JP2004051366A - 伸縮ブーム装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の伸縮ブーム装置は、複動油圧シリンダ6を正立配置し、シリンダチューブ6aの両端部に前記シーブ7,8を配置し、上記と同様に両シーブ7,8間にワイヤロープ9,10を周回させるとともに、第1,第2シリンダ・ブーム連結手段15,16を係止させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン等の伸縮ブーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の伸縮ブーム装置として特開平11−301978号に記載の技術が公知である。この公知技術は、移動式クレーンの多段伸縮ブームを単一の複動油圧シリンダで先端ブーム側段より1段ブームずつ伸長し基端側ブーム段より1段ブームずつ縮小させる技術で、特に、複動油圧シリンダの往動時と復動時ともに伸縮ブームを伸長させたり縮小させたりするようにし、伸縮ブームの伸長あるいは縮小時間の短縮をはかるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
ところが上記公知技術によるものは、複動油圧シリンダを倒立配置(シリンダチューブを先端側にしピストンロッドを基端側に配置したもの。)するとともに、ベースブームに固定的に配置した当該案内部材の両端部にシーブを配置し両シーブ間にワイヤロープを周回させ、複動油圧シリンダの伸縮に伴ってワイヤロープを伸縮ブームの移動方向に移動させるようにし、ワイヤロープに第1のシリンダブーム連結手段と第2のシリンダブーム連結手段を係止させて、各連結手段を介して選択されたトップブームまたは中間ブームを伸縮ブームの伸縮方向に移動させるようにしている。したがって、複動油圧シリンダと案内部材を上下に配置し、案内部材にはシーブを取付けるものであるから、上下方向の高さを高くした伸縮ブームを必要とするものである。
【0004】
また、伸長するのはシリンダチューブ側が伸長するものであるから、複動油圧シリンダの伸長時には伸縮ブームの重心位置が先端側に位置し、その分クレーンの吊上げ性能を悪くするものである。
【0005】
更に、複動油圧シリンダへの送油はベースブームの基端側から行うものである。そして一般にはシリンダチューブ側に給排口を設けて行うものであるが、上記のように複動油圧シリンダを倒立配置した場合には、シリンダチューブ側が移動するものであるから、ピストンロッド内にシリンダ油室の各給排口に繋がる配管を配置し、ベースブームの基端側から給排できるように処置を施す必要がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決した伸縮ブーム装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の伸縮ブーム装置は、基ブーム内に単一または複数の中間ブームを伸縮自在に嵌挿し、中間ブーム内に先ブームを伸縮自在に嵌挿させた多段ブームからなる伸縮ブーム装置であって、
多段ブーム内に配置され、基ブームにシリンダチューブの基端部を軸支し、シリンダチューブの他端部よりピストンロッドを伸縮させる単一の複動油圧シリンダと、当該複動油圧シリンダのシリンダチューブ基端部に配置した第1シーブと、当該複動油圧シリンダのシリンダチューブ先端部に配置した第2シーブと、第1シーブに掛け回された第1ワイヤロープと、第2シーブに掛け回された第2ワイヤロープと、第1ワイヤロープの一端と第2ワイヤロープの他端を連結する第1連結部と、第1ワイヤロープの他端と第2ワイヤロープの一端を連結する第2連結部と、複動油圧シリンダのピストンロッド先端部に一端を止着させ他端を第1連結部に係止させた連結干とで構成し、第1シーブと第2シーブ間を第1ワイヤロープと第2ワイヤロープとで周回させて複動油圧シリンダの伸縮に連動して第1連結部と第2連結部を伸縮ブームの移動方向に移動させる移動機構を配置するとともに、先ブームもしくは中間ブームの基端部と前記第1連結部とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダの伸縮に連動して先ブームもしくは中間ブームを伸縮させる第1シリンダ・ブーム連結手段と、前記第1シリンダ・ブーム連結手段により連結される中間ブーム以外の中間ブームの基端部と前記第2連結部とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダの伸縮方向とは逆に中間ブームを伸縮させる第2シリンダ・ブーム連結手段と、基ブーム、各中間ブームおよび先ブームの内隣り合うブーム同士を連結固定するブーム間連結手段とを配置し、複動油圧シリンダの往動時に先ブームもしくは中間ブームの基端部を前記第1シリンダ・ブーム連結手段により連結し、複動油圧シリンダの往動にともなって先ブームもしくは中間ブームを伸長させ、複動油圧シリンダの復動時に前回伸長させた先ブームの次段に位置する中間ブーム、もしくは前回伸長させた中間ブームの次段に位置する中間ブームの基端部を、前記第2シリンダ・ブーム連結手段により連結し、複動油圧シリンダの復動にともなって当該中間ブームを伸長させるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る伸縮ブーム装置について、4段伸縮ブームに適用した場合の実施形態を、図1〜図9に模式的に図示し以下に説明する。1は、多段伸縮ブームであって、基ブーム2、中間ブーム3、中間ブーム4、先ブーム5の4段ブームで構成し、基ブーム2内に中間ブーム3を、中間ブーム3内に中間ブーム4を、中間ブーム4内に先ブーム5を順次伸縮自在に嵌挿させている。
【0009】
6は、多段ブーム1内に配置され、基ブーム2にシリンダチューブ6aの基端部を軸支し、シリンダチューブ6aの他端部よりピストンロッド6bを伸縮させる複動油圧シリンダである。7は、複動油圧シリンダ6のシリンダチューブ6a基端部に軸支して回転自在に配置した第1シーブで、8は、複動油圧シリンダ6のシリンダチューブ6a先端部に軸支して回転自在に配置した第2シーブである。
【0010】
9は、第1シーブ7に掛け回した第1ワイヤロープで、10は、第2シーブ8に掛け回した第2ワイヤロープである。11は、第1ワイヤロープ9の一端と第2ワイヤロープ10他端を連結する第1連結部であり、12は、第1ワイヤロープ9の他端と第2ワイヤロープ10一端を連結する第2連結部である。13は、複動油圧シリンダ6のピストンロッド6b先端部に一端を止着させ、他端を第1連結部11に係止させた連結干である。
【0011】
14は、移動機構であって、このようにして第1シーブ7と第2シーブ8間を第1ワイヤロープ9と第2ワイヤロープ10とで周回せ、複動油圧シリンダ6の伸縮に連動して第1連結部11と第2連結部12を多段ブーム1を伸縮させる伸縮方向に移動させる機構を構成している。
【0012】
15は、第1シリンダ・ブーム連結手段であって、先ブーム5もしくは中間ブーム3の基端部と前記第1連結部11とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダ6の伸縮に連動して先ブーム5もしくは中間ブーム3を伸縮させる手段である。
【0013】
具体的には、第1シリンダ・ブーム連結手段15は、詳細を図示しないが、先ブーム5と中間ブーム3の基端部に各係合孔5a,3aを設けている。そして、各係合孔5a,3aに対して係脱可能な係合ピン15aを備え、この係合ピン15aを常時スプリングにより選択された前記係合孔5a,3aに係合させるように付勢させ、油圧駆動によりスプリングの付勢に抗して前記係合孔5a,3aから抜け出て係合を解除させる係合ピン係脱装置15bを第1連結部11に備えている。
【0014】
16は、第2シリンダ・ブーム連結手段であって、第1シリンダ・ブーム連結手段15で連結される各中間ブーム以外の中間ブーム(ここでは中間ブーム4)の基端部と前記第2連結部12とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダ6の伸縮に連動して中間ブーム4を伸縮させる手段である。
【0015】
具体的には、第2シリンダ・ブーム連結手段16は、詳細を図示しないが、中間ブーム4の基端部に各係合孔4aを設けている。そして、係合孔4aに対して係脱可能な係合ピン16aを備え、この係合ピン16aを常時スプリングにより選択された前記係合孔14aに係合させるように付勢させ、油圧駆動によりスプリングの付勢に抗して前記係合孔14aから抜け出て係合を解除させる係合ピン係脱装置16bを第2連結部12に備えている。
【0016】
17は、基ブーム2、各中間ブーム3、4、および先ブーム5の内、隣り合うブーム同士を連結固定するブーム間連結手段である。すなわち、具体的な詳細図は図示しないが、図1に図示するように多段ブーム1を全縮小状態にした時では、伸縮位置に各ブームを保持させるように、各ブーム段の基端部にそれぞれ係合孔17bを備えており、各係合孔17bに常時係合する習性を有する係合ピン17aを基ブーム2の基端部を除く先ブーム5と各中間ブーム3,4の基端部に配置し、この係合ピン17aを係合させている。ブームの伸縮時には、係合ピン17aが伸縮の対象となるブームの係合孔17bから抜出されることでブームの伸縮移動が可能になり、伸縮完了時には再度係合ピン17aが各中間ブーム3,4の先端部に設けた係合孔17bに係合することで伸縮位置に保持できるようになっている。
【0017】
このように構成した本発明に係る伸縮ブーム装置は、次のように作用する。まず図1に図示する伸縮ブームの全縮小状態から、図5に図示する全伸長状態に至るまでについて以下に説明する。
【0018】
図1に図示するように、多段ブーム1の全縮小状態で、先ブーム5の係合孔5aに係合ピン15aを係合ピン係脱装置15bにより挿入して、第1連結部11と先ブーム5を連結する。そして、先ブーム5の基端部に配置した係合ピン17aを中間ブーム4の基端部に備えた係合孔17bから抜き出し、先ブーム5と中間ブーム4のブーム間連結を解除する。
【0019】
次に、図2に図示するように、複動油圧シリンダ6を伸長して第1シリンダ・ブーム連結手段15とともに先ブーム5を伸長させ、ブーム間連結手段17である中間ブーム4の先端部に配置した係合孔17bに係合ピン17aを挿入し、中間ブーム4と先ブーム5を連結する。そして、先ブーム5の係合孔5aに挿入した係合ピン15aを係合ピン係脱装置15bにより抜き出し、第1シリンダ・ブーム連結手段15と先ブーム5との連結を解除する。
【0020】
中間ブーム4の係合孔16bに係合ピン16aを係合ピン係脱装置16bにより挿入して、第2連結部12と中間ブーム4を連結する。その後、中間ブーム4の基端部に配置した係合ピン17aを中間ブーム3の基端部に備えた係合孔17bから抜き出し、中間ブーム4と中間ブーム3のブーム間連結を解除する。
【0021】
図3に図示するように、複動油圧シリンダ6を縮小して第2シリンダ・ブーム連結手段16とともに中間ブーム4を伸長させ、ブーム間連結手段17で中間ブーム3の先端部に配置した係合孔17bに中間ブーム4の基端部に配置した係合ピン17aを挿入し、中間ブーム3と中間ブーム4を連結する。そして、中間ブーム4の係合孔4aに挿入した係合ピン16aを係合ピン係脱装置16bにより抜き出し、第2シリンダ・ブーム連結手段16による中間ブーム4との連結を解除する。
【0022】
次に、図4に図示すように、複動油圧シリンダ6を若干縮小し中間ブーム3の基端部に設けた係合孔3aに第1シリンダ・ブーム連結手段15の係合ピン15aを係合ピン係脱装置15bにより挿入する。そして、中間ブーム3の基端部に配置した係合ピン17aを基ブーム2の基端部に備えた係合孔17bから抜き出し、中間ブーム3と基ブーム2のブーム間連結を解除する。
【0023】
その後、図5に図示するように、複動油圧シリンダ6を伸長することで移動機構14により、第1シリンダ・ブーム連結手段15で連結した中間ブーム3を伸長させる。そしてブーム間連結手段17で基ブーム2の先端部に配置した係合孔17bに中間ブーム3の基端部に配置した係合ピン17aを挿入し、基ブーム2と中間ブーム3を連結する。次に、中間ブーム3の係合孔3aに挿入した係合ピン15aを係合ピン係脱装置15bにより抜き出し、第1シリンダ・ブーム連結手段1と中間ブーム3との連結を解除し、複動油圧シリンダ6を縮小する。
【0024】
以上のように、複動油圧シリンダ6の往復動で多段ブーム1を全縮小状態から一段ずつ伸長させ全伸長状態にするようにしたものであるが、逆に多段ブーム1を縮小させる場合は、上記と逆に操作して行えばよい。
【0025】
以上の如く構成し作用する本発明に係る伸縮ブーム装置は、従来の技術で説明した場合のように、基ブーム2に固定的に配置した案内部材を配置する必要がなく、案内部材の両端部にシーブを配置しないで、シリンダチューブの両端部にシーブを配置するようにして移動機構14を構成したものであるから、複動油圧シリンダと案内部材を上下に配置する必要がなく、特に、シリンダチューブにシーブを取付けるものであるから、上下方向の高さを低くした伸縮ブームを提供することができる。
【0026】
また、本発明に係る伸縮ブーム装置は、複動油圧シリンダを正立配置(シリンダチューブを基端側にしピストンロッドを先端側に配置したもの。)している。よって、伸長するのはピストンロッド側が伸長するものであるから、複動油圧シリンダの伸長時には伸縮ブームの重心位置が基端側に位置し、その分クレーンの吊上げ性能を良くすることができる。
【0027】
更に、本発明に係る伸縮ブーム装置は、複動油圧シリンダへの送油は基ブームの基端側から行うに際して、複動油圧シリンダを正立配置しているものであるから、従来の技術で説明した倒立配置にした場合に比較して、ピストンロッド内にシリンダ油室の各給排口に繋がる配管を配置する必要がなく、シリンダチューブ側に直接給排させることができ、給排が簡単になる。
【0028】
上記実施形態では、先ブーム5の基端部に配置した係合孔5aと中間ブーム3の基端部に配置した係合孔3aにそれぞれ第1シリンダ・ブーム連結手段15の係合ピン15aを係合させて各ブームを伸縮させるようにしている。すなわち、係合ピン15aを各係合孔5a,3aに共通して使用するようにしたものであるが、共通して使用せずに各係合孔に挿入する係合ピンを個別に配置して行うようにしたものであってもよい。
【0029】
すなわち、図6に図示するように、係合孔3aに係合ピン18aを係脱させる係合ピン係脱装置18bを備えた第1シリンダ・ブーム連結手段18を第1シリンダ・ブーム連結手段15とは別に配置するものである。この第1シリンダ・ブーム連結手段18も第1シリンダ・ブーム連結手段15と同様に前記移動機構14によって多段ブーム1の伸縮方向に移可能に取付けている。
【0030】
具体的には、複動油圧シリンダ6を全縮小した時に、係合孔3aに係合ピン18aを係脱させる係合ピン係脱装置18bを位置させるように第1シリンダ・ブーム連結手段18を連結干13上に位置させるとともに、係合孔5aに係合ピン15aを係脱させる係合ピン係脱装置15bを位置させるように第1シリンダ・ブーム連結手段15を連結干13上に位置させるように配置してある。
【0031】
この場合の実施形態における本発明に係る伸縮ブーム装置の作用について以下に説明する。図6〜図8に図示するように先ブーム5と中間ブーム4を伸長させる過程は、図1〜図3に図示し説明した前記実施形態と同じであるので詳細な説明は省略する。
【0032】
図8において、複動油圧シリンダ6を全縮小して中間ブーム4を伸長させ、ブーム間連結手段17で中間ブーム3の先端部に配置した係合孔17bに中間ブーム4の基端部に配置した係合ピン17aを挿入し、中間ブーム3と中間ブーム4の連結を完了した後、第2シリンダ・ブーム連結手段16で、中間ブーム4の基端部に配置した係合孔4aに挿入した係合ピン16aを係合ピン係脱装置16bにより抜出し、中間ブーム4と第2シリンダ・ブーム連結手段16との連結を解除する。
【0033】
次に、第1シリンダ・ブーム連結手段18で中間ブーム3の基端部に設けた係合孔3aに係合ピン18aを係合ピン係脱装置18bにより挿入して係合させる。そして中間ブーム3の基端部に配置した係合ピン17aを基ブーム2の基端部に備えた係合孔17bから抜き出し、基ブーム2と中間ブーム3のブーム間連結手段17でのブーム間連結を解除する。
【0034】
そして、複動油圧シリンダ6の往動によりピストンロッド6bを全伸長させて中間ブーム3を伸長させた後に、ブーム間連結手段17で基ブーム2の先端部に配置した係合孔17bに中間ブーム3の基端部に配置した係合ピン17aを挿入し、基ブーム2と中間ブーム3を連結させる。次に、第1シリンダ・ブーム連結手段18で中間ブーム3の基端部に設けた係合孔3aより係合ピン18aを係合ピン係脱装置15bにより抜き取り係合を離脱させ、複動油圧シリンダ6を復動させて全縮小させる。
【0035】
以上のように、この場合の実施形態においても、複動油圧シリンダ6の往復動で多段ブーム1を全縮小状態から一段ずつ伸長させ全伸長状態にすることができる。また、逆に多段ブーム1を縮小させる場合は、上記と逆に操作して行えばよい。
【0036】
そしてこの実施形態においても、従来の技術で説明した場合のように、基ブームに固定的に配置した案内部材を配置する必要がなく、案内部材の両端部にシーブを配置しないで、シリンダチューブの両端部にシーブを配置するようにして移動機構14を構成したものであるから、複動油圧シリンダと案内部材を上下に配置する必要がなく、特に、シリンダチューブにシーブを取付けるものであるから、上下方向の高さを低くした伸縮ブームを提供することができる。
【0037】
また、上記実施形態では、複動油圧シリンダを正立配置(シリンダチューブを基端側にしピストンロッドを先端側に配置したもの。)している。よって、伸長するのはピストンロッド側が伸長するものであるから、複動油圧シリンダの伸長時には伸縮ブームの重心位置が基端側に位置し、その分クレーンの吊上げ性能を良くすることができる。
【0038】
更に、上記実施形態では、複動油圧シリンダへの送油は基ブームの基端側から行うに際して、複動油圧シリンダを正立配置しているものであるから、従来の技術で説明した倒立配置にした場合に比較して、ピストンロッド内にシリンダ油室の各給排口に繋がる配管を配置する必要がなく、シリンダチューブ側に直接給排させることができ、給排が簡単になる。
【0039】
なお、上記実施形態では、第1ワイヤロープ9と第2ワイヤロープ10を別々に配置したが、一体にした一本のワイヤロープで構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、移動機構14、第1シリンダ・ブーム連結手段15(18)、第2シリンダ・ブーム連結手段16を複動油圧シリンダ6の一側に配置した場合で説明したが、複動油圧シリンダ6の両側に配置するようにしたものであってもよい。この場合、連結干13をそれぞれに配置するようにしてもよいが、複動油圧シリンダ6の下部に沿った中央に配置し、他端をそれぞれの第1連結部11に係止させるようにしてもよい。この場合には、連結干13の高さ位置を第2ワイヤロープ10と同じ高さにすることができ、更に伸縮ブームの高さを低くすることができる。
【0041】
更に、上記実施形態では、4段の多段ブームについて説明したが、3段の多段ブームあるいは4段以上の多段ブームにも同様に適用できること勿論のことである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の伸縮ブーム装置は、以上のように構成し作用するものであるから、多段伸縮ブームを単一の複動油圧シリンダの往動および復動で先端側ブーム段側から1段ずつ伸長させることができることは勿論のこと、従来の技術で説明した場合のように基ブームに固定的に配置した案内部材を配置する必要がなく、案内部材の両端部にシーブを配置しないで、シリンダチューブの両端部にシーブを配置するようにして移動機構14を構成したものであるから、複動油圧シリンダと案内部材を上下に配置する必要がなく、特に、シリンダチューブにシーブを取付けるものであるから、上下方向の高さを低くした伸縮ブームを提供することができる。
【0043】
また、複動油圧シリンダを正立配置(シリンダチューブを基端側にしピストンロッドを先端側に配置したもの。)していることにより、複動油圧シリンダの伸長時には伸縮ブームの重心位置が基端側に位置し、その分クレーンの吊上げ性能を良くすることができる。
【0044】
更に、複動油圧シリンダへの送油は基ブームの基端側から行うに際して、複動油圧シリンダを正立配置しているものであるから、従来の技術で説明した倒立配置にした場合に比較して、ピストンロッド内にシリンダ油室の各給排口に繋がる配管を配置する必要がなく、シリンダチューブ側に直接給排させることができ、給排が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸縮ブーム装置を説明する説明図で、多段ブームを全縮小した状態を示している。
【図2】本発明に係る伸縮ブーム装置を説明する説明図で、図1の状態から先ブームを伸長させた状態を示している。
【図3】本発明に係る伸縮ブーム装置を説明する説明図で、図2の状態から中間ブームを伸長させた状態を示している。
【図4】本発明に係る伸縮ブーム装置を説明する説明図で、図3の状態から若干複動油圧シリンダを縮小させた状態を示している。
【図5】本発明に係る伸縮ブーム装置を説明する説明図で、図4状態から更に中間ブームを伸長させ、多段ブームを全伸長した状態を示している。
【図6】本発明に係る伸縮ブーム装置の他の実施形態を説明する説明図で、多段伸縮ブームを全縮小した状態を示している。
【図7】本発明に係る伸縮ブーム装置の他の実施形態を説明する説明図で、図6の状態から先ブームを伸長させた状態を示している。
【図8】本発明に係る伸縮ブーム装置の他の実施形態を説明する説明図で、図7の状態から、中間ブームを伸長させた状態を示している。
【図9】本発明に係る伸縮ブーム装置の他の実施形態を説明する説明図で、図8の状態から更に中間ブームを伸長させ、多段ブームを全伸長した状態を示している。
【符号の説明】
1 多段ブーム
2 基ブーム
3 中間ブーム
4 中間ブーム
5 先ブーム
6 複動油圧シリンダ
7 第1シーブ
8 第2シーブ
9 第1ワイヤロープ
10 第2ワイヤロープ
11 第1連結部
12 第2連結部
13 連結干
14 移動機構
15 第1シリンダ・ブーム連結手段
16 第2シリンダ・ブーム連結手段
17 ブーム間連結手段
18 第1シリンダ・ブーム連結手段
Claims (1)
- 基ブーム内に単一または複数の中間ブームを伸縮自在に嵌挿し、中間ブーム内に先ブームを伸縮自在に嵌挿させた多段ブームからなる伸縮ブーム装置であって、
多段ブーム内に配置され、基ブームにシリンダチューブの基端部を軸支し、シリンダチューブの他端部よりピストンロッドを伸縮させる単一の複動油圧シリンダと、当該複動油圧シリンダのシリンダチューブ基端部に配置した第1シーブと、当該複動油圧シリンダのシリンダチューブ先端部に配置した第2シーブと、第1シーブに掛け回された第1ワイヤロープと、第2シーブに掛け回された第2ワイヤロープと、第1ワイヤロープの一端と第2ワイヤロープの他端を連結する第1連結部と、第1ワイヤロープの他端と第2ワイヤロープの一端を連結する第2連結部と、複動油圧シリンダのピストンロッド先端部に一端を止着させ他端を第1連結部に係止させた連結干とで構成し、第1シーブと第2シーブ間を第1ワイヤロープと第2ワイヤロープとで周回させて複動油圧シリンダの伸縮に連動して第1連結部と第2連結部を伸縮ブームの移動方向に移動させる移動機構を配置するとともに、
先ブームもしくは中間ブームの基端部と前記第1連結部とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダの伸縮に連動して先ブームもしくは中間ブームを伸縮させる第1シリンダ・ブーム連結手段と、
前記第1シリンダ・ブーム連結手段により連結される中間ブーム以外の中間ブームの基端部と前記第2連結部とを選択的に連結し、連結時に複動油圧シリンダの伸縮方向とは逆に中間ブームを伸縮させる第2シリンダ・ブーム連結手段と、基ブーム、各中間ブームおよび先ブームの内隣り合うブーム同士を連結固定するブーム間連結手段とを配置し、
複動油圧シリンダの往動時に先ブームもしくは中間ブームの基端部を前記第1シリンダ・ブーム連結手段により連結し、複動油圧シリンダの往動にともなって先ブームもしくは中間ブームを伸長させ、複動油圧シリンダの復動時に前回伸長させた先ブームの次段に位置する中間ブーム、もしくは前回伸長させた中間ブームの次段に位置する中間ブームの基端部を、前記第2シリンダ・ブーム連結手段により連結し、複動油圧シリンダの復動にともなって当該中間ブームを伸長させるようにしたことを特徴とする伸縮ブーム装置。
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