JP7439596B2 - 基板カートリッジ - Google Patents

Description

本発明は、テープ印刷装置のカートリッジ装着部に装着される基板カートリッジに関するものである。

従来、特許文献１が開示するように、リボンカセットが装着されるリボンカセット装着部を備え、リボンカセット装着部に導入されたチューブに対して印刷を行う印刷装置が知られている。

特開２０１７－１７７７０９号公報

チューブの一種類である例えばチューブＡに関するチューブ情報が記憶された回路基板と一体化されたリボンカセットが、リボンカセット装着部に装着された状態では、印刷装置が回路基板からチューブＡに関するチューブ情報を読み取るため、チューブＡ以外のチューブを使用することができない。このため、ユーザーは、チューブＡ以外のチューブを使用するためには、リボンカセット装着部に装着されたリボンカセットを他のリボンカセットと交換する必要がある。このため、リボンカセット装着部に装着されたリボンカセットを、複数種類のチューブに対応させることができない。

本発明の基板カートリッジは、テープに印刷を行うテープ印刷装置のカートリッジ装着部に、インクリボンを備えたリボンカートリッジと共に装着可能であり、リボンカートリッジと別体に構成された基板カートリッジであって、複数種類のテープのうち、一の種類のテープに関するテープ情報が記憶された回路基板と、回路基板を保持した基板ホルダーと、を備えた。

リボンカートリッジおよび基板カートリッジが装着されていない状態のテープ印刷装置を＋Ｚ方向から見た図である。 リボンカートリッジおよび基板カートリッジが装着された状態のテープ印刷装置を＋Ｚ方向から見た図である。 リボンカートリッジの斜視図である。 基板カートリッジの斜視図である。 基板カートリッジを－Ｚ方向から見た図である。 テープ印刷装置の制御構成を示すブロック図である。 基板カートリッジの回路基板に記憶されているテープ情報を示す表である。 変形例に係る基板カートリッジを－Ｚ方向から見た図である。

以下、添付の図面を参照しつつ、基板カートリッジの一実施形態である基板カートリッジ２０１について説明する。なお、以下では、各図に示したＸＹＺ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。

［テープ印刷装置、リボンカートリッジおよび基板カートリッジの概要］
図１および図２に示すように、テープ印刷装置１は、装置ケース３と、装着部カバー５とを備えている。装置ケース３は、略直方体状に形成されている。装置ケース３の＋Ｘ方向の面には、装置側テープ導入口７が設けられ、装置ケース３の－Ｘ方向の面には、装置側テープ排出口９が設けられている。装置ケース３には、テープ印刷装置１外に設けられたテープロール（図示省略）から繰り出されたテープ３０１が導入される。すなわち、テープロールから繰り出されたテープ３０１は、装置側テープ導入口７から装置ケース３内に導入され、装置側テープ排出口９から装置ケース３外へ排出される。テープ３０１は、図示省略したが、サーマルヘッド１５により印刷が行われる印刷テープと、印刷テープの粘着面に剥離可能に貼付された剥離テープとを備えている。

装着部カバー５は、装置ケース３の＋Ｙ方向の端部に回動可能に取り付けられており、カートリッジ装着部１１を開閉する。カートリッジ装着部１１には、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１が着脱可能に装着される。カートリッジ装着部１１は、＋Ｚ方向が開放された凹状に形成されている。カートリッジ装着部１１の底面である装着底面１３には、ヘッド部１４が設けられている。ヘッド部１４は、サーマルヘッド１５と、ヘッドカバー１６とを備えている。サーマルヘッド１５は、発熱素子（図示省略）を備えている。ヘッドカバー１６は、サーマルヘッド１５の一部を覆っている。また、装着底面１３には、プラテン軸１７と、繰出し軸１９と、巻取り軸２１とが設けられている。

ヘッドカバー１６およびプラテン軸１７は、繰出し軸１９および巻取り軸２１と比べて、＋Ｚ方向への突出量が大きい。ヘッドカバー１６およびプラテン軸１７は、リボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着される際に、後述するヘッド挿通孔１１３およびプラテンローラー１０３にそれぞれ挿入され、リボンカートリッジ１０１の装着をガイドする。

さらに、装着底面１３からは、係合凸部２３が＋Ｚ方向に突出している。係合凸部２３には、基板カートリッジ２０１が着脱可能に装着される。係合凸部２３は、係合凸部２３の＋Ｘ方向に位置するカートリッジ装着部１１の内側面と向かい合った板状に形成されている。すなわち、係合凸部２３は、＋Ｚ方向から見て、Ｙ方向に長い略長方形状に形成されている。

係合凸部２３と向かい合ったカートリッジ装着部１１の内側面には、基板接続部２５が設けられている。基板接続部２５は、複数の接触端子部２７を備えている。複数の接触端子部２７は、基板カートリッジ２０１の回路基板２０３に設けられた複数の電極２０７（図４参照）と接触する。接触端子部２７は、折り返して略「Ｕ」字状に湾曲した形状を有する金属製の弾性部材であり、基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着されると、基板カートリッジ２０１から力を受けることによって、＋Ｘ方向に弾性変位する。このため、接触端子部２７は、その弾性変位に伴う押圧力により、回路基板２０３を－Ｘ方向に押す。

カートリッジ装着部１１と装置側テープ排出口９との間には、フルカッター２９と、ハーフカッター３１とが設けられている。フルカッター２９は、テープ３０１をフルカットする。フルカットとは、テープ３０１を構成する印刷テープおよび剥離テープの双方を切断することを意味する。ハーフカッター３１は、テープ３０１をハーフカットする。ハーフカットとは、テープ３０１を構成する印刷テープおよび剥離テープの一方を切断せずに、他方を切断することを意味し、本実施形態では、剥離テープを切断せずに、印刷テープを切断する。

図２に示すように、リボンカートリッジ１０１は、プラテンローラー１０３と、繰出しコア１０５と、巻取りコア１０７と、これらを収容したカートリッジケース１０９とを備えている。繰出しコア１０５には、インクリボン１１１が巻回されている。繰出しコア１０５から繰り出されたインクリボン１１１は、巻取りコア１０７に巻き取られる。なお、テープ印刷装置１は、繰出し軸１９を回転させることにより、繰出しコア１０５にインクリボン１１１を巻き戻すことも可能である。カートリッジケース１０９には、ヘッド挿通孔１１３が、Ｚ方向に貫通して設けられている。リボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着されると、ヘッド部１４、プラテン軸１７、繰出し軸１９および巻取り軸２１が、それぞれ、ヘッド挿通孔１１３、プラテンローラー１０３、繰出しコア１０５および巻取りコア１０７に挿入される。

カートリッジケース１０９には、＋Ｚ方向が開放された溝状のテープ経路１１５が設けられている。テープ経路１１５は、Ｘ方向に対して斜めに延在している。テープ経路１１５の＋Ｘ方向の端部を、カートリッジ側テープ導入口１２３といい、テープ経路１１５の－Ｘ方向の端部を、カートリッジ側テープ排出口１２５という。装置側テープ導入口７から装置ケース３内に導入されたテープ３０１は、カートリッジ側テープ導入口１２３からテープ経路１１５に導入される。テープ経路１１５に導入されたテープ３０１は、カートリッジ側テープ排出口１２５から装置側テープ排出口９へ向けて排出される。テープ経路１１５は、ヘッド挿通孔１１３とプラテンローラー１０３との間を通っている。

テープ経路１１５には、リボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着される前に、ユーザーにより、テープ３０１が、テープ３０１の幅方向の一方の縁部、すなわち－Ｚ方向の縁部から、－Ｚ方向へ挿入される。リボンカートリッジ１０１は、テープ経路１１５にテープ３０１が挿入された状態で、カートリッジ装着部１１に装着される。

基板カートリッジ２０１は、リボンカートリッジ１０１と共に、カートリッジ装着部１１に装着される。このとき、基板カートリッジ２０１は、装着底面１３から突出した係合凸部２３と係合する。リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着された状態では、リボンカートリッジ１０１と基板カートリッジ２０１との間に隙間が生じている。

基板カートリッジ２０１は、リボンカートリッジ１０１とは別体に構成されている。このため、ユーザーは、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１に装着した後、リボンカートリッジ１０１を装着したまま、基板カートリッジ２０１のみを他の基板カートリッジ２０１と交換することができる。これとは逆に、ユーザーは、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１に装着した後、基板カートリッジ２０１を装着したまま、リボンカートリッジ１０１のみを他のリボンカートリッジ１０１と交換することができる。

リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着された後、装着部カバー５が閉められると、ヘッド移動機構（図示省略）により、サーマルヘッド１５がプラテン軸１７に向けて移動する。これにより、サーマルヘッド１５とプラテンローラー１０３との間に、テープ３０１およびインクリボン１１１が挟持される。この状態で、テープ印刷装置１は、テープ印刷装置１への文字等の入力操作により生成された印刷データ、或いはテープ印刷装置１がパソコンなどの外部装置から受信した印刷データ、に基づいて、印刷処理を行う。すなわち、テープ印刷装置１は、プラテンローラー１０３により、テープ３０１およびインクリボン１１１を送りながら、サーマルヘッド１５が発熱することで、印刷データに基づく印刷画像をテープ３０１に印刷する。

［カートリッジケース］
図３に示すように、カートリッジケース１０９は、第１手前側ケース１１６と、第２手前側ケース１１８と、奥側ケース１２０とを備えている。リボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着される際には、第１手前側ケース１１６および第２手前側ケース１１８が、リボンカートリッジ１０１の装着方向の手前側となり、奥側ケース１２０が、リボンカートリッジ１０１の装着方向の奥側となる。なお、リボンカートリッジ１０１の装着方向とは、リボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着される方向すなわち－Ｚ方向を意味し、プラテン軸１７が延在する方向と平行である。リボンカートリッジ１０１の装着方向の手前側とは、＋Ｚ方向を意味し、リボンカートリッジ１０１の装着方向の奥側とは、－Ｚ方向を意味する。

第１手前側ケース１１６は、奥側ケース１２０と組み合わされている。同様に、第２手前側ケース１１８は、奥側ケース１２０と組み合わされている。第１手前側ケース１１６と第２手前側ケース１１８との間に、テープ経路１１５が設けられている。すなわち、第１手前側ケース１１６は、テープ経路１１５に対して、－Ｙ方向に設けられ、第２手前側ケース１１８は、テープ経路１１５に対して、＋Ｙ方向に設けられている。

［基板カートリッジ］
図４および図５に示すように、基板カートリッジ２０１は、回路基板２０３と、基板ホルダー２０５とを備えている。

回路基板２０３は、略長方形の板状に形成されている。回路基板２０３には、例えばＩＣパッケージやＩＣチップなどのメモリー素子（図示省略）が設けられている。また、回路基板２０３の外面となる＋Ｘ方向の面には、複数の電極２０７が設けられている。基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着されると、複数の電極２０７が、上述した複数の接触端子部２７と接触する。これにより、テープ印刷装置１は、メモリー素子に記憶された各種情報を読み取ることができ、また、メモリー素子に各種情報を書き込むことができる。

基板ホルダー２０５は、回路基板２０３を保持している。基板ホルダー２０５は、基板保持部２０９と、係合穴２１１と、摘み部２１３とを備えている。

基板保持部２０９は、基板ホルダー２０５の＋Ｘ方向の面である基板保持面２１５において、＋Ｙ方向の端部および－Ｙ方向の端部で、－Ｚ方向側の２か所に設けられている。各基板保持部２０９は、基板保持面２１５から＋Ｘ方向に突出した後、他方の基板保持部２０９に向かって屈曲した形状に形成されている。基板保持部２０９は、基板保持部２０９と基板保持面２１５との間に、＋Ｚ方向から－Ｚ方向へ差し込まれた回路基板２０３を、回路基板２０３の＋Ｙ方向の縁部或いは回路基板２０３の－Ｙ方向の縁部と係合することで、保持する。

係合穴２１１は、基板ホルダー２０５の－Ｚ方向の面に設けられている。係合穴２１１は、－Ｚ方向から見て、Ｙ方向に長い略長方形状に形成されている。係合穴２１１には、基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着されたときに、係合凸部２３が挿入される。換言すれば、ユーザーは、係合穴２１１に係合凸部２３を挿入することで、基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１に適切に装着することができる。なお、係合穴２１１の縁部は、係合穴２１１に係合凸部２３を挿入しやすいように、面取り加工されている。

係合穴２１１が係合凸部２３と係合した状態では、＋Ｘ方向から順に、接触端子部２７、回路基板２０３および係合凸部２３が並ぶことになる。このため、係合凸部２３が、接触端子部２７の－Ｘ方向への押圧力に対する受けとして機能する。これにより、接触端子部２７の押圧力を受けた回路基板２０３が撓み変形することを、抑制することができる。

摘み部２１３は、基板ホルダー２０５の＋Ｚ方向の面から＋Ｚ方向に突出している。摘み部２１３は、基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着されるとき、或いは基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１から取り外されるときに、ユーザーにより摘ままれる部位となる。すなわち、ユーザーは、摘み部２１３を指で摘まむことで、基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１に容易に装着することができ、また、基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１から容易に取り外すことができる。

［制御部］
図６に示すように、テープ印刷装置１は、制御部３３を備えている。制御部３３は、送りモーター３５、カッターモーター３７およびサーマルヘッド１５を制御する。なお、送りモーター３５は、プラテンローラー１０３の駆動源である。カッターモーター３７は、フルカッター２９およびハーフカッター３１の駆動源である。また、制御部３３は、基板接続部２５を介して、カートリッジ装着部１１に装着された基板カートリッジ２０１が備える回路基板２０３から各種情報を読み取り、回路基板２０３に各種情報を書き込む。

制御部３３は、プロセッサー３９と、メモリー４１とを備えている。プロセッサー３９は、メモリー４１に記憶されたプログラムを実行することで、各種の制御処理を行う。なお、プロセッサー３９は、例えば、１個或いは複数個のＣＰＵ（Central Processing Unit）である。プロセッサー３９は、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）などのハードウェア回路でもよく、１以上のＣＰＵとＡＳＩＣなどのハードウェア回路とが協働して処理を行う構成でもよい。メモリー４１は、例えば、ＲＯＭ（Read Only Memory）と、ＲＡＭ（Random Access Memory）と、ＣＧＲＯＭ（Character Generator ROM）とを備えている。

［回路基板に記憶されている情報］
ここで、テープ３０１には、幅や材質などが異なる複数種類のものが用意されている。回路基板２０３には、複数種類のテープ３０１のうち、一の種類のテープ３０１に関するテープ情報が記憶されている。例えば、テープ３０１の種類として、テープＡ、テープＢおよびテープＣの３種類がある場合に、テープＡに関するテープ情報が記憶された回路基板２０３を備えた基板カートリッジ２０１を、基板カートリッジＡという。テープＢに関するテープ情報が記憶された回路基板２０３を備えた基板カートリッジ２０１を、基板カートリッジＢという。テープＣに関するテープ情報が記憶された回路基板２０３を備えた基板カートリッジ２０１を、基板カートリッジＣという。

基板カートリッジ２０１は、回路基板２０３に記憶されたテープ情報に対応するテープ３０１と共に、セットにして販売される。例えば、基板カートリッジＡは、テープＡと共に、セットにして販売される。換言すれば、基板カートリッジ２０１の回路基板２０３には、セットにして販売されるテープ３０１のテープ情報が記憶されている。なお、基板カートリッジ２０１とテープ３０１とは、別々に販売されてもよい。

図７に示すように、基板カートリッジ２０１の回路基板２０３に記憶されるテープ情報には、テープ幅情報と、テープ材質情報と、フルカット情報と、ハーフカット情報と、送り量上限情報とが含まれる。

テープ幅情報は、テープ３０１の幅に関する情報である。なお、テープ３０１の幅には、例えば、９ｍｍ、１２ｍｍ、１８ｍｍ、２４ｍｍ、３６ｍｍおよび５０ｍｍなどが含まれる。

テープ材質情報は、テープ３０１の材質に関する情報である。なお、テープ３０１の材質には、例えば、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、布、紙およびマグネットなどが含まれる。

フルカット情報は、フルカッター２９によるフルカットを禁止するか否かに関する情報である。フルカット情報は、テープ３０１の材質に応じて、例えば、禁止および許可のいずれかに設定される。制御部３３は、回路基板２０３から読み取ったフルカット情報に基づいて、カッターモーター３７を制御する。すなわち、制御部３３は、フルカット情報が禁止の場合には、フルカットのためにカッターモーター３７が作動することを禁止し、フルカット情報が許可の場合には、テープ３０１が所定の位置でフルカットされるようにカッターモーター３７を作動させる。

ハーフカット情報は、ハーフカッター３１によるハーフカットを禁止するか否かに関する情報である。ハーフカット情報は、テープ３０１の材質に応じて、例えば、禁止および許可のいずれかに設定される。制御部３３は、回路基板２０３から読み取ったハーフカット情報に基づいて、カッターモーター３７を制御する。すなわち、制御部３３は、ハーフカット情報が禁止の場合には、ハーフカットのためにカッターモーター３７が作動することを禁止し、ハーフカット情報が許可の場合には、テープ３０１が所定の位置でハーフカットされるようにカッターモーター３７を作動させる。

送り量上限情報は、送り量上限値に関する情報である。送り量上限値とは、テープ印刷装置１によるテープ３０１の送り量の上限値を意味する。すなわち、制御部３３は、テープ３０１の送り量が、回路基板２０３から読み取った送り量上限情報が示す送り上限値に達した場合には、それ以上テープ３０１が送られないように、送りモーター３５を制御する。なお、制御部３３は、例えば、送りモーター３５がステッピングモーターである場合には、送りモーター３５に印加されたパルス数に基づいて、テープ３０１の送り量を取得する。

送り量上限値は、テープ３０１の長さの２倍以上の値に設定される。本実施形態では、テープ３０１の長さは、例えば４５ｍであり、送り量上限値は、その２倍以上の値、例えば１００ｍに設定されている。

例えば、基板カートリッジＡの回路基板２０３には、テープＡに関するテープ情報として、図７に示すように、テープ幅情報が９ｍｍ、テープ材質情報がＰＥＴ、フルカット情報が許可、ハーフカット情報が許可、送り量上限情報が１００ｍであることが記憶されている。

テープ印刷装置１は、回路基板２０３から読み取った各種の情報に基づいて、各種の制御処理を行う。これにより、テープ印刷装置１は、ユーザーがテープ３０１の種類に応じてフルカットＯＮ／ＯＦＦなどの各種の設定操作を行うことなく、テープ３０１の種類に応じた各種の制御処理を行うことができる。

ここで、回路基板２０３にはテープ３０１に関する情報が記憶されているため、本実施形態とは異なり、回路基板２０３とリボンカートリッジ１０１とが一体化した構成であると、例えば、テープＡに関する情報が記憶された回路基板２０３と一体化されたリボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着された状態では、テープＡ以外のテープ３０１を使用することができない。すなわち、テープＡに関する情報が記憶された回路基板２０３と一体化されたリボンカートリッジ１０１がカートリッジ装着部１１に装着された状態では、テープ印刷装置１により回路基板２０３からテープＡに関する情報が読み取られ、テープＡに適した各種の制御処理が行われるが、その制御処理は、テープＡ以外のテープ３０１に適したものとは限らない。

このため、ユーザーは、テープＡ以外のテープ３０１を使用するためには、カートリッジ装着部１１に装着されたリボンカートリッジ１０１を他のリボンカートリッジ１０１と交換する必要がある。例えば、ユーザーは、テープＡからテープＢに交換する場合には、テープＡに関する情報が記憶された回路基板２０３と一体化されたリボンカートリッジ１０１をカートリッジ装着部１１から取り外し、テープＢに関する情報が記憶された回路基板２０３と一体化されたリボンカートリッジ１０１をカートリッジ装着部１１に装着する必要がある。このため、カートリッジ装着部１１に装着されたリボンカートリッジ１０１を、複数種類のテープ３０１に対応させることができない。

これに対し、本実施形態では、基板カートリッジ２０１とリボンカートリッジ１０１とが別体に構成されている。すなわち、回路基板２０３とリボンカートリッジ１０１とが別体に構成されている。このため、ユーザーは、テープ３０１を他の種類のテープ３０１と交換する場合に、カートリッジ装着部１１に装着された基板カートリッジ２０１を、交換後のテープ３０１に関するテープ情報が記憶された回路基板２０３を備えた基板カートリッジ２０１と交換すればよい。例えば、ユーザーは、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジＡがカートリッジ装着部１１に装着された状態で、テープＡからテープＢに交換する場合には、リボンカートリッジ１０１をカートリッジ装着部１１に装着したまま、基板カートリッジＡをカートリッジ装着部１１から取り外し、基板カートリッジＢをカートリッジ装着部１１に装着すればよい。これにより、基板カートリッジ２０１の交換後は、テープ印刷装置１により回路基板２０３からテープＢに関する情報が読み取られ、テープＢに適した各種の制御処理が行われる。したがって、カートリッジ装着部１１に装着されたリボンカートリッジ１０１を、複数種類のテープ３０１に対応させることができる。

また、送り量上限値がテープ３０１の長さの２倍以上の値に設定されているため、２つのテープ３０１に対して印刷を行っても、テープ３０１の送り量が送り量上限値に達することがない。したがって、カートリッジ装着部１１に装着された基板カートリッジ２０１を他の基板カートリッジ２０１と交換することなく、２つ以上のテープ３０１に対して印刷を行うことができる。なお、リボンカートリッジ１０１に収容されたインクリボン１１１の長さは、特に限定されないが、例えば、テープ３０１と略同じ長さである。この場合、送り量上限値は、インクリボン１１１の長さの２倍以上の値に設定されていることになる。このため、２つのリボンカートリッジ１０１を用いて印刷を行っても、テープ３０１の送り量が送り量上限値に達することがない。したがって、カートリッジ装着部１１に装着された基板カートリッジ２０１を他の基板カートリッジ２０１と交換することなく、２つ以上のリボンカートリッジ１０１を用いて印刷を行うことができる。

［その他の変形例］
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。

図８に示すように、基板カートリッジ２０１の基板ホルダー２０５には、係合穴２１１に代えて、係合凹部２１７が設けられた構成でもよい。係合凹部２１７は、－Ｚ方向から見て、－Ｘ方向が開放された略「Ｃ」字状に形成されている。係合凹部２１７は、基板カートリッジ２０１がカートリッジ装着部１１に装着されたときに、係合凹部２１７内に係合凸部２３が入り込むようにして、係合凸部２３と係合する。換言すれば、ユーザーは、係合凹部２１７に係合凸部２３を係合させることで、基板カートリッジ２０１をカートリッジ装着部１１に適切に装着することができる。なお、係合凹部２１７の縁部は、係合穴２１１の縁部と同様に、係合凹部２１７と係合凸部２３とが係合しやすいように、面取り加工されている。

また、係合凹部２１７が係合凸部２３と係合した状態では、係合穴２１１が係合凸部２３と係合した状態と同様に、＋Ｘ方向から順に、接触端子部２７、回路基板２０３および係合凸部２３が並ぶことになる。このため、係合凸部２３が、接触端子部２７の－Ｘ方向への押圧力に対する受けとして機能する。これにより、接触端子部２７の押圧力を受けた回路基板２０３が撓み変形することを、抑制することができる。

上述の実施形態では、ユーザーは、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１を、カートリッジ装着部１１に個別に装着できるとした。しかし、本願発明は、この構成に限定されない。リボンカートリッジ１０１に基板カートリッジ２０１を取り付け可能なように、リボンカートリッジ１０１および基板カートリッジ２０１を構成してもよい。すなわち、ユーザーが、基板カートリッジ２０１をリボンカートリッジ１０１に取り付けた後、カートリッジ装着部１１にリボンカートリッジ１０１を装着する構成としてもよい。なお、係合穴２１１は、基板カートリッジ２０１に設けず、リボンカートリッジ１０１に設けてもよい。

［付記］
以下、基板カートリッジについて付記する。
基板カートリッジは、テープに印刷を行うテープ印刷装置のカートリッジ装着部に、インクリボンを備えたリボンカートリッジと共に装着可能であり、リボンカートリッジと別体に構成された基板カートリッジであって、複数種類のテープのうち、一の種類のテープに関するテープ情報が記憶された回路基板と、回路基板を保持した基板ホルダーと、を備えた。

この構成によれば、回路基板とリボンカートリッジとが別体に構成されている。このため、ユーザーは、テープを他の種類のテープと交換する場合に、カートリッジ装着部に装着されたリボンカートリッジを他のリボンカートリッジと交換することなく、カートリッジ装着部に装着された基板カートリッジを、交換後のテープに関するテープ情報が記憶された回路基板を備えた基板カートリッジと交換すればよい。したがって、カートリッジ装着部に装着されたリボンカートリッジを、複数種類のテープに対応させることができる。

この場合、カートリッジ装着部には、係合凸部が設けられ、基板ホルダーには、基板カートリッジがカートリッジ装着部に装着されたときに、係合凸部と係合する係合部が設けられていることが好ましい。

この構成によれば、ユーザーは、係合部を係合凸部と係合させることで、基板カートリッジをカートリッジ装着部に適切に装着することができる。
なお、係合穴２１１は、「係合部」の一例である。また、係合凹部２１７は、「係合部」の一例である。

この場合、係合部は、基板カートリッジがカートリッジ装着部に装着されたときに、係合凸部が挿入される係合穴であることが好ましい。

この構成によれば、ユーザーは、係合穴に係合凸部を挿入することで、基板カートリッジをカートリッジ装着部に適切に装着することができる。

この場合、回路基板には、テープ情報として、テープの送り量の上限値である送り量上限値が記憶され、送り量上限値は、テープの長さの２倍以上の値であることが好ましい。

この構成によれば、カートリッジ装着部に装着された基板カートリッジを他の基板カートリッジと交換することなく、２つ以上のテープに対して印刷を行うことができる。

１…テープ印刷装置、１１…カートリッジ装着部、２３…係合凸部、１０１…リボンカートリッジ、１１１…インクリボン、１１５…テープ経路、２０１…基板カートリッジ、２０３…回路基板、２０５…基板ホルダー、２１１…係合穴、３０１…テープ。

Claims (6)

1. テープに印刷を行うテープ印刷装置のカートリッジ装着部に、インクリボンを備えたリ
   ボンカートリッジと共に装着可能であり、前記リボンカートリッジと別体に構成された基
   板カートリッジであって、
   前記テープは、前記テープ印刷装置外に設けられたテープロールから前記テープ印刷装
   置内に導入され、
   前記基板カートリッジと前記リボンカートリッジとは、前記基板カートリッジおよび前
   記リボンカートリッジを前記カートリッジ装着部に装着した後、前記基板カートリッジの
   み、または、前記リボンカートリッジのみを交換可能に構成され、
   複数種類の前記テープのうち、一の種類の前記テープに関するテープ情報が記憶された
   回路基板と、
   前記回路基板を保持した基板ホルダーと、
   を備えたことを特徴とする基板カートリッジ。
2. 前記リボンカートリッジは、前記テープロールから装置側テープ導入口に導入された前
   記テープを導入するカートリッジ側テープ導入口と、前記カートリッジ側テープ導入口に
   導入された前記テープを装置側テープ排出口へ向けて排出するカートリッジ側テープ排出
   口と、を備え、
   前記カートリッジ装着部には、係合凸部が設けられ、
   前記基板ホルダーには、前記基板カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された
   ときに、前記係合凸部と係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項１に記
   載の基板カートリッジ。
3. 前記カートリッジ装着部には、前記回路基板と接触する複数の接触端子部がさらに設け
   られ、
   前記係合部は、前記基板カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着されたときに、
   前記係合凸部が挿入される係合穴であり、
   前記係合穴が前記係合凸部と係合しているとき、一つの方向から順に、前記接触端子部
   、前記回路基板、および前記係合凸部が並ぶことを特徴とする請求項２に記載の基板カー
   トリッジ。
4. 前記回路基板には、前記テープ情報として、前記テープの送り量の上限値である送り量
   上限値が記憶され、
   前記送り量上限値は、前記テープの長さの２倍以上の値であることを特徴とする請求項
   １ないし３のいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
5. 前記回路基板には、前記テープ情報として、フルカット情報と、ハーフカット情報と、
   が含まれることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一項に記載の基板カートリッジ
   。
6. 前記回路基板には、セットにして販売される前記テープの前記テープ情報が記憶されて
   いることを特徴とする請求項１ないし５のいずれか一項に記載の基板カートリッジ。

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