方法、その素材からなるシャドウマスク及びそのシャドウマスクを用いた受像管 |
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---|---|
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CN (1) | CN1200129C (ja) |
AU (1) | AU2002215214A1 (ja) |
WO (1) | WO2002042509A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7246364B2 (en) * | 2002-10-15 | 2007-07-17 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical pickup device |
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---|---|---|---|---|
DE10146301C1 (de) * | 2001-09-19 | 2002-07-18 | Krupp Vdm Gmbh | Verfahren zur Herstellung eines Metallbandes aus einer Eisen-Nickel-Legierung für gespannte Schattenmasken |
KR20060109104A (ko) * | 2005-04-15 | 2006-10-19 | 삼성에스디아이 주식회사 | 음극선관용 새도우 마스크 |
CN103510012A (zh) * | 2012-06-28 | 2014-01-15 | 宝山钢铁股份有限公司 | 薄规格二次冷轧荫罩带钢的制造方法 |
CN102719731B (zh) * | 2012-06-28 | 2016-03-02 | 宝山钢铁股份有限公司 | 二次冷轧荫罩带钢及其制造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55138027A (en) | 1979-04-12 | 1980-10-28 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Manufacture of cold-rolled steel sheet for shadow mask |
JPS6191332A (ja) * | 1984-10-08 | 1986-05-09 | Nippon Steel Corp | 磁気シ−ルド性と黒化処理性のすぐれたシヤドウマスク用鋼板の製造方法 |
JPH1150149A (ja) * | 1997-07-29 | 1999-02-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | シャドウマスクフレーム用冷延鋼板の製造方法 |
JP3463549B2 (ja) * | 1997-12-16 | 2003-11-05 | 住友金属工業株式会社 | シャドウマスクフレ−ム用冷延鋼板の製造方法 |
JP3627840B2 (ja) | 1998-05-08 | 2005-03-09 | Jfeスチール株式会社 | Tvマスクフレーム用鋼板 |
-
2000
- 2000-11-21 JP JP2000354284A patent/JP2002161335A/ja not_active Withdrawn
-
2001
- 2001-11-14 AU AU2002215214A patent/AU2002215214A1/en not_active Abandoned
- 2001-11-14 CN CNB018192424A patent/CN1200129C/zh not_active Expired - Fee Related
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- 2001-11-14 KR KR10-2003-7006825A patent/KR20040010563A/ko not_active Application Discontinuation
- 2001-11-14 WO PCT/JP2001/009964 patent/WO2002042509A1/ja active Application Filing
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7246364B2 (en) * | 2002-10-15 | 2007-07-17 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical pickup device |
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Publication number | Publication date |
---|---|
US20040066129A1 (en) | 2004-04-08 |
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