JP7277000B1 - エレベータの三方枠およびその据付方法 - Google Patents

エレベータの三方枠およびその据付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建屋躯体と縦枠との間の隙間が小さくても建屋躯体に据え付けることが可能な三方枠及びその取付方法を提供する。【解決手段】エレベータの三方枠は、一対の縦枠12aと、建屋躯体と縦枠との間に配置されるブラケット41と、第1接続部材50と、第2接続部材55と、を備える。ブラケットは、建屋躯体に対面する第1面41aと、縦枠に対面する第2面41bとを含む。ブラケットには、第1面及び第2面の間を貫通する第1貫通部及び第2貫通部が形成されている。第1接続部材は、建屋躯体に固定されるアンカーボルト51と螺合するナット52とを含む。第2接続部材は、縦枠に形成された穴59と螺合するボルト56を含む。アンカーボルトは、第1貫通部を通過する。ナットは、ブラケットの第2面の側に配置される。ボルトの脚部58が、第2貫通部を通過する。ボルトの頭部57が、ブラケットの第1面の側に配置される。【選択図】図4

Description

本発明の実施の形態は、エレベータの三方枠およびその据付方法に関する。
一般に、エレベータの乗場には、乗場出入口を形成する三方枠が設けられている。三方枠は、三方枠本体と、三方枠本体を建屋躯体に固定する固定部材と、を含む。三方枠本体は、一対の縦枠と、その上に設置された上枠と、を含む。特許文献1には、縦枠を建屋躯体に固定する固定部材が開示されている。
特許第6702512号公報
ところで、建屋躯体の形状あるいは三方枠本体に対する建屋躯体の寸法によっては、三方枠本体と建屋躯体との間に、十分な隙間が形成されない場合がある。例えば、三方枠本体と建屋躯体との隙間が、20mm~50mmしかない場合がある。この場合、三方枠本体と建屋躯体との間に従来の固定部材を配置することができない。あるいは、配置することはできても、三方枠本体と建屋躯体との間に工具を差し込んで固定部材のナットやボルトを回転させることができず、三方枠本体を建屋躯体に固定することができない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、建屋躯体と縦枠との間の隙間が小さくても建屋躯体に据え付けることが可能な三方枠及びその取付方法を提供することを目的とする。
一実施の形態による三方枠は、エレベータ乗場の建屋躯体に形成された乗場開口に据え付けられるエレベータの三方枠であって、一対の縦枠と、一対の前記縦枠の上端を連結した上枠と、前記建屋躯体と前記縦枠との間に配置されるブラケットと、前記ブラケットと前記建屋躯体とを接続する第1接続部材と、前記ブラケットと前記縦枠とを接続する第2接続部材と、を備え、前記ブラケットは、前記建屋躯体に対面する第1面と前記縦枠に対面する第2面とを含み、前記ブラケットには、前記第1面及び前記第2面の間を貫通する第1貫通部及び第2貫通部が形成されており、前記第1接続部材は、前記建屋躯体に固定されるアンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合するナットとを含み、前記第2接続部材は、前記縦枠に形成された穴と螺合するボルトを含み、前記アンカーボルトは、前記第1貫通部を通過し、前記ナットは、前記ブラケットの前記第2面の側に配置され、前記ボルトの脚部が、前記第2貫通部を通過し、前記ボルトの頭部が、前記ブラケットの前記第1面の側に配置される。
一実施の形態による三方枠の据付方法は、上述した三方枠を建屋躯体に据え付ける三方枠の据付方法であって、前記建屋躯体の前記乗場開口を画成する面であって前記縦枠に対面する面に前記アンカーボルトを固定する工程と、前記アンカーボルトを前記ブラケットの前記第1貫通部に挿通させる工程と、前記第1貫通部に挿通している前記アンカーボルトに、前記ブラケットの第2面の側から前記ナットを螺合させる工程と、前記ボルトを前記縦枠に形成された穴と螺合させる工程と、前記ボルトの脚部を前記ブラケットの前記第2貫通部に挿通させる工程と、前記ボルトの脚部が前記第2貫通部に挿通された状態で、前記アンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合した前記ナットとで前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する工程と、を備える。
図1は、本実施の形態におけるエレベータの三方枠の全体概略構成の一例を示す斜視図である。 図2は、図1の一点鎖線で囲まれた部分の固定部材を示す部分拡大図である。 図3は、図1の一点鎖線で囲まれた部分を上方から見た断面図である。 図4は、図3に示す部分を前後方向に見た図である。 図5Aは、図1に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図5Bは、図1に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図5Cは、図1に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図5Dは、図1に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図6Aは、変形例1によるブラケットを示す正面図である。 図6Bは、図6AのA-A線に沿ったブラケットの断面を示す図である。 図7Aは、変形例2によるブラケットをボルトと共に示す正面図である。 図7Bは、図7AのB-B線に沿ったブラケット及びボルトの断面を示す図である。 図8は、変形例3によるブラケットを示す正面図である。 図9Aは、図8に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図9Bは、図8に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図9Cは、図8に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図10は、変形例4によるブラケットを示す正面図である。 図11は、変形例5によるブラケットを示す正面図である。 図12は、変形例6によるブラケットを示す正面図である。 図13Aは、図12に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図13Bは、図12に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図14は、変形例7によるブラケットを示す正面図である。 図15は、図14に示す三方枠の据付方法を説明するための図である。 図16は、図14に示すブラケットの更なる変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、エレベータの乗場1から乗降口100を見て(図1参照)、乗場ドアパネル5a,5bが開閉する方向を左右方向と、乗場1から昇降路ES(図3参照)に向かう方向を後方と、昇降路ESから乗場1に向かう方向を前方と、鉛直方向を上下方向と言う。
また、方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。図面の紙面に垂直な方向であって紙面の裏側から表側に向かう方向に沿った矢印を、例えば図3に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
まず、図1に示すように、エレベータの乗場1には、建屋躯体2にエレベータの乗降口100を形成するための乗場開口3が設けられている。乗場開口3は、乗場1の側と昇降路ES(図3参照)の側とを連通するように設けられている。建屋躯体2の乗場開口3を画成する面は、一対の側面3a,3bと、一対の側面3a,3bの上端部に接続する上面3cと、一対の側面3a,3bの下端部に接続する下面3dと、を含む。
図3に示すように、乗場開口3の左右方向の寸法は、乗場開口3の後端部と前端部とで異なっている。乗場開口3の前端部の左右方向の寸法は、乗場開口3の後端部の左右方向の寸法よりも小さい。図示された例では、各側面3a,3bはその前側半部3eと後側半部3fとの間に段差部3gを有する。側面3a,3bの前側半部3eの間隔は、側面3a,3bの後側半部3fの間隔よりも狭い。
乗場開口3には、三方枠10が据え付けられている。三方枠10は、三方枠本体11と、三方枠本体11を建屋躯体2に固定する固定部材30,40と、を有している。三方枠本体11は、一対の縦枠12a,12bと、一対の縦枠12a,12bの上端部を連結した上枠12cと、を有している。縦枠12a,12bは、それぞれ建屋躯体2の上記側面3a,3bに対面して配置されている。上枠12cは、建屋躯体2の上記上面3cに対面して配置されている。また、建屋躯体2の上記下面3dに沿って、敷居4が配置されている。このように、三方枠本体11と敷居4とによって、エレベータの乗降口100が画成されている。縦枠12a,12bは、建屋躯体2の上記側面3a,3bの側を向く裏面13と、乗降口100の側を向く表面14とを含む。
本明細書において、縦枠12a,12bの基部とは、縦枠12a,12bの後端部を意味する。また、本明細書において、縦枠12a,12bの先端部とは、前端部を意味する。もちろん、縦枠12a,12bの後端部が先端部であってもよく、縦枠12a,12bの前端部が基部であってもよい。
乗場開口3には、乗降口100を開放・閉鎖するように、三方枠本体11に沿って移動する一対の乗場ドアパネル5a,5bを含む乗場ドア5が設けられている。乗場ドアパネル5a,5bは、敷居4に形成されたガイド溝に沿って、乗降口100を開放する開放位置と、乗降口100を閉鎖する閉鎖位置との間を移動する。
各縦枠12a,12bは、第1固定部材30と第2固定部材40とによって建屋躯体2の上記側面3a,3bに固定されている。第1固定部材30及び第2固定部材40は、縦枠12a,12bの裏面13と建屋躯体2の上記側面3a,3bとを接続する。第1固定部材30は、縦枠12a,12bの基部と建屋躯体2の側面3a,3bとを接続する。第2固定部材40は、縦枠12a,12bの先端部と側面3a,3bとを接続する。図3に示すように、縦枠12a,12bの裏面13は平らである。このため、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aと建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eとの距離は、縦枠12a,12bの裏面13の後側半部13bと建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fとの距離よりも小さい。
第1固定部材30は、縦枠12a,12bの裏面13に取り付けられた縦枠側部材31と、建屋躯体2の上記側面3a,3bに取り付けられた躯体側部材32と、を含む。縦枠側部材31及び躯体側部材32は、それぞれ縦枠12a,12bの裏面13の後側半部13b及び建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに、締結部材33,34によって締結されている。また、縦枠側部材31と躯体側部材32とは、互いに対して締結部材35で締結されている。締結部材33,34,35としては、ネジやナット等、任意の締結部材を採用可能である。縦枠12a,12bに対する縦枠側部材31の締結位置は、前後方向に調節可能である。また、建屋躯体2の上記側面3a,3bに対する躯体側部材32の締結位置は、上下方向に調節可能である。また、躯体側部材32に対する縦枠側部材31の締結位置は、左右方向に調整可能である。これにより、建屋躯体2に対する三方枠本体11の位置を調節した後に、第1固定部材30で三方枠本体11を建屋躯体2に固定することができる。
第2固定部材40は、ブラケット41と、ブラケット41と建屋躯体2の上記側面3a,3bとを接続する第1接続部材50と、ブラケット41と縦枠12a,12bとを接続する第2接続部材55と、を含む。図示された例では、ブラケット41は金属製の板状の部材である。
ブラケット41は、建屋躯体2の上記側面3a,3bの前側半部3eと縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aとの間に配置される。ブラケット41は、建屋躯体2の上記側面3a,3bに対面する第1面41aと、縦枠12a,12bの裏面13に対面する第2面41bとを含む。ブラケット41には、後述する第1接続部材50のアンカーボルト51が通過する第1貫通部43と、後述する第2接続部材55のボルト56が通過する第2貫通部44と、が形成されている。第1貫通部43及び第2貫通部44は、ブラケット41の第1面41a及び第2面41bの間を貫通する。
図2に示す例では、第1貫通部43は貫通孔である。この貫通孔は、ブラケット41の上側半部を含む領域において上下方向に延びる長孔である。また、図2に示す例では、第2貫通部44は、第1貫通部43の下方に形成された切欠である。この切欠は、ブラケット41の下端部から上下方向に延びている。したがって、第1貫通部43及び第2貫通部44は、ブラケット41の第1面41a及び第2面41b内を同一方向に沿って延びている。
第1接続部材50は、ブラケット41が建屋躯体2に対して左右方向に移動することを規制するように、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに接続するものである。図示された例では、第1接続部材50は、上記側面3a,3bの前側半部3eに固定されるアンカーボルト51と、アンカーボルト51と螺合するナット52とを含む。アンカーボルト51は左右方向に延びて、ブラケット41の第1貫通部43を通過する。ナット52は、上記側面3a,3bとナット52との間にブラケット41が配置されるように、アンカーボルト51上に配置される。ナット52の寸法は、ブラケット41の第1貫通部43を通過不能なように決められている。図4に示すように、アンカーボルト51と螺合したナット52は、ブラケット41を上記側面3a,3bに押し付けて、ブラケット41の上記側面3a,3bに対する左右方向の移動を規制する。
第2接続部材55は、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに形成された穴59と螺合するボルト56を含む。ボルト56は、頭部57と脚部58とを有する。脚部58は、左右方向に延びてブラケット41の第2貫通部44を通過し、穴59と螺合する。ボルト56の頭部57は、ブラケット41の第1面41aの側に配置されている。言い換えると、ボルト56の頭部57と縦枠12a,12bとの間に、ブラケット41が配置される。ボルト56の頭部57の寸法は、第2貫通部44を通過不能なように決められている。図4に示すように、ブラケット41が第1接続部材50によって建屋躯体2に固定された状態で、ブラケット41の下半部は、ボルト56の頭部57を、縦枠12a,12bの側から建屋躯体2の側面3a,3bに向かう方向に支持する。これにより、縦枠12a,12bの位置が建屋躯体2の側面3a,3bから離れる方向に変動することを、抑制することができる。
縦枠12a,12bの穴59は、例えば上記裏面13に固定されたポップナットのネジ穴であってよい。ボルト56を縦枠12a,12bの穴59と螺合させることでボルト56が縦枠12a,12bに取り付けられることにより、ボルト56の縦枠12a,12bの裏面13からの延出長さを調節することができる。
第2接続部材55のボルト56の頭部57の位置は、建屋躯体2の側面3a,3bに当接するように調節されている。これにより、縦枠12a,12bの位置が建屋躯体2の側面3a,3bに接近する方向に変動することを、防止することができる。
ところで、アンカーボルト51及びボルト56の脚部58は左右方向に延びている。したがって、アンカーボルト51に螺合しているナット52及びボルト56は、左右方向に延びる回転軸線の周りを回転する。この場合、図4から理解されるように、スパナ等の工具でナットやボルトを回転させる際、工具を縦枠12a,12bの裏面13及び建屋躯体2の側面3a,3bに沿って広がる面内で回転させることになる。これにより、縦枠12a,12bの先端部と建屋躯体2の側面3a,3bとの間隔が狭くても、縦枠12a,12bの先端部と建屋躯体2の側面3a,3bとの間に工具を挿入してナットやボルトを回転させることが容易である。
次に、上述した三方枠10の建屋躯体2への据付方法について説明する。
まず、図5Aに示すように、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設け、穴59に第2接続部材55のボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定する。この状態でアンカーボルト51にブラケット41を接近させ、アンカーボルト51をブラケット41の第1貫通部43に挿通させる。次に、アンカーボルト51にナット52を螺合させ、ブラケット41を上記側面3a,3b上に仮留めする。このとき、ブラケット41がボルト56よりも上方に位置するように、ブラケット41を位置決めする。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、図5Bに示すように、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。
次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。具体的には、縦枠側部材31を、締結部材33を用いて、縦枠12a,12bの裏面13の後側半部に締結する。縦枠側部材31を縦枠12a,12bに締結する際、互いに組み付けられた縦枠側部材31及び躯体側部材32の互いに対する位置を調節して、縦枠側部材31の縦枠12a,12bに対する位置を調節する。この作業は、三方枠本体11の後方から、縦枠12a,12bと建屋躯体2との間に工具を差し込んで行う。ここで、図示された例では、縦枠側部材31と躯体側部材32とを互いに対して締結する締結部材33,34,35は、上下方向に延びる回転軸線の周りを回転するナットを含む。この場合、スパナ等の工具でナットを回転させる際、工具を縦枠12a,12bの裏面13及び建屋躯体2の側面3a,3bに垂直な面内で回転させることになるため、工具と縦枠12a,12b及び建屋躯体2との干渉が心配される。しかしながら、縦枠12a,12bの裏面13の後側半部13bと建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fとの距離は十分な大きさであるため、縦枠側部材31と躯体側部材32との締結作業を容易に行うことができる。
次に、縦枠12a,12bの先端部を建屋躯体2に固定する。具体的には、図5Cに示すように、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。この作業は、三方枠本体11の前方から、縦枠12a,12bと建屋躯体2との間に工具を差し込んで行う。
次に、ブラケット41を建屋躯体2に対して仮留めしていた第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2から離間させる。そして、図5Dに示すように、ブラケット41を第1貫通部43に沿って下方に移動させてボルト56の脚部58の上方から第2貫通部44としての切欠を接近させ、脚部58を第2貫通部44に挿通させる。その後、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。これにより、縦枠12a,12bの先端部が建屋躯体2に固定される。以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
なお、上述したように、ボルト56やナット52を回転させる作業は、工具を縦枠12a,12bの裏面13及び建屋躯体2の側面3a,3bに沿って広がる面内で回転させて行う。したがって、この作業は、縦枠12a,12bの先端部と建屋躯体2の側面3a,3bとの間隔が狭くても、容易に行うことができる。
<<<変形例>>>
以上、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、以上の具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
<変形例1>
例えば、図6A及び図6Bに示すように、ブラケット41には、強度向上を目的とした曲げ加工が施されていてもよい。また、ブラケット41には、強度向上を目的としたビードが形成されていてもよい。これにより、縦枠12a,12bに対して建屋躯体2の側面3a,3bから離間する方向に力が加わっても、ブラケット41が屈曲する虞が抑制される。図示された例では、第1貫通部43が凹部60の底面61に位置するように、ブラケット41に曲げ加工が施されている。また、図示された例では、第1貫通部43を取り囲むように、ビード62が形成されている。
<変形例2>
また、図7A及び図7Bに示すように、第2貫通部44の周りに凹形状の回り止め63が形成されていてもよい。図示された例では、第2貫通部44が凹部64の底壁65に位置するように、ブラケット41に曲げ加工が施されている。凹部64の寸法は、凹部64が第2接続部材55のボルト56の頭部57を収容することができるように、且つ、凹部64の底壁65に接続する側壁66,66がボルト56の頭部57と干渉してボルト56の回転を防止するように、決定されている。図示された例では、ボルト56の頭部57は六角形状であり、ボルト56の脚部58の延びる方向に沿った軸線の周りに6つの側面57aを有する。凹部64は、前後方向に対面する一対の側壁66,66を有する。ボルト56の頭部57は、側壁66,66の間に配置される。側壁66,66の間隔は、ボルト56の頭部57の対向する2つの側面57a,57a間の距離より大きく、ボルト56の外形よりも小さい。
第2貫通部44の周りに凹形状の回り止め63が形成されていることにより、三方枠10を建屋躯体2に据え付けた後にボルト56が回転してボルト56の縦枠12a,12bからの延出長さが短くなる、ということが防止される。
<変形例3>
また、図8に示すように、第1貫通部43は、だるま穴でもよい。第1貫通部43がだるま穴である場合、第1貫通部43は、ナット52が通過可能な第1大径部43aと、ナット52が通過不能な第1小径部43bとを有する。第1大径部43aと第1小径部43bとは、互いに連通している。これにより、アンカーボルト51にナット52を螺合させた後に、ナット52が螺合したアンカーボルト51を第1大径部43aを通じて第1貫通部43に挿通させることができる。
また、図8に示すように、第2貫通部44は、貫通孔でもよい。図8に示す例では、第2貫通部44はだるま穴であり、ボルト56の頭部57が通過可能な第2大径部44aと、ボルト56の頭部57が通過不能な第2小径部44bとを有する。第2大径部44aと第2小径部44bとは、互いに連通している。これにより、ブラケット41をボルト56の頭部57から脚部58に向かう方向に接近させて、第2貫通部44にボルト56を挿通させることができる。具体的には、ボルト56の頭部57を第2大径部44aに挿入させて、ボルト56を第2貫通部44に挿通させることができる。
なお、図8に示す例では、第1貫通部43の第1小径部43bは、第1大径部43aの下方において上下方向に延びている。また、第2貫通部44の第2小径部44bは、第2大径部44aの上方において上下方向に延びている。つまり、第1小径部43b及び第2小径部44bは、ブラケット41の第1面41a及び第2面41b内を同一方向に沿って延びている。
なお、図8に示すブラケットの場合、三方枠10を建屋躯体2へ据え付ける作業は、以下のようにして行うことができる。
まず、図9Aに示すように、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設け、穴59に第2接続部材55のボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定し、アンカーボルト51にナット52を螺合させる。ナット52が螺合したアンカーボルト51を、ブラケット41の第1大径部43aに挿通させ、上記側面3a,3bとナット52との間にブラケット41を配置する。次に、ブラケット41を上方に移動させてアンカーボルト51を第1小径部43b内に配置した後、ナット52を回転させてブラケット41を上記側面3a,3b上に仮留めする。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。
次に、ブラケット41を建屋躯体2に対して仮留めしていた第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2から離間させる。そして、ブラケット41を第1小径部43bに沿って上下方向に移動させ、第2大径部44aとボルト56の頭部57とを対面させる。
次に、図9Bに示すように、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。このとき、ボルト56の頭部57そして脚部58を第2大径部44aに挿入する。
次に、図9Cに示すように、ブラケット41を第1小径部43bに沿って下方に移動させ、ボルト56の脚部58を第2小径部44b内に配置する。アンカーボルト51が第1小径部43b内に位置し且つボルト56の脚部58が第2小径部44b内に位置する状態で、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。
以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
<変形例4>
また、図10に示すように、第1貫通部43は切欠でもよい。これにより、アンカーボルト51にナット52を螺合させた後に、ナット52が螺合したアンカーボルト51を第1貫通部43に挿通させることができる。図10に示す例では、第1貫通部43は、ブラケット41の上端部から下方に延びる切欠である。この場合、アンカーボルト51の下方からブラケット41を上方に移動させ、第1貫通部43をアンカーボルト51に接近させることにより、アンカーボルト51を第1貫通部43に挿通させることができる。
なお、図10に示すブラケット41の場合、三方枠10を建屋躯体2へ据え付ける作業は、以下のようにして行うことができる。
まず、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設け、穴59に第2接続部材55のボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定し、アンカーボルト51にナット52を螺合させる。ナット52が螺合したアンカーボルト51のナット52と上記側面3a,3bとの間を延びる部分に、下方からブラケット41の第1貫通部43としての切欠を接近させ、第1貫通部43にアンカーボルト51を挿通させる。次に、ナット52を回転させてブラケット41を上記側面3a,3b上に仮留めする。このとき、ブラケット41がボルト56よりも上方に位置するように、ブラケット41を位置決めする。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。
次に、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。
次に、ブラケット41を建屋躯体2に対して仮留めしていた第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2から離間させる。そして、ブラケット41を第1貫通部43に沿って下方に移動させてボルト56の脚部58の上方から第2貫通部44としての切欠を接近させ、脚部58を第2貫通部44に挿通させる。その後、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。
以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
<変形例5>
また、図11に示すように、第1貫通部43及び第2貫通部44は、連続した1つの切欠を形成していてもよい。この場合も、アンカーボルト51にナット52を螺合させた後に、ナット52が螺合したアンカーボルト51を第1貫通部43に挿通させることができる。図11に示す例では、第1貫通部43及び第2貫通部44は、ブラケット41の下端部から上方に延びる切欠を形成している。この場合、アンカーボルト51の上方からブラケット41を下方に移動させ、第1貫通部43及び第2貫通部44をアンカーボルト51に接近させることにより、アンカーボルト51を第1貫通部43に挿通させることができる。
なお、図11に示すブラケット41の場合、三方枠10を建屋躯体2へ据え付ける作業は、以下のようにして行うことができる。
まず、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設け、穴59に第2接続部材55のボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定し、アンカーボルト51にナット52を螺合させる。ナット52が螺合したアンカーボルト51のナット52と上記側面3a,3bとの間を延びる部分に、上方からブラケット41の第1貫通部43及び第2貫通部44としての切欠を接近させ、第2貫通部44そして第1貫通部43にアンカーボルト51を挿通させる。次に、ナット52を回転させてブラケット41を上記側面3a,3b上に仮留めする。このとき、ブラケット41がボルト56よりも上方に位置するように、ブラケット41を位置決めする。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。
次に、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。
次に、ブラケット41を建屋躯体2に対して仮留めしていた第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2から離間させる。そして、ブラケット41を第1貫通部43及び第2貫通部44に沿って下方に移動させてボルト56の脚部58の上方から上記切欠を接近させ、脚部58を第2貫通部44に挿通させる。その後、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。
以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
<変形例6>
また、図12に示すように、第1貫通部43及び第2貫通部44の一方は、丸穴であってもよい。この場合、第1貫通部43及び第2貫通部44の他方は、丸穴を通る軸線を中心とした円の周方向に沿って延びる切欠であってよい。図12に示す例では、第1貫通部43が丸穴であり、第2貫通部44が上記円の周方向に沿って延びる切欠である。
なお、図12に示すブラケット41の場合、三方枠10を建屋躯体2へ据え付ける作業は、以下のようにして行うことができる。
まず、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設け、穴59に第2接続部材55のボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定し、アンカーボルト51をブラケット41の第1貫通部43に挿通させる。次に、アンカーボルト51にナット52を螺合させる。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。
次に、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。
次に、図13Aに示すように、ブラケット41をアンカーボルト51の周りで回転させる。そして、第2貫通部44としての切欠を、アンカーボルト51を中心とする円の周方向に沿ってボルト56の脚部58に接近させ、図13Bに示すように脚部58を第2貫通部44に挿通させる。その後、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。
以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
なお、第2貫通部44が丸穴で第1貫通部43が切欠の場合、三方枠10を建屋躯体2へ据え付ける作業は、以下のようにして行うことができる。
まず、ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させる。また、縦枠12a,12bの裏面13の前側半部13aに穴59を設ける。ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させた状態で、穴59にボルト56の脚部58を螺合させる。このとき、縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを、三方枠10が建屋躯体2に据え付けられた状態での縦枠12a,12bと建屋躯体2との距離よりも短くする。
また、建屋躯体2の側面3a,3bの前側半部3eにアンカーボルト51を固定し、アンカーボルト51にナット52を螺合させる。
また、第1固定部材30の縦枠側部材31と躯体側部材32とを、締結部材35を用いて図2に示すように組み付ける。次に、躯体側部材32を、締結部材34を用いて、建屋躯体2の側面3a,3bの後側半部3fに取り付ける。
次に、三方枠本体11を乗場開口3に嵌め込み、三方枠本体11の乗場開口3に対する位置決めを行う。次に、第1固定部材30で縦枠12a,12bの基部を建屋躯体2の側面3a,3bに固定する。
次に、第2接続部材55のボルト56を回転させて縦枠12a,12bからのボルト56の延出長さを長くし、ボルト56の頭部57を建屋躯体2の側面3a,3bに当接させる。
次に、ブラケット41をボルト56の周りで回転させる。そして、第1貫通部43としての切欠を、ボルト56を中心とする円の周方向に沿ってアンカーボルト51に接近させ、アンカーボルト51のナット52と上記側面3a,3bとの間を延びる部分を第1貫通部43に挿通させる。その後、第1接続部材50のナット52を回転させて建屋躯体2に接近させ、ブラケット41を建屋躯体2の側面3a,3bに締結させる。
以上により、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。
<変形例7>
また、図14に示すように、第1貫通部43及び第2貫通部44の一方は、長穴であってもよい。この場合、第1貫通部43及び第2貫通部44の他方は、長穴内の任意の点を通る軸線を中心とした円の周方向に沿って延びる切欠であってよい。図14に示す例では、第2貫通部44が長穴であり、第1貫通部43が上記円の周方向に沿って延びる切欠である。
なお、図14に示すブラケット41の場合、変形例6と同様にして、三方枠10を建屋躯体2へ据え付けることができる。なお、変形例7の場合、第1貫通部43及び第2貫通部44の一方が長穴であることにより、変形例6の場合と比較して、三方枠本体11が乗場開口3に対して位置決めされた状態でのアンカーボルト51とボルト56との距離を、自由に設定することができる。すなわち、変形例6の場合、アンカーボルト51とボルト56との上記距離は、ブラケット41の丸穴と切欠との距離に等しくなくてはならない。その一方で、変形例7の場合、図15から理解されるように、アンカーボルト51とボルト56との上記距離は、ブラケット41の長穴内の任意の位置と切欠との距離であってよい。
なお、変形例6及び7において、第1貫通部43又は第2貫通部44としての切欠は、複数形成されていてもよい。図16に示すブラケット41には、第1貫通部43として2つの切欠が設けられている。いずれの切欠も、第2貫通部44としての長穴内の任意の点を通る軸線を中心とした円の周方向に沿って延びている。
このように本実施の形態及び変形例1~7によれば、エレベータ乗場1の建屋躯体2に形成された乗場開口3に据え付けられるエレベータの三方枠10は、一対の縦枠12a,12bと、一対の縦枠12a,12bの上端を連結した上枠12cと、建屋躯体2と縦枠12a,12bとの間に配置されるブラケット41と、ブラケット41と建屋躯体2とを接続する第1接続部材50と、ブラケット41と縦枠12a,12bとを接続する第2接続部材55と、を備える。ブラケット41は、建屋躯体2に対面する第1面41aと、縦枠12a,12bに対面する第2面41bとを含む。ブラケット41には、第1面41a及び第2面41bの間を貫通する第1貫通部43及び第2貫通部44が形成されている。第1接続部材50は、建屋躯体2に固定されるアンカーボルト51と、アンカーボルト51に螺合するナット52とを含む。第2接続部材55は、縦枠12a,12bに形成された穴59と螺合するボルト56を含む。アンカーボルト51は、第1貫通部43を通過する。ナット52は、ブラケット41の第2面41bの側に配置される。ボルト56の脚部58が、第2貫通部44を通過する。ボルト56の頭部57が、ブラケット41の第1面41aの側に配置される。
このような三方枠10によれば、建屋躯体2と縦枠12a,12bとの間の隙間が小さくても、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。また、アンカーボルト51及びナット42でブラケット41を建屋躯体2に締結し、ボルト56の頭部57を建屋躯体2に当接させることで、縦枠12a,12bが建屋躯体2に対して左右方向に移動することを抑制することができる。
また、本実施の形態及び変形例1~3、6及び7において、第1貫通部43は貫通孔である。とりわけ、変形例3において、第1貫通部43は、ナット52が通過可能な第1大径部43aと、第1大径部43aと連通しナット52が通過不能な第1小径部43bとを有する。
また、変形例4~7において、第1貫通部43は切欠である。
また、本実施の形態及び変形例1、2、4~7において、第2貫通部44は切欠である。
また、変形例3において、第2貫通部44は、貫通孔であり、ボルト56の頭部57が通過可能な第2大径部44aと、第2大径部44aと連通しボルト56の頭部が通過不能な第2小径部44bとを有する。
また、変形例5において、第1貫通部43及び第2貫通部44は、連続した1つの切欠を形成する。
また、本実施の形態及び変形例1~5において、第1貫通部43及び第2貫通部44は、第1面41a及び第2面41b内を同一方向に沿って延びている。これにより、ブラケット41を第1貫通部43に沿って移動させつつ、ボルト56の脚部58を第2貫通部44内に配置することができる、或いは、第2貫通部44内におけるボルト56の脚部58の位置を、第2大径部44a内から第2小径部44b内に移動させることができる。
また、変形例2において、第2貫通部44の周りに、ボルト56の頭部57を収容して当該頭部57の回転を防止する凹形状の回り止め63が形成されている。これにより、三方枠10を建屋躯体2に据え付けた後にボルト56が回転してボルト56の縦枠12a,12bからの延出長さが短くなる、ということが防止される。
また、本実施の形態及び変形例1~7によれば、上述した三方枠10を建屋躯体2に据え付ける三方枠10の据付方法は、建屋躯体2の乗場開口3を画成する面であって縦枠12a,12bに対面する面3a,3bにアンカーボルト51を固定する工程と、アンカーボルト51をブラケット41の第1貫通部43に挿通させる工程と、第1貫通部43に挿通しているアンカーボルト51にブラケット41の第2面41bの側からナット52を螺合させる工程と、ボルト56を縦枠12a,12bに形成された穴59と螺合させる工程と、ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させる工程と、ボルト56の脚部58が第2貫通部44に挿通された状態で、アンカーボルト51とアンカーボルト51に螺合したナット52とで、ブラケット41を建屋躯体2に締結する工程と、を備えている。
このような三方枠10の据付方法によれば、建屋躯体2と縦枠12a,12bとの間の隙間が小さくても、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。また、縦枠12a,12bが建屋躯体2から離れるように左右方向に移動することを抑制することができる。
また、変形例3に係る三方枠10の据付方法は、建屋躯体2の乗場開口3を画成する面であって縦枠12a,12bに対面する面3a,3bにアンカーボルト51を固定する工程と、アンカーボルト51にナット52を螺合させる工程と、ナット52が螺合したアンカーボルト51をブラケット41の第1大径部43aに挿通させて、建屋躯体2の縦枠12a,12bに対面する面3a,3bとナット52との間にブラケット41を配置する工程と、第1大径部43aに挿通させたアンカーボルト51に対してブラケット41を移動させることにより、アンカーボルト51を第1小径部43b内に配置する工程と、ボルト56を縦枠12a,12bに形成された穴59と螺合させる工程と、ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させる工程と、ボルト56の脚部58がブラケット41の第2貫通部44に挿通され且つアンカーボルト51が第1小径部43bに挿通された状態で、アンカーボルト51とアンカーボルト51に螺合したナット52とで、ブラケット41を建屋躯体2に締結する工程と、を備えている。
このような三方枠10の据付方法によっても、建屋躯体2と縦枠12a,12bとの間の隙間が小さくても、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。また、縦枠12a,12bが建屋躯体2に対して左右方向に移動することを抑制することができる。
また、変形例4~7に係る三方枠10の据付方法は、建屋躯体2の乗場開口3を画成する面であって縦枠12a,12bに対面する面3a,3bにアンカーボルト51を固定する工程と、アンカーボルト51にナット52を螺合させる工程と、ナット52が螺合したアンカーボルト51をブラケット41の第1貫通部43に挿通させる工程と、ボルト56を縦枠12a,12bに形成された穴59と螺合させる工程と、ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させる工程と、ボルト56の脚部58がブラケット41の第2貫通部44に挿通され且つアンカーボルト51が第1貫通部43に挿通された状態で、アンカーボルト51とアンカーボルト51に螺合したナット52とで、ブラケット41を建屋躯体2に締結する工程と、を備えている。
このような三方枠10の据付方法によっても、建屋躯体2と縦枠12a,12bとの間の隙間が小さくても、三方枠10を建屋躯体2に据え付けることができる。また、縦枠12a,12bが建屋躯体2に対して左右方向に移動することを抑制することができる。
また、変形例3に係る三方枠10において、第2貫通部44は、貫通孔であり、ボルト56の頭部57が通過可能な第2大径部44aと、第2大径部44aと連通しボルト56の頭部57が通過不能な第2小径部44bとを有する。そして、変形例3に係る三方枠10の据付方法において、ボルト56の脚部58をブラケット41の第2貫通部44に挿通させる工程は、ボルト56を第2大径部44aに挿通させて頭部57と縦枠12a,12bとの間にブラケット41を配置する工程と、第2大径部44aに挿通したボルト56に対してブラケット41を移動させることによって、ボルト56の脚部58を第2小径部44b内に配置する工程と、を含む。また、ブラケット41を建屋躯体2に締結する工程において、ボルト56の脚部58が第2小径部44bに挿通され且つアンカーボルト51が第1貫通部43に挿通された状態で、アンカーボルト51とアンカーボルト51に螺合したナット52とで、ブラケット41を建屋躯体2に締結する。
また、本実施の形態及び変形例1~7において、三方枠10の据付方法は、ボルト56の縦枠12a,12bからの延出長さを調節してボルト56の頭部57を建屋躯体2の縦枠12a,12bに対面する面3a,3bに当接させる工程を更に備えている。この場合、縦枠12a,12bが建屋躯体2に接近するように左右方向に移動することを抑制することができる。
本発明の実施形態といくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態および変形例を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1:乗場、2:建屋躯体、3:乗場開口、3a,3b :側面、3e:前側半部、3f:後側半部、4:敷居、5:乗場ドア、10:三方枠、11:三方枠本体、12a,12b:縦枠、12c:上枠、13:裏面、13a:前側半部、13b:後側半部、30:第1固定部材、40:第2固定部材、41:ブラケット、41a:第1面、41b:第2面、43:第1貫通部、43a:第1大径部、43b:第1小径部、44:第2貫通部、44a:第2大径部、44b:第2小径部、50:第1接続部材、51:アンカーボルト、52:ナット、55:第2接続部材、56:ボルト、57:頭部、58:脚部、59:穴、63:回り止め

Claims (13)

  1. エレベータ乗場の建屋躯体に形成された乗場開口に据え付けられるエレベータの三方枠であって、
    一対の縦枠と、
    一対の前記縦枠の上端を連結した上枠と、
    前記建屋躯体と前記縦枠との間に配置されるブラケットと、
    前記ブラケットと前記建屋躯体とを接続する第1接続部材と、
    前記ブラケットと前記縦枠とを接続する第2接続部材と、
    を備え、
    前記ブラケットは、前記建屋躯体に対面する第1面と、前記縦枠に対面する第2面とを含み、
    前記ブラケットには、前記第1面及び前記第2面の間を貫通する第1貫通部及び第2貫通部が形成されており、
    前記第1接続部材は、前記建屋躯体に固定されるアンカーボルトと、前記アンカーボルトに螺合するナットとを含み、
    前記第2接続部材は、前記縦枠に形成された穴と螺合するボルトを含み、
    前記アンカーボルトは、前記第1貫通部を通過し、
    前記ナットは、前記ブラケットの前記第2面の側に配置され、
    前記ボルトの脚部が、前記第2貫通部を通過し、
    前記ボルトの頭部が、前記ブラケットの前記第1面の側に配置され、
    前記第2貫通部は切欠である、三方枠。
  2. エレベータ乗場の建屋躯体に形成された乗場開口に据え付けられるエレベータの三方枠であって、
    一対の縦枠と、
    一対の前記縦枠の上端を連結した上枠と、
    前記建屋躯体と前記縦枠との間に配置されるブラケットと、
    前記ブラケットと前記建屋躯体とを接続する第1接続部材と、
    前記ブラケットと前記縦枠とを接続する第2接続部材と、
    を備え、
    前記ブラケットは、前記建屋躯体に対面する第1面と、前記縦枠に対面する第2面とを含み、
    前記ブラケットには、前記第1面及び前記第2面の間を貫通する第1貫通部及び第2貫通部が形成されており、
    前記第1接続部材は、前記建屋躯体に固定されるアンカーボルトと、前記アンカーボルトに螺合するナットとを含み、
    前記第2接続部材は、前記縦枠に形成された穴と螺合するボルトを含み、
    前記アンカーボルトは、前記第1貫通部を通過し、
    前記ナットは、前記ブラケットの前記第2面の側に配置され、
    前記ボルトの脚部が、前記第2貫通部を通過し、
    前記ボルトの頭部が、前記ブラケットの前記第1面の側に配置され、
    前記第2貫通部は、貫通孔であり、前記ボルトの頭部が通過可能な第2大径部と、前記第2大径部と連通し前記ボルトの頭部が通過不能な第2小径部とを有する、三方枠。
  3. 前記第1貫通部は貫通孔である、請求項1又は2に記載の三方枠。
  4. 前記第1貫通部は、前記ナットが通過可能な第1大径部と、前記第1大径部と連通し前記ナットが通過不能な第1小径部とを有する、請求項に記載の三方枠。
  5. 前記第1貫通部は切欠である、請求項1又は2に記載の三方枠。
  6. 前記第1貫通部及び前記第2貫通部は、連続した1つの切欠を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の三方枠。
  7. 前記第1貫通部及び前記第2貫通部は、前記第1面及び前記第2面内を同一方向に沿って延びている、請求項1~のいずれか一項に記載の三方枠。
  8. 前記第2貫通部の周りに、前記ボルトの頭部を収容して当該頭部の回転を防止する凹形状の回り止めが形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の三方枠。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の三方枠を前記建屋躯体に据え付ける三方枠の据付方法であって、
    前記建屋躯体の前記乗場開口を画成する面であって前記縦枠に対面する面に前記アンカーボルトを固定する工程と、
    前記アンカーボルトを前記ブラケットの前記第1貫通部に挿通させる工程と、
    前記第1貫通部に挿通している前記アンカーボルトに、前記ブラケットの第2面の側から前記ナットを螺合させる工程と、
    前記ボルトを前記縦枠に形成された穴と螺合させる工程と、
    前記アンカーボルトに前記ナットが螺合され且つ前記ボルトが前記縦枠に形成された穴に螺合された状態で、前記ボルトの脚部を前記ブラケットの前記第2貫通部に挿通させる工程と、
    前記ボルトの脚部が前記第2貫通部に挿通された状態で、前記アンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合した前記ナットとで、前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する工程と、
    を備えた、三方枠の据付方法。
  10. 請求項に記載の三方枠を前記建屋躯体に据え付ける三方枠の据付方法であって、
    前記建屋躯体の前記乗場開口を画成する面であって前記縦枠に対面する面に前記アンカーボルトを固定する工程と、
    前記アンカーボルトに前記ナットを螺合させる工程と、
    前記ナットが螺合した前記アンカーボルトを前記ブラケットの前記第1大径部に挿通させて、前記建屋躯体の前記縦枠に対面する面と前記ナットとの間に前記ブラケットを配置する工程と、
    前記第1大径部に挿通させた前記アンカーボルトに対して前記ブラケットを移動させることにより、前記アンカーボルトを前記第1小径部内に配置する工程と、
    前記ボルトを前記縦枠に形成された穴と螺合させる工程と、
    前記アンカーボルトが前記第1小径部に挿通され且つ前記ボルトが前記縦枠に形成された穴に螺合された状態で、前記ボルトの脚部を前記ブラケットの第2貫通部に挿通させる工程と、
    前記ボルトの脚部が前記ブラケットの第2貫通部に挿通され且つ前記アンカーボルトが前記第1小径部に挿通された状態で、前記アンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合した前記ナットとで、前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する工程と、
    を備えた、三方枠の据付方法。
  11. 請求項に記載の三方枠を前記建屋躯体に据え付ける三方枠の据付方法であって、
    前記建屋躯体の前記乗場開口を画成する面であって前記縦枠に対面する面に前記アンカーボルトを固定する工程と、
    前記アンカーボルトに前記ナットを螺合させる工程と、
    前記ナットが螺合した前記アンカーボルトを前記ブラケットの前記第1貫通部に挿通させる工程と、
    前記ボルトを前記縦枠に形成された穴と螺合させる工程と、
    前記アンカーボルトが前記ブラケットの前記第1貫通部に挿通され且つ前記ボルトが前記縦枠に形成された穴に螺合された状態で、前記ボルトの脚部を前記ブラケットの第2貫通部に挿通させる工程と、
    前記ボルトの脚部が前記ブラケットの第2貫通部に挿通され且つ前記アンカーボルトが前記第1貫通部に挿通された状態で、前記アンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合した前記ナットとで、前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する工程と、
    を備えた、三方枠の据付方法。
  12. 前記第2貫通部は、貫通孔であり、前記ボルトの頭部が通過可能な第2大径部と、前記第2大径部と連通し前記ボルトの頭部が通過不能な第2小径部とを有し、
    前記ボルトの脚部を前記ブラケットの第2貫通部に挿通させる工程は、前記ボルトを前記第2大径部に挿通させて前記頭部と前記縦枠との間に前記ブラケットを配置する工程と、前記第2大径部に挿通した前記ボルトに対して前記ブラケットを移動させることによって、前記ボルトの脚部を前記第2小径部内に配置する工程と、を含み、
    前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する工程において、前記ボルトの脚部が前記第2小径部に挿通され且つ前記アンカーボルトが前記第1貫通部に挿通された状態で、前記アンカーボルトと前記アンカーボルトに螺合した前記ナットとで、前記ブラケットを前記建屋躯体に締結する、請求項11のいずれか一項に記載の三方枠の据付方法。
  13. 前記ボルトの前記縦枠からの延出長さを調節して前記ボルトの頭部を前記建屋躯体の前記縦枠に対面する面に当接させる工程を更に備えた、請求項12のいずれか一項に記載の三方枠の据付方法。
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