JPH0114157B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自走式クレーンに用いられる多段伸
縮ブームの油圧伸縮式の三段伸縮ブーム部分に関
するものである。

（従来の技術） 多段伸縮ブームにおける油圧伸縮式の三段伸縮
ブーム部分は、基段ブーム、基段ブーム内へ伸縮
自在に嵌挿した中間ブームおよび、中間ブーム内
に伸縮自在に嵌挿した先段ブームを備えており、
且つ基段ブームと中間ブーム間および中間ブーム
と先段ブーム間に夫々中間ブーム伸縮用の油圧シ
リンダおよび先段ブーム伸縮用の油圧シリンダを
介装している。このためこの三段伸縮ブーム部分
を最伸長して使用する際には、前記中間ブーム伸
縮用の油圧シリンダの一部（中間ブームへの連結
側）および前記先段ブーム伸縮用の油圧シリンダ
が三段伸縮ブーム部分の先端側に移動して当該先
端側の重量を増大するので、吊上能力が低下する
という問題があつた。

一般に多段伸縮ブームは、これを最伸長状態で
使用するひん度が多く、このため油圧伸縮式の多
段伸縮ブームの三段伸縮ブーム部分もこれを最伸
長状態にしたまま使用されることが多い。このた
め、油圧伸縮式の三段伸縮ブーム部分を最伸長に
した際、当該三段伸縮ブーム部分における中間ブ
ーム伸縮用の油圧シリンダおよび先段ブーム伸縮
用の油圧シリンダの自重による吊上能力の低下
は、自走式クレーンの性能を大きく阻害してい
た。

本発明は、多段伸縮ブームにおける油圧伸縮式
の三段伸縮ブーム部分における基段ブームと中間
ブーム間および中間ブームと先段ブーム間に夫々
介装した油圧シリンダを、三段伸縮ブーム部分の
最伸長状態において基段ブーム内へ収容して三段
伸縮ブーム部分の先端側の自重を可及的に軽減さ
せ、以つて自走式クレーンの性能を増大すること
のできる新規な三段伸縮ブーム部分を提供しよう
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するた
め、次の如く構成する。

基段ブーム内に中間ブームを、中間ブーム内に
先段ブームを順次伸縮自在に嵌挿してなる三段伸
縮ブーム部分であつて、中間ブームの基端部に解
除可能に連結された連結具を取り付け、基段ブー
ムと前記連結具間に中間ブーム伸縮用の油圧シリ
ンダを配設し、且つ前記連結具と先段ブーム間に
先段ブーム伸縮用の油圧シリンダを配設し、前記
先段ブーム伸縮用油圧シリンダの先段ブーム側へ
の連結を解除可能に構成すると共に、基段ブーム
先端部と中間ブーム基端部間および中間ブーム先
端部と先段ブーム基端部間に、中間ブームおよび
先段ブームを夫々最伸長状態に固定する解除可能
な固定装置を設けたことを特徴とする三段伸縮ブ
ーム部分。

（作用） 上記構成によれば、三段伸縮ブーム部分を最伸
長状態にして使用する際には、中間ブーム伸縮用
の油圧シリンダおよび先段ブーム伸縮用の油圧シ
リンダを伸長駆動し中間ブームおよび先段ブーム
を最伸長状態とし、基段ブーム先端部と中間ブー
ム基端部間の固定装置および中間ブーム先端部と
先段ブーム基端部間の固定装置により中間ブーム
および先段ブームを最伸長状態に固定する。次い
で、先段ブーム伸縮用の油圧シリンダの先段ブー
ムへの連結を解除すると共に連結具の中間ブーム
基端部への連結を解除する。そして、中間ブーム
伸縮用油圧シリンダおよび先段ブーム伸縮用の油
圧シリンダを縮小せしめ、これら両油圧シリンダ
を基段ブーム内へ収容するのである。このように
することで三段伸縮ブーム部分を最伸長状態にし
たまま、当該三段伸縮ブーム部分を伸縮駆動する
両油圧シリンダを三段伸縮ブーム部分における基
段側ブーム内に収容できるので、最伸長状態にあ
る三段伸縮ブーム部分の先端側の重量を軽減し以
つて自走式クレーンの吊上性能を向上しうるので
ある。

また、連結具を中間ブームの基端部に連結し、
先段ブーム伸縮用の油圧シリンダの先段ブームへ
の連結をなし、且つ基段ブームと中間ブーム間お
よび中間ブームと先段ブーム間の固定装置を解除
することで、従来同様三段伸縮ブーム部分で油圧
シリンダにより最縮小状態から最伸長状態間の適
宜の伸長状態に伸長せしめて使用することができ
るのである。

（実施例） 以下本発明に係る三段伸縮ブーム部分の実施例
を第１図〜第９図に基づいて説明する。

（第１実施例） 第１図〜第７図に基づいて本発明の第１実施を
説明する。

第１図〜第７図において、１は基段ブーム、２
は基段ブーム１内へ伸縮自在に嵌挿した中間ブー
ム、３は中間ブーム２内へ伸縮自在に嵌挿した先
段ブームである。基段ブーム１、中間ブーム２、
先段ブーム３は、三段伸縮ブーム部分を構成して
いる。５は中間ブーム２伸縮用の油圧シリンダ、
６は先段ブーム３伸縮用の油圧シリンダである。
７は、中間ブーム２基端部にピン１０により解除
可能に連結された連結具である。前記中間ブーム
２伸縮用の油圧シリンダ５は、そのピストンロツ
ド先端部を基段ブーム基端部に連結しそのシリン
ダのピストンロツド側端部を前記連結具７にピン
８を以つて連結している。すなわち、中間ブーム
２伸縮用の油圧シリンダ５は、基段ブーム１と前
記連結具７に配設されている。前記先段ブーム３
伸縮用の油圧シリンダ６は、そのピストンロツド
先端部を前記連結具７にピン９を以つて連結しそ
のシリンダを先段ブーム３にピン１９によつて連
結している。先段ブーム３伸縮用の油圧シリンダ
６の先段ブーム３への連結たる前記ピン１９連結
は、解除可能に構成されている。すなわち、先段
ブーム３伸縮用の油圧シリンダ６は、連結具７と
先段ブーム３間に介装配設されており且つその先
段ブーム３側への連結を解除可能に構成している
のである。前記連結具７を中間ブーム２基端部に
解除可能に連結する前記ピン１０は、第５図に示
す如く、連結具７と中間ブーム２基端部側壁に穿
設された穴１１，１１に対向して連結具７に配設
されており、かつリンク１２を介して小型シリン
ダ１３のピストンロツド１４に連結されており、
移動式クレーンの操縦室から油圧遠隔操作装置
（図示せず）のレバー操作によつて供給される作
動油によつて前記小型シリンダのピストン１５が
押し開かれると連結具７内に没入して連結具７と
中間ブーム２基端部の連結を解除し、前記遠隔操
作装置のレバーを中立位置に戻すとスプリング１
６の弾力によつて中間ブーム２の側壁の穴１１，
１１へ突入して連結具７と中間ブーム２基端部を
連結するようになつている。また、先段ブーム３
伸縮用の油圧シリンダ６を先段ブーム３に解除可
能に連結するピン１９は、第６図に示す如く、シ
リンダチユーブの端部に設けたボス１７内に出没
自在に配置されており、その突出時に先端部が先
段ブーム３の側壁に穿設した穴１８に突入して先
段ブーム３伸縮用の油圧シリンダ６のシリンダチ
ユーブを先段ブーム３に連結し、その没入時にシ
リンダチユーブと先段ブーム３の連結が解除され
るようになつている。ピン１９は、シリンダチユ
ーブに配設されたリンク２０および小型シリンダ
２１を介して操縦室から油圧遠隔操作装置（図示
せず）のレバー操作によつて連結・解除を行うよ
うになつている。

基段ブーム１の先端部と中間ブーム２の基端部
間および中間ブーム２の先端部と先段ブーム３の
基端部間には、中間ブーム２および先段ブーム３
を夫々伸長状態に固定する固定装置２２，２２が
設けられている。この固定装置２２，２２は、第
７図に示す如く、対応するブーム壁間に設けたピ
ン穴に挿脱されるピンで構成されている。固定装
置２２，２２による連結・解除すなわちピン２
２，２２の挿脱は、小型シリンダ２３を介して操
縦室から油圧遠隔操作装置（図示せず）のレバー
操作によつて行うようになつている。

このように構成された三段伸縮ブーム部分は、
連結具７を中間ブーム２の基端部に連結すると共
に、先段ブーム３伸縮用の油圧シリンダ６のシリ
ンダチユーブを先段ブーム３にピン１９により連
結し、且つ固定装置２２，２２を解除した状態
（第１図および第２図の状態）では、従来の三段
伸縮ブーム部分と同様、油圧シリンダ５，６を伸
縮駆動することにより、この三段伸縮ブーム部分
を最縮小状態（第１図の状態）から最伸長状態
（第２図の状態）との間で適宜伸縮駆動すること
のできるのであるが、三段伸縮ブーム部分を最伸
長状態にして使用するに際しては、固定装置２
２，２２により、中間ブーム２および先段ブーム
３を最伸長状態に固定し、次いで先段ブーム３伸
縮用の油圧シリンダ６の先段ブーム３への連結を
ピン１９を抜き取ることにより解除すると共に、
連結具７と中間ブーム２基端部の連結をピン１０
を抜き取ることで解除する。その上で油圧シリン
ダ５および油圧シリンダ６を縮小させこれら油圧
シリンダ５、６を基段ブーム１内へ位置させる
（第３図々示の状態）。この状態では、三段伸縮ブ
ーム部分の先端側に油圧シリンダが存在しないの
で、それだけ三段伸縮ブーム部分の先端側が軽く
なり、自走式クレーンの吊上性能が向上するので
ある。

（第２実施例） 上記第１実施例では、三段伸縮ブーム部分それ
のみで多段伸縮ブームを構成しているものについ
て説明したが、本発明の三段伸縮ブーム部分は、
四段以上の多段伸縮ブームの相隣接せる三段伸縮
ブーム部分に実施しうること勿論である。この場
合の実施例を第８図〜第９図に示す。この例で
は、多段伸縮ブームとして四段伸縮ブームの基端
側に位置する三段伸縮ブーム部分に本発明が実施
されている。第８図〜第９図において、１は基段
ブーム、２は中間ブーム、２′は先段ブーム、３
は先段ブーム２′内へ伸縮自在に嵌挿したトツプ
ブームであり、５は中間ブーム２伸縮用の油圧シ
リンダ、５′は先段ブーム２′伸縮用の油圧シリン
ダ、６はトツプブーム伸縮用の油圧シリンダであ
る。連結具７および連結具７′まわりの構成は先
の実施例に準じた構成をもつている。而してこの
多段伸縮ブーム（四段伸縮ブーム）を最伸長状態
にして各油圧シリンダを基段ブーム内に収容する
と第９図の如くなる。これにより多段伸縮ブーム
先端側の重量が軽減され、それだけ自走式クレー
ンの吊上能力が向上するのである。

（効果） 以上の如く構成し作用する本発明の三段伸縮ブ
ーム部分は、従来の三段伸縮ブーム部分と同様に
二本の油圧シリンダにより最縮小状態と最伸長状
態間の適宜の伸長状態に伸長せしめて使用できる
ものでありながら、これを最伸長状態で使用する
場合には、各油圧シリンダを基段側ブーム内に収
容し先端側の重量を軽減し、それだけ自走式クレ
ーンの吊上性能を向上できるという効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は、本発明の三段伸縮ブーム部
分の説明図であつて、第１図は最縮小状態図、第
２図は最伸長状態図、第３図は最伸長状態図で各
油圧シリンダを基段ブーム内へ収容した状態を示
す説明図、第４図は第２図の−断面図、第５
図は第２図の−断面図、第６図は第２図の
−断面図、第７図は第２図の−断面図、第
８図および第９図は他の実施例を示す説明図であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基段ブーム内に中間ブームを、中間ブーム内
   に先段ブームを順次伸縮自在に嵌挿してなる三段
   伸縮ブーム部分であつて、中間ブームの基端部に
   解除可能に連結された連結具を取り付け、基段ブ
   ームと前記連結具間に中間ブーム伸縮用の油圧シ
   リンダを配設し、且つ前記連結具と先段ブーム間
   に先段ブーム伸縮用の油圧シリンダを配設し、前
   記先段ブーム伸縮用油圧シリンダの先段ブーム側
   への連結を解除可能に構成すると共に、基段ブー
   ム先端部と中間ブーム基端部間および中間ブーム
   先端部と先段ブーム基端部間に、中間ブームおよ
   び先段ブームを夫々最伸長状態に固定する解除可
   能な固定装置を設けたことを特徴とする三段伸縮
   ブーム部分。