JP7420189B2 - 植物ベース発酵乳の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(2)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)、さらに下記(C)を満たす、(1)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10重量%以下
(3)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)、さらに下記(D)を満たす、(1)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
(4)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)及び(C)、さらに下記(D)を満たす、(2)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
(5)上記(A)が1~35重量%である、(1)又は(2)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(6)上記(A)が1~35重量%である、(3)又は(4)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(7)植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加することを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(8)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)、さらに下記(C)を満たす、(7)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10重量%以下
(9)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)、さらに下記(D)を満たす、(7)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
(10)該ランダムエステル交換油脂が(A)及び(B)及び(C)、さらに下記(D)を満たす、(8)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
(11)上記(A)が1~35重量%である、(7)又は(8)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(12)上記(A)が1~35重量%である、(9)又は(10)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(13)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(1)又は(7)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(14)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(2)又は(8)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(15)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(3)又は(9)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(16)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(4)又は(10)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(17)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(5)又は(11)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(18)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(6)又は(12)に記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(19)植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることで得られた植物ベース発酵乳を含有させる、飲食品の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(20)植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加して得られた植物ベース発酵乳を含有させる、飲食品の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(21)飲食品が植物ベースのヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、バター又はマーガリンである、(19)に記載の飲食品の製造方法、
(22)飲食品が植物ベースのヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、バター又はマーガリンである、(20)に記載の飲食品の製造方法、
(23)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上含む植物ベース発酵乳、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(24)(23)に記載の植物ベース発酵乳を含む、飲食品、
(25)飲食品が植物ベースのヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、バター又はマーガリンである、(24)に記載の飲食品、
(26)植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることを特徴とする、植物ベース発酵乳における、異風味を抑制させる方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
(27)植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加することを特徴とする、植物ベース発酵乳における、異風味を抑制させる方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
また、換言すれば、下記の発明を包含するものである。
(31)植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80重量%
(32)植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加することを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80重量%
(33)ランダムエステル交換油がさらに下記(C)を満たす、(31)又は(32)記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10重量%以下
(34)微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、(31)~(33)いずれか記載の植物ベース発酵乳の製造方法、
(35)(31)~(34)いずれか記載の製造方法で得られた、植物ベース発酵乳を含有させる、飲食品の製造方法、
(36)飲食品が植物ベースのヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、バター又はマーガリンである、(35)記載の飲食品の製造方法。
本発明における植物ベース発酵乳とは、植物性原料を基本原料として得られた植物ベース乳(乳濁状の液体)を、乳酸発酵等の微生物による発酵を行って得られるものをいう。製品形態としては、固形状、ペースト状もしくは液状のヨーグルト様又はチーズ様の製品である。ここで、本明細書における「植物ベース」の意味は、動物性原料が全く含まれないことを意味せず、具体的には、動物由来原料が全原料中50重量%未満であることを意味する。より好ましい態様としては動物由来原料が全原料中40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下又は0重量%であり得る。
植物ベース乳(plant-besed milk)の植物原料の種類は限定されないが、大豆、エンドウ、えんどう豆、ソラマメに代表される豆類、アーモンド、へーゼルナッツ、カシューナッツ、クルミ、落花生、ピスタチオなどに代表される種子類、米、オーツ麦に代表される穀物類などが挙げられる。また、これらを適当な割合で混合して使用することも可能である。
また、植物ベース乳の製造方法は特に限定されず、例えば、原材料の粉砕、浸水/溶解、混合/攪拌、ろ過、均質化、殺菌等の工程によって得られるものが挙げられる。原材料の粉砕したペースト状のもの、原材料を粉末化したものを水等に溶かして得られる液体、原料由来の不溶性画分を含むものも、植物ベース乳として使用することができる。また、植物ベース乳として、原料メーカーが提供する、あるいは市販の植物ベース乳を購入し、本発明に用いても良い。また、他の例示として、大豆粉を水に溶かして得られる大豆乳も使用できる。
植物ベース乳中の脂質含量は限定されないが、脂質含量がより高い方が本発明の効果が奏しやすく、植物ベース乳の固形分中3重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。
本発明に用いるランダムエステル交換油脂は、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油脂であることを特徴とするが、好ましくは下記(A)、(B)及び(C)、または下記(A)、(B)及び(D)を満たすランダムエステル交換油脂、さらに好ましくは下記(A)、(B)、(C)、(D)を全て満たすランダムエステル交換油脂が良い。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80 重量%
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10重量%以下
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
植物ベース乳への上記ランダムエステル交換油添加量は、植物ベース乳由来の脂質あたり30重量部以上であり、好ましくは50~200重量部、より好ましくは50~180重量部、更に好ましくは50~150重量部である。これにより、効果的に発酵により生じる劣化臭を抑制することができる。
ここで、植物ベース発酵乳に含まれる油脂は必ずしも上記ランダムエステル交換油のみである必要はなく、上記ランダムエステル交換油を少なくとも植物ベース乳由来の脂質あたり30重量部以上含まれていれば他の油脂を併用してもよい。
■資化性糖類
本発明の発酵原料として、少なくとも植物ベース乳を含み、乳酸菌や酵母等の微生物の栄養源としての資化性糖類を添加することは必須ではないが、発酵が進みにくい場合は添加するのが好ましい。例えばグルコース、フラクトース、ショ糖、マルトース、ガラクトース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖等を用いることができる。これら糖原料は単独でも良いし、2種類以上を組み合わせてもよい。資化性糖類を添加するときの配合量は、0.1~5重量%が適当であり、0.5~3重量%が好ましい。
■他の発酵原料
本発明の発酵原料としては、その他必要により澱粉、増粘多糖類、ゲル化剤、乳化剤、香料、酸味料、酸化防止剤、キレート剤等を適宜添加することができる。
本発明の発酵に使用する微生物としては、一般的に発酵食品の製造に利用されている微生物であれば特に限定されることはなく、例えば乳酸菌、ビフィズス菌、酵母、麹菌、納豆菌、テンペ菌などを単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。ある態様では、乳酸菌を用いることが好ましい。またある態様では乳酸菌と酵母を用いることが好ましい。
本発明において、乳酸発酵に用いられる乳酸菌(ビフィズス菌も含む。)は、特に限定されず、通常のヨーグルトや乳酸菌飲料やチーズ等の発酵乳製品に使用されるものなら特に限定されない。
乳酸菌の種類としては、例えばラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ブルガリカス等のラクトバチルス属、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス・ビオバー・ジアセチラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス等のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス等のロイコノストック属、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ等のビフィドバクテリウム属等が挙げられる。また、ケフィア菌など、乳酸菌以外の酵母等の微生物が混合されたスターターを用いることも可能である。また、これらの乳酸菌は2種類以上の組み合わせでも任意に使用することができる。
酵母としては、パンの発酵などに使用されるイースト菌(サッカロミセス・セレビシエ)の他、例えばパン種として使用されるサワー種(サンフランシスコサワー種、ライサワー種、パネトーネ種など)、ホップス種、ビール種、酒種、果実種(ブドウ果実種、リンゴ果実種など)由来の酵母を使用することができる。ある態様では、クリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)を用いることができる。
麹菌としては、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・カワチ、アスペルギルス・アワモリ等のアスペルギルス属、モナスカス・アンカ、モナスカス・パーパレウス等のモナスカス属、ノイロスポア属、リゾプス・ジャパニカス等のリゾプス属、ムコール・ルキシー等のムコール属等を限定なく用いることができる。
テンペ菌としては、リゾプス・オリゴスポラス、リゾプス・オリゼー等のリゾプス属を用いることができる。
発酵条件は、用いる微生物が増殖できる条件であれば特に限定されない。
乳酸菌を用いる場合、乳酸発酵の条件は使用する乳酸菌の種類によって適宜変更することができる。乳酸菌の発酵温度は、例えば20~50℃、好ましくは25~45℃で行うことができる。またチーズの場合は10~50℃、好ましくは15~45℃の、やや低温側で発酵させることもできる。発酵時間は例えば4~72時間、好ましくは5~60時間で行うことができる。乳酸発酵は発酵原料のpHが3~6、必要により3~5に低下するまで行うことができ、発酵終了後にアルカリ又は有機酸や無機酸等により適宜目的のpHに微調整することもできる。発酵装置は、乳のヨーグルトやチーズを製造するときに用いるものと同様の装置で行うことができる。
乳酸発酵等の発酵工程の後は、必要により濾過工程、均質化工程や加熱殺菌工程を経て、常法により、固形状、ペースト状又は液状のヨーグルト様の製品に調製することができる。また、常法により、固形状又はペースト状のチーズ様の製品に調製することもできる。
本発明の飲食品の製造方法は、前記本発明の植物ベース発酵乳を原料とすることを特徴とする。上記ランダムエステル交換油を含む植物ベース発酵乳は、不快な劣化臭の発生が抑制されており風味良好なため、各種飲食品の製造原料として利用することができる。
上記の飲食品の形態は特に限定されず、例えば、豆乳等の植物ミルクや清涼飲料等の飲料、プリン、ババロア、ゼリー、ホイップクリーム及びフィリング等の生菓、ヨーグルト、チーズ及び発酵飲料等の発酵食品、団子や饅頭等の和菓子、スナック等の膨化菓子、ビスケット、クッキー、パン類及びケーキ等のベーカリー製品、チョコレート、マーガリン、バター、スプレッドやマヨネーズ等の調味料、ソース、スープ、フライ食品、水産練製品、鳥獣魚肉製品等の製品形態に使用できる。ある態様では、上記の飲食品は植物ベースの原料で構成することが好ましい。
また、上記ランダムエステル交換油を含まない、または植物ベース乳由来の脂質あたり30重量部を満たさない植物ベース発酵乳は上記飲食品の製造に合わせて上記ランダムエステル交換油を少なくとも植物ベース乳由来の脂質あたり30重量部以上まで添加することもできる。
(脂肪酸組成)
日本油化学協会基準油脂分析試験法(1996年版)2.4.1. 2メチルエステル化法(三フッ化ホウ素メタノール法)に規定の方法に準じて測定した。
中鎖脂肪酸結合油脂として、n-オクタン酸(炭素数8)、n-デカン酸(炭素数10)を構成脂肪酸とし、これらの重量比が60:40であるMCT-64(不二製油株式会社製)を使用した。また、原料油脂のヨウ素価(IV)を表1に記載した。
・エステル交換油E1~E7は、下記(A)、(B)を全て満たすランダムエステル交換油脂であった。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
・エステル交換油E1~E3、E5~E7は、さらに下記(C)を満たすランダムエステル交換油脂であった。
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10重量%以下
・エステル交換油E1~E2、E5、E7は、(A)、(B)に加えて(D)を満たすランダムエステル交換油脂であった。
(D)(炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量)/(炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量)の比が1.0~6.0
植物ベース乳として「豆乳クリーム」(不二製油(株)製、全固形分19.0%、蛋白質含量5.6%、脂質含量12.3%)を80部、ブドウ糖1部、水18.9部を混合して99.9部とし、30分間ホモミキサーで調合後、50kg/cm2の均質化圧力で均質化した。これに乳酸菌を0.1部加えて、43℃でpHが4.6に低下するまで乳酸発酵させた。
比較例1の配合をベースとし、発酵原料として表3に記載したランダムエステル交換油を添加して、比較例1と同様の方法で発酵豆乳を調製し、各油脂の添加効果を確認した。更に、油脂の添加量の増減を水の添加量にて調整し、油脂の添加量の効果も確認した。
添加効果は、得られた発酵豆乳を5℃にて1日間および7日間冷蔵保存したタイミングにて、発酵乳の分野に熟練した嗜好パネラー5名に依頼し、官能評価を行うことにより確認した。官能評価の点数は、下記の評価基準に従って、パネラーの合議により1点から5点を付け、4以上を合格とした。
(発酵由来の不快味の評価基準)
5点:不快味を感じない。
4点:不快味を殆ど感じない。
3点:不快味を少し感じる。
2点:不快味をより感じる。
1点:不快味を最も感じる。
(原料由来の不快味の評価基準)
5点:不快味を感じない。
4点:不快味を殆ど感じない。
3点:不快味を少し感じる。
2点:不快味をより感じる。
1点:不快味を最も感じる。
表4、表5の結果より、特定の脂肪酸組成に調製したランダムエステル交換油を少なくとも植物ベース乳由来の脂質あたり30重量部以上添加することで、全て発酵時と発酵後の保管中における風味劣化を抑制する効果があった。
(オーツミルクの製造方法)
ロールドオーツ1部に温水(70℃)7部を加え「コミトロール」プロセッサー(URSCHEL社製)を用いて湿式粉砕した。粉砕後、α-アミラーゼを0.1部加え、30分間酵素処理し、連続遠心分離機に供給し、3000×g,3分で遠心分離を行い、オーツミルクとおからに分離した。オーツミルクは蛋白質含量0.6%、脂質含量0.8%であった。
表6の結果より、特定の脂肪酸組成に調製したランダムエステル交換油を特定量添加することで、他の植物ベース乳の発酵原料に対しても、発酵時と発酵後の保管中における風味劣化を抑制することができる方法であると判断した。
実施例1と比較例1の配合をベースとし、乳酸菌の代わりに酵母としてサッカロマイシス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)とクリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)を加え、25℃、72時間、好気発酵(振とう培養)を行った。発酵終了後、80℃で2分間殺菌し、酵母発酵豆乳を得た。添加効果に関して、表4、5と同様に評価した。
表7の結果より、微生物として酵母を用い、好気発酵を行った場合でも、特定の脂肪酸組成に調製したランダムエステル交換油を特定量添加することで、発酵時と発酵後の保管中における植物ベース発酵乳の風味劣化を抑制することができた。
比較例1に対し、表8に則りランダムエステル交換油を添加し、植物ベース発酵乳へのランダムエステル交換油の添加効果を確認した。添加効果に関して、表4、5と同様に評価した。
パーム分別油脂(上昇融点26℃)20部、ラウリン系油脂(パーム核油/上昇融点28℃)9部に乳化剤0.4部を添加混合溶解し油相を調製した。
水25.7部、無調整豆乳40部に、ホモミキサーにより攪拌しながら、実施例1にて得られた植物ベース発酵乳(液温40℃)5部を添加混合溶解し水相を調製した。
調製した油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、45kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、植物ベースのクリーム類を得た。
得られた起泡性水中油型乳化物1kgをホバードミキサー(HOBART CORPORATION製MODEL N-5)3速(300rpm)にて最高起泡状態に達するまでホイップし、風味を確認した。
得られた起泡状態の植物ベースのクリーム類は、劣化臭を感じず、非常に良好な風味を有するものであった。
比較例1にて得られた植物ベース発酵乳(液温40℃)300部に対し、岩塩を2.4部添加したものを水相とした。該水相をハンドミキサーで撹拌しつつ、ランダムエステル交換油E1を15部と上昇融点が約25℃であるヤシ油435部を40℃に加温して融解させ、これを徐々に加えて、乳化液を調製した。
得られた乳化液を4℃の冷蔵庫にて1晩冷却し、植物ベースのバターを得た。得られた植物ベースのバターは、劣化臭を感じず、非常に良好な風味を有するものであった。
Claims (11)
- 植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~30質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量% - 植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加することを特徴とする、植物ベース発酵乳の製造方法。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~30質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量% - ランダムエステル交換油がさらに下記(C)を満たす、請求項1又は2記載の植物ベース発酵乳の製造方法。
(C)構成脂肪酸組成中、オレイン酸の含有量が10質量%以下 - 微生物が乳酸菌、酵母、麹から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の植物ベース発酵乳の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法で得られた、植物ベース発酵乳を含有させる、飲食品の製造方法。
- 飲食品が植物ベースのヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、バター又はマーガリンである、請求項1又は2に記載の飲食品の製造方法。
- 下記(1)、及び植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上の下記(2)を含み、微生物にて発酵された、植物ベース発酵乳。
(1)植物ベース乳を含む発酵原料
(2)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量% - 下記(1)、及び植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上の下記(2)を含む、植物ベース発酵乳。
(1)植物ベース乳を含む発酵原料が微生物にて発酵された、植物ベース発酵乳
(2)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量% - 請求項7又は8に記載の植物ベース発酵乳を含む、飲食品。
- 植物ベース乳を含む発酵原料に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース乳の脂質含量に対し30重量部以上添加し、微生物にて発酵させることを特徴とする、植物ベース発酵乳における、異風味を抑制させる方法。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量% - 植物ベース乳を含む発酵原料を、微生物にて発酵し、得られた植物ベース発酵乳に、下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油を、植物ベース発酵乳の脂質含量に対し30重量部以上添加することを特徴とする、植物ベース発酵乳における、異風味を抑制させる方法。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40重量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が40~80重量%
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