JP6820899B2 - 冷菓の製造方法及び冷菓 - Google Patents

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Description

本技術は、冷菓の製造方法に関する。より詳しくは、冷菓基材中に、他の素材を有する冷菓の製造方法、及び冷菓に関する。
冷菓に代表される冷凍食品の分野において、食感の異なる食品を組み合わせた複合冷凍食品が知られている。例えば、冷菓部分に各種ソースや各種ジャム、具材等をトッピングした商品など、市場性の高い商品として非常に注目を集めている。
このような複数の材料からなる冷菓の製造方法として、例えば、特許文献1には、容器または型の内部に卵黄原料を含有するアイスクリーム類の層を準備し、当該アイスクリーム類の層の表面を、冷却された押し型を用いて成形した後、当該アイスクリーム類の層の上に可食物を充填することにより、多層充填した際の下層となるアイスクリーム類が充填時には流動性を有し、かつ冷却された押し型を用いて成形した際に、成形された層表面がドライ性を有し、上層との境界面の混合を抑制できる多層冷菓の製造方法が開示されている。
特許文献2には、冷菓ミックスを第1フリーザーから吐出して具材と混合し、得られた具材入り冷菓を第2フリーザーで−8〜−15℃に急速凍結して吐出することにより、具材を多く含む冷菓において、保形性、喫食時の溶けにくさを向上させる技術が開示されている。
特許文献3には、水および甘味料を含有する原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する冷菓の製造方法であって、前記原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、該原料混合物の5℃における粘度が100〜1000mPa・sとなるように含有させることにより、冷菓が温度変化を受けた場合にも、内層冷菓材の外層への漏れを防止できる冷菓の製造方法が開示されている。
特開2018−057287号公報 特開2016−123298号公報 特開2014−198019号公報
複数の素材からなる冷菓を製造する場合、製造過程において、各素材の製造装置への残留が問題になることがある。特に、成形した冷菓を移動用プレートや保存用プレート等のプレート上に並置する工程を有する製造方法においては、プレートから冷菓を剥がす際に、プレート上に各素材が残留しやすい。プレート上に各素材が残留してしまった場合には、冷菓そのものの外観が悪くなるだけでなく、製造ラインを一旦停止して洗浄等の作業が発生する場合もあり、製造効率の低下といった問題も発生する。
そこで、本技術では、複数の素材からなる冷菓の製造方法であって、成形した冷菓をプレート上に並置する工程を有する製造方法において、プレート上への素材の残留を防止し、冷菓の商品価値及び製造効率を向上させる技術を提供することを主目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、複数の素材からなる冷菓の製造方法について、鋭意研究を行った結果、冷菓基材中に入れる素材の固形分濃度(TS)を一定の範囲に保つことで、プレート上への前記素材の残留を防止することができることを見出し、本技術を完成させるに至った。
即ち、本技術では、冷菓基材中に、前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ、固形分濃度(TS)が65%以下である素材からなるスワールを形成するスワール形成工程と、
該スワール形成工程後に、前記冷菓基材中に、前記素材からなるスワールが形成された冷菓を、所望の形状に成形する成形工程と、
成形された前記冷菓をプレート上に並置する並置工程と、
前記プレートから前記冷菓を剥取する剥取工程と、
を行う、冷菓の製造方法を提供する。
本技術に係る製造方法では、前記並置工程において、前記素材で形成されたスワールの一部が、前記冷菓基材の表面に露出した状態とすることができる。
この際、前記冷菓基材の表面に露出した前記スワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有することができる。
成形工程後の前記冷菓は、前記冷菓基材の外周部から前記素材までの距離を10mm以内することができる。
本技術に係る製造方法において、前記剥取工程では、前記プレートを叩打することにより、前記冷菓を前記プレートから剥取することができる。
本技術に係る製造方法では、前記剥取工程の後に、前記冷菓の少なくとも一部の表面を、コーティング用食材で被覆する被覆工程を行うことができる。
本技術では、次に、冷菓基材中に、
前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ、固形分濃度(TS)が65%以下である素材からなるスワールを有し、
前記冷菓基材の表面に露出した前記スワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有する、冷菓を提供する。
本技術に係る冷菓は、少なくとも一部の表面を、コーティング用食材で被覆することができる。
ここで、本技術に関する技術用語の定義付けを行う。
本技術において、「スワール」とは、冷菓表面に露出した前記素材によって渦巻状又はらせん状等に描かれる模様である。本技術のスワールとして、図1に示すような、所謂、渦巻状や、図2に示すような、所謂、らせん状を例示することができるが、必ずしも当該形状に限定されるものではなく、本技術におけるスワールは、図3のI〜VIIに示すような、1種又は2種以上の曲線から成る形状も包含する概念である。
複数の素材からなる冷菓の製造方法であって、成形した冷菓をプレート上に並置する工程を有する製造方法において、プレート上への素材の残留を防止し、冷菓の商品価値及び製造効率を向上させることができる。
本技術における技術用語「スワール」の一例を示す概念図である。 本技術における技術用語「スワール」の図1とは異なる一例を示す概念図である。 本技術における技術用語「スワール」の図1及び図2とは異なる一例を示す概念図である。 本技術に係る冷菓の製造方法のフロー図である。 本技術に係る冷菓の一例を示す概念図である。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において、数値範囲を「下限〜上限」で表現するものに関しては、上限は「以下」であっても「未満」であってもよく、下限は「以上」であっても「超」であってもよい。また、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
1.冷菓の製造方法
図4は、本技術に係る冷菓の製造方法のフロー図である。本技術に係る冷菓の製造方法は、スワール形成工程S4と、成形工程S5と、並置工程S6と、剥取工程S7と、を少なくとも行う方法である。また、必要に応じて、冷菓基材A調製工程S1、素材B調製工程S2、コーティング用食材調製工程S3、被覆工程S8、把持棒挿入工程S9等を行うことも可能である。以下、各工程について、時系列に沿って詳細に説明する。
(1)冷菓基材A調製工程S1
本技術に係る製造方法では、スワール形成工程S4の前に、冷菓基材Aを調製する冷菓基材A調製工程S1を行うことが可能である。冷菓基材A調製工程S1は、本技術に係る製造方法において必須の工程ではなく、本技術では、予め調製された冷菓基材Aや市販の冷菓基材Aを用いることも可能である。
本技術において、冷菓基材Aとしては、乳等省令で規定されているアイスクリーム類、アイスミルク類、ラクトアイス類、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定されている氷菓(例えば、アイスキャンデー、かき氷、みぞれなど)、フローズンヨーグルト等を用いることができる。
アイスクリーム類とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二十六年十二月二十七日厚生省令第五十二号)により、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
一方で、乳固形分3.0%未満のものは、前記アイスクリーム類ではなく、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
フローズンヨーグルトは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により、種類別「発酵乳」に分類され、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう」と定められている。成分規格は、「無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数又は酵母数1000万/ml以上」と規定されている。
冷菓基材Aには、本技術の効果を損なわない限り、他の材料を1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、糖類、植物汁、増粘剤、pH調製剤、卵、植物油脂、安定剤、乳化剤、乳、乳製品、着色料(例えば、色素等)、甘味料、香料、酸味料、及び風味原料等が添加されていてもよい。
冷菓基材Aの調製方法は特に限定されないが、例えば、冷菓基材Aをアイスクリーム類とする場合には、冷菓基材Aの原料を混合し、加熱殺菌して原料ミックスを調製後、水、生乳、牛乳、特別牛乳等を加えて、所望のオーバーランになるように空気を混入させながら、撹拌、凍結等の工程を経ることにより、冷菓基材A(アイスクリーム類)を調製することができる。冷菓基材Aのオーバーランは0%であってもよい。オーバーランの上限値についても特に制限はされないが、好ましくは200%以下であり、より好ましくは180%以下であり、さらに好ましくは150%以下である。
また、例えば、冷菓基材Aをかき氷やみぞれとする場合は、冷菓基材Aの原料を混合し、加熱殺菌して原料ミックスを調製後、水、生乳、牛乳、特別牛乳等を加えて、製氷、貯氷、粉砕の工程を経ることにより、冷菓基材A(かき氷、みぞれ)を調製することができる。
冷菓基材Aの粘度は、5℃において、50〜7,000cpであることが好ましく、100〜5,000cpであることがより好ましく、200〜3,000cpであることがさらに好ましい。当該粘度は、原料ミックスを調製した後にフリージングをする前に測定した粘度であってもよく、フリージング後に温度調整した際に測定した粘度であっても良い。
本技術において、粘度は、B型粘度計を用いて常法により測定することができる。例えば、VISCOMETER RB-80L(東機産業株式会社製)にて、ローター回転数60rpmで測定することができる。
(2)素材B調製工程S2
本技術に係る製造方法では、スワール形成工程S4の前に、素材Bを調製する素材B調製工程S2を行うことが可能である。素材B調製工程S2は、本技術に係る製造方法において必須の工程ではなく、本技術では、予め調製された素材Bや市販の素材Bを用いることも可能である。
素材Bは、冷菓基材Aの凍結点において流動性を有し、かつ、固形分濃度(TS)が65%以下である。本技術において、素材Bは、冷菓基材Aの凍結点において流動性を有するため、冷菓を喫食する際、口の中で冷菓基材よりも早く溶け、冷菓基材Aと素材Bとの異なる食感、風味等を味わうことができる。
素材Bの固形分濃度(TS)は、65%以下であれば本技術の効果を奏することができるが、20%以上65%以下とすることが好ましく、35%以上65%以下とすることがより好ましく、40%以上60%以下とすることが更に好ましい。
本技術において、素材Bとしては、この特性を有する素材であれば特に限定されないが、例えば、各種ソース、ジャム、コンフィチュール、ピューレ、プレザーブ、コーチングチョコレート、及びプレパレーション等を挙げることができる。
素材Bには、本技術の効果を損なわない限り、他の材料を1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、糖類、植物汁、増粘剤、pH調製剤、卵、植物油脂、安定剤、乳化剤、乳、乳製品、着色料(例えば、色素等)、甘味料、香料、酸味料、及び風味原料等が添加されていてもよい。
素材Bに安定剤を添加する場合、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、及びペクチン等を安定剤として使用することができる。
素材Bの粘度は、5℃において、100〜10,000cpであることが好ましく、500〜7000cpであることがより好ましい。
素材Bの調製方法は特に限定されないが、例えば、素材Bの各原料を混合、溶解させて原料混合液を調製し、調製した原料混合液について、必要に応じてろ過、均質化、殺菌等を行った上で、後述するスワール形成工程S4に適した温度になるように、冷却する方法を採用することができる。
(3)コーティング用食材調製工程S3
本技術に係る製造方法では、被覆工程S8の前に、コーティング用食材を調製するコーティング用食材調製工程S3を行うことが可能である。コーティング用食材調製工程S3は、本技術に係る製造方法において必須の工程ではなく、本技術では、予め調製されたコーティング用食材や市販のコーティング用食材を用いることも可能である。
また、コーティング用食材調製工程S3を行う場合、少なくとも、後述する被覆工程S8の前であれば、その順番は限定されず、スワール形成工程S4、成形工程S5、並置工程S6、剥取工程S7、把持棒挿入工程S9のいずれの工程の前後に行ってもよい。
コーティング用食材としては、本技術の効果を損なわない限り、公知の冷菓に用いられているコーティング用食材を1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、チョコレート、キャラメル、フルーツソース、各種クリーム等を挙げることができる。
コーティング用食材の調製方法は特に限定されないが、例えば、コーティング用食材の各原料を混合、溶解させて原料混合液を調製し、調製した原料混合液について、必要に応じてろ過、均質化、殺菌等を行った上で、後述する被覆工程S8に適した温度になるように、冷却又は加熱する方法を採用することができる。
(4)スワール形成工程S4
スワール形成工程S4では、前述した冷菓基材A中に、素材Bからなるスワールを形成する工程である。
スワールを形成する具体的な方法は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の方法を1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。スワールの形成方法の具体例を下記に示す。
[スワール形成例1]
例えば、予め冷菓基材Aが充填された容器に、素材Bを注入するためのノズル等を差し込んで、所望の形状のスワールが形成されるようにノズル等を動かしながら、素材Bを注入することにより、冷菓基材A中に、素材Bからなるスワールを形成することができる。
[スワール形成例2]
例えば、予め冷菓基材Aが充填された容器に、素材Bを所々に注入し、櫛等で軽く混ぜることにより、冷菓基材A中に、素材Bからなるスワールを形成することができる。
[スワール形成例3]
例えば、冷菓基材Aが押し出されるノズル等と、素材Bを注入するためのノズル等を、所望の形状のスワールが形成されるように動かしながら、冷菓基材Aを押出しつつ素材Bを冷菓基材A中に注入することで、冷菓基材A中に、素材Bからなるスワールを形成することができる。
[スワール形成例4]
例えば、冷菓基材Aと素材Bとを積層して積層体を形成し、この積層体を折りたたんだり巻き込んだりすることにより、冷菓基材A中に、素材Bからなるスワールを形成することができる。
(5)成形工程S5
成形工程S5は、スワール形成工程S4後に、前記冷菓基材A中に、前記素材Bからなるスワールが形成された冷菓を、所望の形状に成形する工程である。具体的な成形方法は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の成形方法を1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。成形方法の具体例を下記に示す。
[成形方法例1]
例えば、スワールが形成された冷菓を、所望の形状の型に入れたり、型抜きしたりすることで、冷菓を成形することができる。
[成形方法例2]
例えば、スワールが形成された冷菓を、所望の形状に吐出又は押出すことで、冷菓を形成することができる。
[成形方法例3]
例えば、スワールが形成された冷菓を、所望の形状に押出しながら、所望の厚さになった時点で切断することにより、冷菓を形成することができる。
以上の方法で成形された冷菓は、冷菓基材Aの外周部から素材Bまでの距離が10mm以内とすることが好ましい。このように成形することで、冷菓のいずれの部分から喫食した場合でも、冷菓基材Aと素材Bとを、同時に喫食することができる。
(6)並置工程S6
並置工程S6は、成形された冷菓をプレート上に並置する工程である。冷菓が並置されるプレートは、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、移動するための移動用プレートや、次の工程まで保存するための保存用プレート等が挙げられる。
本技術では、スワールを形成する素材Bとして、前述した特別な性状の素材を用いているため、素材Bで形成されたスワールの一部が、冷菓基材Aの表面に露出した状態であっても、プレート上に素材Bが残留するのを防止することができる。より具体的には、冷菓基材Aの表面に露出した素材Bからなるスワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有している場合であっても、本技術を用いれば、プレート上に素材Bが残留するのを防止することができる。
また、冷菓表面(前記プレートと接触する面)において、冷菓基材Aと素材Bの面積の比率が、1:1〜10:1であっても、本技術を用いれば、プレート上に素材Bが残留するのを防止することができる。
並置工程S3で用いるプレートは、冷却されていることが好ましい。本技術では、スワールを形成する素材Bとして、前述した特別な性状の素材を用いているため、素材Bで形成されたスワールの一部が、冷菓基材Aの表面に露出した状態であっても、プレート上に素材Bが残留するのを防止することができるが、プレートの温度が高いと、冷菓基材Aが溶け出す可能性も考えられる。そこで、予め冷却されているプレートを用いることで、冷菓基材Aの残留や、素材Bの残留を、より確実に防止することができる。
プレートを冷却する場合の具体的な温度は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されないが、−20℃〜−50℃が好ましく、−30℃〜−40℃がより好ましい。
(7)剥取工程S7
剥取工程S7は、プレートから冷菓を剥取する工程である。剥取方法は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の方法を1種又は2種以上を自由に選択して用いることができる。例えば、プレートと冷菓との間にヘラ等を差し込んで剥取する方法、プレートの裏側を所定の角度から叩打することにより剥取する方法、これらを組み合わせた方法等を挙げることができる。
一般的な複合冷菓では、プレートの裏側を叩打することにより衝撃を与えてプレートから冷菓を剥取しようとすると、素材Bがプレート上に残留しやすいが、本技術では、スワールを形成する素材Bとして、前述した特別な性状の素材を用いているため、素材Bで形成されたスワールの一部が、冷菓基材Aの表面に露出した状態であっても、プレート上に素材Bが残留するのを防止することができる。そのため、本技術では、剥取工程S7の方法として、冷菓が並置したプレートを裏側から叩打することにより、冷菓をプレートから剥取する方法を、好適に採用することができる。
叩打には、プレートに適切な衝撃を与えられるように、例えば、プラスチック製のハンマーや棒を使用することができる。
(8)被覆工程S8
被覆工程S8は、剥取工程S7の後に、冷菓の少なくとも一部の表面を、コーティング用食材で被覆する工程である。本技術において、被覆工程S8は必須の工程ではなく、表面を被覆しない冷菓の場合は、行う必要がない。
被覆工程S8で行う具体的な被覆方法は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の被覆方法を1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、ディッピング法、スプレー法、エンロービング法等を挙げることができる。
(9)把持棒挿入工程S9
把持棒挿入工程S9は、冷菓を把持するための把持棒を、冷菓に挿入する工程である。本技術において、把持棒挿入工程S9は必須の工程ではなく、把持棒を備えない冷菓の場合は、行う必要がない。
把持棒挿入工程S9を行う場合、少なくとも、前述した成形工程S5の後であれば、その順番は限定されず、コーティング用食材調製工程S3、並置工程S6、剥取工程S7、被覆工程S8のいずれの工程の前後に行ってもよい。また、並置工程S6や剥取工程S7と同時に行うことも可能である。
2.冷菓
図5は、本技術に係る冷菓の一例を示す概念図である。本技術に係る冷菓は、冷菓基材A中に、冷菓基材Aとは異なる素材Bからなるスワールを有し、冷菓基材Aの表面に露出した前記スワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有することを特徴とする冷菓である。
本技術に係る冷菓のスワールは、前記の特徴を有していれば、その形状は特に限定されない。例えば、図1〜図3に示すような形態のスワールを挙げることができる。
また、本技術に係る冷菓の形態は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、略多角柱状、略球状、略円筒状、略円錐状、略多角錐状、これらを変形した形態、及びこれらを組合せた形態等を挙げることができる。
本技術に係る冷菓は、冷菓基材Aの外周部から素材Bまでの距離が10mm以内とすることが好ましい。このように成形することで、冷菓のいずれの部分から喫食した場合でも、冷菓基材Aと素材Bとを、同時に喫食することができる。
本技術に係る冷菓は、冷菓基材Aと、冷菓基材Aの表面に露出した素材Bの面積の比率が1:1〜10:1であることが好ましく、3:1〜10:1であることがより好ましい。また、冷菓中の冷菓基材Aと素材Bとの容量比は、5:1〜15:1であることが好ましい。
本技術に係る冷菓は、少なくとも一部の表面が、コーティング用食材Cで被覆されていても良い(例えば、図5III参照)。また、本技術に係る冷菓は、例えば、クッキー、ビスケット、クラッカー、餅、最中等の他の食材Dとの複合冷菓とすることも可能である。より具体的には、クッキー、ビスケット、クラッカー等の上に、本技術に係る冷菓をのせたり、クッキー、ビスケット、クラッカー、餅、最中の間や中に、本技術に係る冷菓を挟んだりして、複合冷菓とすることも可能である(例えば、図5I参照)。
なお、冷菓基材A、素材B、及びコーティング用食材の詳細は、前述した冷菓の製造方法で用いる冷菓基材A、素材B、及びコーティング用食材と同一であるため、ここでは説明を割愛する。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<実験方法>
(1)素材Bの調製
素材Bの一例として、植物油脂(不二製油社製)、上白糖(フジ日本精糖社製)、ココアパウダー(Olam Cocoa B.V.社製)、水あめ(日本食品化工社製)、安定剤(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、乳化剤(太陽化学社製)及び所定量の溶解水を混合して均一に溶解した後、加熱殺菌してチョコレートソースを調製した。当該チョコレートソースは、表1に記載の通りの配合で水あめの添加量を調整することで、固形分濃度(TS)を変更した8種を調製した。各ソースの固形分濃度(TS)は、表1に記載の通りである。
(2)素材Bの剥取試験
前記(1)で調製した各チョコレートソースを、−35℃の冷凍庫内において、予め−35℃に冷却(前記冷凍庫内に30分以上静置)したプレート上に、7cm径の円を形成するように、それぞれ14gずつ滴下した。その後、−35℃で30分間冷却後、プレート上のチョコレートソースの触感及び目視により凝固性(固まり具合)を確認し、プレートを真裏からプラスチックハンマーで叩いてプレートからの剥離性を確認した。そして、当該操作によって、プレートからの剥離が不完全であったソース(プレートから全く剥がれないか、一部のみが剥離したソース)については、さらに1時間冷凍保存した後に、プレートを真裏からプラスチックハンマーで叩いて、剥離性を確認した。各チョコレートソースにつき、各3回剥離性の試験を行った。
(3)凝固性及び剥離性の評価方法
各チョコレートソース(素材B)の凝固性、剥離性について、以下の評価基準に基づいた評価を行った。
[凝固性]
3点: ソースが凝固し完全な固体状である。
2点: ソースに粘性があり、完全な固体状にはなっていない。
1点: ソースに流動性があり、明らに固体状ではない。
[剥離性]
3点:ソースがプレートから完全に剥離した。
2点:プレートから剥離したもののソースの一部がプレート上に残った。
1点:ソースが全くプレートから剥がれない。
(4)冷菓の調製
脱脂濃縮乳(無脂乳固形分35質量%、森永乳業株式会社製)2.0kg、植物油脂(不二製油社製)8.5kg、グリセリン脂肪酸エステル(太陽化学社製)0.25kg、上白糖(フジ日本精糖社製)14.5kg、水あめ(固形分濃度65質量%、日本コンスターチ社製)4.0kg、安定剤(ローカストビーンガム及びグアーガムを45質量%含有、ダニスコ社製)0.45kg、ローメトキシルペクチン(シーピーケルコ社製)0.28kgを70℃に加温した水(溶解水)69.92kgに混合溶解し、液温70℃で30分間保持した後、95℃、30秒の加熱殺菌条件で殺菌して全圧15MPaで均質化して冷菓基材の原料ミックスを調製した。
次に、当該原料ミックスを、アイスクリーム用フリーザーに供給した。オーバーランが25%の冷菓基材を得た。
先端に吐出口を有するソース供給用のノズルを内部に有し、かつ、下部が開放系である筒状の容器に、冷菓基材を上部から供給するとともに、前記ノズルを一定速度で回転させながら、前記(1)で調製したチョコレートソースを吐出させることで、該チョコレートソースがスワールを形成するように冷菓基材と混合した。前記筒状の容器の下部から吐出されてきた冷菓の厚みが20mmになったところで、カッターで切り出し、側面にスティックを挿入して厚さ20mmの冷菓を得た。該冷菓の表面には、図5IIで示したようなチョコレートソースによるスワール(冷菓のほぼ中心部から外側に向う素材Bによる3本の曲線で描かれるスワールで、各曲線部は少なくとも長辺5mm×短辺3mm以上の素材Bによって構成される部分を有する)が形成されていた。冷菓表面(プレートと接触する面)における冷菓基材Aの外周部から素材Bまでの距離は10mm以下、冷菓中の冷菓基材Aと素材Bとの容量比は3:1であった。冷菓は、−35℃に冷却したプレートで1時間静置した後、該プレートの真裏をハンマーで叩打してプレートから剥離させた。
当該冷菓は、前記(3)の試験によりプレートからの剥離が確認されたチョコレートソース(TS20、25、40、50、60及び65%)毎に調製し、合計6種の冷菓を得た。冷菓自体の剥離性についても、前記素材Bの剥取試験と同様の傾向を示し、TS65%のソースのみ僅かな残存があった。
(5)食感の評価
各冷菓の食感について、以下の評価基準に基づいた評価を行った。当該評価は、当該冷菓に関して2年以上の開発経験を有し、複数回の評価経験を通じて以下の評価基準における採点基準に関する摺合せが行われている評価者7名が2回ずつ実施した評価結果の平均値として算出した。評価結果は、表2に記載の通りとなった。
[食感]
3点:ソースの食感がやわらかく、冷菓全体におけるバランスも良好。
2点:ソースの食感がやや硬いが、冷菓全体におけるバランスはやや良好。
1点:ソースの食感が硬く、冷菓全体におけるバランスが悪い。
(6)結果
結果を表2に示す。
(7)考察
以上の結果から、ソース(素材B)の固形分濃度(TS)が、65%以下であれば、凝固性や剥離性が良好で、本技術の製造方法によって冷菓中にスワールを形成するための素材として好適であることが示唆された。一方、ソースの固形分濃度が40%以上であれば、冷菓中の食感が良好であることが示唆された。

Claims (8)

  1. 冷菓基材中に、前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ、固形分濃度(TS)が65%以下である素材からなるスワールを形成するスワール形成工程と、
    該スワール形成工程後に、前記冷菓基材中に、前記素材からなるスワールが形成された冷菓を、所望の形状に成形する成形工程と、
    成形された前記冷菓をプレート上に並置する並置工程と、
    前記プレートから前記冷菓を剥取する剥取工程と、
    を行う、冷菓の製造方法。
  2. 前記並置工程において、前記素材で形成されたスワールの一部が、前記冷菓基材の表面に露出した状態である、請求項1記載の冷菓の製造方法。
  3. 前記冷菓基材の表面に露出した前記スワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有する、請求項2記載の冷菓の製造方法。
  4. 成形工程後の前記冷菓は、前記冷菓基材の外周部から前記素材までの距離が10mm以内となる、請求項1から3のいずれか一項に記載の冷菓の製造方法。
  5. 前記剥取工程では、前記プレートを叩打することにより、前記冷菓を前記プレートから剥取する、請求項1から4のいずれか一項に記載の冷菓の製造方法。
  6. 前記剥取工程の後に、前記冷菓の少なくとも一部の表面を、コーティング用食材で被覆する被覆工程を行う、請求項1から5のいずれか一項に記載の冷菓の製造方法。
  7. 冷菓基材中に、
    前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ、固形分濃度(TS)が65%以下である素材からなるスワールを有し、
    前記冷菓基材の表面に露出した前記スワールが、長辺5mm×短辺3mm以上の部分を有
    前記スワールが露出した前記冷凍基材の表面が、略平面である、冷菓。
  8. 少なくとも一部の表面が、コーティング用食材で被覆された、請求項7に記載の冷菓。
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