[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態であるカセット10を正面側すなわち上面から示す斜視図である。本実施形態の説明では、図1の上側をカセット10の前側とし、下側をカセット10の後側とし、右側をカセット10の左側とし、左側をカセット10の右側とし、左上側をカセット10の上側とし、右下側をカセット10の下側とする。図2は、カセット10を裏面側すなわち下面から示す斜視図である。図3は、カセット10の第1ケース部材12、第2ケース部材14、第3ケース部材16、および第4ケース部材18を分離させて、カセット10の内部構成を説明する斜視図である。カセット10は、全体として直方体状を成し、後述の図18に示す印刷装置102のカセット装着部104に着脱可能に装着される。カセット10は、第1ケース部材12および第2ケース部材14から構成される第1ケースすなわちテープケース20と、第3ケース部材16および第4ケース部材18から構成される第2ケースすなわちリボンケース21とを備えている。第1ケース部材12から第4ケース部材18の積重ね方向、すなわち図1に示す上下方向が、本発明における第1方向に対応する。また、図1に示す前後方向が、第1方向と直交する第2方向に対応し、図1に示す左右方向が、第1方向と第2方向とに直交する第3方向に対応する。
リボンケース21は、テープケース20に対して上下方向の一方側に位置する。本実施形態では、リボンケース21は、テープケース20に対して上下方向の一方側である下側に位置する。テープケース20は、内部に形成された第1空間S1に、被印刷媒体である印刷テープ22が印刷テープスプール24に巻回された印刷テープロール26を備える。リボンケース21は、内部に形成された第2空間S2に、貼合せテープ60が貼合せスプール62に巻回された貼合せテープロール64と、インクリボン68が供給スプール70に巻回されたインクリボンロール72とを備える。本実施形態では、第1テープに対応する印刷テープ22が第1スプールに対応する印刷テープスプール24に巻回された印刷テープロール26が第1ロールに対応し、第2テープに対応する貼合せテープ60が第2スプールに対応する貼合せスプール62に巻回された貼合せテープロール64が第2ロールに対応し、インクリボン68が第3スプールに対応する供給スプール70に巻回されたインクリボンロール72が第3ロールに対応している。また、本実施形態では、カセット10は、第1空間S1を有するテープケース20が構成する第1層L1と第2空間S2を有するリボンケース21が構成する第2層L2とを含む少なくとも2層で構成されている。なお、上記各ロールたとえば印刷テープロール26の概念は、その印刷テープスプール24内に第1回転中心線C1方向に貫通する空間があったとしても、その空間を含んでいる。
インクリボンロール72は、第1テープである帯状の印刷テープ22への印刷に使用される、帯状のインクリボン68が供給スプール70に巻回されている。貼合せテープロール64は、印刷された印刷テープ22に貼り合わされる帯状の貼合せテープ60が、貼合せテープ60の幅方向が第1方向である上下方向となるように貼合せスプール62に巻回されている。すなわち、貼合せテープロール64の径方向は前後方向及び左右方向を含む、上下方向に対して垂直な方向である。換言すると、径方向に直交する直交方向は上下方向である。第1ケース部材12、第2ケース部材14、第3ケース部材16および第4ケース部材18は、上下方向に相互に重ねられた状態で、相互の外周壁間にそれぞれ設けられた複数の係止爪27と固定爪28との係合と位置決め突起29による位置決めとによって相互に固定されている。なお、本実施形態において、各ケース部材12~18の上側の面を上面もしくは正面と称し、下側の面を下面もしくは裏面と称す。
図2に示すように、カセット10の第4ケース部材18の下面には、上下方向に貫通する巻取スプール支持穴94が設けられている。また、第3ケース部材16および第4ケース部材18の前側の面、すなわち、リボンケース21の前側の面には、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた後述の印刷ヘッド106が挿入されるヘッド開口として機能する凹溝99が形成されている。
図4は、第1ケース部材12の上面側を示す正面図であり、図5は第1ケース部材12の下面側を示す斜視図である。図6は第2ケース部材14の上面側を示す正面図である。なお、図6では、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22の記載は省略されている。図7は第2ケース部材14の上面側を示す斜視図である。また、図8は印刷テープ22がテープケース20内からリボンケース21内へ架け渡されている状態を示す、図6のVIII-VIII視断面図である。図9は第2ケース部材14の下面側を示す斜視図であり、図10は第3ケース部材16の上(正)面側を示す斜視図であり、図11は第3ケース部材16の下(裏)面側を示す斜視部である。図12は第4ケース部材18の上(正)面側を示す斜視図であり、図13は第4ケース部材18の下(裏)面側を示す下(裏)面図である。
第1ケース部材12と第2ケース部材14との間には、第1空間S1が形成されている。第1空間S1には、印刷テープロール26が上下方向に平行な第1回転中心線C1まわりに回転可能に収容されている。印刷テープロール26は、印刷テープ22が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール24に巻回されて構成される。第1ケース部材12および第2ケース部材14は長方形状であって、第1回転中心線C1は、第1ケース部材12および第2ケース部材14における、第2方向である左右方向の中央略右寄り、且つ、第3方向である前後方向の略中央付近に位置している。印刷テープ22は、印刷ヘッド106によって印刷される被印刷媒体である。
印刷テープ22は、第1テープに対応し、印刷テープロール26は第1ロールに対応し、印刷テープスプール24は第1スプールに対応している。印刷テープ22は、たとえば図15に示すように、剥離テープ22cが被印刷テープ22aの印刷面とは反対側の面に、粘着剤22bを介して積層されることにより構成されたものである。
図3、図5、図6に示すように、第1ケース部材12の下面側には、円筒状の第1支持突起30と、第1円周壁34とが設けられる。第1支持突起30は、円筒状の印刷テープスプール24に挿入され印刷テープロール26を回転可能に支持する。第1ケース部材12は、短辺部44aと長辺部44bを有する外周壁44を備える。第1円周壁34は、印刷テープロール26の外径よりも大きい内径を有する。第1支持突起30と第1円周壁34は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第1ケース部材12の下面側から下向きに突設されている。図6及び図7に示すように、第2ケース部材14の上面側には、円筒状の第2支持突起32と、第2円周壁36とが設けられる。第2支持突起32は、円筒状の印刷テープスプール24に挿入され印刷テープロール26を回転可能に支持する。第2円周壁36は、印刷テープロール26の外径よりも大きい内径を有する。第2支持突起32と第2円周壁36は、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で第2ケース部材14の上面側から上向きに突設されている。印刷テープロール26は、印刷テープロール26の外径と略同じ外径を有する円形のスペーサフィルム38を印刷テープロール26の上下にそれぞれ介在させた状態で第1ケース部材12と第2ケース部材14との間に配設されている。
第1ケース部材12の下面側および第2ケース部材14の上面側には、図5および図6に示すように、印刷テープロール26から印刷テープ22を一定の位置から引き出すために第1円周壁34および第2円周壁36の一部を切り欠いて形成した印刷テープゲート40、42が形成されている。図6および図7に示すように、第2ケース部材14の上面側には、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22を一定の方向に案内するために、印刷テープゲート42の左端から左側へ伸びる案内壁50が形成されている。
図6に示すように、印刷テープゲート42の左端から左側へ伸びる案内壁50は、外周壁46の短辺部46aに到達する前に長辺部46b側すなわち後方へ曲がり、第2円周壁36に沿って延設されて長辺部46bへ接続されている。
図6に示すように、第2ケース部材14の底板14aには、案内壁50と外周壁46の長辺部46bとに沿って前後方向及び左右方向に延びる正面視略L字状の貫通穴52が形成されている。底板14aには、第2円周壁36のうち案内壁50および長辺部46bに対向する部分と貫通穴52との間において複数の案内リブ54が形成されている。複数の案内リブ54は、印刷テープロール26から巻き出され且つ印刷テープゲート40および42を通して送り出された印刷テープ22を貫通穴52内へ案内する。
図7は、第1ケース部材12を取り除いたカセット10を示す。印刷テープロール26から巻き出された印刷テープ22が、貫通穴52を通して第3ケース部材16と第4ケース部材18との間の第2空間内S2へ導かれている状態を示している。印刷テープ22は、第1空間S1と第2空間内S2とを区画する板材として機能する底板14aに形成された貫通穴52を通して、テープケース20とリボンケース21とに架け渡される。
図8は印刷テープ22がテープケース20内からリボンケース21内へ架け渡されている状態を示す、図6のVIII-VIII視断面図である。図8に示すように、印刷テープ22は、貫通穴52を通して、テープケース20内からリボンケース21内へ斜めに架け渡される。より詳細には、後述する図14に示すように、印刷テープ22は、リボンケース21の凹溝99にまで架け渡されている。図9は、第2ケース部材14の下面側を示している。図9に示すように、第2ケース部材14の底板14aの裏面には、貫通穴52が開口しており、貫通穴52に沿って案内壁56が上下方向に立設されている。図10は、第3ケース部材16の上面側を示している。第3ケース部材16の天井板16eには、貫通穴58と、貼合せテープロール支持穴66と、インクリボン支持穴74と、巻取スプール支持穴78と、ローラ支持穴82とが、形成されている。貫通穴58は、印刷テープロール26から引き出された印刷テープ22を第2空間S2へ通すために、第2ケース部材14の貫通穴52に対応する位置に形成されている。つまり、貫通穴52の一部と貫通穴58の一部は上下方向において互いに重複している。
第2ケース部材14の底板14aおよび第3ケース部材16の天井板16eは、テープケース20内の第1空間S1とリボンケース21内の第2空間S2とを区画する板体に対応している。
貼合せテープロール支持穴66は、貼合せテープ60が巻回された貼合せスプール62の一端を嵌め入れて貼合せテープロール64を第1回転中心線C1と平行な第2回転中心線C2まわりに回転可能に支持する。貼合せテープ60は、図15に示すように、印刷テープ22の印刷面を保護するためにたとえばこの印刷面と接触する一面に粘着剤60bが塗布された透明な媒体である透明フィルム60aから成る。貼合せテープ60は第2テープに対応し、貼合せテープロール64は第2ロールに対応し、貼合せスプール62は第2スプールに対応している。インクリボン支持穴74は、インクリボン68が巻回された供給スプール70の一端を嵌め入れてインクリボンロール72を第1回転中心線C1と平行な第3回転中心線C3まわりに回転可能に支持する。供給スプール70は第3スプールに対応している。巻取スプール支持穴78は、インクリボンロール72から巻き出されたインクリボン68を巻き取る巻取スプール76の一端を嵌め入れて巻取スプール76を第1回転中心線C1と平行な第4回転中心線C4まわりに回転可能に支持する。ローラ支持穴82は、印刷テープ22の印刷面と貼合せテープ60の接着面とを圧着するために印刷テープ22と貼合せテープ60とを印刷装置102のローラとの間で挟圧するローラ80の一端を嵌め入れてローラ80を第1回転中心線C1と平行な第5回転中心線C5まわりに回転可能に支持する。
図11に示すように、第3ケース部材16の下面には、貼合せテープロール保持壁84と、インクリボンロール保持壁86と、円筒状突起88と、円弧状壁92とが、形成されている。貼合せテープロール保持壁84および円弧状壁92は、貼合せテープロール64の配置位置を規定するために貼合せテープロール支持穴66の周囲に貼合せテープロール支持穴66を中心とする円弧状に形成されている。インクリボンロール保持壁86は、巻取スプール76に巻き取られたインクリボン68のインクリボンロールの配置位置を規定するために巻取スプール支持穴78の周囲に巻取スプール支持穴78を中心とする円弧状に形成されている。円筒状突起88は、インクリボン支持穴74の周囲から下方に突設され且つ先端面に周方向に並ぶ凹凸が形成されている。第3ケース部材16は、外周壁として短辺部16aと長辺部16bと、凹溝99を囲むように配置されたU字状の凹部壁16cを備える。また、第3ケース部材16の下面には、張合せテープ60の張り付きを防止する張付防止ローラ91の上端部を回動可能に支持する支持突起93が設けられている。また、図12に示すように、第4ケース部材18の上面には、張付防止ローラ91の下端部を連結可能に支持する支持突起95が設けられている。
図3に示されるように、インクリボン68が巻回された供給スプール70の他端には、クラッチばねを収容したクラッチばねホルダ90が嵌め付けられており、供給スプール70がクラッチばねホルダ90内のクラッチばねによってインクリボンロール72には適度の回転抵抗が付与されるようになっている。
図12および図13は、第4ケース部材18の上面および下面を示している。第4ケース部材18には、巻取スプール76の他端を嵌め入れて巻取スプール76を回転可能に支持する巻取スプール支持穴94が上下方向に貫通して形成されている。巻取スプール76の他端側の端面に形成された連結穴96が、図2に示すように巻取スプール支持穴94を通して第4ケース部材18の下面に露出させられる。カセット10が印刷装置102に装着されたとき、後述の印刷装置102の巻取スプール駆動軸108が連結穴96内に挿入されて巻取スプール76に連結され、巻取スプール76が巻取スプール駆動軸108により回転駆動される。また、第4ケース部材18には、供給スプール70の他端を嵌め入れて供給スプール70を回転可能に支持する円筒状の支持突起97が形成されている。
第4ケース部材18には、第3ケース部材16に形成されたローラ支持穴82に対応する位置に、ローラ80の軸端を露出させるローラ露出穴98が設けられている。ローラ80の第4ケース部材18側の端部に形成された連結部80aが、図2に示すようにローラ露出穴98を通して第4ケース部材18の下面に露出させられる。カセット10が印刷装置102に装着されたとき、後述の印刷装置102のローラ駆動軸110が連結部80aと連結され、ローラ80がローラ駆動軸110により回転駆動される。
図14は、カセット10が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたときの、第3ケース部材16の下面を示す図である。前述の通り、印刷テープ22は、印刷テープロール26から引き出され、貫通穴52および貫通穴58を介してテープケース20内の第1空間S1からリボンケース21内の第2空間S2に斜めに架け渡される。そのため、第3ケース部材16を示す図14において印刷テープ22は、第3ケース部材16の後方の貫通穴58から描画されている。図14に示すように、印刷テープ22および貼合せテープ60は、ローラ80と印刷装置102の押圧ローラ118とに挟圧され、ローラ80の駆動によって、各々印刷テープロール26および貼合せテープロール64から引き出される。インクリボン68は、巻取スプール76の駆動によってインクリボンロール72から引き出され、巻取スプール76に巻き取られる。印刷テープ22は二点鎖線で、貼合せテープ60は破線で、インクリボン68は一点鎖線で示されている。
図14に示すように、印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間の印刷場所Pにおいて、印刷テープ22はインクリボン68を介して印刷ヘッド106に押しつけられる。この状態で、印刷ヘッド106の表面に配置された複数の発熱素子が選択的に駆動されて局所発熱することで、インクリボン68の一面に設けられたインク68aのうち一部が印刷テープ22に転写されて、印刷テープ22に文字、記号などが印刷される。印刷場所Pを通過した使用済のインクリボン68は巻取スプール76に巻き取られる。印刷場所Pを通過した印刷テープ22の印刷面は、ローラ80と印刷装置102の押圧ローラ118により透明な貼合せテープ60が狭圧されて接着される。これにより、印刷テープ22の印刷面は貼合せテープ60により保護される。
図15は、カセット10から送り出された印刷テープ22および貼合せテープ60の積層体を模式的に示している。印刷テープ22の被印刷テープ22a側すなわち印刷面側に、一面に粘着剤60bが塗布された透明フィルム60aから構成された貼合せテープ60が、貼り着けられている。これにより、印刷テープ22の印刷面に転写されたインク68aが保護される。なお、図15に描かれた積層体の各部材22a~22c,60a,60b,68aの大きさや寸法比等は必ずしも正確ではない。
図16は、第3ケース部材16の下面を示す図である。図16には、テープケース20に対して下方に重ねて配置されているリボンケース21内、すなわち第3ケース部材16と第4ケース部材18との間の第2空間S2内に配置された貼合せテープロール64、インクリボンロール72、巻取スプール76、およびローラ80が示されている。また、図16には、第2空間S2内で上下方向(第1方向)に直交する、前後方向および左右方向に広がる投影面上に投影された、テープケース20内の印刷テープロール26、印刷テープスプール24、およびスペーサフィルム38が、1点鎖線で示されている。なお、スペーサフィルム38は印刷テープロール26と略同じ直径を有するので、図16では印刷テープロール26を表す一点鎖線で示される。
図16では、印刷テープロール26、貼合せテープロール64、およびインクリボンロール72は、それぞれ未使用の初期状態の大きさを示している。図16において、印刷テープロール26の径は、貼合せテープロール64の径よりも大きく、貼合せテープロール64の径はインクリボンロール72の径よりも大きく、インクリボンロール72の径は巻取スプール76の径よりも大きい。前後方向および左右方向における印刷テープロール26の大きさ(径寸法d)、すなわち印刷テープロール26の直径は、前後方向および左右方向の各方向におけるカセット10の大きさの半分の大きさよりも大きい。換言すると、印刷テープロール26の左右方向の寸法は、カセット10の左右方向の寸法の半分の寸法Lよりも大きく、印刷テープロール26の前後方向の寸法は、カセット10の前後方向の寸法の半分の寸法よりも大きい。
図16に示すように、貼合せテープロール64の一部、貼合せスプール62、およびそれらの回転中心である第2回転中心線C2と、インクリボンロール72の一部、供給スプール70の一部、及びそれらの回転中心である第3回転中心線C3と、巻取スプール76の一部およびその回転中心である第4回転中心線C4と、後述のカセット10の中心位置Mとは、印刷テープロール26とそれぞれ上下方向(第1方向)において重なっていて、印刷テープロール26の投影面の中に位置している。また、貼合せテープロール64および貼合せスプール62の一部と、巻取スプール76の一部と、後述のカセット10の中心位置Mとは、それぞれ上下方向(第1方向)において印刷テープスプール24と重なっていて、印刷テープスプール24の投影面の中に位置している。印刷テープロール26の回転中心である第1回転中心線C1は、貼合せテープロール64と上下方向において重なっており、第2回転中心線C2と第3回転中心線C3或いは第4回転中心線C4との間に位置している。また、印刷テープロール26(第1ロール)の回転中心である第1回転中心線C1は、貼合せテープロール(第2ロール)64の外周円およびインクリボンロール(第3ロール)72の外周円とそれら外周円に接する2本の接線とによって定義される閉曲線である凸包絡(線)Hの中に位置している。このような位置関係から明らかなように、印刷テープロール26の少なくとも一部は、貼合せテープロール64の少なくとも一部と、第1回転中心線C1と平行な第1方向において重なっている。なお、第1回転中心線C1は、印刷テープロール26の回転中心であるとともに、印刷テープスプール24の回転中心でもある。また、第2回転中心線C2は、貼合せテープロール64の回転中心であるとともに、貼合せテープスプール62の回転中心でもある。なお、第3回転中心線C3は、インクリボンロール72の回転中心であるとともに、供給スプール70の回転中心でもある。また、第4回転中心線C4は、巻取スプール24の回転中心である
図16に示すように、印刷テープ22が巻回された印刷テープスプール24の少なくとも一部と、貼合せテープ60が巻回された貼合せスプール62の少なくとも一部と、インクリボン68が巻回された供給スプール70の少なくとも一部とは、第1直線SL1上に沿って配置され、第1直線SL1上に並んでいる。また、リボンケース21には、前述のように、カセット10の装着状態において印刷ヘッド106を収容する凹溝99すなわちヘッド開口が形成されており、インクリボン68が巻き取られる巻取スプール76と凹溝99すなわちヘッド開口とは、第1直線SL1を挟む位置に、すなわち第1直線SL1に対して反対側の位置に配置されている。そして、巻取スプール76の少なくとも一部と印刷テープロール(第1ロール)26の回転中心である第1回転中心線C1とを結ぶ第2直線SL2は、第1直線SL1と直交する位置に形成される。すなわち、第1直線SL1と直交する第2直線SL2上に、巻取スプール76の少なくとも一部と印刷テープロール(第1ロール)26の回転中心である第1回転中心線C1とが、位置させられている。
図16において、印刷テープロール26の第1回転中心線C1は、貼合せテープロール64の第2回転中心線C2とインクリボンロール72の第3回転中心線C3との間を結ぶ直線の中間点近傍に位置する。第1回転中心線C1は、前後方向及び左右方向において貼合せテープロール64に重なる。すなわち、印刷テープロール26の回転中心は、貼合せテープロール64と上下方向に重なる。巻取スプール76の第4回転中心線C4は第1直線SL1の凹溝99とは反対側に位置している。第4回転中心線C4と第1中心線C1との間の距離は、第3回転中心線C3と第1中心線C1との間の距離よりも短く、第2回転中心線C2と第1中心線C1との間の距離よりも短い。
また、図16に示すように、前後方向および左右方向において、カセット10の前後方向の中心であり、且つ、左右方向の中心である中心位置Mと、印刷テープロール26の回転中心である第1回転中心線C1との間の距離は、中心位置Mと貼合せテープロール64の回転中心である第2回転中心線C2との間の距離よりも小さい。また、前後方向および左右方向において、中心位置Mと、印刷テープロール26の第1回転中心線C1との間の距離は、中心位置Mとインクリボンロール72の第3回転中心線C3との間の距離よりも短く、中心位置Mと巻取スプール76の第4回転中心線C4との間の距離よりも短い。つまり、前後方向及び左右方向において、第1回転中心線C1は、第2回転中心線C2乃至第4回転中心線C4のいずれよりもカセット10の中心に近い位置に配置されている。
図17は、図6のXVII-XVII視断面図である。上下方向において、印刷テープロール26の上下方向の一方側(下側)端部と、貼合せテープロール64の上下方向の他方側(上側)端部との間の距離Dは、貼合せテープロール64の一方向の長さ(貼合せテープ60の幅寸法W1)よりも小さい。印刷テープ22と貼合せテープ60とは同じ幅寸法であるので、距離Dは、印刷テープロール26の幅寸法よりも小さい。
そして、上下方向と直交する前後方向、及び、上下方向と前後方向とに直交する左右方向において、カセット10の前後方向の中心及び左右方向の中心である中心位置Mから印刷テープロール26の回転中心である第1回転中心線C1までの距離は、中心位置Mから貼合せテープロール64の回転中心である第2回転中心線C2までの距離よりも小さい。印刷テープロール26の径は貼合せテープロール64の径よりも大きい。この印刷テープロール26、巻取スプール76、インクリボン68が巻回された供給スプール70の外周円を接線で結ぶことにより形成される凸包絡(線)Hの大きさ(面積)は、上下方向と直交する前後方向および左右方向を含む面内において、テープケース20およびリボンケース21の面積の半分よりも大きく設定されている。
図18は、印刷システム122に含まれる印刷装置102の一部に設けられたカセット装着部104を示している。カセット装着部104には、嵌め入れられたカセット10を位置決めする矩形の位置決め穴112と、位置決め穴112の底面に立設された巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110とが設けられている。位置決め穴112は、カセット10の下ケースであるリボンケース21の一部を収容する収容部として機能している。これら巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110は、図示しないステップモータによりギヤ機構を介して同じ方向に回転駆動される。また、カセット装着部104の位置決め穴112の底面には、熱式の印刷ヘッド(サーマルプリントヘッド)106が固着されたヘッド保持板114が立設されており、プラテンローラ116および押圧ローラ118が回転可能に先端部に設けられたプラテン保持部材120がその基端部まわりに回動可能に設けられている。ヘッド保持板114は、たとえばアルミニウム製の金属板であって、印刷ヘッドのヒートシンクを兼ねている。
カセット10が、印刷装置102のカセット装着部104に装着されると、カセット装着部104に立設された巻取スプール駆動軸108およびローラ駆動軸110が巻取スプール76およびローラ80に連結される。次いで、カセット10がカセット装着部104に装着された状態で印刷装置102の図示しないカバーが閉じられると、プラテン保持部材120がその基端部まわりに回動させられて、プラテンローラ116および押圧ローラ118が印刷ヘッド106およびカセット10のローラ80へ押圧されるようになっている。印刷装置102とカセット10とが、印刷システム122を構成している。
本実施形態のカセット10によれば、第1層L1に配置され、印刷される印刷テープ(第1テープ)22が巻回されて構成される印刷テープロール(第1ロール)26と、第2層L2に配置され、印刷テープ(第1テープ)22に貼り合わされる貼合せテープ(第2テープ)60が巻回されて構成される貼合せテープロール(第2ロール)64とを備えた2層構造のカセット10であって、印刷テープロール26の少なくとも一部は、貼合せテープロール64の少なくとも一部と、印刷テープロール26の回転中心である第1回転中心線C1と平行な第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、テープロール26の少なくとも一部が、貼合せテープロール64の少なくとも一部と第1方向に重なっていない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26と、第2層L2に配置され、印刷テープロール26の印刷テープ(第1テープ)22の印刷に使用されるインクリボン68が巻回されたインクリボンロール(第3ロール)72の少なくとも一部とが、第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、印刷テープロール26とインクリボンロール72の少なくとも一部とが重なっていない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26と、第2層L2に配置され、印刷テープ(第1テープ)22の印刷に使用されるインクリボン68が巻き取られる巻取スプール76の少なくとも一部とが、第1方向に重なっている。これにより、カセット10は、印刷テープロール26と巻取スプール76の少なくとも一部とが第1方向に重なっていない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の回転中心である第1回転中心線C1は、貼合せテープロール(第2ロール)64の回転中心である第2回転中心線C2と供給スプール70の回転中心である第3回転中心線C3あるいは巻取スプール76の回転中心である第4回転中心線C4との間にある。これにより、カセット10は、第1回転中心線C1が、第2回転中心線C2と第3回転中心線C3あるいは第4回転中心線C4との間にない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の回転中心である第1回転中心線C1は、貼合せテープロール(第2ロール)64の外周円およびリンクリボンロール(第3ロール)72の外周円とそれら外周円に接する2本の接線とによって定義される閉曲線である凸包絡(線)Hの中にある。これにより、カセット10は、印刷テープロール26の第1回転中心線C1が貼合せテープロール64の外周円およびインクリボンロール72の外周円とそれらの外周円に接する2本の接線とによって定義される凸包絡(線)Hの中にない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープ(第1テープ)22が巻回された印刷テープスプール(第1スプール)24の少なくとも一部と、貼合せテープ(第2テープ)60が巻回された貼合せスプール(第2スプール)62の少なくとも一部と、インクリボン68が巻回された供給スプール(第3スプール)70の少なくとも一部とは、第1直線SL1上に並ぶ。これにより、カセット10は、印刷テープ22が巻回された印刷テープスプール24の少なくとも一部と、貼合せテープ60が巻回された貼合せスプール62の少なくとも一部と、インクリボン68が巻回された供給スプール70の少なくとも一部とが、第1直線SL1上に並んでいない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、インクリボン68が巻き取られる巻取スプール76と、カセット10の装着時に印刷ヘッド106が収容される凹溝(ヘッド開口)11が更に設けられ、巻取スプール76と凹溝99とは、第1直線SL1を挟む位置に配置されている。これにより、カセット10は、巻取スプール76と凹溝99とが第1直線SL1を挟む位置に配置されていない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、インクリボン68が巻き取られる巻取スプール76が設けられ、巻取スプール76の少なくとも一部と印刷テープロール(第1ロール)26の回転中心である第1回転中心線C1を結ぶ第2直線SL2は、第1直線SL1と直交する。これにより、カセット10は、巻取スプール76の少なくとも一部と印刷テープロール(第1ロール)26の第1回転中心線C1とを結ぶ第2直線SL2が第1直線SL1と直交しない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の直径は、貼合せテープロール(第2ロール)64の直径及びリンクリボンロール(第3ロール)72の直径より大きい。これにより、カセット10は、印刷テープロール26の直径が貼合せテープロール64の直径及びインクリボンロール72の直径より大きくない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の第1回転中心線C1の方向と、貼合せテープロール(第2ロール)64の第2回転中心線C2方向と、リンクリボンロール(第3ロール)72の第3中心線C3の方向は、第1方向と平行である。これにより、カセット10は、印刷テープロール26の第1回転中心線C1の方向と貼合せテープロール64の第2回転中心線C2の方向とインクリボンロール72の第3回転中心線C3方向とが、第1方向と平行でない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の少なくとも一部と貼合せスプール(第2スプール)62の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、印刷テープロール26の少なくとも一部と貼合せスプール62の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープスプール(第1スプール)24の少なくとも一部と貼合せテープロール(第2ロール)64の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、印刷テープスプール24の少なくとも一部と貼合せテープロール64の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープスプール(第1スプール)24の少なくとも一部と貼合せスプール(第2スプール)62の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、印刷テープスプール24の少なくとも一部と貼合せスプール62の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26と貼合せテープロール(第2ロール)64の第2回転中心線C2とが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、第1ロールと第2ロールの回転中心とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26の第1回転中心線C1と貼合せテープロール(第2ロール)64とが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、印刷テープロール26の第1回転中心線C1と貼合せテープロール64とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット10によれば、印刷テープロール(第1ロール)26とカセット10の平面視での中心位置Mとが第1方向に重なる。これにより、カセット10は、印刷テープロール26とカセット10の中心位置Mとが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
ここで、前述した実施形態には種々の変更が加えられ得る。例えば、上記実施形態のカセット10はローラ80を備えていたが、ローラ80を備えていなくてもよい。また、印刷テープロール26、貼合せテープロール64、インクリボンロール72及び巻取スプール76は、前後方向及び左右方向に対して水平に設けられていなくてもよい。例えば貼合せテープロール64が前後方向及び左右方向に対して水平に設けられていない場合、貼合せテープ60の幅方向は、上記実施形態の上下方向とは異なる方向となり、貼合せテープロール64の径方向に直交する方向も上記実施形態の上下方向とは異なる方向となる。この場合、幅方向である第1方向もしくは径方向に直交する直交方向と直交する第2方向、及び、第1方向もしくは直交方向と第2方向とに直交する第3方向は、各々上記実施形態の前後方向及び左右方向とは異なる方向となる。
また、貼合せテープ60及びインクリボン68の搬送経路は図14に示す経路に限らず、適宜様々な経路を採用することができる。また、例えば貼合せテープロール64が巻取スプール76よりも右側に配置されてもよい。また、貼合せテープロール64、インクリボンロール72及び巻取スプール76の配置は上記実施形態に示す位置に限定されるものではない。
前述の実施形態では、カセット10は、第1ケース部材12、第2ケース部材14、第3ケース部材16および第4ケース部材18の4つのケース部材が上下方向に重ねられて構成されていたが、カセット10はこの構成に限定されるものではない。例えば図19に示すように、カセット10は、第1ケース部材12と第5ケース部材501と第4ケース部材18の3つのケース部材が上下方向に積層されて構成されていてもよい。第5ケース部材501は、上記実施形態の貫通穴52,58に相当する上下に貫通する貫通穴502を有するとともに、第1空間S1と第2空間S2とを区画する。第5ケース部材501は、上面側の構成が第2ケース部材14の上面側と同じ形状に構成され、下面側が第3ケース部材16の下面側と同じ形状に構成されるとよい。この変形例の場合、第1ケース部材12と第5ケース部材501により、内部に第1空間S1を有するテープケース20が構成され、第5ケース部材501と第4ケース部材18により、内部に第2空間S2を有するリボンケース21が構成される。
前述の実施形態では、印刷テープロール26は、印刷テープ22が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール24に巻回されて構成されていたが、印刷テープ22は印刷テープスプール24に巻回されず、第1支持突起30及び第2支持突起32を中心に巻回されることで印刷テープロール26を構成してもよい。同様に、貼合せテープ60は、貼合せスプール62に巻回されることなく巻回され、貼合せテープロール保持壁84及び円弧状壁92により貼合せテープ60の外周が規定されて配置されてもよい。
また、前述の実施形態では、貼合せテープロール64は、印刷テープスプール24及び印刷テープスプール24に巻回された印刷テープ22の両方に対し上下方向に重なっていたが、貼合せテープロール64は、印刷テープスプール24に巻回された印刷テープ22のみに上下方向に重なっていてもよい。また、印刷テープロール26は、貼合せスプール62及び貼合せスプール62に巻回された貼合せテープ60の両方に対し上下方向に重なっていたが、貼合せスプール62に巻回された貼合せテープ60のみに上下方向に重なっていてもよい。
[実施形態2]
図20は、本発明の他の実施形態である、印刷テープ422自身が熱により発色する感熱(サーマル)タイプのカセット410を正面側すなわち上面から示す斜視図であり、図21は、カセット410を裏面側すなわち下面から示す斜視図である。カセット410は、全体として直方体状を成し、カセット10よりも左右方向の寸法が短く、且つインクリボンロール72および巻取スプール76を備えないが、図18のカセット装着部104と同様に構成されたカセット装着部に着脱可能に装着される。この場合のカセット装着部には、巻取スプール駆動軸108は備えられておらず、ローラ駆動軸110が突設されている。
本実施形態のカセット410は、貼合せテープロール464およびローラ480を備えるが、巻取スプールおよびインクリボンロールは備えられていない。カセット410に備えられた印刷テープ422の被印刷テープ422aは、熱を受けて自己発色する感熱紙から構成されている。カセット410は、カセット10、210と同様に、第1ケース部材412および第2ケース部材414から構成され、内部に形成された第1空間S1に印刷テープロール426を備える第1ケースすなわちテープケース420と、テープケース420の下方側に位置するように装着され、第3ケース部材416および第4ケース部材418から構成され、内部に形成された第2空間S2に貼合せテープロール464を備える第2ケースすなわちケース421とを備えている。第1ケース部材412、第2ケース部材414、第3ケース部材416および第4ケース部材418は、相互に重ねられた状態で、相互の外周壁間にそれぞれ設けられた複数の係止爪427と固定爪428との係合と位置決め突起429による位置決めとによって相互に固定されることにより、カセット410を構成している。
図21において、カセット410の第4ケース部材218の底面には、カセット210が印刷装置102のカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられたローラ駆動軸110が差し入れられる、後述のローラ480の軸端がローラ露出穴498を通して、露出させられている。また、第3ケース部材416および第4ケース部材418の側面には、カセット410がカセット装着部104に装着されたとき、カセット装着部104に設けられた後述の印刷ヘッド106が挿入される凹溝411が形成されている。
図22は、第1ケース部材412、第2ケース部材414、第3ケース部材416、および第4ケース部材418を分離させて、カセット410の内部構成を説明する斜視図である。図23および図24は、第1ケース部材412の上(正)面側および下(裏)面側を示しており、実施形態2のカセット210の第1ケース部材212と同様に構成されている。図25および図26は、第2ケース部材414の上(正)面側および下(裏)面側を示している。第1ケース部材412の上(正)面側は図4に、第1ケース部材412の下(裏)面側は図5に対応している。図27および図28は、第3ケース部材216の上(正)面側および下(裏)面側を示す図である。図29および図30は第4ケース部材418の上(正)面側および下(裏)面側を示す図である。
第1ケース部材412と第2ケース部材414との間には、印刷テープ422が円筒状の軸芯材である印刷テープスプール424に巻回された印刷テープロール426を上下方向に平行な第1回転中心線C1まわりに回転可能に収容する第1空間S1が形成されている。上下方向とは、第1ケース部材412から第4ケース部材418の積重ね方向である第1方向に対応し、上方向とは第1ケース部材212側へ向かう方向、下方向とは第4ケース部材218へ向かう方向を示している。第1ケース部材412および第2ケース部材214は長方形状であって、第1回転中心線C1は長手方向の中心からやや下偏心した位置に設けられている。印刷テープ422は印刷ヘッド106によって印刷される第1テープに対応し、印刷テープロール426は第1ロールに対応し、印刷テープスプール424は第1スプールに対応している。印刷テープ422は、たとえば図32に示すように、基材としての被印刷テープ422aの印刷面とは反対側の面に、剥離テープ422cが粘着剤422bを介して積層されることにより構成されたものである。本実施形態では、被印刷テープ422aは、加熱によってたとえば黒色に自己発色する感熱材料から構成されており、図32の被印刷テープ422aの一部には、局所発色領域422dが示されている。
図24、図25に示すように、第1ケース部材412の下面側および第2ケース部材414の上面側には、印刷テープスプール424の上端および他端に回転可能に嵌合して印刷テープロール426を回転可能に支持する円筒状の第1支持突起430および第2支持突起432と、未使用状態の印刷テープロール426の外径よりも大きい内径を有する第1円周壁434および第2円周壁436とが、第1回転中心線C1と同じ中心線を有する状態で突設されている。印刷テープスプール424は、第1円周壁434および第2円周壁436内に回転可能に保持された状態で、印刷テープロール426の外径と同じ外径を有する円形のスペーサフィルム438をそれぞれ介在させた状態で第1ケース部材412と第2ケース部材414との間に配設されている。
図25に示すように、第2ケース部材414の底板414aには、第2円周壁436と外周壁446の短辺部446aおよび長辺部446bとの間に沿って長手状に形成された第3開口である貫通穴452と、第2円周壁436のうち短辺部446aおよび長辺部446bの角部と対向する部分と貫通穴452との間においてリブ先端縁454aの外接面がテーパ面となるように形成された複数の案内リブ454とが、形成されている。複数の案内リブ454のリブ先端縁454aの外接面が形成するテーパ面は、印刷テープロール426から巻き出され印刷テープ422を貫通穴452内へ導くためのものである。これにより、印刷テープ422は、第1層L1および第1空間S1と第2層L2および第2空間内S2との間の隔壁として機能する底板414aに形成された貫通穴452を通して、テープケース420と下ケース421とに架け渡されている。
図26および図27において、第2ケース部材414の底板414aおよび第3ケース部材416の天井板416eは、テープケース420内の第1空間S1と下ケース421内の第2空間S2とを区画する板材或いは隔壁に対応している。
図28は、第3ケース部材416の下面側を示している。第3ケース部材416の下面には、貼合せテープロール464を保持する貼合ロール保持壁484と、貼合せテープロール464の貼合せスプール462を嵌め入れてそれを回転可能に支持する円筒状突起466とが、形成されている。貼合ロール保持壁484は、貼合せスプール462を保持するために円筒状突起466と同心の円弧状に形成されている。
図29および図30は、第4ケース部材218の上面および下面を示している。図29および図30において、円筒状突起466によって回転可能に支持された貼合せテープロール464の貼合せスプール462の第4ケース部材218側の端部を嵌め入れてそれを回転可能に支持する貼合せスプール支持穴494が第4ケース部材218を貫通して形成されている。また、第4ケース部材218には、ローラ480の第4ケース部材218側の端部を嵌め入れてそれを回転可能に支持するとともに、ローラ480の第4ケース部材218側の軸端を露出させて、ローラ駆動軸110と連結可能とするローラ露出穴498が、貫通状態で設けられている。
図31は、第3ケース部材416の下面を示す図を用いて、印刷テープロール426から引き出される印刷テープ422、および貼合せテープロール464から引き出される貼合せテープ460の経路を、それぞれ説明している。カセット410がローラ駆動軸110が立設されたカセット装着部104に装着されたとき、ローラ駆動軸110により回転駆動されるローラ480が印刷テープ422および貼合せテープ460を挟圧しつつ送ることにより、印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間において印刷テープ422が印刷テープロール426から引き出され、排出口500から排出される。図32では、印刷テープ422の経路と、貼合せテープ460の経路とが、1点鎖線および破線でそれぞれ示されている。
印刷ヘッド106とプラテンローラ116との間の印刷場所Pでは、印刷テープ422が印刷ヘッド106に押しつけられた状態で、印刷ヘッド106の表面に配置された複数の発熱素子が選択的に駆動されて局所発熱すると、印刷テープ422の被印刷テープ422aが自己発色することで、印刷テープ422に文字、記号などが印刷される。
図32は、カセット410から送り出された印刷テープ422の積層構造体を示している。印刷テープ422は、被印刷テープ422aと、被印刷テープ422aの非印刷面側に粘着剤422bを介して貼り着けられた剥離テープ422cとの積層体である。被印刷テープ422aには、局所発色領域422dが形成されている。印刷テープ422の基材としての被印刷テープ422aには、貼合せテープ460の透明フィルム460aが粘着剤460bを介して積層されている。
図33では、印刷テープロール426、および、貼合せテープロール464は、それぞれ未使用の初期状態の大きさを示している。第3ケース部材416と第4ケース部材418との間の第2空間S2内すなわち下ケース421内に収容された貼合せテープロール464が実線で示され、それに上下方向に重ねて、第1ケース部材412と第2ケース部材414との間の第1空間S1内すなわちテープケース420内に収容された印刷テープロール426およびそれと同径のスペーサフィルム438が、第2空間S2内で上下方向に直交する投影面上に一点鎖線(仮想線)で示されている。図33は未使用すなわち初期状態の印刷テープロール426、貼合せテープロール464を示している。図33に示されるように、未使用すなわち初期状態の印刷テープロール426の径は、貼合せテープロール464の径よりも大きい。
図33において、印刷テープロール426は、貼合せテープロール464の第2回転中心線C2と上下方向すなわち第1方向において重なっている。換言すれば、印刷テープロール426の投影面の中に、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2が上下方向すなわち第1方向において重なっている。また、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2は、印刷テープロール426およびスペーサフィルム438と上下方向すなわち第1方向に重なっている。すなわち、貼合せテープロール464の少なくとも一部および第2回転中心線C2は、印刷テープロール426およびスペーサフィルム438の投影面の中に位置している。
図33に示すように、貼合せテープロール464の一部、貼合せスプール462、およびそれらの回転中心である第2回転中心線C2と、カセット410の中心位置Mとは、印刷テープロール426とそれぞれ上下方向(第1方向)において重なっていて、印刷テープロール426の投影面の中に位置している。また、貼合せテープロール464および貼合せスプール62の一部と、後述のカセット410の中心位置Mとは、それぞれ上下方向(第1方向)において印刷テープスプール424と重なっていて、印刷テープスプール424の投影面の中に位置している。このような位置関係から明らかなように、印刷テープロール426の少なくとも一部は、貼合せテープロール464の少なくとも一部と、第1回転中心線C1と平行な第1方向において重なっている。
以上のように構成された本実施態様のカセット410によれば、第1層L1に配置され、印刷される印刷テープ(第1テープ)422が巻回されて構成される印刷テープロール(第1ロール)426と、第2層L2に配置され、印刷テープ(第1テープ)422に貼り合わされる貼合せテープ(第2テープ)460が巻回されて構成される貼合せテープロール(第2ロール)464とを備えた2層構造のカセット410であって、印刷テープロール426の少なくとも一部は、貼合せテープロール464の少なくとも一部と、印刷テープロール426の回転中心である第1回転中心線C1と平行な第1方向に重なっている。これにより、カセット410は、印刷テープロール426の少なくとも一部が、貼合せテープロール464の少なくとも一部と第1方向に重なっていない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール(第1ロール)426の少なくとも一部と貼合せスプール(第2スプール)462の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、印刷テープロール426の少なくとも一部と貼合せスプール462の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープスプール(第1スプール)424の少なくとも一部と貼合せテープロール(第2ロール)464の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、印刷テープスプール424の少なくとも一部と貼合せテープロール464の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープスプール(第1スプール)424の少なくとも一部と貼合せスプール(第2スプール)462の少なくとも一部とが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、印刷テープスプール424の少なくとも一部と貼合せスプール462の少なくとも一部とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール(第1ロール)426と貼合せテープロール(第2ロール)464の第2回転中心線C2とが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、第1ロールと第2ロールの回転中心とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール(第1ロール)426の第1回転中心線C1と貼合せテープロール(第2ロール)464とが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、印刷テープロール426の第1回転中心線C1と貼合せテープロール464とが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
本実施形態のカセット410によれば、印刷テープロール(第1ロール)426とカセット410の平面視での中心位置Mとが第1方向に重なる。これにより、カセット410は、印刷テープロール426とカセット410の中心位置Mとが第1方向に重ならない場合よりも、小型化が可能となる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施態様であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において、当業者の知識に基づいて種々の変更が加えられ得る。