以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、情報処理装置3と、ゲームコントローラ5と、表示装置7を有する。ゲームコントローラ5及び表示装置7の各々は、情報処理装置3と有線又は無線により通信可能に接続されている。
情報処理装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、スマートフォン、携帯電話、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
プレイヤは、ゲームコントローラ5を用いて各種の操作入力を行う。図1に示す例では、ゲームコントローラ5は例えば十字キー9や複数のボタン11等を有する。なお、ゲームコントローラ5は上記に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。
<2.ゲームの概略内容>
次に、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法が情報処理装置3によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
本実施形態に係るゲームは、味方キャラクタが敵キャラクタと戦闘を行いつつストーリーを進めていく、いわゆるアクションロールプレイングゲームである。味方キャラクタは、プレイヤにより操作され、敵キャラクタは、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズム(いわゆるゲームAI)により自動制御される。なお、味方キャラクタが複数いるような場合には、味方キャラクタにゲームプログラムにより操作されるキャラクタ(いわゆるノンプレイヤキャラクタ)を含めてもよい。
図2及び図3に示すように、味方キャラクタ13がフィールド15を移動して敵キャラクタ17と遭遇し、所定の攻撃又は戦闘の開始条件が満たされると、フィールド15上で攻撃又は戦闘が実行される。例えば、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17が相手に対して攻撃を仕掛けたり、敵キャラクタ17が味方キャラクタ13を発見したりした場合に、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされて攻撃又は戦闘が開始される。戦闘は、フィールド15の画面から別の戦闘用の画面(例えば戦闘がターン制で進められる戦闘画面や、プレイヤがキャラクタの行動を予め用意されたメニュー項目から選択して戦闘を行う画面)に切り替わることなく、フィールド15上でそのまま行われる。つまり、フィールド15上で味方キャラクタ13の移動と敵キャラクタ17との戦闘が区切りなくシームレスに行われる。なお、本実施形態では後述するように、フィールド画面において移動フェーズと戦闘フェーズの間に演出が挿入される。戦闘中は、味方キャラクタ13はプレイヤの操作に対応した戦闘に関わる行動(例えば移動、攻撃、回避、防御等)をプレイヤの操作に連動してリアルタイムに実行する。
なお、本実施形態では、ゲームに登場するキャラクタが人間のキャラクタ(例えば武将、知将、騎兵等。男性及び女性を含む)である場合を一例として説明する。但し、人間のキャラクタ以外にも、例えば人間以外の動物、人間や動物以外の生物、仮想的な生物(例えば怪物、ゴースト、妖怪等)、ロボット、物品や物体などのオブジェクト等でもよい。
本実施形態では、フィールド15の画面上で攻撃又は戦闘が行われる際に、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を、攻撃又は戦闘の開始時の位置から所定の位置に変更する。以下、この内容について詳細に説明する。
<3.情報処理装置の機能的構成>
次に、図4を用いて、情報処理装置3の機能的構成の一例について説明する。
図2に示すように、情報処理装置3は、キャラクタ移動処理部19と、開始条件判定処理部21と、演出実行処理部23と、位置変更処理部25と、戦闘実行処理部27と、位置記録処理部29と、衝突判定領域設定処理部31と、移動可能領域設定処理部33とを有する。
キャラクタ移動処理部19は、プレイヤの操作に基づいて味方キャラクタ13をフィールド15で移動させる。また、キャラクタ移動処理部19は、敵キャラクタ17をゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズムに基づいてフィールド15で移動させる。
開始条件判定処理部21は、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17と遭遇した場合に、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされたか否かを判定する。具体的には、開始条件判定処理部21は、味方キャラクタ13が所定の効果範囲が設定された攻撃(第1の攻撃の一例)を実行した場合に攻撃の開始条件が満たされたと判定する。「所定の効果範囲が設定された攻撃」とは、攻撃の効力が及ぶ範囲が所定のエリアとして設定された攻撃であり、例えば必殺技や特殊攻撃(特殊なアイテムを使用した攻撃、スキル、魔法など)等である。本実施形態では、必殺技を発動する場合を例として説明する。
また、開始条件判定処理部21は、後述の移動可能領域設定処理部33により設定された移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃(第2の攻撃の一例)を実行した場合に戦闘の開始条件が満たされたと判定する。この場合の「攻撃」には、近距離攻撃と遠距離攻撃の両方が含まれる。「近距離攻撃」とは、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17に対して比較的近い距離から行う攻撃であり、例えば手足を用いた肉弾攻撃、刀、剣、槍、斧等の飛び道具でない武器を用いた攻撃、近距離で発動する特殊攻撃(魔法やスキルなど)等である。また「遠距離攻撃」とは、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17に対して比較的遠い距離から行う攻撃であり、例えば弓矢、投石、銃等の飛び道具である武器を用いた攻撃、遠距離で発動する特殊攻撃(魔法やスキルなど)等である。
また、開始条件判定処理部21は、移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13を発見した場合に戦闘の開始条件が満たされたと判定する。
演出実行処理部23は、上記攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた場合に攻撃又は戦闘の開始の演出(第1の演出の一例)を実行し、攻撃又は戦闘の終了時に攻撃又は戦闘の終了の演出(第2の演出の一例)を実行する。具体的には、演出実行処理部23は、例えばキャラクタに関連する画像、戦闘への移行を表現する画像、文字や記号等による情報を示す画像等の、所定の2次元画像を表示する演出を実行する。また、演出実行処理部23は、フィールド15の3次元画像を生成するための仮想カメラを味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方に近づけることにより、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17のアップ画像を一時的に表示させるカメラワークによる演出を実行する。なお、例えば3次元画像を表示したり、仮想カメラをキャラクタから遠ざけてロング画像にしたり、仮想カメラをキャラクタ周りに回転させて旋回する画像を表示する等、上記以外の演出を実行してもよい。
位置変更処理部25は、上記攻撃又は戦闘の開始の演出の実行中に、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を、後述の位置記録処理部29により記録された攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置から所定の位置に変更する。具体的には、次のようにしてキャラクタ位置を変更する。例えば、味方キャラクタ13が必殺技を発動して攻撃の開始条件が満たされた場合には、位置変更処理部25は、発動した必殺技の効果範囲内に敵キャラクタ17が存在するように、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を変更する。またこの場合において、味方キャラクタ13が必殺技を発動した際に味方キャラクタ13の周囲に複数の敵キャラクタ17が存在する場合には、複数の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を必殺技の効果範囲内に集めるように変更する。
また、位置変更処理部25は、フィールド15上のオブジェクト(例えば建物、壁、樹木、岩、機器や道具等)が後述する衝突判定領域設定処理部31により設定された衝突判定領域内に存在しなくなるように、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を変更する。
また、例えば、移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃を実行して戦闘の開始条件が満たされた場合や、移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13を発見して戦闘の開始条件が満たされた場合には、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域の外部から内部に変更する。
なお、位置変更処理部25は、上記攻撃又は戦闘の終了の演出の実行中に、味方キャラクタ13の変更された位置を攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置に戻す。なお、本実施形態では位置を戻すのは味方キャラクタ13のみとするが、例えば攻撃又は戦闘終了後も生き延びた敵キャラクタ17が存在する場合に、敵キャラクタ17についても変更された位置を攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置に戻してもよい。また、位置変更処理部25は、位置の変更に加えて、必要に応じて味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の向きを変更してもよい。
戦闘実行処理部27は、上記位置変更処理部25により所定の位置に変更された状態で、フィールド15において味方キャラクタ13による攻撃又は味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘を実行する。具体的には、味方キャラクタ13が必殺技を発動して攻撃の開始条件が満たされた場合には、戦闘実行処理部27は、上記変更された位置の景色を背景として予め設定された必殺技による攻撃のモーションを描写する。また、移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃を実行して戦闘の開始条件が満たされた場合や、移動可能領域の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域の外部に位置する味方キャラクタ13を発見して戦闘の開始条件が満たされた場合には、戦闘実行処理部27は、プレイヤの操作に基づいて行動する味方キャラクタ13と、所定のアルゴリズムに基づいて行動する敵キャラクタ17とを戦闘させる。
位置記録処理部29は、上記攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の味方キャラクタ13のフィールド15上の位置(座標)を記録する。なお、上述のように味方キャラクタ13の向きを変更する場合には、上記攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の味方キャラクタ13のフィールド15上の向き(ベクトル)を記録してもよい。また、上述のように敵キャラクタ17についても変更された位置を戻す場合には、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置(座標)を記録してもよい。
衝突判定領域設定処理部31は、味方キャラクタ13の周囲に、フィールド15の3次元画像を生成するための仮想カメラを包含するように、フィールド15に配置されたオブジェクトとの衝突を判定可能な衝突判定領域を設定する。衝突判定領域は、例えば味方キャラクタ13を中心とする円形(円柱状又は球状)の領域として設定され、その半径は少なくとも戦闘中に味方キャラクタ13の周囲に配置される上記仮想カメラが領域の内部に位置する大きさに設定される。
移動可能領域設定処理部33は、フィールド15に敵キャラクタ17が移動可能な移動可能領域を設定する。移動可能領域の内部に配置された敵キャラクタ17(いわゆるエンカウントシンボル)は、当該移動可能領域の内部でのみ移動し、外部に出ることはない。本実施形態では、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘は、移動可能領域の内部でのみ実行され、移動可能領域の外部では実行されない。このため、移動可能領域は、フィールド15において戦闘が行われるのに適した場所に設定されている。例えば、移動可能領域は、狭い通路やオブジェクトの隙間等の狭い場所、階段等の傾斜した場所には設定されず、周囲が開けた広い場所等に設定されている。
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の図24参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
<4.キャラクタ位置変更の例(1)>
次に、図5~図7を用いて、上述した位置変更処理部25によるキャラクタ位置変更の具体例について説明する。図5~図7に、味方キャラクタ13が必殺技を発動して攻撃の開始条件が満たされた場合における、キャラクタ位置変更の具体例を示す。なお、図5~図7では区別を容易とするために味方キャラクタ13を白、敵キャラクタ17をハッチングで示すとともに、各キャラクタの正面の向きを矢印35で示す。
図5(a)~図5(d)に、例えば味方キャラクタ13が複数の敵キャラクタ17により壁際に追い詰められた状態を示す。このような状態で味方キャラクタ13が起死回生のために必殺技を発動する場合、プレイヤの慌てた操作により、味方キャラクタ13を敵キャラクタ17側に向けられずに、敵キャラクタ17とは異なる方向や異なる対象に必殺技を発動してしまい、攻撃が外れてしまう可能性がある。例えば図5(a)に示す例では、味方キャラクタ13は壁37に向けて必殺技を発動している。当該必殺技は味方キャラクタ13の正面側に効果範囲39を設定されているため、このまま何も処理をしない場合には敵キャラクタ17に当たらないことになる。
そこで本実施形態では、位置変更処理部25が、発動した必殺技の効果範囲39内に敵キャラクタ17が存在するように、味方キャラクタ13及び敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を変更する。具体的には、まず、味方キャラクタ13が必殺技を発動した際に、位置記録処理部29が味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を記録する。そして、図5(a)に示すように、衝突判定領域設定処理部31が味方キャラクタ13を中心とする円形の衝突判定領域41を設定する。
次に、図5(b)に示すように、衝突判定領域設定処理部31が、衝突判定領域41の内部にオブジェクト(壁37等を含む。この例では敵キャラクタ17は含まれない。)が配置されないように、衝突判定領域41を拡大していき、これに伴って衝突判定領域41の中心に位置する味方キャラクタ13の位置が矢印43に示されるように変更される。衝突判定領域41は、例えば、半径rが少なくとも味方キャラクタ13と壁37との間に必殺技の効果範囲39が含まれる大きさとなるまで拡大される。なお、位置変更処理部25は、必要に応じて味方キャラクタ13の向きについても例えば敵キャラクタ17側を向くように変更してもよい。また、衝突判定領域41を拡大する際に、敵キャラクタ17や仲間の味方キャラクタを含む全てのオブジェクトが衝突判定領域41の内部に配置されないようにしてもよい。この場合、一旦全てのオブジェクトを衝突判定領域41外に離間させた後に、敵キャラクタ17を効果範囲39内に集めればよい。
次に、図5(c)に示すように、位置変更処理部25が、複数の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を必殺技の効果範囲39内に集めるように変更する。この際、位置変更処理部25は、敵キャラクタ17の向きについても、位置を変更された味方キャラクタ13側を向くように変更する。
以上の図5(a)~図5(c)に示す処理は、プレイヤの目にとまらないように、演出実行処理部23により攻撃開始の演出(例えば2次元画像の表示やキャラクタのアップ画像の表示等)が実行されている最中に実行される。そして、図5(c)に示す変更されたキャラクタ配置において、必殺技による攻撃が実行される。例えば、上記変更されたキャラクタの位置や向きに基づいて、味方キャラクタ13の発動した必殺技のモーションや、敵キャラクタ17が攻撃を受けて倒されたことを表現する「やられモーション」が描写される。
必殺技による攻撃が終了すると、図5(d)に示すように、位置変更処理部25が、位置記録処理部29により記録された位置に基づいて、味方キャラクタ13の変更された位置を矢印45に示されるように必殺技を発動した時点の位置に戻す。この図5(d)に示す処理は、プレイヤの目にとまらないように、演出実行処理部23により攻撃終了の演出(例えば2次元画像の表示やキャラクタのアップ画像の表示等)が実行されている最中に実行される。
次に、図6(a)~図6(d)に、例えば味方キャラクタ13が壁際に追い詰められ、敵キャラクタ17側を向いて必殺技を発動した場合を示す。この場合、必殺技を敵キャラクタ17に当てることは可能であるが、図6(a)に示すように、例えば味方キャラクタ13の後側に配置された仮想カメラ47により必殺技の実行中の画像を生成する場合には、仮想カメラ47が壁37の後側に配置されることとなり、このまま何も処理をしない場合には必殺技の実行中の画像が適切に表示されないことになる。
そこで本実施形態では、位置変更処理部25が、必殺技の実行中の画像を適切に描写できるように、味方キャラクタ13及び敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を変更する。具体的には、まず、味方キャラクタ13が必殺技を発動した際に、位置記録処理部29が味方キャラクタ13のフィールド15上の位置及び向きを記録する。そして、図6(a)に示すように、衝突判定領域設定処理部31が味方キャラクタ13を中心とする円形の衝突判定領域41を設定し、図6(b)に示すように、内部に仮想カメラ47を包含するように衝突判定領域41を拡大する。これに伴って衝突判定領域41の中心に位置する味方キャラクタ13の位置が矢印43に示されるように変更される。衝突判定領域41は、例えば、半径rが少なくとも味方キャラクタ13の後側に配置された仮想カメラ47が含まれる大きさとなるまで拡大される。これにより、仮想カメラ47が壁37の前側に配置されることとなる。なお、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13の向きについても必要に応じて例えば敵キャラクタ17側を向くように変更する。
次に、図6(c)に示すように、位置変更処理部25が、複数の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を必殺技の効果範囲39内に集めるように変更する。この際、位置変更処理部25は、敵キャラクタ17の向きについても、位置を変更された味方キャラクタ13側を向くように変更する。
以上の図6(a)~図6(c)に示す処理は、演出実行処理部23により攻撃開始の演出が実行されている最中に実行される。そして、図6(c)に示す変更されたキャラクタ配置において、必殺技による攻撃が実行される。
必殺技による攻撃が終了すると、図6(d)に示すように、位置変更処理部25が、味方キャラクタ13の変更された位置及び向きを矢印45に示されるように必殺技を発動した時点の位置及び向きに戻す。この図6(d)に示す処理は、演出実行処理部23により攻撃終了の演出が実行されている最中に実行される。
次に、図7(a)~図7(d)に、例えば味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との間にオブジェクト49(例えば樹木)が存在する場所で、味方キャラクタ13が必殺技を発動した場合を示す。この場合、必殺技の実行中の画像にオブジェクト49が入り込むこととなり、このまま何も処理をしない場合には必殺技の実行中の画像を綺麗に格好良く描写できない可能性がある。
そこで本実施形態では、位置変更処理部25が、必殺技の実行中の画像を適切に描写できるように、味方キャラクタ13及び敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を変更する。具体的には、まず、味方キャラクタ13が必殺技を発動した際に、位置記録処理部29が味方キャラクタ13のフィールド15上の位置及び向きを記録する。そして、図7(a)に示すように、衝突判定領域設定処理部31が味方キャラクタ13を中心とする円形の衝突判定領域41を設定し、図7(b)に示すように、衝突判定領域41の内部にオブジェクト49が配置されないように、衝突判定領域41を拡大する。これに伴って衝突判定領域41の中心に位置する味方キャラクタ13の位置が矢印43に示されるように変更される。衝突判定領域41は、例えば、半径rが少なくとも味方キャラクタ13とオブジェクト49との間に必殺技の効果範囲39が含まれる大きさとなるまで拡大される。なお、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13の向きについても必要に応じて例えば敵キャラクタ17側を向くように変更する。
次に、図7(c)に示すように、位置変更処理部25が、複数の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を必殺技の効果範囲39内に集めるように変更する。この際、位置変更処理部25は、敵キャラクタ17の向きについても、位置を変更された味方キャラクタ13側を向くように変更する。
以上の図7(a)~図7(c)に示す処理は、演出実行処理部23により攻撃開始の演出が実行されている最中に実行される。そして、図7(c)に示す変更されたキャラクタ配置において、必殺技による攻撃が実行される。
必殺技による攻撃が終了すると、図7(d)に示すように、位置変更処理部25が、味方キャラクタ13の変更された位置及び向きを矢印45に示されるように必殺技を発動した時点の位置及び向きに戻す。この図7(d)に示す処理は、演出実行処理部23により攻撃終了の演出が実行されている最中に実行される。
<5.ゲーム画面の例(1)>
次に、図8~図12を用いて、例えば前述の図5(a)~図5(d)に示した処理を実行した場合、すなわち味方キャラクタ13が複数の敵キャラクタ17により壁際に追い詰められた状態で必殺技を発動した場合のゲーム画面の具体例について説明する。なお、図8~図12では区別を容易とするために味方キャラクタ13を白、敵キャラクタ17をハッチングで示す。
図8に示すように、味方キャラクタ13は敵キャラクタ17により壁際に追い詰められており、例えばプレイヤが慌てて誤操作を行うことにより、味方キャラクタ13の正面側に効果範囲39が設定された必殺技を壁37側に向けて発動している。
必殺技の発動により、図9に示すように攻撃開始の演出が実行される。図9に示す例では、例えば必殺技による攻撃の開始を表す「奥義開始!!」の文字が表された2次元画像が画面を覆うように表示されている。フィールド15上で敵キャラクタ17と戦闘を行う戦闘フェーズにおいて、この2次元画像が表示されることにより、味方キャラクタ13の必殺技による攻撃が開始される。
上記2次元画像の表示中に、前述の図5(b)及び図5(c)に示したように、味方キャラクタ13及び敵キャラクタ17のフィールド15上の位置がそれぞれ変更される。その結果、図10に示すように、変更されたキャラクタ配置において、味方キャラクタ13の発動した必殺技のモーションや、敵キャラクタ17が攻撃を受けて倒されたことを表現する「やられモーション」が描写される。
必殺技による攻撃が終了すると、図11に示すように攻撃終了の演出が実行される。図11に示す例では、例えば必殺技による攻撃の終了を表す「奥義終了!!」の文字が表された2次元画像が画面を覆うように表示されている。戦闘フェーズにおいて、この2次元画像が表示されることにより、味方キャラクタ13の必殺技による攻撃が終了する。
上記2次元画像の表示中に、前述の図5(d)に示したように、味方キャラクタ13の変更された位置が必殺技を発動した時点の位置に戻される。その結果、図12に示すように、味方キャラクタ13は再び元の壁際の位置に戻り、プレイヤの操作に応じてフィールド15を移動可能な状態となる。
<6.キャラクタ位置変更の例(2)>
次に、図13及び図14を用いて、上述した位置変更処理部25によるキャラクタ位置変更の他の具体例について説明する。図13及び図14に、味方キャラクタ13が移動可能領域外から敵キャラクタ17に攻撃を実行して戦闘の開始条件が満たされた場合、又は、味方キャラクタ13が移動可能領域外で敵キャラクタ17に見つかって戦闘の開始条件が満たされた場合における、キャラクタ位置変更の具体例を示す。なお、図13及び図14では区別を容易とするために味方キャラクタ13を白、敵キャラクタ17をハッチングで示すとともに、各キャラクタの正面の向きを矢印35で示す。
図13(a)~図13(c)に示す例では、例えば味方キャラクタ13が細い通路51を移動しており、通路51の先にある広間53に敵キャラクタ17が配置されている。図13(a)に示すように、広間53には、移動可能領域設定処理部33により移動可能領域55が設定されており、敵キャラクタ17は矢印56に示すように移動可能領域55の内部でのみ移動(徘徊)し、外部に出ることはない。この場合において、図13(b)に示すように、味方キャラクタ13が移動可能領域55の外部から敵キャラクタ17に対して攻撃を仕掛け、戦闘の開始条件が満たされて戦闘が開始されると、戦闘が行われるのに適した場所として設定された移動可能領域55の外部、すなわち戦闘に不適切な場所で戦闘が行われることとなる。特にその攻撃が遠距離攻撃である場合には、不適切な場所で戦闘が行われる可能性がより高くなる。図13(b)に示す例では、味方キャラクタ13は例えば弓矢57により敵キャラクタ17に対して遠距離攻撃を仕掛けており、狭い通路51で戦闘が行われることとなる。
そこで、図13(c)に示すように、位置変更処理部25が、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。この際、位置変更処理部25は、敵キャラクタ17の位置や向きについても、位置を変更された味方キャラクタ13と所定距離をおいて対峙するように変更する。また、必要に応じて味方キャラクタ13の向きを変更してもよい。
上記図13(c)に示す処理は、プレイヤの目にとまらないように、演出実行処理部23により戦闘開始の演出(例えば2次元画像の表示やキャラクタのアップ画像の表示等)が実行されている最中に実行される。そして、図13(c)に示す変更されたキャラクタ配置において、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘が実行される。
また、図14(a)~図14(c)に示す例は、移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13を発見する場合である。仮に、図14(b)に示すように敵キャラクタ17が味方キャラクタ13を発見した際に、戦闘が開始されない場合には、敵キャラクタ17は味方キャラクタ13を発見したにも拘わらず近づくことができず、移動可能領域55の境界付近をうろうろすることになる。その結果、移動可能領域55は表示されずプレイヤには見えないようになっているにも拘わらず、プレイヤは移動可能領域55を認識することとなり興ざめしてしまう。
そこで、本実施形態のように、敵キャラクタ17が味方キャラクタ13を発見した際に戦闘の開始条件が満たされて戦闘が開始されるようにすることで、敵キャラクタ17が上記のような状態となるのを回避でき、プレイヤは移動可能領域55を意識することなくプレイできる。しかしながら、この場合には味方キャラクタ13が移動可能領域55の外部に位置する状態で戦闘が開始されるため、上述した図13と同様に、戦闘に不適切な場所で戦闘が行われることとなる。図14(b)に示す例では、味方キャラクタ13が通路51の移動中に敵キャラクタ17に発見されているため、狭い通路51で戦闘が行われることとなる。
そこで、図14(c)に示すように、位置変更処理部25が、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。この際、位置変更処理部25は、敵キャラクタ17の位置についても、位置を変更された味方キャラクタ13と所定距離をおいて対峙するように変更する。また、必要に応じて味方キャラクタ13や敵キャラクタ17の向きを変更してもよい。
上記図14(c)に示す処理は、プレイヤの目にとまらないように、演出実行処理部23により戦闘開始の演出(例えば2次元画像の表示やキャラクタのアップ画像の表示等)が実行されている最中に実行される。そして、図14(c)に示す変更されたキャラクタ配置において、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘が実行される。
なお、上記図13及び図14に示す場合では、戦闘終了後に味方キャラクタ13の位置を通路51に戻すことは実行せず、広間53で移動フェーズに復帰する。但し、前述の図5~図7に示す処理と同様に、味方キャラクタ13の位置を通路51に戻すようにしてもよい。
<7.ゲーム画面の例(2)>
次に、図15~図21を用いて、上述の図13及び図14に示す場合のゲーム画面の具体例について説明する。なお、図15~図21では区別を容易とするために味方キャラクタ13を白、敵キャラクタ17をハッチングで示す。
図15に示すように、味方キャラクタ13は細い通路51を移動しており、通路51の先にある広間53に敵キャラクタ17が存在している。この例では、敵キャラクタ17は味方キャラクタ13に気付いていない。
この状態で、図16に示すように、味方キャラクタ13が弓矢57により敵キャラクタ17に対して遠距離攻撃を仕掛けると、図17に示すように戦闘開始の演出が実行される。図17に示す例では、仮想カメラ47を敵キャラクタ17に近づけることにより敵キャラクタ17のアップ画像を表示させ、例えば敵キャラクタ17が味方キャラクタ13からの先制攻撃を受けてよろめいた様子が描写されている。この敵キャラクタ17のアップ画像が所定時間表示された後に、仮想カメラ47を敵キャラクタ17から遠ざけて再び元のロング画面に戻す。このようなカメラワークによる演出を挟んで、移動フェーズから戦闘フェーズに遷移する。
上記アップ画像の表示中に、前述の図13(c)に示したように、味方キャラクタ13の位置が移動可能領域55の外部から内部に変更される。その結果、図18に示すように、広間53において味方キャラクタ13と敵キャラクタ17とが対峙した配置となり、当該変更されたキャラクタ配置において、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘が実行される。
また、図19に示すように、広間53の敵キャラクタ17が細い通路51を移動中の味方キャラクタ13を発見すると、図20に示すように戦闘開始の演出が実行される。図20に示す例では、仮想カメラ47を敵キャラクタ17に近づけることにより敵キャラクタ17のアップ画像を表示させ、例えば敵キャラクタ17が先制攻撃をしようと剣を振りかぶった様子が描写されている。この敵キャラクタ17のアップ画像が所定時間表示された後に、仮想カメラ47を敵キャラクタ17から遠ざけて再び元のロング画面に戻す。このようなカメラワークによる演出を挟んで、移動フェーズから戦闘フェーズに遷移する。
上記アップ画像の表示中に、前述の図14(c)に示したように、味方キャラクタ13の位置が移動可能領域55の外部から内部に変更される。その結果、図21に示すように、ロング画面において広間53の内部で味方キャラクタ13と敵キャラクタ17とが対峙した配置となり、当該変更されたキャラクタ配置において、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘が実行される。なお、図21に示す例では、ロング画面に戻った際に、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17からの先制攻撃を受けてダメージを受けた状態(例えば膝をついた状態)が表示されており、移動フェーズ(敵キャラクタ17の気づき)からの演出(敵キャラクタ17による先制攻撃)を経た戦闘フェーズ(味方キャラクタ13のダメージ)への移行がシームレスに表現されている。
なお、上記図15~図21に示した場合において、戦闘が終了すると、広間53において戦闘フェーズから移動フェーズに戻り、当該広間53において味方キャラクタ13は再びプレイヤの操作に応じてフィールド15を移動可能な状態となる。
<8.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、図22及び図23を用いて、フィールドの移動中に味方キャラクタ13と敵キャラクタ17の戦闘が実行される際に、情報処理装置3のCPU101によって実行される処理手順の一例について説明する。
ステップS5では、情報処理装置3は、キャラクタ移動処理部19により、プレイヤの操作に応じて味方キャラクタ13をフィールド15上で移動させる。
ステップS10では、情報処理装置3は、開始条件判定処理部21により、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17と遭遇したか否かを判定する。味方キャラクタ13が敵キャラクタ17と遭遇していない場合には(ステップS10:NO)、上記ステップS5に戻る。一方、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17と遭遇した場合には(ステップS10:YES)、ステップS15に移る。
ステップS15では、情報処理装置3は、開始条件判定処理部21により、味方キャラクタ13が所定の効果範囲が設定された必殺技を発動したか否かを判定する。必殺技を発動したと判定した場合には攻撃の開始条件が満たされ(ステップS15:YES)、ステップS20に移る。
ステップS20では、情報処理装置3は、位置記録処理部29により、上記必殺技を発動した時点の味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を記録する。
ステップS25では、情報処理装置3は、演出実行処理部23により、所定の2次元画像を表示する攻撃開始の演出を実行する。
ステップS30では、情報処理装置3は、位置変更処理部25により、上記攻撃開始の演出の実行中に、発動した必殺技の効果範囲39内に敵キャラクタ17が存在するように、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を変更する。このとき、前述のように、味方キャラクタ13の周囲に複数の敵キャラクタ17が存在する場合には、複数の敵キャラクタ17の位置を必殺技の効果範囲39内に集めるように変更する。
ステップS35では、情報処理装置3は、戦闘実行処理部27により、上記ステップS30で変更されたキャラクタ位置に基づいて、味方キャラクタ13の発動した必殺技を敵キャラクタ17に対して実行する。
ステップS40では、情報処理装置3は、戦闘実行処理部27により、味方キャラクタ13の発動した必殺技が終了したか否かを判定する。必殺技が終了するまでの間は本ステップS40で待機し(ステップS40:NO)、必殺技が終了した場合には(ステップS40:YES)、ステップS45に移る。
ステップS45では、情報処理装置3は、演出実行処理部23により、所定の2次元画像を表示する攻撃終了の演出を実行する。
ステップS50では、情報処理装置3は、位置変更処理部25により、上記攻撃終了の演出の実行中に、味方キャラクタ13の変更された位置を、上記ステップS20で記録した必殺技を発動した時点の位置に戻す。
ステップS55では、情報処理装置3は、フィールドの移動を終了するか否かを判定する。例えば、フィールドを移動する場面から別の画面に遷移したり、プレイヤによりフィールドの移動を終了する操作やゲームを終了する操作がされた場合には(ステップS55:YES)、本フローを終了する。一方、フィールドの移動を続ける場合には(ステップS55:NO)、最初のステップS5に戻る。
なお、先のステップS15において、味方キャラクタ13が必殺技を発動していないと判定した場合には(ステップS15:NO)、ステップS60に移る。
ステップS60では、情報処理装置3は、開始条件判定処理部21により、移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃を実行したか否かを判定する。攻撃を実行した場合には戦闘の開始条件が満たされ(ステップS60:YES)、ステップS65に移る。
ステップS65では、情報処理装置3は、演出実行処理部23により、仮想カメラ47を敵キャラクタ17に近づけて敵キャラクタ17のアップ画像を一時的に表示する戦闘開始の演出を実行する。
ステップS70では、情報処理装置3は、位置変更処理部25により、上記戦闘開始の演出の実行中に、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。
ステップS75では、情報処理装置3は、戦闘実行処理部27により、上記ステップS70で変更したキャラクタ配置に基づいて、プレイヤの操作に基づいて行動する味方キャラクタ13と、所定のアルゴリズムに基づいて行動する敵キャラクタ17とを戦闘させる。
ステップS80では、情報処理装置3は、戦闘実行処理部27により、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17を倒したか否かを判定する。敵キャラクタ17を倒していない場合には(ステップS80:NO)、上記ステップS75に戻る。敵キャラクタ17を倒した場合には(ステップS80:YES)、前述のステップS55に移る。
なお、先のステップS60において、移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃を実行していない場合には(ステップS60:NO)、ステップS85に移る。
ステップS85では、情報処理装置3は、開始条件判定処理部21により、移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13を発見したか否かを判定する。敵キャラクタ17が味方キャラクタ13を発見した場合には戦闘の開始条件が満たされ(ステップS85:YES)、上記ステップS65に移る。一方、敵キャラクタ17が味方キャラクタ13を発見していない場合には(ステップS85:NO)、前述のステップS55に移る。
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
<9.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置3を、プレイヤの操作に基づいて味方キャラクタ13をフィールド15で移動させるキャラクタ移動処理部19、味方キャラクタ13が敵キャラクタ17と遭遇した場合に、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされたか否かを判定する開始条件判定処理部21、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた場合に、攻撃又は戦闘の開始の演出を実行する演出実行処理部23、攻撃又は戦闘の開始の演出の実行中に、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置から所定の位置に変更する位置変更処理部25、所定の位置に変更された状態で、フィールド15における味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との戦闘を実行する戦闘実行処理部27、として機能させる。
本実施形態では、味方キャラクタ13がフィールド15を移動して敵キャラクタ17と遭遇し、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされると、フィールド15上で攻撃又は戦闘が実行される。このとき、攻撃又は戦闘が行われる場所や、味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との位置関係によっては、攻撃又は戦闘を適切に実行できない可能性があり、その場合にはゲームの興趣性が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた場合に攻撃又は戦闘の開始の演出を実行し、当該演出の実行中に、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置から所定の位置に変更する。これにより、攻撃又は戦闘を適切に実行可能な場所や位置関係とすることが可能となり、攻撃又は戦闘が行われる場所や味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との位置関係によらずに攻撃又は戦闘を適切に実行できる。また、フィールド15における味方キャラクタ13の移動(移動フェーズ)と敵キャラクタ17との戦闘(戦闘フェーズ)との間に演出を挟むことにより、プレイヤに気付かれないように違和感なくキャラクタの位置変更をすることができる。これにより、フィールド15における移動フェーズと戦闘フェーズを区切りなくシームレスに表現できる。したがって、ゲームの興趣性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を記録する位置記録処理部29、としてさらに機能させ、演出実行処理部23は、攻撃又は戦闘の終了時に攻撃又は戦闘の終了の演出を実行し、位置変更処理部25は、攻撃又は戦闘の終了の演出の実行中に、味方キャラクタ13の変更された位置を攻撃又は戦闘の開始条件が満たされた時点の位置に戻す。
これにより、攻撃又は戦闘において味方キャラクタ13の位置を変更した場合でも、攻撃又は戦闘の終了後に変更前の元の位置に戻すことができるので、プレイヤは攻撃又は戦闘の終了後も違和感なくプレイを続行することができる。
また、本実施形態では特に、開始条件判定処理部21は、味方キャラクタ13が所定の効果範囲39が設定された必殺技を実行した場合に攻撃の開始条件が満たされたと判定し、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13が実行した必殺技の効果範囲39内に敵キャラクタ17が存在するように、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を変更する。
本実施形態のように、味方キャラクタ13の移動と敵キャラクタ17との戦闘がフィールド15上で区切りなくシームレスに実行される場合、例えば敵キャラクタ17から逃げている最中や敵キャラクタ17に追い詰められた際などに味方キャラクタ13が必殺技を実行すると、プレイヤの慌てた操作により敵キャラクタ17とは異なる方向や異なる対象に必殺技を発動してしまい、攻撃が外れてしまう可能性がある。
本実施形態では、味方キャラクタ13が発動した必殺技の効果範囲39内に敵キャラクタ17が存在するように、味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方のフィールド15上の位置を変更する。これにより、戦闘が行われる場所や味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との位置関係によらずに、必殺技を敵キャラクタ17に確実に当てることが可能となる。したがって、ゲームの興趣性を向上できる。
また、本実施形態では特に、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13が必殺技を発動した際に味方キャラクタ13の周囲に複数の敵キャラクタ17が存在する場合に、複数の敵キャラクタ17のフィールド15上の位置を必殺技の効果範囲39内に集めるように変更する。
これにより、味方キャラクタ13の周囲に複数の敵キャラクタ17が存在する状態で必殺技を発動した場合には、戦闘が行われる場所や味方キャラクタ13と敵キャラクタ17との位置関係によらずに、必殺技を複数の敵キャラクタ17にまとめて命中させて効率良く敵を倒すことができる。したがって、プレイヤは気持ちよく必殺技を発動することができる。
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、味方キャラクタ13の周囲に、フィールド15の3次元画像を生成するための仮想カメラ47を包含するように、フィールド15に配置されたオブジェクト49との衝突を判定可能な衝突判定領域41を設定する衝突判定領域設定処理部31、としてさらに機能させ、位置変更処理部25は、オブジェクト49が衝突判定領域41内に存在しなくなるように、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を変更する。これにより、次のような効果を得る。
すなわち、戦闘を開始するときの味方キャラクタ13の場所が、例えば建物の壁37や樹木等のオブジェクト49の近傍である場合、味方キャラクタ13の向きや敵キャラクタ17との位置関係によっては、戦闘時に仮想カメラ47が壁37やオブジェクト49等の内部に入り込んだり、仮想カメラ47が壁37やオブジェクト49を挟んでキャラクタ13,17とは反対側に位置することとなったり、仮想カメラ47と味方キャラクタ13との間に壁37やオブジェクト49が割り込んだりする可能性があり、その場合には戦闘画像が適切に表示されなくなる。
そこで本実施形態では、味方キャラクタ13の周囲に仮想カメラ47を包含するように衝突判定領域41を設定し、壁37やオブジェクト49が衝突判定領域41内に存在しなくなるように味方キャラクタ13の位置を変更する。これにより、味方キャラクタ13の周囲から壁37やオブジェクト49を排除できると共に、仮想カメラ47と味方キャラクタ13との間に壁37やオブジェクト49が割り込むことを防止できるので、遮る物がないクリアな戦闘画像を適切に表示することができる。
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、フィールド15に敵キャラクタ17が移動可能な移動可能領域55を設定する移動可能領域設定処理部33、としてさらに機能させ、開始条件判定処理部21は、移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13が移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17に攻撃を実行した場合に戦闘の開始条件が満たされたと判定し、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。
本実施形態では、フィールド15に移動可能領域55が設定されており、当該領域内に配置された敵キャラクタ17は当該移動可能領域55の内部でのみ移動し、外部に出ることはない。この場合において、移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13が内部に位置する敵キャラクタ17に対して攻撃を実行することにより戦闘が開始されると、移動可能領域55の外部で戦闘が行われることとなり、戦闘が適切に実行されない可能性がある。
そこで本実施形態では、戦闘開始の演出の実行中に、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。これにより、戦闘が行われるのに適した場所として設定された移動可能領域55の内部で戦闘を実行することができるので、戦闘を適切に実行することができる。また、戦闘開始の演出によりプレイヤに気付かれないように味方キャラクタ13の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更することができるので、フィールド15における移動フェーズと戦闘フェーズを区切りなくシームレスに表現できる。
また、本実施形態では特に、開始条件判定処理部21は、移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13を発見した場合に戦闘の開始条件が満たされたと判定し、位置変更処理部25は、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。
このようにして戦闘が開始される場合も、味方キャラクタ13が移動可能領域55の外部に位置する状態で戦闘が開始されるため、戦闘に不適切な場所で戦闘が行われることとなる。そこで本実施形態では、戦闘開始の演出の実行中に、味方キャラクタ13のフィールド15上の位置を移動可能領域55の外部から内部に変更する。これにより、戦闘が行われるのに適した場所として設定された移動可能領域55の内部で戦闘を実行することができるので、戦闘を適切に実行することができる。
また、本実施形態では特に、演出実行処理部23は、所定の2次元画像を表示する演出を実行する。
これにより、例えば味方キャラクタ13や敵キャラクタ17に関連する画像、移動フェーズから戦闘フェーズへの移行を表現する画像、文字や記号等による情報を示す画像、等を表示することにより、様々な趣向を凝らした演出が可能となる。また、そのような画像を表示することにより味方キャラクタ13や敵キャラクタ17の位置変更を目立たなくすることができる。
また、本実施形態では特に、演出実行処理部23は、フィールド15の3次元画像を生成するための仮想カメラ47を味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の少なくとも一方に近づける演出を実行する。
これにより、味方キャラクタ13及び敵キャラクタ17が含まれるロング画像から一時的に味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17のアップ画像を表示することができ、その戦闘場面の状況を強調した効果的な演出が可能となる。また、そのようなアップ画像を表示することにより味方キャラクタ13又は敵キャラクタ17の位置変更を目立たなくすることができる。
<10.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図24を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置3のハードウェア構成の一例について説明する。
図24に示すように、情報処理装置3は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、ハードディスク等の記録装置117等に記録しておくことができる。
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のキャラクタ移動処理部19、開始条件判定処理部21、演出実行処理部23、位置変更処理部25、戦闘実行処理部27、位置記録処理部29、衝突判定領域設定処理部31、移動可能領域設定処理部33等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
また、CPU101は、必要に応じて、前述のゲームコントローラ5を含む、例えばマウス、キーボード、マイク等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示装置7や音声出力部を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
<11.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、以上では、位置変更処理部25が少なくとも味方キャラクタ13の位置を変更する場合について説明したが、味方キャラクタ13の位置変更を行わなくとも、敵キャラクタ17の位置変更のみを行うことで、戦闘を適切に実行できるようになる場合には、敵キャラクタ17の位置変更のみを行ってもよい。
また例えば、敵キャラクタ17は移動可能領域55の外部に出ることはできないが、移動可能領域55の内部から遠距離攻撃を行って、移動可能領域55の外部にいる味方キャラクタ13に攻撃を仕掛けてもよい。このような場合には、開始条件判定処理部21は、移動可能領域55の内部に位置する敵キャラクタ17が移動可能領域55の外部に位置する味方キャラクタ13に攻撃を仕掛けた場合に戦闘の開始条件が満たされたと判定してもよい。
また以上では、前述の図17や図20に示すように、仮想カメラ47の移動による演出を行う場合に、敵キャラクタ17のアップ画像を表示させる場合を一例として説明したが、仮想カメラ47を味方キャラクタ13に近づけて味方キャラクタ13のアップ画像を表示させる演出を行ってもよい。例えば、上記のように、移動可能領域55内の敵キャラクタ17が移動可能領域55外の味方キャラクタ13に攻撃を仕掛ける場合、仮想カメラ47を味方キャラクタ13に近づけて、例えば味方キャラクタ13が敵キャラクタ17からの先制攻撃を受けてよろめいた様子を描写してもよい。
また以上では、味方キャラクタ13が必殺技を発動して攻撃の開始条件が満たされた場合に、2次元画像の表示による演出を行い、味方キャラクタ13が移動可能領域外から敵キャラクタ17に攻撃を実行するか、味方キャラクタ13が移動可能領域外で敵キャラクタ17に見つかって戦闘の開始条件が満たされた場合に、キャラクタのアップ画像の表示による演出を行う場合を一例として説明したが、演出はこれに限られない。例えば、上記とは反対に、味方キャラクタ13が必殺技を発動して攻撃の開始条件が満たされた場合に、キャラクタのアップ画像の表示による演出を行い、味方キャラクタ13が移動可能領域外から敵キャラクタ17に攻撃を実行するか、味方キャラクタ13が移動可能領域外で敵キャラクタ17に見つかって戦闘の開始条件が満たされた場合に、例えば2次元画像の表示による演出を行ってもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。