JP6987928B1 - エレベータの三方枠固定装置および三方枠据付方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような位置調整は、溶接作業と同時に行わなければならず、三方枠の据え付けには高い技術が要求され、また、全階床を行うのに多くの作業時間を要していた。
これらの固定金具は、三方枠の縦枠と躯体開口部の壁面の間に取り付けられ、位置調整と固定機能を備えた特定構造の金具である。
例えば、三方枠の縦枠と躯体開口部の側壁面との間には、隙間があり、その隙間に固定金具を配置するが、隙間が狭い場合には、固定金具を利用することかできない。
エレベータ乗場の躯体開口部に、縦枠と横枠とからなる三方枠を固定するのに用いられる三方枠固定装置であって、
前記開口部の側壁面に取り付けられる第1壁面側板部と、前記第1壁面側板部に直角な第1三方枠側板部と、を有する第1L字型金具と、
前記縦枠の裏面に取り付けられる第2三方枠側板部と、前記第2三方枠側板部に直角な第2壁面側板部と、を有する第2L字型金具と、を備え、
前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部には、前記躯体開口部の左右方向に延びる長穴が形成され、前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部を重ね合わせた状態で、前記長穴に挿入される連結ボルトにより前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部が締結され、
前記第2三方枠側板部には、前記躯体開口部の前後方向に延びる長穴が形成され、前記縦枠と前記第2三方枠側板部は、前記前後方向に延びる長穴に挿入される、前記縦枠に係合可能な縦枠固定ボルトにより締結される
ことを特徴とするものである。
図1は、本発明の実施形態による三方枠固定装置が適用されるエレベータの乗場出入口を正面から示す図である。図2は、図1におけるB−B矢視断面図である。
図1において、参照番号1は、エレベータ乗場の壁を示している。エレベータ乗場の壁1には、出入口用の開口部が設けられており、この開口部に三方枠10が据え付けられている。三方枠10は、縦枠12、12と、その上端に架け渡される横枠13と、から構成されている。三方枠10の据え付けには、三方枠固定装置14が用いられている。図1(B)は、図1(A)における三方枠固定装置14を拡大して示す図である。
ここで、エレベータ乗場の出入口における方向は、上下方向、左右方向、前後方向が次のように定義される。上下方向とは、乗りかごが昇降する方向である。左右方向とは、乗場の出入口から昇降路に向かって見たときの左右の方向である。前後方向とは、乗場の出入口に近い方が前、その反対の奥行き側が後である。
図3は、本実施形態による三方枠固定装置14の構成要素を示す分解斜視図である。
三方枠固定装置14の仮固定では、第1L字型金具15を躯体開口部の側壁面11に図示しないボルトによって仮付けし、上下方向の位置を調整しておく。そして、第1L字型金具15の短板部22と 第2L字型金具16の短板部24同士を重ね、角根ボルト27、28を長穴26、30に差し込んでナット29を緩めた状態で仮付けしておく。第2L字型金具16の長板部23の長穴31には角根ボルト32を緩めたまま仮付けしておく。ここで、仮付け、仮固定とは、角根ボルト27、28、32等の締結部材が完全に締結されておらず、三方枠10の位置調整可能な状態になっていることをいう。
図1において、三方枠固定装置14を利用した三方枠10の据え付けは、開口部の側壁面11に三方枠固定装置14を所定の位置に仮固定してから、次のような概要の手順で行われる。すなわち、一方の縦枠12の仮固定、他方の縦枠12の仮固定、横枠13の取付が順番に行われ、三方枠10が組み立てられる。その後に、三方枠10の前後方向の位置を調整し、左右方向の位置を調整することになる。
図5は、三方枠10の昇降路側から見て右側の縦枠12を三方枠固定装置14に係合させる操作を説明する図である。
縦枠12の裏面には、三方枠固定装置14に対応した所定の位置に、だるま穴36が形成されている。このだるま穴36は、円形の穴の下に巾の狭い角穴がつながっている形状をもった穴である。第2L字型金具16の長板部23は、角根ボルト32を用いて縦枠12に締結されるが、だるま穴36の丸穴は、角根ボルト32の頭を通すようになっている。これに対して、だるま穴36の角穴は、角根ボルト32の頭を通すことができない巾に設定されている。なお、だるま穴36は、縦枠12に裏板のない構造によっては、図6に示されるように、補強部材38に設けるようにしてもよい。
また、左側の縦枠12の仮固定も同様であるので、説明は省略する。左右の縦枠12の仮固定が終わったら、横枠13を縦枠12の上端部に取り付けることになる(図1参照)。
図7は、三方枠10の前後方向の位置調整の仕方を説明する図である。図7では、縦枠12の仮固定は終わっているものとする。開口部の躯体は、省略されている。
図8は、三方枠10の左右方向の位置調整の仕方を説明する図であり、このうち、図8(B)は、図8(A)に示された縦枠12と三方枠固定装置14を上から見た平面図である。
本実施の形態では、ボルト類には、角根ボルト27、28、32を用いているので、ナット29、33等の反対側でボルト頭部に回り止めを施す必要なく、ナット29、33だけを締め付ければ良くなる片側施工が可能になる。
また、図8に示されるように、左右方向の調整後の締結作業では、角根ボルト27、28の向きを一方は頭が上で他方は頭が下というように互いに反転させているので、角根ボルト27、28の頭に工具40が干渉しないように締結作業のスペースを確保することができるので、狭いスペースをうまく使って締結することができる。
次に、本発明の実施形態によるエレベータの三方枠固定装置の変形例について、図9を参照して説明する。
三方枠固定装置14の第1L字型金具15は、躯体開口部の側壁面11にボルトによって締結固定される方の金具である。この変形例では、第1実施形態の場合と長板部21と短板部22の関係を入れ替えられるようになっており、長板部21には、長手方向に延びる長穴25が複数本形成されている。短板部22には、長板部21と垂直な方向に延びる長穴26が長穴25と同じ本数だけ同じ間隔をとって形成されている。第2L字型金具16の短板部24にも長穴30(図9B(b)参照)が、長板部21の長穴25と同じ間隔で形成されている。
Claims (6)
- エレベータ乗場の躯体開口部に、縦枠と横枠とからなる三方枠を固定するのに用いられる三方枠固定装置であって、
前記開口部の側壁面に取り付けられる第1壁面側板部と、前記第1壁面側板部に直角な第1三方枠側板部と、を有する第1L字型金具と、
前記縦枠の裏面に取り付けられる第2三方枠側板部と、前記第2三方枠側板部に直角な第2壁面側板部と、を有する第2L字型金具と、を備え、
前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部には、前記躯体開口部の左右方向に延びる長穴が形成され、前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部を重ね合わせた状態で、前記長穴に挿入される連結ボルトにより前記第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部が締結され、
前記第2三方枠側板部には、前記躯体開口部の前後方向に延びる長穴が形成され、前記縦枠と前記第2三方枠側板部は、前記前後方向に延びる長穴に挿入される、前記縦枠に係合可能な縦枠固定ボルトにより締結される
ことを特徴とするエレベータの三方枠固定装置。 - 前記縦枠の裏面には、前記縦枠と、前記第2三方枠側板部と、を締結する縦枠固定ボルトの頭が挿入および係合可能なだるま穴が形成され、前記縦枠固定ボルトは角根ボルトからなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの三方枠固定装置。
- 第1三方枠側板部と前記第2壁面側板部は、少なくとも2本の角根ボルトで締結され、 前記角根ボルトの挿入方向は互いに反転した方向であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの三方枠固定装置。
- 前記第1壁面側板部の前記第1三方枠側板部に垂直な方向の長さは、前記第1三方枠側板部の前記第1壁面側板部に垂直な方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの三方枠固定装置。
- 前記第1三方枠側板部の前記第1壁面側板部に垂直な方向の長さは、前記第1壁面側板部の前記第1三方枠側板部に垂直な方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの三方枠固定装置。
- エレベータ乗場の躯体開口部に、縦枠と横枠とからなる三方枠を据え付ける三方枠据付方法であって、
請求項1乃至4のいずれかの項に記載の三方枠固定装置を前記躯体開口部の側壁面に仮固定し、
一方の前記縦枠に前記縦枠固定ボルトを係合させることにより、一方の前記縦枠を前記三方枠固定装置に仮固定し、
他方の前記縦枠についても、同様に前記三方枠固定装置による仮固定を行い、前記左右の縦枠の上端部に横枠を取り付け、
前記第1L字型金具の前記第1三方枠側板部と前記第2L字型金具の前記第2壁面側板部の前記長穴に挿入されている前記連結ボルトを緩めた状態で前記縦枠の位置を左右方向に調整し、
前記第2L字型金具の前記第2三方枠側板部の前記長穴に挿入されている前記縦枠固定ボルトを緩めた状態で前記縦枠の位置を前後方向に調整し、
最後に、左右の前記縦枠を前記躯体開口部に締結固定する
ことを特徴とするエレベータの三方枠据付方法。
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