JP7425784B2 - 可溶化アピラーゼ、方法及び使用 - Google Patents

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Description

本発明は、可溶化アピラーゼポリペプチドの設計及び治療的使用、組織損傷を予防及び処置するのに有用な医薬組成物及び方法に関する。
アピラーゼ(ATP-ジホスファターゼ、アデノシンジホスファターゼ、ADPase又はATPジホスホヒドロラーゼ)は、ヌクレオチド二リン酸及び三リン酸(NDP及びNTP)の両方に対する酵素活性の形質膜結合酵素群であり、NDPを中間体として2つの個別の連続的なリン酸放出段階においてNTPを一リン酸ヌクレオチド(NMP)に加水分解する。細胞表面上に存在し、細胞外ヌクレオチドを加水分解するエクトATPaseの殆どは、この酵素ファミリーに属する。これらは、ATP及びADPの両方を加水分解するという点で、ATPを特異的に加水分解するATPaseとは異なる。
表面抗原分類39(CD39、UniProt P49961又は配列番号1)としても知られる、最初に分かったヒトアピラーゼ、エクトヌクレオシドトリホスフェートジホスホヒドロラーゼ-1(遺伝子:ENTPD1、タンパク質:NTPDase1)は、細胞表面に局在する酵素であり、細胞外に向いている触媒部位を有する。
既知のヒトCD39ファミリーの中で、メンバーCD39L3は、CD39とCD39L1(エクトATPase)との間の生化学的活性を有する、エクトアピラーゼ(エクトATPDase)として知られる。具体的にヒトCD39L3は、治療目的のために、例えば米国特許第7247300B1号明細書(参照により本明細書中に組み込まれる)で開示されるように、又は配列番号3として本明細書中に含まれているように、可溶化され、精製されている。
本開示は、とりわけ、ヒトCD39などの可溶化ヒトアピラーゼのある種の修飾が、驚くべきことに、活性タンパク質をもたらし、その作製がそれでもなお安全且つ容易であるという予想外の知見に基づく。
本発明の第1の態様によれば、N末端欠失、C末端欠失及び中央部修飾からなるリストから選択される少なくとも2つの修飾を有する可溶化ヒトアピラーゼが提供される。
ある実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、N末端欠失、C末端欠失及び修飾欠失を含む。
ある実施形態では、中央部修飾は、1個以上のアミノ酸の欠失を含む。別の実施形態では、中央部修飾は、置換突然変異などの1個以上のアミノ酸の点突然変異を含む。また別の実施形態では、中央部修飾は、1個以上のアミノ酸の欠失及び1個以上のアミノ酸の点突然変異、例えば置換突然変異など、の組み合わせである。
N末端欠失は、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50個のアミノ酸の欠失など、配列番号1に従う野生型CD39配列のN末端からの30~50個のアミノ酸の欠失であり得る。好ましい実施形態では、N末端欠失は、34、37、38又は45個のアミノ酸である。
C末端欠失は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個アミノ酸の欠失など、配列番号1に従う野生型CD39配列のC末端からの20~40個のアミノ酸の欠失であり得る。好ましい実施形態では、C末端欠失は37個のアミノ酸のうち22、29である。
中央部欠失は、10、11、12、13、14又は15個のアミノ酸の欠失など、配列番号1に従う野生型CD39配列からの10~15個の連続アミノ酸の欠失であり得る。好ましい実施形態では、中央部欠失は、配列番号1に従う野生型CD39配列に対してアミノ酸番号193~204など、12個のアミノ酸である。
一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、K71E、N73Q、V95A、G102D、Y104S、T106S、R113M、L149M、V151A、E173D、T229A、L254M、K258R、W263R、E276D、N292Q、R304G、I319T、N327Q、A362N、F365S、N371Q、K405N、Y412F、L424Q、H436D、I437N、F439S、G441D、N457Q、P463S及びS469Rからなる群から選択される、配列番号1に従う野生型CD39配列に対する1、2、3、4又は5個の点突然変異を含む。
一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号4、配列番号6、配列番号32、配列番号54、配列番号56、配列番号70、配列番号76及び配列番号78からなる群から選択される配列を含む。
一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139及び配列番号141からなる群から選択される配列を含む。
具体的な一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号213、配列番号227、配列番号219、配列番号227、配列番号217、配列番号209、配列番号221、配列番号72、配列番号215、配列番号223、配列番号211、配列番号58及び配列番号229からなる群から選択される配列を含む。
具体的な一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号213、配列番号227、配列番号219、配列番号227、配列番号217、配列番号209、配列番号221、配列番号72、配列番号215、配列番号223、配列番号211、配列番号58及び配列番号229からなる群から選択される配列からなる。
好ましい実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58、配列番号72及び配列番号229からなる群から選択される配列を含む。
一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは配列番号58を含む。一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは配列番号72を含む。一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは配列番号229を含む。
好ましい実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58、配列番号72及び配列番号229からなる群から選択される配列からなる。
一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは配列番号58からなる。一実施形態では,可溶化ヒトアピラーゼは配列番号72からなる。一実施形態では、可溶化ヒトアピラーゼは配列番号229からなる。
本発明の第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様によるアピラーゼの治療的有効用量を含む医薬組成物に関し、1つ以上の薬学的に許容可能な担体が提供される。
一実施形態では、本医薬組成物は、1つ以上のさらなる有効成分をさらに含む。
本発明の第3の態様によれば、薬剤としての使用のための第1の態様による単離アピラーゼが提供される。
本発明の第4の態様によれば、組織損傷の処置での使用のための第1の態様による単離アピラーゼが提供される。
組織損傷は、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器の移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は低酸素による急性損傷、例えば急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害など;急性腎臓傷害、例えば胸部外科手術(例えば大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術)又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬剤の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害など;急性心筋傷害であり得る。
別の実施形態では、本開示の第4の態様は、心臓手術に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための、本発明の第1の態様による単離アピラーゼに関する。
別の実施形態では、本開示の第4の態様は、臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)、虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせの処置での使用のための本発明の第1の態様による単離アピラーゼに関する。
一実施形態では、心臓手術に付随する急性腎臓傷害の処置のために使用される可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、心臓手術に付随する急性腎臓傷害の処置のために使用される可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号72のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、心臓手術に付随する急性腎臓傷害の処置のために使用される可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号229のアミノ酸配列を含む。
さらなる好ましい実施形態では、本開示は、敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置のための本発明の第1の態様による単離アピラーゼの使用に関する。
第4の態様の一実施形態では、敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。
第4の態様の一実施形態では、敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号72のアミノ酸配列を含む。
第4の態様の一実施形態では、敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号229のアミノ酸配列を含む。
本発明の第5の態様によれば、ヒト対象において組織損傷を処置する方法が提供され、これは、前記対象に第1の態様による可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む。本発明の第5の態様の一実施形態は、このような処置を必要とする対象に本発明の第1の態様による単離アピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、心臓手術に付随する急性腎臓傷害を処置する方法に関する。
本発明の第5の態様の別の実施形態は、このような処置を必要とする対象に本発明の第1の態様による単離アピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせを処置する方法に関する。
第5の態様のある実施形態では、心臓手術に付随する急性腎臓傷害を処置する方法において使用される可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58、配列番号72又は配列番号229のアミノ酸配列を含む。
本発明の第5の態様の一実施形態は、このような処置を必要とする対象に本発明の第1の態様による単離アピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、敗血症に付随する急性腎臓傷害を処置する方法に関する。
第5の態様の一実施形態では、敗血症に付随する急性腎臓傷害を処置する方法において使用される可溶化ヒトアピラーゼは、配列番号58、配列番号72又は配列番号229のアミノ酸配列を含む。組織損傷は、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器の移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は低酸素による急性損傷、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害など;急性腎臓傷害、例えば胸部手術(例えば大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術)又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬剤の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害など;急性心筋傷害であり得る。
本発明の第6の態様によれば、第1の態様による何れかのアピラーゼをコードする単離核酸分子が提供される。
本発明の第7の態様によれば、第6の態様による1つ以上の核酸配列を含むクローニング又は発現ベクターが提供され、ここでこのベクターは、第1の態様による単離アピラーゼの組み換え産生に適切である。
本発明の第8の態様によれば、第7の態様による1つ以上のクローニング又は発現ベクターを含む宿主細胞が提供される。
本発明の第9の態様によれば、第1の態様によるアピラーゼの産生のための工程が提供され、これは、第8の態様による宿主細胞を培養し、前記アピラーゼを精製して回収することを含む。
図1は配列アライメントである。 図2Aは、一実施形態による抗APPウエスタンブロットによるヒトCD39を含有する上清の発現レベルの表示である。図2Bは、一実施形態による抗APPウエスタンブロットによるシステイン架橋欠失ヒトCD39変異体を含有する上清の発現レベルを示すものである。 図3は、CD39変異体の固相ATPaseアッセイ結果を示すグラフである。 図4は、一実施形態によるヒトCD39変異体で形質転換されたHEK293細胞上での固相ATP切断を示すグラフである。 図5は、一実施形態によるベクターの図式的概観である。 図6は、定常状態近似に基づく酵素モデルである。 図7は、一実施形態によるタンパク質にフィットさせた反応速度データ及びモデルの概要である。 図8は、一実施形態によるタンパク質にフィットさせた反応速度データ及びモデルの概要である。 図9は、一実施形態によるタンパク質にフィットさせた反応速度データ及びモデルの概要である。 図10:図10は実験条件の略図である。 (上記の通り。) 図11は、実施形態によるタンパク質に対するAMPレベルを示すグラフである。 図12:図12は、実施形態によるタンパク質に対するインビボの結果を示すグラフである。 (上記の通り。) (上記の通り。)
本開示はとりわけ、可溶化CD39のある一定の修飾が、驚くべきことに、活性タンパク質をもたらし、その作製が安全且つ容易であるという予想外の知見に基づく。
以下の具体例で示されるように、好ましい実施形態は、N末端欠失、C末端欠失及び中央部欠失からなるリストから選択される少なくとも2つの修飾を有する可溶化ヒトアピラーゼ、例えば配列番号4、配列番号6、配列番号32、配列番号54、配列番号56、配列番号70、配列番号76及び配列番号78からなる群から選択される配列を含む可溶化ヒトアピラーゼなどである。
発明者らは、免疫原性上昇のリスク及び従って安全性リスクを上昇させるので過多な修飾を依然として導入せずに、活性保持、発現される能力の両方を有する可溶化ヒトアピラーゼを獲得するために、いくつかの異なる配列修飾ストラテジーを試みた。驚くべきことに、効率及びヒトアピラーゼ発現能の両方を上昇させることが分かった1つの配列修飾は、同時に過多な免疫原性リスクを付加しない、中央セクションの欠失、所謂デルタMIL(ΔMIL)修飾であった。
本発明の実施形態による可溶化ヒトアピラーゼの発現を上昇させるために、N末端発現タグを試験した。様々なN末端発現タグが当技術分野で知られているが、驚くべきことに全てのタグが機能するわけではなかった。発明者らは、予見され得ていなかった数個のタグが機能したことを見出した。
これらのN末端タグは、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139又は配列番号141であった。本明細書中で示されるように、特に好ましいタグは、配列番号133、配列番号135又は配列番号137である。
具体的な詳細を以下の実施例9~13で示す。しかし、これらの実施例の非予測可能な性質を例示するために、比較のまとめを表1で与える。
Figure 0007425784000001
1.定義
当業者が本発明を実施し易くするために、この記載全体を通じて次の用語を使用する。
「CD39」及び「hCD39」という用語は、本開示全体を通じて同義的に使用され、別段示されない限り、UniProt P49961又は配列番号1に従うヒト表面抗原分類39(CD39)を意味する。
「アピラーゼ」という用語は、別段示されない限り、ヒトアピラーゼを指す。「可溶化アピラーゼ」は、本明細書中で使用される場合、野生型タンパク質として細胞膜に結合して存在するアピラーゼが修飾されており、もはや細胞膜に結合しないようになっているが、可溶性の状態で存在すること、即ち細胞膜にもはや係留されないことを意味する。
「MIL」という略語は、膜相互作用ループを指し、これには、細胞膜を通じて物理的に係留されるN末端及びC末端部分に加え、細胞膜と相互作用する野生型(ヒト)CD39タンパク質の中央部がある。「デルタMIL」又は「ΔMIL」という用語は、野生型(ヒト)CD39からのMIL配列の欠失を指す。
「約」という用語は、数値xに関して、例えば+/-10%を意味する。「約」という用語は、数字範囲又は数の一覧の前に使用する場合、一連の中でそれぞれの数に適用され、例えば、「約1~5」という句は、「約1~約5」として解釈すべき、又は例えば「約1、2、3、4」という句は、「約1、約2、約3、約4など」として解釈すべきである。
「実質的に」という語は、「完全に」を排除せず、例えば「実質的にY不含である」組成物は、完全にY不含であり得る。必要な場合、「実質的に」という語は、本開示の定義から省略され得る。
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」並びに「からなる(consisting)」を包含し、例えばXを「含む(comprising)」組成物は、独占的にXからなり得るか、又は何かさらなるものを含み得、例えばX+Yである。
ネイティブポリペプチド及びその機能的誘導体に関する「同一性」は、最大パーセント同一性を達成するために配列をアラインし、必要に応じてギャップを導入した後の、配列同一性の一部として保存的置換を考慮しない、対応するネイティブポリペプチドの残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして本明細書中で定義される。N又はC末端伸長及び挿入の何れも、同一性を低下させるように解釈されるものはない。アライメントのための方法及びコンピュータプログラムは周知である。標準的なアライメントアルゴリズム、例えばAltshul et al.((1990)J.Mol.Biol.,215:403 410)により記載されるBasic Local Alignment Search Tool(BLAST);Needleman et al.のアルゴリズム((1970)J.Mol.Biol.,48:444 453);又はMeyers et al.のアルゴリズム((1988)Comput.Appl.Biosci.,4:11 17)によってパーセント同一性が決定され得る。一連のパラメーターは、ギャップペナルティーが12であり、ギャップ伸長ペナルティーが4であり、フレームシフトギャップペナルティーが5であるBlosum62スコア行列であり得る。2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間のパーセント同一性はまた、ギャップ長ペナルティーが12であり、ギャップペナルティーが4であるPAM120ウェイト・レジデュー・テーブル(weight residue table)を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている、E.Meyers and W.Miller((1989)CABIOS,4:11-17)のアルゴリズムを使用して決定され得る。
「アミノ酸」は、例えば全ての天然のL-α-アミノ酸を指し、D-アミノ酸を含む。「アミノ酸配列変異体」という句は、本開示による配列と比較した場合、それらのアミノ酸配列中でいくつかの相違がある分子を指す。本開示によるタンパク質の、例えば指定される配列の、アミノ酸配列変異体は、依然としてアピラーゼ活性を有する。アミノ酸配列変異体は、置換変異体(少なくとも1個のアミノ酸残基が除去され、本開示によるポリペプチド中の同じ位置でその場所において異なるアミノ酸が挿入されているもの)、挿入変異体(1個以上のアミノ酸が本開示によるポリペプチド中の特定の位置のアミノ酸のすぐ隣に挿入されているもの)及び欠失変異体(1個以上のアミノ酸が本開示によるポリペプチド中で除去されているもの)を含む。
「処置(treatment)」又は「処置する(treat)」という用語は、本明細書中で、対象への本発明によるアピラーゼの適用若しくは投与又は、対象若しくは対象由来の単離組織若しくは細胞株への前記アピラーゼを含む医薬組成物の適用若しくは投与として定義され、この対象には組織損傷、組織損傷に関連する症状があり、目的は、とりわけ細胞外ATPレベルを低下させることによって、組織損傷又は組織損傷の何らかの関連症状を、緩和する、寛解させる又は改善することである。
「処置(treatment)」とは、対象へのアピラーゼを含む医薬組成物の適用若しくは投与又は対象由来の単離組織若しくは細胞株への本発明のアピラーゼを含む医薬組成物の適用若しくは投与も意図し、対象は組織損傷又は組織損傷に関連する症状を有し、目的は、組織損傷又は組織損傷の何れかの関連症状を、緩和する、寛解させる又は改善することである。
「防ぐ(prevent)」又は「防ぐこと(preventing)」という用語は、予防的又は予防の処置を指し;これは、疾患、障害及び/又はそれに付随する症状の発症を遅らせるか又はその発症を防ぐことに関する。
本明細書中で使用される場合、対象は、このような対象が生物学的に、医学的に又はクオリティーオブライフにおいてこのような処置から恩恵を受ける場合、処置を「必要とする」。
「薬学的に許容可能な」という用語は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨害しない無毒性物質を意味する。
本明細書中で使用される場合、対象化合物を「投与(administration)」又は「投与すること(administering)」という用語は、処置を必要とする対象に本発明の化合物及びそのプロドラッグを提供することを意味する。1つ以上のさらなる治療剤「と組み合わせた」投与には、何れかの順序及び何れかの投与経路での同時(同時的)及び連続投与が含まれる。
本明細書中で使用される場合、「治療的有効用量」は、障害又は再発障害の少なくとも1つの症状を、処置する、防ぐ、その発症を防ぐ、治癒させる、遅らせる、その重症度を低下させる、寛解させるか、又はこのような処置をせずに予想されるものを超えて患者の生存を延長させるための、患者(ヒトなど)への単回又は複数回投与時に有効である、アピラーゼの用量(量)を指す。単独で投与される個々の有効成分(例えばアピラーゼ)に適用される場合、この用語は、その成分のみを指す。組み合わせに適用される場合、この用語は、組み合わせて、投与が連続的であろうと同時であろうと、治療効果を生じさせる有効成分の合わせた用量又は量を指す。
「投与レジメン」という句は、疾病を処置するために使用されるレジメン、例えば組織損傷の処置中に使用される投与プロトコールを意味する。
「投与するための手段」という句は、プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、注射ペン、自動注入装置、静脈(i.v.)点滴及びバッグ、ポンプ、パッチポンプなどを含むが限定されない、患者に薬物を全身投与するための何らかの利用可能な道具を示すために使用される。このような物品を用いて、患者が薬物を自己投与し得る(即ち自分自身のために薬物を投与する)か又は医師が薬物を投与し得る。
2.実施例1:膜遊離型CD39
野生型ヒトアピラーゼCD39(hCD39、UniProt P49961又は配列番号1)は、N末端の膜貫通ドメイン(推定aa17~37)、中央の推定膜相互作用ループ(MIL推定aa193~204)及びC末端膜貫通ドメイン(推定aa479~499)により細胞膜において天然に係留される。哺乳動物宿主細胞を用いてCD39の可溶性変異体の発現を可能にするため、膜遊離型又は可溶化型タンパク質を得るためにCD39配列のいくつかのエレメントを修飾した。分泌リーダー及び精製タグ(配列番号133)によって、天然のリーダー配列及びN末端膜貫通領域を置換した。発現、精製及び活性パラメーターを最適化するために、CD39の細胞外ドメインの境界を変動させた(それぞれ配列番号1のアミノ酸番号38~476、配列番号1のアミノ酸番号39~469、配列番号1のアミノ酸46~461及び配列番号1のアミノ酸46~476)。システインをアラニンにより置換することによって、又はジスルフィド架橋により作られるループを短縮することによって、凝集傾向及び酵素活性に対するシステイン及びジスルフィド架橋の影響を体系的に評価した(配列番号107、109、111、113及び115)。疎水性アミノ酸のストレッチはラットCD39の構造研究に記載され(Zebisch et al,J.Mol.Biol.(2012),415,288-306,野生型ラットCD39,Uniprot P97687、配列番号2で示される)、このループは細胞膜(MIL)と相互作用し得ると考えられる。発明者らは、配列アライメントによりヒトCD39配列に対する知見を置き換えて、ループ欠失(CD39ΔMIL又はEP28、配列番号4で示されるとおり)を有するCD39変異体を作製した。機能的CD39の発現レベル及び熱安定性に対するMILの欠失(又はデルタ/Δ)の影響を評価した。
配列番号1及び配列番号4の配列アライメントを示す図1で見られ得るように、CD39ΔMIL(配列番号4)を形成させるために、N末端アミノ酸1~27、C末端アミノ酸477~510及び中央膜相互作用ループ(MIL)アミノ酸193~204をwtCD39(配列番号1)から欠失させた。
熱安定性に対する異なる配列修飾の影響を研究した。さらに、CHO細胞発現収率及び単量体の含量に対する異なる配列修飾の影響を研究した。
(1)方法
(a)発現プラスミドの作製
異なるhCD39境界変異体及び膜相互作用ループ(MIL)欠失をコードするDNA配列は、ホモサピエンスに対するコドン最適性を含めGeneArt(Life Technologies Inc.Regensburg,Germany)に注文した。hCD39変異体をコードする配列は、GeneArt由来ベクター又は内部で作製されたその変異体から哺乳動物細胞中での分泌に適切な発現ベクターへと、標準的な分子生物学的技術によりサブクローニングした。修飾されたオリゴヌクレオチドによってシステイン架橋欠失変異体中に存在するシステインからアラニンへの突然変異を標的とし、続くアセンブリーPCR段階後に、作製された断片を前に言及した同じ発現ベクターにサブクローニングした。発現ベクターのエレメントとしては、プロモーター(サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー-プロモーター)、分泌を促進するためのシグナル配列、ポリアデニル化シグナル及び転写終結因子(ウシ成長ホルモン(BGH)遺伝子)、エピソーム複製及び原核生物における複製を可能にするエレメント(例えばSV40起点及びColE1又は当技術分野で公知の他のもの)及び選択を可能にするためのエレメント(アンピシリン耐性遺伝子及びゼオシンマーカー)が挙げられる。短縮型可溶化ヒトCD39バージョンのリストを表2で例示し、配列番号1を基準にしてアミノ酸修飾を付番した。
Figure 0007425784000002
Figure 0007425784000003
(b)hCD39変異体のマイクロスケール発現
血清非存在下でのタンパク質の一過性発現のための好ましい宿主細胞株の1つとしてマイクロスケール実験のために293-6E細胞(参照により本明細書中に組み込まれる国際公開第2006096989A2号パンフレットで開示されるとおり)を選択した。遺伝子移入試薬としてFuGene HD(Roche Applied Science,Cat.No.04709705001)を使用して、遺伝子移入を行った。遺伝子移入及び細胞の増殖のために、V3血清不含培地(Bioconcept,Cat.No.V3-K)を使用した懸濁培養において293-6E細胞を培養した。5%COで加湿インキュベーターにおいてオービタル振盪機(100~120rpm)上、Corning振盪フラスコ(Corning,Tewksbury,MA)中で細胞を増殖させた(シードフラスコ)。シード培養物中の細胞は、指数増殖期で維持し(5x10~3x10/mLの細胞密度)、遺伝子移入に対する>90%の生存能を示すべきである。細胞密度がこの範囲外であると、希釈後に遅滞期となるか又は遺伝子移入効率が低下するかの何れかが起こる。
マイクロスケール(0.5mL)遺伝子移入の場合、細胞のアリコートをシード培養から採取し、V3血清不含培地中で細胞0.5x10個/mLに調整した。14μLのV3血清不含培地中で0.5μgのhCD39発現プラスミドを希釈することによって、DNA溶液(溶液1と呼ばれる)を調製し、次に2.3μLのFuGene HD溶液も14μLのV3血清不含培地中で希釈した(溶液2)。室温(RT)で5~10分間、両溶液を温置した。その後、穏やかに混合しながら溶液2を溶液1に添加し、室温でさらに5~15分間温置した。次に、48ウェル組織培養プレート(Corning,Tewksbury,MA)中で播種される0.5x10個細胞/mLの0.5mLの細胞に遺伝子移入混合液を添加し、5%COで加湿インキュベーター中のオービタル振盪機(300rpm)上にプレートを置いた。4℃にて10分間にわたり4000rpmの遠心分離を行うことによって、遺伝子移入から3日後に培養物を回収した(Heraeus,Multifuge 3 S-R,Thermo Scientific,Rockford,IL)。さらなる処理まで、回収した細胞上清を4℃で保管した。
(c)マイクロスケール発現上清におけるウエスタンブロット分析
組み換えhCD39変異体の発現及び正しい形成を調べるために、マイクロスケール発現上清においてウエスタンブロット分析を行った。E-PAGE(商標)ローディング緩衝液(4x,Invitrogen,#EPBNF-01)中で8μLの上清を希釈し、非還元条件のE-Page48、8%ゲル(Invitrogen,#EP04808)上に載せた。E-baseマザー装置(mother device)(Invitrogen)上で23分間ゲルを泳動し、製造者の説明書に従い、iBlot system(Invitrogen)を使用して、タンパク質をニトロセルロース膜(Invitrogen IB301001)に転写した(7min稼働)。TBS/0.05Tween20(TBST)中で3回洗浄した後、穏やかに撹拌しながら5%ミルク/TBSTとともに膜を1時間温置し、続いて2%ミルク/TBST中で希釈した抗APPマウス抗体の4μg/mL溶液(Novartis内部で、タンパク質タグ付加のために使用したアミロイド前駆体タンパク質(APP)のペプチドストレッチに対して抗体を作製)とともに1時間温置した。さらなる3回の洗浄段階後、2%ミルク/TBST中で希釈した抗マウスIgG-アルカリホスファターゼ(Sigma-Aldrich、A5153-1ML)の1:1000希釈液とともに膜を温置し、TBST中で再び3回洗浄し、続いてTBS中ですすぎ段階を行った。製造者の説明書に従いSIGMAFAST(商標)BCIP(登録商標)/NBT(Sigma-Aldrich,#B5655-25TAB)を使用して1~5分間シグナルを発色させ、水で膜をすすぐことによってシグナルを停止させた。
(d)固相AxPaseアッセイ
マイクロスケール発現上清からのプレート捕捉hCD39変異体に対してPi ColorLock Goldリン酸検出系(Innova Biosciences,cat n.303-0030)を使用して、ATPase、ADPase及びAMPase活性を判定した(固相Axpaseアッセイ)。この方法は、製造者により推奨される溶液に基づくアッセイ(液相Axpaseアッセイ)と比較して感度がより低いことが分かったが、マイクロスケール発現上清中に存在する可能性がある宿主細胞酵素が介在するAxPase活性を低下させるという長所がある。PBS中で希釈した20μLの抗APPマウス抗体10μg/mL溶液抗体(Novartis内部で、タンパク質タグ付加のために使用されるアミロイド前駆体タンパク質(APP)のペプチドストレッチに対して作製された抗体)をmaxisorp 384ウェルクリアプレート(Nunc)の各ウェルに添加し、4℃で一晩温置した。TBSTで3回洗浄した後、穏やかに撹拌しながら室温で100μLの5%ミルク/TBSTを使用してウェルを1時間ブロッキング処理した。さらなる3回の洗浄段階後、2%ミルク/TBST中の20μLの連続希釈マイクロスケール発現上清を3つ組でウェルに添加し、穏やかに撹拌しながら室温で2時間温置した。次に、ウェルを再び、100μLのTBSTで4回及び80μLの50mM Tris-Cl/5mM MgCl pH7.5で2回洗浄した。50mM Tris-Cl/5mM MgCl pH7.5(ATP:SIGMA A2383、ADP:SIGMA A2754)中で希釈した30μLの80μMアデノシンリン酸溶液をそれぞれ3つ組で添加し、37℃で24時間温置した。製造者の説明書に従い調製した7.5μLのGold試薬混合液を使用して10分間にわたりシグナルを発色させ、3μLの安定化剤を使用して反応を停止させた。TECAN Genios Pro機器を使用して620nmでの吸収を読み取った。
(2)結果
(a)hCD39発現レベルに対する境界、膜相互作用ループ(MIL)欠失及びシステイン架橋欠失の影響
異なるhCD39変異体の発現レベルを評価するために、0.5mLの293-6E細胞において対応する発現プラスミドを2つ組で遺伝子移入し、遺伝子移入の3日後に回収した上清においてウエスタンブロット(抗APP検出Ab)を行った。結果を図2A及び図2Bで例示する。
結果は、aa46と比較して、aa38で開始するhCD39のより高い発現レベルを示す。N末端境界並びにMIL欠失は、発現レベルに対して大きな影響がないと思われる。hCD39(aa46-461)の状況下で第1又は第4のシステイン架橋が欠失しているhCD39のより高い発現レベルも観察された。hCD39(aa46-461)ΔMIL骨格も使用して、第1のシステイン架橋欠失のより高い発現レベルを確認した。
hCD39活性に対する境界、膜相互作用ループ(MIL)欠失及びシステイン架橋欠失の影響
上記上清試料において固相AxPaseアッセイによってCD39酵素活性を測定した。結果を図3及び図4並びに表3で例示する。
Figure 0007425784000004
Figure 0007425784000005
Figure 0007425784000006
MILの欠失により、機能的に発現されるCD39組み換えタンパク質の割合が増加すると思われる。境界が異なることにより、活性のあるhCD39活性に対して大きな影響は示されない。結果は、システイン架橋欠失変異体全てのATPase活性の強い低下又は完全な消失を示す。固相ADPaseアッセイを使用して同様の結果を得た。従って、驚くべきことにCD39発現効率及びCD39発現能力を両方とも上昇させる配列修飾はデルタMIL(ΔMIL)修飾である。
3.実施例2:発現タグ
候補の発現特性を向上させるために、様々な発現タグを試験した。
表4で示されるように、IL-2のN末端部分に基づく異なる発現タグ(配列番号131)を試験した。配列番号131による発現タグ1-16aaはGeneartにより合成された。
Figure 0007425784000007
配列番号4で示されるようにCD39ΔMILに関して全ての発現タグを試験した。コンストラクト全てがAPPタグ及びHisタグを含んだ。
図5で示されるように、ベクターpRS5aを発現のために使用した。プライマー対を表4で示した。
アニーリング温度は全例で64℃であった。
1μL鋳型DNA保存液、25μL Kapa Hifi Hotstartポリメラーゼ(kappa Biosystems/KK2602より)、1.5μLフォワードプライマー、1.5μLリバースプライマーを混合し、HOで50μLまで最終体積を調整することによってPCR溶液を調製した。
表5のスケジュールに従いPCR反応を行った。
Figure 0007425784000008
PCR反応の完了後、製造者の説明書に従い、Wizard(登録商標)SV Gel及びPCR Clean-Up Kit,Promega,No.9282、1カラム、30μL中での溶出を使用してDNA抽出を行った。
CutSmart(R)緩衝液中でNew England Biolabs(NEB)、NruI-HF(NEB#R3192)及びNotI-HF(NEB#R3189)により供給された酵素で挿入物及びベクターを切断した。反応時間は37℃で3時間であった。
生産者の有効なプロトコールに従い、迅速DNA脱リン酸化及びライゲーションキット、Fa.Roche,No.04898117001とともに脱リン酸化ベクターを用いてライゲーションを一晩行った。
翌日、フォワードプライマーP270(配列番号165)及びリバースプライマーP271(配列番号166)を用いたDNA-Miniprep及び配列分析のために単コロニーを拾った。
さらに、表6に従って、発現を上昇させることが当技術分野で知られる数個のタンパク質配列を試験した。
Figure 0007425784000009
試験した、得られた組み合わせを表7で示す。
Figure 0007425784000010
タンパク質(データは示さない)の発現をもたらした表6からの先行技術タグはなかった。先行技術はこれらの配列が発現を上昇させるはずであることを教示するので、これは予想外であった。
4.実施例3:さらなる突然変異
可溶性CD39の特徴を改善し、薬物開発に適切にするために、配列番号4で示される、CD39ΔMIL、EP28においてさらなる修飾を導入した。異なる突然変異及び突然変異した変異体は、表8で見られ、配列番号1で示されるような野生型CD39のアミノ酸位置に従い付番する。
Figure 0007425784000011
Figure 0007425784000012
活性部位中の2つの突然変異は、より高い活性につながる(365及び412)。
5.実施例4:グリコシル化部位除去
上のEP14変異体に基づき、表9による点突然変異を導入することによってグリコシル化部位の効果を調べ、配列番号1で示されるような野生型CD39のアミノ酸位置に従い付番する。
Figure 0007425784000013
(a)材料及び方法
クローニングのために発現ベクターpRS5a(図5)を使用した。表10で示されるようにプライマーを使用した。
Figure 0007425784000014
製造者の説明書に従い、PCRのためにQuikChange Lightning Site-directed Mutagenesis Kit(Agilent,No.210519-5)を使用した。
翌日、DNA-Miniprepのために単コロニーを拾い、フォワードプライマーP270(配列番号165)及びリバースプライマーP271(配列番号166)を用いて配列分析を行った。
(突然変異誘発による)ベクター骨格の精度も確実にするために、次の方法を使用して、pRS5aの新しいベクター骨格(図5)に、配列決定した挿入断片をクローニングした。
APP_HIS-Tag、保存濃縮液3.3μg/μLを含有する、発現タグ配列番号135とともに配列番号36のベクター骨格を使用して、ベクターを調製した。
50μLの最終体積まで10μgベクター-DNA、0.4μL HindIII(100U/μL、NEB)、2μL EcoRI(20U/μL、NEB)、5μL Cutsmart緩衝液10xconc.(NEB)、HOを混合することによって、ベクターを消化した。37℃で3時間消化を行った。
アルカリホスファターゼ、子牛腸(CIP,NEB,No.M0290L)、10U/μLを用いて脱リン酸化を行った。消化の直後、消化したベクターに3μLのCIPを添加し、37℃で30分間温置した。消化し、脱リン酸化したベクターを分取0.8%TAEアガロースゲル上に載せ、約6100bpのベクターの妥当なバンドサイズを切り出した。Wizard(登録商標)SV Gel及びPCR Clean-Up Kit,Promega,No.9282、1カラムを用いて、100μLの溶出で、クリーンアップを行った。OD260nmは64ng/μLの濃度を示した。
42.5μLのDNA(各DNAに対して約3~5μg)、5μL Cutsmart緩衝液、10xconc.、NEB no B7204S、0.4μL HindIII-HF、100U/μL、NEB no.R3104S、2μL EcoRI-HF、20U/μL、NEB no.R3103Lを混合し、体積をHOで50μLに調整することによって、突然変異挿入断片の消化を行った。PCR機器中で37℃にて3時間、消化を行った。分取0.8%TAEアガロースゲルに、消化した挿入物を載せ、約1400bpのベクターの妥当なバンドサイズを切り出した。Wizard(登録商標)SV Gel及びPCR Clean-Up Kit,Promega,No.9282、1カラムを用いて、30μLの溶出で、クリーンアップを行った。OD260nmは1~25ng/μLの濃度を示した。
Rapid DNA Ligation Kit,No.K1423,Fa.Thermo Scientificとともに(ベクター:挿入比約1:10)を使用してライゲーションを行った。4μL 5xライゲーション緩衝液を1μLリガーゼ、2μLベクター断片、HindIII/EcoRI消化、保存濃縮液64ng/μL、13μL挿入断片、HindIII/EcoRI消化、保存濃縮液1~25ng/μLと混合した。RTで10分間、ライゲーションを行った。
氷上での30分間にわたる80μL化学コンピーテントXL1Blue細胞(Novartis,FS/RL)との10μLライゲーション物の温置によって形質転換を行った。Eppendorfインキュベーター中で42℃にて45秒間の熱ショックを行い、続いて氷上で2分間温置した。その後、1mL 2YT培地を添加し、続いてEppendorf振盪機(800rpm)上で37℃にて1.5時間温置した。7000rpmで3分間、細胞を遠心分離し、LB/Carb/Gluc上にコロニーを蒔いた。続いてプレートを37℃で一晩温置した。
翌日、DNA-Miniprepのために単コロニーを拾い、フォワードプライマーP270(配列番号165)及びリバースプライマーP271(配列番号166)を使用して配列分析を行った。
7日間の発現により、200mLスケールで、妥当な配列をHEK293細胞に遺伝子移入した。
次の材料を使用した:
SV40ラージT抗原(HEK293-T)を構成的に発現するヒト胚腎臓細胞、例えばATCC11268
ポリエチレンイミン”MAX”MW40.000(PEI)(Polysciences,Cat.24765)、RTにてH20中で溶解し、NaOHでpH7.05に調整。
M11V3血清不含培地(Bioconcept,CH,Cat:V3-K)
DNA:供給者により推奨されるプロトコールに従い、Qiagen DNA Kit、Midiprep-Kit(No.12943)を用いて調製。
一過性遺伝子移入のための細胞培養作業は全て、血清不含M11V3培地中で増殖させた懸濁適合HEK293-T細胞を使用して行う。
5%COの加湿CO-インキュベーターにおいてオービタル振盪機(115rpm)上でCorning振盪フラスコ(Corning,USA)中で細胞を増殖させる(シードフラスコ)。
使用される細胞は指数増殖期になっており(5x10~3x10/mLの細胞密度)、>90%の生存能であった。
数を数えた細胞を使用して、小スケール(ここでは20/50又は100mL)で遺伝子移入を行い、細胞の対応する量をM11V3培地で細胞1.4x10個/mLに調整した。最終遺伝子移入体積の36%細胞懸濁液を使用する。
7%最終体積M11V3中で1mg/L最終体積DNAを希釈し、穏やかに混合することによって、DNA溶液(溶液1)を調製する。非滅菌ろ過DNAなので培養物の汚染を防ぐために、フィーディング後、Penc./Strepを遺伝子移入物に添加した。次に、7%最終体積M11V3中で3mg/L最終体積PEI溶液を希釈し、穏やかに混合する(溶液2)。5~10分にわたり室温(RT)で両溶液を温置する。その後、穏やかに混合しながら溶液2を溶液1に添加し、RTでさらに5~15分間温置する。温置後、遺伝子移入混合物を細胞に添加し、培養物を4時間培養する(115rpm、37℃、5%CO2)。
発現の7日後に上清を回収した。
遠心分離4500rpm.、15min.、4℃(Heraeus,Multifuge 3 S-R)
滅菌ろ過、0.22μm(Stericup filter,Thermo Scientific,Cat.567-0020))を通じて清澄化。
さらなる段階のために上清を精製に送る。Open Access APP-カラム上でIPCに対して上清の1mL試料を使用する。
試料バイアルは、ガラス圧着バイアル、2mL Agilent、カタログ番号5182-0543及びキャップ:圧着11mm、カタログ番号5040-4667であった。
5mL Histrap HPカラム(GE Life Sciences,Order No.17-5248-02)を使用して、次のプロトコールに従い、Aekta Pure又はAekta Avant(GE Healthcare)上で固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を使用して、タンパク質を精製した。仕様を表11で示す。
Figure 0007425784000015
表12及び表13に従い、使用する緩衝液を構成した。
Figure 0007425784000016
Figure 0007425784000017
表14による、得られるタンパク質を保管した。
Figure 0007425784000018
(b)結果及び解釈
分析的SECの収率及び単量体のピークに関する突然変異体の改善はなかった。配列番号137による発現タグ付きの親タンパク質(EP14)は、分析における最良の収率及び最大単量体のピークをもたらした。最低収率及びまた最低単量体のピークは突然変異体N371Qで得た。
6.実施例5:組み合わせ
試行し、さらに特性を改善するために、上の実施例3で導入された突然変異のうちいくつかを下の表15に従い組み合わせた。突然変異は、配列番号1で示されるような野生型CD39のアミノ酸位置に従い付番する。
Figure 0007425784000019
(a)材料及び方法
表16によるプライマーを使用した。
Figure 0007425784000020
次のピペッティングスキームを使用してPCR反応を設定した:
5μLの10x反応緩衝液、
1μL ds-DNA-鋳型(保存濃縮液100ng/μL)、
1.5μLプライマー1、
1.5μLプライマー2、
1μL dNTP混合物、
1.5μL QuickSolution試薬、
35.5μL HO(50μLの最終体積に対する)及び
1μL QuickChange Lightning Enzyme。
表17によるPCRサイクリングパラメーターを使用した。
Figure 0007425784000021
反応直後、2μL DpnI-酵素を各反応に添加し、混合し、37℃で5分間温置した。
次のようにXL10-gold ultra-competent細胞への形質転換を行った。氷上で細胞を凍結融解した。45μL/形質転換を使用し、2μL B-MEを各バイアルに添加した。次に、3μL DpnI-消化PCR産物を添加し、15mLのBDチューブ中、氷上で30分間温置した。その後、試料を40秒間熱ショック処理し、氷上で2分間温置した。次に、950μL SOC培地を添加し、続いて振盪インキュベーター中で37℃にて1.5時間温置した。最後に、LB-carb-プレート上に細胞を蒔き、37℃で一晩温置した。翌日、DNA-miniprep及び配列分析のために単コロニーを拾った。
実施例4に記載のように、妥当な配列をHEK293細胞に遺伝子移入した。
次のように固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を使用してタンパク質を精製した。95mLの上清を使用した(全ての約4mLを分析(IPC)用に維持する)。
使用材料:
Nickel-NTA-Agarose、Qiagen,Cat No./ID:30230、Poly-Prep Chromatography Column,empty,BioRad,No.731-1550,IMAC A緩衝液pH7.4(20mM NaPO-緩衝液及び50mMイミダゾール含有)。IMAC B緩衝液pH7.4(20mM NaPO-緩衝液及び300mMイミダゾール含有)。TBS(MilliQ-Waterにより10x濃縮を1x濃縮に希釈)。Ultracel-10メンブレン、10K、UFC801096付きAmicon Ultra-4 Centrifugal Filter Unit。
工程段階:
1.Qiagenの1mL Nickel-NTA-Agarose(=0.5mL CV)でカラムを調製;
2.10CV IMAC Aで平衡化;
3.カラム上での15/45mL SNのローディング(フロースルーを回収);
4.10CV IMAC Aで洗浄(15mL Falconチューブ中で回収);
5.IMAC Bの6.5CV中で溶出;
6.溶出物の濃度の決定;
7.Amicon Ultra-4 Centrifugal Filter Unit 10Kを用いた約400μLへの3.5mL試料の濃縮;
8.TBS添加及び遠心分離5000することによる緩衝液交換。
40μLの各試料で分析SECを使用し、12μLの各試料でタンパク質ゲルを使用して、試料を分析した。
得られたタンパク質を保存した。
(b)結果及び解釈
結果を表18で示す。
Figure 0007425784000022
プロテアーゼ部位:
マトリプターゼを挿入した場合、産生されなかった/収率が非常に低かった。フューリン部位で約40%収率があった(しかしフューリンプラスミドとの同時遺伝子移入であったので、遺伝子移入に対してDNAの50%のみを同様に使用した)。
IL2-短縮:
aa1-3が含まれる全ての短縮が同等の結果を与え、他と比較してaa1-3のみが僅かにより低くなり得るが、これは、試料から試料への変動であり得る。短縮aa4-12ではタンパク質発現がなくなる。全ての他のEP-変異体のように、IL2-startとhCD39-タンパク質との間にTSSリンカーを含有するEP28の間で差は見られ得なかった。
組み合わせ:
EP19(L424Q)との組み合わせは、タンパク質発現の顕著な改善につながらなかった。
EP1(R113M)との組み合わせは、分析SECでより低い凝集を示した。NEG726はよく発現されたが、全ての試験物のうち最低の凝集を示した(約37%)。EP14xEP17の組み合わせは、何らかのさらなる改善につながらなかった(F365S+Y412F)。
7.実施例6:最終候補のクローニング
さらなる試験のために以下の表19で示されるような臨床候補の選択物を発現させた。
Figure 0007425784000023
次のプライマーを使用した:
Figure 0007425784000024
次のピペッティングスキームを使用してPCR反応を設定した:
0.25μL DMSO、
20ngベクター
1.5μL挿入物(45ng/μL)、
2μL 5xHF緩衝液、
0.1μL Phusion pol、
0.08μL dNTP混合物
10-XμL ddH
表17によるPCRサイクリングパラメーターを使用した。
Figure 0007425784000025
反応直後、各反応に0.5μL DpnI-酵素を添加し、混合し、37℃で2時間温置した。
XL10-gold ultra-competent細胞への形質転換を次のように行った。細胞を氷上で凍結融解した。45μL/形質転換を使用して、2μL B-MEを各バイアルに添加した。次に、3μL DpnI-消化PCR産物を添加し、15mLのBDチューブ中で氷上にて30分間温置した。その後、試料を40秒間熱ショック処理し、氷上で2分間温置した。次に、950μL SOC培地を添加し、続いて振盪インキュベーター中で37℃にて1.5時間温置した。最後に、LB-carb-プレート上に細胞を蒔き、37℃で一晩温置した。翌日、DNA-miniprep及び配列分析のために単コロニーを拾った。
配列が正しかったことを確実にするために、新しいベクター背景に全てのコンストラクトをサブクローニングした。このために、PCRで全てのコンストラクトを増幅し、G4S-リンカーを挿入し、次にHindIII/EcoRIで消化した。得られたタンパク質を保存した。
8.実施例7:比較タンパク質の作製
(1)ヌル突然変異
インビボ実験用に陰性対照タンパク質を作製するために、1/2個の突然変異を親ヒトCD39ΔMILタンパク質(EP28)に挿入した。この突然変異は、このタンパク質の酵素活性を排除するか又は低下させることが文献に記載されている。突然変異位置はE174A及びS218Aである。
次のプライマーを使用した:
Figure 0007425784000026
次のピペッティングスキームを使用してPCR反応を設定した:
5μLの10x反応緩衝液、
1μL ds-DNA-鋳型(保管濃縮液100ng/μL)、
1.5μLプライマー1、
1.5μLプライマー2、
1μL dNTP混合液
1.5μL QuickSolution試薬、
35.5μL HO(50μLの最終体積に対する)及び
1μL QuickChange Lightning Enzyme。
表17によるPCRサイクリングパラメーターを使用した。
Figure 0007425784000027
反応直後、2μL DpnI-酵素を各反応に添加し、混合し、37℃で5分間温置した。
XL10-gold ultra-competent細胞への形質転換を次のように行った。細胞を氷上で凍結融解した。45μL/形質転換を使用し、2μL B-MEを各バイアルに添加した。次に、3μL DpnI消化PCR産物を添加し、15mL BDチューブ中で氷上にて30分間温置した。その後、試料を40秒間熱ショック処理し、氷上で2分間温置した。次に、950μL SOC培地を添加し、続いて振盪インキュベーター中で37℃にて1.5時間温置した。最後に、LB-carb-プレート上に細胞を蒔き、37℃で一晩温置した。翌日、DNA-miniprep及び配列分析のために単コロニーを拾った。
次のプロトコールに従い、妥当な配列をHEK293細胞に遺伝子移入した。
50μLの最終体積まで、10μgベクター-DNA、0.4μL HindIII(100U/μL、NEB)、2μL EcoRI(20U/μL、NEB)、5μL Cutsmart緩衝液10xconc.(NEB)及びHOを使用して消化緩衝液を調製した。37℃で3時間、消化反応を行った。
消化の直後、脱リン酸化反応を行った。消化したベクター混合物に子牛腸アルカリホスファターゼ(10U/μL、CIP、NEB、No.M0290L)を添加し(3μL)、37℃で30分間温置した。
配列を調べるために、消化し、脱リン酸化したベクターをサブクローニングした。
次のプロトコールに従い、妥当な配列をHEK293細胞に遺伝子移入した。
次の材料を使用して、7日間の発現を行った;1.SV40 largeT抗原を構成的に発現するヒト胚腎臓細胞(HEK293-T、ATCC11268);2.ポリエチレンイミン”MAX”MW40.000(PEI)(Polysciences,Cat.24765)。
室温(RT)にて900mL細胞培養グレード水中で1g PEIを慎重に溶解させることによってPEI溶液を調製する。次に、これを7.05の最終pHになるようにNaOHで中和する。最後に、体積を1Lに調整し、0.22μmフィルターを通じて溶液をろ過し、アリコートで分配し、さらなる使用まで-80℃で凍結する。凍結融解した後、-20℃で最大3回までアリコートを再凍結し得るが、-20℃で長期間保管すべきではない。
M11V3血清不含培地(Bioconcept,CH,Cat:V3-K)。
血清不含M11V3培地中で増殖させた懸濁適合HEK293-T細胞を使用して、一過性遺伝子移入のための全ての細胞培養作業を行う。
小スケール(<5L)遺伝子移入の場合、5%COの加湿COインキュベーターにおいて、オービタル振盪機(100rpm)上でCorning振盪フラスコ(Corning,USA)中で細胞を増殖させる(シードフラスコ)。
一般に、シード培養中の細胞は指数増殖期(5x10~3x10/mLの細胞密度)であるべきであり、生存能は>90%である。細胞密度がこの範囲外であると、分割後に遅滞期となるか又は遺伝子移入効率が低下するかの何れかが起こる。
小スケール(ここでは2L)遺伝子移入の場合、細胞のアリコートをシード培養物から採取し、M11V3培地により最終体積の36%で細胞1.4x10個/mLに調整する。
7%最終体積M11V3中で1mg/L最終体積DNAを希釈し、穏やかに混合することによって、DNA溶液(溶液1)を調製する。培養物の汚染を防ぐために、0.22μmフィルター(例えばMillipore Stericup)を使用してこの溶液をろ過し得る。ここでは、体積が小さいので滅菌ろ過は行っていない。次に、3mg/L最終体積PEI溶液を7%最終体積M11V3中で希釈し、穏やかに混合する(溶液2)。室温(RT)で5~10分間両溶液を温置する。その後、穏やかに混合しながら溶液2を溶液1に添加し、さらに5~15分間RTで温置する(PEIは、DNAを覆い/凝縮させて正荷電粒子にし、これが陰イオン性の細胞表面残基に結合し、エンドサイトーシスを介して細胞に取り込まれるので、温置時間中に再び混合しない)。温置後、遺伝子移入混合物を細胞に添加し、培養物を4時間培養する(10rpm、37℃、6%CO)。
最後に、次の実施例に従い、培養物に残りの50%最終体積M11V3培地を供給する:接種体積:細胞1.4x10個/mLで36mL。
溶液1:100μgプラスミドDNA入りの7mL M11V3培地。溶液2:300μg PEI(300μL)入りの7mL M11V3培地。
供給:50mL M11V3、合計100mL。
次のように固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を使用してタンパク質を精製した。95mLの上清を使用した(全ての約4mLを分析(IPC)用に維持する)。
使用材料:
Nickel-NTA Agarose,Qiagen,Cat No./ID:30230,Poly-Prep Chromatography Column,empty,BioRad,No.731-1550,IMAC A緩衝液pH7.4(20mM NaPO-緩衝液及び50mMイミダゾール含有)。IMAC B緩衝液pH7.4(20mM NaPO-緩衝液及び300mMイミダゾール含有)。TBS(MilliQ-Waterで10x濃縮を1x濃縮に希釈)。Ultracel-10メンブレン、10K、UFC801096付きのAmicon Ultra-4 Centrifugal Filter Unit。
工程段階:
1.Qiagenの1mL Nickel-NTA-Agarose(=0.5mL CV)でカラムを調製;
2.10CV IMAC Aで平衡化;
3.カラム上で15/45mL SNをローディング(フロースルーを回収);
4.10CV IMAC Aで洗浄(15mL Falconチューブ中で回収);
5.6.5CVのIMAC B中で溶出;
6.溶出物の濃度の決定;
7.Amicon Ultra-4 Centrifugal Filter Unit 10Kを用いて約400μLまで3.5mL試料を濃縮;
8.TBSの添加及び遠心分離5000により緩衝液交換。
40μLの各試料を用いた分析用SECを使用して、及び12μLの各試料とともにタンパク質ゲルを使用して、試料を分析した。
得られたタンパク質を保存した。
(2)plusMIL
オーバーラップ伸長PCRで膜相互作用ループ(aa193-204)を用いてEP14aa1-3のクローニングを行った。
次のプライマーを使用した。
Figure 0007425784000028
次のピペッティングスキームを使用してPCR反応を設定した:
1.2μL Phusion Hot Start Polymerase、
24μL 5xHF-緩衝液、
0.96μL 100mM dNTP(各dNTP 25mM)、
0.6μL Fwプライマー、
0.6μL Revプライマー、
92.64μL DEPC HO。
表17に従うPCRサイクリングパラメーターを使用した。
Figure 0007425784000029
反応直後に2μL DpnI-酵素を各反応物に添加し、混合し、37℃で2時間温置した。
2μL PCR産物を96ウェルPCRプレート移し、氷上で冷却することによって形質転換を行った。20μL STELLAR化学コンポーネント(component)細菌を添加し、ピペッティングで一度出し入れすることにより慎重に混合した。試料を氷上で30分間温置し、次にPCR機器中で42℃で45秒温置し、続いて氷上で60秒間さらに温置した。最後に、90μL SOC培地を添加し、37℃で1時間温置した。遺伝子移入混合物全てをLB-アンピシリン又はLB-カルベンシリンプレート上に蒔き、37℃で一晩増殖させた。
配列番号155に従うアミノ酸配列を有する得られたタンパク質EP14_plusMILを保存した。
9.実施例8:酵素活性
酵素活性アッセイを使用して、前の実施例で作製した候補の特徴を調べた。
次の試薬を使用した:Pi不含緩衝液、リン酸不含生理食塩水溶液(140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl2、2mM CaCl2、10mM Hepes、pH7.4);及びPi不含緩衝液+2%BSA、20mg/mL BSA;CD39タンパク質(配列番号1に従う)入りのリン酸不含生理食塩水溶液;ATP。
2つ組CD39溶液を2μg/mLで調製した。15μL ATP保存液+1185μL緩衝液、全部で1.2mL、から、1000μMで2つ組ATP溶液を調製した。
120μL最終/ウェルを満たした48ウェルPCRプレートにおいて60μL ATPを60μL CD39と、又は対照用のPi不含緩衝液と60μLを混合することによって、酵素反応を試験した。最終濃度は500μM ATP及び1μg/mL CD39であった。
それぞれ0、5、15、30、60、90及び150分間にわたり37℃で試料を温置した。次に、Pi放出アッセイ又はHPLCの何れかにより試料を評価した。
(1)Pi放出アッセイ
(a)材料及び方法
製造者の説明書に従い、標準Pi検出キットから試薬を調製した。
水中での希釈により、Piによる標準曲線を作成した。Pi保存液(100μM)の1:2連続希釈液を調製した:450μL+450μL水。標準曲線濃度は50μM/25μM/12.5μM/6.25μM/3.1μM/1.5μM/0μMであった。
Gold試薬混合液を調製した:4mL gold試薬+40μL促進剤(3プレートに対して)。96ウェルプレートにおいて、HO中で試料を1:10希釈した(水中で希釈:10μL試料+90μL H2O)。50μL、1:10希釈試料を96の半分の領域のウェルプレート(Corning、3690)の各ウェルに分配した。12.5μL Gold試薬混合液を各ウェルに添加し(25%試料体積)、試料を室温で10分間温置した。635nmで吸収を読んだ。
(b)結果及び解釈
候補に対する比較結果を表26で示す。
Figure 0007425784000030
酵素に500μM ATPを添加し、経時的にHPLC(下に記載の方法)によりATP、ADP、AMPの濃度を分析することによって、酵素活性を測定した。得られた反応速度曲線は、酵素定数を得るために図6のモデルとフィットさせた。酵素定数Kcatに関して、酵素は次の順序(低活性~高活性):EP28(wt)、EP17、EP14、EP15を示す。
図7は、EP28に対する反応速度データ及びモデルフィットを示す。図8は、EP14に対する反応速度データ及びモデルフィットを示す。図9は、EP15に対する反応速度データ及びモデルフィットを示す。
EP28(wt)、EP14、EP15及びEP17に対する酵素定数の概要は、表27で示す。野生型(WT)と比較して、3つの新規変異体は触媒活性の向上を示す。重要なこととして、新規変異体は、触媒速度定数(kcat)触媒効率(kcat/Km)の明らかな上昇を示す。組織損傷及び血栓症中の、報告されるATP及びADP基質濃度が報告されるKmを上回るので、このkcat及びkcat/Kmの上昇は、インビボでの活性がより高いと言い換えられると思われる。
Figure 0007425784000031
(2)HPLC検証アッセイ(反応速度及び用量反応)
(a)材料及び方法
HPLC検証アッセイで候補を試験した。HPLCのために70μLの各試料をガラスバイアルに移した。
表28で示されるような保存溶液5mMを用いて候補試料を調製した。
Figure 0007425784000032
1000μM 20μLの各保存溶液をHPLCバイアル中で混合した。
500μM 20μL 1mM+20μL H
100μM 10μL 1mM+90μL H
10μM 10μL 100μM+90μL H
1μM 10μL 10μM+90μL H
CapPump(G1376A)、Degasser(G1379A)、ALS(G1329A)、Thermostat(G1330B、ColComp(G1316A)及びDAD(G1315A)とともにAgilent 1100 Systemを使用して、HPLC分離を行った。溶媒A:10mM KHPO(04243、Riedel-de Haen)+2mM TBA臭化物、pH7.0(86857-10G-F、Fluka)及び溶媒B:10mM KH2PO4/ACN 1/1+2mM TBA臭化物、pH5.5。カラム:Nucleodur 300-5 C18ec、2x150mm、5μM、Macherey-Nagel 760185.20Batch E14100258 36654055。カラム温度は40℃、注入体積10μL、流速は0.3mL/minであり、勾配は0-3’:0%B;3-23’:0-95%B、直線的;23-28’:95%B、直線的;28-29’:95-0%B、直線的;5’Post Time”。DAD:247nm及び259nm。
Waters UPLC I classを使用して、UPLC分離を行った。溶媒A:10mM KHPO/10mM KHPO 1/1+2mM TBA臭化物、pH7.0。溶媒B:10mM KHPO/ACN 1/1+2mM TBA臭化物、pH5.5。カラム:Fortis Bio C18、2.1x50mm、5μm、di2chrom BIO318-020301 SN H03161210-2。カラム温度は40℃であり、注入体積は10μLであり、流速は0.5mL/minであり、勾配は0-1’:0%B;1-8’:0-55%B、直線的;8-10’:55%B;10-11’:55-0%B、直線的;14’停止時間。DADは247nm及び259nmであった。
(b)結果
結果は図7、8、9及び11で見ることができ、これらは異なる実施形態による候補に対して、反応速度データ及びモデルフィットを示す。
10.実施例9:インビトロ活性、最初のスクリーニング
IL2-リーダーなし及びIL2-startなしで、哺乳動物発現ベクターpRS5a_Leader_APP_His(図5)において、前の実施例に記載のCD39バージョンEP1~EP24をクローニングした。
(a)材料及び方法
7日間にわたるHEK293(PEI-遺伝子移入)におけるEP-Hitsの小スケール発現(20/50mLスケール)を行い、続いてAPP-HPLC上でIPCを行った(上記のとおり)。
Ni-NTA-カラム(0.5mL CV)での15/45mL細胞上清のタンパク質精製;6CV IMAC B緩衝液(20mM NaPO4-緩衝液、300mMイミダゾール、pH7.4)での溶出;
TBS、pH7.4中での精製タンパク質の濃縮及び再緩衝;
タンパク質ゲル、分析SECでのタンパク質の分析;
全ての変異体及び3つの対照(親hCD39-dMIL又はEP28、IL2-startあり及びなし、及び8M-バージョン、IL2-startなし)の送達:TBS、pH7.4中の90~200uLの精製タンパク質。
(b)結果及び解釈
結果を下の表29でまとめる。
試料は全てTBSpH7.4中であり、APP-(配列番号247)及びHis-Tag(配列番号249)を有する。
親ヒトCD39ΔMIL(EP28)のみが15アミノ酸長のIL2-start、aa1-15(配列番号133)を有する。
Pi放出アッセイBOENKTH1-0252824、double det。60及び180分間の値。
Figure 0007425784000033
Figure 0007425784000034
11.実施例10:インビトロ活性、精密なスクリーニング
2回目で12個の突然変異体のサブセットを試験したが、IL-2 startにより大きい発現スケールが可能となる。
(a)材料及び方法
15アミノ酸長のIL2-start、aa1-15付きの哺乳動物発現ベクターpRS5a_Leader_APP_His(配列番号133)(図5)。7日間にわたるHEK293(PEI-遺伝子移入)におけるEP-Hitsの小規模発現(50/100mLスケール)に続いて、APP-HPLC上でIPCを行った(上記のとおり)。
Ni-NTA-カラム(0.5mL CV)による45/95mL細胞上清のタンパク質精製
6CV IMAC B緩衝液(20mM NaPO4-緩衝液、300mMイミダゾール、pH7.4)で溶出
TBS、pH7.4中での精製タンパク質の濃縮及び再緩衝
タンパク質ゲル、分析SECでのタンパク質の分析
全ての変異体及び対照(親hCD39-dMIL又はEP28、IL2-start aa1-15あり(配列番号133))の送達:
TBS、pH7.4中の500μLの精製タンパク質。
(b)結果及び解釈
結果を下の表30、表31及び表32でまとめる。
Figure 0007425784000035
Figure 0007425784000036
Figure 0007425784000037
Figure 0007425784000038
12.実施例11:インビボ活性、pK
(a)材料及び方法
インビボPKの場合、4匹の意識のある雌C57BL/6マウスに対してPBS緩衝液中の10mg/mLの最終濃度の10mg/kg化合物を尾静脈に静脈内投与した(1mL/kg)。マウスはWIGAから入手し、体重は22g前後であった。生存中の実験は全てスイス動物福祉法の下で行った。POCT Minivettesを使用して小体積血清チューブに、投与後0.25、3、8、24及び48時間で全血を回収した(50μL/時間点)。血清を分離し、濃度決定のために使用した。
Gyrolab技術は、遠心力及びレーザー誘起蛍光検出を通じて働くアフィニティーフロースルー方式を使用した、ナノリットルスケールの自動化免疫アッセイである。Gyrolab Bioaffy CDにおいてストレプトアビジン被覆ビーズをアフィニティーカラムに予め充填する。各CDは112本のカラムを含有する。微細構造に対するアフィニティー捕捉カラムは15nLを含む。注入した試料は毛細管作用により入る。ビオチン化捕捉試薬は、ストレプトアビジン被覆ビーズに結合する。後で、検体溶液を注入し、それは捕捉分子に結合する。最後に、フルオロフォア標識検出試薬を適用する。CD39の場合、APPタグの利用可能性に依存して、2回の異なるアッセイ読み取りを使用した。
1)抗CD39(40035)及び抗APP(27431)は図10Aで見られる。
2)Fab(40035)及び抗Fc/抗CD39(40044)1:1プレミックス(全EP28aa1-16コンストラクト)は図10Bで見られる。アミンカップリングによりビオチン化された場合、抗体40044は活性を失い、従って抗体40035のみをビオチン化した。
1:2の希釈系列中の5%(v/v)マウス血清を含有するRexxip A中でCD39コンストラクトに対する全ての標準曲線を希釈した。APPタグ付加コンストラクトに対する適用される濃度範囲は5000ng/mL~9.77ng/mLであり、EP28aa1-16の場合、これは10000ng/mL~9.77ng/mLであった。5%(v/v)マウス血清を含有するRexxip A中で全てのマウス血清試料を1:100希釈した。5%(v/v)マウス血清を含有するRexxip A中でCD39コンストラクトのQC試料を希釈した(APPタグ付きのコンストラクトに対して50及び500ng/mL及びEP28aa1-16に対して500及び1000ng/mL)。全てのビオチン化捕捉試薬に対する最終濃度は0.1mg/mLであり、蛍光標識検出抗体をRexxip F中で10nMに希釈した。
(b)結果及び解釈
結果を表34でまとめる。見られ得るように、全ての候補が同じPKを示す。従って候補の選択はPK特性に基づかなかった。
Figure 0007425784000039
13.実施例12:インビボ活性、AKIモデル
(a)材料及び方法
I/R設定の開始前に右腎臓の腎摘除術を行う。全体的な生体のダイナミクスを変化させる代償機序を避けるために第2の腎臓を摘出した。自発呼吸する麻酔動物を恒温性監視システムの恒温性ブランケット上に置き、滅菌ガーゼで被覆する。低体温を回避するために、直腸プローブを通じて体温を記録し、36.5~37.5℃の範囲で調節する。動物に麻酔をかけ、剃毛し、消毒する(Betaseptic)。正中線切開/開腹手術後に、腹部の内容物を左に寄せ、右腎臓を摘出する。尿管及び血管を連絡切断し、結紮し(9-0Ethicon)、次いで腎臓を摘出する。
I/R傷害誘発:右腎臓の腎摘除術直後に、腹部内容物を右に寄せ、腎臓虚血誘導のために左腎臓動脈を切り離す。
腎臓への血流を阻止し、腎臓虚血を誘発するために、微細動脈瘤クリップを使用して椎弓根をクランプする。腎臓虚血の持続時間は、クランプ処理の時間から開始する。腎臓の色が数秒で赤から暗紫色に変化することにより虚血の成功を確認する。虚血後、微細動脈瘤クリップを外し、腎臓の色が赤に変化することによって再灌流が示される。
(b)結果及び解釈
結果は図12で見られる。候補は、それらの特異的なインビトロ活性と相関するインビボでの用量反応を示す。図12Aは親EP28に対する結果を示し、図12BはEP1xEP17に対する結果を示し、図12CはEP14に対する結果を示す。見られ得るように、EP28及びEP1xEP17は同様の用量反応を示し、一方でインビトロ活性がより高いEP14は、より低い用量で十分な効果を示す。
14.実施例13:タイター、収率及び開発可能性
商業的規模で選択候補を製造するために、比較的高収率でそれらを発現可能であることが重要である。治療用タンパク質の場合、これは、高産生クローンの選択を可能にする濃縮技術の欠如に加えて方式が複雑であるために、治療用抗体と比較してあまり容易ではない可能性がある。
両候補、EP14aa1-3及びEP28aa1-3は、同等な技術的特徴を有し、これは非常に困難であった。特に、早期発現バッチの低発現タイター(データは示さない)は、生産コストに影響を与えるか、又は宿主細胞タンパク質の制御が堅固ではないので、規模拡大後にさらにより低くなり得る。
両候補に対する早期クローン選択によってタンパク質発現を改善しようとするために、必要とされる個々に適した精製工程が必要であった。この目的に対して、候補EP28aa1-3及びEP14aa1-3を発現する細胞のプールを作製した。
EP28aa1-16/EP14aa1-3発現細胞株の産生のための宿主細胞株として親CHO細胞株を使用した。宿主細胞株は、例えば両方ともそれらの全体において参照により組み込まれる特許出願、国際公開第2015092737号パンフレット及び同第2015092735号パンフレットに記載されるような、当業者にとって周知のCHO-K1細胞株由来である。EP28aa1-16/EP14aa1-3組み換え細胞株を調製するためにCHO株からの単一バイアルを使用した。
化学的に定義される培地中で細胞を増殖させた。1μgのSwaIで線状化したプラスミドDNA、EP28aa1-16/EP14aa1-3をコードする発現ベクターを遺伝子移入につき添加した。化学的に定義された培地中で遺伝子移入反応を行った。
製造者の説明書に従い、AMAXA Gene Pulserを使用して、エレクトロポレーションにより遺伝子移入を行った。遺伝子移入のために使用する親CHO細胞は、指数増殖期であり、細胞生存能は95%を超えた。全部で、細胞5x10個/遺伝子移入を使用して3回の遺伝子移入を行った。遺伝子移入の直後に、科学的に定義された培地を含有する振盪フラスコに細胞を移した。
選択工程の開始前に36.5℃及び10%COで細胞プールを48時間温置した。発現ベクター中でコードされる選択マーカーを使用して、選択手順を行った。遺伝子移入及び低葉酸条件下での増殖の48時間後に、化学的に定義された培地に10nM MTXを添加することによって、さらなる選択圧をかけた。MTX選択開始から21日後に、主にMTX耐性細胞からなるプール集団が出現した。プール後、回収細胞を凍結した。EP28aa1-16/EP14aa1-3の濃度の決定のために、化学的に定義された培地中での標準的な流加培養を設定した。生成物濃度を決定するために、逆相クロマトグラフィー(RPC)を使用した。個別化されたクローン細胞株を得るためのFACS単細胞選別/細胞プリンター手順用に、EP28aa1-16/EP14aa1-3を産生するCHO細胞プールを使用した。
15.実施例14:治療用途
P2XRを活性化する細胞外ATPは、移植片対宿主疾患を促進するなど、いくつかの疾患と明らかに関連している(Wilhelm et al.Graft-versus-host disease is enhanced by extracellular ATP activating P2XR.Nature Medicine 16:12,pages 1434-1439(2010))。
さらに、インビトロ及びインビボ試験の両方から、ADPのレベルを調節することによりCD39が心血管系の健康において重要なアピラーゼに相当することが示される。アピラーゼは、細胞外ADPを代謝することによって血小板凝集を阻害することが知られている。
ヒトアピラーゼは、血小板上でADP受容体に不可逆的に結合するクロピドグレル(Plavix(商標))のような他の治療薬とは対照的に、血小板と共有結合しない。これにより、治療的阻害のより速やかな消失、従って血小板活性化が過剰である患者に対するより安全なアプローチが可能になる。これは、血小板活性化が過剰である患者に対してより安全なアプローチを提供する。
従って、本発明による化合物など、細胞外ATPのレベルを低下させる化合物の治療用途のための明らかな根拠がある。
本発明による化合物の治療用途の具体的な非限定例は、外傷及び/又は低酸素による急性臓器障害、例えば急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺傷害など、腎不全、急性腎臓傷害(AKI)(冠動脈バイパス移植手術後の急性腎臓傷害を含む)、腎臓又は他の固形臓器の移植(異種移植を含む)後の臓器移植後臓器機能障害又は血管疾患、例えば閉塞性血管疾患など、移植及び異種移植、次のものに罹患している個体の処置:卒中発作、冠動脈疾患又は心筋梗塞から起こる傷害、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、塞栓症、子癇前症、血管形成術、血管傷害、移植、新生児低酸素性虚血性脳症、血小板関連虚血障害(肺虚血、冠動脈虚血及び脳虚血を含む)、虚血再灌流傷害(IRI)血栓障害(冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、心臓内血栓症、末梢動脈血栓症及び静脈血栓症を含む)、腎臓又は他の固形臓器の移植(異種移植を含む)後の臓器移植後臓器機能障害、である。本発明による化合物の治療用途の他の非限定例は、火傷又は放射線による損傷、敗血症の処置、創傷治癒改善、出血若しくは出血リスクの軽減、臓器障害、移植片対宿主疾患の予防又は移植拒絶の予防である。
本発明による化合物の特に好ましい治療用途は、急性腎臓傷害(AKI)、例えば冠動脈バイパス移植術後の急性腎臓傷害又は敗血症又は横紋筋融解症である。この状態は、患者死亡率を上昇させ、標準治療(SoC)がない。集中治療ユニットにおけるAKIの主要な原因は、敗血症(47.5%)、大手術(34%)、心原性ショック(27%)、血液量減少(26%)及び腎毒性化合物(19%)である。さらにAKIは、慢性腎臓病(CKD)の発症に対する独立した強いリスク因子である。大きな心臓手術患者の20~30%は急性腎臓傷害になる。別の好ましい実施形態は、心臓手術に関連する急性腎臓傷害の処置のための本発明による単離アピラーゼの使用に関する。
別の実施形態では、本開示は、臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせの処置での使用のための本発明による単離アピラーゼに関する。
16.急性腎臓傷害(AKI)は敗血症の一般的な合併症である。敗血症患者の28%がAKIになる。さらなる好ましい実施形態では、本開示は、敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置のための本発明による単離アピラーゼの使用に関する。
実施例15:治療組成物
治療用タンパク質は一般的に、即時投与の水性形態で又は投与前の適切な希釈剤での再構成用の凍結乾燥物としての何れかで処方される。タンパク質は、例えばプレフィルドシリンジ中で、凍結乾燥物として、又は水性組成物としての何れかで処方され得る。
適切な処方物は、患者への送達のための、水性医薬組成物又は、治療用タンパク質有効成分が高濃度であり、タンパク質凝集が低レベルである溶液を与えるために再構成され得る凍結乾燥物を提供し得る。高濃度のタンパク質は、患者に送達しなければならない物質の量(用量)を低下させるので有用である。投与体積を小さくすることにより、患者に固定用量を送達するために要する時間が抑えられる。高濃度タンパク質を伴う本発明の水性組成物は皮下投与に特に適切である。
従って、本発明は、例えば皮下投与のための、治療用タンパク質を含む、対象での投与に適切な水性医薬組成物を提供する。
薬学的に許容可能な担体と組み合わせた場合、医薬組成物として治療用タンパク質を使用し得る。このような組成物は、治療用タンパク質に加えて、担体、様々な希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定化剤、可溶化剤及び当技術分野で周知の他の物質を含有し得る。担体の特徴は投与経路に依存する。開示される方法での使用のための医薬組成物は、特定の標的障害の処置のためのさらなる治療剤も含有し得る。
17.実施例16:投与経路
一般的には、本発明によるタンパク質は、注射により、例えば静脈内、腹腔内又は皮下の何れかで投与される。この投与を遂行するための方法は当業者にとって公知である。局所若しくは経口投与され得るか又は粘膜を横断して通過可能であり得る組成物を得ることも可能であり得る。当業者により認識されるように、特定の選択された投与経路に適切なように、投与するための何らかの適切な投与のための手段を使用し得る。
可能な投与経路の例としては、非経口(例えば静脈内(I.V.又はIV)、筋肉内(IM)、皮内、皮下(S.C.又はSC)又は点滴)、経口及び肺(例えば吸入)、鼻腔、経皮(局所)、経粘膜、動脈内、連続点滴及び直腸投与が挙げられる。非経口、皮内又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、次の構成成分:滅菌希釈剤、例えば注射用の水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒など;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベンなど;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなど;キレート剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸など;緩衝液、例えば酢酸、クエン酸又はリン酸など、及び等張性の調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースなどを含み得る。酸又は塩基、例えば塩酸又は水酸化ナトリウムなどでpHを調整し得る。非経口製剤は、ガラス又はプラスチック製の、アンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与バイアル中に封入され得る。
治療を必要とする対象への本発明によるタンパク質の「負荷用量」を投与することによって、アピラーゼ療法を開始し得る。「負荷用量」は、対象に投与される本発明によるタンパク質の初回用量を意図し、ここで、投与される本発明によるタンパク質の用量はより高い用量範囲内に入る。「負荷用量」は、単回投与、例えばタンパク質がIV投与される場合は単回点滴として、又は、完全な「負荷用量」が約24時間の期間内(又は、疾患の重症度に基づき、複数回静脈内投与が必要な場合は最初の月内)に投与される限り、複数回投与として、例えばタンパク質がIV投与される場合は複数回点滴として、投与され得る。「負荷用量」の投与後、次に本発明によるタンパク質の1回以上のさらなる治療的有効用量を対象に投与する。例えば毎週投与するスケジュール又は2週間ごとに1回、3週間ごとに1回若しくは4週間ごとに1回の投与に従い、後続の治療的有効用量を投与し得る。このような実施形態では、後続の治療的有効用量は一般に、より低い用量範囲内に入る。
或いは、いくつかの実施形態では、「負荷用量」後、本発明によるタンパク質の後の治療的有効用量は、「維持スケジュール」に従い投与され、本発明によるタンパク質の治療的有効用量は、1か月に1回、6週間ごとに1回、2か月ごとに1回、10週間ごとに1回、3か月ごとに1回、14週間ごとに1開、4か月ごとに1回、18週間ごとに1回、5か月ごとに1回、22週間ごとに1回、6か月ごとに1回、7か月ごとに1回、8か月ごとに1回、9か月ごとに1回、10か月ごとに1回、11か月ごとに1回又は12か月ごとに1回投与される。このような実施形態では、本発明によるタンパク質の治療的有効用量は、特により頻繁な間隔で、例えば2週間ごとに1回~1か月に1回、後続用量が投与される場合はより低い用量範囲内に入るか、又は、特に後続用量がより少ない頻度の間隔で投与される場合、例えば続く用量が1か月~12か月離して投与される場合はより高い用量範囲内に入る。
投与のタイミングは一般に、活性化合物の最初の投与日から測定され、これは「ベースライン」としても知られる。しかし、医療提供者によって異なる命名の慣習を使用する。
注目すべきこととして、第0週は、一部の医療提供者により第1週と呼ばれ得、一方で第0日は、一部の医療提供者によって第1日と呼ばれ得る。従って、医師によっては、例えば第3週中/第21日に、第3週中/第22日に、第4週中/第21日に、第4週中/第22日に与えられるような用量と呼ぶ可能性があり、一方で同じ投与スケジュールを指す。一貫性を保つために、投与の最初の週は本明細書中では第0週と呼び、一方で投与の最初の日を第1日と呼ぶ。しかし、この命名の慣例は単に一貫性のために使用され、限定するものと解釈すべきではなく、即ち毎週の投与は、医師が特定の週を「第1週」又は「第2週」と呼ぶか否かにかかわらないタンパク質の週用量の提供であることを当業者は理解するであろう。本明細書中で述べられるような投与レジメの例は図1及び2で見られる。正確な時間点で用量が提供される必要がなく、例えば適切な週にそれが提供される限り、およそ第29日での用量が例えば第24日~第34日に、例えば第30日に提供され得ることが理解されるであろう。
本明細書中で使用される場合、「[指定される用量]の送達を可能にするためのタンパク質の十分量を有する容器」という句は、ある種の容器(例えばバイアル、ペン、シリンジ)がそこに、所望の用量を提供するために使用され得るタンパク質(例えば医薬組成物の一部として)の体積を配置していることを意味するために使用される。例として、所望の用量が500mgである場合、臨床家は、250mg/mLの濃度のタンパク質処方物を含有する容器から2mL、500mg/mLの濃度のタンパク質処方物を含有する容器から1mL、1000mg/mLの濃度のタンパク質処方物を含有する容器から0.5mLなどを使用し得る。それぞれのこのような場合、これらの容器は、所望の500mg用量の送達を可能にするためのタンパク質の十分量を有する。
本明細書中で使用される場合、「[指定用量]の[投与経路]送達を可能にするための投与量で処方される」という句は、指定の投与経路(例えばs.c.又はi.v.)を介してタンパク質の所望の用量を提供するためにある種の医薬組成物が使用され得ることを意味するために使用される。例として、所望の皮下用量が500mgである場合、臨床家は、250mg/mLの濃度を有する2mLのタンパク質処方物、500mg/mLの濃度を有する1mLのタンパク質処方物、1000mg/mLの濃度を有する0.5mLのタンパク質処方物などを使用し得る。それぞれのこのような場合において、これらのタンパク質処方物は、本タンパク質の皮下送達を可能にするのに十分に高い濃度である。皮下送達は一般に、約2mL未満の体積、好ましくは約1mL以下の体積の送達を必要とする。しかし、例えばパッチ/ポンプ機序を使用して経時的により大きな体積が送達され得る。
患者における組織損傷処置用の薬剤の製造のためのタンパク質の使用が本明細書中で開示され、この薬剤は、容器を含むように処方され、各容器は、少なくとも約75mg、150mg、300mg又は600mgタンパク質/単位用量の送達を可能とするためのタンパク質の十分な量を有する。
患者における組織損傷処置用の薬剤の製造のためのタンパク質の使用が本明細書中で開示され、この薬剤は、600mgのうち75mg、150mg、300mgのタンパク質/単位用量で全身送達(例えばi.v.又はs.c.送達)することを可能にするための投与量で処方される。
18.実施例17:キット
本開示は、(場合に応じて)タンパク質で組織損傷がある患者を処置するためのキットも包含する。このようなキットは、タンパク質(例えば液体又は凍結乾燥形態)又はこのタンパク質(上記)を含む医薬組成物を含む。さらに、このようなキットは、本タンパク質を投与するための手段(例えばシリンジ及びバイアル、プレフィルドシリンジ、プレフィルドペン、パッチ/ポンプ)及び使用説明書を含み得る。この説明書は、具体的な投与計画の一部として患者にタンパク質を提供することを開示し得る。これらのキットは、例えば開示されるタンパク質と組み合わせた送達のために、乾癬を処置するためのさらなる治療剤(上記)も含有し得る。
「投与するための手段」という句は、プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、注射ペン、自動注入装置、i.v.点滴及びバッグ、ポンプ、パッチ/ポンプなどを含むが限定されない、患者に薬物を全身投与するための何らかの利用可能な装備を示すために使用される。このような物品を使用して、患者は、薬物を自分で投与(即ち自分自身のために薬物を投与)し得るか、又はケア提供者若しくは医師が薬物を投与し得る。
a)タンパク質の治療的有効量を含む医薬組成物;b)患者に本タンパク質を投与するための手段;及びc)それを必要とする患者にタンパク質を皮下投与することを提供する説明書を含む、組織損傷を有する患者の処置のためのキットが本明細書中で開示される。

以下の態様を包含し得る。
[1] N末端欠失、C末端欠失及び中央部修飾からなるリストから選択される少なくとも2つの修飾を有する可溶化ヒトアピラーゼ。
[2] N末端欠失、C末端欠失及び中央部修飾を有する、上記[1]に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[3] a)前記N末端欠失が30~50アミノ酸長であり、
b)前記C末端欠失が20~40アミノ酸長であり、
c)前記中央部修飾が欠失及び/又は点突然変異を含む、
上記[1]又は[2]に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[4] 前記中央部修飾が、10~15個の連続アミノ酸の欠失を含む、上記[1]~[3]の何れか一項に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[5] 中央部の欠失が、配列番号1に記載の野生型CD39配列に対する、アミノ酸番号193~204の欠失である、上記[4]に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[6] 前記中央部修飾が、K71E、N73Q、V95A、G102D、Y104S、T106S、R113M、L149M、V151A、E173D、T229A、L254M、K258R、W263R、E276D、N292Q、R304G、I319T、N327Q、A362N、F365S、N371Q、K405N、Y412F、L424Q、H436D、I437N、F439S、G441D、N457Q、P463S及びS469Rからなる群から選択される、配列番号1に記載の野生型CD39配列に対する1、2、3、4又は5個の点突然変異を含む点突然変異を含む、上記[1]~[5]の何れか一項に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[7] 配列番号4、配列番号6、配列番号32、配列番号54、配列番号56、配列番号70、配列番号76及び配列番号78からなる群から選択される配列を含む、上記[1]~[6]の何れか一項に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[8] 配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139及び配列番号141からなる群から選択される配列を含む、上記[1]~[7]の何れか一項に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[9] 配列番号213、配列番号227、配列番号219、配列番号225、配列番号217、配列番号209、配列番号221、配列番号72、配列番号215、配列番号223、配列番号211、配列番号58及び配列番号229からなる群から選択される配列を含むか又はそれらからなる、上記[8]に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[10] 配列番号58、配列番号72及び配列番号229からなる群から選択される配列からなる、上記[9]に記載の可溶化ヒトアピラーゼ。
[11] 上記[1]~[10]の何れか一項に記載のアピラーゼの治療的有効用量と、1つ以上の薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
[12] 1つ以上のさらなる有効成分をさらに含む、上記[11]に記載の医薬組成物。
[13] 薬剤としての使用のための上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼ。
[14] 組織損傷の処置における使用のための上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼ。
[15] 前記組織損傷が、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器の移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害などの低酸素による急性損傷;急性腎臓傷害、例えば胸部手術(例えば大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術)又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬品の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害など;急性心筋傷害である、上記[14]に記載の使用のための単離アピラーゼ。
[16] 心臓手術に伴う急性腎臓傷害の処置での使用のための上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼ。
[17] 臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)、虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせの処置における使用のための、上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼ。
[18] 敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための、上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼ。
[19] 対象に対して可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、ヒト対象において組織損傷を処置する方法。
[20] 前記可溶化ヒトアピラーゼが上記[1]~[10]の何れか一項に記載のアピラーゼである、上記[19]に記載の方法。
[21] 前記組織損傷が、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害などの低酸素による急性損傷;急性腎臓傷害、例えば胸部手術(例えば大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術)又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬品の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害など;急性心筋傷害である、上記[19]又は[20]に記載の方法。
[22] 心臓手術に付随する急性腎臓傷害を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、方法。
[23] 臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせを処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、方法。
[24] 敗血症に付随する急性腎臓傷害を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、方法。
[25] 上記[1]~[10]の何れか一項に記載の何れかのアピラーゼをコードする単離核酸分子。
[26] 上記[1]~[10]の何れか一項に記載の単離アピラーゼの組み換え産生に適切である、上記[25]に記載の1つ以上の核酸配列を含むクローニング又は発現ベクター。
[27] 上記[26]に記載の1つ以上のクローニング又は発現ベクターを含む、宿主細胞。
[28] 上記[27]に記載の宿主細胞を培養し、アピラーゼを精製して回収することを含む、上記[1]~[10]の何れか一項に記載のアピラーゼの産生のためのプロセス。
配列表
本発明を実施するための有用なアミノ酸及びヌクレオチド配列を表35で開示する。
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Claims (22)

  1. 配列番号229の配列を含む、可溶化ヒトアピラーゼ。
  2. 請求項1記載の可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量と、1つ以上の薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  3. 1つ以上のさらなる有効成分をさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。
  4. 薬剤としての使用のための請求項2又は3に記載の医薬組成物
  5. 組織損傷の処置における使用のための請求項2又は3に記載の医薬組成物
  6. 前記組織損傷が、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器の移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は酸素による急性損傷;急性腎臓傷害急性心筋傷害である、請求項に記載の医薬組成物
  7. 前記外傷及び/又は低酸素による急性損傷が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害である、及び/又は
    前記急性腎臓傷害が、胸部手術又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬品の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記胸部手術が、大動脈弁置換術又は冠動脈バイパス術である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 心臓手術に伴う急性腎臓傷害の処置での使用のための請求項2又は3に記載の医薬組成物
  10. 臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)、虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせの処置における使用のための、請求項2又は3に記載の医薬組成物
  11. 敗血症に付随する急性腎臓傷害の処置での使用のための、請求項2又は3に記載の医薬組成物
  12. ヒト対象において組織損傷を処置する方法に用いるための医薬組成物であって、請求項1に記載の可溶化ヒトアピラーゼを含み、前記方法が、前記対象に対して可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、医薬組成物
  13. 前記組織損傷が、急性脳傷害(卒中発作);急性多臓器不全;腎臓又は他の固形臓器移植後の臓器移植後臓器機能障害;火傷による損傷;放射線による損傷;外傷及び/又は酸素による急性損傷;急性腎臓傷害急性心筋傷害である、請求項12に記載の医薬組成物
  14. 前記外傷及び/又は低酸素による急性損傷が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)又は肺傷害である、及び/又は
    前記急性腎臓傷害が、胸部手術又は敗血症又は横紋筋融解症又は抗生物質若しくは他の薬品の毒性効果に対する二次的な急性腎臓傷害である、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 前記胸部手術が、大動脈弁置換術又は冠動脈バイパス術である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 心臓手術に付随する急性腎臓傷害を処置する方法に用いるための医薬組成物であって、請求項1に記載の可溶化ヒトアピラーゼを含み、前記方法が、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、医薬組成物
  17. 臓器移植後臓器機能障害(DGF)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性心筋梗塞(AMI)、外傷性脳傷害(TBI)/急性虚血性発作(AIS)虚血再灌流傷害(IRI)又は多臓器不全(MOF)と呼ばれることが多いそれらの組み合わせを処置する方法に用いるための医薬組成物であって、請求項1に記載の可溶化ヒトアピラーゼを含み、前記方法が、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、医薬組成物
  18. 敗血症に付随する急性腎臓傷害を処置する方法に用いるための医薬組成物であって、請求項1に記載の可溶化ヒトアピラーゼを含み、前記方法が、このような処置を必要とする対象に可溶化ヒトアピラーゼの治療的有効用量を投与することを含む、医薬組成物
  19. 請求項1記載の可溶化ヒトアピラーゼをコードする単離核酸分子。
  20. 請求項1記載の可溶化ヒトアピラーゼの組み換え産生に適切である、請求項19に記載の1つ以上の核酸配列を含むクローニング又は発現ベクター。
  21. 請求項20に記載の1つ以上のクローニング又は発現ベクターを含む、宿主細胞。
  22. 請求項21に記載の宿主細胞を培養し、可溶化ヒトアピラーゼを精製して回収することを含む、請求項1記載の可溶化ヒトアピラーゼの製造方法
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