JP7486211B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法、ならびに電解コンデンサモジュール - Google Patents

電解コンデンサおよびその製造方法、ならびに電解コンデンサモジュール Download PDF

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Description

本開示は、電解コンデンサおよびその製造方法、ならびに電解コンデンサモジュールに関する。
小型かつ大容量でESR(等価直列抵抗)の低いコンデンサとして、誘電体層を形成した陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆う導電性高分子と、電解液とを備える、電解コンデンサが有望視されている。電解液としては、非水溶媒、または溶質を非水溶媒に溶解させた溶液などの液状成分が用いられる。
特許文献1は、固体電解コンデンサに、四価以上の糖アルコール誘導体を含む電解液を用いることを提案している。
特許文献2は、ソルビトールまたはソルビトールおよび多価アルコールを含む固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部に、エチレングリコールを含む電解液を充填することを提案している。電解液は、ソルビトールを含み得る。
特許文献3は、微粒子状の導電性高分子化合物と第1水溶性化合物とを含んだ分散液をコンデンサ素子に導入する第1導入ステップと、第1導入ステップによって形成された固体電解質層を取り囲むように、液体状のポリエチレングリコールと水と第2水溶性化合物とを含んだ水溶性高分子溶液を導入する第2導入ステップを有する固体電解コンデンサの製造において、第2導入ステップで、微粒子状の導電性高分子化合物を含まない水溶性高分子溶液を用いるとともに、第2水溶性化合物として第1水溶性化合物と同じ物質を用いることを提案している。ここで、第1水溶性化合物は、分子量が100以上200未満で水酸基を4つ以上有するものか、ジグリセリンか、またはその両方である。
特開2018-110233号公報 特開2014-123685号公報 特許第6535409号公報
電解コンデンサは、用途によっては高温環境下で用いられることがあるため、高い耐熱性が求められる。
[技術1]本開示の一側面は、コンデンサ素子と、液状成分とを含み、
前記コンデンサ素子は、表面に誘電体層を備える陽極体と、前記誘電体層の一部を覆う導電性高分子と、を含み、
前記液状成分は、糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含み、
前記糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む、電解コンデンサに関する。
[技術2]前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量は、5質量%以上70質量%以下である、技術1に記載の電解コンデンサ。
[技術3]前記液状成分中の前記ポリアルキレングリコール成分の含有量は、前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量より多い、技術1または2に記載の電解コンデンサ。
[技術4]前記糖アルコール成分は、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、およびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを含む、技術1~3のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術5]
前記液状成分中の前記ポリアルキレングリコール成分の含有量は、30質量%以上95質量%以下である、技術1~4のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術6]
前記ポリアルキレングリコール成分の重量平均分子量は、200以上2000以下である、技術1~5のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術7]前記液状成分は、0.5質量%以上の濃度で溶質を含む、技術1~6のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術8]前記液状成分の20℃における粘度は、200mPa・s以上である、技術1~7のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術9]
開口部を備え、かつ前記コンデンサ素子および前記液状成分を収容する容器と、
前記開口部を封口する封口体と、をさらに備え、
前記封口体は、弾性高分子を含み、
前記封口体に占める前記弾性高分子の割合は、10質量%以上である、技術1~8のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術10]前記弾性高分子は、フェノール樹脂および過酸化物からなる群より選択された少なくとも一種の架橋剤で架橋されている、技術9に記載の電解コンデンサ。
[技術11]120℃の温度で2000時間以上の使用を保証する、技術1~10のいずれか1つに記載の電解コンデンサ。
[技術12]本開示の他の側面は、並列に接続された複数の上記の技術1~11のいずれか1つに記載の電解コンデンサを備える電解コンデンサモジュールに関する。
[技術13]
許容電流が20A以上である、技術12に記載の電解コンデンサモジュール。
[技術14]本開示のさらに他の側面は、表面に誘電体層を備える陽極体および前記誘電体層の一部を覆う導電性高分子を含むコンデンサ素子と、液状成分とを含む電解コンデンサを製造する方法であって、
糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含む液状成分を調製する工程と、
前記導電性高分子を前記誘電体層に含浸させる導電性高分子含浸工程と、
前記導電性高分子含浸工程の後、前記液状成分を、前記コンデンサ素子に含浸させる液状成分含浸工程と、を含み、
前記糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
[技術15]前記調製工程は、前記糖アルコール成分を前記ポリアルキレングリコール成分に溶解させる工程を含む、技術14に記載の電解コンデンサの製造方法。
[技術16]前記液状成分含浸工程に先立って、前記液状成分の粘度を200mPa・s未満にする工程を含む、技術14または15に記載の電解コンデンサの製造方法。
耐熱性に優れる電解コンデンサおよび電解コンデンサモジュールを提供できる。
本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。 図1の電解コンデンサのコンデンサ素子の一部を展開した概略図である
非水溶媒を含む液状成分を備える電解コンデンサを高温環境下で用いる場合、非水溶媒が蒸散し易く、十分な耐久性が得られ難い。そのため、比較的高い沸点を有する非水溶媒を含む液状成分を用いることが好ましい。しかし、非水溶媒の沸点が高い場合、液状成分の粘度が高くなり、コンデンサ素子に含浸させ難くなる場合がある。また、このような非水溶媒を用いると、溶質の解離性が低下し、電解コンデンサの特性を確保し難いことがある。また、非水溶媒の分子鎖において炭素原子の連なりが増加すると、封口体に含まれる弾性高分子との親和性が高くなり、非水溶媒で封口体が膨潤し易くなる。非水溶媒で封口体が膨潤した電解コンデンサが高温環境下に晒されると、封口体の劣化が進行して、耐久性が低下する。従来、電解コンデンサの液状成分に使用される非水溶媒としては様々なものが挙げられているが、上記のような特性のバランスに優れる液状成分を得ることは非常に難しい。
本開示の一側面の電解コンデンサでは、導電性高分子を含むコンデンサ素子を含む電解コンデンサにおいて、糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含む液状成分を用いる。ここで、糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む。このような糖アルコール成分は、親水性は高いが非水溶媒に対する溶解性は低く、電解コンデンサの液状成分には実際には使用し難い。しかし、このような糖アルコール成分とポリアルキレングリコール成分とを組み合わせることで、糖アルコール成分の溶解が容易になるとともに、液状成分の粘度を比較的低く抑制でき、溶質の高い解離性を確保することができるため、電解コンデンサの液状成分としての利用が可能になる。そして、このような液状成分は、糖アルコール成分を含むことで、高温環境下でも揮発し難いことに加え、封口体を膨潤し難い。そのため、電解コンデンサの高い耐熱性を確保することができる。さらに、4つ以上のヒドロキシ基の糖アルコールまたはその誘導体は、グリセリンなどに比べても、コンデンサ素子に含まれる導電性高分子の配向性を高めることができ、これにより導電性高分子の導電性を高めることができる。また、一般に、液状成分にヒドロキシ基が多い成分を用いると、封口体を透過し易くなるが、上記のような糖アルコール成分を用いることで、高温環境下でも液状成分中に多くの糖アルコール成分が残存するため、導電性高分子の高い配向性を維持することができる。
以下に、電解コンデンサの構成および電解コンデンサの製造方法についてより詳細に説明する。
[電解コンデンサ]
電解コンデンサは、コンデンサ素子と液状成分とを含む。電解コンデンサは、通常、コンデンサ素子および液状成分を収容する容器と、容器を封口する封口体と、を備える。
(液状成分)
(糖アルコール成分)
糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種(以下、第1糖アルコール成分と称する場合がある。)を含む。糖アルコール成分は、第1糖アルコール成分以外の糖アルコール成分(第2糖アルコール成分)を含んでもよい。糖アルコール成分による効果を確保し易い観点からは、糖アルコール成分に占める第1糖アルコール成分の比率は、50質量%以上が好ましく、75質量%以上または90質量%以上であってもよい。糖アルコール成分を第1糖アルコール成分のみで構成してもよい。
4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコール(以下、第1糖アルコールと称する場合がある。)としては、単糖アルコール、二糖アルコールなどが挙げられる。第1糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トレイトール、アラビニトール、リビトール、キシリトール、ガラクチトール、ラムニトール、イソマルトース、マルチトール、ラクチトール、パラチノース、およびこれらの還元体(例えば、還元パラチノース)が挙げられる。
第1糖アルコールのヒドロキシ基の数は、例えば、10個以下であってもよく、8個以下であってもよい。
第1糖アルコールの誘導体のヒドロキシ基の個数は特に制限されない。誘導体は、ヒドロキシ基を有していなくてもよく、対応する第1糖アルコールよりも多くのヒドロキシ基を有するものであってもよい。誘導体のヒドロキシ基の個数は、例えば、0~10個、0~8個、1~8個、または2~8個であってもよい。誘導体としては、例えば、第1糖アルコールの少なくとも一部のヒドロキシ基がエステル化されたエステル、第1糖アルコールのアルキレンオキサイド付加体などが挙げられる。エステルとしては、例えば、有機酸エステル(アセチル化糖アルコールなど)が挙げられる。アルキレンオキサイド付加体としては、より具体的には、少なくとも一部のヒドロキシ基について、1つのヒドロキシ基に対し1分子のアルキレンオキサイドが付加した付加体が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、C2-4アルキレンオキサイドが挙げられ、C2-3アルキレンオキサイドまたはエチレンオキサイドが好ましい。アルキレンオキサイド付加体が複数のアルキレンオキサイドユニットを含む場合、少なくとも2つのアルキレンオキサイドユニットは同じ種類のものであってもよく、全てのアルキレンオキサイドユニットの種類が異なるものであってもよい。
液状成分は、一種の第1糖アルコール成分を含んでもよく、二種以上の第1糖アルコール成分を含んでもよい。導電性高分子を配向し易い観点からは、少なくとも隣接する2つの炭素原子にヒドロキシ基を有する第1アルコール成分を用いることが好ましい。第1糖アルコール成分としては、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、およびこれらの誘導体などが好ましい。誘導体としては、アルキレンオキサイド付加体が好ましい。これらの第1糖アルコール成分は、導電性高分子を膨潤し易いことに加え、導電性高分子を配向させ易い。そのため、誘電体層の皮膜修復効果が高まるとともに、ESRを低減することができる。
第2糖アルコール成分としては、トリトールまたはその誘導体などが挙げられる。トリトールとしては、グリセリンが挙げられる。誘導体としては、例えば、トリトールの少なくとも一部のヒドロキシ基がエステル化されたエステル、トリトールの少なくとも一部のヒドロキシ基にアルキレンオキサイドが付加した付加体、ポリグリセリンまたはその誘導体が挙げられる。なお、ポリグリセリンまたはその誘導体は、一般に、糖アルコールには分類されないが、本明細書では、便宜上、これらを含めて第2アルコール成分と称する。ポリグリセリンとしては、例えば、グリセリンの繰り返し数が2以上12以下のものが挙げられる。ポリグリセリンの誘導体としては、例えば、少なくとも一部のヒドロキシ基がエステル化されたエステル、少なくとも一部のヒドロキシ基にアルキレンオキサイドが付加した付加体が挙げられる。エステルおよびアルキレンオキサイド付加体としては、第1糖アルコールの誘導体についての説明を参照できる。液状成分は、第2糖アルコール成分を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
液状成分中の糖アルコール成分の含有量は、例えば、5質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、または30質量%以上としてもよい。糖アルコール成分の含有量がこのような範囲である場合、導電性高分子を膨潤し易いことに加え、導電性高分子の配向性を高め易い。また、他の成分の比率が相対的に低くなることで、液状成分による封口体の膨潤を抑制する効果が高まる。液状成分中の糖アルコール成分の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下、35質量%以下、または30質量%以下であってもよい。糖アルコール成分の含有量がこのような範囲である場合、液状成分の粘度を低く抑えることができるとともに、溶質の高い解離性を確保し易い。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
(ポリアルキレングリコール成分)
ポリアルキレングリコール成分としては、アルキレンオキサイドの繰り返し構造を有するものであればよい。アルキレンオキサイドとしては、例えば、C2-4アルキレンオキサイドが挙げられ、C2-3アルキレンオキサイドであってもよい。アルキレンオキサイドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリアルキレングリコール成分は、一種のアルキレンオキサイド単位を含むものであってもよく、二種以上のアルキレンオキサイド単位を含むものであってもよい。二種以上のアルキレンオキサイド単位を含むポリアルキレングリコール成分は、例えば、エチレンオキサイド単位とC3-4アルキレンオキサイド単位とを含むものであってもよい。二種以上のアルキレンオキサイド単位を含むポリアルキレングリコール成分を用いると、液状成分の粘度を低減する効果が高まる。
ポリアルキレングリコール成分としては、例えば、ポリアルキレングリコール、二種以上のアルキレンオキサイド単位を含む共重合体、および多価アルコールのポリアルキレンオキサイド付加体が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、および第1糖アルコールについて例示された糖アルコールなどが挙げられる。ポリアルキレンオキサイド付加体において、2つ以上のポリアルキレンオキサイド鎖が同じポリアルキレンオキサイド鎖であってもよく、全てのポリアルキレンオキサイド鎖が異なるものであってもよい。
液状成分は、一種のポリアルキレングリコール成分を含んでもよく、二種以上のポリアルキレングリコール成分を含んでもよい。
ポリアルキレングリコール成分の重量平均分子量(Mw)は、例えば、150以上であり、200以上が好ましい。Mwがこのような範囲である場合、糖アルコール成分を溶解し易く、液状成分が糖アルコール成分を含むにも拘わらず液状成分の粘度を低く抑えることができる。また、液状成分の揮発を抑制する効果を高めることができる。Mwは、例えば、3000以下であり、2000以下または1000以下であってもよく、800以下または600以下であってもよい。Mwがこのような範囲である場合、液状成分の粘度をさらに低く抑えることができる。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
なお、本明細書中、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の値である。なお、GPCは、通常は、ポリスチレンゲルカラムと、移動相としての水/メタノール(体積比8/2)とを用いて測定される。
液状成分中のポリアルキレングリコール成分の含有量は、例えば、30質量%以上であり、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、または70質量%以上が好ましい。この場合、糖アルコール成分の溶解性を高めることができるとともに、糖アルコール成分を含むにも拘わらず、液状成分の粘度をより低く抑えることができる。液状成分中のポリアルキレングリコール成分の含有量は、例えば、95質量%以下であり、90質量%以下が好ましく、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、または50質量%以下であってもよい。この場合、高温環境下で電解コンデンサを用いても、液状成分による封口体の膨潤をより効果的に抑制できる。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
液状成分中のポリアルキレングリコール成分の含有量は、糖アルコール成分の含有量より多いことが好ましい。これにより、糖アルコール成分を溶解し易くなるとともに、液状成分における溶質の高い解離性を確保し易くなるため、誘電体層の皮膜修復効果を高めることができる。
(非水溶媒)
液状成分は、糖アルコール成分およびポリアルキレングリコール成分以外の非水溶媒を含んでもよい。非水溶媒としては、スルホン化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、糖アルコール成分およびポリアルキレングリコール成分以外の多価アルコールなどが挙げられる。
スルホン化合物としては、スルホラン、ジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシド等が挙げられる。ラクトン化合物としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。多価アルコールとしては、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
液状成分は、これらの非水溶媒を一種含んでいてもよく、二種以上含んでもよい。
封口体の液状成分による膨潤を抑制する効果が高まる観点からは、このような非水溶媒の液状成分中の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下または1質量%以下がより好ましい。
(溶質)
液状成分は、溶質を含んでいてもよい。溶質としては、酸成分、塩基成分などが挙げられる。液状成分は、少なくとも酸成分を含むことが好ましい。導電性高分子成分がドーパントを含む場合、電解液中の酸成分は、ドーパントの脱ドープ現象を抑制し、各高分子成分の導電性を安定化させる。また、導電性高分子成分からドーパントが脱ドープした場合でも、脱ドープ跡のサイトに電解液の酸成分が再ドープされるため、ESRが低く維持され易くなる。電解液は、酸成分とともに塩基成分を含んでもよい。塩基成分により、酸成分の少なくとも一部が中和される。よって、酸成分の濃度を高めつつ、酸成分による電極の腐食を抑制することができる。
酸成分としては、例えば、カルボン酸、イオウ含有酸(硫酸、スルホン酸など)、ホウ素含有酸(ホウ酸、ハロゲン化ホウ酸(テトラフルオロホウ酸など)、またはこれらの部分エステルなど)、リン含有酸(リン酸、ハロゲン化リン酸(ヘキサフルオロリン酸など)、ホスホン酸、ホスフィン酸、またはこれらの部分エステル)、硝酸、亜硝酸が挙げられる。酸成分として、カルボン酸と無機酸(ホウ酸、リン酸など)との縮合物を用いてもよい。液状成分は、酸成分を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
酸成分としては、カルボン酸、スルホン酸、カルボン酸と無機酸との縮合物などが好ましい。スルホン酸としては、例えば、炭素数1~30の脂肪族スルホン酸、炭素数6~30の芳香族スルホン酸が挙げられる。カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などが挙げられる。中でも、芳香族カルボン酸が比較的安定である。また、2つ以上のヒドロキシ基を有するポリカルボン酸も好ましい。具体的には、芳香族カルボン酸として、フタル酸、ピロメリット酸などを用い得る。中でも、フタル酸が好ましい。
カルボン酸と無機酸との縮合物としては、カルボン酸とホウ酸との縮合物が好ましい。このような縮合物としては、具体的には、ボロジサリチル酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸などを用い得る。
塩基成分としては、例えば、アンモニア、アミン(具体的には、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン)、第4級アンモニウム化合物およびアミジニウム化合物等が挙げられる。液状成分は、塩基成分を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
アミンは、脂肪族、芳香族、および複素環式のいずれでもよい。アミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、スペルミジン、スペルミン、アマンタジン、アニリン、フェネチルアミン、トルイジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、4-ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。第4級アンモニウム化合物としては、例えば、アミジン化合物(イミダゾール化合物も含む)が挙げられる。
液状成分は、酸成分および塩基成分をそれぞれ遊離の状態で含んでいてもよく、塩の形態で含んでいてもよい。液状成分は、有機塩を含んでいてもよい。有機塩としては、酸成分および塩基成分の少なくとも一方が有機であるものが挙げられる。有機塩としては、例えば、マレイン酸トリメチルアミン、フタル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3-ジメチル-2-エチルイミダゾリニウム、ボロジサリチル酸トリエチルアミンを用いてもよい。
液状成分のpHは4以下が好ましく、3.8以下、または3.6以下であってもよい。電解液のpHをこのような範囲とすることで、導電性高分子成分の劣化は抑制され易くなる。pHは1.0以上が好ましい。
液状成分中の溶質の濃度は、例えば、0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましい。溶質の濃度がこのような範囲である場合、糖アルコール成分およびポリアルキレングリコール成分と組み合わせることで、溶質を液状成分中で高い解離性で解離させることができ、誘電体層の高い皮膜修復性を確保することができる。溶質の濃度は、25質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。溶質の濃度がこのような範囲である場合、ドーパントの脱ドープを抑制することができる。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
(その他)
液状成分中の水の含有量は、1.5質量%未満または1質量%以下であってもよく、0.5質量%未満であることが好ましく、0.1質量%以下または0.01質量%以下であってもよい。糖アルコール成分は一般に水に対する溶解性が高いが、ポリアルキレングリコール成分と組み合わせることで、液状成分中の水の含有量が少なくとも、加熱により糖アルコール成分をポリアルキレングリコール成分に容易に溶解させることができる。そして、糖アルコール成分は、結晶性が高いにも拘わらず、一旦、ポリアルキレングリコール成分に溶解すると析出が抑制される。なお、水の含有量は、初期状態の電解コンデンサの液状成分中の含有量である。
糖アルコール成分を含む液状成分は、20℃での粘度は比較的高くなる傾向にあるが、ポリアルキレングリコール成分と組み合わせることで、加熱により糖アルコール成分をポリアルキレングリコール成分中に溶解させることができる。液状成分の20℃における粘度は、例えば、200mPa・s以上であり、500mPa・s以上であってもよい。20℃における液状成分の粘度がこのような範囲でも、加熱により粘度を低下させることができる。そのため、コンデンサ素子の導電性高分子に液状成分を容易に含浸させることができ、誘電体層の高い皮膜修復性を確保し易くなるとともに、導電性高分子を配向させて高い導電性を確保し易くなる。
本明細書中、液状成分の粘度は、振動式粘度計を用いて測定できる。振動式粘度計としては、例えば、CBC社製の振動式粘度計VM-100Aが用いられる。
(コンデンサ素子)
コンデンサ素子は、表面に誘電体層を備える陽極体と、誘電体層の一部を覆う導電性高分子と、を少なくとも含む。
(陽極体)
陽極体は、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などを含むことができる。これらの材料は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましく使用される。表面が多孔質である陽極体は、例えば、エッチングなどにより弁作用金属を含む基材(箔状または板状の基材など)の表面を粗面化することで得られる。また、陽極体は、弁作用金属を含む粒子の成形体またはその焼結体でもよい。なお、焼結体は、多孔質構造を有する。
(誘電体層)
誘電体層は、陽極体の表面の弁作用金属を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。誘電体層は、陽極体の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。誘電体層は、通常、陽極体の表面に形成される。誘電体層は、陽極体の多孔質の表面に形成されるため、陽極体の表面の孔や窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。
誘電体層は弁作用金属の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場合の誘電体層はTa25を含み、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合の誘電体層はAl23を含む。尚、誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。陽極体の表面が多孔質である場合、誘電体層は、陽極体の表面(孔の内壁面を含む)に沿って形成される。
(導電性高分子層)
導電性高分子は、誘電体層の一部を覆うように付着して導電性高分子層を構成している。導電性高分子は、電解コンデンサにおける陰極体の少なくとも一部を構成する。導電層高分子層は、導電性高分子層は、必要に応じて、さらに、ドーパントおよび添加剤の少なくとも一方を含んでもよい。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
ドーパントは、ポリアニオンであってよい。ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは単独モノマーの重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。なかでも、ポリスチレンスルホン酸由来のポリアニオンが好ましい。
導電性高分子層は、例えば、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することにより、形成することができる。あるいは、導電性高分子が溶解した溶液、または、導電性高分子が分散した分散液を、誘電体層に接触させることにより、形成することができる。導電性高分子層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。
陰極体にも、陽極体と同様、金属箔を用いてもよい。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、金属箔の表面を粗面化してもよい。金属箔の表面には、化成皮膜が設けられていてもよく、金属箔を構成する金属とは異なる金属(異種金属)や非金属の被膜が設けられていてもよい。異種金属や非金属としては、例えば、チタンのような金属やカーボンのような非金属などを挙げることができる。
(セパレータ)
金属箔を陰極体に用いる場合、金属箔と陽極体との間にはセパレータを配置してもよい。セパレータとしては、特に制限されず、例えば、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、アラミドなどの芳香族ポリアミド)の繊維を含む不織布などを用いてもよい。
(その他)
電解コンデンサは、巻回型であってもよく、チップ型または積層型のいずれであってもよい。コンデンサ素子の構成は、電解コンデンサのタイプに応じて、選択すればよい。
(容器)
容器の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。容器の形状は、コンデンサ素子および液状成分を収容可能である限り特に制限されない。
(封口体)
封口体は、容器の開口部を封止するものであれば特に制限されない。封口体は、通常、弾性高分子を含む。封口体は、さらに、弾性高分子を架橋する架橋剤、添加剤などを含んでもよい。
弾性高分子としては、絶縁性のものが用いられる。弾性高分子としては、例えば、ブチルゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(ハイパロン(商標)ゴムなど)などが挙げられる。封口体は、弾性高分子は一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。
弾性高分子は、高い封止性を有するものの、耐熱性が十分ではなく、高温環境下では酸化劣化して脆くなり、封口体の封止機能が低下する。電解コンデンサは、例えば、車両(自動車など)のエンジンルーム内またはその近傍など、高温環境下での使用が想定されることがある。液状成分を含む電解コンデンサでは、液状成分の弾性高分子に対する親和性が高いと、弾性高分子が液状成分により膨潤し易くなる。液状成分で膨潤した弾性高分子は、高温環境下で、さらに劣化し易くなる。本開示によれば、上記の液状成分を用いることで、封口体に含まれる弾性高分子の劣化を効果的に抑制でき、耐熱性に優れる電解コンデンサが得られる。
封口体に占める弾性高分子の割合は、例えば、10質量%以上であり、20質量%以上であってもよい。弾性高分子の割合がこのような範囲である場合、高温環境下で封口体が劣化し易い。このような場合であっても、上記の液状成分を用いることで弾性高分子の劣化を抑制でき、電解コンデンサの高い耐熱性を確保することができる。封口体の強度を確保し易い観点からは、弾性高分子の割合は、50質量%以下または40質量%以下であることが好ましい。なお、弾性高分子が架橋剤で架橋されている場合、弾性高分子の割合は、架橋剤を含む弾性高分子の割合である。
封口体を構成する弾性高分子は、通常、架橋剤で架橋されている。特に、フェノール樹脂(アルキルフェノール樹脂オリゴマーなど)および過酸化物(有機過酸化物など)からなる群より選択された少なくとも一種の架橋剤で架橋された弾性高分子を含む封口体を備える電解コンデンサは、特に高い耐熱性が求められる用途への利用に適している。このような封口体を用いる場合でも、従来の液状成分を用いると、高温環境下において、液状成分の膨潤により封口体の劣化を抑制できない場合がある。本開示によれば、上記の液状成分を用いるため、高温環境下での使用が想定されるこのような封口体を用いる場合でも、封口体の劣化が抑制され、高い耐熱性を確保することができる。
添加剤としては、例えば、補強剤(カーボンブラックなどのカーボンなど)、酸化防止剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、分散助剤、改質材、加硫剤、加硫助剤、および加工助剤からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
電解コンデンサは、高い耐熱性を備えており、高温環境下での使用を保証することができる。例えば、電解コンデンサは、120℃(もしくは150℃)の温度で2000時間以上の使用を保証することができる。また、電解コンデンサは、高い耐久性や耐熱性が求められる車両のエンジンルームまたはその近傍に配置される用途にも適している。
本開示には、上記のような電解コンデンサを複数備える電解コンデンサモジュールも包含される。電解コンデンサモジュールは、並列に接続された複数の電解コンデンサを備え得る。従来の電解コンデンサを複数並列に接続した電解コンデンサモジュールの、モジュール全体に20A以上の電流を流すと、各電解コンデンサのESRにより電解コンデンサの温度が100℃以上(時には、120℃以上または150℃以上)の高温になり、使用できなくなる。場合によっては、モジュール全体に50A以上または100A以上といった大きな電流を流すこともある。本開示の電解コンデンサは、耐熱性に優れるため、複数の電解コンデンサを並列接続して電解コンデンサモジュールを構成し、モジュール全体に20A以上(もしくは、50A以上または100A以上)の電流を流しても、長期間(具体的には、1000時間以上、好ましくは1500時間以上、さらに好ましくは2000時間以上)の使用を保証することができる。このような電解コンデンサモジュール全体の許容電流は、20A以上であってもよく、50A以上または100A以上であってもよい。
図1は、本実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図であり、図2は、同電解コンデンサに係るコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
電解コンデンサは、例えば、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10および図示しない液状成分を収容する有底ケース101と、有底ケース101の開口を塞ぐ封止体102と、封止体102を覆う座板103と、封止体102から導出され、座板103を貫通するリード線104A、104Bと、リード線とコンデンサ素子10の電極とを接続するリードタブ105A、105Bとを備える。有底ケース101の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、開口端は封止体102にかしめるようにカール加工されている。
コンデンサ素子10は、例えば、図に示すような巻回体である。巻回体は、リードタブ105Aと接続された陽極体11と、リードタブ105Bと接続された陰極体12と、セパレータ13とを備える。陽極体11には、図示しない導電性高分子層が形成されている。そして、コンデンサ素子10の少なくとも導電性高分子層には、液状成分が含浸されている。
陽極体11および陰極体12は、セパレータ13を介して巻回されている。巻回体の最外周は、巻止めテープ14により固定される。なお、図は、巻回体の最外周を止める前の、一部が展開された状態を示している。
電解コンデンサは、少なくとも1つのコンデンサ素子を有していればよく、複数のコンデンサ素子を有していてもよい。電解コンデンサに含まれるコンデンサ素子の数は、用途に応じて決定すればよい。
[電解コンデンサの製造方法]
電解コンデンサは、上記の液状成分を調製する工程と、導電性高分子を誘電体層に含浸させる導電性高分子含浸工程と、導電性高分子含浸工程の後、液状成分を、コンデンサ素子に含浸させる液状成分含浸工程と、を少なくとも含む製造方法により製造される。電解コンデンサの製造方法は、液状成分含浸工程に先立って、液状成分の粘度を調節する工程を含んでもよい。電解コンデンサの製造方法は、さらにコンデンサ素子を準備する工程およびコンデンサ素子を封止する工程を含み得る。
以下に電解コンデンサの製造方法の一例について説明する。
(1)コンデンサ素子10を準備する工程
(i)誘電体層を有する陽極体11および陰極体12を準備する工程
陽極体11および陰極体12の原料には、弁作用金属で形成された金属箔が用いられる。陽極体11の場合、エッチング処理等により、金属箔の表面が粗面化され、金属箔の表面に複数の凹凸が形成される。次に、化成処理等により、粗面化された金属箔の表面に誘電体層が形成される。必要に応じて、陰極体12の表面を粗面化してもよい。
(ii)巻回体の作製
陽極体11と陰極体12とをセパレータ13を介して巻回し、巻回体を作製する。巻回体の最外層に位置する陰極体12の外表面に巻止めテープ14を配置し、陰極体12の端部を固定する。必要に応じて、巻回体に対し、更に化成処理が行われる。
(iii)コンデンサ素子10を形成する工程
導電性高分子を誘電体層に含浸させること(導電性高分子含浸工程)によりコンデンサ素子10を形成することができる。例えば液状の導電性高分子分散体を誘電体層に含浸させ、誘電体層の少なくとも一部を覆う導電性高分子の膜を形成する。これにより、陽極体11と陰極体12との間に導電性高分子が配置されたコンデンサ素子10が得られる。高分子分散体を誘電体層の表面に付与する工程は2回以上繰り返してもよい。
導電性高分子分散体は、例えば、導電性高分子と、導電性高分子を分散する液状媒体とを含む。液状媒体としては、水、有機液状媒体、またはこれらの混合物などが挙げられる。導電性高分子分散体は、必要に応じて、さらに、ドーパントおよび添加剤の少なくとも一方を含んでもよい。導電性高分子分散体が糖アルコール成分を含む場合、分散体が誘電体層に浸透し難く、導電性高分子を誘電体層に含浸させ難い。そのため、導電性高分子分散体は、糖アルコール成分を含まないことが好ましい。
(2)液状成分を調製する工程
液状成分は、液状成分の構成成分を混合することにより調製し得る。糖アルコール成分は、非水溶媒に対する溶解性が低いが、ポリアルキレングリコール成分と組み合わせることで糖アルコール成分が均一に溶解した液状成分を調製することができる。なお、本工程は、液状成分含浸工程より前に行えばよく、コンデンサ素子の準備の前または後に行ってもよく、コンデンサ素子を準備する間に行ってもよい。
より具体的には、本工程は、糖アルコール成分をポリアルキレングリコール成分に溶解させる工程を含み得る。糖アルコール成分およびポリアルキレングリコール成分を、これらの成分の融点よりも高い温度かつ沸点または分解温度以下の温度に加熱することにより、糖アルコール成分をポリアルキレングリコール成分に溶解させることができる。液状成分が他の成分(溶質、他の非水溶媒など)を含む場合には、糖アルコール成分を溶解させる段階で他の成分を共存させてもよい。糖アルコール成分は、ポリアルキレングリコール成分に一旦溶解すると、冷却しても析出し難い。そのため、液状成分が他の成分を含む場合には、加熱により糖アルコール成分をポリアルキレングリコール成分に溶解させた後に、冷却してから、他の成分を混合することもできる。
加熱温度は、例えば、30℃以上200℃以下であり、50℃以上100℃以下であってもよい。
(3)液状成分の粘度を調節する工程
含浸工程に先立って、液状成分の粘度を調節してもよい。液状成分の粘度は、例えば、液状成分の温度を調節することにより調節される。より具体的には、液状成分を加熱することにより粘度を調節してもよい。なお、本工程は、液状成分を調製する工程において行ってもよい。より具体的には、加熱下で液状成分を調製し、粘度が低くなった状態で、コンデンサ素子10に含侵させてもよい。
本工程により、含浸に供される液状成分の粘度を、200mPa・s未満にすることが好ましく、100mPa・s以下または70mPa・s以下にすることがより好ましい。糖アルコール成分とポリアルキレングリコール成分とを組み合わせることで、加熱により液状成分の粘度をこのような範囲に調節することができる。これにより、コンデンサ素子の導電性高分子に液状成分を容易に含浸させることができ、誘電体層の高い皮膜修復性を確保し易くなるとともに、導電性高分子を配向させて高い導電性を確保し易くなる。
含浸に供される液状成分の温度は、例えば、10℃以上120℃以下であってもよく、20℃以上100℃以下または20℃以上70℃以下であってもよい。液状成分を加熱することで、含浸に供される液状成分の温度を、50℃以上120℃以下、50℃以上100℃以下、または50℃以上70℃以下の温度に調節してもよい。
(4)液状成分含浸工程
本工程では、コンデンサ素子10に液状成分を含浸させればよい。これにより、導電性高分子と液状成分とを具備する電解コンデンサが得られる。液状成分は、例えば、容器内にコンデンサ素子10および液状成分を収容することによりコンデンサ素子10に含浸させてもよく、コンデンサ素子10を液状成分に浸漬することにより含浸させもよく、コンデンサ素子10に液状成分を滴下することにより含浸させてもよい。
(5)コンデンサ素子を封止する工程
コンデンサ素子10は、リード線104A、104Bが有底ケース101の開口側に位置するように有底ケース101に収納される。有底ケース101には、液状成分も収容される。次に、各リード線が貫通する封止体102で有底ケース101の開口を塞ぎ、開口端を封止体102にかしめてカール加工し、カール部分に座板103を配置すれば、図1に示すような電解コンデンサが完成する。
上記の実施形態では、巻回型の電解コンデンサについて説明したが、本発明の適用範囲は上記に限定されず、他の電解コンデンサ、例えば、陽極体として金属の焼結体を用いるチップ型の電解コンデンサや、金属板を陽極体として用いる積層型の電解コンデンサにも適用することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《電解コンデンサE1~E16およびC1~C4の作製》
定格電圧25V、定格静電容量330μFの巻回型の電解コンデンサ(直径10mm×L(長さ)10mm)を作製した。以下に、電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
(陽極体の準備)
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に化成処理により誘電体層を形成した。化成処理は、アジピン酸アンモニウム溶液にアルミニウム箔を浸漬し、これに180Vの電圧を印加することにより行った。その後、アルミニウム箔を裁断して、陽極体を準備した。
(陰極体の準備)
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔を裁断して、陰極体を準備した。
(巻回体の作製)
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とをリードタブを巻き込みながらセパレータを介して巻回した。巻回体から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。作製された巻回体に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで固定して巻回体を作製した。
(高分子分散体の調製)
3,4-エチレンジオキシチオフェンと、高分子ドーパントであるポリスチレンスルホン酸(PSS、重量平均分子量10万)とを、イオン交換水に溶かし、混合溶液を調製した。混合溶液を撹拌しながらイオン交換水に溶かした硫酸鉄(III)(酸化剤)を添加し
、重合反応を行った。反応後、得られた反応液を透析し、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去し、約5質量%のPSSがドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT/PSS)を含む高分子分散体を得た。
(固体電解質層の形成)
減圧雰囲気(40kPa)中で、所定容器に収容された高分子分散体に巻回体を5分間浸漬し、その後、高分子分散体から巻回体を引き上げた。次に、高分子分散体を含浸した巻回体を、150℃の乾燥炉内で20分間乾燥させ、誘電体層の少なくとも一部を被覆する導電性高分子層からなる固体電解質層を形成した。このようにしてコンデンサ素子を形成した。
(液状成分の調製)
表1に示す糖アルコール成分とポリアルキレングリコール成分とを混合し、混合物を、撹拌下で95℃に加熱することにより糖アルコール成分を溶解させた。得られる混合溶媒に、溶質としてフタル酸トリエチルアミンを15質量%濃度となるように加え、混合した。このようにして液状成分を調製した。
電解コンデンサC1~C4には、液状成分として表1に示す非水溶媒を用いた。
(電解コンデンサの組み立て)
液状成分を、60℃以上まで加熱して、粘度を200mPa・s未満に調整した。粘度を調整した液状成分200mgを、ケース内にコンデンサ素子とともに収容し、減圧雰囲気(40kPa)中で、5分間かけて、コンデンサ素子に液状成分を含浸させた。封口体を用いてケースの開口部を封止して、図1に示すような電解コンデンサを完成させた。その後、定格電圧を印加しながら、130℃で2時間エージング処理を行った。液状成分の粘度は、CBC社製の振動式粘度計VM-100Aを用いて測定した。
封口体としては、ブチルポリマー、過酸化物系架橋剤、および添加剤を混練し、金型を用いて成形することにより得られる円盤状の、ブチルゴムを含む弾性部材を用いた。添加剤としては、補強材(カーボンブラック)、架橋促進剤、分散助剤(ステアリン酸)、ヒンダードフェノール系老化防止剤、および改質剤(シランカップリング剤)を用いた。封口体中の弾性高分子成分であるブチルゴムの含有量が表1の値となるように各成分の使用量を調節した。
[評価1]
(ESRの測定および液状成分の残存量)
LCRメータを用いて、得られた電解コンデンサの周波数100kHz/ΩにおけるESR(初期ESR)を測定した。また、長期信頼性を評価するために、定格電圧を印加しながら145℃で2000時間保持し、ESRの増加率(ΔESR)を確認した。ΔESRは、初期値(Z)に対する145℃保持後の電解コンデンサのESR(Z)の比率(Z/Z×100%)で示した。ESR(Z)は、145℃保持後の電解コンデンサを用いて初期ESRの場合と同様にして測定した。
ESRの増加率を確認した後の電解コンデンサを分解し、液状成分を回収して、質量(g)を求めた。液状成分の残存量は、初期の液状成分の質量(m)に対する145℃保持後の液状成分の質量(m)の比率(m/m×100%)で示した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007486211000001
本開示の電解コンデンサは、ハイブリッド型電解コンデンサとして利用できる。電解コンデンサは、特に、高い耐熱性が求められる用途に適している。しかし、電解コンデンサの用途はこれらに限定されるものではない。
100:電解コンデンサ
101:有底ケース
102:封止体
103:座板
104A、104B:リード線
105A、105B:リードタブ
10:コンデンサ素子
11:陽極体
12:陰極体
13:セパレータ
14:巻止めテープ

Claims (14)

  1. コンデンサ素子と、液状成分とを含み、
    前記コンデンサ素子は、表面に誘電体層を備える陽極体と、前記誘電体層の一部を覆う導電性高分子と、を含み、
    前記液状成分は、糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含み、
    前記糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
    前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量は、5質量%以上であり、
    前記液状成分中の前記ポリアルキレングリコール成分の含有量は、前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量より多く、
    前記液状成分の20℃における粘度は、200mPa・s以上である、電解コンデンサ。
  2. コンデンサ素子と、液状成分とを含み、
    前記コンデンサ素子は、表面に誘電体層を備える陽極体と、前記誘電体層の一部を覆う導電性高分子と、を含み、
    前記液状成分は、糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含み、
    前記糖アルコール成分は、4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
    前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量は、5質量%以上70質量%以下であり、
    前記液状成分の20℃における粘度は、200mPa・s以上である、電解コンデンサ。
  3. 前記糖アルコール成分は、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、およびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記液状成分中の前記ポリアルキレングリコール成分の含有量は、30質量%以上95質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記ポリアルキレングリコール成分の重量平均分子量は、200以上2000以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記液状成分は、0.5質量%以上の濃度で溶質を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  7. 開口部を備え、かつ前記コンデンサ素子および前記液状成分を収容する容器と、
    前記開口部を封口する封口体と、をさらに備え、
    前記封口体は、弾性高分子を含み、
    前記封口体に占める前記弾性高分子の割合は、10質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  8. 前記封口体に占める前記弾性高分子の割合は、50質量%以下である、請求項7に記載の電解コンデンサ。
  9. 前記弾性高分子は、フェノール樹脂および過酸化物からなる群より選択された少なくとも一種の架橋剤で架橋されている、請求項7または8に記載の電解コンデンサ。
  10. 表面に誘電体層を備える陽極体および前記誘電体層の一部を覆う導電性高分子を含むコンデンサ素子と、液状成分とを含む電解コンデンサを製造する方法であって、
    4つ以上のヒドロキシ基を有する糖アルコールおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む糖アルコール成分と、ポリアルキレングリコール成分と、を含む液状成分を調製する調製工程と、
    前記導電性高分子を前記誘電体層を備える前記陽極体に含浸させる導電性高分子含浸工程と、
    前記導電性高分子含浸工程の後、前記液状成分を前記コンデンサ素子に含浸させる液状成分含浸工程と、を含み、
    前記液状成分の20℃における粘度は、200mPa・s以上であり、
    前記液状成分含浸工程において、前記液状成分を加熱して粘度を前記20℃における粘度よりも低下させ、該液状成分を前記コンデンサ素子に含浸させる、電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記液状成分含浸工程において、前記液状成分を加熱して粘度を200mPa・s未満に調整して、該液状成分を前記コンデンサ素子に含浸させる、請求項10に記載の電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記調製工程において、
    前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量を、5質量%以上とし、
    前記液状成分中の前記ポリアルキレングリコール成分の含有量を、前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量より多くする、請求項10または11に記載の電解コンデンサの製造方法。
  13. 前記調製工程において、
    前記液状成分中の前記糖アルコール成分の含有量を、5質量%以上70質量%以下とする、請求項10または11に記載の電解コンデンサの製造方法。
  14. 前記調製工程は、前記糖アルコール成分を前記ポリアルキレングリコール成分に溶解させる工程を含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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