JP4826106B2 - 磁気シールド用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

磁気シールド用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カラーテレビなどに用いられるブラウン管の内部に設置されてマスクやインナーシールドをサポートする、フレームに供する鋼板を代表とする磁気シールド性が必要とされる鋼板およびその製造方法に関するものである。
電気製品や自動車、または建築などの用途に薄鋼板を使用する場合、一般には強度、成型性および防錆性などが必要とされるが、その一方で、上記特性に加えて磁気シールド性が重要視される場合もある。その典型的な例が、以下に述べるブラウン管サポートフレーム用鋼板である。
カラーテレビ等のカラー表示装置に用いられるブラウン管は、内部に色選別用マスクや、地磁気シールド用のインナーシールドを有しており、それぞれ 0.5〜2.5 mm厚程度のサポートフレームを介してパネルまたはファンネルガラスに保持されている。近年、ブラウン管の大型化や高精細化が進み、画質向上への要求が厳しくなってきている。したがって、マスクやインナーシールドのサポートフレームには、従来言われている、構造体とするために必要なプレス成形性並びに錆防止や、熱輻射率を高める為に必要な黒化処理性に加えて、地磁気シールド性が特に強く求められるようになってきた。
ここで、ブラウン管は、シールド性能を高める為に、その始動時に消磁コイルによって消磁されるのが通例である。したがって、サポートフレームに必要な磁気特性としては、消磁されやすさ、すなわち保磁力の低いことが重要となる。
このような要請に対して、例えば特許文献1には、極低炭素アルミキルド鋼帯を用いる方法が提案されているが、アルミキルド鋼である為、微細な AlNの析出によって粒成長性が阻害され、満足する磁気特性は得られない。
また、特許文献2には、sol.Al: 0.002〜0.015 mass%とAlを低減して粒成長性を向上させる技術が開示されている。しかし、sol.Alが 0.015mass%以下といった限定では AlNの析出を十分に抑えることができず、磁気特性の劣化は避けられない。一方で、単純にsol.Alを 0.002mass%程度まで低減した場合には、鋼中介在物となる酸化物が増えて、やはり磁気特性が劣化することになる。
さらに、特許文献3や特許文献4には、BやSbといった特殊な元素を添加する方法が開示されているが、コストの増加やリサイクル性の低下などの問題がある。特に、BはNと結びつくことによって AlNの微細析出を抑制する効果があるものの、Nと結びつかない余剰Bは、粒界に偏析して粒成長性を妨げる。従って、N量とのバランスにより特性が異なるため、磁気特性の安定性に欠ける。
特許文献5には、 0.8〜2.5 mm厚の熱延薄鋼板を、 750〜900 ℃の低温で仕上げ、かつ660 ℃以上 750℃以下の非常に高温で巻き取りを行って、結晶粒径が30〜80μmの熱延鋼板を得る技術が開示されている。しかし、仕上げ温度を二相域とする厳密な制御が必要であるため、コイル長手方向および幅方向での安定性に欠けてしまうことは避けられない。また、高温で巻き取ることによって再結晶、粒成長させている為、巻き取り後のコイル内の温度分布に依存して、コイル内での結晶粒径のばらつきが大きくなり、やはり磁気特性の安定性に欠ける。さらに、高温巻きであるため表面性状が劣化し、ユーザーでの黒化処理性を低下させるという問題がある。
上記の技術とは根本的に異なる技術として、プレス成形した後に部品形状となった部材を、 600℃程度から 900℃といった高温で焼鈍することによって磁気特性を向上させることが、特許文献6および特許文献7に開示されている。しかし、実際に優れた磁気特性を得る為には、 700〜800 ℃といった、加工部品の焼鈍として非常に高い温度域での焼鈍が必要であり、製造コストが上昇する。また、特許文献6においては、 650℃といった黒化処理温度としては高い温度で焼鈍しても、その保磁力は1.00 Oe(79.6 A/m)までにしか低減されていない。さらに、高温で黒化処理した場合には、黒化膜の密着性が劣化する為、前記 650℃以上の高温焼鈍は、黒化処理とは別工程で行う必要があり、製造コストを著しく上昇させる。
特開平3−264621号公報 特開平11−323500号公報 特開平11− 50207号公報 特開平11−323500号公報 特公平5− 64699号公報 特開昭62−185828号公報 特開平3−264621号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、プレス成形性や黒化処理性に優れ、しかも特殊な添加成分やユーザーでの高温熱処理を必要とせずに、安価でかつ優れた磁気特性を安定して実現した磁気シールド用鋼板を、その製造方法に併せて提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、鋼板の設計を抜本的に見直した結果、粒成長性を著しく阻害する AlNの生成を抑制する為に、鋼中の固溶Al量を低減すること、またAlを低減することによって生じる鋼中酸化物の磁気特性への悪影響を、Cr含有酸化物を形成させることによって抑制できること、をそれぞれ見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、次の通りである。
)C:0.005mass%以下、Si:0.03mass%以下、Mn: 0.1〜0.5 mass%、P:0.02mass%以下、S:0.01mass%以下、sol.Al: 0.004mass%以下、N: 0.005mass%以下、Cr:0.02〜0.2 mass%およびO:0.02mass%以下を含み、残部鉄および不可避不純物の成分組成を有し、さらに鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素であるSi、Mn、AlおよびCrの総量に占めるCrの割合が10mass%以上であり、平均結晶粒径が40μm以上であることを特徴とする、磁気シールド用鋼板。
)上記成分組成において、Sを0.003mass%以下に抑制したことを特徴とする上記(1)に記載の磁気シールド用鋼板。
)C: 0.005mass%以下、Si:0.03mass%以下、Mn: 0.1〜0.5 mass%、P:0.02mass%以下、S:0.01mass%以下、sol.Al: 0.004mass%以下、N: 0.005mass%以下、Cr:0.02〜0.2 mass%およびO:0.02mass%以下を含み、残部鉄および不可避不純物の成分組成を有し、さらに鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素であるSi、Mn、AlおよびCrの総量に占めるCrの割合が10mass%以上である鋼スラブに、熱間圧延を施した後、80%以下の圧下率で冷間圧延を行い、その後再結晶温度以上の温度で焼鈍することによって、組織の平均結晶粒径を40μm以上に調整することを特徴とする、磁気シールド用鋼板の製造方法。
)上記鋼スラブの成分組成において、Sを0.003mass%以下に抑制したことを特徴とする上記(3)に記載の磁気シールド用鋼板の製造方法。


本発明によれば、結晶粒径が40μm以上で磁気特性に優れた磁気シールド用鋼板を、特殊な元素を添加せず、しかもユーザーでの高温での熱処理を必要とせずに、安価に安定して提供できるため、産業上極めて有効である。
本発明の磁気シールド用鋼板は、 AlNの生成を抑制する為に、鋼中固溶Al量を低減することが、まず第1のポイントである。次に、Alを低減することによって生じる鋼中酸化物の磁気特性への悪影響を、Cr含有酸化物を形成させることによって抑制することが第2のポイントである。これにより、プレス成型性や黒化処理性に加えて、優れた磁気特性を有する磁気シールド用鋼板の提供が可能になるのである。
以下、本発明について、具体的に説明する。
〔成分組成〕
C: 0.005mass%以下
Cは、炭化物を形成して磁気特性を劣化させる元素であり極力低減することが好ましいが、0.005mass%までは許容できるため、その上限を 0.005mass%とする。さらには、 0.004mass%以下とすることが望ましい。
Si:0.03mass%以下
Siは、黒化処理時に生成する酸化膜の性状を劣化させる元素であり極力低減することが好ましいが、0.03mass%までは許容できるため、その上限を0.03mass%とする。
Mn: 0.1〜0.5 mass%
Mnは、硫化物を形成して熱間脆性を改善する元素であり、そのためには 0.1mass%以上の添加を必要とする。一方、 0.5mass%を超えて添加しても効果は飽和し、コストアップをまねくだけになるため、上限は 0.5mass%とする。
P:0.02mass%以下
Pは、0.02mass%を超えて含有するとフレーム形状への成形性を損なう為、0.02mass%以下に制限する。
S:0.01mass%以下
Sは、硫化物を形成して磁気特性を劣化させる元素であり極力低減することが好ましいが、0.01mass%までは許容できるため、その上限を0.01mass%とする。さらに、0.003mass%以下に抑制することによって、磁気特性がより良好になる。
sol.Al: 0.004mass%以下
sol.Alは、微細な窒化物を形成することによって粒成長性を阻害し磁気特性を著しく劣化させる。従って、その上限を 0.004mass%とする。より好ましくは 0.002mass%以下である。
N: 0.005mass%以下
Nは、少ないほど望ましく、特に 0.005mass%を超えて含有すると、析出物を形成して磁気特性を劣化させる為、その上限を 0.005mass%とする。より好ましくは 0.003mass%以下である。
Cr:0.02〜0.2 mass%
Crは、Al量を上記のように規制した鋼に添加することによって、酸化物組成を変化させて、粒成長性を向上させる。そのためには、0.02mass%以上の添加を必要とする。一方、過度の添加は炭窒化物を形成して磁気特性を劣化させる為、その上限を 0.2mass%とする。より好ましくは0.10mass%未満である。
O:0.02mass%以下
Oは、介在物を生成させて磁気特性および加工性を劣化させる為、少ないほど好ましく、その上限を0.02mass%とする。ただし、過度の低減は固溶Alや固溶Siの増加を招く為、その下限は 0.003mass%とすることが好ましい。
〔結晶粒径〕
結晶粒径は、磁気シールド用鋼板に必要な磁気特性、特に低い保磁力を得る為に、粗大である必要がある。平均結晶粒径が40μm未満では、保磁力が高くなってしまう為、40μm以上であることを必要とする。
また、本発明では、上記の成分組成の規制に加えて、鋼中介在物を規制する。
〔鋼中介在物〕
本発明における鋼中介在物は、 MnO、 Cr203、 Al203、SiO2 およびその複合体である。ここで、鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素が、磁気特性に及ぼす影響を調査する為に、以下の実験を行った。
すなわち、表1に示す化学成分を有する鋼スラブを熱間圧延して 2.2mm厚の熱延板を得た後に、酸洗、そして冷間圧延し、板厚 0.8mmの冷延鋼板を得た。その後、 850℃で3分の熱処理を行い、1%の調質圧延後に、 590℃で10分の黒化処理を行ったのち、鋼板から内径33mmおよび外径45mmのリング試験片を採取し、最大励磁磁界796 A/m (10 Oe)での磁気測定を行った。また、黒化処理前の同じサンプルから抽出残渣分析(ヨードメタノール抽出法:鉄鋼分析部会 鋼中酸化物系介在物の抽出分離定量法(昭和62年1月 鋼中非金属介在物分析小委員会編)に準拠)を行い、酸化物中の金属元素の比率(mass%)を求めた。その結果を、表1に併記する。
Figure 0004826106
表1より、酸化物中の金属元素のうち、Crの比率が13mass%になると、 590℃といった低温での黒化処理においても、保磁力が79.6 A/m未満(1.00 Oe未満)の優れた磁気特性を発揮でき、良好な地磁気シールド性が得られることが分かる。そこで、さらにCrの比率を種々に変化して調査したところ、図1に示すように、Crの比率が10mass%以上である場合に、保磁力が79.6 A/m未満(1.00 Oe未満)の優れた磁気特性を発揮でき、良好な地磁気シールド性が得られることが判明した。
そこで本発明では、鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素であるSi、Mn、AlおよびCrの総量(合計量)に占めるC量の割合を10mass%以上とする。
ここに、Cr添加により磁気特性が改善するメカニズムは不明であるが、鋼番B、C、Dは、鋼番Aに比べて粗粒となっていることから、Crは介在物形態を変化させて粒成長性を向上させるものと推測される。
なお、Crの効果はsol.Alが 0.004mass%以下の鋼にのみ発現しており、Crよりも介在物を作りやすいAlが多量に添加された場合、例えば鋼番Eのようにsol.Alが 0.004mass%を超えて添加されている場合には、Crを添加しても、介在物中のAlが多く、Crが減少してしまい本発明の効果が得られない。すなわち、sol.Alは、 0.004mass%を超えて含有すると、窒化物を形成するだけでなく、介在物組成にも影響して磁気特性を劣化させるのである。
また、サポートフレームに代表される磁気シールド用鋼板は、マスクなどを支えるために構造体としての強度が必要であるため、その板厚は 0.30mmを超える範囲とすることが望ましい。より好ましくは0.5mm以上である。
〔製造方法〕
次に、本発明における製造方法について説明する。
まず、上述に従う成分組成、さらには介在物組成を調整した製鋼を行う。特に、介在物組成を制御する為に、脱炭処理後、微量Alを添加して溶鋼中のフリー酸素を先行脱酸し、さらにMnおよびCrなどを添加するとよい。その後、連続鋳造法または造塊−分塊法によって得られた鋼スラブに、通常の方法により、熱間圧延そして酸洗などのデスケーリングを施し、80%以下の圧下率で冷間圧延を行う。冷間圧延での圧下率は、その後の焼鈍後の結晶粒径に影響を与えるため、圧下率は低いことが望ましい。圧下率が80%以下であれば、後述する高温焼鈍を実施すことにより、40μm以上の粒径を得ることができる。冷間圧延での圧下率が低すぎる場合は、再結晶の駆動力が足らずに焼鈍後の組織が不均一になりやすい為、圧下率は30%以上であることが望ましい。
冷間圧延後、再結晶および粒成長のための焼鈍により結晶粒径を40μm以上とした鋼板を得る。ここで、40μm以上の粒径を得る為には、再結晶温度以上の温度で焼鈍する必要があり、粒成長を図るため極力高温であることが望ましい。ただし、二相域またはオーステナイト単相域まで焼鈍した場合には、粗粒化効果が得られないこと、また変態による歪みにより磁気特性が劣化することから、フェライト単相域であることが望ましい。
なお、薄鋼板の焼鈍には、通常、連続焼鈍とバッチ焼鈍があるが、本発明に従う鋼は、粒成長性の良い鋼であり、高温で焼鈍した場合には粒径の温度感受性が高く、バッチ焼鈍のように温度むらの発生しやすい方法は、材質の不均質を招きやすいため、連続焼鈍が好ましい。
通常、鋼板のハンドリング性などを向上させる為に、焼鈍後に調質圧延が施される。特に、バッチ焼鈍の場合、板形状の矯正の為調質圧延が行われる。焼鈍後の調質圧延は、磁気特性を劣化させる為、その圧下率は低いことが望ましい。調質圧延の圧下率が 1.5%以下であれば、特性の劣化代が小さい為、調質圧延を行う場合は、圧下率を 1.5%以下とすることが好ましい。
以上詳述したように、本発明は安価でかつ優れた磁気特性を有する磁気シールド用鋼板とその製造方法を提供するものであり、ブラウン管サポートフレームのみならず、家庭用を含めた電気製品、自動車、建築などの薄鋼板が用いられる幅広い用途に適用でき、産業上極めて大きな効果を有する。
表2に示す成分組成を有する鋼スラブを熱間圧延し、板厚 2.0、 2.4、 4.0および12mmの熱延板を得た。この熱延板を酸洗した後に、 1.3mmまで冷間圧延し、表3に示す二相域に入らない温度である焼鈍温度で3分間の熱処理を施した後、1%の調質圧延を行い、 590℃で15分の黒化処理を行った。なお、ここで、焼鈍温度は鋼板eを除き再結晶温度以上であり、鋼板eは、焼鈍温度が再結晶温度に未達となった結果、未再結晶となった。これら鋼板から、内径33mmおよび外径45mmのリング試験片を採取し、最大励磁磁界796 A/m (10 Oe)での磁気測定を行った。また、JIS G O552 に準拠した切断法により、黒化処理前の鋼板の平均結晶粒径を調査した。その結果を、表3に併せて示す。なお、介在物は、黒化処理前の鋼板を前記と同様に抽出残渣分析することにより評価した。
Figure 0004826106
Figure 0004826106
表3に示すように、結晶粒径が40μm以上の鋼板b、cおよびdは、 590℃といった低温での黒化処理においても保磁力が79.6 A/m未満(1.00 Oe未満)と、従来にない優れた特性が得られたことが分かる。また、冷間圧延の圧下率が80%を超えた条件で製造された鋼板fは、 850℃といった高温焼鈍でも粒径が40μmに到達せず、磁気特性が劣っている。さらに、焼鈍温度が低く、再結晶しなかった鋼板eは著しく特性が劣っている。特に、Sを0.002mass%に抑制した鋼板iは、鋼板cと比較して、より良好な磁気特性を示すことが分かる。
表4に示す成分組成を有する鋼スラブを熱間圧延し、板厚 2.4mmの熱延板を得た。この熱延板を酸洗した後に、鋼板6および7は 0.8mm厚まで、鋼板8は 1.2mm厚まで冷間圧延し、再結晶温度以上かつ二相域に入らない温度、具体的には鋼板6は 850℃、鋼板7および8は 680℃で焼鈍し、さらに1%の調質圧延を行った。この鋼板から一辺が 200mmの正方形の板を6枚切りだし、図2に示す立方体形状のシールドボックスを作製し、同図磁気シールドルーム内で50Hzの外部磁界をヘルムホルツコイルにて発生させ、上記シールドボックスのシールド性能Sを下記(1)式にて評価した。その評価結果を、図3に示す。

S= 20log(外部磁界/内部磁界) ・・・(1)
また、実施例1と同様に粒径の調査並びに鋼中介在物の調査を行った。これらの調査結果を表4に示す。
ここで、鋼番6は本発明の鋼板であり、同板厚の比較材である鋼番7と比べて著しく高いシールド性能を有することが分かる。また、1.2mmと板厚が1.5倍である鋼番8と比較しても同等以上のシールド性能を有することが判る。本発明によれば、同板厚での優れたシールド性能が得られるだけでなく、部材の軽量化などの効果も期待できる。
Figure 0004826106
Cr含有率と保磁力との関係を示す図である。 磁気シールド性評価方法を説明する模式図である。 磁気シールド性能と外部磁界の強さとを表す図である。

Claims (4)

  1. C:0.005mass%以下、Si:0.03mass%以下、Mn: 0.1〜0.5 mass%、P:0.02mass%以下、S:0.01mass%以下、sol.Al: 0.004mass%以下、N: 0.005mass%以下、Cr:0.02〜0.2 mass%およびO:0.02mass%以下を含み、残部鉄および不可避不純物の成分組成を有し、さらに鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素であるSi、Mn、AlおよびCrの総量に占めるCrの割合が10mass%以上であり、平均結晶粒径が40μm以上であることを特徴とする、磁気シールド用鋼板。
  2. 上記成分組成において、Sを0.003mass%以下に抑制したことを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド用鋼板。
  3. C: 0.005mass%以下、Si:0.03mass%以下、Mn: 0.1〜0.5 mass%、P:0.02mass%以下、S:0.01mass%以下、sol.Al: 0.004mass%以下、N: 0.005mass%以下、Cr:0.02〜0.2 mass%およびO:0.02mass%以下を含み、残部鉄および不可避不純物の成分組成を有し、さらに鋼中介在物である酸化物中に存在する金属元素であるSi、Mn、AlおよびCrの総量に占めるCrの割合が10mass%以上である鋼スラブに、熱間圧延を施した後、80%以下の圧下率で冷間圧延を行い、その後再結晶温度以上の温度で焼鈍することによって、組織の平均結晶粒径を40μm以上に調整することを特徴とする、磁気シールド用鋼板の製造方法
  4. 上記鋼スラブの成分組成において、Sを0.003mass%以下に抑制したことを特徴とする請求項3に記載の磁気シールド用鋼板の製造方法。
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