JP7436450B2 - L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体及びその使用 - Google Patents

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Description

[優先権主張]
本願は、2018年4月3日に出願された中国特許出願CN201810291900.4号に対する優先権を主張するものである。前記中国特許出願は参照により本明細書に組み入れられる。
[発明の詳細な説明]
本発明は、バイオテクノロジーの分野に属し、具体的には、L-グルタミン酸脱水素酵素変異体及びその使用に関する。
グルホシネートは、ハースト社より1980年代に開発された広域スペクトル接触型除草剤である。現在、世界の3大除草剤は、グリホサート、グルホシネート、パラコートであり、グリホサート、パラコートと比較して、グルホシネートは、除草性能に優れ、副作用が少ない。グルホシネートには、D-グルホシネートとL-グルホシネートの2種類の光学異性体があるが、除草活性を有するのはL-グルホシネートしかないため、L-グルホシネートの開発方法は、アトム経済の向上、使用コストの削減、環境圧力の低減にとって重要である。
現在、L-グルホシネートを製造する主な方法としては、キラル分割法、化学合成法及び生体触媒法がある。
キラル分割法としては、例えばCN1053669Cなどには、分割剤としてキニーネアルカロイドを用いる方法を開示し、当該方法には、L-グルホシネートキニーネ塩を再結晶化し、次いで酸で塩を中和してL-グルホシネートを得る。同時に、5-ニトロサリチルアルデヒド又は3,5-ジニトロサリチルアルデヒドをラセミ化試薬として使用して未反応のD-グルホシネートをラセミ化し、DL-グルホシネートを得て、それを次に分割反応で使用する。しかしながら、この方法は、高価なキラル分割試薬や多段階の再結晶が必要で、操作が煩雑であり、理想的な方法ではない。
Figure 0007436450000001
化学合成方法としては、例えばUS6936444にはルテニウム触媒による2-アセトアミド-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)-2-ブテン酸の不斉水素化で、L-2-アセトアミド-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)-2-酪酸を得、さらに脱アセチル化してL-グルホシネートを得ることを開示した。当該方法は、高価な金属触媒が必要であるため、コストが高く、かつ、重金属が残るため環境を深刻に汚染する。
Figure 0007436450000002
キラル分割法、化学合成法と比較して、生体触媒法は特異性が強く、反応条件が穏やかであるなどの利点があり、L-グルホシネートの製造に有利な方法である。
現在、US4389488(A)に開示された、基質としてN-フェニルアセチル-DL-グルホシネートを使用し、大腸菌由来のペニシリン-G-アシルトランスフェラーゼを触媒として使用して、L-グルホシネートを得る方法があるが、グルホシネートフェニルアセテートの合成コストは比較的高く、且つ反応終了後、得られるのはL-グルホシネート、N-フェニルアセチル-D-グルホシネート及びフェニル酢酸の混合溶液であるため、強酸カチオン交換樹脂でL-グルホシネートを分離する必要があり、操作は比較的に複雑である。
Figure 0007436450000003
EP0382113Aには、アシルトランスフェラーゼによってN-アセチル-グルホシネートのカルボン酸エステルを触媒分解してL-グルホシネートを得る方法を記載したが、この方法の酵素は遊離のN-アセチル-グルホシネートに特異的ではないため、N-アセチル-グルホシネートをエステル化する必要があり、反応ステップが増加し、それに応じて生産コストが高くなった。
もう一部は、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸(PPO)を基質として用い、トランスアミナーゼによって触媒され、L-グルホシネートを製造する方法で、ここで、US5221737AとEP0344683Aには、グルタミン酸をアミノ基供与体として使用し、大腸菌由来のアミノトランスアミナーゼの作用により、対応するケト酸4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)-2-オキソ酪酸からL-グルホシネートを得る方法を開示し、反応系には、アミノ供与体として同量または過剰量のグルタミン酸が必要であるため、生成物の精製が困難になる。CN1284858Cは、上記方法に対して改善し、アスパラギン酸をアミノ基供与体として使用し、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの作用により、対応するケト酸4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)-2-オキソ酪酸からL-グルホシネートを得る方法で、当該方法において、アスパラギン酸がオキサロ酢酸に変換され、オキサロ酢酸は水性媒体中で不安定であり、かつ、自然に脱炭酸されてピルビン酸になり、ピルビン酸は酵素反応によって除去され、逆反応が不可能になるため、反応には等モルのアミノ供与体とアミノ受容体のみが必要である。しかしながら、トランスアミナーゼを用いる方法で使用されるほとんどのアミノ基供与体はアミノ酸であり、コストが高い。
Figure 0007436450000004
また、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸(PPO)を基質として使用し、アミノ酸脱水素酵素によって触媒され、L-グルホシネートを製造する方法は、例えばCN106978453Aのように、無機アミノ基供与体を使用するため、製品の分離が簡単で、コストが低い。ただし、CN106978453A中、酵素によって触媒され得る基質の濃度の範囲は10~100mMにすぎず、酵素の触媒効率は高くない。
Figure 0007436450000005
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来のL-グルタミン酸脱水素酵素がL-グルホシネートを製造する際に触媒効率が低いなどの欠点があるという問題であり、本発明は、L-グルタミン酸脱水素酵素変異体、及びL-グルホシネート又はその塩の製造におけるその使用を提供する。野生型L-グルタミン酸脱水素酵素と比較して、本発明のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体により、L-グルホシネートを製造する際に、より高濃度の基質を触媒することができ、酵素の作用効率が向上し、反応のコストが低減され、工業化生産に有利になる。
本発明に用いられる野生型L-グルタミン酸脱水素酵素はCorynebacterium glutamicumであり、PDB番号は5IJZである。当該野生型L-グルタミン酸脱水素酵素は447個のアミノ酸残基で構成され、基質である2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩(PPO)を触媒する場合、酵素活性は非常に低く、工業化生産に不適である。本発明者らは、基質PPOに対する飽和突然変異について野生型酵素の異なるアミノ酸位置をスクリーニングし、A166位、V376位、及びT196位の部分的な突然変異体が新しい基質PPOに対する酵素活性を有意に改善できることを見出した。さらに、これらの位置を組み合わせて突然変異させ、突然変異ライブラリーを構築し、そこから本発明のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体をスクリーニングする。
上記技術的問題を解決するための本発明の技術案の1つは、L-グルタミン酸脱水素酵素変異体であり、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体の配列は、配列番号1で示される166位のアミノ酸残基A、及び/又は376位のアミノ酸残基Vが塩基性、親水性又は小さい立体障害のアミノ酸残基に突然変異された配列を含む。
ここで、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体の配列は、配列番号8で示される配列ではなく、かつ、配列番号22で示される配列ではない。
好ましくは、前記L-グルタミン脱水素酵素変異体は、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸又はその塩を触媒できる活性を有する。
本発明によれば、前記塩基性、親水性又は小さい立体障害とは、突然変異後のアミノ酸残基が、野生配列のアミノ酸残基よりも塩基性が強く、親水性が強く、又は立体障害が少ないことを意味する。一般的には、166位又は376位のいずれかの変異後のアミノ酸残基が上記特徴を満たしている限り、他の変異後のアミノ酸残基は上記特徴を有すると限定する必要はない。前記アミノ酸は、修飾された又は修飾されていない天然アミノ酸であってもよい。本発明は、天然アミノ酸を例とする。
好ましくは、166位のアミノ酸残基AはG、C、E、H又はTに突然変異することができ、及び/又は376位のアミノ酸残基VはA、E、G、P、Q又はSに突然変異することができる。
より好ましくは、本発明の突然変異体は、配列番号1で示される196位のアミノ酸残基TがV、S又はCに突然変異された配列をさらに含む。
より好ましくは、前記166位のアミノ酸残基AはG、H又はTに突然変異され、376位のアミノ酸残基VはE、G、Q又はSに突然変異され、及び/又は196位のアミノ酸残基TはS又はCに突然変異される。
本発明の好ましい実施形態では、前記166位のアミノ酸残基AがTに突然変異され、又は376位のアミノ酸残基VがGに突然変異する。
上記大文字の英語の単一文字は、当業者に周知のアミノ酸を表し、本発明において、ここでは対応するアミノ酸残基を表する。
好ましくは、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体のアミノ酸配列は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36又は配列番号38で示される通りである。
好ましくは、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体のヌクレオチド配列は、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、 配列番号35、配列番号37又は配列番号39に示されている通りである。
上記技術的問題を解決するための本発明の第2の技術案は、請求項1~4のいずれか一項に記載のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体をコードする単離された核酸である。
好ましくは、前記核酸をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37又は配列番号39で示される通りである。
上記技術的問題を解決するための本発明の第3の技術案は、前記核酸を含む組換え発現ベクターである。
上記技術的問題を解決するための本発明の第4の技術案は、前記核酸又は前記組換え発現ベクターを含む形質転換体である。
上記技術的問題を解決するための本発明の第5の技術案は、反応溶媒中で、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体、無機アミノ基供与体及び還元型補酵素NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)の存在下で、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩をアミノ化反応させてL-グルホシネート塩を得るステップを含むL-グルホシネート塩の製造方法である。
前記製造方法において、L-グルタミン酸脱水素酵素変異体は本発明によって得られるが、その他の原料、反応工程及び条件は当該分野で通常の選択であり、具体的には、上記CN106978453A及び本出願者の出願番号CN201810162629.4を参照することができ、これら文献の全文は本出願で引用されている。
前記L-グルホシネート塩の製造方法は、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)の存在下で、D-グルホシネート塩を酸化反応させて、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩を得るステップをさらに含むことができる。
前記酸化反応において、前記D-グルホシネート塩のカチオンは、例えば、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンなどの当該技術分野における通常のカチオンであってもよい。また、使用される緩衝液のカチオンであってもよい。
前記酸化反応において、前記D-グルホシネート塩は単独で存在してもよく、又は、L-グルホシネート塩と共存してもよく(この場合、L-グルホシネート塩は反応しなくてもよい)、例えば、D体に富むグルホシネート塩(即ち、ここで、D体の鏡像異性体の含有量が50%より多く、100%D-グルホシネート塩まで)、L体に富むグルホシネート塩(即ち、ここで、L-グルホシネートの含有量が50%より多く、100%L-グルホシネート塩の場合は除く)又はラセミグルホシネート塩などである。
前記酸化反応において、Dアミノ酸オキシダーゼ(DAAO)の濃度は、当技術分野において通常の選択であってもよく、好ましくは0.6~6U/mLであり、より好ましくは3.6U/mLである。
前記酸化反応において、D-グルホシネート塩の濃度は、当該技術分野において通常の選択であってもよく、好ましくは100~600mMであり、より好ましくは300mMである。
また、前記酸化反応は、カタラーゼの存在下で行うことができる。
また、前記酸化反応は、通気条件下で行うことができる。前記通気は、好ましくは空気又は酸素を通させることであり、前記通気の速度は、好ましくは0.5VVM~1VVMである。前記酸化反応は、通気条件下で行得る際に、前記酸化反応は消泡剤の存在下で行うこともできる。
本発明において、前記空気は、当該分野における従来の空気であってもよく、一般的には、酸素を含み、前記含まれる酸素の含有量も、当該分野において通常の選択である。反応する時、反応に参加するのは空気中の酸素である。
前記酸化反応において、前記反応系のpHは、好ましくは7~9であり、より好ましくは8である。前記pHは、緩衝液を使用することで実現することができる。また前記pHは、アルカリ(又はアルカリ溶液)を使用して調整することで実現できる。前記緩衝液は、好ましくはリン酸緩衝液又はTris-HCl緩衝液であり、前記リン酸塩緩衝液は、好ましくはリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液又はリン酸水素二カリウム-リン酸二水素カリウム緩衝液である。前記アルカリ溶液は、好ましくはアンモニア水である。
前記酸化反応において、前記反応系の温度は、当該分野で通常の選択であってもよく、好ましくは20~50℃であり、より好ましくは37℃である。
前記酸化反応と前記アミノ化反応は、別々に又は同時に(同じ反応系で)行うことができる。前記同時に行うこととは、例えば、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体、無機アミノ基供与体及び還元型補酵素NADPHの存在下で、D-グルホシネート塩を酸化反応、及びアミノ化反応させて、L-グルホシネート塩を得ればよい。
前記アミノ化反応において、前記L-グルホシネート塩のカチオンは、例えば、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオン等の当該技術分野における通常のカチオンであってもよい。また、使用される緩衝液のカチオンであってもよい。
前記アミノ化反応において、前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩のカチオンは、例えば、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンなどの当技術分野における通常のカチオンであってもよい。また、使用される緩衝液のカチオンであってもよい。
前記アミノ化反応では、前記L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の使用量は、当技術分野の通常選択であってもよく、前記L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の濃度は0.09~3 U/mLであり、好ましくは0.3~1.5U/mLであり、より好ましくは0.9U/mLである。
前記アミノ化反応において、前記無機アミノ基供与体の使用量は、当技術分野の通常選択であってもよく、前記無機アミノ基供与体の濃度は、100~2000mMであり、好ましくは600mMである。
前記アミノ化反応において、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩の濃度は、100~600mMであり、好ましくは300mMである。
前記アミノ化反応において、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩の量は、当技術分野の通常選択であってもよく、前記還元型補酵素NADPH及び前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩のモル比は、1:30000~1:1000であり、好ましくは1:20000~1:5000であり、より好ましくは1:10000である。
前記アミノ化反応において、無機アミノ基供与体は、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウム中の1つ又は複数である。
前記アンモニア化反応において、前記反応の温度は、当技術分野の通常選択であってもよく、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の触媒効率を確実にするために、前記アンモニア化反応を行うための温度は、好ましくは20~50℃であり、より好ましくは37℃であり、前記アンモニア化反応の温度が20℃未満の場合、アンモニア化反応は遅く、前記アンモニア化反応の温度が50℃を超える場合、酵素は不可逆的変性で不活化になる。
前記アミノ化反応において、前記反応溶媒は水である。
前記製造方法において、前記アミノ化反応を行うためのpHは、好ましくは7~9であり、より好ましくは8である。前記pHは、緩衝液を使用することで実現することができる。また前記pHは、アルカリ(又はアルカリ溶液)を使用して調整することで実現できる。前記緩衝液は、好ましくはリン酸塩緩衝液又はTris-HCl緩衝液等であり、前記リン塩酸緩衝液は、好ましくはリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液又はリン酸水素二カリウム-リン酸二水素カリウム緩衝液である。前記アルカリ溶液は、好ましくはアンモニア水である。
前記L-グルホシネート塩の製造方法は、脱水素酵素(例えば、グルコース脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素)と水素供与体(グルコース、イソプロパノール、又はギ酸塩等)の存在下で、酸化型補酵素NADP+を還元反応させて、前記還元型補酵素NADPHを得るステップをさらに含むことができる。
前記還元反応において、前記脱水素酵素は前記水素供与体とは1対1対応し、例えば、
前記脱水素酵素がアルコール脱水素酵素である場合、前記水素供与体はイソプロパノールであり、
前記脱水素酵素がグルコース脱水素酵素である場合、前記水素供与体はグルコースであり、
前記脱水素酵素がギ酸脱水素酵素である場合、前記水素供与体はギ酸塩である。
前記還元反応において、前記脱水素酵素の濃度は、当該技術分野において通常の選択であったもよく、好ましくは0.6~6U/mLであり、より好ましくは2U/mLである。
前記還元反応において、前記水素供与体の濃度は、当該技術分野において通常の選択であってもよく、好ましくは100~1000mMであり、より好ましくは360mMである。
前記還元反応において、前記酸化型補酵素NADP+の濃度は、当技術分野において通常の選択である。
前記還元反応において、前記還元反応を行うためのpHは、好ましくは7~9、より好ましくは8である。前記pHは、緩衝液を使用することで実現できる。また前記pHは、アルカリ(又はアルカリ溶液)を使用して調整することで実現できる。前記緩衝液は、好ましくはリン酸塩緩衝液又はTris-HCl緩衝液であり、前記リン酸塩緩衝液は、好ましくはリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液又はリン酸水素二カリウム-リン酸二水素カリウム緩衝液等である。前記アルカリ溶液は、好ましくはアンモニア水である。
前記還元反応において、前記反応系の温度は、当該技術分野において通常の選択であってもよく、好ましくは20~50℃であり、より好ましくは37℃である。
前記酸化反応と前記アミノ化反応は、別々に又は同時に(同じ反応系で)行うことができる。前記同時に行うこととは、例えば、本発明の好ましい実施形態に示されているように、グルコース脱水素酵素、グルコース、酸化型補酵素NADP+、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体、無機アミノ基供与体の存在下で、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩をアミノ化反応(NADP+の還元反応が同時に存在する)させて、L-グルホシネート塩を得ればよい。
前記還元反応と前記アミノ化反応を同時に行う場合、前記アミノ化反応に用いられるNADPHは、前記還元反応サイクルを通じて生成され得る。前記酸化型補酵素NADP+の濃度は、当技術分野において通常の選択であってもよく、前記反応が正常に行うためには、0.02~0.1mMが好ましく、0.03mMがより好ましい。
前記還元反応、前記酸化反応及び前記アミノ化反応は、別々に又は同時に(同じ反応系で)行うことができる。前記同時に行うこととは、本発明の好ましい実施形態に示されているように、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAAO)、脱水素酵素、水素供与体、酸化型補酵素NADP+、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体、無機アミノ基供与体の存在下で、D-グルホシネート塩を酸化反応とアミノ化反応(NADP+の還元反応が同時に存在する)させて、L-グルホシネート塩を得ればよい。
前記還元反応、前記酸化反応、及び前記アミノ化反応が同時に行う場合、前記アミノ化反応に用いられるNADPHは、前記還元反応サイクルを通じて生成され得る。前記酸化型補酵素NADP+の濃度は、当技術分野において通常の選択であってもよく、前記反応が正常に行うためには、0.02~0.1mMが好ましく、0.03mMがより好ましい。
前記製造法の反応時間は、従来の方法により測定する場合、原料の最終濃度、生成物の最終濃度又は転化率が、目的レベルになる時点で停止すればよく、前記従来の方法は、プレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィー又はイオンペアクロマトグラフィーなどが含まれる。
上記技術的問題を解決する本発明の第6の技術案は、以下のステップを含むL-グルホシネート塩の製造方法である。
(1)上記L-グルホシネート塩の製造方法によって、L-グルホシネート塩を得るステップ;
(2)ステップ(1)で製造されたL-グルホシネート塩を酸化反応させて、L-グルホシネートを得るステップ。
上記技術的問題を解決するための本発明の第7の技術案は、L-グルホシネート又はその塩の製造におけるL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の使用である。
前記L-グルホシネート塩の製造における使用は、L-アミノ酸脱水素酵素、無機アミノ基供与体、及び還元型補酵素の存在下で、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸を反応させるステップを含み、ここで、前記L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体は、上記製造されたL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体である。
前記L-グルホシネートの製造における使用は、L-アミノ酸脱水素酵素、無機アミノ基供与体及び還元型補酵素の存在下で、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩を反応させて、L-グルホシネートを得るステップを含み、ここで、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体は、上記製造されたL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体である。
上記化合物の濃度は、特に説明しない限り、いずれも反応前の全反応系に占める化合物の濃度である。
当該分野の常識に基づいて、上記好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい例を得ることができる。
本発明で使用される試薬及び原材料はすべて市販されている。
本発明の進歩的な効果は以下の通りである。
野生型L-グルタミン酸脱水素酵素と比較して、本発明のL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体は、L-グルホシネートを製造するときに、触媒できる基質の濃度はより高い。関連特許CN106978453Aの最も好ましい実施例では、10mLのL-グルタミン酸脱水素酵素によって触媒され得る基質の濃度は10~100mMであるのに対して、本発明の最も好ましい実施例では、15mLのL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体によって触媒できる基質濃度はすでに300mMに達している。本発明のL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体は、反応のコストを低減させ、工業化生産に有利である。
図1は、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体14を反応に使用した場合に製造された製品におけるD-グルホシネートとL-グルホシネートのマーフェイ試薬によるプレカラム誘導体化HPLC分析結果である。
図2は、ラセミグルホシネート塩標準品のマーフェイ試薬によるプレカラム誘導体化HPLC分析結果であり、ここで、最後の2つのピークは、マーフェイ試薬のブランクのピークである。
図3は、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体14を反応に使用した場合に製造されたL-グルホシネートのイオンペアHPLC分析結果である。
図4は、PPO標準品のイオンペアHPLC分析結果である。
図5は、ラセミグルホシネート塩標準品のイオンペアHPLC分析結果である。
図6は、PPO標準品の質量スペクトルである。
以下では、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明を本願明細書に記載の実施例の範囲に限定するものではない。以下の実施例では、特定の条件のない限り、従来の方法と条件、又は製品明細書に従って実験方法を選択する。
本発明における実験方法は、特に説明しない限り、従来の方法を採用し、具体的な遺伝子クローニング作業は、J.Sambrookらが編著した「Molecular Cloning Experimental Guide」を参照することができる。
本発明におけるアミノ酸の略語は、特に説明しない限り、当分野において通常であり、具体的な略語に対応するアミノ酸を表1に示す。
Figure 0007436450000006
前記アミノ酸に対応するコドンも当分野で通常の選択であり、具体的なアミノ酸とコドンの間の対応関係を表2に示す。
Figure 0007436450000007
pET28a、pET21a及びbugbuster protein extraction reagentはNovagen会社から購入され、DpnI酵素はInvitrogen会社から購入され、NdeI酵素、HindIII酵素はThermo Fisher 会社から購入され、E.coli BL21(DE3)コンピテントセルはBeijing Dingguo Changsheng Biotechnology Co.,Ltd.から購入され、カタラーゼはShandong Fengtai Biotechnology Co.,Ltdから購入された。
生成物のキラル分析は、プレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー、HPLC)によって実行され、具体的な分析方法は以下の通りである。
(1)クロマトグラフィー条件:Agilent ZORBAX Eclipse plus C18、3.5μm、150 * 4.6mm。移動相A:0.1%TFA + H2O、移動相B:0.1%TFA + CAN。検出波長:340nm、流速:1.0mL/min、カラム温度:30℃。
(2)誘導体化試薬:マーフェイ試薬。N-α-(2,4-ジニトロ-5-フルオロフェニル)-L-アラニンアミド50mgを秤量し、アセトニトリルで溶解して、25mLの溶液に製造して、待機させた。
(3)誘導体化反応:反応液を100倍に希釈し、同じ容積のマーフェイ試薬を添加して誘導体化した。10μlの試薬を注入して、分析した。
変換率=(反応物質-残りの反応物質)/反応物質×100%
2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩(PPOと略称)は、イオンペア高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析され、具体的な分析方法は下記のようである。
クロマトグラフィー条件:ULtimate AQ-C18、5μm、4.6 * 250mm;移動相:0.05mol/Lリン酸水素二アンモニウムPH = 3.6:10%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液:アセトニトリル= 91:1:8;検出波長:205 nm;流速:1.0mL/min;カラム温度:25℃。
実施例1 L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体ライブラリーの構築
配列表中の配列番号1の166位、376位及び196位での突然変異を有する突然変異ライブラリーを構築するために設計されたプライマーの配列を表3に示す。
Figure 0007436450000008
ここで、NはA、G、C、Tのいずれかのヌクレオチドを表し、MはA又はCを表し、KはG又はTを表し、これらは、位置により、突然変異が必要なアミノ酸をコードするヌクレオチドに従って選択され、例えば、A166フォワードプライマーのNNKは、AAG(リジン)、AAT(アスパラギン酸)、AGG(アルギニン)、又はAGT(セリン)などを表することができ、アミノ酸に対応するヌクレオチドは、具体的に表2に示す。
配列表の配列番号1の配列に従って、遺伝子cgGLUDH(Corynebacteriumglutamicum)を合成し、遺伝子を合成する会社は、GENEWIZ China & Suzhou Lab(Suzhou Lab Building B1 and C3、218 Xinghu Road、Suzhou Industrial Park、China)で、cgGLUDHのPDB番号は5IJZである。次に、プラスミドpET21aを、NdeI及びHindIII酵素切断部位に導入し、プラスミドpET21a-cgGLUDHを構築した。プラスミドpET21a-cgGLUDHをテンプレートとして使用して、ターゲットバンドをPCRで増幅した。
PCR増幅システムは以下のとおりである。
Figure 0007436450000009
PCR増幅ステップは以下のとおりである。
Figure 0007436450000010
PCR生成物を37℃で2時間DpnIで消化させた。反応終了後、E.coli BL21(DE3)コンピテントセルに形質転換し、100μg/mLアンピシリンを含むLB培地に塗布し、37℃で一晩培養し、集菌し、突然変異体ライブラリーを含む形質転換体を得た。
実施例2 突然変異ライブラリーのハイスループットスクリーニング
以下の実験ステップに従ってスクリーニングする。
形質転換体を96ウェルプレートに接種して培養し、IPTGを添加して30℃で一晩誘導した。その後、集菌し、バグバスタータンパク質抽出試薬(bugbuster protein extraction reagent)で溶解し、遠心分離して酵素溶液を得た。
最終濃度が20mMのPPO、200mMのNH4Cl、及び0.37mMのNADPHの反応液を製造し、マイクロプレートに上記反応液を180μL取り、酵素溶液を20μL添加し、系全体は200μLになり、マイクロプレートリーダーでOD340のデータを読み取った。野生型を参照系として、陽性クローン子を選択し、配列測定し、それらの酵素活性を測定した。測定の会社は、Sangon Biotech (Shanghai) Co.,Ltd.(No.698、Xiangmin Road、Songjiang District、Shanghai、China)である。
陽性クローンを選択して培養し、方法は以下の通りである。
LB液体培地の組成:ペプトン10g/L、酵母パウダー5g/L、NaCl10g/L、脱イオン水で溶解して容量を一定にし、121℃で20分間殺菌して、待機させた。
単一のクローンを選択し、100μg/mLのアンピシリンを含む5mLのLB液体培地に接種し、37℃で12時間振とう培養した。2%の接種量で50mLの同じく100μg/mLのアンピシリンを含む新しいLB液体培地に移し、OD600値が約0.8に達するまで37℃で振とうし、最終濃度が0.5mMになるまでIPTGを添加し、18℃で16時間誘導培養した。培養終了後、培養液を10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、集菌し、-20℃の超低温冷蔵庫に保存して、待機させた。
培養終了後収集した菌体を50mMのpH8.0のリン酸緩衝液で2回洗浄した後、pH8.0のリン酸緩衝液に懸濁し、低温高圧でホモジナイズし、破砕液を遠心分離して沈殿物を除去し、得られた上清は、組換えL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体を含む粗酵素液であった。
酵素活性検出法:25g/Lのウェットセル(ホモジナイザーで破砕)、10mMのPPO、20mMのコエンザイム(NADPH)、750mMのNH4Cl、系全体は400μLで、反応媒体はpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液である。反応は金属浴振とう反応器内で30℃で6時間行い、反応終了後、2倍量のアセトニトリルを添加して反応を停止させた。試料を特定の倍数で希釈した後、L-グルホシネート塩の濃度をプレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィーで測定し、酵素活性を計算した。結果を表4に示す。
単位酵素活性の定義:特定の反応条件下(30℃)で1分あたり1μmolのL-グルホシネートを生成するのに必要な酵素の量。
Figure 0007436450000011
ここで、*は1U/mL未満であることを、**は酵素活性が3~5U/mLであることを、***は酵素活性が5~10U/mLであることを、****は酵素活性が10U/mL以上であることを意味する。
以下の実施例で使用するL-グルタミン酸脱水素酵素の粗酵素液の製造方法はすべて上記方法を採用している。
実施例3 Dアミノ酸オキシダーゼ(DAAO)遺伝子の取得
特許US9834802B2に記載されているAC302 DAAO酵素遺伝子配列により、DAAO酵素遺伝子は完全に合成された。合成した会社は、GENEWIZ Nanjing(211 Pubin Road、Industrial Technology Research and Innovation Park、Jiangbei New Area、Nanjing、Jiangsu Province、China、Nanjing、China)である。
実施例4 Dアミノ酸オキシダーゼ(DAAO)遺伝子の発現
LB液体培地の組成:ペプトン10g/L、酵母パウダー5g/L、NaCl 10g/L、脱イオン水で溶解して容量を一定にし、121℃で20分間殺菌して、待機させた。
実施例3で合成したDAAO酵素遺伝子をpET28aに連結し、酵素切断部位をNdeI&HindIIIとし、酵素に連結したベクターを宿主をE.coliBL21(DE3)コンピテントセルに形質転換し、DAAO酵素を含む組換え菌を得た。
DAAO酵素遺伝子を含む組換え菌をプレート上にストリークすることにより活性化させた後、単一のコロニーを50μg/mLのカナマイシンを含む5mLのLB液体培地に接種し、37℃で振とうしながら12時間培養した。2%接種量で50μg/mLの同じくカナマイシンを含む50mLの新しいLB液体培地に移し、37℃で振とうしてOD600値が約0.8に達した時、IPTGを最終濃度0.5mMに添加し、18℃で16時間誘導し培養した。培養後、培養液を10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、集菌し、-20℃の超低温冷蔵庫に保存して、待機させた。
実施例5 Dアミノ酸オキシダーゼ(DAAO)粗酵素溶液の製造及び酵素活性の測定
実施例4で回収した菌体を50mMのpH8.0のリン酸緩衝液で2回洗浄した後、菌体をpH8.0のリン酸緩衝液に再懸濁し、低温高圧でホモジナイズし、破砕液を遠心分離して沈殿を除去し、得られた上清は、組換えDAAO酵素を含む粗酵素溶液であった。
酵素活性検出法:100μLのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液(D-グルホシネート50mmol/L及びペルオキシダーゼ0.1mg/mLを含む)、50μLの発色試薬(60μg/mLの2,4,6-トリブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸及び1mg/mLの4-アミノアンチピリン)、50μLのDAAO酵素、510nmでのUV吸収を検出して、H22濃度を測定し、PPOの濃度を計算し、酵素活性を計算する。
単位酵素活性の定義:特定の反応条件下(30℃)で1分あたり1μmolのPPOを生成するのに必要な酵素の量。
以下の実施例で使用するDAAO酵素粗酵素液の製造方法はすべて上記方法を採用している。
実施例6 グルコース脱水素酵素遺伝子の取得及び発現
枯草菌(Bacillus subtilis)168(NCBI登録番号:NP_388275.1)に由来するグルコース脱水素酵素遺伝子配列によって、グルコース脱水素酵素遺伝子を完全に合成した。
LB液体培地の組成:ペプトン10g/L、酵母粉末5g/L、NaClの10g/L、脱イオン水で溶解して容量を一定にし、121℃で20分間殺菌し、待機させた。
グルコース脱水素酵素遺伝子をpET28aに連結し、部位NdeI&HindIIIを酵素切断し、酵素に連結したベクターを宿主のE.coli BL21(DE3)コンピテントセルに形質転換され、グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換え菌を得た。グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換え菌をプレートにストリーキングすることにより活性化させた後、単一のコロニーを選択し、50μg/mLのカナマイシンを含む5mLのLB液体培地に接種させ、37℃で12時間振とうしながら培養させた。2%接種量で50μg/mLカナマイシンを含む50mLの新しいLB液体培地に移し、OD600が約0.8に達するまで37℃で振とうし、IPTGを最終濃度0.5mmまで添加して、18℃で16時間の誘導培養した。培養後、培養液を10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、集菌し、-20℃の超低温冷蔵庫に保存し、待機させた。
実施例7 グルコース脱水素酵素の粗酵素溶液の製造及び酵素活性の測定
実施例6で収集した細胞を50mMのpH8.0のリン酸緩衝液で2回洗浄した後、pH8.0もリン酸緩衝液に再懸濁し、低温高圧ホモジナイズし、破砕液を遠心分離して沈殿を除去し、得られた上清は、組換えグルコース脱水素酵素を含む粗酵素溶液であった。
酵素活性検出法:1mL反応系、25℃の条件下で、先ずは980μLのpH7.0の50mMリン酸二水素ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液(400mMのグルコースを含む)を添加し、次に10μLのNADP+(25mM)を添加し、最後に適切な量の酵素溶液10μLを添加し、紫外可視分光光度計で340nmのOD値を測定した。
単位酵素活性の定義:特定の反応条件下(30℃)で1分あたり1μmolのNADPHを生成するのに必要な酵素の量。
以下の実施例で使用するグルコース脱水素酵素の粗酵素液の製造方法は、すべて上記方法を採用する。
実施例8 アルコール脱水素酵素の粗酵素液の製造と酵素活性の測定
枯草菌(Lactobacillus brevis KB290)(Genbank登録番号:BAN05992.1)に由来するシクロペンタノール脱水素酵素(Cyclopentanol dehydrogenase)遺伝子配列により、アルコール脱水素酵素遺伝子を完全に遺伝子合成した。
アルコール脱水素酵素遺伝子をpET28aベクターに接続、酵素切断部位NdeI&HindIIIによって宿主のE.coliBL21(DE3)コンピテントセルに形質転換し、アルコール脱水素酵素遺伝子を含む組換え菌を得た。アルコール脱水素酵素遺伝子を含む組換え菌をプレートにストリーキングすることにより活性化させた後、単一のコロニーを選択し、50μg/mLのカナマイシンを含む5mLのLB液体培地に接種させ、37℃で振とうしながら12時間培養させた。2%接種量で同じく50μg/mLのカナマイシンを含む50mLの新しいLB液体培地に移し、OD600が約0.8に達するまで37℃で振とうし、IPTGをその最終濃度0.1mmになるまで添加し、18℃で16時間誘導培養した。培養後、培養液を10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、集菌し、-20℃の超低温冷蔵庫に保存し、待機させた。
スラッジバクテリア10gを50mLの100mMのpH7.5のリン酸アンモニウム緩衝液に添加し、よくかき混ぜ、500barでホモジナイズした。粗酵素液として、撹拌条件下で10%の凝集剤(最終濃度2~2.5‰)を添加し、5分間攪拌した後、4000rpmで10分間遠心し、透明な酵素溶液を得、上清を採取して酵素活性を測定した。
酵素活性検出法:3mL反応系、25℃の条件下で、pH8.0の400mMのイソプロパノール(100mMのリン酸緩衝液で製造)2850μLを添加し、50μLのNADP+(25mm)を添加し、紫外可視分光光度計をゼロに調整し、100倍に希釈した酵素溶液100μLを添加し、紫外可視分光光度計で340nmのOD値を測定した。
単位酵素活性の定義:特定の反応条件下(25℃、pH 8.0)で、1分あたり1μmolのNADPHを生成させるために必要な酵素の量を1Uと定義した。
以下の実施例で使用するアルコール脱水素酵素の粗酵素液の製造方法は、すべて上記方法を採用する。
実施例9 L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体によって触媒されてL-グルホシネートを製造
PPO、NADP+、NH4Cl、グルコースを反応フラスコに量り取り、50mMのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で完全に溶解させ、25%の濃アンモニア水でpHを8.0に調整し、実施例2の方法に従って製造されたL-グルタミン酸脱水素酵素変異体1(1U/mL)、2(1.3U/mL)、8(2.1U/mL)、14(3U/mL)、15(2.8U/mL)と16(2.5U/mL)の粗酵素溶液15mL、及び実施例7の方法に従って製造したグルコース脱水素酵素粗酵素溶液(100U/mL)1mLを添加し、PPOの最終濃度が300mM、塩化アンモニウムの最終濃度が600mM、グルコースの最終濃度が360mM、NADP+の最終濃度が0.03mMになるように、50mMのpH 8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で50mLまで定容した。反応過程中、アンモニア水でpHを8.0に制御し、37℃の水浴で10時間磁気で攪拌反応させた後、イオンペアHPLCでPPOの残存濃度を測定し、同時にプレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィーでL-グルホシネートの生成量とee値を測定した。
反応終了時のデータを表5に示す。CN106978453Aの最も好ましい実施例では、10mLのL-グルタミン酸脱水素酵素が触媒できる基質濃度は10~100mMで、この実施例では、15mLのL-グルタミン酸脱水素酵素変異体が触媒できる基質濃度が300mMに達した。
製品中のD-グルホシネートとL-グルホシネートのHPLC分析結果を図1に示す(図中、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体14を例として説明した)。ここで、保持時間が13.735分であるものは、L-グルホシネートであり、D-グルホシネートはほとんど検出されなかった。ラセミグルホシネート標準品(Shanghai Aladdin Bio-Chem Technology Co., LTDから購入)のマーフェイ試薬プレカラム誘導体化HPLCスペクトルを図2に示す(L-グルホシネートの保持時間は13.683分、D-グルホシネートの保持時間は12.016分である)。この例で製造された製品の組成は、基本的に標準品のL-グルホシネートのピーク時間と同じであり、これはこの例でL-グルホシネートが製造されたことを示している。
製造したPPOのイオンペアHPLC分析結果を図3に示す。ここで、10.121分はPPOのピーク位置であり、3.833分はL-グルホシネートのピーク位置である。PPO標準品(本標準品は実験室で製造され、製造方法はUS8017797Bを参照し、図6は対応する質量スペクトルである)のイオンペアHPLCスペクトルを図4に示す。ここで、PPO標準品の保持時間は9.520分である。ラセミグルホシネート塩標準品(Shanghai Aladdin Bio-Chem Technology Co., LTDから購入)のイオンペアHPLCスペクトルを図5に示す。ここで、ラセミグルホシネート塩標準品の保持時間は3.829分である。この実施例におけるPPO及び生成物グルホシネートのピーク時間は、基本的に、それぞれの標準品のピーク時間と同じであることが分かる。
上記結果及び図は、いずれもL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体14を例としたが、本発明者は他のすべての変異実験を行い、また本発明のこれらの変異が上記反応に参加する場合、いずれも基質を触媒でき、かつ、正確な生成物を生成したことを確認した。
Figure 0007436450000012
実施例10 DAAO酵素及びL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体によって触媒されてL-グルホシネートを製造
D、L-グルホシネート、NADP+、NH4Cl、及びグルコースを反応フラスコに量り取り、50mMのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で完全に溶解させ、25%の濃アンモニア水でpHを8.0に調整し、実施例5の方法に従って製造されたDAAO酵素粗酵素溶液(12U/mL)、0.2gの20万U/gのカタラーゼ、実施例2により製造されたL-グルタミン酸脱水素突然変異体1(1U/mL)15mL又はの粗酵素溶液(3U/mL)14、及び実施例7の方法に従って製造されたグルコース脱水素酵素粗酵素液(100U/mL)1mLを添加し、グルホシネートの最終濃度が600mM、塩化アンモニウムの最終濃度が600mM、グルコースの最終濃度が360mM、NADP+の最終濃度が0.03mMになるように、50mMのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で50mLまで定容した。反応中、アンモニア水でpHを8.0に制御し、37℃の水浴で磁気で攪拌した後、空気を1VVMで通し(1分あたり1倍反応体積の空気)、泡立ちを防ぐために200μLの消泡剤を添加し、反応24時間後に、イオンペアHPLCでPPOの残存濃度を測定し、同時にプレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィーでL-グルホシネートの生成量とee値を測定した。反応終了時のデータを表6に示す。
Figure 0007436450000013
実施例11 DAAO酵素及びL-グルタミン酸脱水素酵素変異体によって段階的触媒されてL-グルホシネートを製造
80gのD、L-グルホシネートを量り取り、50mMのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で完全に溶解させ、5gの200,000U/gカタラーゼを添加し、実施例5に従って製造されたDAAO酵素粗酵素溶液(12U/mL)150mLを添加し、アンモニア水でpHを8.0に調整し、50mMのpH8.0のリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液で1Lに定容した。20℃の水浴で機械で撹拌反応させた後、酸素を0.5VVMで通し(1分あたり0.5倍反応体積の酸素)、泡立ちを防ぐために1mLの消泡剤を添加し、イオンペアHPLCでPPOの生成濃度を測定し、同時にプレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィーでL-グルホシネートの生成量とee値を測定し、ee値が99%を超えると反応を停止させた。
上記反応液50mLを2等分取り、塩化アンモニウム0.54g、NADP+0.4mg及びイソプロパノール0.73gをそれぞれに添加し、実施例8の方法で製造されたアルコール脱水素酵素(300U/mL)1mLを添加し、L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の粗酵素液1mLをそれぞれに添加し、アンモニア水でpHを8.5に調整し、水浴で磁気撹拌しながら反応温度を37℃に制御し、イオンペアHPLCでPPOの残留濃度を検出し、同時にプレカラム誘導体化による高速液体クロマトグラフィーでL-グルホシネートの生成量とee値を測定した。反応終了時のデータを表7に示す。
Figure 0007436450000014
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、当業者であれば、これらは一例に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更や修正が可能であることを理解されたい。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

Claims (18)

  1. L-グルタミン酸脱水素酵素変異体であって、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体は、配列番号1166位のアミノ酸残基AがTに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがGに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の166位のアミノ酸残基AがGに突然変異され、かつ、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがP、A、G、E、Q又はSに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の166位のアミノ酸残基AがEに突然変異され、かつ、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがGに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の166位アミノ酸残基AがCに突然変異され、かつ、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがAに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の166位のアミノ酸残基AがHに突然変異され、かつ、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがSに突然変異された配列、
    又は、配列番号1の166位のアミノ酸残基AがGに突然変異され、配列番号1の376位のアミノ酸残基VがSに突然変異され、かつ、配列番号1の196位のアミノ酸残基TがV、S又はCに突然変異された配列を含み、
    前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体の配列は、配列番号8の配列または配列番号22配列ではなく、
    前記L-グルタミン脱水素酵素変異体は、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸又はその塩を触媒する活性を有することを特徴とするL-グルタミン酸脱水素酵素変異体。
  2. 前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体のアミノ酸配列は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36又は配列番号38のアミノ酸配列から成る、請求項1に記載のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体。
  3. 単離された核酸であって、前記核酸は、請求項1又は2に記載のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体をコードする、単離された核酸。
  4. 前記核酸をコードするヌクレオチド配列は、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37又は配列番号39で示される、請求項3に記載の単離された核酸。
  5. 請求項3又は4に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
  6. 請求項3又は4に記載の核酸又は請求項に記載の組換え発現ベクターを含む形質転換体。
  7. 反応溶媒L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体、無機アミノ基供与体及び還元型補酵素NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)の存在下で、2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩をアミノ化反応させてL-グルホシネート塩を得るステップを含み、
    ここで、前記L-グルタミン酸脱水素酵素変異体は、請求項1又は2に記載のL-グルタミン酸脱水素酵素変異体であることを特徴とするL-グルホシネート塩の調製方法。
  8. D-アミノ酸オキシダーゼの存在下で、D-グルホシネート塩を酸化反応させて、前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩を得るステップをさらにむ、請求項に記載の方法。
  9. 前記D-グルホシネート塩は単独で存在するか、或いは、L-グルホシネート塩と共存する形態を有し、前記L-グルホシネート塩と共存する形態は、D体に富むグルホシネート塩、L体に富むグルホシネート塩又はラセミ体グルホシネート塩であり、
    及び/又は、前記Dアミノ酸オキシダーゼの濃度は、0.6~6U/mLであり、
    及び/又は、前記酸化反応は、通気条件下で行われ、
    及び/又は、前記酸化反応は、カタラーゼの存在下で行われ、
    及び/又は、前記D-グルホシネート塩の濃度は100~600mMであり、
    及び/又は、前記酸化反応の反応系のpHは7~9であり、
    及び/又は、前記酸化反応の反応系の温度は20~50℃である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記Dアミノ酸オキシダーゼの濃度は、3.6U/mLであり、
    及び/又は、前記通気は、空気又は酸素を通させることであり、前記通気の速度は、0.5VVM~1VVMであり、
    及び/又は、前記D-グルホシネート塩の濃度は300mMであり、
    及び/又は、前記酸化反応の反応系のpHは8であり、
    及び/又は、前記酸化反応の反応系の温度は37℃である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の濃度は0.3~1.5U/mLであり、
    及び/又は、前記無機アミノ基供与体の濃度は100~2000mMであり
    及び/又は、前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩の濃度は100~600mMであり
    及び/又は、前記還元型補酵素NADPHと前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩のモル比は、1:20000~1:5000であり
    及び/又は、前記無機アミノ基供与体は、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、及び重炭酸アンモニウム中の1つ又は複数であり
    及び/又は、前記反応溶媒は水であり、
    及び/又は、前記アミノ化反応の反応系のpHは7~9であり
    及び/又は、前記アミノ化反応の反応系の温度は20~50℃である、
    請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記L-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体の濃度は0.9U/mLであり、
    及び/又は、前記無機アミノ基供与体の濃度は600mMであり、
    及び/又は、前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩の濃度は300mMであり、
    及び/又は、前記還元型補酵素NADPHと前記2-オキソ-4-(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸塩のモル比は、1:10000であり、
    及び/又は、前記アンモニアの使用形態はアンモニア水であり、
    及び/又は、前記アミノ化反応の反応系のpHは8であり、
    及び/又は、前記アミノ化反応の反応系の温度は37℃である、請求項11に記載の方法。
  13. 脱水素酵素と水素供与体の存在下で酸化型補酵素NADP+を還元反応させて、前記還元型補酵素NADPHを得るステップをさらに含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記脱水素酵素及び水素供与体は、グルコース脱水素酵素及びグルコースであるか、あるいは、前記脱水素酵素及び水素供与体は、アルコール脱水素酵素及びイソプロパノールであるか、あるいは、前記脱水素酵素及び水素供与体は、ギ酸脱水素酵素及びギ酸塩である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記脱水素酵素の濃度は0.6~6U/mLであり
    及び/又は、前記酸化型補酵素NADP+の濃度は0.02~0.1mMであり
    及び/又は、前記水素供与体の濃度は100~1000mMであり
    及び/又は、前記還元反応の反応系のpHは7~9であり
    及び/又は、前記還元反応の反応系の温度は20~50℃である、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記脱水素酵素の濃度は2U/mLであり、
    及び/又は、前記酸化型補酵素NADP + の濃度は0.03mMであり、
    び/又は、前記水素供与体の濃度は360mMであり、
    及び/又は、前記還元反応の反応系のpHは8であり、
    及び/又は、前記還元反応の反応系の温度は37℃である、請求項15に記載の方法。
  17. (1)請求項16のいずれか一項に記載の製造方法によって、L-グルホシネート塩を調製するステップ;
    (2)ステップ(1)で調製されたL-グルホシネート塩を酸化反応させて、L-グルホシネートを得るステップ;
    を含むことを特徴とするL-グルホシネートの調製方法。
  18. L-グルホシネート又はその塩の調製おいて使用される、請求項1又は2に記載のL-グルタミン酸脱水素酵素突然変異体。
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