JP7135259B2 - 建物の両面外壁構造及び建物の両面外壁の固定方法 - Google Patents

建物の両面外壁構造及び建物の両面外壁の固定方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の両面外壁構造及び建物の両面外壁の固定方法に関する。
下記特許文献1には、サイディング材で形成された外壁パネル(以下、「外側外壁材」という)と内壁パネル(以下、「内側外壁材」という)とで構成されるバルコニー壁において、外側外壁材に対して内壁外壁材を固定する技術が開示されている。この先行技術では、隣り合う一対の外側外壁材の裏面側には、それぞれ縦フレーム材が固定されており、隣り合う一対の内側外壁材の裏面側にはそれぞれ縦枠材が固定されている。そして、一対の縦フレームを跨って取付部材が嵌め込まれるようになっている。この取付部材には押さえプレートがボルト締めされるようになっており、当該押さえプレートを介して縦枠材が取付部材に取付けられ、その結果、内側外壁材が外側外壁材へ固定されるようになっている。
特開平11-343661号公報
上記先行技術では、外側外壁材及び内側外壁材として、サイディング材が用いられており、押さえプレートのボルト締めは、隣り合って配置された内側外壁材間の隙間(いわゆる目地部)において内側外壁材の外側(表面側)から行われるようになっている。
一方、外側外壁材及び内側外壁材として、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC外壁材」という)が用いられる場合、ALC外壁材はアンカーボルトを用いてフレームに固定される。この場合、ALC外壁材の裏面側からアンカーボルトによるボルト締めを行うこととなり、上記先行技術の適用は困難である。つまり、上記先行技術によれば、適用される外壁材の種類が限られてしまう。
本発明は上記事実を鑑みてなされたものであり、外壁材の種類に関係なく、当該外壁材の取付けを行うことが可能となる建物の両面外壁構造及び建物の両面外壁の固定方法の提供を目的とする。
本発明の第1の態様に係る建物の両面外壁構造は、建物の外壁における垂れ壁の骨格の一部を構成する梁材に固定された取付けフレームと、前記取付けフレームに固定され、前記垂れ壁を構成する外壁材と、を備え、前記取付けフレームは、前記取付けフレームの上端部に設けられ、前記梁材の延在方向に沿って複数固定された固定プレートと、前記固定プレートからそれぞれ垂下され、前記梁材の延在方向に沿って複数設けられた縦フレームと、前記取付けフレームの両側面にそれぞれ設けられ、複数の前記縦フレームにおいて、前記梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端がそれぞれ固定され、複数の前記縦フレームとの間で開口部が形成され、外面側に外壁材がそれぞれ固定された一対の横フレームと、を含んで構成されている
本発明の第1の態様に係る建物の両面外壁構造では、建物の外壁における垂れ壁の骨格の一部を構成する梁材に取付けフレームが固定されており、この取付けフレームに、垂れ壁を構成する外壁材が固定されている。ここで、取付けフレームは、固定プレートと、縦フレームと、一対の横フレームと、を含んで構成されている。固定プレートは、当該取付けフレームの上端部に設けられており、梁材の延在方向に沿って複数固定されている。当該固定プレートからは縦フレームがそれぞれ垂下されており、当該縦フレームは、梁材の延在方向に沿って複数設けられている。
また、当該取付けフレームの両側面には、それぞれ横フレームが設けられている。一対の横フレームには、複数の縦フレームにおいて、梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端がそれぞれ固定されており、一対の横フレームと複数の縦フレームとの間には開口部が形成されている。そして、一対の横フレームの外面側には、外壁材がそれぞれ固定されている。すなわち、垂れ壁において、一対の横フレームのうち、一方の横フレームの外面には、内側外壁材が固定され、他方の横フレームの外面には、外側外壁材が固定される。
例えば、外壁材としてサイディング材が用いられる場合、一方の横フレームの外面に対して、取付けフレームの外側から内側外壁材をビスにより固定(ビス止め)し、内側外壁材を一方の横フレームに固定することができる。また、他方の横フレームの外面に対して、取付けフレームの外側から外側外壁材をビス止めし、外側外壁材を他方の横フレームに固定することができる。
一方、外壁材としてALC外壁材が用いられる場合、当該ALC外壁材には、予め固定用アンカー孔が形成され、当該固定用アンカー孔を介してボルトによる締結(ボルト締結)が行われる。つまり、一対の横フレームに対して、取付けフレームの内側から内側外壁材(ALC外壁材)、外側外壁材(ALC外壁材)をそれぞれボルト締結し固定させる必要がある。
ここで、本態様における取付けフレームには、一対の横フレームと複数の縦フレームとの間には開口部が形成されている。このため、一方の横フレームの外面に対して、内側外壁材をボルト締結させ固定させた後、他方の横フレームの外面に対しては、当該開口部を通じて取付けフレームの内側から外側外壁材をボルト締結させ固定することができる。すなわち、本態様では、外壁材の種類に関係なく、当該外壁材の取付けを行うことが可能となる。なお、他方の横フレームの外面に外側外壁材を固定させた後、一方の横フレームの外面に内側外壁材を固定させてもよい。
また、複数の縦フレームの幅方向の両端を一対の横フレームにそれぞれ固定し、当該一対の横フレームにそれぞれ内側外壁材、外側外壁材を固定している。つまり、本態様では、内側外壁材、外側外壁材がそれぞれ固定される一対の横フレームを一つの縦フレームで共有している。したがって、例えば、横フレーム毎にそれぞれ縦フレームを用いた場合と比較して、縦フレームの数をその分減らすことができ、垂れ壁においてコスト削減を図ることができる。
本発明の第2の態様に係る建物の両面外壁構造は、建物の外壁における腰壁の骨格の一部を構成する梁材に固定された取付けフレームと、前記取付けフレームに固定され、前記腰壁を構成する外壁材と、を備え、前記取付けフレームは、前記取付けフレームの下端部に設けられ、前記梁材の延在方向に沿って複数固定された固定プレートと、前記固定プレートからそれぞれ立設され、前記梁材の延在方向に沿って複数設けられた縦フレームと、前記取付けフレームの両側面にそれぞれ設けられ、複数の前記縦フレームにおいて、前記梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端がそれぞれ固定され、複数の前記縦フレームとの間で開口部が形成され、外面側に外壁材がそれぞれ固定された一対の横フレームと、を含んで構成されている。
本発明の第2の態様に係る建物の両面外壁構造では、建物の外壁における腰壁の骨格の一部を構成する梁材に取付けフレームが固定されており、この取付けフレームに、腰壁を構成する外壁材が固定されている。ここで、取付けフレームは、固定プレートと、縦フレームと、一対の横フレームと、を含んで構成されている。固定プレートは、当該取付けフレームの下端部に設けられており、梁材の延在方向に沿って複数固定されている。当該固定プレートからは縦フレームがそれぞれ立設しており、当該縦フレームは、梁材の延在方向に沿って複数設けられている。
また、当該取付けフレームの両側面には、それぞれ横フレームが設けられている。一対の横フレームには、複数の縦フレームにおいて、梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端がそれぞれ固定されており、一対の横フレームと複数の縦フレームとの間には開口部が形成されている。そして、一対の横フレームの外面側には、外壁材がそれぞれ固定されている。すなわち、腰壁において、一対の横フレームのうち、一方の横フレームの外面には、内側外壁材が固定され、他方の横フレームの外面には、外側外壁材が固定される。
ここで、本態様における取付けフレームには、一対の横フレームと複数の縦フレームとの間には開口部が形成されている。このため、本態様では、第1の態様と同様に、一方の横フレームの外面に対して、内側外壁材をボルト締結させ固定させた後、他方の横フレームの外面に対して、当該開口部を通じて取付けフレームの内側から外側外壁材をボルト締結させ固定することができるため、外壁材の種類に関係なく、当該外壁材の取付けを行うことが可能となる。
また、本態様では、複数の縦フレームの幅方向の両端を一対の横フレームにそれぞれ固定すると共に、当該一対の横フレームにそれぞれ内側外壁材、外側外壁材を固定するようにして、内側外壁材、外側外壁材がそれぞれ固定される一対の横フレームを一つの縦フレームで共有している。これにより、第1の態様と同様に、例えば、横フレーム毎にそれぞれ縦フレームを用いた場合と比較して、縦フレームの数をその分減らすことができ、腰壁においてコスト削減を図ることができる。
本発明の第3の態様に係る建物の両面外壁構造は、本発明の第1の態様又は第2の態様に係る建物の両面外壁構造において、前記横フレームは、前記縦フレームの上端部に設けられた上側横フレームと、前記縦フレームの下端部に設けられ、水平方向に沿って張り出し前記外壁材が載置可能な載置片が形成された下側横フレームと、を含んで構成されている。
本発明の第3の態様に係る建物の両面外壁構造では、横フレームは、縦フレームの上端部に設けられた上側横フレームと、縦フレームの下端部に設けられた下側横フレームと、を含んで構成されており、下側横フレームには、水平方向に沿って張り出し外壁材が載置可能な載置片が形成されている。横フレームの外面側の固定される外壁材は、下側横フレームに形成された載置片に載置させた状態で、上側横フレーム及び下側横フレームにそれぞれ固定されるため、作業性がよい。
本発明の第4の態様に係る建物の両面外壁構造は、本発明の第1の態様~第3の態様の何れか1の態様に係る建物の両面外壁構造において、前記外壁材として、ALC外壁材が用いられている。
本発明の第4の態様に係る建物の両面外壁構造では、外壁材としてALC外壁材が用いられているため、垂れ壁、腰壁において、外壁材としてサイディング材を用いた場合と比較して、耐火性能が向上する。
本発明の第5の態様に係る建物の両面外壁構造は、本発明の第4の態様に係る建物の両面外壁構造において、前記一対の横フレームにそれぞれ形成された貫通孔から前記ALC外壁材の裏面側に形成された固定用アンカー孔へボルトが挿入され締結されている。
外壁材としてALC外壁材が用いられる場合、当該ALC外壁材には、予め固定用アンカー孔が形成され、固定用アンカー孔を介してボルト締結が行われる。このため、本発明の第5の態様に係る建物の両面外壁構造では、一対の横フレームにそれぞれ形成された貫通孔からALC外壁材の裏面側に形成された固定用アンカー孔へボルトが挿入され締結されることにより、当該一対の横フレームに外側ALC外壁材、内側ALC外壁材をそれぞれ固定させることができる。
本発明の第6の態様に係る建物の両面外壁の固定方法は、本発明の第1の態様~第5の態様の何れか1の態様に係る建物の両面外壁構造に適用される建物の両面外壁の固定方法であって、前記一対の横フレームのうち一方の横フレームに形成された貫通孔から第1ALC外壁材の裏面側に形成された第1固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させる第1締結工程と、前記開口部を通じて、前記一対の横フレームのうち他方の横フレームに形成された貫通孔から第2ALC外壁材の裏面側に形成された第2固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させる第2締結工程と、を有している。
本発明の第6の態様に係る建物の両面外壁の固定方法では、第1締結工程において、一対の横フレームのうち一方の横フレームに形成された貫通孔から第1ALC外壁材の裏面側に形成された第1固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させ、一方の横フレームに第1ALC外壁材を固定する。
次に、第2締結工程では、取付けフレームにおいて縦フレームと一対の横フレームの間で形成された開口部を通じて、他方の横フレームに形成された貫通孔から第2ALC外壁材の裏面側に形成された第2固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させ、他方の横フレームに第2ALC外壁材を固定する。
以上説明したように、本態様に係る建物の両面外壁構造及び建物の両面外壁の固定方法は、外壁材の種類に関係なく、当該外壁材の取付けを行うことができる、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る建物の両面外壁構造が適用された垂れ壁が用いられたインナガレージを示す概略平面図である。 図1の2-2線に沿って切断したときの垂れ壁の断面図である。 本実施の形態に係る建物の両面外壁構造の一部を構成する取付けフレームを示す分解斜視図である。 本実施の形態に係る建物の両面外壁構造を示す分解斜視図である。 本実施の形態に係る建物の両面外壁構造の一部を示す梁材に取付けフレームを固定させる前の状態を示す分解斜視図である。 本実施の形態に係る建物の両面外壁構造の一部を示す取付けフレームにALC外壁材を固定させる前の状態を示す分解斜視図である。 比較例として示す図5に対応する分解斜視図である。 比較例として示す図6に対応する分解斜視図である。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(建物の両面外壁構造の構成)
まず、本実施の形態に係る建物の両面外壁構造の構成について説明する。
図1には、本実施の形態に係る建物の両面外壁構造10が適用された垂れ壁12(ハッチング部分)が用いられたインナガレージ14の概略平面図が示されており、図2には、図1で示す2-2線に沿って切断したときの垂れ壁12の断面図が示されている。
図1、図2に示されるように、インナガレージ14には、ガレージ開口16が形成されており、当該ガレージ開口16を通じてインナガレージ14内と屋外18とが連通可能とされている。インナガレージ14内には、車両等が収容可能とされており、ガレージ開口16を通じてインナガレージ14内への出入りが可能となっている。
図2に示されるように、ガレージ開口16の上縁部には、垂れ壁12が設けられており、垂れ壁12の裏面側には、シャッタ装置20が設けられている。シャッタ装置20は、ガレージ開口16を開閉するシャッタカーテン22と、シャッタカーテン22を巻き取って収納するシャッタボックス24と、を含んで構成されている。
ガレージ開口16の両側面には、ガイドレール26が高さ方向に沿ってそれぞれ延在されており、当該ガイドレール26によって、シャッタカーテン22の幅方向(巻き取り方向に対して略直交する方向)の両端部が案内される。そして、ガイドレール26に沿ってシャッタカーテン22が昇降することによって、ガレージ開口16が開閉可能とされる。
(垂れ壁)
ここで、垂れ壁12について説明する。
図1に示されるように、インナガレージ14において対向する一対の側壁28、30には、図示はしないが、屋外18側とインナガレージ14内(屋内15)側にそれぞれ柱が立設されている。当該側壁28、30において、屋外18側の柱の上端部、下端部と屋内15側の柱の上端部、下端部には大梁がそれぞれ架け渡されており、側壁28の屋内15側の柱の上端部、下端部と側壁30の屋内15側の柱の上端部、下端部には大梁がそれぞれ架け渡されている。
また、側壁28の屋外18側の柱の上端部と側壁30の屋外18側の柱の上端部には、図2に示される大梁(梁材)32が架け渡されている。この大梁32を介して垂れ壁12が形成されている。なお、垂れ壁12は、屋内15側に設けられるALC内側外壁材44と、屋外18側に設けられるALC外側外壁材46と、を含んで構成されている。
図3に示される大梁32には、例えば、H形鋼が用いられており、上下方向に沿って配置されたウエブ34と、当該ウエブ34の上端に設けられ略水平方向に沿って張り出す上フランジ部36と、当該ウエブ34の下端に設けられ略水平方向に沿って張り出す下フランジ部38と、を含んで構成されている。
大梁32の下フランジ部38には、ウエブ34を間においた両側にそれぞれ固定穴38Aが形成されており、固定穴38Aは、大梁32の延在方向に沿って複数設けられている。そして、当該下フランジ部38には、取付けフレーム(取付けフレーム体)40が固定可能とされている。この取付けフレーム40を介して、屋内15側にはALC内側外壁材44が固定され、屋外18側にはALC外側外壁材46が固定されている。
(取付けフレーム)
以下、取付けフレーム40について説明する。
図2、図3に示されるように、取付けフレーム40は、例えば、大梁32に固定される固定プレート42、43と、ALC内側外壁材44が固定される横フレーム48と、ALC外側外壁材46が固定される横フレーム50と、横フレーム48と横フレーム50の間に配設されると共に固定プレート42、43にそれぞれ固定される一対の縦フレーム52、54と、を含んで構成されている。
ここで、横フレーム48は、屋内15側に配置されるようになっており、板状の鋼材で形成されALC内側外壁材44の上部が固定される上側横フレーム56と、側面視で略L字状を成し、ALC内側外壁材44の下部が固定される下側横アングル(下側横フレーム)58と、を含んで構成されている。
また、横フレーム50は、屋外18側に配置されるようになっており、板状の鋼材で形成されALC外側外壁材46の上部が固定される上側横フレーム60と、側面視で略逆L字状を成しALC外側外壁材46の下部が固定される下側横アングル(下側横フレーム)62と、を含んで構成されている。
なお、下側横アングル58は、後述するが、縦フレーム52、54が溶接される固定片64と、ALC内側外壁材44が載置される載置片66と、を含んで構成されている。また、下側横アングル62は、縦フレーム52、54が溶接される固定片68と、ALC外側外壁材46が載置される載置片70と、を含んで構成されている。
一方、一対の縦フレーム52、54は、それぞれ板状の鋼材で形成されており、平面視で略U字状を成している。縦フレーム52は、ウエブ部72と、フランジ部(縦フレームの幅方向の一端)74、フランジ部(縦フレームの幅方向の他端)76と、を含んで構成されており、ウエブ部72の幅方向の中央部には、当該ウエブ部72の長手方向に沿って二つの連結穴72Aが形成されている。
また、縦フレーム54は、ウエブ部78と、フランジ部(縦フレームの幅方向の一端)80、フランジ部(縦フレームの幅方向の他端)82と、を含んで構成されており、縦フレーム52と同様に、ウエブ部78の幅方向の中央部には、当該ウエブ部78の長手方向に沿って二つの連結穴78Aが形成されている。
前述のように、縦フレーム52、54は、横フレーム48と横フレーム50の間に配設されている。そして、図3、図4に示されるように、縦フレーム52、54は、開口が向かい合うように配置され、縦フレーム52のフランジ部74、縦フレーム54のフランジ部80は、横フレーム48の上側横フレーム56及び下側横アングル58にそれぞれ溶接(結合)されている。
また、縦フレーム52のフランジ部76、縦フレーム54のフランジ部82は、横フレーム50の上側横フレーム60及び下側横アングル62にそれぞれ溶接(結合)されている。この状態で、横フレーム48、50と縦フレーム52、54との間に開口部55(後述する)が形成される。
さらに、縦フレーム52、54の上端には、それぞれ固定プレート42、43が溶接(結合)されている。なお、固定プレート42、43には、大梁32の下フランジ部38に形成された固定穴38Aに対応して固定穴42A、43Aがそれぞれ形成されている。
以上のような構成により形成された取付けフレーム40は、図4に示されるように、大梁32の長さに合わせて複数連結させることによって一体化させることができる。前述のように、縦フレーム52、54のウエブ部72、78には、それぞれ連結穴72A、78Aが形成されている。このため、隣接して配置される取付けフレーム40において、隣接する縦フレーム52、54同士の連結穴72A、78Aに対して、図示はしないがボルトを挿通しナットを締結させることで、隣接して配置される取付けフレーム40同士を連結させることができる。なお、横フレーム48、50の長さを変えることによって、取付けフレーム40の長さは、適宜変更可能となる。
ところで、ALC内側外壁材44及びALC外側外壁材46は、軽量気泡コンクリート(ALC)が外壁材として補強材により補強されると共に表面等が止水処理されて仕上げられた外壁材であり、内部に中空層(中空部)が形成されていない所謂中実かつ厚物の外壁材とされている。
このため、図2、図6に示されるように、外壁材として、ALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46が用いられる場合、ALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46には、予め固定用アンカー孔84、86がそれぞれ形成されている。
そして、図2に示されるように、固定用アンカー孔84、86内にボルト88、90を挿通しそれぞれ締結させることで、取付けフレーム40に対して、ALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46がそれぞれ固定可能とされる。
具体的に説明すると、ALC内側外壁材44の上部は、横フレーム48の上側横フレーム56に固定され、ALC内側外壁材44の下部は、横フレーム48の下側横アングル58に固定される。また、ALC外側外壁材46の上部は、横フレーム50の上側横フレーム60に固定され、ALC外側外壁材46の下部は、横フレーム50の下側横アングル62に固定される。
このため、横フレーム48の上側横フレーム56には、ALC内側外壁材44の上部に設けられた複数の固定用アンカー孔84Bに対応して、貫通孔56Aがそれぞれ形成されている。また、横フレーム48の下側横アングル58には、ALC内側外壁材44の下部に設けられた複数の固定用アンカー孔84Aに対応して、固定片64には貫通孔58Aがそれぞれ形成されている。
一方、横フレーム50の上側横フレーム60には、ALC外側外壁材46の上部に設けられた複数の固定用アンカー孔86Bに対応して、貫通孔60Aがそれぞれ形成されている。また、横フレーム50の下側横アングル62には、ALC外側外壁材46の下部に設けられた複数の固定用アンカー孔86Aに対応して、固定片68には貫通孔62Aがそれぞれ形成されている。
<建物の両面外壁構造の作用及び効果>
次に、本実施の形態に係る建物の両面外壁構造の作用及び効果について説明する。
まず、本実施の形態に係る建物の両面外壁の固定方法について説明する。なお、図5及び図6は、図4で示す取付けフレーム40の縦フレーム52側のみが図示されている。
図3、図5に示されるように、大梁32の下フランジ部38に取付けフレーム40の固定プレート42、43を当接させ、固定プレート42、43の固定穴42A、43A及び下フランジ部38の固定穴38Aにボルト92(図2参照)を挿通し、ナット94(図2参照)を締結させ、取付けフレーム40を大梁32に固定する(取付けフレーム固定工程)。
次に、図2、図6に示されるように、取付けフレーム40の下側横アングル58の載置片66にALC内側外壁材44を載置させた状態で、下側横アングル58の固定片64に形成された複数の貫通孔58A、及びALC内側外壁材44に形成された複数の固定用アンカー孔84Aにそれぞれボルト88Aを挿通させそれぞれ締結させる。
そして、取付けフレーム40の上側横フレーム56に形成された複数の貫通孔56A及びALC内側外壁材44に形成された複数の固定用アンカー孔84Bにそれぞれボルト88Bを挿通させ締結させる。これにより、上側横フレーム56及び下側横アングル58を介して、ALC内側外壁材44を取付けフレーム40に固定する(ALC内側外壁材固定工程;第1締結工程)。
さらに、取付けフレーム40の下側横アングル62の載置片70にALC外側外壁材46を載置させた状態で、横フレーム50と横フレーム48の間に形成された開口部55を通じて、下側横アングル62の固定片68に形成された複数の貫通孔62A、及びALC外側外壁材46に形成された複数の固定用アンカー孔86Aにそれぞれボルト90Aを挿通させそれぞれ締結させる。
そして、当該開口部55を通じて、取付けフレーム40の上側横フレーム60に形成された複数の貫通孔60A及びALC外側外壁材46に形成された複数の固定用アンカー孔86Bにそれぞれボルト90Bを挿通させ締結させる。これにより、上側横フレーム60及び下側横アングル62を介して、ALC外側外壁材46を取付けフレーム40に固定する(ALC外側外壁材固定工程;第2締結工程)。
以上のような手順で、図1、図2に示されるように、インナガレージ14に垂れ壁12が形成される。
図3、図4に示されるように、本実施形態では、取付けフレーム40は、固定プレート42、43と、縦フレーム52、54と、一対の横フレーム48、50と、を含んで構成されている。固定プレート42、43は、当該取付けフレーム40の上端部に設けられており、大梁32の延在方向に沿って複数固定されている。また、固定プレート42、43からは、縦フレーム52、54がそれぞれ垂下されており、当該縦フレーム52、54は、大梁32の延在方向に沿って複数設けられている。
また、当該取付けフレーム40の両側面には、それぞれ横フレーム48、50が設けられている。この横フレーム48、50には、複数の縦フレーム52、54の幅方向の両端がそれぞれ固定されており、一対の横フレーム48、50と複数の縦フレーム52、54との間には開口部55が形成されている。
そして、図2、図6に示されるように、横フレーム48の外面側には、ALC内側外壁材44が固定されており、横フレーム50の外面側には、ALC外側外壁材46が固定されている。すなわち、垂れ壁12において、取付けフレーム40の一部を構成する一対の横フレーム48、50のうち、屋内15側に配置される横フレーム48の外面には、ALC内側外壁材44が固定され、屋外18側に配置される横フレーム50の外面には、ALC外側外壁材46が固定される。
例えば、図示はしないが、外壁材としてサイディング材が用いられる場合、一方の横フレーム48の外面に対して、取付けフレーム40の外側から内側サイディング外壁材をビス止めして内側サイディング外壁材を固定し、横フレーム50の外面に対して、取付けフレーム40の外側から外側サイディング外壁材をビス止めして外側サイディング外壁材を固定することができる。
一方、外壁材としてALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46が用いられる場合、前述のように、当該ALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46には、予め固定用アンカー孔84、86が形成され、当該固定用アンカー孔84、86を介してボルト88、90による締結が行われる。つまり、一対の横フレーム48、50に対して、取付けフレーム40の内側からALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46をそれぞれボルト締結し固定させる必要がある。
ここで、本実施形態における取付けフレーム40には、横フレーム48、50と縦フレーム52、54との間には開口部55が形成されている。このため、横フレーム48の外面に対して、ALC内側外壁材44をボルト締結させ固定させた後、横フレーム50の外面に対しては、当該開口部55を通じて取付けフレーム40の内側からALC外側外壁材46をボルト締結させ固定することができる。
すなわち、本実施形態では、外壁材の種類に関係なく、当該外壁材の取付けを行うことが可能となる。なお、横フレーム50の外面にALC外側外壁材46を固定させた後、横フレーム48の外面にALC内側外壁材44を固定させてもよいのは勿論のことである。
ところで、比較例として説明する、図7、図8に示される取付けフレーム100の場合、当該取付けフレーム100は、ALC内側外壁材102を固定する取付けフレーム100Aと、ALC外側外壁材106を固定する取付けフレーム100Bと、で構成されている。
取付けフレーム100Aには、ALC内側外壁材102を固定する横フレーム104が設けられており、当該横フレーム104に対して、一対の縦フレーム110が固定されている。なお、図7、図8には、一対の縦フレーム110のうち、一方の縦フレーム110側のみが図示されている。さらに、一対の縦フレーム110の上端には、固定プレート114がそれぞれ固定されている。
また、取付けフレーム100Bには、ALC外側外壁材106を固定する横フレーム108が設けられており、当該横フレーム108に対して、縦フレーム112が固定されている。なお、図7、図8には、一対の縦フレーム110と同様、一対の縦フレーム112のうち、一方の縦フレーム112側のみが図示されている。さらに、一対の縦フレーム112の上端には、固定プレート116がそれぞれ固定されている。
これらの固定プレート114、116を、大梁118のウエブ120を間において下フランジ122の両側にそれぞれに固定させるようになっている。また、一対の縦フレーム110、112の下端部には、それぞれ接続金物124が結合されており、当該接続金物124を介して縦フレーム110、112の下端部同士がそれぞれ連結されるようになっている。
これに対して、本実施形態では、図3、図6に示されるように、複数の縦フレーム52、54の幅方向の両端を一対の横フレーム48、50にそれぞれ固定し、当該一対の横フレーム48、50にそれぞれALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46を固定している。つまり、本実施形態では、ALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46がそれぞれ固定される一対の横フレーム48、50を一つの縦フレーム52、54で共有している。
したがって、横フレーム毎にそれぞれ縦フレームを用いた場合と比較して、縦フレームの数をその分減らすことができ、コスト削減を図ることができる。また、本実施形態では、図8に示す接続金物124も不要であるため、その分のコストをさらに削減することができる。
また、本実施形態では、図6に示されるように、横フレーム48、50は、縦フレーム52、54の上端部に設けられた上側横フレーム56、60と、縦フレーム52、54の下端部に設けられた下側横アングル58、62と、をそれぞれ含んで構成されている。そして、下側横アングル58、62には、水平方向に沿って張り出しALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46がそれぞれ載置可能な載置片66、70が形成されている。
これにより、横フレーム48、50の外面側の固定されるALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46は、下側横アングル58、62に形成された載置片66、70に載置させた状態で、上側横フレーム56、60及び下側横アングル58、62にそれぞれ固定されるため、作業性がよい。
また、本実施形態では、外壁材としてALC内側外壁材44、ALC外側外壁材46が用いられている。このため、垂れ壁12において、図示はしないが、外壁材としてサイディング材を用いた場合と比較して、耐火性能が向上する。但し、本発明では、外壁材としてサイディング材が用いられてもよいのは勿論のことである。
なお、本実施形態では、建物の両面外壁構造として垂れ壁12に適用された例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図示はしないが、本発明における建物の両面外壁構造が腰壁に適用されてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 建物の両面外壁構造
12 垂れ壁
32 大梁(梁材)
40 取付けフレーム
42 固定プレート(取付けフレーム)
43 固定プレート(取付けフレーム)
44 ALC内側外壁材(第1ALC外壁材、外壁材)
46 ALC外側外壁材(第2ALC外壁材、外壁材)
48 横フレーム(取付けフレーム)
50 横フレーム(取付けフレーム)
52 縦フレーム(取付けフレーム)
54 縦フレーム(取付けフレーム)
55 開口部
56 上側横フレーム(横フレーム、取付けフレーム)
56A 貫通孔
58 下側横アングル(横フレーム、取付けフレーム)
58A 貫通孔
60 上側横フレーム(横フレーム、取付けフレーム)
60A 貫通孔
62 下側横アングル(横フレーム、取付けフレーム)
62A 貫通孔
66 載置片
70 載置片
74 フランジ部(縦フレームの幅方向の一端)
76 フランジ部(縦フレームの幅方向の他端)
80 フランジ部(縦フレームの幅方向の一端)
82 フランジ部(縦フレームの幅方向の他端)
84 固定用アンカー孔(第1固定用アンカー孔)
86 固定用アンカー孔(第2固定用アンカー孔)
88 ボルト
90 ボルト

Claims (6)

  1. 建物の外壁における垂れ壁の骨格の一部を構成する梁材に固定された取付けフレームと、
    前記取付けフレームに固定され、前記垂れ壁を構成する外壁材と、
    を備え、
    前記取付けフレームは、
    前記取付けフレームの上端部に設けられ、前記梁材の延在方向に沿って複数固定された固定プレートと、
    前記固定プレートからそれぞれ垂下され、前記梁材の延在方向に沿って設けられ断面形状が略U字状を成し互いに対向する側を開口として形成された一対の縦フレームと、
    前記取付けフレームの両側面にそれぞれ設けられ、前記一対の縦フレームにおける前記梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端部に設けられたフランジ部にそれぞれ固定され、前記一対の縦フレームとの間で開口部が形成され、外面側に外壁材がそれぞれ固定された一対の横フレームと、
    を含んで構成されている建物の両面外壁構造。
  2. 建物の外壁における腰壁の骨格の一部を構成する梁材に固定された取付けフレームと、
    前記取付けフレームに固定され、前記腰壁を構成する外壁材と、
    を備え、
    前記取付けフレームは、
    前記取付けフレームの下端部に設けられ、前記梁材の延在方向に沿って複数固定された固定プレートと、
    前記固定プレートからそれぞれ立設され、前記梁材の延在方向に沿って設けられ断面形状が略U字状を成し互いに対向する側を開口として形成された一対の縦フレームと、
    前記取付けフレームの両側面にそれぞれ設けられ、前記一対の縦フレームにおける前記梁材の延在方向に対して直交する幅方向の両端部に設けられたフランジ部にそれぞれ固定され、前記一対の縦フレームとの間で開口部が形成され、外面側に外壁材がそれぞれ固定された一対の横フレームと、
    を含んで構成されている建物の両面外壁構造。
  3. 前記横フレームは、
    前記縦フレームの上端部に設けられた上側横フレームと、
    前記縦フレームの下端部に設けられ、水平方向に沿って張り出し前記外壁材が載置可能な載置片が形成された下側横フレームと、
    を含んで構成されている請求項1又は請求項2に記載に記載の建物の両面外壁構造。
  4. 前記外壁材として、ALC外壁材が用いられている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の建物の両面外壁構造。
  5. 前記一対の横フレームにそれぞれ形成された貫通孔から前記ALC外壁材の裏面側に形成された固定用アンカー孔へボルトが挿入され締結されている請求項4に記載の建物の両面外壁構造。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1項に記載された建物の両面外壁構造に適用される建物の両面外壁の固定方法であって、
    前記一対の横フレームのうち一方の横フレームに形成された貫通孔から第1ALC外壁材の裏面側に形成された第1固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させる第1締結工程と、
    前記開口部を通じて、前記一対の横フレームのうち他方の横フレームに形成された貫通孔から第2ALC外壁材の裏面側に形成された第2固定用アンカー孔へボルトを挿入し締結させる第2締結工程と、
    を有する建物の両面外壁の固定方法。
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