JP7419312B2 - 冷菓の製造方法、及び冷菓 - Google Patents

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Description

本発明は、冷菓の製造方法、及び冷菓に関する。
冷菓は、長きにわたる人気商品の一つである。中には、冷菓部分にソースを重層させた商品などもあり、市場性の高い商品として非常に注目を集めている。
このような冷菓の製造方法としては、例えば、特許文献1には、「特定の範囲の粘度を有する下層のデザートを高温・液状で容器に充填した後、これを冷却することなく、下層よりも比重が軽く且つ特定の範囲の粘度を有する上層のソースを充填し、次いで冷却・ゲル化すること、を特徴とするソースを上乗せしたデザートの製造方法。」が開示されている。
特開2003-102406号公報
しかし、このような冷菓の製造方法において、ソースをアイス等の冷菓基材に組み合わせる製造過程で、冷菓基材部とソース部を充填後、凍結固化までの間に、冷菓基材部がソース部に滲入してしまうという問題があることが知られていた。
そこで、本技術では、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できる冷菓の製造方法を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、冷菓基材に重層される冷菓用ソースの組成や物性に着目することで、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できることに成功し、本技術を完成させるに至った。
本技術では、まず、冷菓基材と冷菓用ソースとからなる冷菓の製造方法であって、以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースを冷菓基材の天面に重層するソース重層工程と、前記工程により、前記冷菓用ソースが重層された前記冷菓基材を凍結させる凍結工程と、を少なくとも有する、冷菓の製造方法(但し、冷菓用ソースにサツマイモファイバーを含む冷菓の製造方法を除く。)を提供する。
(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上15質量%以下含有する、
(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である。
本技術に係る製造方法は、製氷、貯氷及び粉砕の工程を経ることにより、冷菓基材を製造する冷菓基材製造工程を更に有していてよい。
また、本技術では、冷菓基材と以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースとからなり、前記冷菓用ソースが前記冷菓基材の天面に重層された冷菓(但し、冷菓用ソースにサツマイモファイバーを含む冷菓を除く。)を提供する。
(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上15質量%以下含有する、
(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である
技術に係る冷菓は、前記冷菓基材がかき氷であってよい。
本技術によれば、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できる冷菓の製造方法を提供することが可能である。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
冷菓基材部がソース部に滲入した状態(硬化後)を示す図面代用写真である。 本技術に係る冷菓の実施形態の一例を示す模式断面図である。 Aは、ソース部へ滲入していない状態(充填後、40秒経過時)を示す図面代用写真であり、Bは、ソース部へ滲入している状態(充填後、40秒経過時)を示す図面代用写真である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.冷菓の製造方法
本技術に係る製造方法は、冷菓基材と冷菓用ソースとからなる冷菓の製造方法であって、ソース重層工程と、凍結工程と、を少なくとも有する。また、本技術に係る製造方法では、必要に応じて、その他の工程を行うことも可能である。以下、各工程について詳細に説明する。
<ソース重層工程>
ソース重層工程は、以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースを冷菓基材に重層する工程である。
(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、
(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である。
図1は、冷菓基材部がソース部に滲入した状態(硬化後)を示す図面代用写真である。前述のとおり、従来、ソースをアイス等の冷菓基材に組み合わせる製造過程で、冷菓基材部とソース部を充填後、凍結固化までの間に、図1に示すように冷菓基材部がソース部に滲入してしまう現象が見られることが知られていた。
これに対し、本技術に係る製造方法では、上記特性を有する冷菓用ソースを用いることにより、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できる。そのため、本技術に係る製造方法を用いて製造された冷菓は、良好な外観を有する。
また、本技術に係る製造方法を用いることにより、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できるため、ソース重層工程の前に、冷菓基材の表面を液体窒素噴霧により硬化させる必要がない。液体窒素噴霧を行えば、冷菓基材の流動性を抑えることができるため、冷菓基材部によるソース部への滲入はなくなる。しかし、液体窒素の設備があると、設備自体が冷却され、また、霜が付着して衛生面での問題も発生し、製造設備のスペースも余分に必要となってしまう。したがって、本技術に係る製造方法を用いることで、これらの問題をも解消することができる。
さらに、凍結工程の前後で、冷菓基材と冷菓用ソースとを別々の充填機により別々に充填する必要がないため、充填機の台数が減り、スペースやコストの削減にも繋がる。また、凍結工程の前にヒートシール等で直ちに蓋をすることができるため、凍結工程中の異物混入や微生物汚染のリスクも低減することができる。
本工程において、冷菓用ソースは、まず、(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、という特性を有する。固体脂含量とは、液体油のNMRのシグナルの大きさを基準にして求めた、所定温度における固体脂含量の百分率をいい、本技術では、前記所定温度を5℃としている。
植物油脂としては、5℃における固体脂含量が50%以上であれば特に限定されないが、ココアバター、サル脂、ポルネオ脂、コクム脂、シア脂、パーム油中融点別脂(PMF)、パーム油、パーム核油、米油、コーン油、オリーブ油、ペカン油、サンフラワー油、ヤシ油、大豆油、ひまわり油、小麦胚芽油、ニガー油、綿実油、菜種油、又はごま油を硬化し、融点調整させた油脂からなる群より選ばれるいずれか一以上であることが好ましく、パーム油、ヤシ油、ココアバターからなる群より選ばれるいずれか一以上であることがより好ましく、パーム油及び/又はヤシ油が特に好ましい。パーム油及び/又はヤシ油を植物油脂として用いることにより、風味が良好な冷菓用ソースとなる。
5℃における固体脂含量が50%以上の植物油脂の含有量の下限値は、2質量%以上であれば特に限定されない。また、植物油脂の含有量の上限値は、風味の観点から、15質量%以下とすることが好ましい。
また、本工程において、冷菓用ソースは、(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である、という特性も有する。
本技術において、粘度の測定方法は、特に限定されないが、例えば、B型粘度計を用いて、回転数:60rpm、ローターNo.3として測定する。
前記粘度の下限値は、500mPa・s以上であれば特に限定されないが、700mPa・s以上であることが好ましい。
前記粘度の上限値は、特に限定されないが、2000mPa・s以下であることが好ましく、1500mPa・s以下であることがより好ましく、1200mPa・s以下であることが特に好ましい。この範囲内であれば、プレート殺菌機による殺菌適性が良好であるためである。
なお、本技術において、冷菓用ソースのpHは、特に限定されない。また、冷菓用ソースには、本技術の効果を損なわない範囲で、糖類、餡類、甘味料、塩類、増粘剤、乳化剤、溶解水、香料、色素、果汁類、抹茶、コーヒー等が添加されていてもよい。
本技術において、「冷菓基材」としては、乳等省令で規定されているアイスクリーム類、アイスミルク類、ラクトアイス類、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定されている氷菓(例えば、アイスキャンデー、かき氷、みぞれなど)、フローズンヨーグルト等が挙げられる。
アイスクリーム類とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二十六年十二月二十七日厚生省令第五十二号)により、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
一方で、乳固形分3.0%未満のものは、前記アイスクリーム類ではなく、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
フローズンヨーグルトは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により、種類別「発酵乳」に分類され、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう」と定められている。成分規格は、「無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数又は酵母数1000万/ml以上」と規定されている。
冷菓基材として、本技術では、これらの中でも、アイスクリーム類、シャーベット、氷菓が好ましく、氷菓が特に好ましい。また、氷菓としては、かき氷、みぞれが特に好ましい。本技術に係る製造方法では、上記特性を有する冷菓用ソースを用いることにより、氷菓のような水分含量の高いものを冷菓基材に用いたとしても、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入を低減できる。
本技術では、前記冷菓基材と冷菓用ソースとの比重差は、特に限定されないが、0.7以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。比重差が0.7以下であると、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入の問題が生じにくくなるので、本技術に係る製造方法は非常に有効である。特に、冷菓基材がみぞれ(氷菓)である場合は、比重差が0.5以下であることにより、冷菓基材部によるソース部への滲入を効果的に抑制できる。
本技術では、冷菓基材には、他の食品が添加されていてもよく、他の食品としては、例えば、フロート、チョコレート、フルーツソース、抹茶ソース、キャラメル、クッキー、飴、モナカ、ウェハース、カステラ、マカロン、クランチ、餅、小豆、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。なお、前述したフロートは、例えば、乳等省令で規定されているアイスクリーム類、アイスミルク類、ラクトアイス類、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定されている氷菓、フローズンヨーグルト等で構成される。
本技術では、冷菓基材に他の食品を添加する場合、これらの中でも、フロートが好ましい。また、フロートの中でも特に、アイスクリーム類、シャーベットが特に好ましい。
本工程において、冷菓用ソースを冷菓基材に重層する方法は、特に限定されないが、例えば、製造される冷菓の形態がカップタイプである場合、冷菓用ソースをタンクからポンプへ移し、該ポンプから定量的に冷菓用ソースをノズルへ送り、冷菓基材の天面(冷菓基材にフロートを添加している場合は、その周囲)を覆うようにソースを充填する。この際のソースの充填温度は、特に限定されないが、通常10℃以下であり、5℃以下であることが好ましい。
なお、本技術に係る製造方法により製造される冷菓の形態は、カップタイプ、又はスティックタイプ(バータイプ)のものが好ましく、カップタイプのものが特に好ましい。カップタイプの冷菓は、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入が起きやすく、これが外観不良になる原因となる。また、スティックタイプの冷菓は、特に、冷菓基材と冷菓用ソースを一緒にモールドに充填する場合や、冷菓用ソースの充填温度を低く設定できない場合などに、冷菓基材部によるソース部への滲入が起きやすい。したがって、製造される冷菓の形態をこれらのようにした場合において、本技術に係る製造方法は非常に有効である。
カップタイプの形態の場合、本技術に係る冷菓の形態としては、特に、冷菓基材の天面に冷菓用ソースが上かけされている形態が好ましい。このような形態の場合は、特に、前述した外観不良の問題が生じやすく、本技術に係る製造方法は非常に有効であるからである。
<凍結工程>
凍結工程は、前記工程により、前記冷菓用ソースが重層された前記冷菓基材を凍結させる工程である。
凍結の方法は、特に限定されないが、例えば、-25℃以下の硬化トンネルにて、30分放置する。
本技術に係る製造方法により冷菓を製造することで、下記実施例に示すように40秒以上、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入が見られない。そのため、40秒未満の間にソース重層工程から凍結工程に移行すれば、凍結後、完成した製品(冷菓)は、冷菓基材部によるソース部への滲入が見られない状態で硬化されたものとなり、外観が非常に良好となる。
<その他の工程>
本技術に係る製造方法では、必要に応じて、その他の工程を行うことが可能である。以下、その他の工程について詳細に説明する。
[ソース製造工程]
本技術に係る製造方法では、ソース重層工程の前に、冷菓用ソースを製造するソース製造工程を行うことが可能である。
冷菓用ソースの製造方法は、特に限定されないが、例えば、各原料を混合、溶解させて原料混合液を調製し、調製した原料混合液についてろ過を行う。その後、全圧15MPaを標準とした均質圧で、70℃以上で均質化する。次いで、均質化した原料混合液をプレート殺菌機にて、90℃、30秒間殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却する。
本発明の冷菓用ソースの製造において、前記原料混合液の5℃における粘度が2000mPa・s以下である場合、プレート殺菌機による殺菌が可能である。プレート殺菌機を用いることで、熱履歴が少ないソースを提供でき、また、連続処理も可能であるため、処理能力、作業効率も良好となる。
[冷菓基材製造工程]
本技術に係る製造方法では、ソース重層工程の前に、冷菓基材を製造する冷菓基材製造工程を行うことが可能である。
冷菓基材の製造方法は特に限定されないが、例えば、冷菓基材をかき氷やみぞれとする場合は、製氷、貯氷、粉砕の工程を経ることにより、冷菓基材を製造する。また、この冷菓基材には、別途製造したシロップ等が添加されていてもよい。
[冷菓基材充填工程]
本技術に係る製造方法では、基材製造工程の後、ソース重層工程の前に、冷菓基材を充填する冷菓基材充填工程を行うことが可能である。
冷菓基材の充填方法は特に限定されないが、例えば、製造される冷菓をカップタイプとした場合は、ホッパー充填機を使用して、カップに規定量の冷菓基材を充填する。
[他の食品充填工程]
本技術に係る製造方法では、冷菓基材に対して他の食品も添加する場合、冷菓基材充填工程の後、ソース重層工程の前に、他の食品を充填する他の食品充填工程を行うことが可能である。
他の食品の充填方法は特に限定されないが、例えば、他の食品としてフロートを用いる場合、規定量のフロートを任意の大きさとなるように冷菓基材に対して差し込み充填する。
[ヒートシール工程]
本技術に係る製造方法では、製造される冷菓をカップタイプとした場合、ソース重層工程の後、凍結工程の前に、冷菓基材、冷菓用ソース、場合によっては他の食品、が充填されたカップに蓋を載せ、ヒートシールするヒートシール工程を行うことができる。凍結工程の前に、本工程を行うことにより、製造される冷菓に対する異物混入、微生物汚染等を防止できる。
2.冷菓
本技術では、冷菓基材と以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースとからなる冷菓も提供する。
(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、
(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である。
なお、「冷菓基材」や上記特性(1)及び(2)については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
本技術に係る冷菓の形態についても、前述したものと同様であるが、ここではより詳細な実施形態について説明する。
図2は、本技術に係る冷菓の実施形態の一例を示す模式断面図である。本技術に係る冷菓において、他の食品としてフロートを添加する場合、本技術に係る冷菓の形態としては、例えば、図2に示すように、冷菓基材の中央にフロートが充填され、その周囲に冷菓用ソースが充填された形態を採用することができる。
以下、実施例に基づいて本技術をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<<製造例>>
[ソース製造工程]
パーム油、ヤシ油、脱脂粉乳、単糖、二糖類、水あめ(固形分65%)、抹茶、塩、ペクチン、乳化剤、及び溶解水の各原料を、65~72℃にて混合溶解し、除鉄してろ過した後、65~72℃、30分~1.5時間の条件で貯液して原料混合液とした。その後、当該原料混合液に香料を添加し、除鉄してろ過した後、全圧15MPa、70℃以上の条件で均質化した。次いで、均質化した原料混合液をプレート殺菌機にて、90℃、30秒間を標準として殺菌を行った後、10℃以下に冷却した。その後、10℃以下、5時間以上の条件で、エージングし、抹茶ソース(冷菓用ソース)を製造した。
[冷菓基材製造工程]
原料水をろ過して凍結させ、製氷機にて氷を製造した。その後、庫内温度を-10~-12℃とした貯氷庫にて氷を保存した。そして、ドラム式クラッシャーにて氷を粉砕し、別途製造したシロップと混合して除鉄後、オーバーラン値35%となるようにフリージングして、みぞれ(冷菓基材)を製造した。
[冷菓基材充填工程]
樹脂製カップに、ホッパー充填機を使用して、規定量のみぞれ(冷菓基材)を充填した。みぞれの充填温度は、-4.2~-4.8℃を標準とした。
[他の食品充填工程]
バニラフロート(アイスクリーム類;他の食品)を1カップ当たり、天面がφ45mmとなるように、差し込み充填した。なお、バニラフロートの温度は、-4.5~-5.5℃、オーバーラン値は105%を標準とした。
<ソース充填工程>
抹茶ソース(冷菓用ソース)は、タンクからモーノポンプへ移し、モーノポンプから定量的にノズルへ送った。そして、バニラフロートの周囲を覆うように約30gのソースを充填した。ソースの充填温度は、10℃以下(好ましくは、5℃以下)とした。
[ヒートシール工程]
みぞれ、バニラフロート、及び抹茶ソースが充填された樹脂製カップに紙蓋を載せ、ヒートシールした。
<凍結工程>
ヒートシール後、-25℃以下の硬化トンネルにて30分間硬化させ、図2に示す形態(図2においては、紙蓋を省略している。)の冷菓を得た。
<<試験例1>>
様々な組成で冷菓用ソース試料を製造し、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入の程度、冷菓用ソースの粘度等について評価した。
<試験方法>
[ソース部への滲入の程度]
カップに、冷菓基材(かき氷)、フロート(アイスクリーム類)を充填し、フロートの周囲に下記表1に示す組成の各冷菓用ソース(約30g)試料(実施例1、2及び比較例1~4)を充填してソース重層工程を完了させ、凍結工程に移る前に冷菓基材部によるソース部への滲入の程度を評価した。なお、図3のAは、ソース部へ滲入していない状態(充填後、40秒経過時)を示す図面代用写真であり、図3のBは、ソース部へ滲入している状態(充填後、40秒経過時)を示す図面代用写真である。本試験例1では、図3のBに示す状態となったら、冷菓基材部によるソース部への滲入があると判断した。
なお、下記表1において、ソース部への滲入の程度の評価方法は以下のとおりとした。○:40秒以上、冷菓基材部によるソース部への滲入が見られない。
×:40秒未満で冷菓基材部によるソース部への滲入が見られる。
[粘度]
また、下記表1に示す組成の各冷菓用ソース試料の殺菌後の粘度を、B型粘度計(製品名:RB-80L、東機産業株式会社製)を用いて、測定条件は、測定温度:5℃、回転数:60rpmにて、測定した。
<試験結果>
試験結果については、上記表1に併記した。なお、上記表1において、特に単位が記載されていないものについては、全て単位は、「質量%」である。
<考察>
実施例1及び2と比較例1~4とを比較すると、(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、及び(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である、という特性を有する実施例1及び2の冷菓用ソースを用いたことで、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入が低減できることが分かった。
また、比較例2は、融点が-7℃前後の植物油脂であるサラダ油(大豆油、菜種油)を用いており、5℃ではこれらは液体となるため、5℃での固体脂含量が少なく、40秒未満で冷菓基材部によるソース部への滲入が見られるという現象が発生してしまった。一方で、実施例1及び2で用いた植物油脂は、融点がサラダ油と比較して高く、5℃での固体脂含量が50%以上であるため、この現象は発生しなかった。
さらに、本願発明者らは、実施例1と比較例3及び4について、同様の植物油脂(パーム油、ヤシ油)を用いた場合の含有量の違いによる粒度分布についても、別途、確認した。確認の結果、前記植物油脂を2質量%以上含有させることで、脂肪粒子径の幅が広くなり、粒子径が小さいところから大きいところまで幅広く存在することが分かったため、これにより、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入が低減できていると推察された。
なお、製造した各冷菓用ソース試料は、いずれの例においてもとろとろとした食感が得られ、食感が良好であったが、風味評価は、パーム油及びヤシ油を植物油脂として用いた実施例1が最も良好であった。
<<試験例2>>
5℃における固体脂含量が50%以上の植物油脂(パーム油、ヤシ油)の含有量を変更して冷菓用ソース試料(実施例3~5及び比較例5~7)を製造し、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入の程度、冷菓用ソース試料の粘度等についてさらに評価した。
<試験方法>
本試験は、前記試験例1と同様の方法により実施した。
<試験結果>
試験結果については、上記表2に併記した。なお、上記表2において、特に単位が記載されていないものについては、全て単位は「質量%」である。
<考察>
実施例3~5と比較例5~7とを比較すると、やはり、(1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、及び(2)5℃における粘度が500mPa・s以上である、という特性を有する実施例3~5の冷菓用ソース試料を用いたことで、ソース重層工程の後、凍結工程までの間に、冷菓基材部によるソース部への滲入が低減できることが分かった。
なお、製造した各冷菓用ソース試料は、いずれの例においてもとろとろとした食感が得られ、食感が良好であったが、風味評価は、実施例3及び4が特に良好であった。
1:冷菓用ソース
2:冷菓基材
3:他の食品

Claims (4)

  1. 冷菓基材と冷菓用ソースとからなる冷菓の製造方法であって、
    以下の(1)~(3)の特性を有する冷菓用ソースを冷菓基材の天面に重層するソース重層工程と、
    前記工程により、前記冷菓用ソースが重層された前記冷菓基材を凍結させる凍結工程と、を少なくとも有する、冷菓の製造方法(但し、冷菓用ソースにサツマイモファイバーを含む冷菓の製造方法、並びに冷菓基材と冷菓用ソースとからなる冷菓の製造方法であって、以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースを冷菓基材の天面に重層するソース重層工程と、前記工程により、前記冷菓用ソースが重層された前記冷菓基材を凍結させる凍結工程と、を少なくとも有する、冷菓の製造方法((1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、(2)5℃における粘度が500mPa・s以上2000mPa・s以下である。)を除く。):
    (1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上15質量%以下含有する、
    (2)5℃における粘度が500mPa・s以上である、
    (3)前記冷菓基材と前記冷菓用ソースとの比重差が0.5以下である。
  2. 製氷、貯氷及び粉砕の工程を経ることにより、冷菓基材を製造する冷菓基材製造工程を更に有する、請求項1に記載の冷菓の製造方法。
  3. 冷菓基材と以下の(1)~(3)の特性を有する冷菓用ソースとからなり、前記冷菓用ソースが前記冷菓基材の天面に重層された冷菓(但し、冷菓用ソースにサツマイモファイバーを含む冷菓、並びに冷菓基材と以下の(1)及び(2)の特性を有する冷菓用ソースとからなり、前記冷菓用ソースが前記冷菓基材の天面に重層された冷菓((1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上含有する、(2)5℃における粘度が500mPa・s以上2000mPa・s以下である。)を除く。):
    (1)5℃における固体脂含量(SFC)が50%以上の植物油脂を2質量%以上15質量%以下含有する、
    (2)5℃における粘度が500mPa・s以上である、
    (3)前記冷菓基材と前記冷菓用ソースとの比重差が0.5以下である。
  4. 前記冷菓基材がかき氷である、請求項3に記載の冷菓。
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