JP7461276B2 - エレベーターの出入口装置 - Google Patents
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Description
エレベーターが設置される建屋の設計においては、建屋の壁の厚さ方向(以下、「出入り方向」ともいう。)における三方枠の寸法が、建屋の壁の厚さ法よりも大きい場合がある。その場合、三方枠の一部は壁よりも乗場側に突き出して配置される。
これに対し、特許文献1に記載された技術では、建屋の壁厚の範囲内に取り付け金具を配置し、この取り付け金具を用いて三方枠を壁に固定している。このため、上述のように三方枠の一部が壁よりも乗場側に突き出して配置されると、取り付け金具による固定力が三方枠の突き出し部分にまで十分に及ばず、乗場側で三方枠のブレが生じやすくなる。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げるならば、一対の縦枠を有する三方枠と、一対の縦枠をそれぞれ建屋の壁に固定する固定機構と、を備えるエレベーターの出入口装置であって、固定機構は、壁に固定される第1固定片および第1固定片に対して傾斜する第1連結片を有する第1固定部材と、縦枠に固定される第2固定片および第2固定片に対して傾斜する第2連結片を有する第2固定部材と、を備える。第1連結片および第2連結片は、建屋の壁と三方枠の縦枠との間を斜め一直線に結ぶように配置されるとともに、互いに一部を重ね合わせて配置され、その重ね合わせ部分で互いに連結されている。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
図1に示すように、エレベーターの出入口装置10は、三方枠12と、乗場ドア14と、敷居16とを備えている。三方枠12は、一対の縦枠18と、一対の縦枠18の間に掛け渡された上枠20とによって門型に形成されている。縦枠18は、エレベーターの出入口の左右に一つずつ配置されている。上枠20は、エレベーターの出入口の上部に配置されるとともに、一対の縦枠18の上端部の間に掛け渡して配置されている。これにより、三方枠12は、エレベーターの出入口を囲むように配置されている。
図3においては、上述した乗場ドア14の開閉方向をX方向とし、このX方向と直交する方向である出入り方向をY方向としている。壁24を間に挟んでY方向の一方側は乗場側15、Y方向の他方側は昇降路側17となっている。図3における縦枠18の昇降路側17の下端部は、上述した敷居16に固定される。このため、三方枠12の昇降路側17のブレは敷居16によって抑制される。
図4は、第1固定部材の平面図である。また、図5は、図4に示す第1固定部材をA方向から見た図であり、図6は、図4に示す第1固定部材をB方向から見た図である。
図4~図6に示すように、第1固定部材31は、平らな長方形の金属板を略V字形に曲げ成形して得られる部材である。第1固定部材31の幅寸法は、W1(図5参照)に設定されている。
図7は、第2固定部材の平面図である。また、図8は、図7に示す第2固定部材をC方向から見た図であり、図9は、図7に示す第2固定部材をD方向から見た図である。
図7~図9に示すように、第2固定部材32は、平らな長方形の金属板を略V字形に曲げ成形して得られる部材である。第2固定部材32の幅寸法は、W2(図9参照)に設定されている。第2固定部材32の幅寸法W2は、第1固定部材31の幅W1と同一に設定することが好ましい。
図10は、第1仕切部材の平面図である。また、図11は、図10に示す第1仕切部材をE方向から見た図である。
図10および図11に示すように、第1仕切部材35は、L字形に屈曲する長方形の板によって構成されている。第1仕切部材35は、上述した縦枠18の高さ寸法と同等の長さL1を有する部材である。第1仕切部材35は、仕切片351および重ね合わせ片352を有している。重ね合わせ片352は、仕切片351と直角をなしている。仕切片351は、エレベーターの出入口において、乗場側15の空間と昇降路側17の空間とを仕切るようにX方向と平行に配置される。仕切片351には複数の固定用孔353が設けられている。固定用孔353は、仕切片351を壁24に固定するための孔である。固定用孔353は、仕切片351を厚み方向に貫通する丸孔になっている。固定用孔353は、第1仕切部材35の仕切片351を第1固定片311と共に壁24に固定する場合に、第1の固定用孔313(図5参照)と同じ位置に配置される。
図12は、第2仕切部材の正面図である。
図12に示すように、第2仕切部材36は、平らな長方形の板によって構成されている。第2仕切部材36は、上述した縦枠18の高さ寸法と同等の長さL2を有する部材である。第2仕切部材36の長さL2は、上述した第1仕切部材35の長さL1と同一に設定されている。第2仕切部材36は、縦枠18の昇降路側17の端片部分19(図3参照)に溶接等によって固定される部材である。上述した第1仕切部材35の重ね合わせ片352は、縦枠18の端片部分19と反対側で、第2仕切部材36と重ね合わせて配置される。
続いて、本実施形態における三方枠の据え付け方法について説明する。なお、エレベーターの出入口に三方枠12を据え付ける場合は、それに先立って敷居16の据え付け作業が行われる。また、縦枠18の補強部材28には、あらかじめ第2仕切部材36が溶接等によって固定される。
まず、第1のステップとして、三方枠12の据え付け作業を行う作業者(以下、単に「作業者」という。)は、建屋の壁24に形成された開口部25の内側に三方枠12を立てると共に、一対の縦枠18の下端部をそれぞれ敷居16に固定する。
次に、第2のステップとして、作業者は、第1固定部材31の第1固定片311と第1仕切部材35の仕切片351を、図3に示すように固定ボルト40によって壁24に固定する。このとき、作業者は、第1固定片311に形成されている第1の固定用孔313と仕切片351に形成されている固定用孔353とを位置合わせし、その状態で第1の固定用孔313と固定用孔353とに固定ボルト40を通して、この固定ボルト40を締め付ける。これにより、建屋の壁24に対して第1固定部材31と第1仕切部材35とを同時に固定することができる。また、作業者は、第1仕切部材35の重ね合わせ片352を第2仕切部材36に重ね合わせる。このとき、重ね合わせ片352と第2仕切部材36は、仕切片351が取り付けられる壁24の表面(昇降路側17の壁面)と平行なX方向で面接触する。これにより、三方枠12の高さ方向の全域にわたって、重ね合わせ片352と第2仕切部材36とが面接触にて密着した状態となる。このため、乗場側15の空間と昇降路側17の空間との間で、第1仕切部材35および第2仕切部材36により空気の流通を抑制することができる。また、建屋の寸法誤差により、壁24の位置が設計値に比べてY方向にずれたり、壁24の厚み寸法が設計値に比べて変動したりしても、それらの寸法的な誤差を、重ね合わせ片352と第2仕切部材36との重ね合わせ寸法により吸収することができる。
次に、第3のステップとして、作業者は、三方枠12の左右の縦枠18に、それぞれ連結ボルト42を用いて第2固定部材32を取り付ける。このとき、作業者は、図3に示すように第1固定部材31のおける第1連結片312の端部312aと第2固定部材32における第2連結片322の端部322aとを互いに重ね合わせて配置する。また、作業者は、第2固定片321に形成されている第2の固定用孔323と補強部材28に形成されているネジ孔(図示せず)とを位置合わせし、その状態で第2の固定用孔323に連結ボルト42を通すとともに、連結ボルト42の雄ネジ部分を補強部材28のネジ孔に噛み合わせて、連結ボルト42を締め付ける。これにより、三方枠12の縦枠18に対して第2固定部材32を固定することができる。
次に、第4のステップとして、作業者は、第1固定部材31と第2固定部材32とを、連結ボルト44を用いて互いに連結する。このとき、作業者は、第1固定部材31の第1連結片312に形成されている第1連結用孔314と第2固定部材32の第2連結片322に形成されている第2連結用孔324とを位置合わせし、その状態で第1連結用孔314に連結ボルト44を通すとともに、連結ボルト44の雄ネジ部分を第2連結片322の第2連結用孔324に噛み合わせて、連結ボルト44を締め付ける。これにより、第1連結片312の端部312aと第2連結片322の端部322aとの重ね合わせ部分で、第1固定部材31と第2固定部材32とを互いに連結することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。たとえば、上述した実施形態では、本発明の内容を理解しやすいように詳細に説明しているが、本発明は、上述した実施形態で説明したすべての構成を必ずしも備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、これを削除し、または他の構成を追加し、あるいは他の構成に置換することも可能である。
Claims (5)
- 一対の縦枠を有する三方枠と、前記一対の縦枠をそれぞれ建屋の壁に固定する固定機構と、を備えるエレベーターの出入口装置であって、
前記固定機構は、
前記壁に固定される第1固定片および前記第1固定片に対して傾斜する第1連結片を有する第1固定部材と、
前記縦枠に固定される第2固定片および前記第2固定片に対して傾斜する第2連結片を有する第2固定部材と、
を備え、
前記第1連結片および前記第2連結片は、前記建屋の壁と前記三方枠の縦枠との間を斜め一直線に結ぶように配置されるとともに、互いに一部を重ね合わせて配置され、その重ね合わせ部分で互いに連結されている
エレベーターの出入口装置。 - 前記第1連結片は第1連結用孔を有し、前記第2連結片は第2連結用孔を有し、
前記第1連結用孔および前記第2連結用孔のうち、一方は前記斜め一直線の方向に長い長孔であり、他方はネジ孔である
請求項1に記載のエレベーターの出入口装置。 - 前記縦枠は、縦枠本体と、前記縦枠本体を補強する補強部材とを有し、
前記第1固定片と共に前記壁に固定され、昇降路側の空間と乗場側の空間とを仕切る第1仕切部材と、
前記補強部材に沿って前記縦枠本体に固定され、前記第1仕切部材に重ね合わせて配置されることにより、前記昇降路側の空間と前記乗場側の空間とを前記第1仕切部材と共に仕切る第2仕切部材と、
をさらに備える
請求項1に記載のエレベーターの出入口装置。 - 前記壁の厚さ方向における三方枠の寸法が前記壁の厚さ寸法よりも大きい
請求項1に記載のエレベーターの出入口装置。 - 一対の縦枠を有する三方枠と、前記一対の縦枠をそれぞれ建屋の壁に固定する固定機構と、を備え、前記壁の厚さ方向における前記三方枠の寸法が前記壁の厚さ寸法よりも大きいエレベーターの出入口装置であって、
前記固定機構は、
前記壁に固定される第1固定片および前記第1固定片に対して傾斜する第1連結片を有する第1固定部材と、
前記縦枠に固定される第2固定片および前記第2固定片に対して傾斜する第2連結片を有する第2固定部材と、
を備え、
前記第1連結片および前記第2連結片は、前記建屋の壁と前記三方枠の縦枠との間を斜め一直線に結ぶように配置されるとともに、互いに一部を重ね合わせて配置され、その重ね合わせ部分で互いに連結され、
前記第1連結片は第1連結用孔を有し、前記第2連結片は第2連結用孔を有し、
前記第1連結用孔および前記第2連結用孔のうち、一方は前記斜め一直線の方向に長い長孔であり、他方はネジ孔であり、
前記長孔の長手方向において前記第1固定部材と前記第2固定部材の相対位置を変更することにより、前記壁と前記三方枠の相対位置を水平二軸方向で調整可能であり、
前記縦枠は、縦枠本体と、前記縦枠本体を補強する補強部材とを有し、
前記第1固定片と共に前記壁に固定され、昇降路側の空間と乗場側の空間とを仕切る第1仕切部材と、
前記補強部材に沿って前記縦枠本体に固定され、前記第1仕切部材に重ね合わせて配置されることにより、前記昇降路側の空間と前記乗場側の空間とを前記第1仕切部材と共に仕切る第2仕切部材と、
をさらに備え、
前記第1仕切部材は、前記建屋の壁に固定される仕切片および前記仕切片と直角をなす重ね合わせ片を有し、前記重ね合わせ片が前記第2仕切部材と重ね合わせて配置される
エレベーターの出入口装置。
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WO2019167185A1 (ja) | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 三菱電機株式会社 | エレベーター乗場装置 |
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