JPH01104683A - 塩化ビニル系シーリング材組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は車輌の鋼板合せ部に防水、防塵、防錆を目的と
して使用する塩化ビニル系シーリング材組成物に関する
ものである。

［従来の技術］ 自動車のボデー等の鋼板合せ部に防水、防塵、防錆を目
的として用いるシーリング材は、ボデー等がカチオン電
着塗装された後、その鋼板合せ部に塗布、充填され、間
隙をシールすることにより、その目的を果たす。

さらにシーリング材上に中塗塗料、上塗塗料が塗布され
る。これらのシーリング材、中塗塗料および上塗塗料は
塗布の都度又は複数層を一緒に加熱され硬化される。

上記シーリング材には塩化ビニル系のシーリング材が多
く用いられ、この塩化ビニル系シーリング材組成物は塩
化ビニル系樹脂、充填材、可塑剤の他に、安定剤、接着
付与剤等の添加剤を混合したものである。特に近年、接
着性及び伸びに富むことから、接着付与剤にポリアミド
系接着付与剤を用いた塩化ビニル系シーリング材が多く
使用されている。

［発明が解決しようとする問題点］ 例えば、特開昭５９−１３１６６８号公報には、ジアリ
ルフタレートのようなアリル基を少なくとも２ケ有する
化合物と活性アミノ基含有ポリアミドとを塩化ビニル系
樹脂と組み合わせることにより狭い隙間に十分浸透し、
かつ電着塗膜への接着性にすぐれたプラスチゾル組成物
が得られることが開示されている。また熱劣化を防止す
る安定剤として、例えば無機酸鉛塩、金属石けん、有機
サルファイド化合物、有機フォスファイトなどが添加さ
れている。

しかし、鋼板がエポキシ系樹脂カチオン電着塗料により
塗装されている場合、エポキシ系樹脂カチオン電着塗膜
中に残留している低級アミン等の黄変物質がブリードし
、その結果シーリング材が黄変したり、また、中塗塗膜
を経て上塗塗膜まで黄変するという問題点がある。特に
白色系の上塗塗料の場合は、重大な欠点となる。

上記エポキシ系樹脂カチオン電着塗膜より生じる低級ア
ミン等の黄色物質を捕捉する物質として、エポキシ系樹
脂安定剤やイソシアネート酸、アクリル化合物が黄変防
止剤として用いられるが、ポリアミド系樹脂接着付与剤
を用いる塩化ビニル系シーリング材組成物では、上記黄
変防止剤がポリアミド系樹脂接着付与剤と反応し、シー
リング材が増粘したり、ゲル化するという問題点があり
、貯蔵安定性に欠点がある。

本発明は上記の問題点を解消するためになされたもので
、柔軟性に富み、貯蔵安定性が良く、かつ耐黄変性に優
れた塩化ビニル系シーリング材組成物を提供することを
目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、エポキシ系樹脂カチオン電着塗装された鋼板
に用いる塩化ビニル系シーリング材組成物において、こ
の塩化ビニル系シーリング材組成物が、塩化ビニル系樹
脂、充填材、可塑剤、安定剤、ポリアミド系樹脂接着付
与剤および繊維状マグネシウム含有粘土鉱物からなるこ
とを特徴とした塩化ビニル系シーリング材組成物である
。

本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は、従来公知のシ
ーリング材用の樹脂が用いうれるが、塩化ビニル重合体
の他、塩化ビニルと他のビニル単量体との共重合体も用
いられる。他のビニル単量体としては、例えば酢酸ビニ
ル・、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルなどがあげられる。

充填材としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレ
イ、チタン白、硫酸バリウムを用いることができ、用途
、上塗塗料の色相に応じて使用する。これらの充填材の
中で炭酸カルシウムが好ましく、ステアリン酸処理され
た炭酸カルシウムがさらに好ましい。特に微粒炭酸カル
シウム（平均粒子径０．１μｍ〜２μｍ）と粗粒炭酸カ
ルシウム（平均粒子径３μｍ〜１０μｍ）を混合使用す
ることがシーリング材の塗布作業が良好になるために最
も好ましい。充填材の使用量は塩化ビニル系樹脂１００
重量部に対して、ｉｏｏ〜４００重量部、好ましくは１
５０〜２５０重量部である。

可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、二塩基酸
エステル、燐酸エステル、ポリエステル系可塑剤などが
使用可能で、好ましくはフタル酸エステル、さらに好ま
しくはジオクチルフタレートが用いられる。可塑剤の使
用量は塩化ビニル系樹脂１００重量部に対し８０〜４０
０重量部、好ましくは８０〜２００重量部である。

安定剤としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸アルミニウム等の金属石けん系、鉛白、三塩基
性硫酸鉛、二塩基性亜りん酸鉛などの鉛塩系、ジブチル
スズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチル
スズメルカプチドなどの有機スズ系が用いられ、好まし
くは二塩基性亜りん酸鉛である。安定剤の使用量は塩化
ビニル系樹脂１００重量部に対し１〜１０重量部、好ま
しくは３〜７重量部である。

ポリアミド系樹脂接着付与剤としては、多塩基酸とポリ
アミンを縮合反応して得られたダイマー酸系ポリアミド
樹脂であり、多塩基酸としては、例えばアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン２酸等のダイマー酸
があげられる。ポリアミンとしては、例えばエチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ンがあげられる。

繊維状マグネシウム含有粘土性鉱物としては、含水マグ
ネシウムシリケートを主成分とするセピオライト、含水
マグネシウム・アルミニウムシリケートを主成分とする
アタパルジャイトであり、その平均繊維径はｏ、ｏｉμ
ｍ−０，５μｍ１好ましくは０．０１μｍ　ＮＯ，０５
μｍで、平均繊維長さは０．１μｍ〜１０μｍ１好まし
くは０゜３μｍ〜３μｍである。繊維状マグネシウム含
有粘土性鉱物の使用量は、塩化ビニル系樹脂１００重量
部に対し０．３〜５０重量部、好ましくは０．３〜２０
重量部である。

［作用コ 本発明による塩化ビニル系シーリング材組成物は、接着
付与剤としてポリアミド系樹脂を用いることによって電
着塗装への接着力が強く、さらに、シーリング材は繊維
状マグネシウム含有粘土性鉱物を含有しており、この繊
維状マグネシウム含有粘土性鉱物は、この表面に反応性
に富む水酸基を有し、かつ繊維長さ方向に多数の微孔を
持ち、特に塩基性化合物の吸着能力が高いため、エポキ
シ系樹脂電着塗膜から生ずる低級アミン等の黄変物質を
吸着し、シーリング材、中塗、上塗塗膜の黄変を防止す
る。さらに吸着された低級アミン等の黄変物質は、３５
０℃以上に加熱されないかぎり繊維状マグネシウム含有
粘土性鉱物から放出されることがない。車輌ボデー等が
３５０℃以上の雰囲気に晒されることはなく、通常の条
件下１では黄変物質の吸着後の放出はなく完全に塗膜の
黄変を防止する。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。

実施例１〜４および比較例１〜３ 塩化ビニル系樹脂としてゼオン１２１　（日本ゼオン株
式会社製）１００重量部、ゼオン３８０（日本ゼオン株
式会社製）１００重量部、ゼオン１０３ＺＸ（日本ゼオ
ン株式会社製）１００重量部および可塑剤としてジオク
チルフタレート（以下ＤＯＰという）４００重量部を減
圧装置付きの混練ニーダ−で常温にて３０分間混練する
。次にチクソ剤、安定剤、接着付与剤および繊維状マグ
ネシウム含有粘土性鉱物を表１に示す配合量を添加し、
１０分間混練する。続いて充填剤として微粉炭カルシウ
ム（丸尾カルシウム株式会社製）４００重量部と粗粒炭
酸カルシウム（丸尾カルシウム株式会社製）１５０重量
部仕込み３０分間混練する。さらに６０分間−７２±４
　ｃｍＨｇの減圧度で減圧脱泡しなから混練を行いシー
リング材組成物を得た。

塩化ビニル系シーリング材組成物の評価は以下の方法に
て行う。

（引張り剪断強さ） 先ず、シーラーをエポキシ系樹脂カチオン電着塗装の中
央部に塗布し、シーラーを塗布してない部分には離型剤
処理したスペーサ（厚さ１　ａｍ）を挟みながら別なカ
チオン電着塗装板をはり合せ、被着面がずれないように
予熱した５’ＯＯｇのおもりをのせる。それを１４０℃
で３０分間焼付ける。放冷した後おもりを取り除き、さ
らに２０〜２４時間放置したのち、スペーサおよびはみ
出したシーラーを鋭利な刃物で接着面に応力がかからな
いように取りのぞき試験片とする。この試験片の両端（
２枚のカチオン電着塗装板）を引張り試験機（島津製作
所社製）の保持具に固定し、引張り速度５０　ｍｍ／ｗ
ｉｎではり合わせ面方向に沿って引張り最大剪断荷重を
測定する。引張り剪断強さは次の式により算出する。

（伸び） 塩化ビニル系シーリング材組成物を１４０℃、６０分間
加熱し、厚さ２〜３ｍｍの薄板状に成形する。この薄板
をＪＩＳ　　ダンベル２号で打ち抜き、２０℃の恒温室
に一畳夜静置した後引張り試験機（島津製作所社製）で
弾性試験を行うや（貯蔵安定性） 塩化ビニル系シーリング材組成物を４０℃で７日間放置
した後、ＳＯＤ圧力粘度計（ｉＩｉＩ合社製）にて粘度
を測定し、初期の粘度と比較し、○は増〜　　枯草３０
％未満、×は増粘率３０％以上で評価を行った。

（黄変性） エポキシ系樹脂カチオン電着塗装をした鋼板に塩化ビニ
ル系シーリング材組成物を塗布し、熱風乾燥機を用いて
１００℃で５分間予備加熱する。

次に白色系の上塗塗装を施１４０℃で３０分間焼付は硬
化させて試験サンプルを作成する。この試験サンプルを
屋外で２１日間暴露させ、変色の度合を目視し、以下の
３段階で評価する。

◎：全く変色なし　　Ｏ；若干変色有り×：変色が著し
い 表１に示すように本発明による塩化ビニル系シーリング
材組成物を使用した実施例１〜４は比較例１に比べ引張
り剪断強さ、伸びに優れ、比較例２に比べ黄変性に優れ
、比較例３に比べ伸びおよび貯蔵安定性に優れている。

［発明の効果］ 以上詳細に説明したように、本発明の塩化ビニル系シー
リング材組成物は、エポキシ系樹脂カチオン電着塗膜か
ら生じる低級アミン等の黄変物質をシーリング材組成物
中で吸着捕捉することによりシーリング材、中塗塗膜お
よび上塗塗膜が黄変することを防止し、自動車ボデー等
の美しい塗装外観を維持する。またカチオン電着塗膜へ
の接着力が強く、また伸びもよく柔軟性に富んでいる。

さらに貯蔵安定性も良好である。

特許出願人　　アイシン化工株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、エポキシ系樹脂カチオン電着塗装された鋼板に用い
   る塩化ビニル系シーリング材組成物において、該塩化ビ
   ニル系シーリング材組成物が塩化ビニル系樹脂、充填材
   、可塑剤、安定剤、ポリアミド系樹脂接着付与剤および
   繊維状マグネシウム含有粘土性鉱物からなることを特徴
   とする塩化ビニル系シーリング材組成物。 ２、該繊維状マグネシウム含有粘土性鉱物が含水マグネ
   シウムシリケートを主成分とするセピオライト、および
   含水マグネシウム・アルミニウムシリケートを主成分と
   するアタパルジャイトの少なくとも１種である特許請求
   の範囲第１項に記載の塩化ビニル系シーリング材組成物
   。 ３、該繊維状マグネシウム含有粘土鉱物の配合量が塩化
   ビニル系樹脂１００重量部に対して、０．３〜５０重量
   部である特許請求の範囲の第１項又は第２項記載の塩化
   ビニル系シーリング材組成物。