JP7473726B1 - シリカ粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性に優れたシリカ粉末を提供する。【解決手段】本発明のシリカ粉末は、共振法により測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10-3以下であり、カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m2/g以上5.4m2/g以下、および、湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD90としたとき、D90が3.0μm以上75μm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ粉末に関する。
近年、通信分野における情報通信量の増加に伴い、電子機器や通信機器等において高周波数帯の活用が広がっている。高周波は、広帯域性、直進性、透過性等の特徴があり、特に、周波数が10以上であるGHz帯の使用が盛んに行われている。
高周波帯の適用に伴い、回路信号の伝送損失が大きくなる問題が生じている。伝送損失は、大別して、配線の表皮効果による導体損失と、基板等の電気電子部品を構成する絶縁体の誘電体材質の特性による誘電体損失からなる。誘電体損失は、周波数の1乗、絶縁体の誘電率の1/2乗および誘電正接の1乗に比例するため、高周波帯用のデバイスに用いられる材料に関して、誘電率および誘電正接が共に低いことが求められている。
シリカ(SiO)は、誘電率が小さく(3.7)、品質係数指標Qf(誘電正接の逆数と測定周波数を掛けた値)が約12万であり、低誘電率かつ誘電正接を有するフィラーの材料として有望である。
しかしながら、シリカの粒子の表面には、吸着水やシラノール基といった極性官能基等が多く存在し、特に、誘電正接が焼結された基板としての特性よりも悪化するという問題点がある。
これに対して、非特許文献1では、フィラー粒子の表面の吸着水や極性官能基の低減方法として、シランカップリング剤により表面処理する方法が検討されているが、1~10MHzでは誘電正接はほとんど低減しておらず、効果は不十分であり、GHz帯の効果は明記されていない。
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation Vol. 17、No. 6(2010)
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記非特許文献1に記載のシリカ粉末において、樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、シリカ粉末において、所定の「カールフィッシャー法により測定される水分量」とともに、「BET比表面積」および「湿式レーザー法により測定される90%累積体積時の粒子径D90」等の粒度特性を適切に調整することにより、樹脂に配合したときの誘電正接を低くしつつ、樹脂への充填性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、以下のシリカ粉末が提供される。
1. 下記の手順に従って測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10-3以下であるシリカ粉末であって、
カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m/g以上5.4m/g以下、および、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD90としたとき、D90が3.0μm以上75μm以下である、
シリカ粉末。
(手順)
当該シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて前記樹脂シートサンプルを成形する。得られた前記樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
2. 1.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径が2.5μm以上40μm以下である、シリカ粉末。
3. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最大ピークの頻度が10%以下である、シリカ粉末。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、前記比表面積の値をS(m/g)としたとき、Dm/Sが0.6以上である、
5. 1.~4.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が50%以下である、シリカ粉末。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が15%以下である、シリカ粉末。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、100%となるそれぞれの点の粒子径をD10、D50、D90としたとき、(D90-D10)/D50が10以下である、シリカ粉末。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
平均球形度が0.85以上である、シリカ粉末。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
非晶質率が95.0%以上である、シリカ粉末。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
ウラン元素およびトリウム元素の含有率が20ppb以下である、シリカ粉末。
本発明によれば、樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性に優れたシリカ粉末が提供される。
本実施形態のシリカ粉末の概要を説明する。
本実施形態のシリカ粉末は、
カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m/g以上5.4m/g以下、および、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD90としたとき、D90が3.0μm以上75μm以下を満たすものである。
本発明者の知見によれば、シリカ粉末において、所定の「カールフィッシャー法により測定される水分量」とともに、「BET比表面積」および「湿式レーザー法により測定される90%累積体積時の粒子径D90」等の粒度特性を適切に調整することにより、樹脂に配合したときの誘電正接の低減および樹脂への充填性の向上を実現できることが判明した。
ここで、超微粉を配合することにより、樹脂中におけるシリカ粉末の充填状態を向上させることができる一方で、超微粉の比表面積が大きいために、樹脂シートの誘電正接が上昇する恐れがある。発明者による鋭意検討の結果、十分に加熱処理した超微粉を用いることにより、充填性と低誘電正接とを両立することが可能であることが分かった。
また、上記のように粒度特性が適切なシリカ粉末を含む樹脂組成物は、成形時における狭ギャップへの充填性が高まるため、シリカ粉末が高充填され得る。このため、薄厚の樹脂組成物の成形体における誘電正接を低くするこが可能となる。
本実施形態のシリカ粉末は、下記の手順により測定される樹脂シートの40GHz時の誘電正接が2.0×10-3以下を満たすものである。
上記40GHz時の誘電正接の上限は、2.0×10-3以下、好ましくは1.9×10-3以下、より好ましくは1.5×10-3以下、さらに好ましくは0.5×10-3以下である。
上記40GHz時の誘電正接の下限は、とくに限定されないが、例えば、1.0×10-6以上としてもよい。
(誘電正接の測定手順)
シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて樹脂シートサンプルを成形する。得られた樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
本実施形態のシリカ粉末は、樹脂または樹脂組成物等の樹脂材料に配合するために用いる充填材として好適に使用できる。この樹脂材料は、様々な用途に適用できるが、例えば、高周波帯用樹脂材料等に用いることができる。
以下、本実施形態のシリカ粉末の構成を詳述する。
<シリカ粉末>
シリカ粉末は、シリカ(Si0)を主成分として含むものであればよい。
主成分とは、シリカ粉末全量中、質量換算で、シリカ(Si0)を、例えば、50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上含むことを意味する。
シリカ粉末は、純度が高い方が好ましいが、原料や製造過程で不可避に混入する不純物の存在を許容する。
シリカ粉末は、非晶質及び結晶質のいずれか一方または両方を含む。
シリカ粉末の非晶質率、例えば、95.0%以上、好ましくは97.0%以上、より好ましくは99.0%以上である。
シリカ粉末の非晶質率は、粉末X線回折装置(例えばRIGAKU社製商品名「モデルMiniFlex」)を用い、CuKα線の2θが26°~27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定する。
シリカ質粉末の場合、結晶質シリカは、26.7°に主ピークが存在するが、非晶質シリカではピークは存在しない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在していると、結晶質シリカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得られる。
そうすると、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対する試料のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比(試料のX線回折強度/結晶質シリカのX線回折強度)を算出し、式、非晶質率(%)=(1-結晶質シリカ混在比)×100から非晶質率(%)を算出することができる。
シリカ粉末の形状は、球状、破砕状、針状、フレーク状等の何れでも良いが、球状が好適である。
シリカ粉末の平均円形度は、例えば、0.85以上、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.95以上である。これにより、シリカ粉末を樹脂と混合した際に、粘度の増加や流動性の低下を抑制できる。
シリカ粉末の平均球形度は、次のように測定する。
実体顕微鏡(たとえば、ニコン社製モデル「SMZ-10型」)、走査型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(たとえば、日本アビオニクス社製など)に取り込む。
写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。
周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出することができる。
このようにして得られた任意の粒子200個の真円度を求めその平均値を平均球形度とした。
シリカ粉末の比表面積の上限は、5.4m/g以下、好ましくは5.0m/g下、より好ましくは4.0m/g以下である。これにより、樹脂に配合した時の誘電正接を低減できる。
一方、上記BET比表面積の下限は、0.2m/g以上、好ましくは0.3m/g以上、より好ましくは0.4m/g以上である。これにより、樹脂に配合したときの流動性の低下を抑制できる。
シリカ粉末の比表面積は、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定できる。具体的には、比表面積測定装置(Anton Paar社製、装置名:NOVA 800 BET)を用いて、吸着ガスとして窒素ガスを真空ポンプで輸送し、試料0.1~5.0gを300℃、30分間の条件で乾燥脱気してから測定する。
シリカ粉末の粒子径頻度分布における最頻径の上限は、例えば、40μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性をより向上できる。
一方、上記最頻径の下限は、例えば、2.5μm以上、好ましくは3.0μm以上、より好ましくは4.0μm以上である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の粘度上昇を抑制できる。
シリカ粉末の粒子径頻度分布における最大ピークの頻度の上限は、とくに限定されないが、例えば、10%以下、好ましくは9.5%以下、より好ましくは9.0%以下である。
一方、上記最大ピークの頻度の下限は、例えば、2.0%以上、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4.0%以上である。上記の最大ピークの頻度の上限を満たす粒子径頻度分布は、比較的ブロードなプロファイルを有する。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性を向上できる。
シリカ粉末における粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、シリカ粉末における比表面積の値をS(m/g)とし、最頻径の値/比表面積の値をDm/Sと定義する。
シリカ粉末におけるDm/Sの上限は、とくに限定されないが、例えば、50以下、好ましくは40以下、より好ましくは30以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性をより向上できる。
一方、上記Dm/Sの下限は、例えば、0.5以上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.6以上である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性を向上できる。
なお、シリカ粉末の粒子径頻度分布において2.5μm以上40μm以下の範囲内に頻度極大を示すピークの数は、1つであってよいし、複数のピークであってもよい。
シリカ粉末が複数のピークを有する場合、頻度が最大となるピークを「最大ピーク」と定義する。
シリカ粉末の粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度の上限は、例えば、50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは1.0%以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性を向上できる。
一方、上記15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度の下限は、特に限定されないが、0%以上でもよく、0.1%以上でもよい。
シリカ粉末の粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度の上限は、例えば、15%以下、好ましくは6.0%以下、より好ましくは1.0%以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の粘度上昇を抑制できる。
一方、上記0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度の下限は、特に限定されないが、0%以上でもよく、0.1%以上でもよい。
シリカ粒子の体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、90%となるそれぞれの点の粒子径をD10、D50、D90とする。
90の上限が、75μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の充填性をより向上できる。
一方、D90の下限が、3.0μm以上、好ましくは4.0μm以上、より好ましくは5.0μm以上である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の粘度上昇を抑制できる。
(D90-D10)/D50の上限が、例えば、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3.0以下である。これにより、シリカ粉末を配合した樹脂材料の粘度上昇を抑制できる。
一方、(D90-D10)/D50の下限が、例えば、0.3以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは1.0以上である。
シリカ粉末の粒子径頻度分布および体積頻度粒度分布は、湿式でのレーザー回折光散乱法による粒度測定に基づく値であり、粒度分布測定機としては、例えば、コールター社製のLS13 320にて測定することができる。測定に際しては、溶媒には水を用い、前処理として、120秒以上、ホモジナイザーを用いて500Wの出力をかけて分散処理することができる。また、PIDS(PolarizationIntensityDifferentialScattering)濃度を45~55%になるように調製する。なお、水の屈折率には1.33を用い、粉末の屈折率については粉末の材質の屈折率を考慮する。たとえば、非晶質シリカについては屈折率を1.50として測定する。
シリカ粉末において、カールフィッシャー法により測定される200℃になるまでに発生した水分量(物理吸着水)の上限は、500ppm以下、好ましくは490ppm以下、より好ましくは480ppm以下である。これにより、樹脂に配合した時の誘電正接をさらに低減できる。
一方、上記の物理吸着水の下限は、とくに限定されないが、0ppm以上でもよく、1ppm以上でもよい。
シリカ粉末中の水分量は、カールフィッシャー法により測定する。
具体的には、微量水分測定装置(三菱化学社製、モデルCA-05)を用い、粉末を水分気化機構中の石英管にセットし、電気ヒーターで室温から900℃まで加熱しながら、脱水処理されたアルゴンガスをキャリアガスとして供給し、粉末表面から揮発した水蒸気を水分測定機構に導き、水分量を測定した。電気ヒーターの加熱温度が200℃となるまでに発生した水分を物理吸着水とみなす。
シリカ粉末中のウラン元素およびトリウム元素の含有率の上限は、例えば、20ppb以下、好ましくは10ppb以下、より好ましくは1.0ppb以下である。これにより、メモリなどのデバイスの不具合発生率を抑制できる。
一方、上記ウラン元素およびトリウム元素の含有率の下限は、とくに限定されないが、例えば、0.1ppb以上でもよい。
シリカ粉末中のウラン元素およびトリウム元素の含有率は、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いて測定する。
本実施形態では、たとえばシリカ粉末の原料成分や、シリカ粉末の製造方法等を適切に選択することにより、上記の誘電正接、比表面積、粒子径頻度分布から求められる各種値、および体積頻度粒度分布から求められ各種値を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、乾式法で製造されたシリカ粉末を用いること、乾式分級すること、加熱処理した超微粉を配合すること等が、上記誘電正接、比表面積、粒子径頻度分布から求められる各種値、および体積頻度粒度分布から求められ各種値を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
<シリカ粉末の製造方法>
本実施形態製造方法の一例としては、乾式法で製造された原料シリカ粉末を、分級処理した後、超微粉配合処理することにより、シリカ粉末を得ることができる。
また、分級処理は、異なる粒度構成を持つシリカ粉末の適切量の混合または分級によって行うことができる。工業的には、篩や精密風力分級機等の分級機による分級が望ましく、分級操作は乾式法が好ましい。乾式法で製造した原料シリカ粉末を乾式分級することにより、湿式法で製造された原料シリカ粉末および/または湿式分級を使用した場合と比べて、シリカ粉末の凝集を抑制でき、ハンドリング性等を向上させることが可能となる。
なお、得られたシリカ粉末は、防湿袋に保管することが望ましい。
また分級処理されたシリカ粉末は、後処理の一つとして、加熱処理が施されてもよい。
加熱処理は、500~1100℃の温度で、かつ、加熱温度(℃)×加熱時間(h)を1000~26400(℃・h)とする所定時間(例えば、約1~52時間)、好ましくは、1800~17600(℃・h)とする所定時間(例えば、約2~35時間)、熱風あるいは電気炉にて処理する。
加熱温度が500~1100℃であれば、加熱前後にて比表面積および平均粒子径は変化しないことから、分級する工程は加熱前に実施し、所望の比表面積および平均粒子径に調整の後、加熱処理をすることが望ましい。
加熱処理後、電気炉内にて自然放冷後、110℃~300℃の状態でシリカ粉末を回収し、さらに湿度40%RH以下の環境下にて25℃にまで冷却し、15~25℃にて保管し、防湿アルミ袋にて回収して保管してもよい。
また超微粉配合処理は、分級処理したシリカ粉末よりも粒子径が小さいシリカ超微粉を所定比率で配合する処理である。シリカ超微粉の粒子径は、たとえばD50が2μm以下でもよく、0.1μm以上1.5μm以上が好ましい。また、シリカ超微粉の配合量は、シリカ粉末全体を100質量%としたとき、例えば、5質量%以上35質量%とすることが好ましい。シリカ超微粉には、配合前に、上記の加熱処理が施されたものを使用するのが好ましい。
シリカ粉末の保存方法としては、JIS Z 0208-1976の条件B(温度40℃-相対湿度90%)の透湿度が0.1(g/m・24h)以下の防湿袋、例えば防湿アルミ袋やPET/AL/PEラミネート袋を用いて保存するのが好ましい。
次に、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
本実施形態のシリカ粉末を樹脂組成物に配合したものを、樹脂材料として好適に使用できる。
樹脂組成物は、本実施形態のシリカ粉末の他に、樹脂や公知の樹脂添加剤などを含む。
樹脂組成物中に、シリカ粉末は、単独で使用してもよいが、その他のフィラーと混合して使用してもよい。樹脂組成物中には、シリカ粉末が10~99質量%含まれていてもよく、またはシリカ粉末およびその他のフィラーを含む混合無機粉末が10~99質量%含まれていてもよい。また、混合無機粉末中、その他のフィラーの含有量は、シリカ粉末100質量%に対して、例えば、1~20質量%、3~15質量%であってもよい。
なお、本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
他のフィラーとして、例えば、本実施形態のシリカ粉末以外のシリカ、アルミナ、チタニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
他のフィラーの平均粒子径は5~100μm程度のものが使用され、その粒度構成及び形状については特に制約はない。
上記の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン)樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、例えば、所定量比の原料成分をブレンダーやヘンシェルミキサー等によりブレンドした後、加熱ロール、ニーダー、一軸又は二軸押し出し機等により混練したものを冷却後、粉砕することによって製造することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 下記の手順に従って測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10 -3 以下であるシリカ粉末であって、
カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m /g以上5.4m /g以下、および、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD 90 としたとき、D 90 が3.0μm以上75μm以下である、
シリカ粉末。
(手順)
当該シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて前記樹脂シートサンプルを成形する。得られた前記樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
2. 1.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径が2.5μm以上40μm以下である、シリカ粉末。
3. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最大ピークの頻度が10%以下である、シリカ粉末。
4. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、前記比表面積の値をS(m /g)としたとき、Dm/Sが0.6以上である、
5. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が50%以下である、シリカ粉末。
6. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が15%以下である、シリカ粉末。
7. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、100%となるそれぞれの点の粒子径をD 10 、D 50 、D 90 としたとき、(D 90 -D 10 )/D 50 が10以下である、シリカ粉末。
8. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
平均球形度が0.85以上である、シリカ粉末。
9. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
非晶質率が95.0%以上である、シリカ粉末。
10. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
ウラン元素およびトリウム元素の含有率が20ppb以下である、シリカ粉末。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<シリカ粉末の調製>
[実施例1~5]
シリカ粉末は、以下の手順で調製した。
原料には、乾式法で製造された市販のシリカ粉末Aを用いた。原料に使用したシリカ粉末Aには、2.5~40.0μmの範囲に、最頻径のピークが1個であった。
(乾式分級)
まず、原料のシリカ粉末に対して、大きな粒子径を除外するため、精密風力分級機を用いて乾式分級を実施した。粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が表1の値を示すものが得られた。
(超微粉配合)
次に、乾式分級後のシリカ粉末に対して、D50が2μm以下のシリカ超微粉を所定量配合した。粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が表1の値を示すものが得られた。
(後処理1:加熱処理)
実施例1,3では、超微粉配合前に、乾式分級後のシリカ粉末に対して加熱処理を実施した。
加熱処理において、シリカ粉末をアルミナ坩堝に充填し、大気下、電気炉内温度1000℃にて4時間加熱処理した。加熱処理後、炉内で200℃まで冷却し、デシケーター内(23℃、10%RH)で室温まで冷却し、加熱処理されたシリカ粉末を回収した。
(後処理2:加熱処理)
実施例1~5では、超微粉配合前に、D50が2μm以下のシリカ超微粉に対して加熱処理を実施した。
加熱処理において、シリカ粉末をアルミナ坩堝に充填し、大気下、電気炉内温度1000℃にて4時間加熱処理した。加熱処理後、炉内で200℃まで冷却し、デシケーター内(23℃、10%RH)で室温まで冷却し、加熱処理されたシリカ超微粉を回収した。
[比較例1]
乾式法で製造された市販品のシリカ粉末Bを使用し、上記の(乾式分級)および上記(後処理1:加熱処理)を実施して、シリカ粉末を得た。
シリカ粉末Bには、2.5~40.0μmの範囲に最頻径のピークがなく、40.0μm越えた範囲に最頻径のピークが1個であった。
[比較例2]
原料には、乾式法で製造された市販のシリカ粉末Cを使用し、上記の(乾式分級)のみを実施して、シリカ粉末を得た。
原料に使用したシリカ粉末Cは、2.5~40.0μmの範囲に最頻径のピークがなく、2.5μm未満の範囲に最頻径のピークが1個であった。
[比較例3]
原料には、乾式法で製造された市販のシリカ粉末Dを使用し、上記の(乾式分級)および上記(後処理1:加熱処理)のみを実施して、シリカ粉末を得た。
原料に使用したシリカ粉末Dは、2.5~40.0μmの範囲に最頻径のピークがなく、2.5μm未満の範囲に最頻径のピークが1個であった。
[比較例4]
原料には、乾式法で製造された市販のシリカ粉末Eを使用し、上記の(乾式分級)、上記(後処理1:加熱処理)、および上記(超微粉配合)のみを実施して、上記シリカ粉末を得た。
原料に使用した原料に使用したシリカ粉末Eには、2.5~40.0μmの範囲に、最頻径のピークが1個であった。
[比較例5]
原料には、乾式法で製造された市販のシリカ粉末Fを使用し、上記(後処理2:加熱処理)を実施せず、上記の(乾式分級)および上記(後処理1:加熱処理)のみを実施して、シリカ粉末を得た。
原料に使用した原料に使用したシリカ粉末Fには、2.5~40.0μmの範囲に、最頻径のピークが1個であった。
各実施例、各比較例で得られたシリカ粉末は、各種評価の直前までアルミパック内で保存した。
Figure 0007473726000001
得られたシリカ粉末について、以下の項目を評価した。
<共振法により測定した誘電正接>
シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末(住友精化社製、フローセンUF-20S)とを、加速度60g、処理時間2分の条件下、振動式ミキサー(Resodyn社製)を用いて混合した。
得られた混合粉末を所定体積分(厚みが約0.3mmになるように)計量し、直径3cmの金枠内に入れ、熱プレス機(井元製作所社製「IMC-1674-A型」)にて、140℃、10MPa、15分の成形条件にて成形して、1.5cm角、厚0.3mmの樹脂シートサンプルを成形した。なお、樹脂シートサンプルの形状やサイズは、測定器に搭載できれば評価結果に影響しない。
得られた樹脂シートサンプルを用いて、40GHz空洞共振器(サムテック社製)をベクトルネットワークアナライザ(85107、キーサイトテクノロジー社製)に接続し、共振器に設けられた直径10mmの穴をふさぐようセットし、共振周波数(f0)、無負荷Q値(Qu)を測定した。
測定ごとにサンプルを回転させ、同様に測定を5回繰り返し、得られたf0、Quの平均をとって測定値とした。f0より誘電率、Quより誘電正接(tanδc)を解析ソフト(サムテック社製ソフトウェア)にて算出した。測定温度は20℃、湿度は60%RHであった。
得られたtanδcを、樹脂シートサンプルの誘電正接とした。
<比表面積>
シリカ粉末の比表面積を、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定した。
具体的には、比表面積測定装置(Anton Paar社製、装置名:NOVA 800 BET)を用いて、窒素ガスを真空ポンプで輸送し、試料0.1~5.0gを300℃、30分間の条件で乾燥脱気してから測定を行った。
<粒子径>
シリカ粉末の粒子径頻度分布および体積頻度粒度分布を、粒度分布測定装置(コールター社製、LS13 320)を用いて、湿式でのレーザー回折散乱法により体積頻度粒度分布を求めた。溶媒には水を用い、前処理として、120秒以上、ホモジナイザーを用いて500Wの出力をかけて分散処理して測定した。また、PIDS(Polarization Intensity Differential Scattering)濃度を45~55%になるように調製して測定した。なお、水の屈折率には1.33を用い、粉末の屈折率については粉末の材質の屈折率を考慮する。たとえば、非晶質シリカについては屈折率を1.50として測定した。
得られた粒子径頻度分布に基づいて、「最頻径」、「最大ピークの頻度」「0.5μm未満の粒子径の頻度」および「15.7μm以上の粒子径の頻度」を算出した。
得られた体積頻度粒度分布に基づいて、小粒子径側からの累積値がX%となる粒子径(D)を算出した。
<平均球形度>
シリカ粉末の平均球形度を、実体顕微鏡(たとえば、ニコン社製モデル「SMZ-10型」)、走査型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(たとえば、日本アビオニクス社製など)に取り込み、次のようにして測定した。すなわち、写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出することができる。このようにして得られた任意の粒子200個の真円度を求めその平均値を平均球形度とした。
<水分量>
シリカ粉末中の水分量を、カールフィッシャー法により測定した。
具体的には、微量水分測定装置(三菱化学社製、モデルCA-05)を用い、粉末を水分気化機構中の石英管にセットし、電気ヒーターで室温から900℃まで加熱しながら、脱水処理されたアルゴンガスをキャリアガスとして供給し、粉末表面から揮発した水蒸気を水分測定機構に導き、水分量を測定した。
電気ヒーターの加熱温度が200℃となるまでに発生した水分を物理吸着水とみなし、200℃を超え550℃になるまでに発生した水分を水素結合OH基由来する水とみなし、550℃を超え900℃になるまでに発生した水分を孤立OH基の脱水縮合による水とした。
<非晶質率>
シリカ粉末の非晶質率は、粉末X線回折装置(RIGAKU社製商品名「モデルMiniFlex」)を用い、CuKα線の2θが26°~27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定した。
具体的には、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対する試料(得られたシリカ粉末)のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比(試料のX線回折強度/結晶質シリカのX線回折強度)を算出し、式:非晶質率(%)=(1-結晶質シリカ混在比)×100から非晶質率(%)を求めた。
<ウラン元素およびトリウム元素の含有率>
シリカ粉末について、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いてウラン元素およびトリウム元素の含有率(ppb)を測定した。
<スパイラルフロー:流動性の評価>
上記で得られたシリカ粉末85.0質量%、エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC-3000P)8.04質量%、フェノール樹脂(明和化成社製、MEH-7851SS)6.08質量%、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM-573)0.35質量%、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン、TPP)0.26質量%、エステルワックス(クラリアントケミカルズ社製、Lico-WAX E)0.27質量%を混合して、均一化した後、80℃に加熱した2軸ロールで加熱・混練して、押出し、冷却固化後、粉砕機で所定の粒度に粉砕して、常温で固体状の粉末状のエポキシ樹脂組成物(測定サンプル)を得た。
得られた測定サンプルを用い、次の条件でトランスファー成形したときのスパイラルフロー(cm)を測定した。結果を表1に示す。
(条件)
・金型サイズ:φ3mmのスパイラル形状
・金型温度:175℃
・注入圧力:65kgf/cm
・成形時間:90秒
得られたスパイラルフローが、40cm以上のとき流動性が優、40cm未満のとき流動性が不良と判断した。
<狭隙充填長:充填性の評価>
上記で得られた測定サンプルを用い、次の条件でトランスファー成形したときの狭隙充填長(cm)を測定した。結果を表1に示す。
(条件)
・金型サイズ:5mm×60mm×0.03mm(幅×長さ×厚み)
・金型温度:175℃
・注入圧力:65kgf/cm
・成形時間:90秒
得られた狭隙充填長が、20cm以上のとき狭ギャップ時充填性が優、20cm未満のとき狭ギャップ時充填性が不良と判断した。
実施例1~5のシリカ粉末は、比較例2、5と比べて樹脂に配合したときの誘電正接を低減でき、比較例1~4と比べて樹脂に配合したときの狭ギャップ時充填性に優れる結果を示した。

Claims (9)

  1. 下記の手順に従って測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10-3以下であるシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最大ピークの頻度が10%以下、
    カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
    窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m/g以上5.4m/g以下、および、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD90としたとき、D90が3.0μm以上75μm以下である、
    シリカ粉末。
    (手順)
    当該シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて前記樹脂シートサンプルを成形する。得られた前記樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
  2. 請求項1に記載のシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径が2.5μm以上40μm以下である、シリカ粉末。
  3. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、前記比表面積の値をS(m/g)としたとき、Dm/Sが0.6以上である、
  4. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が50%以下である、シリカ粉末。
  5. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が15%以下である、シリカ粉末。
  6. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、100%となるそれぞれの点の粒子径をD10、D50、D90としたとき、(D90-D10)/D50が10以下である、シリカ粉末。
  7. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    平均球形度が0.85以上である、シリカ粉末。
  8. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    非晶質率が95.0%以上である、シリカ粉末。
  9. 請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
    ウラン元素およびトリウム元素の含有率が20ppb以下である、シリカ粉末。
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