JP7468394B2 - 紡機の繊維束集束装置 - Google Patents

紡機の繊維束集束装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7468394B2
JP7468394B2 JP2021022969A JP2021022969A JP7468394B2 JP 7468394 B2 JP7468394 B2 JP 7468394B2 JP 2021022969 A JP2021022969 A JP 2021022969A JP 2021022969 A JP2021022969 A JP 2021022969A JP 7468394 B2 JP7468394 B2 JP 7468394B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suction
slit
hole
fiber bundle
wall portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021022969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022125394A (ja
JP2022125394A5 (ja
Inventor
基宏 河合
友亮 安藤
久秋 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2021022969A priority Critical patent/JP7468394B2/ja
Priority to EP22152618.9A priority patent/EP4047115A1/en
Priority to CN202210125274.8A priority patent/CN114941190B/zh
Publication of JP2022125394A publication Critical patent/JP2022125394A/ja
Publication of JP2022125394A5 publication Critical patent/JP2022125394A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7468394B2 publication Critical patent/JP7468394B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H5/00Drafting machines or arrangements ; Threading of roving into drafting machine
    • D01H5/18Drafting machines or arrangements without fallers or like pinned bars
    • D01H5/70Constructional features of drafting elements
    • D01H5/72Fibre-condensing guides

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Description

この発明は、紡機の繊維束集束装置に関する。
紡機の繊維束集束装置の従来技術として、例えば、特許文献1に開示された紡機の繊維束集束装置が知られている。特許文献1に開示された紡機の繊維束集束装置は、ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンとを備え、ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する。この紡機の繊維束集束装置は、通気エプロンの巻き掛け位置に対応して吸引パイプに取り付けられるとともに、通気エプロンの移動を案内する案内面および案内面に形成された吸引スリットを有する案内部材を備えている。案内部材は、吸引パイプの第1の外面に形成された吸引孔に対し、吸引スリットを位置合わせした状態で、吸引パイプに取り付けられている。そして、吸引パイプの吸引孔は、吸引孔の位置に吸引スリットの位置を合わせることを考慮すると、案内部材の吸引スリットと同じ形状および寸法で形成すると好ましいとされている。
特開2020-090734号公報
しかしながら、特許文献1に紡機の繊維束集束装置は、吸引パイプの吸引孔は、案内部材の吸引スリットと同じ形状および寸法で形成されていると、吸引孔の孔壁面と吸引スリットのスリット壁面が面一となる。このため、吸引パイプと案内部材との重なりによる隙間が吸引孔の孔壁面と接近した位置となる。毛羽の発生や落綿による繊維が吸引孔の孔壁面に何らかの理由で付着すると、繊維はこの隙間に入り込み、隙間に入り込んだ繊維が吸引スリットに引っ掛かった状態となる。吸引スリットに繊維が引っ掛かると、吸引スリットに引っ掛かった繊維にさらに繊維が堆積して吸引スリットの目詰まりを生じ、吸引スリットの目詰まりは糸品質を悪化させるおそれがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吸引スリットへの繊維の引っ掛かりを可及的に抑制する紡機の繊維束集束装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、前記吸引スリットの上流側におけるスリット幅を前記吸引孔の孔幅よりも大きくすることを特徴とする。
本発明では、吸引スリットの上流側におけるスリット幅を吸引孔の孔幅よりも大きくしている。このため、吸引パイプと案内部材との重なりによる隙間が吸引孔の孔壁から離れている。したがって、繊維が吸引孔の孔壁に係止されても、繊維は吸引パイプと案内部材との重なりによる隙間に入り込み難くなり、孔壁から離脱し易くなる。それゆえに、吸引スリットへの繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。また、吸引パイプと案内部材との重なりによる隙間が吸引孔から遠ざかり、吸引スリットへの繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。
また、本発明は、ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、少なくとも前記吸引孔および前記吸引スリットの前記上流側において前記吸引孔の孔幅と前記吸引スリットのスリット幅とが不一致とされており、前記吸引スリットおよび前記吸引孔は、それぞれ繊維束を集束する集束ガイド壁部と、前記集束ガイド壁部と対向する対向壁部と、を有し、前記吸引スリットの前記集束ガイド壁部と前記吸引孔の前記集束ガイド壁部との間には段差を形成しないことを特徴とする
この場合、吸引スリットの集束ガイド壁部と吸引孔の集束ガイド壁部との間には段差が形成されない。このため、吸引スリットの集束ガイド壁部と吸引孔の集束ガイド壁部に沿って繊維束を円滑に案内することができる。
また、本発明は、ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、少なくとも前記吸引孔および前記吸引スリットの前記上流側において前記吸引孔の孔幅と前記吸引スリットのスリット幅とが不一致とされており、前記吸引スリットの下流側におけるスリット幅と前記吸引孔の孔幅とが一致することを特徴とする
この場合、繊維束の案内が終了する吸引スリットおよび吸引孔の下流側では、スリット幅と孔幅とが一致するので、繊維束を円滑に案内され、糸品質を保つことができる。
また、上記の紡機の繊維束集束装置において、前記吸引スリットの上流側におけるスリット幅を前記吸引孔の下流部における孔幅よりも小さくする構成としてもよい。
この場合、吸引パイプと案内部材との重なりによる隙間が案内部材の内側面において吸引スリットから遠ざかり、吸引スリットへの繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。また、吸引スリットの上流側におけるスリット幅を吸引孔の下流部における孔幅よりも大きくする場合と比較すると、案内部材の繊維がさらに孔壁に係止され難くなるほか、異物が隙間に入り難い。
本発明によれば、吸引スリットへの繊維の引っ掛かりを可及的に抑制する紡機の繊維束集束装置を提供できる。
第1の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置の一部を破断して示す側面図である。 第1の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置が備える吸引パイプの斜視図である。 第1の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置が備える案内部材の正面図である。 案内部材の要部を拡大して示す正面図である。 (a)は図3のA1-A1矢視図であり、(b)は図3のB1-B1矢視図である。 第2の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置が備える案内部材の正面図である。 案内部材の要部を拡大して示す正面図である。 (a)は図6のA2-A2矢視図であり、(b)は図6のB2-B2矢視図である。 第3の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置が備える吸引パイプの斜視図である。 第3の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置が備える案内部材の正面図である。 (a)は図10のA3-A3矢視図であり、(b)は図10のB3-B3矢視図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る紡機の繊維束集束装置と表記する(以下、単に「繊維束集束装置」)について図面を参照して説明する。本実施形態は精紡機の繊維束集束装置の例である。
図1に示すように、ドラフト装置10の下流側には、繊維束集束装置11が設けられている。ドラフト装置10は、最終送出ローラ対12を備えている。最終送出ローラ対12は、フロントボトムローラ13およびフロントトップローラ14を備えている。フロントトップローラ14は、支持部材15により支持されている。
繊維束集束装置11は、送出部16、吸引パイプ17、通気エプロン18およびガイド部19を備えている。送出部16は、ボトムニップローラ20と、トップニップローラ21と、有している。ボトムニップローラ20は、最終送出ローラ対12のフロントボトムローラ13と平行に配設された回転軸22と一体回転するニップローラに相当する。回転軸22にはギヤ(図示せず)が取り付けられており、このギヤに中間ギヤ23が噛み合っている。中間ギヤ23は、フロントボトムローラ13と一体に回転するギヤ(図示せず)に噛み合っている。中間ギヤ23がフロントボトムローラ13と一体に回転するギヤと噛合うことにより、フロントボトムローラ13の回転力は中間ギヤ23を介してボトムニップローラ20に伝達される。
トップニップローラ21はドラフト装置10のフロントトップローラ14と同様に2錘毎に、支持部材15を介してウエイティングアーム(図示せず)に支持されている。トップニップローラ21は、ボトムニップローラ20に通気エプロン18を介して押圧される。この押圧によって送出部16のニップ部24が構成される。支持部材15はフロントトップローラ14の支持部材と一体に形成されている。送出部16のニップ部24には、通気エプロン18ととともに繊維束Fが配置される。
吸引パイプ17は、繊維束Fの移動方向Xにおいて、ドラフト装置10の最終送出ローラ対12よりも下流側で、かつ、送出部16のニップ部24よりも上流側に配置されている。吸引パイプ17は、接続管25を介して吸引源(図示せず)に接続されている。
通気エプロン18は無端状の帯状ベルトである。通気エプロン18は、例えば、適度な通気性を有する織布により形成されている。通気エプロン18は、送出部16のニップ部24を通過するように、吸引パイプ17、ガイド部19およびボトムニップローラ20に巻き掛けられている。通気エプロン18は、ボトムニップローラ20の回転に従って移動することにより、繊維束FをX方向に搬送する。ガイド部19の下方には、吸引ノズル26が配置されている。吸引ノズル26の先端部は、糸切れ時にドラフト装置10から送り出されてくる繊維束Fを吸引するものである。吸引ノズル26の基端部(図示せず)は、全錘共通のニューマダクト(図示せず)に接続されている。
図2に示すように、吸引パイプ17は、中空の長尺体である。吸引パイプ17は、繊維束Fの移動方向Xと直交する方向、すなわち、回転軸22の軸心と平行な方向に延在するように配置される。吸引パイプ17は、例えば、アルミニウムの押出成形によって得られるものである。吸引パイプ17は、第1壁部27、第2壁部28および第3壁部29を有している。第1壁部27、第2壁部28および第3壁部29は、吸引パイプ17の外面を形成する。
第1壁部27は、繊維束Fの移動経路に沿い外側に膨らむように湾曲して形成されている。第2壁部28は、第1壁部27の繊維束Fの移動経路における下流側から連続して形成される壁部であり、内側に膨らむように湾曲して形成されている。第3壁部29は、第1壁部27の繊維束Fの移動経路における上流側から連続して形成される壁部であり、内側に膨らむように湾曲して形成されている。第2壁部28と第3壁部29は互いに接続されている。
第1壁部27には複数の吸引孔30、31が形成されている。吸引孔30、31は、吸引パイプ17の長手方向と交差する方向に延びるように形成されているスリット状の貫通孔である。つまり、吸引孔30、31は、吸引パイプ17において繊維束Fの移動方向における上流側から下流側へ向けて延びる。第1壁部27を正面から見たとき、吸引孔30、31が吸引パイプ17の長手方向において互いに左右対称となるように形成されている。吸引孔30、31は、第1壁部27における繊維束Fの移動経路の上流側から下流側へ向けて互いに接近するように配置されている。一対の吸引孔30、31は、各錘の位置に対応して吸引パイプ17の長手方向に所定の間隔をあけて配置されている。
図3に示すように、吸引孔30の孔壁は、吸引孔30の上流側端を形成する円弧状の上端壁部32と、吸引孔30の下流側端を形成する下端壁部33と、上端壁部32と下端壁部33との間に延在する対向壁部34、集束ガイド壁部35とを有している。対向壁部34は、吸引孔31に近い孔壁部であり、集束ガイド壁部35は対向壁部34と対向し、対向壁部34よりも吸引孔31から遠い孔壁部である。
図3に示すように、吸引孔31の孔壁は、吸引孔31の上流側端を形成する円弧状の上端壁部36と、吸引孔31の下流側端を形成する下端壁部37と、上端壁部36と下端壁部37との間に延在する対向壁部38、集束ガイド壁部39とを有している。対向壁部38は、吸引孔30に近い孔壁部であり、集束ガイド壁部39は対向壁部38と対向し、対向壁部38よりも吸引孔30から遠い孔壁部である。
図2、図3に示すように、吸引パイプ17には、案内部材40が取り付けられている。案内部材40は金属の薄板により形成されている。案内部材40は、通気エプロン18が巻き掛けられる位置に対応して吸引パイプ17に取り付けられている。案内部材40は、吸引パイプ17の長手方向に間隔をあけて複数並べて配置されるものである。なお、説明の便宜上、図2では、複数の案内部材40のうちの吸引パイプ17に取り付けたものと、吸引パイプ17に取り付けられていないもの2つのみを表示している。
案内部材40は、吸引パイプ17の一対の吸引孔30、31につき1つずつ取り付けられる。つまり、通気エプロン18の巻き掛け位置に対応して吸引パイプ17に取り付けられる。案内部材40は、繊維束Fの移動経路上で通気エプロン18の移動を案内する案内部41を有している。通気エプロン18は、案内部材40の案内部41に接触しながら、ボトムニップローラ20の回転に従って移動する。案内部41は、吸引パイプ17の第1壁部27に倣って外側に膨らむように湾曲されている(図2を参照)。
図3に示すように、案内部材40は、正面から見て矩形状に形成されている。図2に示すように、案内部材40は第1屈曲部42、第2屈曲部43を備えている。第1屈曲部42は、繊維束Fの移動方向における案内部41の下流側から連続して折り曲げられて形成されている部位である。第1屈曲部42は、吸引パイプ17の第1壁部27と第2壁部28とのつなぎ部分の曲げ形状に倣って曲げられている。第2屈曲部43は、繊維束Fの移動方向における案内部41の上流側から連続して折り曲げられて形成されている部位である。第2屈曲部43は、吸引パイプ17の第1壁部27と第3壁部29とのつなぎ部分の曲げ形状に倣って曲げられている。
ている。
案内部材40の案内部41には吸引スリット44、45が形成されている。案内部材40は、吸引パイプ17の第1壁部27に形成された吸引孔30、31に対し、吸引スリット44、45を位置合わせした状態で、吸引パイプ17に取り付けられている。吸引スリット44は、吸引孔30に対応するように形成され、吸引スリット45は、吸引孔31に対応するように形成されている。したがって、吸引スリット44は吸引孔30と重なり、吸引スリット45は吸引孔31と重なる。
図3に示すように、吸引スリット44のスリット壁は、上端壁部46と、下端壁部47と、対向壁部48と、集束ガイド壁部49と、を有している。上端壁部46は、案内部41における第2屈曲部43側の端部付近において吸引スリット44の上流側端を円弧状に形成する。下端壁部47は、案内部41における第1屈曲部42側の端部付近において吸引スリット44の下流側端を形成している。対向壁部48、集束ガイド壁部49は、上端壁部46と下端壁部47との間に延在する。対向壁部48は、吸引スリット45に近いスリット壁部であり、集束ガイド壁部49は、対向壁部48と対向し、対向壁部48よりも吸引スリット45から遠いスリット壁部である。
図4に示すように、対向壁部48は、第1スリット壁面48Aと、第2スリット壁面48Bと、第3スリット壁面48Cと、を有する。図5(a)に示すように、第1スリット壁面48Aは、吸引パイプ17の長手方向において吸引スリット44の上流側と吸引孔31の上流側との段差S1が生じるように形成されている。第1スリット壁面48Aは、上端壁部46から下流側へ向けて延在し、繊維束Fの移動方向における案内部材40の長さの半分を越えて案内部材40における対向壁部48の殆どを占めるように形成されている。段差S1を設けることで、吸引パイプ17と案内部材40との間の微小な隙間G1は、吸引孔30の対向壁部34から離れる。
第2スリット壁面48Bは、図5(b)に示すように、繊維束Fの移動方向における案内部材40の下流側において吸引スリット44と吸引孔30との段差S1が生じないように形成されている。第3スリット壁面48Cは、第1スリット壁面48Aと第2スリット壁面48Bとの間に形成されている。第1スリット壁面48Aと第2スリット壁面48Bは平行又は略平行であって、第3スリット壁面48Cは、第1スリット壁面48Aと第2スリット壁面48Bと平行又は略平行ではない。
図4に示すように、集束ガイド壁部49は、第1スリット壁面49Aと、第2スリット壁面49Bと、第3スリット壁面49Cと、を有する。図5(a)に示すように、第1スリット壁面49Aは、吸引パイプ17の長手方向において吸引スリット44と吸引孔31との段差S1が生じるように形成されている。第1スリット壁面49Aは、上端壁部46から下流側へ向けて延在し、案内部41の第2屈曲部43側の端部付近から繊維束Fの移動方向における案内部41の中心を越えて案内部41における集束ガイド壁部49の殆どを占めるように形成されている。段差S1を設けることで、吸引パイプ17と案内部材40との間の隙間G1は、吸引孔30の対向壁部34から離れる。本実施形態では、少なくとも吸引孔30および吸引スリット44の上流側において吸引孔30の孔幅と吸引スリット44のスリット幅とが不一致であると言える。
第2スリット壁面49Bは、繊維束Fの移動方向における案内部材40の下流側において吸引スリット44と吸引孔30との段差S1が生じないように形成されている。第3スリット壁面49Cは、第1スリット壁面49Aと第2スリット壁面49Bとの間に形成されている。第1スリット壁面49Aと第2スリット壁面49Bは平行又は略平行であって、第3スリット壁面49Cは、第1スリット壁面49Aと第2スリット壁面49Bと平行又は略平行ではない。
図4に示すように、第1スリット壁面48A、49Aは、互いに平行又は略平行であり、また、吸引スリット44のスリット幅(吸引スリット44の長手方向の長さと直交する方向の寸法)を吸引孔30の孔幅より大きくする。案内部材40が吸引パイプ17に取り付けられた状態では、吸引スリット44において吸引孔30とともに吸引パイプ17の第1壁部27の一部が露出する。なお、本実施形態では、第1スリット壁面48A、49Aが、上端壁部46から繊維束Fの移動方向における案内部41の中心を越えて案内部41における対向壁部48、集束ガイド壁部49の殆どを占めるように形成したが、これに限らない。例えば、第1スリット壁面48A、49Aは、上端壁部46から繊維束Fの移動方向における案内部41の中心を必ずしも越えなくてもよい。
吸引スリット44における第2スリット壁面48B、49Bは、互いに略平行であり、また、吸引スリット44のスリット幅(吸引スリット44の長手方向の長さと直交する方向の寸法)が吸引孔30の孔幅と一致する。つまり、吸引スリット44の下流側と吸引孔30の下流側との間では段差S1が解消されている。吸引スリット44の下流側の条件を変更すると糸品質が影響を受け易いという知見があり、吸引スリット44と吸引孔30との段差S1が生じないように形成することで、糸品質の維持を実現している。第3スリット壁面48C、49Cは互いに平行又は略平行ではなく、第1スリット壁面48A、49Aから第2スリット壁面48B、49Bへ向かうにつれて吸引スリット44のスリット幅を小さくする。
吸引スリット45は、図3、図4に示すように、吸引パイプ17の長手方向を左右方向とすると吸引スリット44と左右対称である。吸引スリット45のスリット壁は、吸引スリットと44同様に、上端壁部56と、下端壁部57と、対向壁部58と、集束ガイド壁部59と、を有している。上端壁部56は、案内部41における第2屈曲部43側の端部付近において吸引スリット45の上流側端を円弧状に形成する。下端壁部57は案内部41における第1屈曲部42側の端部付近において吸引スリット45の下流側端を形成している。対向壁部58、集束ガイド壁部59は、上端壁部56と下端壁部57との間に延在する。対向壁部58は、吸引スリット44に近いスリット壁部であり、集束ガイド壁部59は、対向壁部58と対向し、対向壁部58よりも吸引スリット44から遠い孔壁部である。
図4に示すように、対向壁部58は、第1スリット壁面58Aと、第2スリット壁面58Bと、第3スリット壁面58Cと、を有する。第1スリット壁面58Aは、吸引スリット44における第1スリット壁面48Aと同じであり、第2スリット壁面48Bは、吸引スリット44における第2スリット壁面48Bと同じである。第3スリット壁面58Cは、吸引スリット44における第3スリット壁面48Cと同じである。
集束ガイド壁部59は、第1スリット壁面59Aと、第2スリット壁面59Bと、第3スリット壁面59Cと、を有する。第1スリット壁面59Aは、吸引スリット44における第1スリット壁面49Aと同じであり、第2スリット壁面58Bは、吸引スリット44における第2スリット壁面49Bと同じである。第3スリット壁面59Cは、吸引スリット44における第3スリット壁面49Cと同じである。したがって、吸引スリット45の上流側と吸引孔31の上流側との間に段差S1が形成される。したがって、少なくとも吸引孔31および吸引スリット45の上流側において吸引孔30の孔幅と吸引スリット45のスリット幅とが不一致であると言える。
第2スリット壁面59Bは、繊維束Fの移動方向における案内部材40の下流側において吸引スリット45と吸引孔31との段差S1が生じないように形成されている。つまり、吸引スリット45の下流側におけるスリット幅と吸引孔31の孔幅とが一致し、吸引スリット45の下流側と吸引孔31の下流側との間では段差S1が解消されている。第1スリット壁面58A、59Aは、吸引スリット45のスリット幅(吸引スリット45の長手方向の長さと交差する方向の寸法)を吸引孔31の孔幅より大きくする。案内部材40が吸引パイプ17に取り付けられた状態では、吸引スリット45において吸引孔31とともに吸引パイプ17の第1壁部27の一部が露出する。
次に本実施形態の繊維束集束装置11の作用について説明する。精紡機が運転されると、繊維束Fはドラフト装置10で引き伸ばされた後、最終送出ローラ対12から繊維束集束装置11へ案内される。ボトムニップローラ20およびトップニップローラ21は最終送出ローラ対12の表面速度とほぼ同じ表面速度で回転される。このため、ドラフト装置10でドラフトされた繊維束Fは、適度な緊張状態でボトムニップローラ20およびトップニップローラ21のニップ部24を過ぎた後、転向して撚り掛けを受けながら下流側へ移動する。また、繊維束Fは図示しないトラバース装置の作用により綾振り運動を行いながら移動する。なお、この綾振り運動の速度は繊維束Fの進行速度に比べて十分に小さい速度に設定される。
また、図示されないダクトの吸引作用が接続管25を介して吸引パイプ17に及び、案内部材40の案内部41に形成された吸引スリット44、45の吸引作用が通気エプロン18を介して繊維束Fに及ぶ。そして、繊維束Fが吸引スリット44、45と対応する位置に吸引集束された状態で移動する。したがって、繊維束集束装置11の装備されない紡機に比較して、毛羽の発生や落綿が抑制されて糸質が改善される。
最終送出ローラ対12から送り出される繊維束Fは綾振り運動により通気エプロン18の搬送方向と直行する方向(吸引スリット44、45の幅方向)への力を受ける。繊維束Fが吸引スリット44、45と対応する位置では、繊維束Fは吸引スリット44、45の吸引作用により通気エプロン18の表面に押圧されるため、繊維束Fが吸引スリット44、45の幅方向へ移動し難くなる。
本実施形態では、吸引スリット44と吸引孔30との間には、繊維束Fの移動方向における下流側の一部を除いて段差S1が形成されている。このため、繊維束Fが吸引スリット44を通過するときに繊維束Fから落綿する繊維が対向壁部34、集束ガイド壁部35に付着したとしても、付着した繊維は隙間G1に入り込み難く、対向壁部34、集束ガイド壁部35から剥がれ易くなる。したがって、吸引スリット44は繊維によって目詰まりを生じる可能性は殆どない。また、吸引スリット44の下流側では、段差S1が形成されないので、繊維束Fが吸引スリット44を通過しても安定した糸品質と保つことができる。なお、吸引スリット45の作用は吸引スリット44と同じである。
本実施形態の繊維束集束装置11は以下の効果を奏する。
(1)繊維束Fが案内され始める吸引スリット44(45)および吸引孔30(31)の上流側において、吸引孔30(31)の孔幅と吸引スリット44(45)のスリット幅とが不一致とされている。このため、吸引パイプ17と案内部材40との重なりによる隙間G1が吸引孔30(31)の対向壁部34(38)、集束ガイド壁部35(39)から離れている。したがって、繊維が吸引孔30(31)の対向壁部34(38)、集束ガイド壁部35(39)に係止されても、繊維は吸引パイプ17と案内部材40との重なりによる隙間G1に入り込み難くなり、対向壁部34(38)、集束ガイド壁部35(39)から離脱し易くなる。したがって、吸引スリット44(45)への繊維の引っ掛かりを可及的に抑制することができる。また、繊維束Fの案内が終了する手前側である吸引スリット44(45)および吸引孔30(31)の下流部では段差S1が解消されているので、繊維束Fを円滑に案内され、糸品質を保つことができる。なお、吸引孔30(31)の孔幅と吸引スリット44(45)のスリット幅との不一致は、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致を含まないものとする。
(2)段差S1は、吸引スリット44(45)の上流部におけるスリット幅を吸引孔30(31)の下流部における孔幅よりも大きくすることにより形成されている。このため、 吸引パイプ17と案内部材40との重なりによる隙間G1が吸引孔30(31)から遠ざかり、吸引スリット44(45)への繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。
(3)段差S1ができるように吸引孔30(31)に合わせて吸引孔30(31)よりも幅広の吸引スリット44(45)が案内部材40に形成されている。したがって、吸引される吸引孔30(31)の一部が案内部材40により塞がれることはなく、吸引孔30、31の吸引作用は変化することはない。また、吸引孔と吸引スリットとが同一形状である場合と比較すると、吸引孔30(31)に対する案内部材40の位置決めが容易となる。
(4)吸引孔30(31)の孔壁と吸引スリット44(45)のスリット壁とが面一となる部位は少ない。ところで、吸引孔の孔壁と吸引スリットのスリット壁とが全て面一である場合、すなわち、吸引孔と吸引スリットとが同一形状である場合、吸引孔の孔壁に吸引スリットのスリット壁部とを面一とするため、吸引孔の孔幅と吸引スリットのスリット幅を一致させる必要があり、吸引スリットのスリット壁部に対して高い加工精度が要求される。しかしながら、本実施形態によれば、吸引孔と吸引スリットとが同一形状である場合と比較すると、吸引スリット44(45)のスリット壁に対する加工精度は緩和できる。
(5)繊維束Fの案内が終了する吸引スリット44(45)および吸引孔30(31)の下流側では、スリット幅と孔幅とが一致するので、繊維束Fを円滑に案内され、糸品質を保つことができる。なお、吸引スリット44(45)の下流側におけるスリット幅と吸引孔30(31)の孔幅とが一致するとは、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致の場合も一致するものとして含まれる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る繊維束集束装置について説明する。第2の実施形態では案内部材の吸引スリットの形状が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
図6に示すように、案内部材60の案内部61には吸引スリット64、65が形成されている。案内部材60は、吸引パイプ17の第1壁部27に形成された吸引孔30、31に対し、吸引スリット64、65を位置合わせした状態で、吸引パイプ17に取り付けられている。案内部61において、吸引スリット64は、吸引孔30と重なるように形成され、吸引スリット65は、吸引孔31と重なるように形成されている。
吸引スリット64のスリット壁は、上端壁部66と、下端壁部67と、対向壁部68と、集束ガイド壁部69と、を有している。上端壁部66は、吸引スリット64の上流側端を円弧状に形成する。下端壁部67は、吸引スリット64の下流側端を形成している。対向壁部68、集束ガイド壁部69は、上端壁部66と下端壁部67との間に延在する。
図7に示すように、対向壁部68は、第1スリット壁面68Aと、第2スリット壁面68Bと、第3スリット壁面68Cと、を有する。図8(a)に示すように、第1スリット壁面68Aは、吸引パイプ17の長手方向において吸引スリット64と吸引孔30との段差S2が生じるように形成されている。段差S2は、案内部61の内表面側に形成されている。第1スリット壁面68Aは、対向壁部68の殆どを占めるように形成されている。段差S2を設けることで、隙間G2が第1スリット壁面68Aから離れる。
図7に示すように、集束ガイド壁部69は、第1スリット壁面69Aと、第2スリット壁面69Bと、第3スリット壁面69Cと、を有する。図8(a)に示すように、第1スリット壁面69Aは、吸引パイプ17の長手方向において吸引スリット64と吸引孔30との段差S2が生じるように形成されている。段差S2は、案内部61の内表面側に形成されている。第1スリット壁面69Aは、上端壁部66から下流側へ向けて延在し、集束ガイド壁部69の殆どを占めるように形成されている。段差S2を設けることで、隙間G2が第1スリット壁面69Aから離れる。
第2スリット壁面69Bは、繊維束Fの移動方向における案内部材60の下流側において段差S2が生じないように形成されている。したがって、吸引スリット64の下流側と吸引孔30の下流側との間では段差S2が解消されている。第3スリット壁面69Cは、第1スリット壁面69Aと第2スリット壁面69Bとの間に形成されている。
図7に示すように、第1スリット壁面68A、69Aは、互いに平行又は略平行であり、また、吸引スリット64の幅(吸引スリット64の長手方向の長さと交差する方向の寸法)を吸引孔30の孔幅より小さくする。吸引孔30および吸引スリット64の上流側において吸引孔30の孔幅と吸引スリット64のスリット幅とが不一致である。孔幅とスリット幅との不一致は、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致を含まないものとする。案内部材60が吸引パイプ17に取り付けられた状態では、吸引スリット64から見て吸引パイプ17の第1壁部27は見えない状態である。なお、本実施形態では、第1スリット壁面68A、69Aが、上端壁部66から繊維束Fの移動方向における案内部61の中心を越えて対向壁部68、集束ガイド壁部69の殆どを占めるように形成したが、これに限らない。例えば、第1スリット壁面68A、49Aは、上端壁部66から繊維束Fの移動方向における案内部61の中心を必ずしも越えなくてもよい。
吸引スリット64における第2スリット壁面68B、69Bは、互いに略平行であり、また、吸引スリット64のスリット幅(吸引スリット64の長手方向の長さと直交する方向の寸法)が吸引孔30の孔幅と一致する。スリット幅と孔幅とが一致するとは、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致の場合も一致するものとして含まれる。第3スリット壁面68C、69Cは互いに平行又は略平行ではなく、第1スリット壁面68A、69Aから第2スリット壁面68B、69Bへ向かうにつれて吸引スリット64の幅を小さくする。
吸引スリット65は、図6、図7に示すように、吸引パイプ17の長手方向を左右方向とすると吸引スリット64と左右対称である。吸引スリット65のスリット壁は、吸引スリット64と同様に、上端壁部76と、下端壁部77と、対向壁部78と、集束ガイド壁部79と、を有している。上端壁部76は、吸引スリット65の上流側端を円弧状に形成する。下端壁部77は吸引スリット65の下流側端を形成している。対向壁部58、集束ガイド壁部59は、上端壁部76と下端壁部77との間に延在する。対向壁部78は、吸引スリット64に近いスリット壁部であり、集束ガイド壁部79は対向壁部78と対向し、対向壁部78よりも吸引スリット64から遠い孔壁部である。
図7に示すように、対向壁部78は、第1スリット壁面78Aと、第2スリット壁面78Bと、第3スリット壁面78Cと、を有する。第1スリット壁面78Aは、吸引スリット64における第1スリット壁面68Aと同じであり、第2スリット壁面78Bは、吸引スリット64における第2スリット壁面68Bと同じである。第3スリット壁面78Cは、吸引スリット64における第3スリット壁面68Cと同じである。図6に示すように、段差S2は案内部61の内表面側に形成されている。つまり、吸引スリット65および吸引孔31の上流側に段差S2が形成される。
集束ガイド壁部79は、第1スリット壁面79Aと、第2スリット壁面79Bと、第3スリット壁面79Cと、を有する。第1スリット壁面79Aは、吸引スリット64における第1スリット壁面69Aと同じであり、第2スリット壁面79Bは、吸引スリット64における第2スリット壁面69Bと同じである。第3スリット壁面79Cは、吸引スリット64における第3スリット壁面69Cと同じである。
第2スリット壁面79Bは、図7に示すように、繊維束Fの移動方向における案内部材60の下流側において吸引スリット65と吸引孔31との段差S2が生じないように形成されている。したがって、吸引スリット65の下流側におけるスリット幅と吸引孔31の孔幅とが一致し、吸引スリット65の下流側と吸引孔31の下流側との間では段差S2が解消されている。第1スリット壁面78A、79Aは、吸引スリット65の幅(吸引スリット65の長手方向の長さと直交する方向の寸法)を吸引孔31の幅より大きくする。案内部材60が吸引パイプ17に取り付けられた状態では、吸引スリット65から見て吸引パイプ17の第1壁部27は見えない状態となる。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)、(4)と同等の効果を奏する。また、段差S2は、吸引スリット64(65)の上流側におけるスリット幅を吸引孔30(31)の孔幅よりも小さいので、吸引孔30(31)の孔幅と吸引スリット64(65)のスリット幅とは不一致であり、段差S2が案内部材60の内側面に形成される。隙間G2が吸引スリット64(65)の対向壁部68(78)、集束ガイド壁部69(79)から離れているので、繊維が吸引孔30(31)の対向壁部34(38)、集束ガイド壁部35(39)に係止され、隙間G2に入り込んだとしても繊維の堆積は生じ難い。したがって、吸引スリット64(65)への繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。また、段差S2が吸引パイプ17の外表面に形成される場合と比較すると、案内部材60の繊維がさらに対向壁部34(38)、集束ガイド壁部35(39)に係止され難くなるほか、異物が隙間G2に入り難い。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る繊維束集束装置について説明する。第3の実施形態では案内部材の吸引スリットが1個だけである点で第1の実施形態と異なる。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
図9に示すように、吸引パイプ80の第1壁部27には吸引孔81が形成されている。吸引孔81は、繊維束Fの移動方向に対して傾斜するように吸引パイプ80の長手方向と交差する方向に延びるように形成されているスリット状の貫通孔である。つまり、吸引孔81は、繊維束Fの移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる。図10に示すように、吸引孔81の孔壁は、吸引孔81の上流側端を形成する上端壁部82と、吸引孔81の下流側端を形成する下端壁部83と、上端壁部82と下端壁部83との間に延在する集束ガイド壁部84、対向壁部85とを有している。
上端壁部82および下端壁部83は吸引パイプ80の長手方向と平行又は略平行な孔壁面を有する。集束ガイド壁部84は第1壁部27の上流側から下流側へ延在する孔壁面を有しており、集束ガイド壁部84と対向する対向壁部85に向けて膨らむ孔壁面を有する。したがって、繊維束Fの移動方向に対する集束ガイド壁部84の上流側の傾きは集束ガイド壁部84の下流側より大きい。対向壁部85は第1壁部27の上流側から下流側へ延在する孔壁を有しており、対向壁部85と対向する集束ガイド壁部84と平行な孔壁面および繊維束Fの移動方向に沿う孔壁面を有している。
吸引パイプ80に取り付けられる案内部材86の案内部87には、吸引スリット88が形成されている。案内部材86は、吸引パイプ80の第1壁部27に形成された吸引孔81に対し、吸引スリット88を位置合わせした状態で、吸引パイプ80に取り付けられている。したがって、吸引スリット88は吸引孔81と重なる。
図10に示すように、吸引スリット88のスリット壁は、上端壁部89と、下端壁部90と、集束ガイド壁部91と、対向壁部92と、を有している。上端壁部89は、吸引スリット88の上流側端を形成し、吸引孔81の上端壁部82と面一又は略面一となっている。下端壁部90は、吸引スリット88の下流側端を形成している。集束ガイド壁部91は、吸引孔81の集束ガイド壁部84と面一又は略面一に形成されている。つまり、集束ガイド壁部91と集束ガイド壁部84との段差は無い。
集束ガイド壁部91は、繊維束Fを集束する集束ガイド壁部である。集束ガイド壁部91は、第1スリット壁面91Aと、第2スリット壁面91Bと、を有する。第1スリット壁面91Aは、上流側において円弧状に膨らむように形成されており、第2スリット壁面91Bは第1スリット壁面91Aの下流側において直線状に形成されている。繊維束Fの移動方向に対する第1スリット壁面91Aの傾きは第2スリット壁面91Bの下流側より大きい。
対向壁部92は、集束ガイド壁部である集束ガイド壁部91と対向する。対向壁部92は、第1スリット壁面92Aと、第2スリット壁面92Bと、第3スリット壁面92Cと、第4スリット壁面92Dと、第5スリット壁面92Eと、を有する。第1スリット壁面92Aは、対向壁部92の上流側において繊維束Fの移動方向に沿って形成されている。第2スリット壁面92Bは、第1スリット壁面91Aと対向し、円弧状に窪んで形成されている。第3スリット壁面92Cは、第2スリット壁面91Bと対向して直線状に形成されている。第1スリット壁面92A、第2スリット壁面92Bおよび第3スリット壁面92Cは、吸引孔81の対向壁部85と面一ではなく、吸引スリット88と吸引孔81との段差S3を形成する。つまり、吸引スリット88の上流側と吸引孔81の上流側との間に段差S3が形成されている。図11(a)では、第3スリット壁面92Cにおける段差S3を示す。吸引スリット88の上流側におけるスリット幅は吸引孔81の孔幅よりも大きい。従って、吸引孔81の孔幅と吸引スリット88のスリット幅とが不一致であると言える。孔幅とスリット幅との不一致は、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致を含まないものとする。
第4スリット壁面92Dは、対向壁部92の下流側において吸引孔81の対向壁部85と面一に形成されている。したがって、吸引スリット88の下流側におけるスリット幅と吸引孔81の孔幅とが一致する。つまり、吸引スリット88の下流側と吸引孔81の下流側との間では段差S3が解消されている。なお、スリット幅と孔幅とが一致するとは、製造上の誤差および組付け上の誤差による微小な不一致の場合も一致するものとして含まれる。図11(b)に示すように、第4スリット壁面92Dは、対向壁部92において唯一、吸引孔81の対向壁部85と面一となるスリット壁面である。第5スリット壁面92Eは、第3スリット壁面92Cと第4スリット壁面92Dとの間に形成されているスリット壁面である。対向壁部92における第1スリット壁面92A、第2スリット壁面92Bおよび第3スリット壁面92Cは、吸引スリット88と吸引孔81との段差S3を形成するため、吸引パイプ80と案内部材86との隙間G3から離れている。
本実施形態では、単一の吸引孔81に対応する吸引スリット88を有する案内部材86であっても、第1の実施形態と同様に、吸引スリット88への繊維の引っ掛かりが可及的に抑制される。また、吸引孔と吸引スリットとが同一形状である場合と比較すると、吸引孔81に対する案内部材86の位置決めが容易となる。さらに、吸引孔と吸引スリットとが同一形状である場合と比較すると、吸引スリット88の集束ガイド壁部91、対向壁部92に対する加工精度は緩和できる。
また、吸引スリット88の集束ガイド壁部91と吸引孔81の集束ガイド壁部84との間には段差S3が形成されない。このため、吸引スリット88の集束ガイド壁部91と吸引孔81の集束ガイド壁部84に沿って繊維束Fを円滑に案内することができる。
なお、上記の実施形態は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、下記のように発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
○ 上記の実施形態では、段差が吸気パイプの外表面又は案内部材の内側面のいずれかにのみ形成されるとしたが、これに限らない。吸引スリットの一側に吸気パイプの外表面に段差を形成し、吸引スリットの他側に案内部材のうち側面に段差を形成してもよい。
○ 上記の第3の実施形態では、吸引孔と吸引スリットとの段差が吸気パイプの外表面に形成されるとしたが、これに限らない。吸引孔と吸引スリットとの段差は、例えば、第2の実施形態のように、案内部材の内表面に形成されてもよい。
○ 上記の実施形態では、紡機としての精紡機の繊維束集束装置について例示したが、紡機は精紡機に限らない。紡機は粗紡機であってもよい。
10 ドラフト装置
11 繊維束集束装置
17、80 吸引パイプ
18 通気エプロン
19 ガイド部
30、31、81 吸引孔
32、36、82 上端壁部(吸引孔)
33、37、83 下端壁部(吸引孔)
34、38、85 対向壁部(吸引孔)
35、39、84 集束ガイド壁部(吸引孔)
40、60、86 案内部材
41、61、87 案内部
44、45、64、65、88 吸引スリット
46、56、66、76、89 上端壁部(吸引スリット)
47、57、67、77、90 下端壁部(吸引スリット)
48、58、68、78、92 対向壁部(吸引スリット)
49、59、69、79、91 集束ガイド壁部(吸引スリット)
G1、G2、G3 隙間
S1、S2、S3 段差

Claims (4)

  1. ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、
    前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、
    前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、
    前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、
    前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、
    前記吸引スリットの上流側におけるスリット幅を前記吸引孔の孔幅よりも大きくすることを特徴とする紡機の繊維束集束装置。
  2. ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、
    前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、
    前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、
    前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、
    前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、
    少なくとも前記吸引孔および前記吸引スリットの前記上流側において前記吸引孔の孔幅と前記吸引スリットのスリット幅とが不一致とされており、
    前記吸引スリットおよび前記吸引孔は、それぞれ繊維束を集束する集束ガイド壁部と、前記集束ガイド壁部と対向する対向壁部と、を有し、
    前記吸引スリットの前記集束ガイド壁部と前記吸引孔の前記集束ガイド壁部との間には段差を形成しないことを特徴とする紡機の繊維束集束装置。
  3. ドラフト装置の下流側に設けられる吸引パイプと、
    前記吸引パイプに巻き掛けられる通気エプロンの巻き掛け位置に対応して前記吸引パイプに取り付けられるとともに、前記通気エプロンの移動を案内する案内部を有する案内部材と、を備え、
    前記ドラフト装置で引き伸ばされた繊維束を集束する、紡機の繊維束集束装置において、
    前記吸引パイプは、繊維束の移動方向において上流側から下流側へ向けて延びる吸引孔を有し、
    前記案内部材は、前記案内部に形成され、前記吸引孔と重なる吸引スリットを有し、
    前記吸引孔および前記吸引スリットの前記上流側において前記吸引孔の孔幅と前記吸引スリットのスリット幅とが不一致とされており、
    前記吸引スリットの下流側におけるスリット幅と前記吸引孔の孔幅とが一致することを特徴とする紡機の繊維束集束装置。
  4. 前記吸引スリットの上流側におけるスリット幅を前記吸引孔の孔幅よりも小さくすることを特徴とする請求項2又は3記載の紡機の繊維束集束装置。
JP2021022969A 2021-02-17 2021-02-17 紡機の繊維束集束装置 Active JP7468394B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021022969A JP7468394B2 (ja) 2021-02-17 2021-02-17 紡機の繊維束集束装置
EP22152618.9A EP4047115A1 (en) 2021-02-17 2022-01-21 Fiber bundle condensing device of spinning machine
CN202210125274.8A CN114941190B (zh) 2021-02-17 2022-02-10 纺织机的纤维束集束装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021022969A JP7468394B2 (ja) 2021-02-17 2021-02-17 紡機の繊維束集束装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2022125394A JP2022125394A (ja) 2022-08-29
JP2022125394A5 JP2022125394A5 (ja) 2023-04-07
JP7468394B2 true JP7468394B2 (ja) 2024-04-16

Family

ID=80113408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021022969A Active JP7468394B2 (ja) 2021-02-17 2021-02-17 紡機の繊維束集束装置

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP4047115A1 (ja)
JP (1) JP7468394B2 (ja)
CN (1) CN114941190B (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10036786A1 (de) 2000-07-28 2002-02-07 Stahlecker Fritz Vorrichtung zum Verdichten eines Faserverbandes
JP2004156195A (ja) 2002-11-07 2004-06-03 Mas Fab Rieter Ag 紡績機械の繊維集束装置用吸込みダクト
JP2020090734A (ja) 2018-12-04 2020-06-11 株式会社豊田自動織機 紡機の繊維束集束装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19837180A1 (de) * 1998-08-17 2000-02-24 Fritz Stahlecker Vorrichtung zum Verdichten eines verstreckten Faserverbandes
DE19837179A1 (de) * 1998-08-17 2000-02-24 Stahlecker Fritz Transportband zum Transportieren eines zu verdichtenden Faserverbandes
DE19903113A1 (de) * 1999-01-27 2000-08-03 Stahlecker Fritz Vorrichtung zum Verdichten eines verstreckten Faserverbandes
DE19922861A1 (de) * 1999-05-19 2000-11-23 Stahlecker Fritz Verfahren zum Verdichten eines verstreckten Faserverbandes
JP2005023430A (ja) * 2001-04-11 2005-01-27 Toyota Industries Corp 繊維束集束装置
JP3826864B2 (ja) * 2002-09-10 2006-09-27 株式会社豊田自動織機 紡機における繊維束集束装置
DE102005058756A1 (de) * 2005-12-05 2007-06-06 Spindelfabrik Suessen Gmbh Saugkanal für eine Faserbündelungseinrichtung
JP5098880B2 (ja) * 2008-08-04 2012-12-12 株式会社豊田自動織機 紡機における繊維束集束装置
JP5282724B2 (ja) * 2009-12-09 2013-09-04 株式会社豊田自動織機 紡機の繊維束集束装置における吸引パイプ及びその製造方法
JP2012087419A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Toyota Industries Corp 紡機における繊維束集束装置
DE102018130484A1 (de) * 2018-11-30 2020-06-04 Maschinenfabrik Rieter Ag Vorrichtung an einer Spinnmaschine zum Verdichten eines Faserverbands, Einsatz und Saugkanal

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10036786A1 (de) 2000-07-28 2002-02-07 Stahlecker Fritz Vorrichtung zum Verdichten eines Faserverbandes
JP2004156195A (ja) 2002-11-07 2004-06-03 Mas Fab Rieter Ag 紡績機械の繊維集束装置用吸込みダクト
JP2020090734A (ja) 2018-12-04 2020-06-11 株式会社豊田自動織機 紡機の繊維束集束装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022125394A (ja) 2022-08-29
CN114941190A (zh) 2022-08-26
CN114941190B (zh) 2023-11-07
EP4047115A1 (en) 2022-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4844336B2 (ja) 紡機における繊維束集束装置
JP3424813B2 (ja) ドラフトされた繊維ストランドの集束装置
JP3820951B2 (ja) 紡機における繊維束集束装置
JP7468394B2 (ja) 紡機の繊維束集束装置
JP6558879B2 (ja) 空気式紡績機械の紡績ノズル及び該紡績ノズルを備える紡績部
EP1518949B1 (en) Air vortex spinning machine with special fibre introductions passages
EP2333137A1 (en) Fiber bundle concentrating device for spinning machine
JP2004156195A (ja) 紡績機械の繊維集束装置用吸込みダクト
CN111270360B (zh) 纺纱机的纤维束集束装置
JP6620726B2 (ja) 紡機におけるドラフト装置
EP2151514B1 (en) Fiber bundle collecting device for spinning machine
JP2005336672A (ja) 紡機における繊維束集束装置
JP3786069B2 (ja) 紡機の繊維束集束装置
JP2011122260A (ja) 紡機の繊維束集束装置における吸引パイプ及びその製造方法
JP2010163702A (ja) ドラフト装置
EP2921578A2 (en) Belt guide roller, cleaning device, draft device, and spinning machine
EP2072647B1 (en) Draft roller
JP3826864B2 (ja) 紡機における繊維束集束装置
JP6558194B2 (ja) 紡機における吸引ダクト
WO2010074138A1 (ja) ギャザラー
JP3894185B2 (ja) 紡績糸及びその製造方法
JP5515754B2 (ja) 紡機の繊維束集束装置
CN111826756A (zh) 纺机的纤维束集束装置
WO2002084000A1 (fr) Dispositif de reliure de fascicule
JP2004100093A (ja) 紡機における繊維束集束装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230330

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7468394

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150