JP2020058334A - 冷菓及び冷菓の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供すること。【解決手段】以下の(1)〜(3)の特性を有する、冷菓基材中に素材(A)を含有する冷菓を提供する。(1)5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度が50mPa・s以上である(2)素材(A)が、冷菓基材の凍結点において流動性を有する(3)素材(A)の凍結点が、−19℃よりも高いまた、5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれる素材(A)の凍結点(Tf)との関係が、以下の式(1)で表されることを特徴とする、冷菓を提供する。【選択図】なし

Description

本技術は、冷菓及び冷菓の製造方法に関する。より詳しくは、1又は複数の素材を含有する冷菓及びその製造方法に関する。
冷菓は、長きにわたる人気商品の一つである。冷菓の中には、小豆やナッツ類等の固形状具材を含有したものや、フルーツソースやチョコレートソースが添加されたもの等の種々のバリエーションが存在する。例えば、特許文献1には、冷菓用ソースタイプのもち様材料を冷菓基材の上等に載置した冷菓が開示されている。
特開2017−118875号公報
ここで、1又は複数の素材を含有する冷菓は、ベースとなる冷菓基材と素材とが、最適な比率で喫食されることが求められる。そのためには、素材が冷菓基材中に均一な状態で存在していることが必要である。
そこで、本技術では、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することを主目的とする。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、冷菓基材の原料ミックスの粘度と素材の凍結点に着目することで、冷菓基材と素材とを均一に混合できることを発見し、本技術を完成させるに至った。
すなわち、本技術では、まず、以下の(1)〜(3)の特性を有する、冷菓基材中に素材(A)を含有する冷菓を提供する。
(1)5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度が50mPa・s以上である
(2)素材(A)が、冷菓基材の凍結点において流動性を有する
(3)素材(A)の凍結点が、−19℃よりも高い
本技術では、5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれる素材(A)の凍結点(Tf)との関係が、以下の式(1)で表されることを特徴とする、冷菓も提供する。
本技術では、前記冷菓基材は、固形状具材を含有していてもよい。
また、本技術では、前記素材(A)が、ソース、ジャム、コンフィチュール、ピューレ、プレザーブ、チョコレート、生チョコレート、キャラメル、練乳、及びプレパレーションからなる群から選択される一又複数の素材であってもよい。
さらに、本技術では、前記素材(A)の凍結点が、−5℃以下であってもよい。
加えて、本技術では、前記冷菓が、スティック付き冷菓であってもよい。この場合、前記素材(A)が、前記スティック付き冷菓の長側面方向に柱状に内包されていてもよい。
また、本技術では、前記素材(A)が、冷菓100ml当たり5〜25ml含まれていてもよい。
さらに、本技術では、前記固形状具材が、豆類、ナッツ類、焼成菓子類、砂糖菓子類、チョコレート菓子類、米菓類、果物類、及び野菜類からなる群から選択される一又複数の具材であってもよい。
加えて、本技術では、前記固形状具材の含有量が、1〜30質量%であってもよい。
また、本技術では、前記固形状具材が、1〜20mmの直径を有していてもよい。
さらに、前記原料ミックスが、安定剤を含有していてもよい。この場合、前記安定剤が、寒天、増粘多糖類、こんにゃく粉、ゼラチン、加工デンプン、セルロース、及びセルロース誘導体からなる群から選択される一又は複数であってもよい。また、この場合、前記安定剤の含有量が、0.1〜0.5質量%であってもよい。
また、本技術では、原料ミックスをフリージングして冷菓基材を調製する冷菓基材調製工程、前記冷菓基材を成形型に充填する充填工程、前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ凍結点が−19℃よりも高い素材(A)を、前記冷菓基材に注入する注入工程、を含む、冷菓の製造方法も提供する。
本技術では、前記冷菓基材を調製した後、該冷菓基材に固形状具材を混合する具材混合工程を有していてもよい。
また、本技術では、前記充填工程における前記冷菓基材の温度が、当該冷菓基材の凍結点の−0.1℃〜−1.5℃の温度範囲であってもよい。
さらに、本技術では、前記注入工程が、前記素材(A)を、前記モールドの下方から上方に向かって柱状に注入する工程であってもよい。
本技術によれば、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の冷菓の実施形態の一例を模式的に示す模式断面図である。 本技術の冷菓の製造方法の一例を示すフロー図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.冷菓
本技術の冷菓は、以下の(1)〜(3)の特性を有し、冷菓基材中に素材(A)を含有するものである。
(1)5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度が50mPa・s以上である
(2)素材(A)が、冷菓基材の凍結点において流動性を有する
(3)素材(A)の凍結点が、−19℃よりも高い
また、本技術の冷菓は、言い換えれば、5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれる素材(A)の凍結点(Tf)との関係が、以下の式(1)で表されることを特徴とする。
前述の通り、従来、1又は複数の素材を含有する冷菓において、ベースとなる冷菓基材と素材とが、最適な比率で喫食されることが求められていた。そのためには、1又は複数の素材が冷菓基材に均一な状態で存在する必要がある。このことは、喫食時に匙を用いない冷菓(例えば、スティック付きのアイスバー等)において、とりわけ重要である。
しかしながら、スティック付きのアイスバー等の冷菓において、常温で流動性を有する素材を均一に冷菓基材に注入することは必ずしも容易ではない。さらには、冷菓基材に対して固形状の具材を含有させる場合には、固形状の具材と常温で流動性を有する素材とをバランス良く含有させることは特に難しい。
これに対して、本技術では、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供するために鋭意検討を行った結果、冷菓基材の原料ミックスの粘度と素材の凍結点とを上記特定の範囲に調節することで、ベースとなる冷菓基材とこれに含有される素材とが均一に存在した状態の冷菓が得られることが判明した。これにより、本技術の冷菓は、1又は複数の素材がベースとなる冷菓基材の一部に偏るといったことが起きず、これらを最適な比率で喫食することができる。
本技術の冷菓は、冷菓基材中に、少なくも素材(A)を含有し、好ましくは固形状具材をも含有するものである。本技術の冷菓の形態は特に限定されないが、スティック付き冷菓とすることができ、また、素材(A)を内包していることが好ましい。本技術では、冷菓の形態がスティック付き冷菓であったとしても、冷菓基材と1又は複数の素材とが均一に存在しており、喫食の際にこれらの偏りがなく、最適な比率で喫食することができる。
本技術の冷菓がスティック付き冷菓である場合、図1に示すように、素材(A)を冷菓本体の長側面方向に柱状に内包していることが好ましい。すなわち、冷菓本体のスティックが付いている部分を下方とした場合に、下方から上方の向きに沿って、素材(A)が柱状に内包されていることが好ましい。
また、本技術の冷菓は、図1に示すように、冷菓基材中に固形状具材を凡そ均一に含有することが好ましい。
(1)冷菓基材
本技術の冷菓基材は、冷菓用原料を混合して得られる原料ミックスをフリージングして得られるものであれば、特に制限されない。本技術でいう「冷菓基材」には、乳等省令で規定されているアイスクリーム類、アイスミルク類、ラクトアイス類、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定されている氷菓(例えば、アイスキャンデー、かき氷、みぞれなど)、フローズンヨーグルト等が挙げられる。
アイスクリーム類とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二十六年十二月二十七日厚生省令第五十二号)により、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
一方で、乳固形分3.0%未満のものは、前記アイスクリーム類ではなく、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
フローズンヨーグルトは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により、種類別「発酵乳」に分類され、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう」と定められている。成分規格は、「無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数又は酵母数1000万/ml以上」と規定されている。
本技術では、前記冷菓基材として、これらの中でも、アイスクリーム類、シャーベット、氷菓が好ましく、アイスクリーム類が特に好ましい。
本技術において、前記冷菓基材の凍結点は、−1.0〜−5.0℃であることが好ましく、−2.0〜−4.0℃であることがより好ましい。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
また、前記冷菓基材は、オーバーランが、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。
(2)冷菓用原料
前記冷菓用原料としては、例えば、乳製品、植物油脂、糖質(ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、果糖ぶどう糖液糖、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類)、呈味原料(ココア、チョコレート、コーヒー、果汁、酒類等)、調味料(食塩等)、香料、色素、安定剤、乳化剤、酸化防止剤等が挙げられる。本技術では、前記冷菓用原料としてこれらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(3)原料ミックス
本技術において、前記冷菓用原料を混合して得られる原料ミックスは、5℃における粘度が、50mPa・s以上であることが好ましく、90mPa・s以上であることが好ましく、150mPa・s以上であることが好ましく、200mPa・s以上であることがよりさらに好ましい。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
(4)安定剤
本技術では、前記原料ミックスが、安定剤を含有することが好ましい。前記安定剤としては、例えば、寒天、増粘多糖類、こんにゃく粉、ゼラチン、加工デンプン、セルロース、セルロース誘導体等が挙げられる。本技術では、前記安定剤としてこれらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、本技術では、前記安定剤の含有量は、0.1〜0.5質量%であることが好ましい。
なお、前記原料ミックスは、本技術の効果を損なわない限り、前記安定剤以外にも他の材料を含有していてもよい。例えば、糖類、植物汁、増粘剤、pH調製剤、卵、植物油脂、乳化剤、乳、乳製品、着色料(例えば、色素等)、甘味料、香料、酸味料、風味原料等が添加されていてもよい。
(5)素材(A)
本技術の素材(A)は、冷菓基材の凍結点において流動性を有する素材であることが好ましい。すなわち、これは、素材(A)の凍結点が、前記冷菓基材の凍結点よりも低いとも言い換えることができる。したがって、素材(A)は、前記冷菓基材の凍結点において、液状である。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
本技術において、前記素材(A)の凍結点は、−5℃以下であることが好ましい。また、素材(A)は、凍結点が−19℃よりも高いことが好ましく、−15℃以上であることがより好ましく、−10.6℃以上であることがさらに好ましい。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
また、本技術では、5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれる素材(A)の凍結点(Tf)との関係が、上記式(1)で表されることが好ましい。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
前記素材(A)としては、例えば、ソース、ジャム、コンフィチュール、ピューレ、プレザーブ、コーチングチョコレート、プレパレーション等を挙げることができる。また、生チョコレート、キャラメル、及び練乳等の油脂を含む乳化物等を使用することもできる。本技術では、前記素材(A)としてこれらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、本技術では、素材(A)に果肉等が含まれていてもよい。
前記素材(A)は、冷菓100ml当たり5〜25ml含まれることが好ましい。これにより、より適切な比率で冷菓基材と素材とを喫食することができる。
(6)固形状具材
本技術の冷菓基材は、さらに、固形状具材を含有することができる。これにより、新たな風味や食感等を提供することができる。本技術では、冷菓基材の原料ミックスの粘度と素材(A)の凍結点を上記特定の範囲に調節することで、冷菓基材中に固形状具材を含有する場合であっても、後述する実施例にも示すように、固形状具材及び素材(A)が冷菓基材中に均一に存在する冷菓を提供することができる。
前記固形状具材としては、例えば、小豆、黒豆、及びひよこ豆等のかのこ豆を含む豆類;ピーナッツ、アーモンド、ピスタチオ、及びヘーゼルナッツ等のナッツ類;クッキー、ビスケットやクランチ等の小麦粉を主原料とした焼成菓子、及びコーンフレーク等のとうもろこしを主原料とした焼成菓子を含む焼成菓子類;餅等の米を主原料とした米菓類;キャンディやマシュマロ等の砂糖菓子を含む砂糖菓子類;板チョコレートや生チョコレート等のカカオ豆加工物を含むチョコレート菓子類;ラムレーズン等のドライフルーツやカットフルーツを含む果物類;さつまいも等の根菜を含む野菜類等が挙げられる。本技術では、前記固形状具材としてこれらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
冷菓基材中の固形状具材の含有量は、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。これにより、冷菓基材と固形状具材及び素材(A)とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
固形状具材のサイズは、冷菓基材中に含有させることができる限り特に制限されないが、直径で1〜20mm程度であることが好ましく、3〜15mm程度であることが好ましい。これにより、冷菓基材と固形状具材及び素材(A)とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
(7)凍結点及び粘度について
なお、本技術において、凍結点及び粘度は、例えば、以下の方法によって測定された値とすることができる。
<凍結点の測定方法>
液状である原料ミックス又はソースを雰囲気温度−25℃で冷却しながら、冷菓原料ミックス又はソースの温度を経時的に測定すると、液体が固体になる反応には発熱反応が生じることから、前記の温度下で液体を冷却していくと、ある温度において一旦温度が下降しないポイント(凝固点)に達する。本技術において、おんどとり(型番:RTR-502、T&D Corporation社製)等の機器を用いて経時的な温度変化を測定しながら、原料ミックスを冷却した際に、温度が下降しないポイント(凝固点)における温度を凍結点として測定した。
<粘度の測定方法>
B型粘度計(製品名:VISCOMETER RB-80L、東機産業株式会社製)にて、回転数60rpmにて、ローターNo.11、12を使用して測定した。
2.冷菓の製造方法
本技術の冷菓の製造方法は、冷菓基材調製工程S1、充填工程S2、注入工程S3を少なくとも含む。本技術の冷菓の製造方法では、これらの工程を経ることで、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を製造することができる。
本技術では、必要に応じて、具材混合工程S4、原料ミックス調製工程S5、素材(A)調製工程S6、把持棒挿入工程S7等の他の工程を含んでいてもよい。以下、各工程について詳細に説明する。
(1)冷菓基材調製工程S1
本工程では、原料ミックスをフリージングして冷菓基材を調製する。例えば、冷菓基材をアイスクリーム類とする場合には、各種冷菓用原料を混合し、加熱殺菌して原料ミックスを調製後、アイスクリームフリーザーにて所望のオーバーランになるように空気を混入させながらフリージングを行うことにより冷菓基材(アイスクリーム類)を調製することができる。
(2)充填工程S2
本工程では、前記冷菓基材を成形型に充填する。例えば、モールド内に、フリージング後の冷菓基材を充填することにより行うことができる。充填工程における成形型の形状は特に限定されず、例えば、略直方体形状とすることができる。
本技術では、充填工程における前記冷菓基材の温度は、当該冷菓基材の凍結点の−0.1℃〜−1.5℃の温度範囲であることが好ましい。これにより、冷菓基材と素材とが、均一に混合された冷菓を提供することができる。
(3)注入工程S3
本工程では、前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ凍結点が−19℃よりも高い素材(A)を、前記冷菓基材に注入する。例えば、注入用のノズル数本を前記成形型の所望の深さまで投入して、前記ノズルを前記成形型から引き出しながら、素材(A)をピストンにて送液することにより行うことができる。
本工程では、特に、前記素材(A)を、前記モールドの下方から上方に向かって柱状に注入する工程とすることができる。この際に、前記冷菓基材の内側に内包されるように前記素材(A)を充填することが好ましい。
(4)具材混合工程S4
本工程では、前記冷菓基材を調製した後、該冷菓基材に固形状具材を混合する。例えば、フリーザーから吐出された前記冷菓基材に対して、所望の割合で固形状具材を添加して混合することにより行うことができる。本工程は、必須の工程ではなく、必要に応じて行うことができる。
(5)原料ミックス調製工程S5
本工程では、冷菓用原料を混合して原料ミックスを調製する。例えば、各種冷菓用原料を混合、撹拌して、均質化処理した後、加熱殺菌することにより原料ミックスを調製する。本工程は、必須の工程ではなく、必要に応じて行うことができる。
(6)素材(A)調製工程S6
本工程では、素材(A)を調製する。例えば、市販のソース等に液糖を添加し、糖度を調製し、所望の凍結点を有する素材(A)を調製する。本工程は、必須の工程ではなく、必要に応じて行うことができる。
(7)把持棒挿入工程S7
本工程では、冷菓を把持するための把持棒(スティック)を、冷菓に挿入する。本工程は、必須の工程ではなく、本技術の冷菓がスティック付き冷菓でない場合には、本工程を行う必要はない。
以下、実施例に基づいて本技術をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
[1]ソースを含有する具材入り冷菓の調製
下記表1に示す実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13のそれぞれについて、以下の工程により、ソースを含有する具材入り冷菓を調製した。
(1)冷菓基材の調製
下記表1に示す全原料を混合して攪拌し、均質化処理した後に、90℃、37秒の条件で加熱殺菌して、粘度及び凍結点の異なる9種の原料ミックスを調製した。次いで、得られた原料ミックスを、アイスクリームフリーザーでフリージングして、オーバーラン0%、温度−4.0℃の冷菓基材を調製した。なお、本実施例では、これらの原料ミックスと、後述する凍結点の異なるソースとの組合せで、合計13種の冷菓を調製した(実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13)。
(2)具材の混合
前記(1)で得た冷菓基材をフリーザーから吐出し、当該冷菓基材85質量%に対して、小豆(株式会社北条製餡所製、商品名「小粒納豆T5」)15質量%を添加して良く混合し、具材入りの冷菓基材を得た。当該具材入りの冷菓基材の温度は、約−3.7℃であった。
(3)ソースの充填
このようにして得られた具材入り冷菓基材を、−35℃のブラインに浸漬した成形型(内径高さ122mm×幅48mm×奥行22mmの略直方体形状)に、成形型天面までの高さが52mm程度になるまで充填した(充填容量約64ml)。
具材入り冷菓基材の充填が完了してから2分以内に、成形型に充填した具材入り冷菓基材に、ソース注入用の吐出孔径7mmのノズル2本を成形型の深さ約90mmまで投入し、当該ノズルを成形型から引き出しながら果肉入りいちごソースをピストンにて送液して注入した。当該工程により、前記ソースが、成形型の長側面に対して凡そ平行に、約75mmの高さとなる柱状で、具材入り冷菓基材の内側に内包されるように充填された。充填されたソースの容量は、ノズル1本当たり約5.5mlであった。
なお、前記果肉入りいちごソースとして、太陽化学株式会社製のストロベリーソースSEC−5(商品名、糖度(Brix)40%)と、当該ソースに果糖ぶどう糖液糖を添加して、糖度を50%又は60%にそれぞれ調整したソースの計3種類を使用した。ソースの糖度を変更することで、3種類のソースの凍結点も相違し、それぞれの凍結点は、−6.7℃(Brix40%)、−10.6℃(Brix50%)、及び−19℃(Brix60%)であった。実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13では、下記表2及び3に記載の凍結点を有するソースを使用した。
その後、成形型からノズルを完全に引き抜いた後、当該冷菓基材が完全に固化する前にスティックを刺し、前記(1)で調製した原料ミックスを、さらに8ml程度成形型に流し込んだ。
成形型の外面に常温の水を散水して成形型から内容物を取り出し、ソースを含有する具材入りのスティック付きの冷菓を得た。
実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13の冷菓の調製に用いた、原料ミックスの5℃における粘度及び凍結点、並びにソースの凍結点を測定した結果は、下記表2及び3に記載のとおりとなった。なお、これらの測定は、上記<凍結点の測定方法>、及び上記<粘度の測定方法>に記載した方法を用いて行った。
[2]評価
前記[1]で得た実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13の冷菓について、具材(小豆)とソースとが、冷菓基材に対して均一に混合されているかについて評価を行った。すなわち、製造工程で具材やソースが沈降していないかを評価した。
(1)具材沈降性
具材の沈降性(均一性)は、具材が沈降することで冷菓上部に具材の偏りが発生しているかどうかを評価した。具体的には、得られた冷菓のスティックが挿入された部分を下方向として冷菓を3等分(容量ベース)した際、上部、中央部、及び下部に分けて具材の分布状況を目視により観察し、以下の基準に基づいて評点をした。
<評点基準>
3点:冷菓の上部、中央部、および下部に概ね3分の1容量ずつ具材が存在している
2点:冷菓の上部に3分の1よりも多い容量の具材が存在している
1点:冷菓の上部に2分の1以上の容量の具材が存在している
(2)ソース沈降性
ソースの沈降性(均一性)の評価は、ソースが沈降することで冷菓上部(具材の評価と同様に冷菓を3等分した際の上部)にソースの偏りが発生していないかについて、以下の基準に基づいて目視により評点した。
<評点基準>
3点:冷菓上部にソースが偏ることなく、冷菓上部のソース容量は、総注入量の3分の1程度である
2点:冷菓上部にややソースの容量が多いが、冷菓上部のソース容量は、総注入量の2分の1以下である
1点:注入した総容量の2分の1量よりも多くのソースが冷菓上部に存在している
[3]評価結果
評価の結果は、上記表2及び3に併記した。評価の結果、実施例1〜6、8〜9及び11〜12、並びに比較例7、10及び13において、具材の沈降は見られなかった。また、実施例1〜6、8及び11〜12においては、ソースの沈降は見られなかった一方で、実施例9においては、ソースの沈降がやや見られ、比較例7、10及び13においては、ソースの沈降が見られた。
これらの結果から、冷菓基材の原料ミックスの粘度とソースの凍結点とを適切に調節することで、具材とソースの両方が沈降せずに、冷菓基材とこれらが均一に存在する冷菓が得られることが判明した。
また、冷菓基材の原料ミックスと粘度とソースの凍結点については、具体的には、以下の(1)〜(3)の条件に調節することで、ソースの沈降が見られないことが示唆された。
(1)5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度が50mPa・s以上である
(2)ソースが、冷菓基材の凍結点において流動性を有する
(3)ソースの凍結点が、−19℃よりも高い
さらに、5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれるソースの凍結点(Tf)との関係が、以下の式(1)で表されるように調節することで、ソースの沈降が見られないことが示唆された。

Claims (18)

  1. 以下の(1)〜(3)の特性を有する、冷菓基材中に素材(A)を含有する冷菓。
    (1)5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度が50mPa・s以上である
    (2)素材(A)が、冷菓基材の凍結点において流動性を有する
    (3)素材(A)の凍結点が、−19℃よりも高い
  2. 5℃における冷菓基材の原料ミックスの粘度(Vm)と、前記冷菓基材中に含まれる素材(A)の凍結点(Tf)との関係が、以下の式(1)で表されることを特徴とする、冷菓。
  3. 前記冷菓基材が、固形状具材を含有する、請求項1又は2に記載の冷菓。
  4. 前記素材(A)が、ソース、ジャム、コンフィチュール、ピューレ、プレザーブ、チョコレート、生チョコレート、キャラメル、練乳、及びプレパレーションからなる群から選択される一又複数の素材である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷菓。
  5. 前記素材(A)の凍結点が、−5℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷菓。
  6. 前記冷菓が、スティック付き冷菓である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷菓。
  7. 前記素材(A)が、前記スティック付き冷菓の長側面方向に柱状に内包されている、請求項6に記載の冷菓。
  8. 前記素材(A)が、冷菓100ml当たり5〜25ml含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷菓。
  9. 前記固形状具材が、豆類、ナッツ類、焼成菓子類、砂糖菓子類、チョコレート菓子類、米菓類、果物類、及び野菜類からなる群から選択される一又複数の具材である、請求項3に記載の冷菓。
  10. 前記固形状具材の含有量が、1〜30質量%である、請求項3又は9に記載の冷菓。
  11. 前記固形状具材が、1〜20mmの直径を有する、請求項3、9及び10のいずれか一項に記載の冷菓。
  12. 前記原料ミックスが、安定剤を含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の冷菓。
  13. 前記安定剤が、寒天、増粘多糖類、こんにゃく粉、ゼラチン、加工デンプン、セルロース、及びセルロース誘導体からなる群から選択される一又は複数である、請求項12に記載の冷菓。
  14. 前記安定剤の含有量が、0.1〜0.5質量%である、請求項12又は13に記載の冷菓。
  15. 原料ミックスをフリージングして冷菓基材を調製する冷菓基材調製工程、
    前記冷菓基材を成形型に充填する充填工程、
    前記冷菓基材の凍結点において流動性を有し、かつ凍結点が−19℃よりも高い素材(A)を、前記冷菓基材に注入する注入工程、
    を含む、冷菓の製造方法。
  16. 前記冷菓基材を調製した後、該冷菓基材に固形状具材を混合する具材混合工程を有する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記充填工程における前記冷菓基材の温度が、当該冷菓基材の凍結点の−0.1℃〜−1.5℃の温度範囲である、請求項15又は16に記載の製造方法。
  18. 前記注入工程が、前記素材(A)を、前記モールドの下方から上方に向かって柱状に注入する工程である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
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