JP7433697B2 - スクロール圧縮機及び当該スクロール圧縮機を使用した冷凍サイクル装置 - Google Patents

スクロール圧縮機及び当該スクロール圧縮機を使用した冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本願は、空調機、冷凍機等に利用されるスクロール圧縮機及び冷凍サイクル装置に関するものである。
従来のスクロール圧縮機においては、インボリュート等の渦巻突起を台板面から突出させた固定スクロールと揺動スクロールを互いに組み合わせ、揺動スクロールを旋回させて両スクロールの渦巻突起と台板面とで形成される圧縮室で流体を圧縮する圧縮機構を備えたものがあった。又圧縮機構を作動するモータ部と、圧縮機構にモータ部の駆動力を伝達する偏心軸部を有する主軸を有していた。更にシェルに嵌着され、固定スクロールを固定支持する外周側支持面部および揺動スクロールを旋回可能に支持する内周側スラスト支持面を有するフレームを有している。このようなスクロール圧縮機においては、フレームはシェル内を高圧空間と低圧空間に区画し、シェルへの装着により高圧空間と低圧空間をシールすると共に、フレームの内周側スラスト支持面における径方向外方の外周側支持面との境界近傍に円周溝を形成している(特許文献1参照)。
また別のスクロール圧縮機は、クランクシャフトと、ケーシングと、ハウジングと、溶接部とを備えるものがあった。そしてクランクシャフトは、圧縮機構に回転力を与え、ケーシングは、クランクシャフトを収容し、ハウジングは、クランクシャフトを軸支し、ハウジングは、圧接部と、対向部とを有し、圧接部は、ケーシングに圧接され、対向部は、圧接部から離れた位置でケーシングに対し隙間を介して対向し、溶接部は、対向部とケーシングが溶接されてなるものである(特許文献2参照)。
特許第2712777号 特開2017-25762号公報
上記特許文献1のスクロール圧縮機においては、フレームの外周に、軸方向に伸びる円環を形成し、円環の先端でセンタシェルと焼嵌めしている。ただし、このような構造では、固定スクロールおよび揺動スクロールからなる圧縮機構を円環の内側で構成する必要があるため、揺動スクロールの外径サイズが制約され、圧縮機の出力が抑制されてしまうという問題点があった。さらにフレームの焼嵌め部(保持部)が先端にあり、フレームのスラスト支持面と円環の境界近傍に円周溝を形成しているため、圧縮機動作時に、保持部を基点にフレームが振れたり、あるいは騒音が発生する等の問題点があった。さらに円環部を形成する材料が増え、製造時の金型が複雑になり、コストが上昇するという問題点があった。
又特許文献2のスクロール圧縮機においても、特許文献1と同様に、ケーシングに保持したハウジングの内側に圧縮機構を構成する必要があるため、揺動スクロールの外径サイズが制約され、圧縮機の出力が抑制されてしまうという問題点があった。さらにハウジングをケーシングに圧接し、圧接部と別の位置で隙間を介して溶接固定するため、ハウジングが変形するという問題点があった。さらに溶接箇所が3ヶ所となるので、特に180度対称に形成されるオルダム溝の形状が非対称関係になるという問題点があった。
本願は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、フレーム(固定部材)の変形、振動を抑えるひずみの小さな保持構造を採用することにより、性能、品質に優れたスクロール圧縮機を得ることを目的としている。
本願に開示されるスクロール圧縮機は、第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記揺動スクロールに設けられた一対の第2オルダム溝に収容される第2キー部が設けられたオルダムリングと、前記オルダムリングに設けられた一対の第1キー部を収容するための一対の第1オルダム溝が設けられたメインフレームと、前記固定スクロール、前記揺動スクロール及び前記メインフレームを内側に収容するシェルを備えたものであって、
前記メインフレームの外周面に前記シェルの内周面と接触するような第1突起、第2突起、第3突起、第4突起を設け、一対をなす前記第3突起及び前記第4突起を一対の2個の前記第1オルダム溝の2つの中心を結ぶ直線である一直線からなるオルダム中心軸に対して軸対称の関係になるよう配置するとともに、他の一対をなす前記第1突起及び前記第2突起を前記オルダム中心軸と直交しかつ前記メインフレームの中心を通る直線であるオルダム対称軸に対して軸対称の関係になるよう配置し、前記メインフレームを前記シェルの前記内周面に圧入又は焼嵌めで固定し、
更に前記第3突起と一方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、前記第4突起と一方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、前記第3突起と他方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、及び前記第4突起と他方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間のそれぞれに前記オルダム中心軸に沿って平行な第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝を形成すると共に、前記第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝と前記メインフレームにおける収納空間とを連通させたものである。
本願に開示されるスクロール圧縮機によれば、メインフレームの固定範囲を全周から一部に減らすことができるため、メインフレームの保持荷重が減り、メインフレームの変形を抑えることができる。従って高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。また、メインフレームを固定する突起を第1オルダム溝の中心軸、対称軸に対して軸対称になるように配置することで、第1オルダム溝に、メインフレームの保持力が均等に付加されるため、2つの第1オルダム溝が不均等に変形することを防ぐことができる。
実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す縦方向概略断面図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のメインシェルを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のメインフレームを示す要部斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の固定スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の揺動スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の揺動スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のオルダムリングを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のクランクシャフトを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のブッシュを示す斜視図である。 図2の点線Hで囲まれた部分を示す拡大図である。 図10AのC部を示す拡大図である。 図10AのD部を示す拡大図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機を構成するメインフレームを示す平面図である。 スクロール圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を示す概念図である。 実施の形態2によるスクロール圧縮機を構成するメインフレームを示す斜視図である。 実施の形態2によるスクロール圧縮機を構成するメインフレームを示す平面図である。 図14のE方向から見た拡大図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す斜視図、図2は実施の形態1によるスクロール圧縮機の縦方向概略断面図である。更に図3はメインシェルを示す斜視図、図4はメインフレームを示す斜視図、図5は固定スクロールを示す斜視図、図6A、図6Bは揺動スクロールを示す斜視図、図7はオルダムリングを示す斜視図、図8はクランクシャフトを示す斜視図、図9はブッシュを示す斜視図、図10Aは図2の点線Hで囲まれた部分を示す拡大図、図10Bは図10AのC部を示す拡大図、図10Cは図10AのD部を示す拡大図、図11はメインフレームを示す平面図である。なお、図1に示された圧縮機はクランクシャフトの中心軸が地面に対して略垂直の状態で使用されるいわゆる縦型のスクロール圧縮機である。
図1から図4に示すように、スクロール圧縮機は、シェル1と、メインフレーム2と、圧縮機構部3(固定スクロール31等により構成)と、駆動機構部4と、サブフレーム5と、クランクシャフト6と、ブッシュ7と、給電部8とを備えている。以下ではメインフレーム2を基準として、圧縮機構部3が設けられている側(上側)を一端側、駆動機構部4が設けられている側(下側)を他端側と定義して説明する。
シェル1は、金属からなる両端が閉塞された筐体であり、メインシェル11と、アッパーシェル12と、ロアシェル13を備えている。メインシェル11は円筒状をなし、その側壁に吸入管14がロウ付け等により接続されている。吸入管14は冷媒をシェル1内に導入する管であり、メインシェル11内と連通している。アッパーシェル12は略半球状で形成されており、その側壁の一部がメインシェル11の上端部において溶接等により接続され、メインシェル11の上側の開口を覆っている。アッパーシェル12の上部には、吐出管15がロウ付け等により接続されている。吐出管15は冷媒をシェル1の外に吐出する管であり、メインシェル11の内部空間と連通している。
ロアシェル13は略半球状で形成されており、その側壁の一部がメインシェル11の下端部において溶接等により接続され、メインシェル11の下側の開口を覆っている。なおシェル1は、複数のネジ穴を備える固定台16によって支持されている。固定台16には複数のネジ穴が形成されており、それらのネジ穴にネジをねじ込むことによって、スクロール圧縮機を室外機の筐体等の他の部材に固定できるようになっている。メインフレーム2は例えば鋳鉄等の金属からなり、空洞が形成された中空状のフレームであり、シェル1の内部に設けられている。メインフレーム2は本体部21と、主軸受部22と、返油管23を備えている。本体部21はメインシェル11の一端側の内壁面に固定されており、その中央にはシェル1の長手方向に沿って収容空間211が形成されている。収容空間211は一端側が開口しているとともに、他端側に向かって空間が狭くなる段差状になっている。
本体部21の一端側には、収容空間211を囲むように環状の平坦面212が形成されている。平坦面212には、バルブ鋼などの鋼板系材料からなるリング状のスラストプレート24が配置されている(図10A参照)。よって本実施の形態では、スラストプレート24がスラスト軸受として機能する。なおスラストプレート24がスラスト軸受として機能するため、回転を抑制する回り止めが必要になる。ここでは図示しないが、例えばメインフレーム2の平坦面212に、スラストプレート24の厚みよりも薄い突起を設け、スラストプレート24の回転を抑制することができる。あるいはメインフレーム2に溝を設けると共にスラストプレート24に突起を形成し、両部品を嵌合させる等の構造を採用しても良い。
メインフレーム2の平坦面212の外端側であってスラストプレート24と重ならない位置には、吸入ポート213が形成されている。吸入ポート213は、本体部21の上下方向、すなわちアッパーシェル12側とロアシェル13側において貫通する空間である。図4においては、吸入ポート213を2個、返油管23を2本設けた場合を示しているが、数はこれに限定するものではない。また吸入ポート213を切欠き形状としているが、貫通孔形状であってもよい。
メインフレーム2の平坦面212よりも他端側の段差部分には、オルダム収容部214が形成されている。オルダム収容部214には第1オルダム溝215が形成されている。そして一対を形成する2個の第1オルダム溝215は軸に対して点対称となるよう対向するように形成されている。第1オルダム溝215を加工し易くするため、平坦面212にオルダム溝の外形よりも大きなざぐり215aを形成している。本体部21の他端側に軸受を支持する主軸受部22を形成しており、その内部には軸受を挿入するための軸孔221が形成されている。軸孔221は主軸受部22の上下方向に貫通し、その一端側が収容空間211と連通している。返油管23は収容空間211に溜まった潤滑油をロアシェル13の内側の油溜めに戻すための管であり、メインフレーム2の内側と外側とを貫通して形成された排油孔に挿入固定されている。
潤滑油は例えばエステル系合成油を含む冷凍機油である。潤滑油はシェル1の下部、すなわちロアシェル13に貯留されており、後述するオイルポンプ52で吸い上げられて、クランクシャフト6内の通油路63を通り、圧縮機構部3等の機械的に接触する部品同士の摩耗を低減し、摺動部の温度を調節し、更にはシール性を改善するために用いられる。潤滑油としては、潤滑特性、電気絶縁性、安定性、冷媒溶解性、低温流動性などに優れるとともに、適度な粘度を有する油が好適である。
圧縮機構部3は冷媒を圧縮するための圧縮機構である。圧縮機構部3は固定スクロール31と、揺動スクロール32を備えたスクロール圧縮機構である。図5は固定スクロールを示す斜視図であり、他端側(下側)から見た図である。固定スクロール31は、鋳鉄等の金属からなり、第1基板311と、第1渦巻体312を備えている。第1基板311は円板状をなしており、その中央には上下方向に貫通した吐出ポート313が形成されている。第1渦巻体312は、第1基板311の他端側の面から突出して渦巻状の壁を形成しており、その先端は他端側に突出している。
図6A、Bは揺動スクロールを示す斜視図であり、図6Aは一端側(上側)から見た図、図6Bは図6AのX方向から見た図である。揺動スクロール32は、アルミニウム等の金属からなり、第2基板321と、第2渦巻体322と、筒状部323と、第2オルダム溝324を備えている。第2基板321は、第2渦巻体322が形成された一方の面と、外周領域の少なくとも一部が摺動面3211となる他方の面と、径方向最外部に位置するとともに、一方の面と他方の面とを接続する側面3212を備えた円板形状をなしており、摺動面3211がスラストプレート24に対し摺動可能となるようメインフレーム2に支持(支承)されている。第2渦巻体322は、第2基板321の一方の面から突出して渦巻状の壁を形成しており、その先端は一端側に突出している。
なお固定スクロール31の第1渦巻体312の先端部と、揺動スクロール32の第2渦巻体322の先端部には、冷媒の漏れを抑制するためのシール部材が設けられている。筒状部323は、第2基板321の他方の面の略中央から他端側(下側)に突出して形成された円筒状のボスである。筒状部323の内周面には、後述するスライダ71を回転自在に支持する揺動軸受、いわゆるジャーナル軸受が、その中心軸がクランクシャフト6の中心軸と平行になるように設けられている。第2オルダム溝324は、第2基板321の他端側の面に形成された端部が円弧形状の長方形状に形成された溝である。そして一対を形成する2個の第2オルダム溝324は、軸に対して点対称となるよう対向するように設けられている。一対を形成する2個の第2オルダム溝324の中心を結ぶ線は、一対を形成する2個の第1オルダム溝215の中心を結ぶ線に対して、直交するように設けられている。
メインフレーム2のオルダム収容部214には、オルダムリング33が設けられている。図7においてオルダムリング33は、リング部331と、第1キー部332と、第2キー部333とを備えている。第1キー部332はリング部331の他端側(下側)の面において一対の2個の第1キー部332が対向するように形成されており、メインフレーム2の一対の第1オルダム溝215に収容される。第2キー部333は、リング部331の一端側(上側)の面において一対の2個の第2キー部333が対向するように形成されており、揺動スクロール32の一対の第2オルダム溝324に収容される。クランクシャフト6の回転によって揺動スクロール32が公転旋回する際に、第1キー部332は第1オルダム溝215に対しスライドし、更に第2キー部333は第2オルダム溝324に対しスライドすることにより、オルダムリング33は揺動スクロール32が自転することを防止する。
これら固定スクロール31の第1渦巻体312と、揺動スクロール32の第2渦巻体322を互いに噛み合わせることにより圧縮室34が形成される。圧縮室34は半径方向において、外側から内側へ向かうに従って容積が縮小するものであるため、冷媒を渦巻体の外端側から取り入れて、中央側に移動させることで徐々に圧縮される。圧縮室34は固定スクロール31の中央部において、吐出ポート313と連通する。固定スクロール31の一端側(上側)の面には、吐出孔351を有するマフラー35が設けられるとともに、吐出孔351を開閉し、冷媒の逆流を防止する吐出弁36が設けられている。
冷媒としては、例えば、組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素、炭化水素、又はそれらを含む混合物からなる。炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素としては、オゾン層破壊係数がゼロであるHFC冷媒、フロン系低GWP冷媒であり、化学式がC3H2F4で表されるHFO1234yf、HFO1234ze、HFO1243zf等のテトラフルオロプロペン等がある。炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素としては、CH2F2で表されるR32(ジフルオロメタン)、R41等が混合された冷媒等がある。炭化水素としては、自然冷媒であるプロパン又はプロピレン等がある。混合物としては、HFO1234yf、HFO1234ze、HFO1243zf等に、R32、R41等を混合した混合冷媒がある。
駆動機構部4は、シェル1内部において、メインフレーム2の他端側(下側)に設けられている。駆動機構部4はステータ41とロータ42を備えている。ステータ41は例えば電磁鋼板を複数積層してなる鉄心に、絶縁層を介して巻線を巻回してなる固定子であり、リング状に形成されている。ステータ41は焼き嵌め等によりメインシェル11内部に固着支持されている。ロータ42は電磁鋼板を複数積層してなる鉄心の内部に永久磁石を内蔵するとともに、中央に上下方向に貫通する貫通穴を有する円筒状の回転子であり、ステータ41の内部空間に配置されている。
サブフレーム5は、例えば鋳鉄等の金属からなるフレームであり、シェル1内部に設けられた駆動機構部4の他端側(下側)に設けられている。サブフレーム5は焼き嵌め、または溶接等によってメインシェル11の他端側(下側)の内周面に固着支持されている。サブフレーム5は副軸受部51と、オイルポンプ52を備えている。副軸受部51はサブフレーム5の中央部上側に設けられたボールベアリングであり、中央に上下方向に貫通する孔を有している。オイルポンプ52はサブフレーム5の中央部下側に設けられており、シェル1の油溜めに貯留された潤滑油に少なくとも一部が浸漬するように配置されている。なお図2において、副軸受部51としてボールベアリングを例示しているが、これが例えばジャーナル軸受であってもよい。
クランクシャフト6は、長い金属製の棒状部材であり、シェル1の内部に設けられている。クランクシャフト6は、主軸部61と、偏心軸部62と、通油路63とを備えている。主軸部61は、クランクシャフト6の主要部を構成する軸であり、その中心軸がメインシェル11の中心軸と一致するように配置されている。主軸部61の外表面にはロータ42が接触固定されている。偏心軸部62は、その中心軸が主軸部61の中心軸に対して偏心するように主軸部61の一端側(上側)に設けられている。通油路63は主軸部61および偏心軸部62の内部に上下に貫通して設けられている。このクランクシャフト6は主軸部61の一端側(上側)がメインフレーム2の主軸受部22内に挿入され、他端側(下側)がサブフレーム5の副軸受部51に挿入固定される。これにより偏心軸部62は揺動スクロール32の筒状部323の筒内に配置される。又ロータ42はその外周面がステータ41の内周面と所定の隙間を保って配置される。また主軸部61の一端側(上側)には第1バランサ64、他端側(下側)には第2バランサ65が、揺動スクロール32の搖動によるアンバランスを相殺するために設けられている。
図9はブッシュを示す斜視図である。ブッシュ7は鉄等の金属からなり、揺動スクロール32とクランクシャフト6を接続するための接続部材である。ブッシュ7は本実施形態では2つの部分で構成され、スライダ71と、バランスウエイト72を備える。スライダ71は鍔が形成された筒状の部材であり、偏心軸部62および筒状部323のそれぞれに嵌入されている。バランスウエイト72は一端側(上側)から見た形状が略C形状を有するウエイト部721を備えたドーナツ状の部材であり、揺動スクロール32の遠心力を相殺するために回転中心に対して偏芯して設けられている。バランスウエイト72は例えばスライダ71の鍔に焼嵌め等の方法により嵌合されている。
なおブッシュ7については、例えば機械加工によりスライダ71とバランスウエイト72を一体で削りだした1パーツ品としてもよい。
給電部8はスクロール圧縮機に給電するための給電部材であり、シェル1のメインシェル11の外周面に形成されている。給電部8はカバー81と、給電端子82と、配線83とを備えている。カバー81は有底開口のカバー部材である。給電端子82は金属部材からなり、一方がカバー81の内部に設けられ、他方がシェル1の内部に設けられている。配線83は一方が給電端子82と接続され、他方がステータ41と接続されている。
次に本実施形態の要点を構成するメインフレーム2、固定スクロール31をメインシェル11に保持する保持構造を図2~図11に基づいて説明する。先ずメインシェル11とメインフレーム2、およびメインシェル11と圧縮機構部3の関係について、図2~図10に基づき詳細に説明する。なお図10Aは、図2の点線Hで囲まれた部分を示す拡大図である。又図10Bは図10AのC部を示す拡大図、図10Cは図10AのD部を示す拡大図である。ただし説明のために形状を修正しており、現物と寸法関係が異なっている。
図2、図3、図10A~Cに示すように、メインシェル11は、第1内壁面111から径方向内側に突出する第1突出部112と、第1突出部112のアッパーシェル12の側(固定スクロール側)に向いた端面であって、固定スクロール31の第1基板311と接触して固定スクロール31の軸方向位置を決める第1位置決め面113と、第1突出部112の内壁面となる第2内壁面114と、第1突出部112からさらに径方向内側に突出する第2突出部115と、第2突出部115のアッパーシェル12の側(固定スクロール側)に向いた端面であって、メインフレーム2の本体部21(突起216)と接触してメインフレーム2の軸方向位置を決める第2位置決め面116と、第2突出部115の内壁面となる第3内壁面117を有している。つまりメインシェル11は、他端側(下側)に向かって内径が小さくなる段状の部分を備えている。この際第1位置決め面113と第2位置決め面116は、クランクシャフト6の中心軸に対して略垂直になるよう構成されており、かつ第1位置決め面113と第2位置決め面116の法線ベクトルが同一方向を向くように形成している。第1位置決め面113と第1内壁面111が交差した角部、および第2位置決め面116と第2内壁面114が交差した角部に、それぞれ凹み1131と凹み1161を設けている。これにより各位置決め面に固定スクロール31及びメインフレーム2を確実に接触させることができる。
更に図2、図4、図11に示すように、メインフレーム2には、本体部21の外径から径方向外側に突出する突起216を複数個形成している。メインフレーム2の突起216の軸方向端面をメインシェル11に形成した第2位置決め面116に接触させることで、メインフレーム2の軸方向位置を決めている。さらにこの状態で、メインフレーム2をメインシェル11の第2内壁面114に圧入、焼嵌め等で固定することで中心位置を決めている。この際突起216を設けた範囲が本体部21の全周でなく一部であるため、メインシェル11から受ける保持力を下げ、メインフレーム2の変形を抑えることができる。これにより高性能、高品質のスクロール圧縮機を得ることができる。なお保持力が足りない場合に、メインシェル11と突起216の接触面にさらにアークスポット溶接等を施してもよい。上記のようにして、メインフレーム2の中心位置及び軸方向高さの位置を決めた状態で、メインシェル11に保持することができる。
なお、突起216をメインフレーム2の平坦面212(揺動スクロール32の摺動面3211とスラストプレート24を介して設置する面)よりもロアシェル13側(下側)に形成している。即ち突起216を平坦面212を基準にして、揺動スクロール32から離れる側に形成する。これにより平坦面212が保持力を受けて変形することを抑制することができる。従って損失の少ない高性能のスクロール圧縮機を得ることができる。
次に図11に基づいてメインフレーム2の突起216と1対の2個の第1オルダム溝215の位置関係を説明する。1対の第1オルダム溝215の中心を結ぶ直線をオルダム中心軸Yとし、オルダム中心軸Yと直交し、かつ1対の第1オルダム溝215との距離が等しくなる(メインフレーム2の中心を通る)直線をオルダム対称軸Zとする。1対の第1オルダム溝215に、オルダムリング33の第1キー部332が挿入され、第1オルダム溝215に沿って摺動する。一対をなす2個の突起216c、216dをオルダム中心軸Yに対して軸対称の関係になるよう配置する。又一対をなす2個の突起216a、216bをオルダム対称軸Zに対して軸対称の関係になるよう配置する。これによりメインフレーム2が保持力を受ける際に、1対の第1オルダム溝215にも荷重が均等に負荷される。これにより1対の第1オルダム溝215に軸ずれ及び溝幅の相違が生じないため、オルダムリング33の摺動抵抗を小さくした高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。さらに図11に示すように、突起216をオルダム中心軸Yとオルダム対称軸Z上に配置すると、オルダム中心軸Y上に負荷される荷重により、第1オルダム溝215の溝幅が広がり、オルダム対称軸Z上に負荷される荷重により第1オルダム溝215の溝幅が狭まるため、第1オルダム溝215の変形そのものを抑えることができるので、高性能のスクロール圧縮機を得ることができる。更に4つの突起216a、216b、216c、216dの中心216a1、216b1、216c1、216d1をオルダム中心軸Y、およびオルダム対称軸Z上に配置することができる。尚図11においては、メインフレーム2の中心に対して点対称の関係にある一対の2個の突起216を2組、即ち合計で4個の突起216を設けた場合を示しているが、4個以外の複数個の突起を設けるようにしても良い。
図2、図5、図10A、B、Cに示すように固定スクロール31の第1基板311の第1渦巻体312を形成する側の面を、メインシェル11に形成した第1位置決め面113に当てることで、固定スクロール31の軸方向位置を決めている。さらにこの状態でメインシェル11の第1内壁面111に第1基板311の側面3111を焼嵌めで固定することで、固定スクロール31の中心位置が決まる。そして側面3111は第1内壁面111の全周に亘り接触することとなる。上記のように固定スクロール31の中心位置及び軸方向高さ位置を決めた状態で、メインシェル11に固定スクロール31を保持することができる。ここでは図示しないが、固定スクロール31の位相を例えば位置決めピンを使用して合わせることで、固定スクロール31の位置を完全に拘束することができる。
なお、本実施の形態において、シェル1内部の高圧及び低圧の分離機能を、固定スクロール31に持たせている。
次にスクロール圧縮機の動作について説明する。給電部8の給電端子82に通電すると、ステータ41とロータ42にトルクが発生し、これに伴ってクランクシャフト6が回転する。クランクシャフト6の回転は、偏心軸部62およびブッシュ7を介して揺動スクロール32に伝えられる。回転駆動力が伝達された揺動スクロール32は、オルダムリング33により自転を規制され、固定スクロール31に対して偏心公転運動する。その際揺動スクロール32の他方の面が、スラストプレート24と摺動する。
揺動スクロール32の揺動運動に伴い、吸入管14からシェル1の内部に吸入された冷媒は、メインフレーム2の吸入ポート213を通って冷媒取込空間37に到達し、固定スクロール31と揺動スクロール32とで形成される圧縮室34に取り込まれる。そして冷媒は揺動スクロール32の偏心公転運動に伴い、外周部から中心方向に移動しながら体積を減じられて圧縮される。揺動スクロール32の偏心公転運転時、揺動スクロール32は自身の遠心力により、ブッシュ7と共に径方向に移動し、第2渦巻体322と第1渦巻体312の側壁面同士が密接する。圧縮された冷媒は、固定スクロール31の吐出ポート313から固定スクロール31の吐出孔351に至り、吐出弁36に逆らってシェル1の外部に吐出される。
次に本実施形態のスクロール圧縮機の製造方法について説明する。まず板状鋼材をロールあるいはプレスによって管状に成形後、継目を溶接で接続して鋼管とした溶接鋼管を製作し、これに吸入管14を溶接し、給電部8を取り付けて、メインシェル11を製作する。続いてメインシェル11の内壁面を厚み方向に所定の深さだけ切削加工することで、第2内壁面114および第2突出部115による段差を形成する。メインシェル11の厚みは、例えば4~6mmであり、突出部の高さ、すなわち切削加工による削り深さは例えば0.5mm前後である。次に第2突出部115からアッパーシェル12の方向(上側)に所定距離離れた内壁面を厚み方向に所定の深さだけ切削加工することで、第1内壁面111および第1突出部112による段差を形成する。このため第1内壁面111の内径は、第2内壁面114の内径よりも大きくなる。また第1突出部112は第2突出部115よりもアッパーシェル12の方向(上側)に形成され、その内壁面は第2内壁面114となる。なお第1突出部112を形成した後で、第2突出部115を形成するようにしても良い。
続いて第1突出部112における第1内壁面111との接続部分(第1位置決め面113の第1内壁面111の側)、および第2突出部115における第2内壁面114との接続部分(第2位置決め面116の第2内壁面114の側)を加工することにより、ロアシェル13の方向(下側)に凹んだ形状の凹み1131、1161をそれぞれ形成する。凹み1131、1161は切削加工によって上記接続部分に生じ易い曲面を除去する、いわゆるヌスミ加工により形成する。すなわち切削加工の結果、第1内壁面111と第1位置決め面113との接続部分が直角ではなく、円弧状に形成されることがある。当該部分に円弧部分が形成されると、固定スクロール31を第1突出部112に配置しても、第1位置決め面113に接触せずに浮いてしまい、位置決めの精度が低くなる。これに対して凹み1131を形成することで、固定スクロール31が第1位置決め面113に確実に接触するため、位置決め精度を高めることができる。これは第2内壁面114と第2位置決め面116との接続部分についても同様で、メインフレーム2の位置決め精度を高めることができる。
次に上記のように形成されたメインシェル11の一端側(上側)から、メインフレーム2を挿入する。メインフレーム2は第2突出部115の第2位置決め面116に面で接触し、高さ方向の位置決めがされる。その状態でメインフレーム2の突起216を第2内壁面114に焼嵌め又はアークスポット溶接等により固定する。そしてメインフレーム2の軸孔221にクランクシャフト6を挿入したのち、偏心軸部62にブッシュ7を取り付け、さらにオルダムリング33及び揺動スクロール32等を配置する。
次いでメインシェル11の一端側(上側)から、固定スクロール31を挿入する。固定スクロール31は第1突出部112の第1位置決め面113に対し面接触し、高さ方向の位置決めがされる。その状態で固定スクロール31の第1基板311の側面3111を第1内壁面111に対して焼嵌めで固定する。
最後にメインシェル11の一端側(上側)からアッパーシェル12を挿入したのち、メインシェル11とアッパーシェル12を溶接又はアークスポット溶接等により固定する。
以上のような製造方法により、先行例のように、メインフレームと固定スクロールをネジ等で接続する方法と同等に、メインフレーム、固定スクロールおよび揺動スクロールを組み立て、更に冷媒取込空間37を拡大することができる。また本実施形態では、ネジ等を使わないため、部品を削減し、かつ製造を容易に行うことができる。
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、揺動スクロール32を摺動自在に保持するメインフレーム2と、揺動スクロール32とともに圧縮室34を形成する固定スクロール31と、メインフレーム2、固定スクロール31、揺動スクロール32を収容したメインシェル11を備えている。そしてメインシェル11は、第1内壁面111から径方向内側に突出する第1突出部112と、第1突出部112のアッパーシェル12側(上側)に向いた端面であって固定スクロール31の第1基板311と接触して固定スクロール31の軸方向位置を決める第1位置決め面113を有している。
又メインシェル11は、第1突出部112の内壁面となる第2内壁面114と、第1突出部112からさらに径方向内側に突出する第2突出部115を有している。更にメインシェル11は、第2突出部115のアッパーシェル12側(上側)に向いた端面で、メインフレーム2の突起216と接触して、メインフレーム2の軸方向位置を決める第2位置決め面116と、第2突出部115の内壁面となる第3内壁面117を有している。以上のように構成することにより、メインシェル11の第1内壁面111に固定スクロール31の第1基板311の側面3111を焼嵌めで固定することで、ボルト等の締結部材を使用せずに、固定スクロール31を保持することができる。従って組立が簡易になり、かつ部品点数が低減するため、スクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。
また第1内壁面111に固定スクロール31を焼嵌めすることで、第1基板311の側面3111を全周に亘って加圧することができるため、Oリング等のシール材を使用することなく、シェル1内部を高圧空間と低圧空間に分けることができる。従ってスクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。さらに固定スクロール31を焼嵌めでメインシェル11に保持するので、特に調整することなく、中心を合わせることができる。従って組立が簡易になり、スクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。さらにスクロール圧縮機の性能を向上させることができる。
またメインフレーム2を圧入、または焼嵌めでメインシェル11に保持することで、特に調整することなく中心をあわせることができるため、組立が簡易になり、スクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。さらにスクロール圧縮機の性能を向上させることができる。またメインシェル11の第2内壁面114にメインフレーム2の本体部21の外径から径方向外側に向かって突出する複数個所の突起216を圧入、焼嵌め等することによりメインフレーム2を固定することで、メインフレーム2を加圧する範囲を全周から一部領域に減らすことができる。これによりメインフレーム2が受ける保持力を小さくし、メインフレーム2の変形を抑制することができるため、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
また突起216をメインフレーム2の平坦面212(揺動スクロール32の摺動面3211とスラストプレート24を介して設置する面)よりもロアシェル13側(下側)に形成している。これにより平坦面212が保持力を受けて変形することを抑制することができるため、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
また突起216をオルダム中心軸Y、およびオルダム対称軸Z上に配置することにより、1対の第1オルダム溝215に均等に荷重を付加することができるため、第1オルダム溝215の軸ずれを抑えることができ、更には溝幅が不均等化になることを抑えることができる。これによりオルダムリング33の摺動抵抗が減り、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
また固定スクロール31は、第1内壁面111に固定されているため、揺動スクロール32の径方向の最外部に位置する側面3212とメインシェル11の内壁面とが対向し、メインフレーム2が第2基板321の側面3212とメインシェル11の内壁面との間に介在しない構造となる。したがって特許文献1で示したように固定スクロール31を固定するための周壁をメインフレーム2に形成することなく、固定スクロール31をシェル1内へ配置し、揺動スクロール32を配置する冷媒取込空間37を拡大することができる。従って例えば固定スクロール31の第1渦巻体312と揺動スクロール32の第2渦巻体322を拡大することができ、スクロール圧縮機のサイズに対する吐出容量を増やすことができる。
また揺動スクロール32の大型化とあわせて、スラストプレート24の直径を大きくすることができ、摺動面積を大きくしスラスト荷重による面圧を低減することが可能となる。これによりスクロール圧縮機の信頼性を向上させることができる。またスラスト荷重を下げることで、環境負荷が低いが、スラスト軸受にかかる負担が大きくなる高圧冷媒(例えばR32など)を使用することが可能となり、スクロール圧縮機の環境負荷を低減させることができる。またメインフレーム2に固定スクロール31を固定するための壁が不要となるため、メインフレーム2の加工時間を短縮化することができるとともに、軽量化をはかることもできる。従ってスクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。
また固定スクロール31において、第1基板311の第1渦巻体312を形成する側の面で、メインシェル11の第1位置決め面113に接触させている。これにより固定スクロール31の第1基板311に高圧がかかった場合であっても、第1位置決め面113に押さえ付けられるため、固定スクロール31がより強固に保持され、固定スクロール31の移動を抑制できる。またメインシェル11の第1位置決め面113と第2位置決め面116の向きを同一(上側)としているため、メインフレーム2が揺動スクロール32からスラスト荷重を受けても、第2位置決め面116に押さえつけられるため、メインフレーム2がより強固に保持され、メインフレーム2の移動を抑制できる。これによりスクロール圧縮機の信頼性を向上させることができる。
またメインシェル11の第1位置決め面113と第2位置決め面116の加工を1方向(一端側、上側)から連続して行うことができる。これにより第1位置決め面113と第2位置決め面116の平行度を向上させることができる。従ってメインフレーム2と固定スクロール31の組立精度、位置精度が向上し、スクロール圧縮機の性能を向上させることができる。また1方向からの加工のため、加工が容易になり、加工時間が短縮するため、スクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。さらにメインフレーム2を一端側(上側)からメインシェル11に挿入固定後、メインシェル11をそのままの体勢で揺動スクロール32及び固定スクロール31を順次挿入固定することができる。すなわち1方向組立が可能となるため、組立が容易となり、スクロール圧縮機の低コスト化を図ることができる。また図12に示すように、本実施形態のスクロール圧縮機1000を、凝縮器1001、膨張弁1002、および蒸発器1003と組み合わせることにより、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置を構成することができる。図12においてFは冷媒の流れを示している。これにより大容量、高効率、低コストの冷凍サイクル装置を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るスクロール圧縮機の構造を、図13、図14に基づいて説明する。図13は実施の形態2に係るスクロール圧縮機を構成するメインフレームを示す斜視図、図14は実施の形態2によるメインフレームを示す平面図である。本実施形態によるスクロール圧縮機において、実施の形態1と実質的に同じ構成部品に対しては同じ符号を付し、説明を省略する。なお実施の形態2に係るスクロール圧縮機は、メインフレーム2のオルダム収容部214に溝217を形成したことのみ実施の形態1と異なる。
図13、図14に示すように、溝217をオルダム収容部214の第1オルダム溝215と突起216(216A、B)の間に形成している。溝217を形成しておくと、メインフレーム2をメインシェル11により保持する際に受ける保持力で溝217が変形する。これにより第1オルダム溝215の変形を抑制することができるため、摺動抵抗を小さくした高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。図15は図14のE方向から見た拡大図である。さらに、図15に示すように、溝217の深さを第1オルダム溝215の深さよりも深くすることで、第1オルダム溝215全体の変形を抑えることができる。従って第1オルダム溝215の変形を抑制することができるため、更に摺動抵抗を小さくした高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。さらに、図13に示す通り、溝217の内周側を、溝217とメインフレーム2における収容空間211を連通させることで、圧縮機構部に溜まった余分な潤滑油を抜く油抜きとしての機能をもたせることができるため、油が溜まることによるスクロール圧縮機の性能低下並びに圧縮機構部の破損を抑制できるため、信頼性を向上させた高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。
次に本実施形態の効果について説明する。オルダム収容部214における第1オルダム溝215と突起216の間に溝217を形成すると、メインフレーム2をメインシェル11により保持する際に溝217が変形する。これにより第1オルダム溝215の変形を抑制することができるため、摺動抵抗の小さな高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。また溝217の深さを第1オルダム溝215の深さよりも深くすることで、第1オルダム溝215全体の変形を抑えることができるので、より効果が高くなる。
さらに溝217の内周側を削り、溝217と収容空間211を連通させることで、圧縮機構部に溜まった余分な潤滑油を抜く油抜きとしての機能をもたせることができる。これにより信頼性を向上させた高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。なお実施の形態2においては実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
更に溝217が、第1オルダム溝215の長手方向Lに沿って形成されている。このように溝217を、第1オルダム溝215の長手方向に形成することで、第1オルダム溝215全体の変形を抑えることができ、オルダムリング33動作時の摩擦損失を減らすことができる。これによりスクロール圧縮機の品質、および効率を向上させることができる。
その他上記した構成部品の数、寸法及び材料等について適宜変更することができる。
更に本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
例えば上記実施の形態では、縦型スクロール圧縮機について説明したが、横型のスクロール圧縮機にも適用できる。その際横型のスクロール圧縮機においても、メインフレームを基準として、圧縮機構部が設けられている側を一端側、駆動機構部が設けられている側を他端側と方向づけて見ることができる。また低圧シェル方式のスクロール圧縮機に限らず、駆動機構部が配置されたメインシェル内の空間の圧力が冷媒取込空間の圧力よりも高くなる高圧シェル方式のスクロール圧縮機にも適用できる。
更に部品の位置、個数、寸法については、図面に示したものと必ずしも一致する必要はない。
1 シェル、111 第1内壁面、112 第1突出部、113 第1位置決め面、
115 第2突出部、116 第2位置決め面、2 メインフレーム、
215 第1オルダム溝、216 突起、217 溝、31 固定スクロール、
312 第1渦巻体、32 揺動スクロール、322 第2渦巻体、
324 第2オルダム溝、33 オルダムリング、332 第1キー部、
333 第2キー部、34 圧縮室、1000 スクロール圧縮機、
1001 凝縮器、1002 膨張弁、1003 蒸発器。

Claims (7)

  1. 第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記揺動スクロールに設けられた一対の第2オルダム溝に収容される第2キー部が設けられたオルダムリングと、前記オルダムリングに設けられた一対の第1キー部を収容するための一対の第1オルダム溝が設けられたメインフレームと、前記固定スクロール、前記揺動スクロール及び前記メインフレームを内側に収容するシェルを備えたスクロール圧縮機であって、
    前記メインフレームの外周面に前記シェルの内周面と接触するような第1突起、第2突起、第3突起、第4突起を設け、一対をなす前記第3突起及び前記第4突起を一対の2個の前記第1オルダム溝の2つの中心を結ぶ直線である一直線からなるオルダム中心軸に対して軸対称の関係になるよう配置するとともに、他の一対をなす前記第1突起及び前記第2突起を前記オルダム中心軸と直交しかつ前記メインフレームの中心を通る直線であるオルダム対称軸に対して軸対称の関係になるよう配置し、前記メインフレームを前記シェルの前記内周面に圧入又は焼嵌めで固定し、
    更に前記第3突起と一方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、前記第4突起と一方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、前記第3突起と他方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間、及び前記第4突起と他方の前記第1オルダム溝との前記揺動スクロール側から見た周方向における間のそれぞれに前記オルダム中心軸に沿って平行な第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝を形成すると共に、前記第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝と前記メインフレームにおける収納空間とを連通させたスクロール圧縮機。
  2. 前記第1溝と、前記第2溝は前記オルダム中心軸に対して軸対称になるよう配置されるとともに、
    前記第3溝と、前記第4溝は前記オルダム中心軸に対して軸対称になるよう配置された請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝の深さを前記第1オルダム溝の深さより大きく形成した請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記第1突起、前記第2突起、前記第3突起、前記第4突起を前記メインフレームの前記揺動スクロールを設置する面を基準にして、前記揺動スクロールから離れる側に形成する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記シェルは、第1内壁面から径方向内側に突出する第1突出部と、
    前記第1突出部の前記固定スクロール側に向いた端面であって、前記固定スクロールの軸方向位置を決める第1位置決め面と、
    前記第1突出部径方向内側に突出する第2突出部と、
    前記第2突出部の前記固定スクロール側に向いた端面であって、前記第1突起、前記第2突起、前記第3突起、前記第4突起と接触することにより前記メインフレームの軸方向位置を決める第2位置決め面を備えた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記シェルの内壁面に対し前記固定スクロールの側面を焼嵌め固定した請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機と、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を組み合わせることにより構成される冷凍サイクル装置。
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