JP3463417B2 - 優れた磁気特性が安定して得られる方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
優れた磁気特性が安定して得られる方向性珪素鋼板の製造方法Info
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Description
他の電気機器の鉄心材料として使用される方向性珪素鋼
板における、磁気特性が製品間あるいは製品の部位によ
って変化することのない、すなわち優れた磁気特性が安
定して得られる方向性珪素鋼板の製造方法に関する。
磁気特性に優れること、具体的には磁場の強さ800A/mに
おける磁束密度B8値(T)が高く、また50Hzの交流磁束
密度1.7 Tにおける鉄損特性W17/50値(W/Kg)が低いこ
とが要求される。このため方向性珪素鋼板は、二次再結
晶を利用して{110}〈001〉方位いわゆるゴス方
位の結晶粒を発達させたものである。そして磁気特性の
優れた材料を得るには、磁化容易軸である〈001〉軸
を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、適当な圧
延と熱処理を組み合わせた諸工程によって、ゴス方位に
二次再結晶粒を安定して発達させることが重要である。
これには、インヒビターと呼ばれる、AlN,MnSまたはMnS
e等の析出物を均一かつ微細に分散させることが肝要で
ある。
高くすることが、二次再結晶粒をゴス方位に発達させる
のに有効であることも知られているが、実際に最終冷間
圧延の圧下率を80〜95%として製品を製造すると、二次
再結晶が非常に不安定になり、特に今日のように最終製
品の板厚が薄くなると、工業化するのは非常に困難であ
った。
特公昭62−50529 号公報には、熱間圧延終了後かつ最終
冷間圧延前の工程途中にて、Cを0.0070〜0.030 wt%ま
で脱炭させることが開示されている。すなわち、AlN と
MnS をインヒビターとして用いる方向性珪素鋼板の製造
において、従来は最終冷延後に一度行われていた脱炭焼
鈍を最終冷延前と後との二度に分けて行うことにより、
磁性の不安定性を克服しようとしたものである。
第1回目の脱炭による脱炭量の制御が困難な上、二次再
結晶挙動もあまり安定しないため、特にコイル状で行わ
れる最終二次再結晶焼鈍時にコイルの巻厚の中間部で不
完全な二次再結晶が生じることがある。また、得られた
製品のB8も平均1.92Tほどと期待値1.92〜1.95Tより低
いことも問題であった。
の優れた方向性珪素鋼板を工業的に安定かつ比較的容易
に得ることの出来る製造方法について提案することを目
的とするものである。
ー形成成分として、Mn:0.02〜0.15wt%, Se:0.005〜
0.060 wt%, Al:0.010 〜0.06wt%およびN:0.0030〜
0.0120wt%を含有する方向性珪素鋼素材に、熱間圧延を
施した後、圧下率80〜95%の最終冷間圧延を含む1回な
いし中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板
厚とし、さらに脱炭焼鈍、ついで焼鈍分離剤を塗布して
最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によって方向性珪素鋼
板を製造するに当り、該脱炭焼鈍前の鋼板表面の酸化物
量を酸素目付け量で0.02〜0.10g/m2に調整し、その後の
脱炭焼鈍を、鋼板の表面温度が500 〜750 ℃にある昇温
過程では雰囲気における水素分圧に対する水蒸気分圧の
比を0.3 〜0.5 に、鋼板の表面温度が750 〜850 ℃にあ
る上記昇温過程後の均熱過程を含む過程では雰囲気にお
ける水素分圧に対する水蒸気分圧の比を0.5 〜0.8に、
それぞれ制御することを特徴とする優れた磁気特性が安
定して得られる方向性珪素鋼板の製造方法である。
として、Mn:0.02〜0.15wt%, Se:0.005 〜0.060 wt
%, Al:0.010 〜0.06wt%およびN:0.0030〜0.0120wt
%を含み、さらにCu:0.03〜0.20wt%を含有する方向性
珪素鋼素材に、熱間圧延を施した後、圧下率80〜95%の
最終冷間圧延を含む1回ないし中間焼鈍を挟む2回以上
の冷間圧延を施して最終板厚とし、さらに脱炭焼鈍、つ
いで焼鈍分離剤を塗布して最終仕上げ焼鈍を施す一連の
工程によって方向性珪素鋼板を製造するに当り、該脱炭
焼鈍前の鋼板表面の酸化物量を酸素目付け量で0.02〜0.
10g/m2に調整し、その後の脱炭焼鈍を、鋼板の表面温度
が500 〜750 ℃にある昇温過程では雰囲気における水素
分圧に対する水蒸気分圧の比を0.2 〜0.65に、鋼板の表
面温度が750 〜850 ℃にある上記昇温過程後の均熱過程
を含む過程では雰囲気における水素分圧に対する水蒸気
分圧の比を0.5 〜0.8 に、それぞれ制御することを特徴
とする優れた磁気特性が安定して得られる方向性珪素鋼
板の製造方法である。
と高くした場合、二次再結晶現象が不安定となる傾向に
あるから、それを克服する技術に関する。ここで、高い
圧下率での冷間圧延には、MnSe+AlN 系のインヒビター
が適していることが知られている。すなわち、MnSe系と
AlN 系の析出物は共存することにより複合的な析出物を
形成し、インヒビション効果が強化されるため、得られ
る製品のB8値が高くなるのである。しかし、それだけで
は、工業的に安定的に磁性良好な製品を得るには不充分
であった。
冷間圧延に適しているMnSe+AlN 系のインヒビターを用
いた場合に、得られる製品の磁気特性がばらつく原因に
ついて種々の検討を重ねたところ、MnSe+AlN 系のイン
ヒビターは二次再結晶焼鈍中に解離しやすく、それによ
って二次再結晶が起こりにくくなるのが、製品に優れた
磁気特性が安定して得られないことの主要原因であるこ
とを究明した。さらに、種々の研究を重ねた結果、MnSe
+AlN 系インヒビターを用いて、二次再結晶焼鈍前の鋼
板の被膜や焼鈍雰囲気を制御することによって、二次再
結晶焼鈍中にインヒビターが解離固溶するのを防止でき
ることを知見するに到ったのである。特に、脱炭焼鈍の
昇温過程中に生じる表面酸化物の量と質が重要な役割を
及ぼすことを見出し、その条件及び前後工程の条件との
組み合わせによって、得られる製品の磁気特性の安定化
を実現した。この手法は、従来知られている、インヒビ
ターを適当に微細に分散析出させる、または二次再結晶
に適当な集合組織を中間工程で制御する手法とはまった
く異なる技術である。
は、最終製品厚まで冷間圧延を施した後、脱炭焼鈍を施
すのが通例である。この脱炭焼鈍は、通常湿水素と窒素
の混合雰囲気中で行われ、その際脱炭反応と同時に鋼板
表面にシリカ,ファイアライト等のSi−Fe−O系の酸化
物の複雑な混合物層が生じる。発明者等がこの脱炭条件
と二次再結晶の関連を詳細に調べた結果、これらの酸化
物は、その後の二次再結晶焼鈍中に地鉄中のインヒビタ
ーの解離固溶挙動あるいは表面における反応挙動に多大
なる影響を及ぼし、場合によっては二次再結晶を阻害す
る因子になることが判明した。これらの因子の作用につ
いて全てがまだ解明されているわけではないが、良好な
磁気特性を安定して工業的規模で得るためには、以下の
制御方法が有利であることを見出したのである。
脱炭焼鈍について、特にこの脱炭焼鈍温度域に至る500
〜750 ℃の温度域における、焼鈍雰囲気の制御が重要で
ある。ここで、800 〜850 ℃の脱炭焼鈍の雰囲気酸化
性、すなわち水素分圧に対する水蒸気分圧の比(以下、
P(H2O) /P(H2)と示す)を0.6 として、昇温区間500
〜750 ℃の間のP(H2O) /P(H2)を種々の値に制御した
場合の最終製品における不完全二次再結晶の発生率に関
する調査結果を、図1に示す。この調査では、測定した
B8値が1.92T未満の値を示した場合に二次再結晶が不完
全であったと判断し、コイル長さ全長に占める不完全二
次再結晶部分の長さの比を不完全二次再結晶発生率とし
て示したものである。図1から明らかなように、P(H
2O) /P(H2)が0.3 〜0.5 の適正範囲を外れると不完全
二次再結晶の発生率は増加する。この不良部の入ったコ
イルは製品として使用できないので最終製品における良
品の割合はさらに大幅に低下する。従って、二次再結晶
を安定化するには、P(H2O) /P(H2)を0.3 〜0.5 の範
囲に制御することが肝要である。
の雰囲気の酸化性が大切であり、P(H2O) /P(H2)を0.
5 〜0.8 の範囲に制御する必要がある。なぜなら、0.5
よりも小さくなると脱炭不足になり、2次再結晶粒が生
成できないため、磁気特性は劣化する。また、0.8 をこ
えると、酸化物量が過度となり、仕上焼鈍後に良好なFe
−Si−O系の酸化物被膜が得られず、この場合もまた磁
気特性が劣化する。
を制御することによって二次再結晶が安定化する機構に
関しては、まだ充分に解明されていないが、形成される
Fe−Si−O系の酸化物の質の変化、すなわち物質の違い
に加えて、例えば地鉄結晶上にエピタキシアルに成長し
たり、アモルファス状になったりする、形成モルホロジ
ーの変化等が、地鉄と雰囲気の反応を制御する役割を果
たしているためと考えられる。
す影響を簡便に評価するために、脱炭焼鈍後の鋼板を塩
酸中に一定条件で浸漬して鋼板表面での反応を促進した
際の鋼板の重量変化を測定する評価方法を発明者等が開
発し、それを指標とした。以下、この重量変化を指標PL
と称して用いるが、その有効性は図2に示すとおりであ
る。すなわち、図2にはPLが0.5 以下であれば、良好な
特性が得られることが示されている。
PLに及ぼす影響をも示している。すなわち、昇温区間50
0 〜750 ℃の間のP(H2O) /P(H2)を0.3 〜0.5 に制御
することによって、二次再結晶は完全となる。また、そ
の際重量変化は鋼板の片側で0.5g/m2 以下となることが
肝要である。
とに加えて、脱炭焼鈍開始前に鋼板表面に生成した酸化
物の量(通常酸素目付け量で表す)が製品の磁気特性及
び二次再結晶の安定性に影響を与えていることが、種々
の研究の結果明らかになった。
に対して、酸洗およびブラッシングを種々の条件で施し
て、鋼板表面に残存する酸化物量を調整して、磁気特性
に及ぼす酸化物の影響について調べた結果を図3に示
す。なお、同図に示された実験の脱炭焼鈍は、500 〜75
0 ℃間の雰囲気のP(H2O) /P(H2)を0.45、その後の84
0 ℃における雰囲気のP(H2O) /P(H2)を0.55で行っ
た。図3に示すように、鋼板の酸化物量を酸素目付け量
で0.02〜0.10g/m2に調整することによって、製品の磁束
密度を高めることができる。
るために以下の方法を発明した。すなわち、方向性珪素
鋼素材にCu:0.03〜0.20wt%を含有させると、より広い
範囲の条件で安定して高い磁束密度を得ることが可能で
ある。ここで、図4には、Cuを添加することでPLが無添
加の時に比して低下することが示されている。このPLの
低下は、図2に示した脱炭雰囲気の適応範囲を緩和する
ことになり、P(H2O) /P(H2)で 0.2〜0.65が良好な磁
気特性を安定的に得られる条件範囲となる。しかしなが
ら、0.20wt%より多量のCuを添加すると、Cuは期待する
PL減少効果以外に、Cu−Se系の析出物を形成して、むし
ろ2次再結晶に悪影響を及ぼし磁気特性を劣化する。従
って、Cu添加量は0.20wt%以下でなければならない。
素材は、以下に示す成分組成に成ることが好ましい。ま
ず、Cは素材中に0.04〜0.12wt%で含有する必要があ
る。なぜなら、0.04wt%未満では熱間圧延時に適正なる
集合組織が得られなくなり、最終製品で充分な磁気特性
が得られない。一方、0.12wt%をこえると、脱炭焼鈍工
程で充分に脱炭することが、工業的に困難となる。Si
は、素材中に2.0 〜4.5 %で含有する必要がある。なぜ
なら、2.0 wt%未満では、最終製品で充分な磁気特性が
得られない。一方、4.5 wt%をこえると、二次再結晶が
困難になると同時に加工性が悪くなり工業的実施が困難
となる。
は、さらに以下のインヒビター成分を含有することが必
須である。Mnは、素材中に0.02〜0.15wt%で含有する必
要がある。なぜなら、0.02%未満では、熱間圧延時の加
工性が悪くなり著しく表面形状が害されるとともに、二
次再結晶に必要なインヒビター量が不足するため二次再
結晶が不完全となる。一方、0.15%をこえると、熱間圧
延の際に行うスラブ加熱の温度を高くしてMnSeを解離固
溶しなければならず、工業的に不利である。
る必要がある。なぜなら、0.005 wt%未満では、二次再
結晶に必要なインヒビター量が不足するため二次再結晶
が不完全となる。また、0.06%をこえると、熱間圧延の
際に行うスラブ加熱の温度を高くしてMnSeを解離固溶し
なければならず、工業上好ましくない。
ンヒビター、すなわちSb, Sn, Bi,B等を必要に応じて
添加することが可能である。
0.20wt%の範囲で含有することが有利である。すなわ
ち、Cuを含有することによって、2次再結晶をより広範
囲な脱炭焼鈍範囲で行なえるようになり、より安定的に
良好な磁性を得ることができる。しかし、0.20wt%をこ
えると、2次再結晶に悪影響を与えB8値が劣化する。ま
た、0.03wt%より少ないと、添加効果はほとんどない。
脱炭焼鈍の鋼板表面温度が500 〜750 ℃にある過程にお
けるP(H2O) /P(H2)を、鋼板の表面温度が500 〜750
℃にある過程では0.2 〜0.65に緩和できるが、この上下
限の限定理由は、Cuを含有しない場合と同様である。
従って熱間圧延する。熱間圧延後は1回ないし2回以上
の冷間圧延を施し製品厚にするが、ここで最終冷間圧延
の圧下率を80〜95%にする必要がある。すなわち、圧下
率が80%未満では高度に高い方向性を得ることができな
い。また95%を上回ると二次再結晶が生じなくなる。
焼鈍を施すが、脱炭焼鈍前に該鋼板の両表面上には酸素
目付け量で0.02〜0.10g/m2の酸化物が存在している必要
がある。酸化物量がこの範囲を外れると、磁気特性が劣
化する。
域で行う。すなわち、800 ℃未満では、脱炭速度が遅く
工業的に好ましくない上、磁気特性の劣化をもたらす。
一方850 ℃をこえると、被膜特性を劣化するとともに、
二次再結晶も不完全になる。
0 ℃における雰囲気の酸化性が重要であり、P(H2O) /
P(H2)を0.3 〜0.5 の範囲に、またCuを所定量含有する
場合は0.2 〜0.65の範囲に、それぞれ制御する必要があ
る。すなわち、P(H2O) /P(H2)が0.3 または0.2 未満
になると、二次再結晶が不完全になる現象が頻発する。
一方、0.5 または0.65をこえると、過剰な酸化雰囲気の
ために炉内に生成した酸化物がロール等に付着、堆積し
て鋼板表面に押し込み状の傷を発生して商品価値が消失
する。
脱炭終了までのP(H2O) /P(H2)を昇温時より高い0.5
〜0.8 に制御する必要がある。この範囲を逸脱すると、
磁気特性の不良や被膜外観不良が発生する。尚、この発
明は、いわゆる磁性細分化技術を施した鋼板にも同様に
適用して同様の効果が得られる。
022 wt%, Al:0.024wt%及びN:0.0090wt%を含有す
る鋼スラブを熱間圧延により熱延板とし、1100℃の中間
焼鈍を挟む最終冷間圧延率85%の2回冷間圧延法で最終
製品板厚(0.23mm)とした。次いで、最終冷間圧延後に
鋼板表面に洗浄およびブラッシングを施して、鋼板表面
に残留する酸化物を酸素目付け量で、表1に示すように
変化させた。引き続く脱炭焼鈍は、550 〜750 ℃間の昇
温段階は昇温部の水蒸気導入量を調整して、雰囲気酸化
性を表1に示す4水準に分離して行った。また、脱炭焼
鈍の均熱段階は835 ℃で雰囲気酸化性はP(H2O) /P(H
2):0.5, 0.6および0.7 で行った。かくして得られた製
品板について、二次再結晶状態、良品率及び良好部の磁
気特性を調べた。その結果を表1に併記する。なお、製
品は、コイル長手方向にて連続的に鉄損を測定し、その
値が板厚毎に定められた、閾値を満足していれば2次再
結晶状態が完全と判定し、その閾値を満足しているコイ
ル長手方向の長さ比率を良品率として評価した。又閾値
を満足していない部分を取り除いた残りの部分を良好部
という。
023 wt%, Al:0.025wt%及びN:0.0085wt%を含み、
さらにCu:0.16wt%を含有する鋼スラブを熱間圧延によ
り熱延板とし、1100℃の中間焼鈍を挟む最終冷間圧延率
85%の2回冷間圧延法で最終製品板厚(0.23mm)とし
た。次いで、最終冷間圧延後に鋼板表面に洗浄およびブ
ラッシングを施して、鋼板表面に残留する酸化物を酸素
目付け量で、0.003g/m2, 0.045g/m2および0.22g/m2の3
種とした。引き続く脱炭焼鈍は、550 〜750 ℃間の昇温
段階は昇温部の水蒸気導入量を調整して、P(H2O) /P
(H2):0.2, 0.4および0.6 の3水準に分離して行った。
また、脱炭焼鈍の均熱段階は、835 ℃で雰囲気の酸化性
はP(H2O) /P(H2):0.5 および0.6 で行った。
晶状態、良品率及び良品部の磁気特性を、表2に示すよ
うに、Cuを含有することによって、脱炭焼鈍の550 〜75
0 ℃間の昇温段階におけるP(H2O) /P(H2)を0.2 また
は0.6 としても、優れた磁気特性が安定して得られるこ
とがわかる。
023 wt%, Al:0.024wt%、N:0.0085wt%を含み、さ
らにSb:0.020 wt%を含有する鋼スラブを熱間圧延によ
り熱延板とし、その後1100℃の中間焼鈍を挟む最終冷間
圧延率85%の2回冷間圧延法で最終製品厚(0.23mm) と
した。次いで、最終冷間圧延後に鋼板表面に洗浄および
ブラッシングを施して、鋼板表面に残留する酸化物を酸
素目付け量で、0.05g/m2にした。引き続く脱炭焼鈍は、
550 〜750 ℃間の昇温段階は昇温部の水蒸気導入量を調
整して、P(H2O) /P(H2):0.2, 0.4および0.6 の3水
準に分離して行った。また、脱炭焼鈍の均熱段階は、83
5 ℃で雰囲気の酸化性はP(H2O) /P(H2):0.5 および
0.6 で行った。かくして得られた製品板の二次再結晶状
態、良品率および良好部の磁気特性について調べた結果
を表3に併記する。
020 wt%, Al:0.025wt%、N:0.0088wt%、Cu:0.12w
t%を含み、さらにSb:0.04wt%を含有する鋼スラブを
熱間圧延により熱延板とし、その後1100℃の中間焼鈍を
挟む最終冷間圧延率85%の2回冷間圧延法で最終製品厚
(0.23mm) とした。次いで、最終冷間圧延後に鋼板表面
に洗浄およびブラッシングを施して、鋼板表面に残留す
る酸化物を酸素目付け量で、0.05g/m2になる様にした。
引き続く脱炭焼鈍は、550 〜750℃間の昇温段階は昇温
部の水蒸気導入量を調整して、P(H2O) /P(H2):0.2,
0.4, 0.6 および0.8 の4水準に分離して行った。ま
た、脱炭焼鈍の均熱段階は、835 ℃で雰囲気の酸化性は
P(H2O) /P(H2):0.5 および0.6 で行った。かくして
得られた製品板の二次再結晶状態、良品率および良好部
の磁気特性について調べた結果を表4に併記する。
定して得られため、方向性珪素鋼板の工業的生産を有利
に実現し得る。
結晶発生率との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
を示すグラフである。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 インヒビター形成成分として、Mn:0.02
〜0.15wt%, Se:0.005〜0.060 wt%, Al:0.010 〜0.0
6wt%およびN:0.0030〜0.0120wt%を含有する方向性
珪素鋼素材に、熱間圧延を施した後、圧下率80〜95%の
最終冷間圧延を含む1回ないし中間焼鈍を挟む2回以上
の冷間圧延を施して最終板厚とし、さらに脱炭焼鈍、つ
いで焼鈍分離剤を塗布して最終仕上げ焼鈍を施す一連の
工程によって方向性珪素鋼板を製造するに当り、該脱炭
焼鈍前の鋼板表面の酸化物量を酸素目付け量で0.02〜0.
10g/m2に調整し、その後の脱炭焼鈍を、鋼板の表面温度
が500 〜750 ℃にある昇温過程では雰囲気における水素
分圧に対する水蒸気分圧の比を0.3 〜0.5 に、鋼板の表
面温度が750 〜850 ℃にある上記昇温過程後の均熱過程
を含む過程では雰囲気における水素分圧に対する水蒸気
分圧の比を0.5 〜0.8に、それぞれ制御することを特徴
とする優れた磁気特性が安定して得られる方向性珪素鋼
板の製造方法。 - 【請求項2】 インヒビター形成成分として、Mn:0.02
〜0.15wt%, Se:0.005〜0.060 wt%, Al:0.010 〜0.0
6wt%およびN:0.0030〜0.0120wt%を含み、さらにC
u:0.03〜0.20wt%を含有する方向性珪素鋼素材に、熱
間圧延を施した後、圧下率80〜95%の最終冷間圧延を含
む1回ないし中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施し
て最終板厚とし、さらに脱炭焼鈍、ついで焼鈍分離剤を
塗布して最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によって方向
性珪素鋼板を製造するに当り、該脱炭焼鈍前の鋼板表面
の酸化物量を酸素目付け量で0.02〜0.10g/m2に調整し、
その後の脱炭焼鈍を、鋼板の表面温度が500 〜750 ℃に
ある昇温過程では雰囲気における水素分圧に対する水蒸
気分圧の比を0.2 〜0.65に、鋼板の表面温度が750 〜85
0 ℃にある上記昇温過程後の均熱過程を含む過程では雰
囲気における水素分圧に対する水蒸気分圧の比を0.5 〜
0.8 に、それぞれ制御することを特徴とする優れた磁気
特性が安定して得られる方向性珪素鋼板の製造方法。
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JP6-237079 | 1994-09-30 | ||
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