JP2014198019A - 冷菓の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外層の内部に、充填時に流動性を有する内層冷菓材を凍結させた内層を備える冷菓において、該冷菓が温度変化を受けた場合にも、内層冷菓材の外層への漏れを防止できる冷菓の製造方法を提供する。【解決手段】水および甘味料を含有する原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する冷菓の製造方法であって、前記原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、該原料混合物の5℃における粘度が100〜1000mPa・sとなるように含有させることを特徴とする冷菓の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は冷菓の製造方法に関する。
従来より、異なる材料で形成された外層と内層を有する複層冷菓が知られている。
下記特許文献1には、型枠内に外層となる冷菓材を充填し、該外層となる冷菓材に凹部を形成するとともに、該凹部の内側面を急速凍結して硬化させ、該凹部にゼリー、ジャム、かき氷等の内層となる材料を充填して、複層冷菓を製造する方法が記載されている。
下記特許文献1には、型枠内に外層となる冷菓材を充填し、該外層となる冷菓材に凹部を形成するとともに、該凹部の内側面を急速凍結して硬化させ、該凹部にゼリー、ジャム、かき氷等の内層となる材料を充填して、複層冷菓を製造する方法が記載されている。
一般に、アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓は−18℃以下での保存・流通が望ましい。しかし、冷菓製品の流通・運搬時、−18℃を保持することができない場合があり、また、売場のストッカーや家庭の冷凍庫のデフロスト機能や開閉により冷凍庫内の温度が、冷凍庫の温度とされる−18℃以下の温度より10℃以上も上昇する場合がある。本発明者の知見によれば、充填時に流動性を有する内層冷菓材を、充填後に凍結させて内層を形成した複合冷菓にあっては、かかる温度変化(ヒートショック)を受けた際に内層冷菓材が流動性を発現して外部に漏れ出す場合がある。内層冷菓材が漏れると、外装フィルムにくっついて取り出しにくくなったり、内層冷菓材が全て漏れ出てしまう等、商品価値が著しく低下してしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、外層の内部に、充填時に流動性を有する内層冷菓材を凍結させた内層を備える冷菓において、該冷菓が温度変化を受けた場合にも、内層冷菓材の外層への漏れを防止できる冷菓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、外層の内部に、充填時に流動性を有する内層冷菓材を凍結させた内層を備える冷菓において、該冷菓が温度変化を受けた場合にも、内層冷菓材の外層への漏れを防止できる冷菓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の冷菓の製造方法は、水および甘味料を含有する原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する冷菓の製造方法であって、前記原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、該原料混合物の5℃における粘度が100〜1000mPa・sとなるように含有させることを特徴とする。
前記原料混合物における、カラギナンの含有量が0.001〜0.1質量%、ローカストビーンガムの含有量が0.05〜0.3質量%、タマリンドシードガムの含有量が0.02〜0.5質量%、グアーガムの含有量が0.01〜0.4質量%、かつ澱粉の含有量が0.02〜1質量%であり、これらの合計量が0.25質量%以上であることが好ましい。
前記原料混合物の凍結物からなる、凹部を有する第1の外層を形成する工程と、該凹部の底部に前記内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程と、前記凹部内の前記内層の上に前記原料混合物を充填し、さらに凍結させることによって、第2の外層を形成するとともに、前記第1の外層と第2の外層を一体化させる工程を有することが好ましい。
本発明によれば、外層の内部に、充填時に流動性を有する内層冷菓材を凍結させた内層を有する冷菓であって、温度変化を受けた場合にも、内層冷菓材の外層への漏れが生じない冷菓が得られる。
<冷菓>
本発明における冷菓とは、一般的な「冷菓」に分類されるものをいい、具体的には、アイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス)、氷菓を挙げることができる。
アイスクリーム類とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
一方、乳固形分3.0%未満のものは、前記アイスクリーム類ではなく、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
本発明における冷菓は、氷菓、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスのいずれであってもよい。
本発明における冷菓とは、一般的な「冷菓」に分類されるものをいい、具体的には、アイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス)、氷菓を挙げることができる。
アイスクリーム類とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
一方、乳固形分3.0%未満のものは、前記アイスクリーム類ではなく、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
本発明における冷菓は、氷菓、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスのいずれであってもよい。
図1は本発明に係る冷菓の一実施形態を示した断面図である。符号1は外層、2は内層、3はスティックを示す。本実施形態の冷菓の形状はアイスバーであるが、これに限定されず、外層と内層を備えたものであればよい。本実施形態の冷菓において、外層1は第1の外層1aと第2の外層1bとを一体化して形成されている。内層2は外層1の内部に存在している。
<内層>
内層2は、充填時に流動性を有し、−18℃で凍結状態にあり、かつ凝固点が−5℃以下である内層冷菓材からなる。
本発明において、充填時に流動性を有するとは、ボストウィック粘度計による、測定温度(品温)−5℃、測定時間10秒のときの流動距離で表される流動性が3cm以上であることを意味する。
ボストウィック粘度計は、細長い容器(トラフ)がゲートによって2つの区画に分かれており、容量が小さい区画(リザーバー)に所定量のサンプルを入れ、ゲートを開けるとサンプルが大きい区画に流れ出るようになっている。大きい区画には目盛りが設けられており、所定時間内にサンプルが流れた距離(ゲートからの距離)を計測できるようになっている。リザーバーに、所定の測定温度(サンプル温度)のサンプルを入れ、ゲートを開けてから所定の測定時間に流れた距離(単位:cm)を測定し、流動性の値とする。
内層2は、充填時に流動性を有し、−18℃で凍結状態にあり、かつ凝固点が−5℃以下である内層冷菓材からなる。
本発明において、充填時に流動性を有するとは、ボストウィック粘度計による、測定温度(品温)−5℃、測定時間10秒のときの流動距離で表される流動性が3cm以上であることを意味する。
ボストウィック粘度計は、細長い容器(トラフ)がゲートによって2つの区画に分かれており、容量が小さい区画(リザーバー)に所定量のサンプルを入れ、ゲートを開けるとサンプルが大きい区画に流れ出るようになっている。大きい区画には目盛りが設けられており、所定時間内にサンプルが流れた距離(ゲートからの距離)を計測できるようになっている。リザーバーに、所定の測定温度(サンプル温度)のサンプルを入れ、ゲートを開けてから所定の測定時間に流れた距離(単位:cm)を測定し、流動性の値とする。
内層2を構成する内層冷菓材は、充填時に流動性を有し、−18℃で凍結状態にあり、凝固点が−5℃以下である食品であればよく、特に限定されない。果肉等の固形物を含んでいてもよい。内層冷菓材の凝固点が−5℃以下であると、冷凍庫内の温度変動などの温度変化(ヒートショック)を受けた際に、内層が流動性を発現して外部に漏れ出す問題が生じやすい。
かかる内層冷菓材の例としては、フルーツソース、フルーツプレザーブ、カラメルソース、練乳、チョコレート類、蜂蜜類等が挙げられる。
かかる内層冷菓材の例としては、フルーツソース、フルーツプレザーブ、カラメルソース、練乳、チョコレート類、蜂蜜類等が挙げられる。
<外層>
外層1は、水および甘味料を含有する原料混合物の凍結物からなる。原料混合物には特定の増粘剤が含まれる。
[甘味料]
本発明における甘味料は、冷菓に甘味を付与する原料を意味し、糖類および糖類以外の甘味を付与する原料を含む概念である。
甘味料としては、冷菓の原料として公知のものを適宜使用することができる。
具体例としては、砂糖、水あめ、粉飴、異性化糖、乳糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチロール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料;等が挙げられる。
これらのうちでも保存性や風味の点で砂糖、水あめ、粉飴が好ましい。甘味料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
外層1は、水および甘味料を含有する原料混合物の凍結物からなる。原料混合物には特定の増粘剤が含まれる。
[甘味料]
本発明における甘味料は、冷菓に甘味を付与する原料を意味し、糖類および糖類以外の甘味を付与する原料を含む概念である。
甘味料としては、冷菓の原料として公知のものを適宜使用することができる。
具体例としては、砂糖、水あめ、粉飴、異性化糖、乳糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチロール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料;等が挙げられる。
これらのうちでも保存性や風味の点で砂糖、水あめ、粉飴が好ましい。甘味料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[増粘剤組成物]
本発明では、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を用いて、原料混合物を所定の粘度に増粘させる。これにより、外層1への内層冷菓材の漏れを良好に防止することができる。
カラギナン、ローカストビーンガムおよびタマリンドシードガムはゲル形成能を有する。すなわち、カラギナンはローカストビーンガムと反応して弾力性のあるゲルを形成する。弾力性のあるゲルを形成することで、冷菓の温度が上昇したときの内層冷菓材の漏れ防止に寄与すると考えられる。さらに弾力性のあるゲルを形成することで、温度変化によって外層1中に針状結晶が形成されるのを阻害すると考えられる。カラギナンは乳成分等に含まれるカルシウムイオンとの反応によってもゲル化する。
タマリンドシードガムは、ローカストビーンガムと併用すると凍結時にゲルを形成する。該ゲルは解凍時にゼリーになるため、温度変化によって外層1中の氷結晶が成長するのを抑制すると考えられる。またソフトな食感に寄与する。
グアーガムは原料混合物に高い粘度を付与できる。澱粉は粘度の安定化、ゲル強度の向上に寄与する。
本発明では、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を用いて、原料混合物を所定の粘度に増粘させる。これにより、外層1への内層冷菓材の漏れを良好に防止することができる。
カラギナン、ローカストビーンガムおよびタマリンドシードガムはゲル形成能を有する。すなわち、カラギナンはローカストビーンガムと反応して弾力性のあるゲルを形成する。弾力性のあるゲルを形成することで、冷菓の温度が上昇したときの内層冷菓材の漏れ防止に寄与すると考えられる。さらに弾力性のあるゲルを形成することで、温度変化によって外層1中に針状結晶が形成されるのを阻害すると考えられる。カラギナンは乳成分等に含まれるカルシウムイオンとの反応によってもゲル化する。
タマリンドシードガムは、ローカストビーンガムと併用すると凍結時にゲルを形成する。該ゲルは解凍時にゼリーになるため、温度変化によって外層1中の氷結晶が成長するのを抑制すると考えられる。またソフトな食感に寄与する。
グアーガムは原料混合物に高い粘度を付与できる。澱粉は粘度の安定化、ゲル強度の向上に寄与する。
本発明において、上記以外の他の増粘剤も本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。他の増粘剤としては、冷菓において増粘剤または安定剤として公知の成分を適宜用いることができる。例えばグルコマンナン、ガラクトマンナン、キサンタンガム、カラヤガム、ジェランガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、発酵セルロース、大豆多糖類等が挙げられる。他の増粘剤は1種または2種以上を用いることができる。
本発明において原料混合物の5℃における粘度を100〜1000mPa・sに調整する。該粘度は増粘剤として用いられる成分の使用量で調整できる。該粘度が100mPa・s以上であると、冷菓が温度変化を受けたときに、内層冷菓材の外層1への漏れを良好に防止できる。該粘度が1000mPa・s以下であると、プレート式殺菌機における目詰まり、冷菓のフレーバーリリース(呈味・香気成分の放出)の低下など、粘度が高すぎることによる問題が生じにくい。
該原料混合物の粘度は100〜800mPa・sが好ましく、100〜500mPa・sがより好ましい。
該原料混合物の粘度は100〜800mPa・sが好ましく、100〜500mPa・sがより好ましい。
増粘剤組成物中の各成分の使用量は、原料混合物における含有量が下記の範囲内であることが好ましい。
原料混合物におけるカラギナンの含有量は0.001〜0.1質量%であり、0.005〜0.05質量%が好ましく、0.01〜0.04質量%がより好ましい。
ローカストビーンガムの含有量は0.05〜0.3質量%であり、0.05〜0.2質量%が好ましく、0.06〜0.17質量%がより好ましい。
タマリンドシードガムの含有量は0.02〜0.5質量%であり、0.03〜0.3質量%が好ましく、0.03〜0.1質量%がより好ましい。
グアーガムの含有量は0.01〜0.4質量%であり、0.01〜0.3質量%が好ましく、0.02〜0.2質量%がより好ましい。
澱粉の含有量は0.02〜1質量%であり、0.02〜0.5質量%が好ましく、0.05〜0.2質量%がより好ましい。
また原料混合物における、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉の合計の含有量が0.25質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。
なお、本発明で使用する増粘剤組成物には、前記増粘剤の他に、適宜、賦形剤を含有させることができる。
原料混合物におけるカラギナンの含有量は0.001〜0.1質量%であり、0.005〜0.05質量%が好ましく、0.01〜0.04質量%がより好ましい。
ローカストビーンガムの含有量は0.05〜0.3質量%であり、0.05〜0.2質量%が好ましく、0.06〜0.17質量%がより好ましい。
タマリンドシードガムの含有量は0.02〜0.5質量%であり、0.03〜0.3質量%が好ましく、0.03〜0.1質量%がより好ましい。
グアーガムの含有量は0.01〜0.4質量%であり、0.01〜0.3質量%が好ましく、0.02〜0.2質量%がより好ましい。
澱粉の含有量は0.02〜1質量%であり、0.02〜0.5質量%が好ましく、0.05〜0.2質量%がより好ましい。
また原料混合物における、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉の合計の含有量が0.25質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。
なお、本発明で使用する増粘剤組成物には、前記増粘剤の他に、適宜、賦形剤を含有させることができる。
[乳成分]
原料混合物には、乳成分を含有させることができる。乳成分には通常カルシウムが含まれているため、増粘剤として添加されるカラギナンがカルシウムと反応してゲルを形成し、原料混合物の粘度の上昇に寄与する。
カルシウムを含む乳成分の例としては生乳、牛乳、バター、脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、練乳、チーズ、ホエイ、ホエイ蛋白濃縮物等の乳製品が挙げられる。
原料混合物には、乳成分を含有させることができる。乳成分には通常カルシウムが含まれているため、増粘剤として添加されるカラギナンがカルシウムと反応してゲルを形成し、原料混合物の粘度の上昇に寄与する。
カルシウムを含む乳成分の例としては生乳、牛乳、バター、脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、練乳、チーズ、ホエイ、ホエイ蛋白濃縮物等の乳製品が挙げられる。
[その他の成分]
原料混合物には甘味料、増粘剤、乳成分の他に、冷菓において公知の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。例えば、植物油脂、乳化剤、果汁、食塩、酸味料、香料、着色料、卵、チョコレート類、その他の食品添加剤等が挙げられる。
原料混合物には甘味料、増粘剤、乳成分の他に、冷菓において公知の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。例えば、植物油脂、乳化剤、果汁、食塩、酸味料、香料、着色料、卵、チョコレート類、その他の食品添加剤等が挙げられる。
<冷菓の製造方法>
本発明の冷菓の製造方法は、原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する。
外層を形成する工程は、原料混合物の凍結物からなり、かつ内部に内層冷菓材を充填可能な形状を有する外層を形成できればよく、公知の方法を適宜用いて行うことができる。
以下、冷菓の製造方法の一実施形態として、図1に示す冷菓を製造する方法を説明する。
本発明の冷菓の製造方法は、原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する。
外層を形成する工程は、原料混合物の凍結物からなり、かつ内部に内層冷菓材を充填可能な形状を有する外層を形成できればよく、公知の方法を適宜用いて行うことができる。
以下、冷菓の製造方法の一実施形態として、図1に示す冷菓を製造する方法を説明する。
まず原料混合物を調製する。原料混合物に含有させる全成分を水(溶解水)に混合溶解する。ただし香料等の加熱殺菌時の熱によって変性するものは、加熱殺菌後に添加することが好ましい。水に溶解しにくい成分が含まれる場合は、必要に応じて加熱してもよい。さらに、常法により均質化処理を行うことが好ましい。
次いで、原料混合物を常法により加熱殺菌する。加熱殺菌方法および加熱殺菌条件は特に限定されない。例えばプレート殺菌機を用いる方法が伝熱効率の点で好適である。加熱殺菌後はタンパク質や安定剤の水和状態及び脂肪分の固化状態の安定化のために、5℃以下の温度に保持して、4〜24時間程度エージングすることが好ましい。
次いで、原料混合物を常法により加熱殺菌する。加熱殺菌方法および加熱殺菌条件は特に限定されない。例えばプレート殺菌機を用いる方法が伝熱効率の点で好適である。加熱殺菌後はタンパク質や安定剤の水和状態及び脂肪分の固化状態の安定化のために、5℃以下の温度に保持して、4〜24時間程度エージングすることが好ましい。
次に、原料混合物の凍結物からなる、凹部を有する第1の外層1aを形成する。第1の外層1aは、例えば、−40〜−30℃のブライン槽内に配置された氷管(成形型)内へ原料混合物を充填する。氷管の内面に接触している部分が氷管側から内方に向かって徐々に凍結していくので、凍結した部分が、得ようとする第1の外層1aの厚さに達した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去する。これにより、氷管の内面に沿う形状の凍結部分からなる第1の外層1aを形成することができる。内部の未凍結部分を吸引除去した部分が凹部となる。
続いて、第1の外層1aの凹部の底部に内層冷菓材を充填し、凍結させることによって内層2を形成する。内層冷菓材の充填は公知の方法で行うことができる。充填時の内層冷菓材の温度は、例えば5℃程度が好ましい。充填された内層冷菓材は−30〜−20℃程度で凍結させることが好ましい。
本実施形態では、前記氷管(成形型)内に形成された第1の外層1aの凹部内に内層冷菓材を充填すると、該凹部の内面に接触している部分から内方に向かって徐々に凍結し、所定の凍結時間経過後に内層2全体が凍結する。
本実施形態では、前記氷管(成形型)内に形成された第1の外層1aの凹部内に内層冷菓材を充填すると、該凹部の内面に接触している部分から内方に向かって徐々に凍結し、所定の凍結時間経過後に内層2全体が凍結する。
この後、第1の外層1aの凹部内の、凍結した内層2の上に、5℃程度の原料混合物を充填した後、凍結させることによって、第2の外層1bを形成するとともに、第1の外層1aと第2の外層1bを一体化させる。必要に応じて第2の外層1bを凍結させる前に、スティックを挿入する。これにより冷菓が得られる。
第2の外層1bを形成する原料混合物は、第1の外層1aの形成に用いた原料混合物と同じであってもよく、異なっていてもよいが、いずれも本発明における原料混合物に含まれるものを用いる。両者を同じ原料混合物とすることで、第1の外層1aと第2の外層1bとの一体化物が連続した一層の外層1となり、該外層1の内部に内層2を有する冷菓が得られる。
第2の外層1bを形成する原料混合物は、第1の外層1aの形成に用いた原料混合物と同じであってもよく、異なっていてもよいが、いずれも本発明における原料混合物に含まれるものを用いる。両者を同じ原料混合物とすることで、第1の外層1aと第2の外層1bとの一体化物が連続した一層の外層1となり、該外層1の内部に内層2を有する冷菓が得られる。
こうして得られる冷菓は、外層1を形成する原料混合物に特定の増粘剤を含有させて、所定の粘度に増粘させたものを用いたことにより、温度変化を受けた場合にも内層冷菓材の外層1への漏れが良好に防止される。
また、かかる増粘剤を含有させたことにより、原料混合物中でゲルが形成され、外層の食感がソフトになる。
また、かかる増粘剤を含有させたことにより、原料混合物中でゲルが形成され、外層の食感がソフトになる。
かかる効果が得られる理由として、以下のことが考えられる。すなわち、冷菓が温度変化を受けたときに内層冷菓材の漏れが生じる原因の一つとして、外層中の氷結晶が一旦融解して再度凍結することにより氷結晶の成長が生じ、針状結晶等の外層を割れやすくする組織が形成されるためと考えらえる。
本発明では原料混合物に特定の増粘剤を含有させたことにより、原料混合物中で弾力のあるゲルが形成され、温度変化を受けたときに氷結晶の成長が抑制され、針状結晶が形成するのが防止されると考えられる。
また、かかる針状結晶の形成が防止されることにより、温度変化により、冷菓にシャリシャリした食感が生じることが防止される。
本発明では原料混合物に特定の増粘剤を含有させたことにより、原料混合物中で弾力のあるゲルが形成され、温度変化を受けたときに氷結晶の成長が抑制され、針状結晶が形成するのが防止されると考えられる。
また、かかる針状結晶の形成が防止されることにより、温度変化により、冷菓にシャリシャリした食感が生じることが防止される。
以下、本発明の内容を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<原料>
使用した原料は以下の通りである。増粘剤は、増粘剤と賦形剤とからなる増粘剤組成物を用いた。
[外層]
・加糖練乳:森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%。
・砂糖:北海道糖業社製。
・水あめ:固形分濃度65質量%、日本コーンスターチ社製。
・増粘剤組成物A:カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含み、さらに賦形剤としてブドウ糖を含む混合物(三栄源エフ・エフ・アイ社製)。各成分の含有量(内訳)を表2に示す。
・香料:ミルクフレーバー、三栄源エフ・エフ・アイ社製。
[内層冷菓材]
・練乳ソース:加糖練乳(森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%)を、加糖練乳の濃度が80質量%(水が20質量%)となるように加水して調製した加糖練乳液に、漏れの有無の観察を容易にするために着色料(青色1号)を0.0005質量%の濃度となるように含有させて着色したもの。−18℃で凍結状態(当該加糖練乳液の凝固点は−13℃であった。)にあり、ボストウィック粘度計による−5℃、10秒における流動性が3cm以上であることを確認した。
<原料>
使用した原料は以下の通りである。増粘剤は、増粘剤と賦形剤とからなる増粘剤組成物を用いた。
[外層]
・加糖練乳:森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%。
・砂糖:北海道糖業社製。
・水あめ:固形分濃度65質量%、日本コーンスターチ社製。
・増粘剤組成物A:カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含み、さらに賦形剤としてブドウ糖を含む混合物(三栄源エフ・エフ・アイ社製)。各成分の含有量(内訳)を表2に示す。
・香料:ミルクフレーバー、三栄源エフ・エフ・アイ社製。
[内層冷菓材]
・練乳ソース:加糖練乳(森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%)を、加糖練乳の濃度が80質量%(水が20質量%)となるように加水して調製した加糖練乳液に、漏れの有無の観察を容易にするために着色料(青色1号)を0.0005質量%の濃度となるように含有させて着色したもの。−18℃で凍結状態(当該加糖練乳液の凝固点は−13℃であった。)にあり、ボストウィック粘度計による−5℃、10秒における流動性が3cm以上であることを確認した。
<例1〜7>
外層1に含有させる増粘剤組成物の組成と配合量を変化させて、図1に示す構成を有する冷菓を製造した。
すなわち、まず表1、2に示す原料のうち香料以外の全成分を70℃に加温した溶解水に混合溶解し、85℃に達するまで加熱した後、二段均質機を使用して、2次圧:5MPa、全圧:15MPaの条件で均質化した。均質化した原料を、連続式プレート殺菌機(製品名:MD−Plate Exchanger、森永エンジニアリング社製)にて、85℃、15秒間保持の条件で殺菌し、その後、5℃で24時間エージングした後に香料を添加して原料混合物を得た。
得られた原料混合物(約5℃)の40gを、ブライン槽内(−40℃)に配置された氷管内へ充填し、氷管の内面に接触している部分が3〜4mm厚さに凍結した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去し、凍結部分からなる第1の外層1a(約30g)を得た。
この第1の外層1aの内方に練乳ソース(約5℃)の6gを充填し、凍結して内層2を形成した。
さらに第1の外層1aの内方に、第1の外層1aの形成に用いたのと同じ原料混合物(約5℃)の20gを充填し、かつスティック3を挿入した状態で凍結させることにより、スティック3が固定された第2の外層1bを形成するとともに、第1の外層1aと第2の外層1bが一体化された冷菓を得た。
得られた冷菓を氷管から取り出し、1個ずつ袋詰めにした後に箱詰めした。箱詰めの際は1箱に7個の冷菓を、スティックが上部になるように詰めて箱入り冷菓を得た。
外層1に含有させる増粘剤組成物の組成と配合量を変化させて、図1に示す構成を有する冷菓を製造した。
すなわち、まず表1、2に示す原料のうち香料以外の全成分を70℃に加温した溶解水に混合溶解し、85℃に達するまで加熱した後、二段均質機を使用して、2次圧:5MPa、全圧:15MPaの条件で均質化した。均質化した原料を、連続式プレート殺菌機(製品名:MD−Plate Exchanger、森永エンジニアリング社製)にて、85℃、15秒間保持の条件で殺菌し、その後、5℃で24時間エージングした後に香料を添加して原料混合物を得た。
得られた原料混合物(約5℃)の40gを、ブライン槽内(−40℃)に配置された氷管内へ充填し、氷管の内面に接触している部分が3〜4mm厚さに凍結した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去し、凍結部分からなる第1の外層1a(約30g)を得た。
この第1の外層1aの内方に練乳ソース(約5℃)の6gを充填し、凍結して内層2を形成した。
さらに第1の外層1aの内方に、第1の外層1aの形成に用いたのと同じ原料混合物(約5℃)の20gを充填し、かつスティック3を挿入した状態で凍結させることにより、スティック3が固定された第2の外層1bを形成するとともに、第1の外層1aと第2の外層1bが一体化された冷菓を得た。
得られた冷菓を氷管から取り出し、1個ずつ袋詰めにした後に箱詰めした。箱詰めの際は1箱に7個の冷菓を、スティックが上部になるように詰めて箱入り冷菓を得た。
<評価方法>
(1)粘度
氷管内へ充填する直前の原料混合物の5℃における粘度(単位:mPa・s)を下記の測定方法で測定した。結果を表3に示す。
[粘度の測定方法]
粘度の測定には、B型粘度計(TOKI社製、RB−80L、ローター:No.2、1分)を用いて、試料の温度を5℃に設定して行った。
(2)内層冷菓材の漏れ
庫内温度−5℃→−18℃→−5℃のヒートサイクルを12時間で1回行うように設定された冷凍庫内に、上記で得られた箱入り冷菓を、スティックが上部になるように静置して4週間保管した。4週間後に、外層1の外観を目視で観察し、練乳ソースの漏れの有無を調べた。
具体的には、青色に着色されている練乳ソースが、内層2以外の外層1よりも外部に存在することが外観から認められる場合は漏れあり(×)、認められない場合は漏れなし(○)として評価した。結果を表3に示す。
(3)プレート殺菌機適性
プレート殺菌機は流体を熱交換プレート間を流通せしめて加熱、冷却するプレート式熱交換方式の殺菌機である。この方式は流通路が熱交換プレート間を直列的に連結されているので粘性の小さい低粘度食品には適しているが、粘度が大きくなると圧送圧力を大きくしなければならないと共にプレート間の微小間隔部に目詰りを起こし、機械の停止、液漏れ、焦げ付きを引き起こす。その粘度の上限は1000mPa・s程度であるため、適性のある範囲を1000mPa・s以下として評価した。
(4)風味・食感
各例で調製した各冷菓試料は、14名の専門パネラーにより、以下の官能評価方法により試験した。
(風味)
4点:良好。
3点:やや良好。
2点:やや風味を感じにくい。
1点:風味を感じにくい。
(食感)
4点:ソフト。
3点:ややソフト。
2点:やや硬い。
1点:硬い。
風味、食感ともに上記の4段階で評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、以下の基準により判定した。
[評価]
(風味)
2.5点以上:風味が良好である。
2.5点未満:風味を感じにくい。
(食感)
2.5点以上:ソフト。
2.5点未満:硬い。
(1)粘度
氷管内へ充填する直前の原料混合物の5℃における粘度(単位:mPa・s)を下記の測定方法で測定した。結果を表3に示す。
[粘度の測定方法]
粘度の測定には、B型粘度計(TOKI社製、RB−80L、ローター:No.2、1分)を用いて、試料の温度を5℃に設定して行った。
(2)内層冷菓材の漏れ
庫内温度−5℃→−18℃→−5℃のヒートサイクルを12時間で1回行うように設定された冷凍庫内に、上記で得られた箱入り冷菓を、スティックが上部になるように静置して4週間保管した。4週間後に、外層1の外観を目視で観察し、練乳ソースの漏れの有無を調べた。
具体的には、青色に着色されている練乳ソースが、内層2以外の外層1よりも外部に存在することが外観から認められる場合は漏れあり(×)、認められない場合は漏れなし(○)として評価した。結果を表3に示す。
(3)プレート殺菌機適性
プレート殺菌機は流体を熱交換プレート間を流通せしめて加熱、冷却するプレート式熱交換方式の殺菌機である。この方式は流通路が熱交換プレート間を直列的に連結されているので粘性の小さい低粘度食品には適しているが、粘度が大きくなると圧送圧力を大きくしなければならないと共にプレート間の微小間隔部に目詰りを起こし、機械の停止、液漏れ、焦げ付きを引き起こす。その粘度の上限は1000mPa・s程度であるため、適性のある範囲を1000mPa・s以下として評価した。
(4)風味・食感
各例で調製した各冷菓試料は、14名の専門パネラーにより、以下の官能評価方法により試験した。
(風味)
4点:良好。
3点:やや良好。
2点:やや風味を感じにくい。
1点:風味を感じにくい。
(食感)
4点:ソフト。
3点:ややソフト。
2点:やや硬い。
1点:硬い。
風味、食感ともに上記の4段階で評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、以下の基準により判定した。
[評価]
(風味)
2.5点以上:風味が良好である。
2.5点未満:風味を感じにくい。
(食感)
2.5点以上:ソフト。
2.5点未満:硬い。
表1〜3の結果より、原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物Aを、原料混合物の粘度(5℃)が100mPa・s以上となるように含有させた例3〜7は、庫内温度が−5℃〜−18℃の範囲で変化する条件で保管された場合にも、練乳ソースの漏れが良好に防止された。また冷菓の食感もソフトで良好であった。
原料混合物の粘度(5℃)が1000mPa・s以下である例1〜6は、プレート殺菌機を用いた殺菌工程を問題なく行うことができ、冷菓における風味(フレバーリリース)も良好であった。
これらの結果より、原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、氷管内へ充填する直前の原料混合物の粘度(5℃)が100mPa・s以上、1000mPa・s以下となるように含有させることにより、食感および風味が良好で、保存中の内層冷菓材の漏れが良好に防止され、かつプレート殺菌機を用いた殺菌工程も問題なく行うことができる冷菓が得られることがわかる。
原料混合物の粘度(5℃)が1000mPa・s以下である例1〜6は、プレート殺菌機を用いた殺菌工程を問題なく行うことができ、冷菓における風味(フレバーリリース)も良好であった。
これらの結果より、原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、氷管内へ充填する直前の原料混合物の粘度(5℃)が100mPa・s以上、1000mPa・s以下となるように含有させることにより、食感および風味が良好で、保存中の内層冷菓材の漏れが良好に防止され、かつプレート殺菌機を用いた殺菌工程も問題なく行うことができる冷菓が得られることがわかる。
<実施例1>
表4に示す配合で図1に示す構成を有する冷菓を製造した。内層冷菓材としては加糖練乳(森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%)を、加糖練乳の濃度が80質量%(水が20質量%)となるように加水して調製した加糖練乳液(凝固点−13℃)を用いた。
まず、表4に示す原料のうち香料以外の全成分を70℃に加温した溶解水に混合溶解し、85℃に達するまで加熱した後、二段均質機を使用して、2次圧:5MPa、全圧:15MPaの条件で均質化した。均質化した原料を、連続式プレート殺菌機(製品名:MD−Plate Exchanger、森永エンジニアリング社製)にて、85℃、15秒間保持の条件で殺菌し、その後、5℃で24時間エージングした後に香料を添加して原料混合物を得た。
得られた原料混合物(約5℃)の40gを、ブライン槽内(−40℃)に配置された氷管内へ充填し、氷管の内面に接触している部分が3〜4mm厚さに凍結した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去し、凍結部分からなる第1の外層1a(約30g)を得た。
この第1の外層1aの内方に約5℃の上記加糖練乳液の6gを充填し、凍結して内層2を形成した。
さらに第1の外層1aの内方に、第1の外層1aの形成に用いたのと同じ原料混合物(約5℃)の20gを充填し、かつスティック3を挿入した状態で凍結させることにより、スティック3が固定された第2の外層1bを形成するとともに、第1の外層1aと第2の外層1bが一体化された冷菓を得た。
得られた冷菓を氷管から取り出し、1個ずつ袋詰めにした後に箱詰めした。箱詰めの際は1箱に7個の冷菓を、スティックが上部になるように詰めて箱入り冷菓を得た。
表4に示す配合で図1に示す構成を有する冷菓を製造した。内層冷菓材としては加糖練乳(森永乳業社製、無脂乳固形分73.7質量%)を、加糖練乳の濃度が80質量%(水が20質量%)となるように加水して調製した加糖練乳液(凝固点−13℃)を用いた。
まず、表4に示す原料のうち香料以外の全成分を70℃に加温した溶解水に混合溶解し、85℃に達するまで加熱した後、二段均質機を使用して、2次圧:5MPa、全圧:15MPaの条件で均質化した。均質化した原料を、連続式プレート殺菌機(製品名:MD−Plate Exchanger、森永エンジニアリング社製)にて、85℃、15秒間保持の条件で殺菌し、その後、5℃で24時間エージングした後に香料を添加して原料混合物を得た。
得られた原料混合物(約5℃)の40gを、ブライン槽内(−40℃)に配置された氷管内へ充填し、氷管の内面に接触している部分が3〜4mm厚さに凍結した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去し、凍結部分からなる第1の外層1a(約30g)を得た。
この第1の外層1aの内方に約5℃の上記加糖練乳液の6gを充填し、凍結して内層2を形成した。
さらに第1の外層1aの内方に、第1の外層1aの形成に用いたのと同じ原料混合物(約5℃)の20gを充填し、かつスティック3を挿入した状態で凍結させることにより、スティック3が固定された第2の外層1bを形成するとともに、第1の外層1aと第2の外層1bが一体化された冷菓を得た。
得られた冷菓を氷管から取り出し、1個ずつ袋詰めにした後に箱詰めした。箱詰めの際は1箱に7個の冷菓を、スティックが上部になるように詰めて箱入り冷菓を得た。
1 外層、
1a 第1の外層、
1b 第2の外層、
2 内層、
3 スティック。
1a 第1の外層、
1b 第2の外層、
2 内層、
3 スティック。
Claims (3)
- 水および甘味料を含有する原料混合物を凍結させて外層を形成する工程と、
該外層の内部に、流動性を有する内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程を有する冷菓の製造方法であって、
前記原料混合物に、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、および澱粉を含む増粘剤組成物を、該原料混合物の5℃における粘度が100〜1000mPa・sとなるように含有させることを特徴とする冷菓の製造方法。 - 前記原料混合物における、カラギナンの含有量が0.001〜0.1質量%、ローカストビーンガムの含有量が0.05〜0.3質量%、タマリンドシードガムの含有量が0.02〜0.5質量%、グアーガムの含有量が0.01〜0.4質量%、かつ澱粉の含有量が0.02〜1質量%であり、これらの合計量が0.25質量%以上である、請求項1に記載の冷菓の製造方法。
- 前記原料混合物の凍結物からなる、凹部を有する第1の外層を形成する工程と、
該凹部の底部に前記内層冷菓材を充填し、凍結させて内層を形成する工程と、
前記凹部内の前記内層の上に前記原料混合物を充填し、さらに凍結させることによって、第2の外層を形成するとともに、前記第1の外層と第2の外層を一体化させる工程を有する、請求項1または2に記載の冷菓の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018196346A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 凍結飲料 |
JP2019030274A (ja) * | 2017-08-09 | 2019-02-28 | 森永乳業株式会社 | 冷菓 |
CN109793093A (zh) * | 2019-03-14 | 2019-05-24 | 天津商业大学 | 一种乳化稳定剂、抗融化冰淇淋及其生产方法 |
JP2020058334A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | 森永乳業株式会社 | 冷菓及び冷菓の製造方法 |
JP2021184774A (ja) * | 2017-07-28 | 2021-12-09 | 森永乳業株式会社 | 冷菓の製造方法、及び冷菓 |
WO2022176916A1 (ja) * | 2021-02-19 | 2022-08-25 | 森永乳業株式会社 | 冷菓 |
CN115956622A (zh) * | 2021-10-11 | 2023-04-14 | 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 | 一种冷冻饮品及其制备方法 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013075051A patent/JP2014198019A/ja active Pending
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CN109793093A (zh) * | 2019-03-14 | 2019-05-24 | 天津商业大学 | 一种乳化稳定剂、抗融化冰淇淋及其生产方法 |
WO2022176916A1 (ja) * | 2021-02-19 | 2022-08-25 | 森永乳業株式会社 | 冷菓 |
CN115956622A (zh) * | 2021-10-11 | 2023-04-14 | 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 | 一种冷冻饮品及其制备方法 |
CN115956622B (zh) * | 2021-10-11 | 2024-02-23 | 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 | 一种冷冻饮品及其制备方法 |
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