JP7421723B2 - 水回り設備用ユニットルーム - Google Patents

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Description

本発明は、水回り設備用ユニットルームに関し、特に、複数の建材を互いに水密に接合して組み立てられる水回り設備用ユニットルームに関する。
ユニットバスやユニット式のシャワールーム等の水回り設備用ユニットルームは、一般に、工場で予め床材、壁材、天井等の建材を製造しておき、これらの建材を建築現場に運び込み、建築現場で組み立てられるノックダウン方式で製造される。このような水回り設備用ユニットルームは、一般の居室とは異なり、確実な防水性が求められ、床材と壁材等、各建材の接合部には水密性が確保されている必要がある。従来のユニットバス等の水回り設備用ユニットルームにおいては、床材と壁材等の間の接合部の水密性を確保するために、建築現場で建材同士を接合した後、その接合部にシリコーン接着剤を塗布することにより、接合部の水密性を確保することが一般的に行われている。
特開平10-317502号公報(特許文献1)には、設備ユニットの取付方法および設備ユニットが取り付けられたユニット建物が記載されている。この設備ユニットの取付方法においては、設備ユニットと周囲の建物の部材の間の隙間に加熱し軟化したホットメルトタイプのシーリング材が塗布され、このシーリング材によって、設備ユニットと周囲の建物の部材の間がシールされている。
特開2016-50431号公報(特許文献2)には、浴室洗い場における床部と壁部との間のシール方法が記載されている。このシール方法においては、浴室洗い場の床部に設けられた溝部に、浴室の立壁面を形成する壁部を挿入した状態で、溝部と壁部の隙間に、コーキング材供給ノズルを介してコーキング材が注入される。このコーキング材が固まることにより、床部と壁部の間がシールされ、水密性が確保される。
しかしながら、組み立て現場で塗布されるコーキング材等によるシールでは、完全な品質管理が難しく、確実に水密性が確保できないという問題がある。例えば、組み立て現場におけるコーキング材によるシールでは、コーキング材の塗布忘れや、コーキング材の塗布量の不足、施工者の技能不足により、十分な水密性が確保できない場合がある。また、水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいては、確実な水密性を確保するために、コーキング等を施工する施工者に高い技能が要求され、十分な技能を持った施工者が不足しているという問題もある。
一方、水回り設備用ユニットルームを構成する建材の接合部の水密性を確保するためにパッキンを使用することが考えられる。パッキンは、予め工場で製造しておくことにより、組み立て現場では、それを建材の隙間に挟むだけで水密性を得ることができ、施工者の技能に依存するところは少ない。
しかしながら、パッキンにより水密性を得るには、パッキンを接合すべき建材に十分な力で押しつけるために、パッキンに十分な潰し代を確保しておく必要がある。ところが、水回り設備用ユニットルームを施工すべき建築物には比較的大きな寸法誤差、形状誤差が存在するため、ユニットルームを構成する建材同士の隙間は大きくばらつくことが一般的である。このような大きなばらつきのある隙間を埋めながら、尚且つパッキンに十分な潰し代を確保することは困難である。このため、水回り設備用ユニットルームの高い水密性が要求される部分のシールにパッキンをそのまま採用できないのが現状である。
また、水回り設備用ユニットルームを構成する建材の接合部の水密性を確保するために、ブチルゴム等の粘着剤を使用することが考えられる。ブチルゴム等の粘着性のある材料でシールを行う場合には、水密性を確保するためにパッキンのような大きな潰し代を確保する必要はなく、容易に隙間を埋めて水密性を確保することができる。例えば、ブチルゴム製のテープを建材の接合部に貼り付けておき、水回り設備用ユニットルームの組み立て現場にて、ブチルゴムテープの剥離紙を剥がし、建材同士をブチルゴムによって粘着させることが考えられる。
しかしながら、組み立て現場における建材の組み立ては、1回で位置決めが完了することは少なく、建材同士を仮組みしながら位置を調整した上で、最終的に建材同士を接合させることが一般的である。ところが、ブチルゴムを使用して建材同士を粘着させた場合、一旦粘着させた部材同士を剥がすことが困難であり、仮組み後の位置調整をすることができない。また、一旦粘着させた部材を無理に剥がすと、ブチルゴムの粘着層が破壊されてしまい、再粘着させた際に十分な水密性が確保できなくなるおそれがある。このため、ブチルゴムのような粘着剤は、水回り設備用ユニットルームを構成する建材同士のシールには殆ど採用されていない。
特開平10-317502号公報 特開2016-50431号公報
また、従来のユニットバスの上述したノックダウン方式の製造においては、壁材や床材、壁材の保持具等の個々の建材を組立現場である建築躯体内へ輸送した後、建築躯体内で施工者がこれらの建材を接合させて組み立てるため、組立現場において、個々の建材同士の隙間をシリコーン接着剤で塗布して水密性を確保する作業が必要とされている。
しかしながら、このようなシリコーン接着剤の塗布は、組立現場で施工者が行うため、塗布が忘れられる場合があり、建材同士の隙間に十分な量のシリコーン接着剤が塗布されない場合には、水密性を発揮できず、ユニットバスから水漏れするおそれがあるという問題がある。
また、シリコーン接着剤はユニットバスを構成する建材に接着するため、ユニットバスを分解するときには、建材からシリコーン接着剤をきれいに剥がすのに相当の手間がかかる。このため、現状は、ユニットバスを構成する建材は破棄するしかなかったという問題が発生している。なお、このような問題は、パッキンを建材に接着して水密性を持たせる場合でも同様に発生している。
したがって、従来のユニットバスやユニット式のシャワールーム等の水回り設備用ユニットルームを構成する建材については、資源保護やCO2の削減等に対して社会的な要請がなされていても、このような要請に十分にこたえられていないのが現状である。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題及び近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、資源保護やCO2の削減等に対する社会的要請に応えることができる水回り設備用ユニットルームを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の建材を互いに水密に接合して組み立てられる水回り設備用ユニットルームであって、互いに接合される接合部が設けられた第1の建材及び第2の建材と、上記接合部に、加熱して液状化された粘着剤を連続して線状に塗布して形成された水密粘着層と、を有し、上記第1の建材及び上記第2の建材の接合部は、上記水密粘着層の温度が常温まで低下した後、上記水密粘着層を介して互いに水密に接合され、上記第1の建材と上記第2の建材が上記水密粘着層を介して一旦粘着された後、常温下で上記第1の建材と上記第2の建材の粘着を剥がしたとき、上記水密粘着層全体は、破断されずに上記第1の建材及び上記第2の建材の双方から剥離可能であることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、第1の建材と第2の建材が水密粘着層を介して一旦粘着された後、常温下で第1の建材と第2の建材の粘着を剥がしたとき、水密粘着層全体が破断されずに第1の建材及び第2の建材の双方から剥離可能である。
これにより、例えば、水回り設備用ユニットルームのリフォームを行う場合においても、第1の建材と第2の建材を水密に接合するためにシリコーン接着剤やパッキン等を建材の接合部に接着した従来の形態に比べて、常温下で第1の建材と第2の建材から水密粘着層全体を破断させることなく、容易に剥がすことができる。
また、水密粘着層を剥がした状態の第1の建材と第2の建材の接合部については、粘着面に残さずにきれいに剥がすことができる。
よって、水回り設備用ユニットルームをリフォームする際に、水密粘着層を剥がした状態の第1の建材や第2の建材について再利用することができる。
また、第1の建材や第2の建材について、水密粘着層を剥がした状態にするだけで、大きなコストをかけることなく容易に再使用したり、リサイクル可能にしたりすることができる。
これらの結果、資源保護やCO2の削減等に対する社会的要請に応えることができる水回り設備用ユニットルームを提供することができる。
本発明において、好ましくは、上記水密粘着層は、上記第1の建材の接合部に対して、高温で加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布された状態で粘着される一方、上記第2の建材の接合部に対して、上記高温で加熱して液状化された状態から常温まで温度低下して固化された状態で粘着され、上記第1の建材と上記第2の建材が上記水密粘着層を介して一旦粘着された後、上記第1の建材と上記第2の建材の粘着を剥がしたとき、上記水密粘着層は破断されずに上記第1の建材の側に残るように構成されている。
このように構成された本発明においては、第1の建材の接合部に対して水密粘着層が形成される際に、高温で加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布された状態で粘着させる一方、その後、第2の建材の接合部に対して水密粘着層が形成される際には、高温で加熱して液状化された状態から常温まで温度低下して固化された状態の粘着剤を粘着させる。
これにより、第1の建材の接合部の粘着力を大きく、第2の建材の接合部の粘着力を小さくして、互いの粘着力に対して強弱をつけることができるため、第1の建材と第2の建材のそれぞれに対する水密粘着層の剥がれ易さに差をつけることができる。
したがって、第1の建材と第2の建材が水密粘着層を介して一旦粘着された後、第1の建材と第2の建材の粘着を剥がしたとき、水密粘着層は破断されずに第1の建材の側に残ることができる。
これにより、例えば、水回り設備用ユニットルームを解体するために、第1の建材と第2の建材の粘着を剥がしたときに、水密粘着層は、第2の建材に引っ張られて第2の建材と共に外れることが抑制され、第1の建材に残るようになる。
よって、解体時には、まず、第2の建材を外し、その後に第1の建材から水密粘着層を剥離させればよいため、解体作業が煩雑になり難く、作業も容易となる。
本発明において、好ましくは、上記第1の建材は、上記水回り設備用ユニットルームの床面を構成する略矩形の床材であり、この床材の床面には、角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して設けられた接合部が設けられており、上記第2の建材は、上記床材の接合部に対して上記水密粘着層を介して接合される壁材であり、上記水密粘着層は、上記床材の接合部に対して角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して粘着剤を塗布することにより形成されている。
このように構成された本発明においては、水密粘着層が床材の接合部における角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して粘着剤を塗布することにより、水密粘着層を床材の接合部の角部で屈曲させて辺方向に連続して形成することができる。
これにより、床材の接合部と水密粘着層との粘着部分が途切れることがなく、床材の接合部に対する水密粘着層の連続した水密性を確保することができる。
特に、壁材を床材の接合部に水密粘着層を介して接合させた際には、床材の角部における水密性についても十分に確保することができる。
本発明において、好ましくは、上記第1の建材の接合部には、溝部が形成されており、上記第1の建材の接合部に、上記加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布して上記水密粘着層を形成する際、上記加熱して液状化された粘着剤が、上記溝部から突出しないように上記溝部の中に塗布される。
このように構成された本発明においては、第1の建材の接合部には、溝部が形成されており、例えば、生産工場において、第1の建材の接合部に対して、加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布して水密粘着層を形成する際、加熱して液状化された粘着剤が、第1の建材の接合部の溝部から突出しないように溝部の中に塗布されるため、塗布された粘着剤が、第1の建材の搬送時等に破損することを抑制することができる。
本発明の水回り設備用ユニットルームによれば、資源保護やCO2の削減等に対する社会的要請に応えることができる。
本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームを模式的に表す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームに用いられる床材を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームにおいて、図2のIII-III線に沿う床材2の断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームに用いられるフレームの下端部を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームに用いられるフレームの下端部を模式的に表す側面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームに用いられる天井材を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームに用いられる天井材の、図6のVII-VII線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態による本実施形態の水回り設備用ユニットルームを製造する方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態による本実施形態の水回り設備用ユニットルームを製造する方法の各工程を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態による本実施形態の水回り設備用ユニットルームを製造する方法における粘着剤層の形成及び保護手順を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立て手順を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立て手順を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、床材とフレームとの接続部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、図13のXIV-XIV線に沿って破断した状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立て手順を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立て手順を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、床材と壁材との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、床材に一旦粘着させた壁材を再粘着させる際の第1粘着剤層の挙動を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、壁材とフレームとの接続部分を模式的に表す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、壁材とフレームとの接続部分を模式的に表す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立て手順を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、フレームと天井材との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの組み立てにおいて、壁材と天井材との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による水回り設備用ユニットルームであるシャワールームを模式的に表す斜視図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームを模式的に表す斜視図である。
図1に示すように、水回り設備用ユニットルーム1は、床材2と、複数の壁材4と、フレーム6と、天井材8と、を備えている。図1に示す例では、水回り設備用ユニットルーム1は、浴槽10をさらに備えるユニットバスである。また、水回り設備用ユニットルーム1は、浴槽10を備えていないシャワールームであってもよい。本実施形態において、水回り設備用ユニットルーム1は、略直方体の箱状である。また、床材2、壁材4、フレーム6、及び天井材8は、何れも水回り設備用ユニットルーム1を形成する建材であり、これらの建材を組み立てることにより水回り設備用ユニットルーム1が構成される。
床材2は、水回り設備用ユニットルーム1の下面を構成する部材である。床材2は、高さ調節可能な構造を有する複数の支持脚12を介して浴室設置面(例えば、建物の床)の上に設置されている。図1に示す水回り設備用ユニットルーム1には、浴槽10が備えられているため、床材2は、水回り設備用ユニットルーム1の下面のうち、浴槽10が設けられていない部分に設けられている。なお、浴槽10が設けられない水回り設備用ユニットルーム1の場合には、床材が、水まわりユニットルーム1の下面の全体に設けられる。
複数の壁材4は、床材2の外周縁2a及び浴槽10の外周縁10aの上に夫々設けられたパネル状の部材であり、水回り設備用ユニットルーム1の4つの側面を構成している。また、各壁材4と床材2の間、及び各壁材4と浴槽10の間は、水密的に接合されている。なお、本実施形態においては、水回り設備用ユニットルーム1の各側面は、複数の壁材4により構成されているが、1つの側面が1枚の壁材で構成されていても良い。また、水回り設備用ユニットルーム1の側面の一箇所には、ドア枠(図示せず)が取り付けられ、このドア枠に取り付けたドア(図示せず)を介して、水回り設備用ユニットルーム1に出入りすることができるようになっている。
フレーム6及びフレーム36は、床材2の外周縁2a及び浴槽10の外周縁10aから立ち上がるように取り付けられたフレーム材であり、柱状に構成されている。各フレームは、隣接する壁材4の間に設けられ、隣接する壁材4同士を接続するように構成されている。即ち、フレーム6は、水回り設備用ユニットルーム1の一直線に並べられた2枚の壁材4の間に配置されており、これらのフレーム6を介して隣接する壁材4が、夫々水密的に接合される。また、フレーム36は、水回り設備用ユニットルーム1の角部に、直角を為すように配置された2枚の壁材4の間に配置されており、これらの壁材4を水密的に接合させる。
天井材8は、各フレーム6、36の上、及び、各壁材4の上に設けられたパネル状の部材であり、水回り設備用ユニットルーム1の上面を構成する。即ち、天井材8の外周縁と各壁材4の上縁が接合されることにより、水回り設備用ユニットルーム1の天井面が形成される。なお、本実施形態においては、2枚の天井材8により、水回り設備用ユニットルーム1の天井面が構成されているが、1枚の天井材8により天井面を構成することもできる。
浴槽10は、一体成形により略直方体状の湯船が形成された部材であり、支持脚12を介して浴室設置面(例えば、建物の床)の上に設置されている。本実施形態において、浴槽10は、水回り設備用ユニットルーム1の一側に設置され、浴槽10の外縁が、水回り設備用ユニットルーム1の1つの側壁面、及び、その両側の側壁面の約半分と接するように配置される。また、浴槽10と床材2との境界には、浴槽10の、床材2側の側面を覆い隠すバスエプロン10bが設けられている。浴槽10の外縁と、これに沿って配置される壁材4との間、及びバスエプロン10bと壁材4との間も、水密的に接合されている。なお、浴槽10の構造によっては、バスエプロン10bを設けなくてよいものもある。
次に、図2乃至図7を参照して、水回り設備用ユニットルーム1の詳細な構成を説明する。
図2は、水回り設備用ユニットルーム1に用いられる床材2を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のIII-III線に沿う床材2の断面図である。図4は、水回り設備用ユニットルーム1に用いられるフレーム6の下端部を模式的に示す斜視図である。図5は、水回り設備用ユニットルーム1に用いられるフレーム6の下端部を模式的に表す側面図である。図6は、水回り設備用ユニットルーム1に用いられる天井材8を模式的に示す斜視図である。図7は、水回り設備用ユニットルーム1に用いられる天井材8の、図6のVII-VII線に沿う断面図である。
図2及び図3に示すように、床材2は、床材本体14と、床材2の外周縁2aに設けられた水密粘着層である第1粘着剤層16と、を有する。本実施形態においては、床材本体14は、床面14aと、溝部18と、を有する。床面14aは、各壁材4で囲まれた空間内に露出し、使用者に実際に洗い場として使用される部分である。溝部18は、床面14aの外縁に沿って設けられている。換言すれば、溝部18は、床材本体14の外周縁に設けられる。また、溝部18は、本実施形態においては、床面14aの4つの辺(外周縁)のうち、浴槽10と隣接しない3つの辺の全体に沿うように設けられている。
図3に示すように、溝部18は、第1内側面18aと、第2内側面18bと、内底面18cと、を有する。内底面18cは、床面14aよりも下方に凹んでいる。第1内側面18aは、内底面18cの床面14a側の一端側に設けられている。第1内側面18aは、内底面18cから床面14aに向かって上方に延びている。換言すれば、第1内側面18aは、内底面18cの一端と床面14aの一端とを接続する。第2内側面18bは、内底面18cの他端側に設けられている。第2内側面18bは、内底面の他端から上方に向かって延びている。
第1粘着剤層16は、床材本体14の外周縁に設けられており、本実施形態においては、第1粘着剤層16は、溝部18の内底面18cの上に、溝部18から上方に突出しないように設けられている。また、本実施形態においては、第1粘着剤層16は、例えば、溝部18に沿って、床面14aの4つの辺(外縁)のうち、浴槽10と隣接しない3つの辺の全体に連続して設けられている。第1粘着剤層16は、水回り設備用ユニットルーム1を組み立てる際に、床材本体14と壁材4との間に位置するように設けられる。
図4及び図5に示すように、フレーム材であるフレーム6は、フレーム本体20と、フレーム本体20の側面(水回り設備用ユニットルーム1の内側に向いている面)に設けられた水密粘着層である第2粘着剤層22と、を有する。なお、以下では、フレーム6の下端部の構造を説明するが、フレーム6は、その上端部も同様に構成されている。フレーム本体20は、第1ジョイナ20aと、第2ジョイナ20bと、を有する。本実施形態においては、第1ジョイナ20aは金属製であり、第2ジョイナ20bは、樹脂製である。
第1ジョイナ20aは、概ね門形断面の細長い部材であり、薄板を折り曲げることにより形成され、門形の開放された側面が水回り設備用ユニットルーム1の内側を向くように取り付けられる(図19)。さらに、第1ジョイナ20aにおいて、門形断面の両側の脚部は内側に折り返されている。第2ジョイナ20bは、浅い門形断面の細長い部材であり、門形の開放された側面が水回り設備用ユニットルーム1の内側を向くように取り付けられる。第2ジョイナ20bは、第1ジョイナ20aの中空構造の内側に取り付けられている。図5に示すように、第2ジョイナ20bの下端部は、第1ジョイナ20aの下端部よりも下方に突出している。なお、ジョイナの下端部とは、ジョイナの下面のみに限定されず、例えば、ジョイナの下面から上方30mm以内の領域にある該ジョイナの表面も含まれる。
また、水回り設備用ユニットルーム1の角部に配置されるフレーム材であるフレーム36は、辺部に配置されるフレーム6とは異なる形状を有する(図20)。このフレーム36も、金属製の第1ジョイナ36aと、樹脂製の第2ジョイナ36bから構成され、第2ジョイナ36bの内側に第2粘着剤層22が配置されている。第1ジョイナ36aは、金属の薄板を折り曲げることにより形成され、第2ジョイナ36bを水回り設備用ユニットルーム1の角部に対向して配置できるように、概ね六角形断面に構成されている。第2ジョイナ36bは、浅い門形断面の細長い部材であり、門形の開放された側面が水回り設備用ユニットルーム1の内側を向くように取り付けられる。
フレーム6において、第2粘着剤層22は、フレーム本体20の側面に設けられており、第2粘着剤層22は、第2ジョイナ20bの中空構造の内側に設けられている。第2粘着剤層22は、第2ジョイナ20bに沿って、第2ジョイナ20bの中空構造の内部の上下方向の全体に連続して設けられている。図5に示すように、第2粘着剤層22の下端部22aは、第2ジョイナ20bの下端部(フレーム本体20の下端部)よりも下方に突出している。また、同様に、第2粘着剤層22の上端部(図示せず)は、第2ジョイナ20bの上端部(フレーム本体20の上端部:図示せず)よりも上方に突出している。なお、フレーム36においても、第2粘着剤層22は、フレーム本体の側面に設けられており、第2粘着剤層22は、第2ジョイナ32bの中空構造の内側に設けられている。第2粘着剤層22の性質及び形成方法については、後述する。
なお、フレーム6,36は、第1ジョイナ20a、36aだけで構成されていてもよい。
図6及び図7に示すように、天井材8は、天井材本体24と、天井材本体24の外周縁に設けられた水密粘着層である第3粘着剤層26と、を有する。本実施形態においては、天井材8は、2枚の天井材本体24から形成され、これらの天井材本体24の、壁材4と接合される3辺に第3粘着剤層26が設けられている。
また、図7に示すように、天井材本体24の周縁には、接続部材28が取り付けられている。接続部材28には、第1受け部28a及び第2受け部28bが設けられ、第1受け部28aは、前後方向または左右方向に向かって凹んだ凹部であり、天井材本体24の周端部を受け入れ、嵌合するように構成されている。第2受け部28bは、下方に向けて開口するように形成された凹部であり、壁材4の上端部及びフレーム6の上端部を受け入れ、嵌合するように構成されている。
第3粘着剤層26は、天井材本体24の外周縁に設けられる。本実施形態においては、第3粘着剤層26は、第2受け部28bの中の、下方に向けられた面に設けられている。第3粘着剤層26は、天井材本体24の外周縁に沿って、第2受け部28bの上面の全体に連続して設けられる。第3粘着剤層26は、水回り設備用ユニットルーム1を組み立てる際に、天井材本体24と壁材4との間、及び、天井材本体24とフレーム6との間に位置するように設けられる。
なお、本実施形態においては、天井材8に第3粘着剤層26が設けられているが、第3粘着剤層26は、必要に応じて設けられ、省略可能である。天井材8に第3粘着剤層26を設けない場合、天井材8には、例えば、パッキンなどの他の水密部材を設けてもよい。
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルームの製造方法を説明する。
図8は、本実施形態の水回り設備用ユニットルームの製造方法を示すフローチャートである。図9は、本実施形態の水回り設備用ユニットルームの製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。図10は、本実施形態の水回り設備用ユニットルームの製造方法における粘着剤層の形成及び保護手順を模式的に示す説明図である。
本発明の第1実施形態による水回り設備用ユニットルーム1の製造方法では、まず、上記で説明したユニットルームを構成する床材2、壁材4、フレーム6、天井材8等の建材、及び浴槽10を製造工場で製造する。次いで、製造された建材等を住宅等の建築現場に搬送し、建築現場にて建材等を組み立てて、水回り設備用ユニットルームを完成させるものである。
図8に示すフローチャートのステップS1においては、建材準備工程として、床材2、壁材4、フレーム6、天井材8等の建材が組み立てられる。例えば、図9の(A)欄に示すように、床材本体14に床面14a等を取り付けることにより、床材2が組み立てられ、準備される。
次に、ステップS2においては水密粘着層形成工程として、他の建材と接合される建材の接合部に、加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布して、建材の接合部に水密粘着層が形成される。本実施形態において、粘着剤の塗布は、図9の(B)欄に示すように、製造工場において液状化された粘着剤を連続的に押し出すノズルを、ロボットアームによって建材の接合部に沿って移動させることにより実行される。即ち、図10の(A)欄に示すように製作された床材2の溝部18に、液状化された粘着剤を連続した線状に塗布することにより、図10の(B)欄に示すように水密粘着層である第1粘着剤層16が形成される。なお、本実施形態においては、図10の(B)欄に示すように、床材2等の建材の角部においても、粘着剤が連続して線状に塗布される。即ち、第1粘着剤層16は床材の角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して粘着剤を塗布することにより形成されるため、角部においても継ぎ目のない連続した水密粘着層として形成される。
本実施形態において、例えば、床材2と壁材4の接合部については、第1の建材である床材2の、接合部である溝部18に、加熱して液状化された粘着剤が塗布され、第1粘着剤層16が形成される(図3)。なお、この際、第1粘着剤層16は、溝部18から突出しないように塗布される。さらに、水回り設備用ユニットルーム1の組み立て時においては、第2の建材である壁材4の、接合部である下端が、床材2の溝部18に設けられた第1粘着剤層16に粘着され、床材2と壁材4が接合される。
同様に、フレーム6の第2ジョイナ20bの内側に、加熱して液状化された粘着剤が連続した線状に塗布され、これにより、接合部である第2ジョイナ20bに、水密粘着層である第2粘着剤層22が形成される。なお、フレーム6と壁材4の接合においては、第2粘着剤層22が形成されたフレーム6が第1の建材として作用し、これと接合される壁材4が第2の建材として作用する。同様に、フレーム36についても、第2粘着剤層22が形成される。さらに、天井材8の第2受け部28bの内側に、加熱して液状化された粘着剤が連続した線状に塗布され、これにより、接合部である第2受け部28bに、水密粘着層である第3粘着剤層26が形成される。天井材8と壁材4の接合においては、第3粘着剤層26が形成された天井材8が第1の建材として作用し、これと接合される壁材4が第2の建材として作用する。
さらに、ステップS3においては硬化工程として、ステップS2の水密粘着層形成工程において形成された各粘着剤層が、常温まで、例えば20~25℃程度まで温度低下される。この硬化工程により、各粘着剤層は、弾性及び形状復元性を呈するようになり、粘着剤層の形態が安定する。なお、本実施形態においては、床材2等の建材に塗布された、液状化した粘着剤が常温まで温度低下するために要する時間は比較的短い。このため、図9の(C)欄に示すように、粘着剤の塗布が完了した床材2等の建材を、製造工場内で次工程に送るまでの保管期間中や、搬送期間中に粘着剤層の温度は常温まで低下する。従って、本実施形態においては、水密粘着層形成工程後の建材の保管期間や、搬送期間が硬化工程として機能している。
次に、水密粘着層形成工程、及び硬化工程により形成される水密粘着層である粘着剤層について説明する。
水密粘着層形成工程、及び硬化工程により形成される第1粘着剤層16は、加熱された粘着剤が塗布された床材2に粘着されていると共に、組み立て時において壁材4と接触すると、これらの建材に対しても粘着される。同様に、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26も、フレーム6、36、天井材8に対して夫々粘着されていると共に、組み立て時において、壁材4と粘着される。
ここで、「粘着」とは、高粘度液体に一般的に見られる現象で、態の変化を起こさず短時間僅かな圧力を加えるだけでぴったりくっつき、隙間を塞ぐあるいは埋める(シール性を発揮する)現象である。また、粘着剤は感圧接着剤とも呼ばれる。なお、粘着剤とは、例えば、時間が経った場合であっても完全に乾くことが無く、常に接着性をもった材料であり、時間が経つと完全に乾いてしまい、接着性が実質的に失われてしまう(接着性が限りなくゼロに近づく)いわゆる接着剤とは、全く異なるものである。例えば、一般的なバスルームのシールに使用されるシリコーンコーキング剤は、乾いた(硬化した)状態では接着性が失われるため、接着剤に分類される。
さらに、水密粘着層形成工程、硬化工程を経て形成される第1、第2、第3粘着剤層は、弾性を有し、形状復元性を有する。即ち、弾性、形状復元性を有するとは、各粘着剤層を圧縮変形させ、荷重を取り除いた後の圧縮永久ひずみが、例えば、20%以下であることを指す(JIS K 6254:2016)。各粘着剤層の圧縮永久ひずみは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本願明細書において、「圧縮永久ひずみ」は、例えば、以下の方法で求めた値である。直径27mm、厚さ20mmの円筒状に賦形したサンプルを用意し、このサンプルを50%(10mm)の厚さまで圧縮した状態で、高温(約80℃)下で所定時間放置する。その後、圧縮を開放して、サンプルの厚さ方向の寸法を測定する。サンプルの厚さ方向の寸法の変化率を圧縮永久ひずみとして求めることができる。
また、本実施形態においては、第1、第2、第3粘着剤層により、床材2、壁材4、フレーム6、天井材8等の建材が、水密、且つ再粘着可能に粘着される。ここで、「再粘着可能」とは、例えば、第1粘着剤層16を備えた床材2と壁材4を、第1粘着剤層16を介して一旦接合させた後、床材2から壁材4を剥がしたとき、第1粘着剤層16が破壊されることなく床材2(粘着剤を最初に塗布した側の建材)の側に残ると共に、床材2に残った第1粘着剤層16が、なお粘着性を保持していることを意味する。このため、床材2と壁材4を第1粘着剤層16により接合させた後、壁材4の位置を調整するために壁材4を床材2から剥がしても、再び壁材4を床材2に粘着させ、接合させることができる。
このように、第1粘着剤層16により「再粘着可能」に床材2と壁材4を接合するには、第1粘着剤層16と床材2の間の粘着力が、第1粘着剤層16と壁材4の間の粘着力よりも強い必要がある。さらに、第1粘着剤層16自体の引っ張り強度が、これらの粘着力よりも強いことが必要となる。これらの条件を満たすことにより、第1粘着剤層16により接合された床材2と壁材4を剥がしたとき、粘着されている第1粘着剤層16と壁材4の間の界面が剥離し、第1粘着剤層16が破壊されずに床材2に残り、再粘着が可能となる。一方、一般的なバスルームのシールに使用されるシリコーンコーキング剤で接着された建材同士を剥がした場合には、通常、建材とコーキング剤の間は剥離せず、シリコーンコーキング剤の層が破壊されてしまう。
本実施形態においては、水密粘着層形成工程において、加熱して液状化された粘着剤を床材2に塗布している。このため、第1粘着剤層16と床材2の間の粘着力が、硬化工程を経て常温まで温度低下した後で粘着された第1粘着剤層16と壁材4の間の粘着力よりも強くなる。
同様に、床材2とフレーム6を、第2粘着剤層22を介して接合させた場合には、これらを剥がしたとき、第1粘着剤層16は床材2の側に残り、再粘着可能となる。また、第2粘着剤層22は、液状化された粘着剤をフレーム6に塗布することにより形成されている。このため、壁材4とフレーム6を、第2粘着剤層22を介して接合させた場合には、これらを剥がしたとき、第2粘着剤層22はフレーム6の側に残り、再粘着可能となる。
さらに、第3粘着剤層26は、液状化された粘着剤を天井材8に塗布することにより形成されている。このため、壁材4と天井材8を、第3粘着剤層26を介して接合させた場合には、これらを剥がしたとき、第3粘着剤層26は天井材8の側に残り、再粘着可能となる。
また、フレーム6と天井材8を、第2粘着剤層22を介して接合させた場合にも、これらを剥がしたとき、第3粘着剤層26は天井材8の側に残り、再粘着可能となる。
本実施形態において、第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、及び第3粘着剤層26は、例えば、アイカ工業株式会社製の弾性ホットメルトにより構成されている。弾性ホットメルトを粘着剤として利用することで、製造工場にて弾性ホットメルトを加熱して液状化して塗布し、その後冷却して形状形成させたのち、現場にて施工者が各部材同士を粘着剤層により接続できる。すなわち、現場や現場への輸送中に、粘着剤が形状変化してしまうことを抑制しつつも、現場にて各建材同士を粘着剤層により接続できるようになる。これにより、現場にて容易に水密性を確保できるとともに、施工性を向上させることができる。
また、第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、及び第3粘着剤層26は、粘着性及び弾性を有するゲル(ゲル状物質)で構成することもできる。第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、及び第3粘着剤層26の組成は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態においては、水添パラフィン系プロセスオイル、高分子量スチレン系ブロックコポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂、又は変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含むホットメルト組成物に、粘着付与樹脂、及び酸化防止剤を加えたものが粘着剤として使用されている。この粘着剤を加熱して液状化された状態で建材に連続した線状に塗布することにより、第1、第2、第3粘着剤層が形成される。
粘着付与樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン及び水添ロジン樹脂、石油樹脂及び水添石油樹脂等を使用することができる。また、酸化防止剤としては、銅系酸化防止剤、銅塩系酸化防止剤、ハロゲン化銅系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ヒンダートアミン系酸化防止剤、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、芳香族アミン、キレート化剤からなる金属不活性化剤等から選ばれたものを使用することができる。さらに、粘着付与樹脂は、ホットメルト組成物100重量部中に2.5~30重量部程度加えるのが良く、粘着付与樹脂の含有量を調整することにより、各粘着剤層の粘着力を調整することができる。
次に、図8のステップS4においては、水密粘着層保護工程として、ステップS3の水密粘着層形成工程において形成された粘着剤層を覆うカバーである養生テープ30が、建材に取り付けられる。即ち、図10の(C)欄に示すように、液状化した粘着剤が塗布された床材2の溝部18を覆うように、養生テープ30が貼り付けられる。これにより、溝部18に形成された第1粘着剤層16の表面に埃等が付着し、第1粘着剤層16の粘着力が低下してしまうのを防止することができる。また、養生テープ30を貼り付けることにより、搬送中等に誤って第1粘着剤層16に触れてしまい、第1粘着剤層16が損傷されるのを防止することができる。同様に、フレーム6に形成された第2粘着剤層22を覆うようにフレーム6に養生テープ30が貼り付けられ、天井材8に形成された第3粘着剤層26を覆うように天井材8に養生テープ30が貼り付けられる。
なお、本実施形態においては、ステップS3の硬化工程の後で水密粘着層保護工程が行われているが、水密粘着層保護工程は、硬化工程の前(即ち、粘着剤の温度が常温まで低下する前)、又は硬化工程と並行して実行されても良い。さらに、水密粘着層保護工程は、水密粘着層形成工程よりも後、ステップS5の組み立て工程よりも前であれば、何時実行されても良い。或いは、水密粘着層保護工程を省略することもできる。また、本実施形態においては、粘着剤層を覆うカバーとして養生テープ30が使用されているが、粘着剤層を覆うことができる任意の部材をカバーとして使用することができる。
次に、ステップS5においては、組み立て工程として、粘着剤層が接合部に形成された建材と、他の建材の接合部と、を水密、且つ再粘着可能に粘着させることにより、建材同士を接合して、水回り設備用ユニットルーム1が組み立てられる。即ち、まず、床材2とフレーム6が第2粘着剤層22を介して粘着されることにより、接合される。なお、床材2とフレーム6を接合する前に、図10の(D)欄に示すように、ステップS4の水密粘着層保護工程において貼り付けられた養生テープ30を剥がし、第1粘着剤層16を露出させておく。次いで、フレーム6と壁材4が第2粘着剤層22を介して粘着されると共に、床材2と壁材4が第1粘着剤層16を介して粘着されることにより、接合される。最後に、天井材8と壁材4、天井材8とフレーム6が、第2粘着剤層22を介して夫々粘着されることにより接合され、水回り設備用ユニットルーム1の製造が完了する。
次に、図11乃至図23を参照して、組み立て工程を詳細に説明する。
図11及び図12は、水回り設備用ユニットルーム1の組み立て手順を説明するための斜視図である。図13は、水回り設備用ユニットルーム1の組み立てにおいて、床材2とフレーム6との接続部分を拡大して示す断面図である。図14は、図13のXIV-XIV線に沿って破断した状態を示す斜視図である。図15及び図16は、水回り設備用ユニットルーム1の組み立て手順を説明するための斜視図である。図17は、水回り設備用ユニットルーム1の床材2と壁材4との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。図18は、床材2に一旦粘着させた壁材4を再粘着させる際の第1粘着剤層16の挙動を模式的に示す断面図である。図19及び図20は、水回り設備用ユニットルーム1の壁材4とフレーム6との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。図21は、水回り設備用ユニットルーム1の組み立て手順を説明するための斜視図である。図22は、水回り設備用ユニットルーム1のフレーム6と天井材8との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。図23は、水回り設備用ユニットルーム1の壁材4と天井材8との接続部分を模式的に表す拡大断面図である。
まず、図11に示すように、浴室設置面上に高さ調節可能な構造を有する支持脚12を介して、床材2を設置する。床材2は、床材本体14と、床材本体14の外周縁に設けられた第1粘着剤層16と、を有する。なお、床材2の第1粘着剤層16を保護している養生テープ30は、第1粘着剤層16と他の建材を粘着させる際に取り除く。また、浴室設置面上に支持脚12を介して、浴槽10を設置する。なお、この例では、浴槽10の外周縁10aにも第1粘着剤層16が設けられている。さらに、浴槽10と床材2との境界に、バスエプロン10bが取り付けられる。
次に、図12に示すように、床材2の周端部及び浴槽10の外周縁10aの上に、フレーム6、36を取り付ける。各フレーム6、36は、フレーム本体20と、フレーム本体20の側面に設けられた第2粘着剤層22と、を有する。フレーム6、36が取り付けられると、フレーム6、36に夫々設けられた第2粘着剤層22の下端部と、床材2に設けられた第1粘着剤層16が粘着される。
図13及び図14に示すように、まず、床材2の上の所定の位置にフレーム6を配置すると、フレーム6に設けられた第2粘着剤層22の下端部が、床材2の第1粘着剤層16と接触し、第2粘着剤層22と第1粘着剤層16が粘着される。同様に、床材2の角部にフレーム36を配置すると、フレーム36に設けられた第2粘着剤層22の下端部が、床材2の第1粘着剤層16と接触し、第2粘着剤層22と第1粘着剤層16が粘着される。これら第1粘着剤層16及び第2粘着剤層22により、床材本体14とフレーム本体20との間の隙間が塞がれ、水密される。即ち、床材2に設けられた第1粘着剤層16とフレーム6、36に設けられた第2粘着剤層22が交差する部分では、これらの粘着剤層が互いに自己融着するため、それらの間の水密性が自動的に確保される。これに対して、第1粘着剤層、第2粘着剤層の代わりにパッキンが使用されていた場合には、パッキン同士の交差部において水密性が確保できないため、シリコーンコーキングの塗布が必要となる。このように、本実施形態の水回り設備用ユニットルーム1の製造方法においては、組み立て現場でのシリコーンコーキング等の塗布を省略することが可能になる。
次に、図15に示すように、床材2の上、浴槽10の上、及び、フレーム6に壁材4を取り付ける。このとき、床材2に設けられた第1粘着剤層16を壁材4の下端部に粘着させるとともに、フレーム6に設けられた第2粘着剤層22を壁材4の側端部に粘着させる。この際、図16に示すように、壁材4の下端部を床材本体14の外周縁に設けられた溝部18にはめ込む。これにより、溝部18に設けられた第1粘着剤層16は、壁材4の下端部に粘着する。
また、図16に示すように、壁材4の側端部をフレーム6の第1ジョイナ20aに嵌め込むことで、壁材4をフレーム6に接続する。同様に、壁材4の側端部をフレーム36の第1ジョイナ36a(図16には図示せず)に嵌め込むことで、壁材4をフレーム36に接続する。これにより、フレーム6の第2ジョイナ20b、フレーム36の第2ジョイナ36bに夫々設けられた第2粘着剤層22は、壁材4の側端部に粘着する。
即ち、図17に示すように、床材2の溝部18の上に壁材4を配置すると、床材2に設けられた第1粘着剤層16が、壁材4の下端部と接触する。これにより、第1粘着剤層16の上面が、壁材4の荷重によって壁材4の下端面に沿うように弾性変形され、第1粘着剤層16と壁材4がぴったりと粘着される。この第1粘着剤層16により、床材本体14と壁材4との間の隙間は塞がれ、水密される。
また、壁材4を床材2に粘着させた後、壁材4の位置を修正するために、一旦粘着された第1粘着剤層16と壁材4を剥離させ、再粘着させることができる。図18は、この際の第1粘着剤層16の挙動を模式的に示す図である。まず、図18の(A)欄に示すように、壁材4を床材2の溝部18の上に配置すると、(B)欄に示すように、第1粘着剤層16が弾性変形され、壁材4の下端面と第1粘着剤層16が隙間なく粘着される。この際、第1粘着剤層16は弾性変形により厚さが変化するため、床材2や壁材4に歪みがある場合でも、それらの間の隙間が埋められる。次いで、壁材4の位置を修正するために、壁材4を床材2から引き上げると、図18の(C)欄に示すように、第1粘着剤層16は壁材4に粘着したまま引き延ばされる。このように、床材2と壁材4は第1粘着剤層16を介して粘着されているため、荷重が作用して床材2が撓んだ場合にも、床材2と壁材4の間に隙間ができることはなく、水密性が維持される。これに対し、粘着剤層の代わりに、仮に、パッキンが使用されていたとすれば、床材の撓みによりパッキンの潰し代がなくなると、パッキンと壁材の間に隙間ができ、水密性が損なわれるおそれがある。
壁材4を更に引き上げると、図18の(D)欄に示すように、壁材4と第1粘着剤層16の間の界面が剥離し、第1粘着剤層16は、その形状復元性により、壁材4と粘着させる前の形態にほぼ復元される。上述したように、第1粘着剤層16と床材2の間の粘着力は、第1粘着剤層16と壁材4の間の粘着力よりも強くされている。このため、壁材4を引き上げた際、第1粘着剤層16と壁材4の界面が剥離し、第1粘着剤層16は床材2の側に残る。また、第1粘着剤層16自体の破断強度は、第1粘着剤層16と壁材4の粘着力、及び第1粘着剤層16と床材2の粘着力よりも大きくされている。このため、図18の(C)欄のように、第1粘着剤層16が引き延ばされた際に、第1粘着剤層16自体が破断されてしまうことはない。また、第1粘着剤層16は、壁材4を引き剥がした後も、なお粘着性を保持しているため、壁材4を再粘着させることができる。
このように、本実施形態においては、床材2と壁材4を粘着させる第1粘着剤層16が床材2の側に形成されており、第1粘着剤層を壁材の側に形成した場合よりも組み立ての作業性を良好にしている。即ち、第1粘着剤層を壁材の下端部に形成したとすれば、組み立て時において、壁材の第1粘着剤層を、床材の意図しない位置に誤って粘着させてしまいやすく、壁材の取り扱いが困難となる。また、一旦粘着させた後、壁材を床材から剥がしたとき、壁材の側に第1粘着剤層が残っていると、壁材の取り扱いが困難となる。さらに、床材2に粘着させた複数の壁材4のうちの1枚を床材2から剥がす際には、第1粘着剤層16が、剥がそうとする壁材4に隣接する壁材4によって抑えられている。このため、第1粘着剤層16が床材2から剥がれてしまうリスクを一層軽減することができる。
また、壁材4を床材2の上に配置した際、壁材4の側縁は、第2粘着剤層22を介してフレーム6、フレーム36と夫々粘着され、接合される。即ち、床材2の1つの辺の上に並べて配置された2つの壁材4は、それらの間に設けられたフレーム6を介して接続される。また、床材2の角部を挟んで隣接して配置された2つの壁材4は、それらの間に設けられたフレーム36を介して接続される。
このように、本実施形態においては、フレーム6、36と壁材4を粘着させる第2粘着剤層22がフレーム6、36の側に形成されており、第2粘着剤層をフレームの側に形成した場合よりも組み立ての作業性を良好にしている。即ち、フレームは細長い柱状の部材であり、大きなパネル状の部材である壁材4よりも取り扱いがしやすい。このため、フレーム6、36に第2粘着剤層22が形成されていても、作業性が著しく悪化することはない。一方、壁材の側に第2粘着剤層が形成されていたとすれば、壁材の取り扱いが難しくなる。
図19は、並べて配置された2つの壁材4が、フレーム6を介して接続されている状態を示す断面図である。図19に示すように、壁材4は、母材32と、母材32に対して水回り設備用ユニットルーム1の内側に設けられた鋼板34と、を有する。母材32は、石膏ボードなどで形成されており、鋼板34は、補強のために母材32の水回り設備用ユニットルーム1の内側の表面に貼り付けられている。また、鋼板34の端部は左右の両側で母材32から突出し、裏側への折り返し部分34aが設けられている。隣接して配置された2つの壁材4は、折り返し部分34a同士が突き合わせられ、これらの折り返し部分34aがフレーム6の内側に受け入れられている。
即ち、2つの壁材4の各折り返し部分34aは、フレーム6の第1ジョイナ20aを押し広げるようにして、第1ジョイナ20aの中に嵌め込まれる。嵌め込まれた各折り返し部分34aの先端は、第1ジョイナ20aの内側に配置された第2ジョイナ20bと対向し、第2ジョイナ20bの内側に設けられた第2粘着剤層22に接触する。これにより、第2粘着剤層22が弾性変形されて、各折り返し部分34aの先端と、第2粘着剤層22は隙間なく粘着され、各壁材4と第2粘着剤層22が水密的に接合される。即ち、突き合わせられた2つの壁材4の間に水が浸入したとしても、その水は、各折り返し部分34aの先端と第2粘着剤層22との水密的な接合により食い止められ、水回り設備用ユニットルーム1の外側に水が漏れることはない。なお、フレーム6に取り付けられた2つの壁材4は、第2粘着剤層22と粘着されている他、各折り返し部分34aが第1ジョイナ20aの内側に嵌め込まれることによっても固定されており、壁材4の脱落が防止される。
図20は、水回り設備用ユニットルーム1の角部を挟んで隣接して配置された2つの壁材4が、フレーム36を介して接続されている状態を示す断面図である。上記のように、壁材4は、母材32と、母材32に貼り付けられた鋼板34と、を有し、鋼板34の端部には折り返し部分34aが設けられている。この折り返し部分34aの形状は、壁材4同士が一直線に並べて接合される図19に示したものと同一である。一方、水回り設備用ユニットルーム1の角部に配置されるフレームは、図19に示したものとは形状の異なるコーナー用のフレーム36である。
このコーナー用のフレーム36も、第1ジョイナ36aと、この第1ジョイナ36aの内側に設けられた第2ジョイナ20bから構成され、第2ジョイナ36bの内側には水密粘着層である第2粘着剤層22が粘着されている。第2ジョイナ36bは、水回り設備用ユニットルーム1の角部に対向するように向けられており、その内側に、角部に対向するように第2粘着剤層22が設けられている。
各壁材4の折り返し部分34aは、第1ジョイナ36aの中に嵌め込まれ、嵌め込まれた折り返し部分34aが第2粘着剤層22と接触して粘着され、各壁材4と第2粘着剤層22との間で水密性が確保されている。なお、コーナー用のフレーム36においては、折り返し部分34aの、鋼板34の表面に対して直角に折り曲げられた面が第2粘着剤層22と当接し、この面と第2粘着剤層22の間で水密性が確保される。
次に、図21に示すように、各フレーム6、36の上、及び、各壁材4の上に、天井材8を取り付ける。天井材8は、天井材本体24と、天井材本体24の外周縁に設けられた第3粘着剤層26と、を有する。天井材8を取り付ける際、フレーム6、36に設けられた第2粘着剤層22の上端部を天井材8に設けられた第3粘着剤層26に粘着させるとともに、第3粘着剤層26を壁材4の上端部に粘着させる。第2粘着剤層22及び第3粘着剤層26により、天井材本体24とフレーム本体20との間の隙間は、塞がれ、水密される。また、第3粘着剤層26により、天井材本体24と壁材4の上端部との間の隙間は、塞がれ、水密される。
即ち、図22に示すように、フレーム6の上に天井材8を取り付けた状態においては、フレーム6の上端部が、天井材本体24に取り付けられた接続部材28の第2受け部28bに受け入れられる。この状態では、フレーム6に設けられた第2粘着剤層22の上端部が、天井材8に設けられた第3粘着剤層26に粘着する。第2粘着剤層22及び第3粘着剤層26により、天井材本体24とフレーム本体20との間の隙間は、塞がれ、水密される。このとき、フレーム本体20の少なくとも一部が、天井材8に当接していてもよい。
また、図23に示すように、壁材4と天井材8の接合部においては、天井材8に設けられた第3粘着剤層26は、壁材4の上端部に粘着する。即ち、壁材4の上に天井材8を取り付けた状態においては、壁材4の上端部が、天井材本体24に取り付けられた接続部材28の第2受け部28bに受け入れられる。第3粘着剤層26により、天井材8と壁材4の上端との間の隙間は、塞がれ、水密される。
このように、天井材8を取り付けることにより、水回り設備用ユニットルーム1の組み立てが完了する。
上述した本発明の一実施形態の水回り設備用ユニットルーム1によれば、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)が水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を介して一旦粘着された後、常温下で第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)の粘着を剥がしたとき、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)の全体が破断されずに第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)及び第2の建材(壁材4)の双方から剥離可能である。
これにより、例えば、水回り設備用ユニットルーム1のリフォームを行う場合においても、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)を水密に接合するためにシリコーン接着剤やパッキン等を建材の接合部に接着した従来の形態に比べて、常温下で第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)から水密粘着層全体を破断させることなく、容易に剥がすことができる。
また、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を剥がした状態の第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)の接合部については、粘着面に残さずにきれいに剥がすことができる。
よって、水回り設備用ユニットルーム1をリフォームする際に、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を剥がした状態の第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)や第2の建材(壁材4)について再利用することができる。
また、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)や第2の建材(壁材4)について、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を剥がした状態にするだけで、大きなコストをかけることなく容易に再使用したり、リサイクル可能にしたりすることができる。
これらの結果、資源保護やCO2の削減等に対する社会的要請に応えることができる水回り設備用ユニットルーム1を提供することができる。
また、本実施形態の水回り設備用ユニットルーム1によれば、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)の接合部に対して水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)が形成される際に、高温で加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布された状態で粘着させる一方、その後、第2の建材(壁材4)の接合部に対して水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)が形成される際には、高温で加熱して液状化された状態から常温まで温度低下して固化された状態の粘着剤を粘着させる。
これにより、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)の接合部の粘着力を大きく、第2の建材(壁材4)の接合部の粘着力を小さくして、互いの粘着力に対して強弱をつけることができるため、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)のそれぞれに対する水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)の剥がれ易さに差をつけることができる。
したがって、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)が水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を介して一旦粘着された後、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)の粘着を剥がしたとき、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)は破断されずに第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)の側に残ることができる。
これにより、例えば、水回り設備用ユニットルーム1を解体するために、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)と第2の建材(壁材4)の粘着を剥がしたときに、水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)は、第2の建材(壁材4)に引っ張られて第2の建材(壁材4)と共に外れることが抑制され、第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)に残るようになる。
よって、解体時には、まず、第2の建材(壁材4)を外し、その後に第1の建材(床材2、フレーム6、天井材8)から水密粘着層(第1粘着剤層16、第2粘着剤層22、第3粘着剤層26)を剥離させればよいため、解体作業が煩雑になり難く、作業も容易となる。
さらに、本実施形態の水回り設備用ユニットルーム1によれば、第1粘着剤層16が床材2の接合部(溝部18)における角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して粘着剤を塗布することにより、第1粘着剤層16を床材2の溝部18の角部で屈曲させて辺方向に連続して形成することができる。
これにより、床材2の溝部18と第1粘着剤層16との粘着部分が途切れることがなく、床材2の溝部18に対する第1粘着剤層16の連続した水密性を確保することができる。
特に、壁材4を床材2の溝部18に第1粘着剤層16を介して接合させた際には、床材2の角部における水密性についても十分に確保することができる。
また、本実施形態の水回り設備用ユニットルーム1によれば、床材2の接合部には、溝部18が形成されており、例えば、生産工場において、床材2の接合部に対して、加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布して第1粘着剤層16を形成する際、加熱して液状化された粘着剤が、床材2の接合部である溝部18から突出しないように溝部18の中に塗布されるため、塗布された粘着剤が、床材2の搬送時等に破損することを抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態による水回り設備用ユニットルーム1を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、床材と壁材の間、フレームと壁材の間、天井材と壁材の間の接合部が全て水密粘着層を使用して水密に接合されていたが、これらの接合部のうちの一部のみに水密粘着層によるシールを適用することもできる。さらに、水密粘着層により水密性を確保した接合部に、シリコーン等によるコーキングを併用することもできる。
また、上述した実施形態においては、本発明が、水回り設備用ユニットルームであるユニットバスの製造に適用されていたが、変形例として、本発明の水回り設備用ユニットルームを、図24に示すように、シャワールームに適用することもできる。
図24は、本発明の第2実施形態による水回り設備用ユニットルームであるシャワールームを模式的に表す斜視図である。
図24に示すように、本発明の第2実施形態による水回り設備用ユニットルーム100は、シャワールーム100に適用されている。このシャワールーム100は、床材102と、壁材104と、この壁材104を接続するフレーム106と、天井材108から構成されている。また、シャワールーム100の1つの側面には、ドア104aが設けられており、シャワールーム100への出入りを可能としている。本変形例においても、床材102、フレーム106、及び天井材108が第1の建材として機能し、壁材104が第2の建材として機能している。
床材102は、概ね長方形のパネル状の部材であり、その外周縁の全周に、水密粘着層である第1粘着剤層116が、一続きで形成されている。また、床材102の4つの角部にはフレーム106が設けられ、各フレーム106には、水密粘着層である第2粘着剤層122が形成されている。さらに、床材102の外周縁上にはパネル状の壁材104が配置され、床材102と壁材104は、第1粘着剤層116を介して、水密、且つ再粘着可能に粘着されている。また、これら壁材104の側縁が、夫々、第2粘着剤層122を介してフレーム106と水密、且つ再粘着可能に粘着されている。また、ドア104aのドア枠も、壁材104と同様に、第1粘着剤層116、第2粘着剤層122を介して、床材102及びフレーム106と、夫々、水密、且つ再粘着可能に粘着されている。
さらに、天井材108は、概ね長方形のパネル状の部材であり、その外周縁にも、全周に、水密粘着層である第3粘着剤層126が、一続きで形成されている。天井材108は、各壁材104の上縁、及び各フレーム106の上端に、第3粘着剤層126を介して水密、且つ再粘着可能に粘着されている。
1 水回り設備用ユニットルーム
2 床材(第1の建材)
2a 外周縁
4 壁材(第2の建材)
6 フレーム(第1の建材、フレーム材)
8 天井材(第1の建材)
10 浴槽
10a 外周縁
10b バスエプロン
12 支持脚
14 床材本体
14a 床面
16 第1粘着剤層(水密粘着層)
18 溝部(接合部)
18a 第1内側面
18b 第2内側面
18c 内底面
20 フレーム本体
20a 第1ジョイナ
20b 第2ジョイナ(接合部)
22 第2粘着剤層(水密粘着層)
22a 下端部
24 天井材本体
26 第3粘着剤層(水密粘着層)
28 接続部材
28a 第1受け部
28b 第2受け部(接合部)
30 養生テープ(カバー)
32 母材
34 鋼板
34a 折り返し部分
36 フレーム(第1の建材、フレーム材)
36a 第1ジョイナ
36b 第2ジョイナ
100 シャワールーム
102 床材(第1の建材)
104 壁材(第2の建材)
104a ドア
106 フレーム(第1の建材)
108 天井材(第1の建材)
116 第1粘着剤層(水密粘着層)
122 第2粘着剤層(水密粘着層)
126 第3粘着剤層(水密粘着層)

Claims (4)

  1. 複数の建材を互いに水密に接合して組み立てられる水回り設備用ユニットルームであって、
    互いに接合される接合部が設けられた第1の建材及び第2の建材と、
    上記接合部に、加熱して液状化された粘着剤を連続して線状に塗布して形成された水密粘着層と、を有し、
    上記第1の建材及び上記第2の建材の接合部は、上記水密粘着層の温度が常温まで低下した後、上記水密粘着層を介して互いに水密に接合され、
    上記第1の建材と上記第2の建材が上記水密粘着層を介して一旦粘着された後、常温下で上記第1の建材と上記第2の建材の粘着を剥がしたとき、上記水密粘着層全体は、破断されずに上記第1の建材及び上記第2の建材の双方から剥離可能であることを特徴とする水回り設備用ユニットルーム。
  2. 上記水密粘着層は、上記第1の建材の接合部に対して、高温で加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布された状態で粘着される一方、上記第2の建材の接合部に対して、上記高温で加熱して液状化された状態から常温まで温度低下して固化された状態で粘着され、
    上記第1の建材と上記第2の建材が上記水密粘着層を介して一旦粘着された後、上記第1の建材と上記第2の建材の粘着を剥がしたとき、上記水密粘着層は破断されずに上記第1の建材の側に残るように構成されている請求項1記載の水回り設備用ユニットルーム。
  3. 上記第1の建材は、上記水回り設備用ユニットルームの床面を構成する略矩形の床材であり、この床材の床面には、角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して設けられた接合部が設けられており、
    上記第2の建材は、上記床材の接合部に対して上記水密粘着層を介して接合される壁材であり、
    上記水密粘着層は、上記床材の接合部に対して角部を挟んだ複数の辺に沿って連続して粘着剤を塗布することにより形成されている請求項1又は2に記載の水回り設備用ユニットルーム。
  4. 上記第1の建材の接合部には、溝部が形成されており、上記第1の建材の接合部に、上記加熱して液状化された粘着剤を連続した線状に塗布して上記水密粘着層を形成する際、上記加熱して液状化された粘着剤が、上記溝部から突出しないように上記溝部の中に塗布される請求項3記載の水回り設備用ユニットルーム。
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