JP5427596B2 - 交流磁気特性に優れた軟磁性鋼部品およびその製造方法 - Google Patents

交流磁気特性に優れた軟磁性鋼部品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、軟磁性鋼部品およびその製造方法に関し、詳細には、交流磁界で用いられる軟磁性鋼部品およびその製造方法に関するものである。
軟磁性鋼部品は、例えば、自動車や産業機械などに用いられる交流磁界で駆動するモータの磁気回路を構成する部品(例えば、コア材)として使用されている。この軟磁性鋼部品は、従来では、複数の電磁鋼板を積層した積層体を打ち抜き加工等により加工して成形して製造していた。しかしこうして得られた軟磁性鋼部品は、複数の電磁鋼板が積層されているため、強度や剛性が低かった。また、複数の電磁鋼板を積層する必要があるため、製造コストが高かった。
近年では、条鋼(例えば、棒鋼や線材)から軟磁性鋼部品を製造することが検討されている。軟磁性鋼部品の素材として条鋼を用いれば、冷間鍛造により部品形状に成形できるため、上述したように電磁鋼板同士を積層する工程を省略でき、製造コストを低減できる。また、条鋼を用いた場合には、積層構造ではないため、強度や剛性を高めることができる。
上記軟磁性鋼部品には、交流磁気特性が良好であることが求められる。具体的には、交流磁界中で使用したときの鉄損の低減が求められる。鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との合計であるが、交流磁界中では渦電流損が鉄損の大半を占める。この渦電流損を低減するには、鋼の電気抵抗を高めることが有効である。
電気抵抗率を高め、交流磁気特性を改善した軟磁性材料が特許文献1に提案されている。この文献には、軟磁性材料の電気抵抗を40μΩcm以上に高めるために、「2×(Al%+Si%)+Cr%」の関係式によって算出されるS値を4.5〜9の範囲に調整することが開示されている。
ところで条鋼には、部品形状に成形するために冷間鍛造性が良好であることも求められる。冷間鍛造性としては、変形抵抗が低く、変形能が高いことが必要である。変形抵抗を低くすることで、鍛造時の荷重を低減できるため、冷間鍛造で使用する金型の寿命を向上させることができる。また、変形能が高く、冷間鍛造しても割れが発生し難くすることで、軟磁性鋼部品を小型化したり、部品形状を複雑化できる。
交流磁気特性と高い変形能を有し、且つ変形抵抗が小さい軟磁性鋼材が特許文献2に提案されている。この文献には、交流磁気特性と変形能を改善するには、Si、Mn、Al、C、N、S、Pの含有量を最適化すればよいこと、また交流磁気特性と変形能を一層向上させ、かつ変形抵抗を改善するには、Tiを含有させれば良いことが開示されている。また、交流磁気特性を改善するには、鋼の電気抵抗を高める効果のあるSi、Mn、Alの固溶量を高くし、渦電流損を小さくすればよいことが記載されている。
また、特許文献3には、電気抵抗が高く、優れた高速応答性を有し、且つ量産可能にして製品コストの低減化を図り得る電磁弁用磁気回路部材が開示されている。この文献には、磁気回路部材の母材として電磁軟鉄あるいは低炭素鋼を用いることで切削加工性および冷間鍛造性を改善できること、磁気回路部材中にAlを含有させることにより電気抵抗が高くなり、渦電流損を低減できることが記載されている。磁気回路部材中にAlを含有させる方法としては、Al粉末とAl23粉末の混合粉にNH4Clを加えたものの中に電磁軟鉄製の磁気回路部材を埋め込み、水素気流中で900℃、3時間の加熱処理を施す方法を採用している。
特開平8−134603号公報 特開2006−328458号公報 特開昭63−318380号公報
上記特許文献1には、軟磁性材料の電気抵抗を高め、交流磁気特性を改善することについて記載されているが、軟磁性材料の冷間鍛造性を改善すること(特に、変形抵抗を小さく、変形能を良好にすること)については全く着目されていない。
一方、上記特許文献2、3には、交流磁気特性と冷間鍛造性を兼ね備えた軟磁性鋼材について記載されている。これらのうち特許文献2に開示されている軟磁性鋼材はTiを必須元素として含有するものであり、Tiを含有させた場合には、鋼材中にTiCやTiNなどの析出物を形成し、結晶粒を微細化して交流磁気特性を低下させるという問題が生じる。そこで本発明者は、Tiを含有しない成分系の鋼材について検討した。また、特許文献3に開示されているように、混合粉末中に磁気回路部材を埋め込んで磁気回路部材の表面にAlを拡散浸透させる方法では、混合粉末の適正な調整および充填が困難なため、Al拡散にムラが生じやすい。また、部材表面にAlが濃化し過ぎるとFeAlなどの非磁性相が形成され、交流磁気特性を改善できなかった。また、混合粉末中に磁気回路部材を埋め込んでAlを拡散浸透させる方法では、連続操業し難く、生産性を高めることが難しい。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、交流磁気特性に優れており、しかも部品形状に成形するときの冷間鍛造性が良好な軟磁性鋼部品およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る軟磁性鋼部品とは、化学成分組成が、C:0.002〜0.20%(質量%の意味。以下同じ。)、Si:1.2%以下(0%を含まない)、Mn:0.05〜2.6%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:4%以下(0%を含まない)、Al:0.002〜2.2%、N:0.01%以下(0%を含まない)、O:0.03%以下(0%を含まない)、残部:鉄および不可避不純物で、且つ下記式(1)を満足するものであり、表層部に、1〜13質量%のAlを含有し、且つ最表面側から中心部に向かってAl量が減少するAl拡散層が形成された軟磁性鋼部品であり、前記軟磁性鋼部品の最表面から5μm深さにおける最大Al濃度が18質量%以下(0質量%を含まない)で、前記Al拡散層の厚みが40μm以上である点に要旨を有している。下記式(1)中、[ ]は、各元素の含有量を示している。
13×[C]+2×[Si]+[Mn]+[Cr]/5+[Al]≦2.8 ・・・(1)
上記軟磁性鋼部品は、最表面から5μm深さにおけるAl濃度を複数箇所測定したときに、最大値(Almax)と最小値(Almin)の比(Almax/Almin)が2以下(0を含まない)で、バラツキが少ないことが好ましい。また、前記Al拡散層の厚みは、100μm以上であることが好ましい。
本発明の軟磁性鋼部品は、表面にAl皮膜を有し、部品形状に加工された鋼材を850℃以上で1時間以上加熱することによって製造できる。
本発明によれば、軟磁性鋼部品の最表面から5μm深さ位置にAlが所定値以上に濃化するのを防止しつつ、軟磁性鋼部品の表層部に1〜13質量%のAlを含有し、且つ最表面側から中心部に向かってAl量が減少するAl拡散層を形成しているため、表層部の電気抵抗を高めることができ、渦電流損を低減できる結果、交流磁気特性を改善できる。また、上記軟磁性鋼部品の素材となる鋼材に合金元素として含有させるC、Si、Mn、CrおよびAl量の関係を適切に調整しているため、鋼材の変形抵抗を小さく、変形能を良好にできるため、部品形状に成形するときの冷間鍛造性を改善できる。
図1は、実施例で用いた試験片の変形抵抗と、本発明で規定する式(1)の左辺の値(Z値)との関係を示すグラフである。 図2は、実施例で用いた試験片について、Al拡散層の厚みと交流最大磁束密度の比との関係を示すグラフである。
本発明者は、軟磁性鋼部品の交流磁気特性を高めると共に、部品形状に成形するときの冷間鍛造性を改善することを目指して鋭意検討を重ねてきた。
軟磁性鋼材の交流磁気特性を改善するには、表層部における電気抵抗を高め、渦電流損を低減する必要がある。表層部における電気抵抗を高める手段としては、上記特許文献3で提案されているように、部材の表面にAlを含浸させる方法が知られている。しかし本発明者がこの文献に開示されている粉末塗布法について検討したところ、Alを含浸させるためにAl粉末を用いた場合には、部材表面に含浸されるAl量にバラツキが生じ、局所的にAlが濃化し過ぎる現象が認められた。Al濃度が高くなり過ぎるとFeAlなどの非磁性相を形成し、交流磁気特性を劣化させる原因になることが分かった。
そこで本発明者は、上記特許文献3に開示された粉末塗布法とは異なる方法で、軟磁性部品の表層部にAlを含浸させることについて検討を重ねた。その結果、表面にAl皮膜を有し、且つ部品形状に加工された鋼材に熱処理を施すと、表面に存在するAlが鋼材内部へ均一に拡散浸透し、Al拡散層を形成すること、このAl拡散層は、表層部の電気抵抗を高め、交流磁気特性を改善できること、Al拡散層を形成する位置を鋼部品の表層部とすることによって鋼材の磁気モーメントの低下を防止できるため交流磁気特性の改善効果が高くなることが判明した。このとき、Alは均一に拡散浸透するため、軟磁性鋼部品の表層部には局所的にAlが濃化し過ぎた部分は生成しないため、非磁性相も形成されず、交流磁気特性の劣化も防止できることも明らかとなった。
また、本発明では、表層部にAl拡散層を設けることによって軟磁性鋼部品の交流磁気特性を改善できるため、軟磁性鋼部品の素材となる鋼材には、従来のように交流磁気特性を改善するために添加していた多量の合金元素を添加する必要がない。即ち、従来では、上記特許文献2に開示されているように、合金元素量を最適化することによって鋼材の電気抵抗を高め、交流磁気特性を改善していたが、本発明によれば、鋼材に含有させる合金元素量を低減しても上記Al拡散層によって交流磁気特性向上効果は発揮される。そのため本発明で用いる鋼材は、合金元素量を低減しているため、変形抵抗が小さく、変形能が良好になるため、部品形状に成形するときの冷間鍛造性も改善できる。
以上の知見に基づいて完成した本発明に係る軟磁性鋼部品は、
(1)軟磁性鋼部品の交流磁気特性を改善するために、表層部に、1〜13質量%のAlを含有し、且つ最表面側から中心部に向かってAl量が減少するAl拡散層を形成し、且つ軟磁性鋼部品の最表面から5μm深さにおける最大Al濃度を18質量%以下に抑えたうえで、Al拡散層の厚みを40μm以上としている。
(2)上記Al拡散層を形成するには、表面にAl皮膜を有し、部品形状に加工された鋼材を850℃以上で1時間以上加熱すればよい。
(3)一方、冷間鍛造性を改善するために、軟磁性鋼部品の素材となる鋼材に含有させる合金元素のうち、特に、C、Si、Mn、CrおよびAlの量の関係が所定値以下となるように化学成分組成を調整している。
以下、本発明の軟磁性鋼部品について詳細に説明する。
本発明の軟磁性鋼部品は、表層部にAl拡散層が形成されており、このAl拡散層は、最表面側から中心部に向かってAl量が減少している。Al濃度を傾斜させることで、効果的に交流磁気特性を向上させることができる。ここで、表層部とは、軟磁性鋼部品のうち最表面を含む表面近傍を意味し、例えば、最表面から深さ500μm位置程度までの領域を指す。
上記Al拡散層は、Alを1〜13質量%の範囲で含有している。Alが1質量%未満では、表層部の電気抵抗を高めることができないため、渦電流損を低減できず、交流磁気特性を改善できない。一方、Alが18質量%を超えると非磁性相が形成され、自発磁化の低下が生じる傾向が認められる。従って本発明では、最表面から中心部に向かってAl量を測定したときに、Alを1〜13質量%含有している層をAl拡散層とする。
本発明では、上記Al拡散層の厚みを40μm以上とする。Al拡散層の厚みが40μm未満では、表層部の電気抵抗を充分に高めることができず、渦電流損が大きくなり、交流磁気特性を改善できない。従ってAl拡散層の厚みは40μm以上とし、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上である。なお、Al拡散層の厚みの上限は特に限定されず、250μmを超えて生成していてもよいが、熱処理によるコスト増加を抑制する観点から、例えば、500μm以下であればよい。
本発明では、表層部に上記Al拡散層を40μm以上の厚みで形成する他、最表面から5μm深さにおける最大Al濃度を18質量%以下に抑えることも重要である。Al拡散層を所定厚み以上形成したとしても、局所的にAlが濃化し過ぎて18質量%を超えると、急激に自発磁化の低下が生じるため、交流磁気特性が劣化するからである。従って本発明では、最大Al濃度を18質量%以下とする。最大Al濃度は15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
最表面から5μm深さにおけるAl濃度を複数箇所で測定したときに、その最大値(Almax)と最小値(Almin)の比(Almax/Almin)が2以下であることが好ましい。Almax/Alminの値を2以下に抑えることによって最表面から5μm深さにおけるAl濃度のバラツキを低減できる。Almax/Alminの値は、1.5以下であることが好ましい。
上記Al濃度は、最表面から5μm深さにおいて、複数箇所(例えば、4箇所以上)で測定すればよく、測定結果から最大値(Almax)と最小値(Almin)を求めればよい。これらのうち、最大値を最大Al濃度とする。
上記Al濃度の測定位置を最表面から5μm深さとしたのは、Al濃度は、鋼材の最表面に対して垂直に切断した断面を樹脂に埋め込んだ試験片を用いて測定する必要があるため、試験片の最表面は、埋め込みに用いた樹脂の影響を受けて正確な測定ができないからである。
上記Al濃度は、例えば、電子線マイクロプローブX線分析計(Electron Probe X−ray Micro Analyzer;EPMA)で測定すればよい。
次に、本発明に係る軟磁性鋼部品の素材となる鋼材の成分組成について説明する。
本発明で用いる鋼材は、C:0.002〜0.20%、Si:1.2%以下(0%を含まない)、Mn:0.05〜2.6%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:4%以下(0%を含まない)、Al:0.002〜2.2%、N:0.01%以下(0%を含まない)、O:0.03%以下(0%を含まない)、残部:鉄および不可避不純物で、且つ下記式(1)を満足している。式(1)中、[ ]は、各元素の含有量を示している。
13×[C]+2×[Si]+[Mn]+[Cr]/5+[Al]≦2.8 ・・・(1)
こうした範囲を規定した理由は次の通りである。
Cは、鋼材の強度と延性をバランスよく確保するために重要な元素である。しかしCが0.20%を超えると、強度が高くなり過ぎて変形抵抗が大きくなる。また、鋼中に固溶したCにより部品成形時にひずみ時効が生じ、交流磁気特性も悪くなる。従ってCは0.20%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下である。Cは少ないほど強度が低下し、延性が向上するため冷間鍛造性が良好となる。しかしC量を低減し過ぎると鋼部品の強度が低下し過ぎる。また、電気抵抗が低くなり、交流磁気特性も劣化する。従ってCは0.002%以上、好ましくは0.003%以上である。
Siは、固溶することで鋼材の電気抵抗を大きくし、渦電流損を少なくして交流磁気特性を改善するのに寄与する元素である。また、鋼部品の金属組織をフェライト化し、交流磁気特性を向上する作用も有している。しかし1.2%を超えて含有させると、変形抵抗が大きくなる。従ってSiは1.2%以下、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.8%以下である。特に、鋼材の変形抵抗を小さくして冷間鍛造性を改善するには、Siを0.7%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.1%以下である。
Mnは、溶製時に脱酸剤として用いられる元素であり、鋼中ではSと結合してSによる脆化を抑制する作用を有している。また、鋼中のSと結合してMnSを形成したり、鋼中の酸化物の周囲にMnSが複合析出して複合析出物を形成することで、部品の電気抵抗を高める作用を有している。従ってMnは0.05%以上、好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.15%以上である。しかしMnが2.6%を超えると、変形抵抗が大きくなり過ぎて冷間鍛造性が劣化する。また、Mnが過剰になると、磁気モーメントが低下し、交流磁気特性が劣化する。従ってMnは2.6%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。
Pは、粒界に偏析して変形能を低下させ、冷間鍛造時に割れを発生させる原因となる。また、過剰に含有すると交流磁気特性も劣化させる。従ってPは0.05%以下、好ましくは0.02%以下、更に好ましくは0.015%以下である。Pはできるだけ低減されていることが望ましい。
Sは、Mn等と結合して硫化物を形成し、この硫化物が粒界に析出することによって変形能が低下する。従ってSは0.05%以下、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下である。
Crは、鋼部品の電気抵抗を大きくし、渦電流損を低減して交流磁気特性を向上させるのに作用する元素である。また、鋼部品の金属組織をフェライト化し、交流磁気特性を向上する作用も有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Crは0.005%以上含有させることが好ましい。しかしCrが4%を超えると固溶したCrによりフェライト組織の硬度が上昇し過ぎるため変形能が低下し、冷間鍛造時に割れが発生する。従ってCrは4%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。
Alは、鋼部品の電気抵抗を高め、渦電流損を低減して交流磁気特性を改善するのに作用する元素である。また、Alは、SiやCrと同様に、鋼部品の金属組織をフェライト化して交流磁気特性を向上する作用も有している。従ってAlは0.002%以上、好ましくは0.003%以上含有させる。しかし2.2%を超えて含有させると、鋼材の変形抵抗が大きくなり過ぎる。従ってAlは2.2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.8%以下、更に好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.1%以下である。
Nは、鋼材を時効硬化させる元素であり、0.01%を超えて含有すると鋼材の変形能が低下し、冷間鍛造時に割れが発生する原因となる。従ってNは0.01%以下、好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.005%以下である。Nはできるだけ低減することが望ましい。
O(酸素)は、鋼中に酸化物を形成し、鋼材の変形能を低下させて冷間鍛造時に割れを発生させる元素である。また、鋼中に形成された酸化物は交流磁気特性を劣化させる原因となる。従ってOは0.03%以下、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.005%以下である。Oはできるだけ低減することが望ましい。
本発明で用いる鋼材は、化学成分組成が上記範囲を満足すると共に、下記式(1)を満足する必要がある。下記式(1)は、鋼材に含まれる合金元素のうち、鋼材の変形抵抗に影響を及ぼす元素を抽出し、各元素の影響度合いに基づいて規定した関係式を示している。下記式(1)の左辺の値をZ値としたとき、Z値を2.8以下に抑えることによって変形抵抗を小さくでき、冷間鍛造性を改善できる。
即ち、C、Si、Mn、Cr、Alは、鋼材の電気抵抗を高め、渦電流損を低減して交流磁気特性を改善するのに作用する元素である。従って従来では積極的に添加されていた。しかしこれらの元素は、いずれも鋼中に固溶したり、析出物を形成して鋼材の強度を高め、鋼材の変形抵抗を大きくするのにも作用する。そのため含有量が多くなると、冷間鍛造性が劣化する傾向が認められた。
これに対し、本発明では、上述したように、軟磁性鋼部品の表層部にAl拡散層を形成することで、交流磁気特性を改善できるため、C、Si、Mn、Cr、Alの含有量を低減することができる。従って本発明では、これらの元素の含有量に基づいて算出されるZ値を2.8以下に抑えることで、鋼材の冷間鍛造性を向上させることができる。Z値は、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下である。
13×[C]+2×[Si]+[Mn]+[Cr]/5+[Al]≦2.8 ・・・(1)
上記鋼材の残部は、鉄および不可避不純物である。不可避不純物としては、原料、資材、製造設備等の状況によって混入する元素が許容される。
次に、上記軟磁性鋼部品を製造する方法について説明する。
本発明の軟磁性鋼部品は、表面にAl皮膜を有し、且つ部品形状に加工された鋼材を熱処理することで製造できる。Al皮膜を有する鋼材を熱処理することによって、鋼材の表層部にAlを均一に拡散浸透させることができるため、局所的にAl濃度が高くなることを防止しつつ交流磁気特性の向上に寄与する上記Al拡散層を形成できる。また、本発明で用いる鋼材は、上述したように、C、Si、Mn、Cr、Alの合金元素量に基づいて算出される上記Z値を所定値以下に抑えているため、変形抵抗が小さくなり、冷間鍛造性を良好にできるという作用も発揮される。
熱処理前の上記鋼材は、表面にAl皮膜を有し、部品形状に加工されていればよく、鋼材の表面にAl皮膜を形成する工程と、鋼材を部品形状に加工する工程の順番は特に限定されない。即ち、上記鋼材を部品形状に加工してからAl皮膜を形成してもよいし、上記鋼材にAl皮膜を形成してから部品形状に加工してもよい。部品形状への加工は、冷間鍛造によって行えばよい。
鋼材の表面にAl皮膜を形成する方法は特に限定されず、例えば、Al薄膜接合拡散法、化学気相蒸着(CVD)法、物理気相蒸着(PVD)法、めっき法等が挙げられる。めっき法としては、溶融Alめっき法や電気めっき法が挙げられる。これらの中でも溶融Alめっき法によって製造することが好ましい。
溶融Alめっき法でAl皮膜を形成する場合は、例えば、めっき浴として、純Alめっき浴や、Siを15質量%以下(0質量%を含まない)含有するAlめっき浴を用い、めっき浴の温度を800℃以下(例えば、650〜700℃)、浸漬時間を1〜10分間とすればよい。
上記熱処理は、850℃以上で1時間以上加熱する必要がある。加熱温度が850℃を下回るか、加熱時間が1時間より短いと、Alが鋼材内部へ充分に拡散浸透しないため、所望のAl拡散層を形成することができない。また、拡散浸透しないAlが最表面から5μm深さに残留するため、最大Al濃度が18質量%を超え、交流磁気特性が劣化する。
上記加熱温度は900℃以上とすることが好ましく、より好ましくは950℃以上である。加熱温度は、Alを表面側から内部に向かって拡散浸透させるために、できるだけ高く設定することが望ましい。高温加熱することで、表層部にFeAlなどの非磁性相が生成するのを抑制できる。
上記加熱時間は3時間以上であることが好ましく、より好ましくは5時間以上である。加熱時間は、Alを表面側から内部に向かって拡散浸透させるために、できるだけ長くすることが望ましい。但し、加熱時間を長くし過ぎると生産性が悪くなるため、上限は例えば15時間とするのがよい。
上記熱処理は、還元性雰囲気で行うのがよい。還元性ガスとしては、例えば、水素を含有すればよい。
上記加熱温度に加熱するときの昇温速度は、例えば、100〜400℃/時間とすればよい。また、熱処理後、室温まで冷却するときの降温速度は、例えば、100〜400℃/時間とすればよい。
こうして得られる本発明に係る軟磁性鋼部品は、例えば、自動車や産業機械に実装されている部品のうち、磁力を介して駆動する電装部品や電磁コイルの鉄芯として用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実験例1では、軟磁性鋼部品の素材となる鋼材の冷間鍛造性について評価し、下記実験例2では、実験例1で得られた冷間鍛造性に優れた鋼材を用いて製造した軟磁性鋼部品の交流磁気特性を評価した。
[実験例1]
下記表1に示す化学成分組成の鋼(残部は鉄および不可避不純物)を真空溶製して150kgの溶製材を作製した。下記表1に、上記式(1)の左辺の値(Z値)を算出して示す。[ ]は、各元素の含有量を示している。
Z値=13×[C]+2×[Si]+[Mn]+[Al]+[Cr]/5
得られた溶製材を鍛伸加工して直径40mmの鋼材を製造し、次の手順で冷間鍛造性を評価した。
〈冷間鍛造性の評価〉
鋼材の冷間鍛造性は、試験片を50%圧縮加工したときの変形抵抗と、圧縮加工したときの変形能で評価した。具体的には、鋼材の変形抵抗(N/mm2)は、上記鋼材から直径16mm×高さ24mmの試験片を切り出し、試験片の高さが50%となるように圧縮加工して測定した。圧縮加工は、ひずみ速度10/秒で端面拘束圧縮して行った。測定した変形抵抗を下記表2に示す。本発明では、変形抵抗が580N/mm2未満を合格、580N/mm2以上を不合格として評価した。
また、測定した変形抵抗の値と上記Z値との関係を図1に示す。
一方、鋼材の変形能は、上記条件で圧縮加工した後、試験片を目視および光学顕微鏡(観察倍率:40倍)で観察し、割れ発生の有無を調べて評価した。割れ発生の有無を下記表2に示す。割れが発生してない場合を合格、割れが発生している場合を不合格とする。
本発明では、上記変形抵抗と変形能の両方が合格基準を満足している場合を「冷間鍛造性に優れている」と評価し、少なくともいずれか一方が合格基準を満足していない場合を「冷間鍛造性に劣る」と評価した。
下記表2と図1から次のように考察できる。
No.1、2、4、6、10、12は、鋼材の成分組成が本発明で規定する要件を満足する例であり、変形抵抗が580N/mm2未満で、且つ圧縮加工時に割れが発生しておらず、冷間鍛造性に優れている。
これに対し、No.3、5、7〜9、11、13〜16は、鋼材の成分組成が本発明で規定する要件を満足していない例であり、変形抵抗が580N/mm2以上であるか、圧縮加工時に割れが発生したため、冷間鍛造性に劣っている。
詳細には、No.3、5、7、13は、夫々、C、Si、Mn、Alが本発明で規定する上限値を超えている例であり、上記Z値が2.8より大きいため、変形抵抗が580N/mm2以上になった。No.8は、Pが本発明で規定する上限値を超えている例である。Pの粒界偏析量が増加したため、変形能が低下し、圧縮加工時に割れが発生した。No.9は、Sが本発明で規定する上限値を超えている例である。硫化物が粒界に多く析出したため、変形能が低下し、割れが発生した。No.11は、Crが本発明で規定する上限値を超えている例である。固溶したCrによりフェライト組織の硬度が上昇し過ぎて変形能が低下し、圧縮加工時に割れが発生した。No.14は、Nが本発明で規定する上限値を超えている例である。過剰なNによって時効硬化して変形能が低下し、割れが発生した。No.15は、Oが本発明で規定する上限値を超えている例である。過剰なOにより鋼中に酸化物が多く生成し、この酸化物が鋼材の変形能を低下させ、圧縮加工時に割れが発生した。No.16は、成分組成は本発明で規定する範囲を満足しているが、C、Si、Mn、AlおよびCrの量が多いため、上記Z値が2.8を超えた例である。従って変形抵抗が580N/mm2以上となり、冷間鍛造性に劣っている。
Figure 0005427596
Figure 0005427596
[実験例2]
上記実験例1で得られた本発明で規定する成分組成を満足する鋼種Aおよび鋼種Dからリング状の試験片を切り出し、この試験片にAl拡散層を設けたときの交流磁気特性を次の手順で評価した。
上記実験例1で得られた鋼材(直径40mm)から、外径38mm、内径30mm、厚み4mmのリング状試験片を切り出し、この試験片の表面に、溶融Alめっき法によりAl皮膜を形成した後、熱処理して表面のAlを試験片内部へ拡散浸透させた。また、比較例では、粉末塗布法により試験片の表面から内部へAlを拡散浸透させた。
溶融Alめっきは、上記リング状試験片を、Siを約10質量%含有する溶融Alめっき浴(浴温は670℃)に2分浸漬して行った。浸漬後、水素還元雰囲気中で、下記表3に示す温度まで昇温速度300℃/時間で加熱した後、この温度で下記表3に示す時間保持して熱処理し、Alを試験片内部へ拡散浸透させた。熱処理後は、室温まで降温速度300℃/時間で室温まで冷却した。
粉末塗布法では、Al粉末(500g)およびAl23粉末(500g)を等量混合した混合粉に、NH4Clを10g加えたものをスレンレスケースに入れ、この中に上記リング状試験片を埋め込み、水素還元雰囲気中で、900℃で、3時間保持して熱処理し、Alを試験片内部へ拡散浸透させた。
下記表3に、Al皮膜を形成した方法、熱処理時の加熱温度、および保持時間を夫々示す。
次に、Al拡散層を形成した試験片の最表面から5μm深さにおけるAl濃度をEPMA(日本電子株式会社製「JXA−8900RL(装置名)」)で測定した。測定は4箇所で行った。
Al皮膜を溶融Alめっき法で形成したものを熱処理して得られた試験片では、測定箇所を変えてもAl濃度の測定結果にバラツキは殆ど無かったため、下記表3には4箇所で測定した結果の平均値を最大Al濃度として示した。なお、4箇所で測定したときのAl濃度の最大値(Almax)と最小値(Almin)の比(Almax/Almin)は、2以下であった。
一方、粉末塗布法によりAlを拡散浸透させた試験片では、測定箇所によってAl濃度の測定結果にバラツキがあったため、下記表3には4箇所で測定した結果を最大Al濃度の欄に個別に示した。表3から明らかなように、粉末塗布法では、最表面から5μm深さにおけるAl濃度の最大値(Almax)と最小値(Almin)の比(Almax/Almin)は、2を超えていることが分かる。
また、Al拡散層を形成した試験片の表層部におけるAl濃度を上記EPMAで測定し、1〜13質量%のAlを含有するAl拡散層の厚みを求めた。結果を下記表3に示す。また、試験片の表層部では、最表面のAl量が最も多く、中心部に向かうほどAl量は減少しており、傾斜組成であることが分かった。
次に、熱処理して得られた試験片の交流磁気特性を評価した。
〈交流磁気特性の評価〉
交流磁気特性は、試験片の交流最大磁束密度を測定して評価した。交流最大磁束密度の値が大きくなるということは、Al拡散層が形成されることで表層部の電気抵抗が大きくなり、渦電流損が低減される結果、交流磁気特性が改善されていることを示している。詳細な測定方法は次の通りである。熱処理した試験片に、磁界印加用の1次コイルと磁束検出用の2次コイルを巻線し、自動磁化測定装置(岩通製BHアナライザ:SY−8232)を用いてB−H曲線を測定し、交流最大磁束密度を求めた。B−H曲線を測定するにあたって、鉄損に伴う発熱によって、試験片の温度が上昇するのを防止するため、試験片は絶縁処理したうえで、20℃の水中に浸漬しながら測定を行った。交流最大磁束密度は、磁界振幅を4000A/m、周波数を10kHzとしたときの値を求めた。結果を下記表3に示す。
比較材として、上記鋼種Aおよび鋼種Dから切り出したリング状の試験片に、Al拡散層を設けないで、上記と同様に、磁界印加用の1次コイルと磁束検出用の2次コイルを巻線し、B−H曲線を測定して交流最大磁束密度を求めた。その結果、鋼種Aの交流最大磁束密度は122mT、鋼種Dの交流最大磁束密度は190mTであった。Al拡散層を設けなった場合の交流最大磁束密度に対するAl拡散層を設けた場合の交流最大磁束密度の比(Al拡散層有り/Al拡散層無し)を算出し、下記表3に示す。
交流最大磁束密度の比の値に基づいて、下記基準で交流磁気特性を評価し、評価結果を下記表3に併せて示す。
<評価基準>
◎(合格):交流最大磁束密度の比が1.30以上
(即ち、Al拡散層を設けなかった比較材の交流最大磁束密度に対して30%以上増加。)
○(合格):交流最大磁束密度の比が1.10以上、1.30未満
(即ち、Al拡散層を設けなかった比較材の交流最大磁束密度に対して10%以上、30%未満の範囲で増加。)
×(不合格):交流最大磁束密度の比が1.10未満
(即ち、Al拡散層を設けなかった比較材の交流最大磁束密度に対して増加量が10%未満に留まる。)
下記表3から次のように考察できる。
溶融Alめっき法でAl皮膜を形成した例のうち、No.21、22、32、33は、Al皮膜形成後の熱処理条件が本発明で規定する要件を満足していないため、試験片の最表面から5μm深さにAlが18質量%を超えて存在し、また試験片の表層部にAlを1〜13質量%含有するAl拡散層を所定厚み以上形成できていないため、交流磁気特性を充分に改善できなかった。
これに対し、No.23〜31、34〜42は、Al皮膜形成後、本発明で規定する要件を満足する熱処理を行っているため、試験片の最表面から5μm深さにおける最大Al濃度を18質量%以下に抑えたうえで、試験片の表層部にAlを1〜13質量%含有するAl拡散層を40μm以上形成できているため、Al拡散層を設けない比較材に比べて交流磁気特性を改善できている。特に、Al拡散層の厚みが100μm以上の場合には、交流最大磁束密度の比が1.30以上となり、交流磁気特性に特に優れていることが分かる。
一方、粉末塗布法でAlを拡散浸透させた例では、No.43−1〜43−4に示すように、試験片の最表面から5μm深さにおけるAl濃度にバラツキが生じ、最大Al濃度が18質量%を超える箇所があった。そのためAlを1〜13質量%含むAl拡散層を80μmの厚みで形成させても、試験片の表層部に非磁性相が形成され、交流磁気特性を充分に改善できなかった。
次に、図2に、Al拡散層の厚みと交流最大磁束密度の比との関係を示す。図2では、鋼種Aを用いたNo.21〜31の結果を○で、鋼種Dを用いたNo.32〜42の結果を▲で示した。図2から明らかなように、Al拡散層の厚みが大きくなるほど、交流最大磁束密度の比も大きくなる傾向が認められ、交流磁気特性を改善できることが分かる。
Figure 0005427596

Claims (5)

  1. 化学成分組成が、
    C :0.002〜0.20%(質量%の意味。以下同じ。)、
    Si:1.2%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.05〜2.6%、
    P :0.05%以下(0%を含まない)、
    S :0.05%以下(0%を含まない)、
    Cr:4%以下(0%を含まない)、
    Al:0.002〜2.2%、
    N :0.01%以下(0%を含まない)、
    O :0.03%以下(0%を含まない)、
    残部:鉄および不可避不純物で、且つ
    下記式(1)を満足する鋼材の表層部に、1〜13質量%のAlを含有し、且つ最表面側から中心部に向かってAl量が減少するAl拡散層が形成された軟磁性鋼部品であり、
    前記軟磁性鋼部品の最表面から5μm深さにおける最大Al濃度が18質量%以下(0質量%を含まない)で、
    前記Al拡散層の厚みが40μm以上であることを特徴とする交流磁気特性に優れた軟磁性鋼部品。
    13×[C]+2×[Si]+[Mn]+[Cr]/5+[Al]≦2.8・・・(1)
    [式(1)中、[ ]は、各元素の含有量を示している。]
  2. 最表面から5μm深さにおけるAl濃度を複数箇所測定したときに、最大値(Almax)と最小値(Almin)の比(Almax/Almin)が2以下(0を含まない)である請求項1に記載の軟磁性鋼部品。
  3. 前記Al拡散層の厚みが100μm以上である請求項1または2に記載の軟磁性鋼部品。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性鋼部品を製造する方法であって、
    表面にAl皮膜を有し、部品形状に加工された鋼材を100〜400℃/時間の昇温速度にて850℃以上まで加熱した後、この温度で1時間以上加熱保持することを特徴とする交流磁気特性に優れた軟磁性鋼部品の製造方法。
  5. 前記加熱保持は、1時間以上15時間以下とする請求項4に記載の製造方法。
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