JP7452735B2 - カセット - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置に脱着可能に装着されるカセットに関するものである。
従来、テープと、テープに印刷を行うためのインクリボンとを備えたカセットが知られている。例えば特許文献1に記載のインクリボンカートリッジは、リボンカートリッジと印刷シートカートリッジとを備える。リボンカートリッジの中には、インクリボンと、インクリボンを巻き取るための巻取軸とが収容される。印刷シートカートリッジの中には、印刷シートが収容される。印刷シートカートリッジの外周壁には、複数のセット爪が設けられる。複数のセット爪がリボンカートリッジと係合することで、印刷シートカートリッジは、リボンカートリッジの上方に重ね合わされて、リボンカートリッジと一体化される。リボンカートリッジには、プリンタのヘッドが挿入されるヘッド開口部が設けられる。
印刷シートカートリッジのうち印刷シートのロールに対してヘッド開口部とは反対の位置には、印刷シートが通過するシート開口部が設けられる。印刷シートは、ロールから引き出された後、シート開口部を介して印刷シートカートリッジの外に出される。その後、印刷シートは、印刷シートカートリッジの外周壁の周りを通ってヘッド開口部を通過する。
ヘッド開口部では、印刷シートとインクリボンとが互いに重ね合されて、プリンタのヘッドによって印刷が行われる。印刷された印刷シートは、ヘッド開口部側のセット爪によって、印刷シートを排出するためのフィルムゲートへ案内される。印刷に用いられたインクリボンは、巻取軸によって巻き取られる。
実開昭63-156762号公報
上記インクリボンカートリッジは、リボンカートリッジと印刷シートカートリッジとが並ぶ方向、すなわち上下方向において異なる位置にインクリボンとヘッド開口部とを設けることで、上下方向に直交する直交方向においてカートリッジを小型化する。カセットでは、上下方向に直交する直交方向に更なる小型化が要求される。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、上下方向に直交する直交方向において小型化することができるカセットを提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)第1方向に並ぶ第1部分と第2部分とを有するケースと、(b)前記第1方向に延びる回転中心まわりに回転可能であり、被印刷媒体である印刷テープが巻回された印刷テープロールとを備え、(c)前記ケースは、前記印刷テープロールを前記ケースの前記第1部分において回転可能に支持するためのテープロール支持部と、(d)前記ケースの前記第2部分に設けられ、前記印刷テープを前記ケースの外部に排出するための排出口を有する外周壁と、を有し、(e)前記外周壁は、前記ケースの前記第2部分の外縁を規定する少なくとも二組のそれぞれ対向する側壁と、(f)前記外縁の内側に形成された凹部であって、前記外縁から内側に延びる第1凹部と前記第1凹部に連続し前記第1凹部が延びる方向と交差する方向に延びる第2凹部とを有する前記凹部を規定する少なくとも二組のそれぞれ対向する内壁と、を有し、(g)一組の対向する前記内壁は、前記第2凹部に沿って延び、(h)他の一組の対向する前記内壁は、その一つが前記第1凹部に沿って延び、(i)前記側壁の一つである所定側壁と前記第2凹部に沿って延びる前記内壁の一つである所定内壁は対向し、それらの間に前記印刷テープの搬送経路が設けられ、(j)前記排出口は、前記所定側壁の一つの端部と前記所定内壁の一つの端部との間に設けられ、前記第1凹部に連通し、(k)前記凹部は、少なくとも一部が前記印刷テープロールと前記第1方向に重なる、ことを特徴とするカセットにある
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁と前記所定内壁の前記一つの端部は、離れていることにある。
第3発明の要旨とするところは、第1発明又は第2発明において、(a)前記ケースの前記第2部分に位置し、回転中心まわりに回転可能であり、前記印刷テープへの印刷に使用されるインクリボンが巻回されたインクリボンロールをさらに備え、(b)前記インクリボンロールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なり、(c)前記所定側壁と前記所定内壁の間に前記インクリボンの搬送経路が設けられ、(d)前記所定側壁の前記一つの端部と前記所定内壁の前記一つの端部との間に、前記インクリボンを前記ケースの外部に排出するための排出口が設けられることにある。
第4発明の要旨とするところは、第3発明において、(a)前記外周壁は、前記インクリボンを前記ケースの外部に排出するための排出口から排出された前記インクリボンを前記ケースの内部に搬入するための搬入口を有し、(b)前記搬入口は、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁との間に設けられることにある。
第5発明の要旨とするところは、第4発明において、(a)前記ケースの前記第2部分に位置し、前記搬入口から搬入された前記インクリボンを巻き取るように回転可能な巻取スプールをさらに備え、(b)前記巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと第1方向において重なることにある。
第6発明の要旨とするところは、第5発明において、前記インクリボンロール及び前記巻取スプールは、前記所定内壁と対向する前記内壁と、前記所定側壁と対向する前記側壁との間に配置されることにある。
第7発明の要旨とするところは、第1発明から第6発明のいずれか1において、(a)前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、(b)前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、(c)前記所定側壁及び前記一組の前記対向する前記内壁は、前記第3方向に延びることにある。
発明の要旨とするところは、第1発明から第7発明のいずれか1において、(a)前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記印刷テープが巻回されてなり、(b)前記内壁の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なることにある。
発明の要旨とするところは、第8発明において、前記凹部の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なることにある。
10発明の要旨とするところは、第1発明から第9発明のいずれか1において、(a)前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、(b)前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、(c)前記第3方向において、前記印刷テープロールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置することにある。
11発明の要旨とするところは、第1発明から第10発明のいずれか1において、(a)前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、(b)前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、(c)前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記印刷テープが巻回されてなり、(d)前記第3方向において、前記印刷テープスプールの少なくとも一部は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置することにある。
12発明の要旨とするところは、第11発明において、前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部と前記他方側端部との間に位置することにある。
13発明の要旨とするところは、第11発明又は第12発明において、記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記印刷テープを前記ケースの外部に排出するための前記排出口と前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部との間に位置することにある。
14発明の要旨とするところは、第13発明において、前記凹部は、前記ケースの前記第1部分の少なくとも一部と前記第1方向に重なることにある。
15発明の要旨とするところは、第1発明から第14発明のいずれか1において、(a)前記ケースの前記第2部分に位置し、前記印刷テープロールから供給される前記印刷テープへの印刷に使用されるインクリボンが巻回され、回転可能な供給スプールと、(b)前記ケースの前記第2部分に位置し、前記供給スプールから供給される前記インクリボンを巻き取るように回転可能な巻取スプールと、を備え、(c)前記供給スプールの少なくとも一部及び前記巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なることにある。
16発明の要旨とするところは、第1発明から第15発明のいずれか1において、(a)前記ケースの前記第2部分に位置し、前記印刷テープに貼り合わされる貼合せテープが巻回され、回転可能な貼合せテープロールを備え、(b)前記貼合せテープロールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なることにある。
17発明の要旨とするところは、第16発明において、(a)前記貼合せテープロールは、前記貼合せテープが貼合せテープスプールに巻回されて構成され、(b)前記貼合せテープスプールは、前記印刷テープロールと前記第1方向において重なることにある。
18発明の要旨とするところは、第17発明において、(a)前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、(b)前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、(c)前記第3方向において、前記貼合せテープスプールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置することにある。
第19発明の要旨とするところは、第16発明から第18発明のいずれか1において、前記貼合せテープロールは、前記所定内壁と対向する前記内壁と、前記所定側壁と対向する前記側壁との間に配置されることにある。
第20発明の要旨とするところは、第19発明において、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁との間に、前記貼合わせテープの搬送経路が設けられることにある。
21発明の要旨とするところは、第1発明から第15発明のいずれか1において、(a)前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、(b)前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、(c)前記第2方向及び前記第3方向において、前記カセットの前記第2方向の中心且つ前記第3方向の中心である中心位置から前記印刷テープロールの回転中心までの距離は、前記中心位置から前記凹部までの距離よりも小さいことにある。
第1発明のカセットによれば、第1部分と第2部分とを有するケースにおいて、第2部分の外縁の内側に凹部が形成されたカセットにおいて、凹部の少なくとも一部が前記印刷テープロールと第1方向に重なるので、カセットは第1方向に直交する直交方向において小型化される。
第2発明のカセットによれば、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁と前記所定内壁の前記一つの端部とは離れているので、カセットが印刷装置に取り付けられた際に凹部をヘッドを挿入して印刷するための空間として用いることができる。
第3発明のカセットによれば、インクリボンロールの少なくとも一部が、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なるので、カセットは第1方向に直交する直交方向において小型化されるとともに、所定側壁と所定内壁の間にインクリボンの搬送経路が設けられ、所定側壁の一つの端部と所定内壁の一つの端部との間にインクリボンの排出口が設けられる。
第4発明のカセットによれば、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁とを用いて、インクリボンをケースの内部に搬入するための搬入口が設けられる。
第5発明のカセットによれば、巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと第1方向において重なるので、カセットは第1方向に直交する方向において小型化される。
第6発明のカセットによれば、インクリボンロール及び巻取スプールは、所定内壁と対向する前記内壁と、所定側壁と対向する前記側壁との間に配置されるので、カセットは第1方向に直交する方向において小型化される。
第7発明のカセットによれば、所定側壁及び前記一組の対向する内壁は第3方向に延びるので、それらを用いて第2凹部を設けることができる。
発明のカセットによれば、前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記テープが巻回されてなり、前記壁の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記印刷テープの幅方向である第1方向に重なっている。これにより、カセットは、壁の少なくとも一部が印刷テープスプールと前記第1方向に重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
第9発明のカセットによれば、前記凹部の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なっている。これにより、カセットは、前記凹部の少なくとも一部が前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
10発明のカセットによれば、前記第3方向において、前記印刷テープロールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
11発明のカセットによれば、前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記印刷テープが巻回されてなり、前記第3方向において、前記印刷テープスプールの少なくとも一部は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、前記印刷テープスプールの回転中心が前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
12発明のカセットによれば、前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記排出口と前記凹部の前記第3方向の一方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、前記印刷テープスプールの回転中心が前記排出口と前記凹部の前記第3方向の一方側端部との間に位置していない場合よりも第1方向に直交する直交方向において小型化される。
13発明のカセットによれば、前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記印刷テープを前記ケースの外部に排出するための排出口と前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心が前記排出口と前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部との間に位置していない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
14発明のカセットによれば、前記凹部は、前記ケースの前記第1部分の少なくとも一部と前記第1方向に重なっている。これにより、カセットは、凹部が前記ケースの第1部分の少なくとも一部と前記第1方向に重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
15発明の要旨とするところは、前記ケースの前記第2部分に位置し、前記印刷テープロールから供給される前記印刷テープへの印刷に使用されるインクリボンが巻回され、回転可能な供給スプールと、前記ケースの前記第2部分に位置し、前記供給スプールから供給される前記インクリボンを巻き取るように回転可能な巻取スプールと、を備え、前記供給スプールの少なくとも一部及び前記巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なっている。これにより、カセットは、前記供給スプールの少なくとも一部及び前記巻取スプールの少なくとも一部が前記印刷テープロールと前記第1方向に重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
16発明のカセットによれば、前記ケースの前記第2部分は、前記印刷テープに貼り合わされる貼合せテープが巻回され、回転可能な貼合せテープロールを備え、前記貼合せテープロールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なっている。これにより、カセットは、前記貼合せテープロールの少なくとも一部が前記印刷テープロールと前記第1方向に重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
17発明のカセットによれば、前記貼合せテープロールは、前記貼合せテープが貼合せテープスプールに巻回されて構成され、前記貼合せテープスプールは、前記印刷テープロールと前記第1方向において重なっている。これにより、カセットは、前記貼合せテープスプールが前記印刷テープロールと前記第1方向において重なっていない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
18発明のカセットによれば、前記第3方向において、前記貼合せテープスプールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、前記第3方向において、前記貼合せテープスプールの回転中心が前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
第19発明のカセットによれば、前記貼合せテープロールは、前記所定内壁と対向する前記内壁と、前記所定側壁と対向する前記側壁との間に配置される。これにより、カセットは、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
第20発明のカセットによれば、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁との間に、前記貼合わせテープの搬送経路が設けられる。これにより、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁とにより貼合わせテープの搬送経路を構成することができる。
21発明のカセットによれば、前記第1方向と直交する第2方向、および前記第1方向および第2方向と直交する第3方向において、前記カセットの前記第2方向の中心且つ前記第3方向の中心である中心位置から前記印刷テープロールの回転中心までの距離は、前記中心位置から前記凹部までの距離よりも小さい。これにより、カセットは、カセットの中心位置から前記印刷テープロールの回転中心までの距離が前記中心位置から前記凹部までの距離よりも大きい場合よりも、第1方向に直交する直交方向において小型化される。
本発明の一実施形態のカセットの上面側を示す斜視図である。 図1のカセットの下面側を示す斜視図である。 図1のカセットのケースの構成および内部構成を、ケースを構成する第1ケース部材、第2ケース部材、第3ケース部材、および第4ケース部材を分離して示す斜視図である。 図1の第1ケース部材の上面側を示す正面図である。 図1の第1ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図1の第2ケース部材の上面側を印刷テープロールとともに示す正面図である。 図1のカセットを、第1ケース部材を取り除いて示す斜視図である。 印刷テープがテープケース内からリボンケース内へ架け渡されている状態を示す、図6のVIII-VIII視断面図である。 図1の第2ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図1の第3ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図1の第3ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図1の第4ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図1の第4ケース部材の下面側を示す下面図である。 図1の第3ケース部材の下面を示す図を用いて、印刷テープロールから引き出される印刷テープおよび貼合せテープロールから引き出される貼合せテープの経路と、インクリボンから引き出されるインクリボンの経路とを、それぞれ示す図である。 図1のカセットから送り出された印刷テープおよび貼合せテープの積層体を説明する図である。 図1のカセットの平面視であって、印刷テープロール、貼合せテープロール、インクリボン、巻取スプールの相対位置を示す図である。 図6のXVII-XVII視断面図である。 図1のカセットが装着される、印刷装置のカセット装着部を説明する図である。 本発明の第2実施形態のノンラミネートタイプのカセットの上面側を示す斜視図である。 図19のカセットの下面側を示す斜視図である。 図19のカセットのケースの構成および内部構成を、ケースを構成する第1ケース部材、第2ケース部材、第3ケース部材、および第4ケース部材を分離して示す斜視図である。 図19のカセットの第1ケース部材の上面側を示す正面図である。 図19のカセットの第1ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図19のカセットの第2ケース部材の上面側を印刷テープロールとともに示す正面図である。 図19のカセットを、第1ケース部材を取り除いて示す斜視図である。 図19のカセットにおいて、印刷テープがテープケース内からリボンケース内へ架け渡されている状態を示す、図24のXXVI-XXVI視断面図である。 図19のカセットの第2ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図19のカセットの第3ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図19のカセットの第3ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図19のカセットの第4ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図19のカセットの第4ケース部材の下面側を示す下面図である。 図19のカセットの縦断面を示す図であって、図24のXXXII-XXXII視断面図である。 図19の第3ケース部材の下面を示す図を用いて、印刷テープロールから引き出される印刷テープの経路と、インクリボンから引き出されるインクリボンの経路とを、それぞれ示す図である。 図19のカセットから送り出された印刷テープおよび貼合せテープの積層体を説明する図である。 図19のカセットの印刷テープロール、インクリボン、巻取スプール、および凹部の相対位置を示す図である。 本発明の第3実施形態のカセットの上面側を示す斜視図である。 図36のカセットの下面側を示す斜視図である。 図36の実施形態のカセットの構成を、ケースを構成する第1ケース部材、第2ケース部材、第3ケース部材、および第4ケース部材を分離して示す斜視図である。 図36のカセットの第1ケース部材の上面側を示す正面図である。 図36のカセットの第1ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図36のカセットの第2ケース部材の上面側を印刷テープロールとともに示す正面図である。 図36のカセットの第2ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図36のカセットの第3ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図36のカセットの第3ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図36のカセットの第4ケース部材の上面側を示す斜視図である。 図36のカセットの第4ケース部材の下面側を示す斜視図である。 図36の第3ケース部材の下面を示す図を用いて、印刷テープロールから引き出される印刷テープの経路と、および貼合せテープロールから引き出される貼合せテープの経路とを、それぞれ示す図である。 図36のカセットから送り出された印刷テープを説明する図である。 図36のカセットの印刷テープロール、貼合せテープロール、および凹部の相対位置を示す図である。 本発明の第4実施形態のカセットの上面側を示す斜視図である。 図50のカセットの下面側を示す斜視図である。 図50の実施形態のカセットの構成を、ケースを構成する第1ケース部材、第2ケース部材、第3ケース部材、および第4ケース部材を分離して示す斜視図である。 図50のカセットから送り出された印刷テープを説明する図である。 本発明の更に他の実施形態のカセットの構成を示す摸式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態であるカセット10を正面側すなわち上面から示す斜視図である。本実施形態の説明では、図1の上側をカセット10の前側とし、下側をカセット10の後側とし、右側をカセット10の左側とし、左側をカセット10の右側とし、左上側をカセット10の上側とし、右下側をカセット10の下側とする。図2は、カセット10を裏面側すなわち下面から示す斜視図である。図3は、カセット10の第1ケース部材12、第2ケース部材14、第3ケース部材16、および第4ケース部材18を分離させて、カセット10の内部構成を説明する斜視図である。カセット10は、全体として直方体状を成し、後述の図18に示す印刷装置102のカセット装着部104に着脱可能に装着される。カセット10は、第1ケース部材12および第2ケース部材14から構成される第1ケースすなわちテープケース20と、第3ケース部材16および第4ケース部材18から構成される第2ケースすなわちリボンケース21とを備えている。第1ケース部材12から第4ケース部材18は、図1に示す上下方向に積み重ねられている。第1ケース部材12、第2ケース部材14、第3ケース部材16および第4ケース部材18は、相互に重ねられた状態で、相互の外周壁間にそれぞれ設けられた複数の係止爪27と固定爪28との係合と位置決め突起29による位置決めとによって相互に固定されている。なお、本実施形態において、各ケース部材12~18の上側の面を上面もしくは正面と称し、下側の面を下面もしくは裏面と称す。
リボンケース21は、テープケース20に対して上下方向の一方側に位置する。本実施形態では、リボンケース21は、テープケース20に対して上下方向の一方側である下側に位置する。テープケース20は、内部に形成された第1空間S1に被印刷媒体である印刷テープ22が巻回された印刷テープロール26を回転可能に収容する。印刷テープロール26は、帯状の印刷テープ22が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール24に巻回されて構成される。印刷テープ22は、印刷テープ22の幅方向が第1方向である上下方向となるように巻回されている。印刷テープロール26の径方向は前後方向及び左右方向であり、径方向は上下方向に直交する直交方向である。直交方向は、上下方向に直交する平面に平行な任意の方向とも言い換えることができる。印刷テープ22、印刷テープスプール24、および印刷テープロール26は、被印刷媒体、印刷媒体スプール、および印刷媒体ロールに対応している。
リボンケース21は、内部に形成された第2空間S2にインクリボンロール72及び貼合せテープロール64、巻取スプール76をそれぞれ回転可能に収容する。インクリボンロール72は、帯状のインクリボン68が、インクリボン68幅方向が上下方向となるように巻取スプール76に巻回されて構成される。インクリボン68は、帯状の印刷テープ22への印刷に使用される。巻取スプール76は、インクリボンロール72から引き出されたインクリボン68を巻き取る。貼合せテープロール64は、印刷された印刷テープ22に貼り合わされる帯状の貼合せテープ60が、貼合せテープ60の幅方向が上下方向となるように貼合せテープスプール62に巻回されている。
図2に示すように、カセット10の第4ケース部材18の下面には巻取スプール支持穴94が設けられている。巻取スプール支持穴94から、後述の巻取スプール76の連結穴96が露出している。連結穴96は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた巻取スプール駆動軸108が差し入れられる。また、第3ケース部材16および第4ケース部材18の側面すなわちリボンケース21の外周壁16wのうちの一部及び第2ケース部材14の外周壁の一部には、凹部99が形成されている。凹部99は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた後述の印刷ヘッド106が挿入される。図2に示すように、凹部99の上端は第2ケース部材14の下側の面で規定されている。
図4は、第1ケース部材12の上面側を示す正面図であり、図5は第1ケース部材12の下面側を示す斜視図である。図6は第2ケース部材14の上面側を印刷テープロールとともに示す正面図である。なお、図6では、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22の記載は省略されている。図7は第2ケース部材14の上面側を示す斜視図である。また、図8は印刷テープ22がテープケース20内からリボンケース21内へ架け渡されている状態を示す、図6のVIII-VIII視断面図である。図9は第2ケース部材14の下面側を示す斜視図であり、図10は第3ケース部材16の上面側を示す斜視図であり、図11は第3ケース部材16の下面側を示す斜視部である。図12は第4ケース部材18の上面側を示す斜視図であり、図13は第4ケース部材18の下面側を示す下面図である。
第1ケース部材12と第2ケース部材14との間の第1空間S1には、印刷テープロール26が上下方向に平行な第1回転中心線C1まわりに回転可能に収容されている。なお、第1回転中心線C1は、印刷テープロール26の回転中心であるとともに、印刷テープスプール24の回転中心でもある。第1ケース部材12および第2ケース部材14は長方形状であって、第1回転中心線C1は、第1ケース部材12および第2ケース部材14における、第2方向である左右方向の中央略右寄り、且つ、第3方向である前後方向の略中央付近に位置している。印刷テープ22は、たとえば図15に示すように、剥離テープ22cが被印刷テープ22aの印刷面とは反対側の面に、粘着剤22bを介して積層されることにより構成されたものである。
図3、図5に示すように、第1ケース部材12の下面側には、円筒状の第1支持突起30と、第1円周壁34とが設けられる。第1支持突起30は、円筒状の印刷テープスプール24に挿入され印刷テープロール26を回転可能に支持する。第1円周壁34は、印刷テープロール26の外径よりも大きい内径を有する。第1支持突起30と第1円周壁34は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第1ケース部材12の下面側から下向きに突設されている。図6及び図7に示すように、第2ケース部材14の上面側には、円筒状の第2支持突起32と、第2円周壁36とが設けられる。第2支持突起32は、円筒状の印刷テープスプール24に挿入され印刷テープロール26を回転可能に支持する。
第2円周壁36は、印刷テープロール26の外径よりも大きい内径を有する。第2支持突起32と第2円周壁36は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第2ケース部材14の上面側から上向きに突設されている。印刷テープロール26は、印刷テープロール26の外径と略同じ外径を有する円形のスペーサフィルム38を印刷テープロール26の上下にそれぞれ介在させた状態で第1ケース部材12と第2ケース部材14との間に配設されている。スペーサフィルム38は、印刷テープロール26を円滑に回転させるためのものであり、たとえば4フッ化エチレン樹脂シートから構成されたものである。
第1ケース部材12の下面側および第2部材14ケースの上面側には、図5および図6に示すように、印刷テープロール26から印刷テープ22を一定の位置から引き出すために第1円周壁34および第2円周壁36の一部を切り欠いて形成した印刷テープゲート40、42が形成されている図7に示すように、第2ケース部材14の上面側には、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22を一定の方向に案内するために、印刷テープゲート42の左端から左側へ延びる案内壁50が形成されている。
図6に示すように、印刷テープゲート42の左端から左方向へ延びる案内壁50は、外周壁46の短辺部46aに到達する前に長辺部46b側すなわち後方へ曲がり、第2円周壁36に沿って延設されて長辺部44bへ接続されている。
図6に示すように、第2ケース部材14の底板14aには、案内壁50と外周壁46の長辺部46bとに沿って前後方向及び左右方向に延びる正面視略L字状の貫通穴52が形成されている。底板14aには、第2円周壁36のうち案内壁50および長辺部46bに対向する部分と貫通穴52との間において複数の案内リブ54が形成されている。複数の案内リブ54は、印刷テープロール26から巻き出され且つ印刷テープゲート40および42を通して送り出された印刷テープ22を貫通穴52内へ案内する。
図7は、第1ケース部材12を取り除いたカセット10を示す。図7に示すように、印刷テープロール26から巻き出された印刷テープ22が、貫通穴52を通して第3ケース部材16と第4ケース部材18との間の第2空間内S2へ導かれている。印刷テープ22は、第1空間S1と第2空間内S2との間を区画する底板14aに形成された貫通穴52を通して、テープケース20とリボンケース21とに架け渡される。
図8に示すように、印刷テープ22が、貫通穴52を通して、テープケース20内からリボンケース21内へ斜めに架け渡される。より詳細には、後述する図14に示すように、印刷テープ22は、リボンケース21の凹部99にまで架け渡されている。図9は、第2ケース部材14の下面側を示している。図9に示すように、第2ケース部材14の底板14aの裏面には、貫通穴52が開口しており、貫通穴52に沿って案内壁56が上下方向に立設されている。図10は、第3ケース部材16の上面側を示している。第3ケース部材16の天井板16eには、貫通穴58と、貼合せテープロール支持穴66と、インクリボン支持穴74と、巻取スプール支持穴78と、ローラ支持穴82とが、形成されている。貫通穴58は、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22を第2空間S2へ通すために、第2ケース部材14の貫通穴52に対応する位置に形成されている。つまり、貫通穴52の一部と貫通穴58の一部は上下方向において互いに重複している。
第2ケース部材14の底板14aおよび第3ケース部材16の天井板16eは、テープケース20内の第1空間S1とリボンケース21内の第2空間S2とを区画する。
貼合せテープロール支持穴66は、貼合せテープ60が巻回された貼合せテープスプール62の一端を嵌め入れて貼合せテープロール64を第1回転中心線C1と平行な第2回転中心線C2まわりに回転可能に支持する。なお、第2回転中心線C2は、貼合せテープロール64の回転中心であるとともに、貼合せテープスプール62の回転中心でもある。
貼合せテープ60は、図15に示すように、印刷テープ22の印刷面を保護するためにたとえばこの印刷面と接触する一面に粘着剤60bが塗布された透明フィルム60aから成る。インクリボン支持穴74は、インクリボン68が巻回された供給スプール70の一端を嵌め入れてインクリボンロール72を第1回転中心線C1と平行な第3回転中心線C3まわりに回転可能に支持する。なお、第3回転中心線C3は、インクリボンロール72の回転中心であるとともに、供給プール70の回転中心でもある。巻取スプール支持穴78は、インクリボンロール72から巻き出されたインクリボン68を巻き取る巻取スプール76の一端を嵌め入れて巻取スプール76を第1回転中心線C1と平行な第4回転中心線C4まわりに回転可能に支持する。なお、第4回転中心線C4は、巻取スプール24の回転中心である。ローラ支持穴82は、印刷テープ22の印刷面と貼合せテープ60の接着面とを圧着するために印刷テープ22と貼合せテープ60とを印刷装置102のローラとの間で挟圧するローラ80の一端を嵌め入れてローラ80を第1回転中心線C1と平行な第5回転中心線C5まわりに回転可能に支持する。
図11に示すように、第3ケース部材16の下面には、貼合せテープロール保持壁84と、インクリボンロール保持壁86と、円筒状突起88と、円弧状壁92とが、形成されている。貼合せテープロール保持壁84および円弧状壁92は、貼合せテープロール64の配置位置を規定するために貼合せテープロール支持穴66の周囲に貼合せテープロール支持穴66を中心とする円弧状に形成されている。インクリボンロール保持壁86は、巻取スプール76に巻き取られたインクリボン68のインクリボンロール配置位置を規定するために巻取スプール支持穴78の周囲に巻取スプール支持穴78を中心とする円弧状に形成されている。円筒状突起88は、インクリボン支持穴74の周囲から下方に突設され且つ先端面に周方向に並ぶ凹凸が形成されている。また、第3ケース部材16の下面には、貼合せテープ60の貼り付きを防止する貼付防止ローラ91の上端部を回動可能に支持する支持突起93が設けられている。また、図12に示すように、第4ケース部材18の上面には、貼付防止ローラ91の下端部を連結可能に支持する支持突起95が設けられている。
図3に示されるように、インクリボン68が巻回された供給スプール70の他端には、クラッチばねを収容したクラッチばねホルダ90が嵌め付けられており、供給スプール70がクラッチばねホルダ90内のクラッチばねによってインクリボンロール72には適度の回転抵抗が付与されるようになっている。
図12および図13は、第4ケース部材18の上面および下面を示している。第4ケース部材18側において巻取スプール76の他端を嵌め入れて巻取スプール76を回転可能に支持する巻取スプール支持穴94が貫通して形成されている。第4ケース部材18には、供給スプール70の他端を嵌め入れて供給スプール70を回転可能に支持する円筒状の支持突起97が形成されている。巻取スプール76の他端側の端面に形成された連結穴96が、図2に示すように巻取スプール支持穴94を通して第4ケース部材18の下面に露出させられる。カセット10が印刷装置102に装着されたとき、後述の印刷装置102の巻取スプール駆動軸108が連結穴96内に挿入されて巻取スプール76に連結され、巻取スプール76が上記駆動軸により回転駆動される。
第4ケース部材18には、第3ケース部材16に形成されたローラ支持穴82に対応する位置に、ローラ80の軸端を露出させるローラ露出穴98が設けられている。ローラ80の第4ケース部材18側の端部に形成された連結部80aが、図2に示すようにローラ露出穴98を通して第4ケース部材18の下面に露出させられる。カセット10が印刷装置102に装着されたとき、後述の印刷装置102のローラ駆動軸110が連結部80aと連結され、ローラ80がローラ駆動軸110により回転駆動される。
図2、図11に示すように、第3ケース部材16および第4ケース部材18から構成されるリボンケース21には、カセット10が図18に示すカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に立設された印刷ヘッド106を保持するヘッド保持板114を収容するための凹部99が形成されている。図11に示すように、第3ケース部材16の外周壁16wの一部には、積重ね方向に対応する上下方向と直交する第2方向である前後方向に伸びる第1側壁16aと、第1側壁16aの前端部から上下方向および前後方向と直交する第3方向である左右方向に伸びる第2側壁16bと、凹部99を囲むU字状の凹部壁16cとが、形成されている。凹部壁16cは、第2側壁16bと前後方向に対向し左右方向に延びる内壁16hと、内壁16hの右端から後方に延びる内壁16iと、内壁16iの後端から左方に延びる内壁16jと、内壁16jの左端から前方に延びる内壁16kとから構成される。第2側壁16b及び凹部壁16cによって、凹部99は、第2側壁16bの左側端部から後方に延び、且つ、第2側壁16bよりも後方において左右方向に延びるように規定されている。第4ケース部材18には、図12および図13に示すように、凹部壁16cに対応するU字状の切欠き18aが形成されている。これら凹部壁16cおよび切欠き18aによって、凹部99が形成されている。図2に示すように、凹部99の上端の一部は、第2ケース部材14の下面によって規定されている。すなわち、凹部99は、第2ケース部材14及び第1ケース部材12と上下方向において重なっている。
図14は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたときの、第3ケース部材16の下面を示す図である。前述の通り、印刷テープ22は、印刷テープロール26から引き出され、貫通穴52および貫通穴58を介してテープケース20内の第1空間S1からリボンケース21内の第2空間S2に斜めに架け渡される。そのため、第3ケース部材16を示す図14において印刷テープ22は、第3ケース部材16の後方の貫通穴58から描画されている。図14に示すように、印刷テープ22および貼合せテープ60は、ローラ80と印刷装置102の押圧ローラ118とに挟圧され、ローラ80の駆動によって、各々印刷テープロール26貼合せテープロール64から引き出される。インクリボン68は、巻取スプール76の駆動によってインクリボンロール72から引き出され、巻取スプール76に巻き取られる。図14は、印刷テープ22、インクリボン68および貼合せテープ60の搬送経路を示している。印刷テープ22は二点鎖線で、貼合せテープ60は破線で、インクリボン68は一点鎖線で示されている。
図14に示すように、巻取スプール76およびローラ80が回転駆動されると、排出口130から印刷テープ22およびインクリボン68が重ねられた状態で印刷場所Pへ向かって排出される。排出口130は、第2側壁16bの左端部と側壁16hの左端部により規定され、左右方向に貫通する間隙である。印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間の印刷場所Pにおいて、印刷テープ22はインクリボン68を介して印刷ヘッド106に押しつけられる。この状態で、印刷ヘッド106の表面に配置された複数の発熱素子が選択的に駆動されて局所発熱することで、インクリボン68の一面に設けられたインク68aのうち一部が印刷テープ22に転写されて、印刷テープ22に文字、記号などが印刷される。印刷場所Pを通過した使用済のインクリボン68は、搬入口132からリボンケース21内に搬入され、巻取スプール76に巻き取られる。搬入口132は、排出口130よりも左側に位置し、第3ケース部材16に設けられている。印刷場所Pを通過した印刷テープ22の印刷面には、ローラ80により透明な貼合せテープ60が押しつけられて接着される。これにより、印刷テープ22の印刷面は貼合せテープ60により保護される。
図15は、カセット10から送り出された印刷テープ22および貼合せテープ60の積層体を模式的に示している。印刷テープ22の被印刷テープ22a側すなわち印刷面側に、一面に粘着剤60bが塗布された透明フィルム60aから構成された貼合せテープ60が、貼り着けられている。これにより、印刷テープ22の印刷面に転写されたインク68aが保護される。なお、図15に描かれた積層体の各部材22a~22c,60a,60b,68aの大きさや寸法比等は必ずしも正確ではない。
図16は、第3ケース部材16の下面を示す図である。第3ケース部材16と第4ケース部材18との間の第2空間S2内すなわちリボンケース21内には、貼合せテープロール64、インクリボンロール72、巻取スプール76、およびローラ80が収容される。
上述したように、リボンケース21は、テープケース20に対して下方に重ねて配置されている。テープケース20内に収容された印刷テープロール26およびスペーサフィルム38を、第2空間S2内で前後方向および左右方向に広がる投影面上に対し上下方向に投影した場合、印刷テープロール26およびスペーサフィルム38の投影位置は図16の一点鎖線で示される。なお、スペーサフィルム38は印刷テープロール26と略同じ直径を有するので、図16では印刷テープロール26を表す一点鎖線のみを記載する。図16に示すように、貼合せテープロール64、インクリボンロール72及び巻取スプール76は、印刷テープロール26と上下方向に重なる位置に配置されている。貼合せテープロール64の少なくとも一部及び貼合せテープスプール62の少なくとも一部は、印刷テープロール26と上下方向に重なっている。より詳細には、貼合せテープロール64の一部及び貼合せテープスプール62の一部は、それぞれ印刷テープスプール24及び印刷テープスプール24に巻回された印刷テープ22と上下方向に重なっている。
図16において、印刷テープロール26およびそれと略同径のスペーサフィルム38は、貼合せテープスプール62を有する貼合せテープロール64の少なくとも一部およびその第2回転中心線C2、インクリボンロール72の少なくとも一部およびその第3回転中心線C3、巻取スプール76の少なくとも一部およびその第4回転中心線C4、凹部99および凹部壁16cの少なくとも一部と上下方向において重なっている。印刷テープロール26およびスペーサフィルム38を上下方向に投影した場合、その投影面の中に、貼合せテープロール64およびその第2回転中心線C2、インクリボンロール72およびその第3回転中心線C3、および巻取スプール76およびその第4回転中心線C4、凹部99および凹部壁16cが位置している。また、凹部99および凹部壁16cの少なくとも一部は、印刷テープスプール24と上下方向において重なっている。また、左右方向において、印刷テープロール26の一部および印刷テープスプール24の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部99の左右方向の一方側端部である右側端部99aと他方側端部である左側端部99bとの間に位置している。また、印刷テープスプール24の回転中心である第1回転中心線C1は、左右方向において排出口130と凹部99の右側端部99aとの間に位置している。また、貼合せテープスプール62は、左右方向において凹部99の右側端部99aと左側端部99bとの間に位置している。特に貼合せテープスプール62の回転中心でもある第2回転中心線C2は、左右方向において凹部99の右側端部99aと排出口130との間に位置している。さらに、図16において、前後方向および左右方向において、カセット10の前後方向の中心且つ左右方向の中心である中心位置Mから印刷テープロール26の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部99までの距離よりも小さく設定されている。
図17は、図6のXVII-XVII視断面図である。上下方向において、印刷テープロール26の上下方向の一方側(下側)端部と、貼合せテープロール64の上下方向の他方側(上側)端部との間の距離Dは、貼合せテープ60の幅寸法W1よりも小さい。印刷テープ22と貼合せテープ60とは同じ幅寸法であるので、距離Dは、印刷テープロール26の幅寸法よりも小さい。
図18は、印刷システム122に含まれる印刷装置102の一部に設けられたカセット装着部104を示している。カセット装着部104には、嵌め入れられたカセット10を位置決めする矩形の位置決め穴112と、位置決め穴112の下面に立設された巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110とが設けられている。位置決め穴112は、カセット10の下ケースであるリボンケース21の一部を収容する収容部として機能している。これら巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110は、図示しないステップモータによりギヤ機構を介して同じ方向に回転駆動される。また、カセット装着部104の位置決め穴112の下面には、熱式の印刷ヘッド(サーマルプリントヘッド)106が固着されたヘッド保持板114が立設されており、プラテンローラ116および押圧ローラ118が回転可能に先端部に設けられたプラテン保持部材120がその基端部まわりに回動可能に設けられている。ヘッド保持板114は、たとえばアルミニウム製の金属板であって、印刷ヘッドのヒートシンクを兼ねている。
カセット10が、印刷装置102のカセット装着部104に装着されると、カセット装着部104に立設された巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110が巻取スプール76およびローラ80に連結される。次いで、カセット10がカセット装着部104に装着された状態で印刷装置102の図示しないカバーが閉じられると、プラテン保持部材120がその基端部まわりに回動させられて、プラテンローラ116および押圧ローラ118が印刷ヘッド106およびカセット10のローラ80へ押圧されるようになっている。印刷装置102とカセット10とが、印刷システム122を構成している。
本実施形態のカセット10によれば、(a)回転可能であり、被印刷媒体である印刷テープ22が巻回された印刷テープロール26と、(b)印刷テープロール26に対して印刷テープ22の幅方向である第1方向の一方側(下方側)に位置する外周壁16wであって、前記第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁16aと、第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁16bと、第2側壁16bから第2方向の一方側において第3方向に延びる凹部99を規定する凹部壁16cとを備える外周壁16wと、を備え、(c)凹部99の少なくとも一部は、印刷テープロール26と第1方向に重なっている。これにより、印刷テープロール26とその下側の凹部壁16cとが第1方向すなわち上下方向において重ねられ、凹部99の少なくとも一部が印刷テープロール26と第1方向に重ねられているので、カセット10は、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26は、回転可能な印刷テープスプール24に印刷テープ22が巻回されてなり、凹部壁16cの少なくとも一部は、印刷テープスプール24と第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、凹部壁16cの少なくとも一部が印刷テープスプール24と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、凹部99の少なくとも一部は、印刷テープスプール24と第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、凹部99の少なくとも一部が印刷テープスプール24と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、第3方向において、印刷テープロール26の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部99の第3方向の一方側端部16aと他方側端部16bとの間に位置している。これにより、カセット10は、凹部99の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26は、回転可能な印刷テープスプール24に印刷テープ22が巻回されてなり、第3方向において、印刷テープスプール24の少なくとも一部は、凹部99の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、印刷テープスプール24の少なくとも一部が凹部99の第3方向の一方側端部16aと他方側端部16bとの間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、第3方向において、印刷テープスプール24の回転中心である第1回転中心線C1は、排出口130と凹部99の第3方向の一方側端部との間に位置している。これにより、カセット10は、印刷テープスプール24の第1回転中心線C1が排出口130と凹部99の第3方向の一方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26が収容されたテープケース(第1ケース)20と、テープケース20に対して第1方向の前記一方側に位置し、外周壁16wを有するリボンケース(第2ケース)21とを備え、リボンケース21は、第2側壁16bにより規定される排出口130であって、第3方向において凹部99の第3方向の一方側端部16aと他方側端部16bとの間に位置し、印刷テープロール26から供給される印刷テープ22がテープケース20から凹部99に排出される排出口130を備え、第3方向において、印刷テープスプール26の回転中心である第1回転中心線C1は、排出口130と凹部99の第3方向の一方側端部との間に位置している。これにより、カセット10は、第3方向において、印刷テープスプール26の第1回転中心線C1が排出口130と凹部99の第3方向の一方側端部16aとの間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、凹部99は、テープケース(第1ケース)20の少なくとも一部と第1方向に重なっている。これにより、カセットは、凹部99がテープケース(第1ケース)20の少なくとも一部と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26に対して第1方向の一方側に位置し、印刷テープロール26から供給される印刷テープ22への印刷に使用されるインクリボン68が巻回され、回転可能な供給スプール70と、印刷テープロール26に対して第1方向の一方側に位置し、供給スプール70から供給されるインクリボン68を巻き取るように回転可能な巻取スプール76とを、備え、供給スプール70の少なくとも一部及び巻取スプール76の少なくとも一部は、印刷テープロール26と第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、供給スプール70の少なくとも一部及び巻取スプール76の少なくとも一部が印刷テープロール26と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26に対して第1方向の一方側に位置し、印刷テープ22に貼り合わされる貼合せテープ60が巻回され、回転可能な貼合せテープロール64を備え、貼合せテープロール64の少なくとも一部は、印刷テープロール26と第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、貼合せテープロール64の少なくとも一部が印刷テープロール26と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、貼合せテープロール64は、貼合せテープ60が貼合せテープスプール62に巻回されて構成され、貼合せテープスプール62は、印刷テープロール26と第1方向において重なっている。これにより、カセット10は、貼合せテープスプール62が印刷テープロール26と第1方向において重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、第3方向において、貼合せテープスプール62の回転中心である第2回転中心線C2は、凹部99の第3方向の一方側端部と他方側端部16bとの間に位置している。これにより、カセット10は、貼合せテープスプール62の第2回転中心線C2が凹部99の第3方向の一方側端部と他方側端部16bとの間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、第2方向および第3方向において、カセット10の第2方向の中心且つ第3方向の中心である中心位置Mから印刷テープロール26の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部99までの距離よりも小さい。これにより、カセット10は、カセット10の中心位置Mから印刷テープロール26の第1回転中心線C1までの距離が中心位置Mから凹部99までの距離よりも大きい場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット10によれば、(a)印刷テープ22が巻回された印刷テープロール26と、(b)第1方向において、印刷テープロール26に当接するスペーサフィルム38と、(c)外周壁16wのうちの印刷テープスロール26およびスペーサフィルム38に対して第1方向の一方側に位置する外周壁16wの一部であって、第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁16aと、第1方向に直交し、且つ第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁16bと、第2側壁16bから第2方向の一方側に延びる凹部であって、第2側壁16bよりも第2方向の一方側(図16の左側)において第3方向に延びる凹部99を規定するようにU字状に形成された凹部壁16cと、を備え、(d)凹部99の少なくとも一部は、スペーサフィルム38と第1方向に重なっている。これにより、凹部99の少なくとも一部がスペーサフィルム38と第1方向に重なっているので、カセット10が上下方向に直交する直交方向において小型化され得る。
[実施形態2]
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の説明において、実施形態相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図19は、本発明の他の実施形態である貼合せテープロール64を用いないノンラミネートタイプのカセット210を正面側すなわち上面から示す斜視図であり、図20は、カセット210を裏面側すなわち下面から示す斜視図である。カセット210は、全体として直方体状を成し、寸法が少し相違し且つローラ駆動軸110を備えないだけで図18と同様に構成されたプリンタに着脱可能に装着される。以後においては、そのプリンタとして、図18の印刷装置102を用いて説明する。本実施形態のカセット210は、貼合せテープロール64およびローラ80を備えないノンラミネートタイプであるため、ラミネートタイプであるカセット10と比較して小型である。カセット210は、カセット10と同様に、第1ケース部材212および第2ケース部材214から構成される第1ケースすなわちテープケース220と、第3ケース部材216および第4ケース部材218から構成される第2ケースすなわちリボンケース221とを備えている。第1ケース部材212から第4ケース部材218は、図18に示す上下方向に積み重ねられている。第1ケース部材212、第2ケース部材214、第3ケース部材216および第4ケース部材218は、相互に重ねられた状態で、相互の外周壁間にそれぞれ設けられた複数の係止爪227と固定爪228との係合と位置決め突起229による位置決めとによって相互に固定される。なお、本実施形態において、各ケース部材212~218の上側の面を上面もしくは正面と称し、下側の面を下面もしくは裏面と称す。
リボンケース221は、テープケース220に対して上下方向の一方側に位置する。本実施形態では、リボンケース221は、テープケース220に対して上下方向の一方側である下側に位置する。テープケース220は、内部に形成された第1空間S1に被印刷媒体である印刷テープ222が巻回された印刷テープロール226を回転可能に収容する。
印刷テープロール226は、帯状の印刷テープ222が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール224に巻回されて構成される。印刷テープ222は、印刷テープ222の幅方向が第1方向である上下方向となるように巻回されている。印刷テープロール226の径方向は前後方向及び左右方向であり、径方向は上下方向に直交する直交方向である。直交方向は、上下方向に直交する平面に平行な任意の方向とも言い換えることができる。印刷テープ222、印刷テープスプール224、および印刷テープロール226は、被印刷媒体、印刷媒体スプール、および印刷媒体ロールに対応している。リボンケース221は、内部に形成された第2空間S2にインクリボンロール272と巻取スプール272を回転可能に収容する。インクリボンロール272は、帯状のインクリボン268が、インクリボン268幅方向が上下方向となるように巻取スプール276に巻回されて構成される。
インクリボン268は、帯状の印刷テープ222への印刷に使用される。巻取スプール276は、インクリボンロール272から引き出されたインクリボン268を巻き取る。
図20に示すように、カセット210の第4ケース部材218の下面には、巻取スプール支持穴294が設けられている。巻取スプール支持穴294から、後述の巻取スプール276の連結穴296が露出している。連結296は、カセット210が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた巻取スプール駆動軸108が差し入れられる。また、第3ケース部材216および第4ケース部材218の側面、すなわちリボンケース221の外周壁216wのうちの一部および第2ケース部材214の外周壁の一部には、凹部299が形成されている。凹部299は、カセット210が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた印刷ヘッド106が挿入される。図20に示すように、凹部299の上端は第2ケース部材214の下側の面で規定されている。
図21は、第1ケース部材212、第2ケース部材214、第3ケース部材216、および第4ケース部材218を分離させて、カセット210の内部構成を説明する斜視図である。図22は、第1ケース部材212の上面側を示す正面図であり、図23は第1ケース部材212の下面側を示す斜視図である。図24は第2ケース部材214の上面側を示す斜視図であり、図25は第2ケース部材214の下面側を示す斜視図であり、図26は印刷テープ222がテープケース220内からリボンケース221内へ架け渡されている状態を示す、図24のXXVI-XXVI視断面図である。図27は第2ケース部材214の側面図である。図28は第3ケース部材216の上面側を示す斜視部であり、図29は第3ケース部材216の下面側を示す斜視部である。図30は第4ケース部材218の上面側を示す斜視部であり、図31は第4ケース部材218の下面側を示す下面図である。
第1ケース部材212と第2ケース部材214との間の第1空間S1には、印刷テープロール226が上下方向に平行な第1回転中心線C1まわりに回転可能に収容されている。第1ケース部材212および第2ケース部材214は長方形状であって、第1回転中心線C1は、第1ケース部材212および第2ケース部材214における、第2方向である左右方向の中央略右寄り、且つ、第3方向である前後方向の略中央付近に位置している。
印刷テープ222は、たとえば図34に示すように、剥離テープ222cが被印刷テープ222aの印刷面とは反対側の面に、粘着剤222bを介して積層されることにより構成されたものである。
図21、図23に示すように、第1ケース部材212の下面側には、円筒状の第1支持突起230と第1円周壁234とが設けられる。第1支持突起230は、円筒状の印刷テープスプール224に挿入され印刷テープロール226を回転可能に支持する。第1円周壁234は、印刷テープロール226の外径よりも大きい内径を有する。第1支持突起230と第1円周壁234は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第1ケース部材212の下面側から下向きに突設されている。図24及び図25に示すように、第2ケース部材214の上面側には、円筒状の第2支持突起232と、第2円周壁236とが設けられる。第2支持突起232は、円筒状の印刷テープスプール224に挿入され印刷テープロール226を回転可能に支持する。第2円周壁236は、印刷テープロール226の外径よりも大きい内径を有する。第2支持突起232と第2円周壁236は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第2ケース部材214の上面側から上向きに突設されている。印刷テープロール226は、印刷テープロール226の外径と略同じ外径を有する円形のスペーサフィルム238を印刷テープロール226の上下にそれぞれ介在させた状態で第1ケース部材212と第2ケース部材214との間に配設されている。
第1ケース部材212の下面側および第2部材214ケースの上面側には、図23および図24に示すように、印刷テープロール226から印刷テープ222を一定の位置から引き出すために第1円周壁234および第2円周壁236の一部を切り欠いて形成した印刷テープゲート40、42が形成されている。図23に示すように第1ケース部材212の下面側には、印刷テープロール226から引き出された印刷テープ222を一定の方向に案内するために、印刷テープゲート240から左側へ延びる案内壁248が形成されている。図24に示すように、第2ケース部材214の上面側には、印刷テープロール226から引き出された印刷テープ222を一定の方向に案内するために、印刷テープゲート242の左端から左側へ延びる案内壁250が形成されている。
図24に示すように、第2ケース部材214の底板214aには、第2円周壁236と外周壁246の短辺部246aおよび長辺部46bとの間に沿って前後方向及び左右方向に延びる正面視略L字状の貫通穴252が形成されている。第2円周壁236のうち短辺部246aおよび長辺部46bの角部と対向する部分と貫通穴252との間において複数の案内リブ254が形成されている。複数の案内リブ254は、印刷テープロール226から巻き出され且つ印刷テープゲート240および242を通して送り出された印刷テープ222を貫通穴252内へ案内する。図25は、第1ケース部材212を取り除いたカセット210を示す。図25に示すように、印刷テープロール226から巻き出された印刷テープ222が、貫通穴252を通して第3ケース部材216と第4ケース部材218との間の第2空間内S2へ導かれている。印刷テープ222は、第1空間S1と第2空間内S2との間を区画する底板214aに形成された貫通穴252を通して、テープケース220とリボンケース221とに架け渡されている。
図26に示すように、印刷テープ222が、貫通穴252を通して、テープケース220内からリボンケース221内へ斜めに架け渡される。より詳細には、後述する図33に示すように、印刷テープ222は、リボンケース221の凹部299にまで架け渡されている。図27は、第2ケース部材214の下面側を示している。図27に示すように、第2ケース部材214の底板214aの裏面には、貫通穴252が開口しており、貫通穴252に沿って案内壁256が上下方向に立設されている。図28は、第3ケース部材216の上面側を示している。第3ケース部材216の天井板216eには、貫通穴258と、インクリボン支持穴274と、巻取スプール支持穴278とが、形成されている。貫通穴258は、印刷テープロール226から引き出された印刷テープ222を第2空間S2へ通すために、第2ケース部材214の貫通穴252に対応する位置に形成されている。
つまり、貫通穴252の一部と貫通穴258の一部は上下方向において互いに重複している。
第2ケース部材214の底板214aおよび第3ケース部材216の天井板216eは、テープケース220内の第1空間S1とリボンケース221内の第2空間S2とを区画する。
インクリボン支持穴274は、インクリボン268が巻回された供給スプール270の一端を嵌め入れてインクリボンロール272を第1回転中心線C1と平行な第3回転中心線C3まわりに回転可能に支持する。巻取スプール支持穴278は、インクリボンロール272から巻き出されたインクリボン268を巻き取る巻取スプール276の一端を嵌め入れて巻取スプール276を第1回転中心線C1と平行な第4回転中心線C4まわりに回転可能に支持する。
図29に示すように、第3ケース部材216の下面には、インクリボンロール保持壁286と、円筒状突起288とが、形成されている。インクリボンロール保持壁286は、巻取スプール276に巻き取られたインクリボン268のインクリボンロールの配置位置を規定するために巻取スプール支持穴278の周囲に巻取スプール支持穴278を中心とする円弧状に形成されている。円筒状突起288の先端面には、インクリボン支持穴274の周囲から下方に突設され且つ先端面に周方向に並ぶ凹凸が形成されている。
図21に示されるように、インクリボン268が巻回された供給スプール270の一端と円筒状突起288の先端面との間には、クラッチばねを収容したクラッチばねホルダ290が介在させられており、供給スプール70がクラッチばねホルダ90内のクラッチばねによって、インクリボンロール72には適度の回転抵抗が付与されるようになっている。
図30および図31は、第4ケース部材218の上面および下面を示している。第4ケース部材18側において巻取スプール76の他端を嵌め入れて巻取スプール76を回転可能に支持する巻取スプール支持穴294が第4ケース部材218を貫通して形成されている。第4ケース部材218には、供給スプール270の他端を嵌め入れて供給スプール270を回転可能に支持する円筒状の支持突起297が形成されている。巻取スプール276の他端側の端面に形成された連結穴296が、図21に示すように巻取スプール支持穴294を通して第4ケース部材218の下面に露出させられる。カセット210が印刷装置102に装着されたとき、印刷装置102の巻取スプール駆動軸108が連結穴296内に挿入されて巻取スプール276に連結され、巻取スプール276が巻取スプール駆動軸108により回転駆動される。
図32は、図24のXXXII-XXXIII視断面図である。テープケース220とリボンケース221との間、すなわち、第2ケース部材214の底板214aと第3ケース部材216の天井板216eとの間には、所定容積の第3空間S3が形成されている。
図20、図29に示すように、第3ケース部材216および第4ケース部材218から構成されるリボンケース221には、カセット210が図18に示すカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に立設された印刷ヘッド106を保持するヘッド保持板114を収容するための凹部299が形成されている。図29に示すように、第3ケース部材216の外周壁216wの一部には、上下方向と直交する前後方向に伸びる第1側壁216aと、上下方向および前後方向と直交する左右方向に伸びる第2側壁216bと、凹部299を囲むように配置されたU字状の凹部壁216cとが、形成されている。凹部壁216cは、第2側壁216bと前後方向に対向し左右方向に延びる内壁216hと、内壁16hの右端から後方に延びる内壁216iと、内壁216iの後端から左方に延びる内壁216jと、内壁216jの左端から前方に延びる内壁216kとから構成される。第2側壁216b及び凹部壁216cによって、凹部299は、第2側壁216bの左側端部から後方に延び、且つ、第2側壁216bよりも後方において左右方向に延びるように規定されている。第4ケース部材218には、図30および図31に示すように、凹部壁16cに対応するU字状の切欠き218aが形成されている。これら凹部壁216cおよび切欠き218aによって、凹部299が形成されている。図21に示すように、凹部299の上端の一部は、第2ケース部材214の下面によって規定されている。すなわち、凹部299は、第2ケース部材214及び第1ケース部材212と上下方向において重なっている。
図33は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたときの、第3ケース部材216の下面を示す図である。前述の通り、印刷テープ222は、印刷テープロール226から引き出され、貫通穴252および貫通穴258を介してテープケース20内の第1空間S1からリボンケース221内の第2空間S2に斜めに架け渡される。そのため、第3ケース部材216を示す図33において印刷テープ222は、第3ケース部材216の後方の貫通穴258から描画されている。カセット210が巻取スプール駆動軸108が立設されたカセット装着部104に装着されたとき、巻取スプール駆動軸108により回転駆動される巻取スプール276がインクリボン268を巻きとることにより、印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間においてインクリボン268と共に挟圧された印刷テープ222が印刷テープロール226から引き出される。図33では、印刷テープ222の経路と、巻取スプール276の駆動によってインクリボンロール272から引き出されたインクリボン268の経路とが、二点鎖線および破線でそれぞれ示されている。
図33に示すように、印刷テープ222およびインクリボン268は排出口300から印刷場所Pへ向かって排出される。排出口300は、第2側壁216bの左端部と側壁216hの左端部により規定され、左右方向に貫通する間隙である。印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間の印刷場所Pにおいて、印刷テープ222はインクリボン268を介して印刷ヘッド106に押しつけられる。この状態で、印刷ヘッド106の表面に配置された複数の発熱素子が選択的に駆動されて局所発熱することで、インクリボン68の一面に設けられたインク68aのうち一部が印刷テープ22に転写されて、印刷テープ22に文字、記号などが印刷される。印刷場所Pを通過した使用済のインクリボン268は、搬入口302からリボンケース221内に搬入され、巻取スプール276に巻き取られる。搬入口302は、排出口300よりも左側に位置し、第3ケース部材216に設けられている。
図34は、カセット210から送り出された印刷テープ222の積層構造体を模式的に示している。印刷テープ222は、被印刷テープ222aと、被印刷テープ222aの非印刷面側に粘着剤222bを介して貼り着けられた剥離テープ222cとの積層体である。被印刷テープ222aの印刷面には、印刷テープ222からのインク68aが転写されている。なお、図34に描かれた積層体の各部材の大きさや寸法比等は必ずしも正確ではない。
図35は、第3ケース部材216の下面を示す図である。第3ケース部材216と第4ケース部材218との間の第2空間S2内すなわちリボンケース221内には、インクリボンロール272、巻取スプール276が収容されている。上述したように、リボンケース221は、テープケース220に対して下方に重ねて配置されている。テープケース220内に収容された印刷テープロール226およびスペーサフィルム238を第2空間S2内で前後方向および左右方向に広がる投影面上に対し上下方向に投影した場合、印刷テープロール226およびスペーサフィルム238の投影位置は図35の一点鎖線で示される。なお、スペーサフィルム238は印刷テープロール226と略同じ直径を有するので、図35では印刷テープロール226を表す一点鎖線のみを記載する。図35に示すように、インクリボンロール272及び巻取スプール276は、印刷テープロール226と上下方向に重なる位置に配置されている。
供給スプール270の少なくとも一部、インクリボン268またはインクリボンロール272の少なくとも一部、および、巻取スプール276及び印刷場所Pを通過し、巻取スプール276に巻き取られようとするインクリボン268の少なくとも一部は、印刷テープロール226およびスペーサフィルム38と上下方向に重なっている。すなわち、巻取スプール276に巻き取られた或いは搬入口302から巻取スプール76へ巻き取られる過程のインクリボン268またはインクリボンロール272の少なくとも一部は、上下方向への印刷テープロール226およびスペーサフィルム238の投影面の中に位置している。
図35において、印刷テープロール226およびそれと略同径のスペーサフィルム238は、インクリボンロール272の少なくとも一部およびその第3回転中心線C3、巻取スプール276の少なくとも一部およびその第4回転中心線C4、凹部299および凹部壁216cの少なくとも一部と上下方向において重なっている。印刷テープロール226およびスペーサフィルム238を上下方向に投影した場合、その投影面の中に、インクリボンロール272の少なくとも一部およびその第3回転中心線C3、および巻取スプール276の少なくとも一部およびその第4回転中心線C4、凹部299および凹部壁216cの少なくとも一部が位置している。また、凹部299および凹部壁216cの少なくとも一部は、印刷テープスプール224と上下方向において重なっている。また、左右方向において、印刷テープロール226の一部および印刷テープスプール224の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部299の左右方向の一方側端部である右側端部299aと他方側端部である左側端部299bとの間に位置している。また、印刷テープスプール224の回転中心である第1回転中心線C1は、左右方向において排出口300と凹部299の右側端部299aとの間に位置している。さらに、図35において、前後方向および左右方向において、カセット10の前後方向の中心且つ左右方向の中心であるカセット210の中心位置Mから印刷テープロール226の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部299までの距離よりも小さく設定されている。
本実施形態のカセット210によれば、(a)回転可能であり、被印刷媒体である印刷テープ222が巻回された印刷テープロール226と、(b)印刷テープロール26に対して印刷テープ222の幅方向である第1方向の一方側に位置する外周壁16wであって、第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁216aと、第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁216bと、第2側壁216bから第2方向の一方側において第3方向に延びて凹部299を規定するように形成されたU字形状の凹部壁216cを形成する外周壁215と、を備え、(c)凹部299の少なくとも一部は、印刷テープロール226と第1方向に重なっている。これにより、印刷テープロール226を備えたテープケース220と凹部壁216cを備えるリボンケース221とが第1方向すなわち上下方向において重ねられ、凹部299の少なくとも一部が印刷テープロール226と第1方向に重ねられているので、カセット210は、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット210によれば、印刷テープロール224は、回転可能な印刷テープスプール224に印刷テープ222が巻回されてなり、凹部壁216cの少なくとも一部は、印刷テープスプール224と第1方向に重なっている。これにより、カセット210は、凹部壁216cの少なくとも一部が印刷テープスプール226と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、凹部299の少なくとも一部は、印刷テープスプール224と第1方向に重なっている。これにより、カセット210は、凹部299の少なくとも一部が印刷テープスプール224と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、第3方向において、印刷テープロール226の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部299の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセット210は、凹部299の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、印刷テープロール226は、回転可能な印刷テープスプール224に印刷テープ222が巻回されてなり、第3方向において、印刷テープスプール224の少なくとも一部は、凹部299の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセット220は、印刷テープスプール224の少なくとも一部が凹部299の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、第3方向において、印刷テープスプール224の回転中心である第1回転中心線C1は、排出口300と凹部299の第3方向の一方側端部との間に位置している。これにより、カセット210は、印刷テープスプール224の第1回転中心線C1が排出口300と凹部299の第3方向の一方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール26が収容されたテープケース(第1ケース)220と、テープケース220に対して第1方向の前記一方側に位置し、外周壁215を有するリボンケース(第2ケース)221とを備え、リボンケース221は、第2側壁216bにより規定される排出口300であって、第3方向において凹部299の第3方向の一方側端部216aと他方側端部216bとの間に位置し、印刷テープロール226から供給される印刷テープ222がテープケース220から凹部299に排出される排出口300を備え、第3方向において、印刷テープスプール226の回転中心である第1回転中心線C1は、排出口300と凹部299の第3方向の前記一方側端部との間に位置している。これにより、カセット210は、第3方向において、印刷テープスプール226の第1回転中心線C1が排出口300と凹部299の第3方向の一方側端部216aとの間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、凹部299は、テープケース(第1ケース)220の少なくとも一部と前記第1方向に重なっている。これにより、カセット210は、凹部299が第1ケース210の少なくとも一部と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、印刷テープロール226に対して第1方向の一方側に位置し、印刷テープロール226から供給される印刷テープ222への印刷に使用されるインクリボン268が巻回され、回転可能な供給スプール270と、印刷テープロール226に対して第1方向の一方側に位置し、供給スプール270から供給されるインクリボン268を巻き取るように回転可能な巻取スプール276とを、備え、供給スプール270の少なくとも一部及び巻取スプール276の少なくとも一部は、印刷テープロール226と第1方向に重なっている。これにより、カセット210は、供給スプール270の少なくとも一部及び巻取スプール276の少なくとも一部が印刷テープロール26と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、第2方向および第3方向において、カセット210の第2方向の中心且つ第3方向の中心である中心位置Mから印刷テープロール226の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部299までの距離よりも小さい。これにより、カセット210は、カセット10の中心位置Mから印刷テープロール226の第1回転中心線C1までの距離が中心位置Mから凹部299までの距離よりも大きい場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット210によれば、(a)印刷テープ222が巻回された印刷テープロール226と、(b)第1方向において、印刷テープロール226に当接するスペーサフィルム238と、(c)外周壁215のうちの印刷テープスロール226およびスペーサフィルム238に対して第1方向の一方側に位置する外周壁215の一部であって、第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁216aと、第1方向に直交し、且つ第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁216bと、第2側壁216bから第2方向の一方側に延びる凹部であって、第2側壁216bよりも第2方向の一方側(図16の左側)において第3方向に延びる凹部299を規定するようにU字状に形成された凹部壁216cと、を備え、(d)凹部299の少なくとも一部は、スペーサフィルム238と第1方向に重なっている。これにより、凹部299の少なくとも一部がスペーサフィルム238と第1方向に重なっているので、カセット210が上下方向に直交する直交方向において小型化され得る。
[実施形態3]
図36は、本発明の他の実施形態である、印刷テープ422自身が熱により発色する感熱(サーマル)タイプのカセット410を正面側すなわち上面から示す斜視図であり、図37は、カセット410を裏面側すなわち下面から示す斜視図である。カセット410は、全体として直方体状を成し、寸法が少し相違し且つインクリボンロール72および巻取スプール76を備えないが、図18と同様に構成されたカセット装着部104に着脱可能に装着される。この場合のカセット装着部104には、巻取スプール駆動軸108は備えられておらず、ローラ駆動軸110が突設されている。
本実施形態のカセット410は、貼合せテープロール464およびローラ480を備えるが、巻取スプールおよびインクリボンロールは備えられていない。カセット410に備えられた印刷テープ422の被印刷テープ422aは、熱を受けて自己発色する感熱紙から構成されている。カセット410は、カセット10、210と同様に、第1ケース部材412および第2ケース部材414から構成される第1ケースすなわちテープケース420と、第3ケース部材416および第4ケース部材418から構成される第2ケースすなわちリボンケース421とを備えている。テープケース420は、内部に形成された第1空間S1に印刷テープロール426を備える。リボンケース421は、テープケース420の下方側に位置するように装着され、内部に形成された第2空間S2に貼合せテープロール464を備える。第1ケース部材412、第2ケース部材414、第3ケース部材416および第4ケース部材418は、相互に重ねられた状態で、相互の外周壁間にそれぞれ設けられた複数の係止爪427と固定爪428との係合と位置決め突起429による位置決めとによって相互に固定される。なお、本実施形態において、各ケース部材412~418の上側の面を上面もしくは正面と称し、下側の面を下面もしくは裏面と称す。
リボンケース421は、テープケース420に対して上下方向の一方側に位置する。本実施形態では、リボンケース421は、テープケース420に対して上下方向の一方側である下側に位置する。テープケース240は、内部に形成された第1空間S1に被印刷媒体である印刷テープ422が巻回された印刷テープロール426を回転可能に収容する。
印刷テープロール426は、帯状の印刷テープ422が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール424に巻回されて構成される。印刷テープ422は、印刷テープ22の幅方向が第1方向である上下方向となるように巻回されている。印刷テープロール426の径方向は前後方向及び左右方向であり、径方向は上下方向に直交する直交方向である。直交方向は、上下方向に直交する平面に平行な任意の方向とも言い換えることができる。印刷テープ422、印刷テープスプール424、および印刷テープロール426は、被印刷媒体、印刷媒体スプール、および印刷媒体ロールに対応している。
リボンケース421は、内部に形成された第2空間S2に貼合せテープロール464を回転可能に収容する。貼合せテープロール464は、印刷された印刷テープ422に貼り合わされる帯状の貼合せテープ460が、貼合せテープ460の幅方向が上下方向となるように貼合せテープスプール462に巻回されている。
図37に示すように、カセット410の第4ケース部材418には、ローラ露出穴498が設けられている。ローラ露出穴498から後述のローラ480の軸端が露出している。軸端は、カセット410が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられたローラ駆動軸110が差し入れられる。また、第3ケース部材416および第4ケース部材418の側面すなわちリボンケース421の外周壁416wのうちの一部及び第2ケース部材414の外周壁の一部には、凹部499が形成されている。凹部499は、カセット410がカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた印刷ヘッド106が挿入される。図37に示すように、凹部99の上端は第2ケース部材14の下側の面で規定されている。
図38は、第1ケース部材412、第2ケース部材414、第3ケース部材416、および第4ケース部材418を分離させて、カセット410の内部構成を説明する斜視図である。図39および図40は、第1ケース部材412の上面側および下面側を示しており、実施形態2のカセット210の第1ケース部材212と同様に構成されている。図41および図42は、第2ケース部材414の上面側および下面側を示しており、実施形態2のカセット210の第1ケース部材212と同様に構成されている。第1ケース部材412の上面側は図22に、第1ケース部材412の下側は図23に示すように構成されている。図43および図44は、第3ケース部材216の上面側および下面側を示す図である。図45および図45は第4ケース部材418の上面側および下面側を示す図である。
第1ケ5ス部材412と第2ケース部材414との間の第1空間S1には、印刷テープロール426が上下方向に平行な第1回転中心線C1まわりに回転可能に収容されている。第1ケース部材412および第2ケース部材414は長方形状であって、第1回転中心線C1は、第1ケース部材412および第2ケース部材414における、第2方向である左右方向の中央略右寄り、且つ、第3方向である前後方向の略中央付近に位置している。
本実施形態では、図47に示すように、被印刷テープ422aは、加熱によってたとえば黒色に自己発色する感熱材料から構成されており、被印刷テープ422aの一部には、局所発色領域422dが示されている。
図38、図40に示すように、第1ケース部材412の下面側には、円筒状の第1支持突起430と第1円周壁434とが設けられる。第1支持突起430は、円筒状の印刷テープスプール424に挿入され印刷テープロール426を回転可能に支持する。第1円周壁434は、印刷テープロール426の外径よりも大きい内径を有する。第1支持突起430と第1円周壁434は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第1ケース部材412の下面側から下向きに突設されている。図41に示すように、第2ケース部材414の上面側には、円筒状の第2支持突起432と、第2円周壁436とが設けられる。第2支持突起432は、円筒状の印刷テープスプール424に挿入され印刷テープロール426を回転可能に支持する。第2円周壁436は、印刷テープロール426の外径よりも大きい内径を有する。第2支持突起432と第2円周壁436は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第2ケース部材414の上面側から上向きに突設されている。印刷テープロール426は、印刷テープロール426の外径と略同じ外径を有する円形のスペーサフィルム438を印刷テープロール426の上下にそれぞれ介在させた状態で第1ケース部材412と第2ケース部材414との間に配設されている。
図41に示すように、第2ケース部材414の底板414aには、第2円周壁436と外周壁446の短辺部446aおよび長辺部446bとの間に沿って前後方向及び左右方向に延びる正面視略L字状の貫通穴452が形成されている。第2円周壁436のうち短辺部446aおよび長辺部446bの角部と対向する部分と貫通穴452との間において複数の案内リブ454が、形成されている。複数の案内リブ454は、印刷テープロール426から巻き出され印刷テープ422を貫通穴452内へ案内する。これにより、印刷テープ422は、第1空間S1と第2空間内S2との間の隔壁として機能する底板414aに形成された貫通穴452を通して、テープケース420とリボンケース421とに架け渡されている。
図42および図43において、第2ケース部材414の底板414aおよび第3ケース部材416の天井板416eは、テープケース420内の第1空間S1とリボンケース421内の第2空間S2とを区画する。
図44に示すように、第3ケース部材416の下面には、貼合ロール保持壁486と、円筒状突起488とが形成されている。貼合ロール保持壁486は、貼合せテープロール464の配置位置を規定する。円筒状突起488は、貼合せテープロール464の貼合せテープスプール462が嵌め入れられてそれを回転可能に支持する。貼合せロール保持壁486は、貼合せテープスプール462を保持するために円筒状突起488と同心の円弧状に形成されている。
図45および図45は、第4ケース部材418の上面および下面を示している。第4ケース部材418には、貼合せテープスプール支持穴494が上下方向に貫通して形成されている。貼合せテープスプール支持穴494は、貼合せテープスプール462の第4ケース部材218側の端部を嵌め入れてそれを回転可能に支持する。また、第4ケース部材418には、ローラ露出穴498が上下方向に貫通して形成されている。ローラ露出穴498は、ローラ480の第4ケース部材218側の端部を嵌め入れてそれを回転可能に支持するとともに、ローラ480の第4ケース部材218側の軸端を露出させて、ローラ480とローラ駆動軸110との連結を可能とする。
図37に示すように、第3ケース部材416および第4ケース部材418から構成されるリボンケース421には、カセット410が図18に示すカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に立設された印刷ヘッド106を保持するヘッド保持板114を収容するための凹部499が形成されている。図44に示すように、第3ケース部材416の外周壁416wの一部には、上下方向と直交する前後方向に伸びる第1側壁416aと、上下方向および前後方向と直交する左右方向に伸びる第2側壁416bと、凹部499を囲むように配置されたU字状の凹部壁416cとが、形成されている。凹部壁416cは、第2側壁416bと前後方向に対向し左右方向に延びる内壁416hと、内壁416hの右端から後方に延びる内壁416iと、内壁416iの後端から左方に延びる内壁416jと、内壁416jの左端から前方に延びる内壁416kとから構成される。第2側壁416b及び凹部壁416cによって、凹部499は、第2側壁416bの左側端部から後方に延び、且つ、第2側壁416bよりも後方において左右方向に延びるように規定されている。第4ケース部材418には、図45および図46に示すように、凹部壁416cに対応するU字状の切欠き418aが形成されている。これら凹部壁416cおよび切欠き418aによって、凹部499が形成されている。図37に示すように、凹部499の上端の一部は、第2ケース部材414の下面によって規定されている。
すなわち、凹部299は、第2ケース部材414及び第1ケース部材412と上下方向において重なっている。
図47は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたときの、第3ケース部材416の下面を示す図である。印刷テープ422は、印刷テープロール426から引き出され、貫通穴452および貫通穴458を介してテープケース420内の第1空間S1からリボンケース421内の第2空間S2に斜めに架け渡される。そのため、第3ケース部材416を示す図47において印刷テープ422は、第3ケース部材416の後方の貫通穴458から描画されている。カセット410がローラ駆動軸110が立設されたカセット装着部104に装着されたとき、ローラ駆動軸110により回転駆動されるローラ480が印刷テープ422および貼合せテープ460を挟圧しつつ搬送する。これにより、印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間において印刷テープ422が印刷テープロール426から引き出され、排出口500から排出される。図47では、印刷テープ422の経路と、貼合せテープ460の経路とが、二点鎖線および破線でそれぞれ示されている。図47において、図示しないローラ480が回転駆動されると、排出口500から印刷テープ422が印刷場所Pへ向かって引き出され、ローラ480によって貼り合わせテープ460が重ねられる。排出口500は、第2側壁416bの左端部と側壁416hの左端部により規定され、左右方向に貫通する間隙である。
印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間の印刷場所Pでは、印刷テープ422が印刷ヘッド106に押しつけられる。この態で、印刷ヘッド106の表面に配置された複数の発熱素子が選択的に駆動されて局所発熱することで、印刷テープ422の被印刷テープ422aが自己発色し、印刷テープ422に文字、記号などが印刷される。
図48は、カセット410から送り出された印刷テープ422の積層構造体を模式的に示している。印刷テープ422は、被印刷テープ422aと、被印刷テープ422aの非印刷面側に粘着剤422bを介して貼り着けられた剥離テープ422cとの積層体である。被印刷テープ422aには、局所発色領域422dが形成されている。印刷テープ422の基材としての被印刷テープ422aには、貼合せテープ460の透明フィルム460aが粘着剤460bを介して積層されている。
図49は、第3ケース部材416の下面を示す図である。第3ケース部材416と第4ケース部材418との間の第2空間S2内すなわちリボンケース421内には、貼合せテープロール464が収容されている。上述したように、リボンケース421は、テープケース420に対して下方に重ねて配置されている。テープケース420内に収容された印刷テープロール426およびスペーサフィルム438を、第2空間S2内で後方向および左右方向に広がる投影面上に対し上下方向に投影した場合、印刷テープロール426およびスペーサフィルム438の投影位置は図49の一点鎖線で示される。なお、スペーサフィルム438は印刷テープロール426と略同じ直径を有するので、図49では印刷テープロール426を表す一点鎖線のみを記載する。図49に示すように、貼合せテープロール464は、印刷テープロール426と上下方向に重なる位置に配置されている。
貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2は、印刷テープロール426およびスペーサフィルム438と上下方向に重なっている。すなわち、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2は、上下方向への印刷テープロール426およびスペーサフィルム438の投影面の中に位置している。
図49において、印刷テープロール426およびそれと略同径のスペーサフィルム438は、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2、および、凹部499および凹部壁416cの少なくとも一部と上下方向重なっている。印刷テープロール426およびスペーサフィルム438を上下方向に投影した場合、その投影面の中に、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2、凹部499および凹部壁416cの少なくとも一部が位置している。また、凹部499および凹部壁416cの少なくとも一部は、印刷テープスプール424と上下方向において重なっている。また、左右方向において、印刷テープロール426および印刷テープスプール424の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部499の左右方向の一方側端部である右側端部499aと他方側端部である左側端部499bとの間に位置している。また、印刷テープスプール426の回転中心である第1回転中心線C1は、左右方向において排出口500と凹部499の右側端部499aとの間に位置している。さらに、図49において、前後方向および左右方向において、カセット410の前後方向の中心且つ左右方向の中心であるカセット410の中心位置Mから印刷テープロール426の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部499までの距離よりも小さく設定されている。
以上のように構成された本実施形態のカセット410によれば、前述の実施形態1および実施形態2と同様に、(a)回転可能であり、被印刷媒体である印刷テープ422が巻回された印刷テープロール426と、(b)印刷テープロール426に対して印刷テープ422の幅方向である第1方向の一方側に位置する外周壁415であって、第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁416aと、第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁4216bと、第2側壁4216bから第2方向の一方側において第3方向に延びて凹部499を規定するように形成されたU字形状の凹部壁416cを形成する外周壁415と、を備え、(c)凹部499の少なくとも一部は、印刷テープロール426と第1方向に重なっている。これにより、印刷テープロール426を備えたテープケース420と凹部壁416cを備えるリボンケース421とが第1方向すなわち上下方向において重ねられ、凹部499の少なくとも一部が印刷テープロール426と第1方向に重ねられているので、カセット410は、上下方向に直交する直交方向において小型化される。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール424は、回転可能な印刷テープスプール424に印刷テープ422が巻回されてなり、凹部壁416cの少なくとも一部は、印刷テープスプール424と第1方向に重なっている。これにより、カセット410は、凹部壁416cの少なくとも一部が印刷テープスプール426と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、凹部499の少なくとも一部は、印刷テープスプール424と第1方向に重なっている。これにより、カセット410は、凹部499の少なくとも一部が印刷テープスプール424と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、第3方向において、印刷テープロール426の回転中心である第1回転中心線C1は、凹部499の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセット410は、凹部249の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール426は、回転可能な印刷テープスプール424に印刷テープ422が巻回されてなり、第3方向において、印刷テープスプール424の少なくとも一部は、凹部499の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置している。これにより、カセットは、印刷テープスプール424の少なくとも一部が凹部499の第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、第3方向において、印刷テープスプール424の回転中心である第1回転中心線C1は、排出口500と凹部499の第3方向の一方側端部との間に位置している。これにより、カセット410は、印刷テープスプール424の第1回転中心線C1が排出口500と凹部99の第3方向の一方側端部との間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、凹部299は、テープケース(第1ケース)420の少なくとも一部と前記第1方向に重なっている。これにより、カセット410は、凹部299が第1ケース210の少なくとも一部と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール426に対して第1方向の一方側に位置し、印刷テープ422に貼り合わされる貼合せテープ460が巻回され、回転可能な貼合せテープロール264を備え、貼合せテープロール464の少なくとも一部は、印刷テープロール426と第1方向に重なっている。これにより、カセット410は、貼合せテープロール464の少なくとも一部が印刷テープロール426と第1方向に重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、貼合せテープロール464は、貼合せテープ260が貼合せテープスプール462に巻回されて構成され、貼合せテープスプール462は、印刷テープロール426と第1方向において重なっている。これにより、カセット410は、貼合せテープスプール462が印刷テープロール426と第1方向において重なっていない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、第3方向において、貼合せテープスプール462の回転中心である第2回転中心線C2は、凹部499の第3方向の一方側端部と他方側端部416bとの間に位置している。これにより、カセット410は、貼合せテープスプール462の第2回転中心線C2が凹部499の第3方向の一方側端部と他方側端部416bとの間に位置していない場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、第2方向および第3方向において、カセット410の第2方向の中心且つ第3方向の中心である中心位置Mから印刷テープロール426の第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから凹部499までの距離よりも小さい。これにより、カセット410は、カセット410の中心位置Mから印刷テープロール426の第1回転中心線C1までの距離が中心位置Mから凹部499までの距離よりも大きい場合よりも、上下方向に直交する直交方向において小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、(a)印刷テープ422が巻回された印刷テープロール426と、(b)第1方向において、印刷テープロール426に当接するスペーサフィルム438と、(c)外周壁215のうちの印刷テープスロール426およびスペーサフィルム438に対して第1方向の一方側に位置する外周壁415の一部であって、第1方向に直交する第2方向に延びる第1側壁416aと、第1方向に直交し、且つ第2方向と交差する第3方向に延びる第2側壁416bと、第2側壁416bから第2方向の一方側に延びる凹部であって、第2側壁416bよりも第2方向の一方側(図49の左側)において第3方向に延びる凹部499を規定するようにU字状に形成された凹部壁416cと、を備え、(d)凹部499の少なくとも一部は、スペーサフィルム438と第1方向に重なっている。これにより、凹部499の少なくとも一部がスペーサフィルム438と第1方向に重なっているので、カセット410が上下方向に直交する直交方向において小型化され得る。
[実施形態4]
図50および図51は、本発明の他の実施形態のカセット510の上面側の斜視図および下面側の斜視図である。本実施形態のカセット510は、図52に示すように、印刷テープロール526のみを備えている。本実施形態の印刷テープロール526の印刷テープ522は、実施形態3の印刷テープ422と同様に、基材としての被印刷テープ522aの印刷面とは反対側の面に、剥離テープ522cが粘着剤522bを介して積層されることにより構成されたものである。図53は、カセット510から送り出された印刷後の印刷テープ522を示している。本実施形態の印刷テープ522は、図34に示す実施形態3の印刷テープ422と同様に、加熱によってたとえば黒色に自己発色する感熱材料から成る基材としての被印刷テープ522aと、被印刷テープ522aの貼着面に粘着剤522bを介して積層された剥離テープ522cとから構成されたものである。被印刷テープ522aの一部には、局所加熱によって形成された局所発色領域522dが示されている。
本実施形態のカセット510は、図52に示すように、実施形態2の図21のカセット210の第1ケース部材212、第2ケース部材214、第3ケース部材216、および第4ケース部材218と同様に構成された、第1ケース部材512、第2ケース部材514、第3ケース部材516、および第4ケース部材518を用いて構成されているが、供給スプール270にインクリボン268が巻回されたインクリボンロール272、およびインクリボン268を巻き取るための巻取スプール276を備えない点で、カセット210と相違している。
本実施形態のカセット510によれば、カセット510の第3ケース部材516は、カセット210の第3ケース部材216の第1側壁216a、第2側壁216b、凹部299を形成する凹部壁216cと同様の、第1側壁516a、第2側壁516b、凹部599を形成する凹部壁516cを、有しているので、カセット210と同様の効果が得られる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の位置実施形態であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
上述した実施形態のカセット10,210、410、510は、第1ケース部材12,212、412、512、第2ケース部材14,214、414、514、第3ケース部材16,216、416、516、および、第4ケース部材18,218、416、516の4つのケース部材が上下方向に重ねられて構成されていたが、カセット10はこの構成に限定されるものではない。例えば図54に示すように、カセット10,210、410、510は、第1ケース部材12,212、416、516と第5ケース部材501と第4ケース部材18,218、418、518の3つのケース部材が上下方向に積層されて構成されていてもよい。第5ケース部材501は、上記実施形態の貫通穴52,58などに相当する上下に貫通する貫通穴502を有するとともに、第1空間S1と第2空間S2とを区画する。第5ケース部材501は、上面側の構成が第2ケース部材14,214、414、514の上面側と同じ形状に構成され、下面側が第3ケース部材16,216、416、516の下面側と同じ形状に構成されるとよい。この変形例の場合、第1ケース部材12,212、414、514と第5ケース部材501により、内部に第1空間S1を有する第1ケースが構成され、第5ケース部材501と第4ケース部材18,218により、内部に第2空間S2を有する第2ケースが構成される。
また、上記実施形態では、凹部99、299、499、599はU字状の凹部壁16c、216c、416c、516cによって囲まれる形状を示したが、この形状に限定されるものではない。例えば円形状の凹部であってもよい。
また、上記実施形態の印刷テープロール、貼合せテープロール、インクリボンロール及び巻取スプールは、それらの径が、前後方向及び左右方向に対して水平に設けられていたが、これらは水平に設けられていなくてもよい。例えば印刷テープロールが前後方向及び左右方向に対して水平に設けられていない場合、印刷テープの幅方向である第1方向は、上記実施形態の上下方向とは異なる方向となる。この場合、印刷テープの幅方向である第1方向に直交する第2方向、及び、第1方向と第2方向とに直交する第3方向は、各々上記実施形態の前後方向及び左右方向とは異なる方向となる。
また、印刷テープロール、貼合せテープロール、インクリボンロール及び巻取スプールの配置は上記実施形態に示す位置に限定されるものではない。例えば第1実施形態において貼合せテープロール64が巻取スプール76よりも右側に配置されてもよいし、巻取スプール76がインクリボンロール72よりも前側に配置されていてもよい。
また、実施形態1では、凹部99、貼合せテープロール64、供給スプール70、巻取スプール76のすべてが印刷テープロール26と上下方向に重なる位置に配置されていたが、この構成に限定されない。少なくとも凹部99が印刷テープロール26と上下方向に重なる位置に配置されていればよい。同様に、実施形態2~4においても少なくとも凹部が印刷テープロールと上下方向に重なる位置に配置されていればよい。また、上記実施形態1~4では、凹部もしくは凹部壁が印刷テープスプールと上下方向に重なっていたが、少なくとも凹部もしくは凹部壁が印刷テープスプールに巻回されている印刷テープと上下方向に重なっていればよい。
また、上述した実施形態1~4の印刷テープロールは、印刷テープが円筒状の軸芯材である印刷テープスプールに巻回されて構成されていたが、印刷テープは印刷テープスプールに巻回されず、第1支持突起及び第2支持突起を中心に巻回されることで印刷テープロールを構成してもよい。同様に、貼合せテープ60は、貼合せテープスプール62に巻回されることなく巻回され、貼合せテープロール保持壁84及び円弧状壁92により貼合せテープ60の外周が規定されて配置されてもよい。
10、210、410、510:カセット
12、212、412、512:第1ケース部材
14、214、414、514:第2ケース部材
16、216、416、516:第3ケース部材
16a、216a、416a、516a:第1側壁(外周壁)
16b、216b、416b、516b:第2側壁(外周壁)
16c、216c、416c、516c:凹部壁
16h、216h、416h、516h:内壁
16i、216i、416i、516i:内壁
16j、216j、416j、516j:内壁
16k、216k、416k、516k:内壁
18、218、418、518:第4ケース部材
20、220、420、520:テープケース(第1ケース、上ケース)
21、221、421、521:リボンケース(第2ケース、下ケース)
22、222、422、522:印刷テープ(被印刷媒体,第1媒体)
22a、222a、422a、522a:被印刷テープ
22b、222b、422b、522b:粘着剤
22c、222c、422c、522c:剥離テープ
24、224、424:印刷テープスプール
26、226、426、526:印刷テープロール
27、227、427:係止爪
28、228、428:固定爪
29、229、429:位置決め突起
30、230、430:第1支持突起
32、232、432:第2支持突起
34、234、434:第1円周壁
36、236、436:第2円周壁
38、238、438:スペーサフィルム
40、240:印刷テープゲート
42、242:印刷テープゲート
44、244、444:第1ケース部材の外周壁
44a、244a、444a:短辺部
46、246、446:第2ケース部材の外周壁
46a、246a、446a:短辺部
46b、246b:長辺部
48、248、448:案内壁
50、250、450:案内壁
52、252、452:貫通穴
54、254、454:案内リブ
56、256、456:案内壁
58、258、458:貫通穴
60、260:貼合せテープ
60a、260a:透明フィルム
60b、260b:粘着剤
62、462:貼合せテープスプール
64、464:貼合せテープロール
66、466:貼合せテープロール支持穴
68、268:インクリボン
68a、268a:インク
70、270:供給スプール
72、272:インクリボンロール
74、274:インクリボン支持穴
76、276:巻取スプール
78、278:巻取スプール支持穴
80、280、480:ローラ
80a、280a:連結部
82、482:ローラ支持穴
84、484:貼合せテープロール保持壁
86、286:インクリボンロール保持壁
88、288:円筒状突起
90、290:クラッチばねホルダ
92、292:保持部材
94、294:巻取スプール支持穴
96、296:連結穴
98、498:ローラ露出穴
99、299、499、599:凹部
102:印刷装置
104:カセット装着部
106:印刷ヘッド
108:巻取スプール駆動軸
110:ローラ駆動軸
112:位置決め穴
114:ヘッド保持板
116:プラテンローラ
118:押圧ローラ
120:プラテン保持部材
122:印刷システム
130、300、500:排出口
132、302:搬入口
S1:第1空間
S2:第2空間
C1:第1回転中心線
C2:第2回転中心線
C3:第3回転中心線
C4:第4回転中心線
C5:第5回転中心線

Claims (21)

  1. 第1方向に並ぶ第1部分と第2部分とを有するケースと、
    前記第1方向に延びる回転中心まわりに回転可能であり、被印刷媒体である印刷テープが巻回された印刷テープロールと、を備え、
    前記ケースは、
    前記印刷テープロールを前記ケースの前記第1部分において回転可能に支持するためのテープロール支持部と、
    前記ケースの前記第2部分に設けられ、前記印刷テープを前記ケースの外部に排出するための排出口を有する外周壁と、
    を有し、
    前記外周壁は、
    前記ケースの前記第2部分の外縁を規定する少なくとも二組のそれぞれ対向する側壁と、
    前記外縁の内側に形成された凹部であって、前記外縁から内側に延びる第1凹部と前記第1凹部に連続し前記第1凹部が延びる方向と交差する方向に延びる第2凹部とを有する前記凹部を規定する少なくとも二組のそれぞれ対向する内壁と、
    を有し、
    一組の対向する前記内壁は、前記第2凹部に沿って延び、
    他の一組の対向する前記内壁は、その一つが前記第1凹部に沿って延び、
    前記側壁の一つである所定側壁と前記第2凹部に沿って延びる前記内壁の一つである所定内壁は対向し、それらの間に前記印刷テープの搬送経路が設けられ、
    前記排出口は、前記所定側壁の一つの端部と前記所定内壁の一つの端部との間に設けられ、前記第1凹部に連通し、
    前記凹部は、少なくとも一部が前記印刷テープロールと前記第1方向に重なる、
    ことを特徴とするカセット。
  2. 前記第1凹部に沿って延びる前記内壁と前記所定内壁の前記一つの端部は、離れている
    ことを特徴とする請求項1に記載のカセット。
  3. 前記ケースの前記第2部分に位置し、回転中心まわりに回転可能であり、前記印刷テープへの印刷に使用されるインクリボンが巻回されたインクリボンロールをさらに備え、
    前記インクリボンロールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なり、
    前記所定側壁と前記所定内壁の間に前記インクリボンの搬送経路が設けられ、
    前記所定側壁の前記一つの端部と前記所定内壁の前記一つの端部との間に、前記インクリボンを前記ケースの外部に排出するための排出口が設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のカセット。
  4. 前記外周壁は、前記インクリボンを前記ケースの外部に排出するための排出口から排出された前記インクリボンを前記ケースの内部に搬入するための搬入口を有し、
    前記搬入口は、前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁との間に設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載のカセット。
  5. 前記ケースの前記第2部分に位置し、前記搬入口から搬入された前記インクリボンを巻き取るように回転可能な巻取スプールをさらに備え、
    前記巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと第1方向において重なる
    ことを特徴とする請求項4に記載のカセット。
  6. 前記インクリボンロール及び前記巻取スプールは、前記所定内壁と対向する前記内壁と、前記所定側壁と対向する前記側壁との間に配置される
    ことを特徴とする請求項5に記載のカセット。
  7. 前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、
    前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、
    前記所定側壁及び前記一組の前記対向する前記内壁は、前記第3方向に延びる
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1に記載のカセット。
  8. 前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記印刷テープが巻回されてなり、
    前記内壁の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なる
    ことを特徴とする請求項1から7の何れか1に記載のカセット。
  9. 前記凹部の少なくとも一部は、前記印刷テープスプールと前記第1方向に重なる
    ことを特徴とする請求項8に記載のカセット。
  10. 前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、
    前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、
    前記第3方向において、前記印刷テープロールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置する
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1に記載のカセット。
  11. 前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、
    前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、
    前記印刷テープロールは、回転可能な印刷テープスプールに前記印刷テープが巻回されてなり、
    前記第3方向において、前記印刷テープスプールの少なくとも一部は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置する
    ことを特徴とする請求項1から10の何れか1に記載のカセット。
  12. 前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部と前記他方側端部との間に位置する
    ことを特徴とする請求項11に記載のカセット。
  13. 前記第3方向において、前記印刷テープスプールの回転中心は、前記印刷テープを前記ケースの外部に排出するための前記排出口と前記凹部の前記第3方向の前記一方側端部との間に位置する
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のカセット。
  14. 前記凹部は、前記ケースの前記第1部分の少なくとも一部と前記第1方向に重なる
    ことを特徴とする請求項13に記載のカセット。
  15. 前記ケースの前記第2部分に位置し、前記印刷テープロールから供給される前記印刷テープへの印刷に使用されるインクリボンが巻回され、回転可能な供給スプールと、
    前記ケースの前記第2部分に位置し、前記供給スプールから供給される前記インクリボンを巻き取るように回転可能な巻取スプールと、
    を備え、
    前記供給スプールの少なくとも一部及び前記巻取スプールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なる
    ことを特徴とする請求項1から14の何れか1に記載のカセット。
  16. 前記ケースの前記第2部分に位置し、前記印刷テープに貼り合わされる貼合せテープが巻回され、回転可能な貼合せテープロールを備え、
    前記貼合せテープロールの少なくとも一部は、前記印刷テープロールと前記第1方向に重なる
    ことを特徴とする請求項1から15の何れか1に記載のカセット。
  17. 前記貼合せテープロールは、前記貼合せテープが貼合せテープスプールに巻回されて構成され、
    前記貼合せテープスプールは、前記印刷テープロールと前記第1方向において重なる
    ことを特徴とする請求項16に記載のカセット。
  18. 前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、
    前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、
    前記第3方向において、前記貼合せテープスプールの回転中心は、前記凹部の前記第3方向の一方側端部と他方側端部との間に位置する
    ことを特徴とする請求項17に記載のカセット。
  19. 前記貼合せテープロールは、前記所定内壁と対向する前記内壁と、前記所定側壁と対向する前記側壁との間に配置される
    ことを特徴とする請求項16から18の何れか1に記載のカセット。
  20. 前記第1凹部に沿って延びる前記内壁とその内壁に対向する前記側壁との間に、前記貼合わせテープの搬送経路が設けられる
    ことを特徴とする請求項19に記載のカセット。
  21. 前記第1凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交する第2方向であり、
    前記第2凹部が延びる方向は、前記第1方向に直交し、且つ、前記第2方向と交差する第3方向であり、
    前記第2方向及び前記第3方向において、前記カセットの前記第2方向の中心且つ前記第3方向の中心である中心位置から前記印刷テープロールの回転中心までの距離は、前記中心位置から前記凹部までの距離よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1から15の何れか1に記載のカセット。
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