JP2019030274A - 冷菓 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイスバーの形態であり、かき氷様の食感、冷涼感に優れ、ソース部の食感も楽しめ、スティックが抜け難い冷菓を提供する。【解決手段】シロップ部中に氷片を含むみぞれ部2と、みぞれ部2内に設けられたソース部3と、みぞれ部2の外側に設けられた硬質層4とを有する冷菓本体1と、冷菓本体1に挿入されたスティック6とを備える冷菓であって、硬質層4の凝固点は、シロップ部の凝固点より高く、シロップ部の凝固点はソース部3の凝固点より高く、硬質層4は、少なくとも、冷菓本体1のスティック6の挿入位置6aを含む領域に設けられており、冷菓本体1の外面に、みぞれ部2が露出している露出部があることを特徴とする冷菓。【選択図】図1

Description

本発明は、冷菓に関する。
ブロック状の冷菓本体にスティックが挿入されており、スティックを把持して食べるアイスバーの形態の冷菓において、外層(シェル層)とその内部とで食感が異なるものが知られている。
特許文献1には、比較的硬いシェル層の内部にソース部を設けた冷菓が記載されている。ソース部は凝固点が低く、食する際の温度で軟らかくなりやすい組成物からなり、シェル層とソース部との食感の違いを楽しむことができる。
また、シロップのみの凍結物からなるシェル層の内部に、シロップに氷片を混合して凍結させたみぞれ部を設けた冷菓が上市されている。みぞれ状の冷菓は、かき氷様の食感、冷涼感が得られるものとして人気が高い。
特開2014−198019号公報
本発明者等は、かき氷様の食感、冷涼感に優れるとともに、ソース部の食感も楽しめるアイスバーを開発すべく研究を行うなかで、下記の課題を見出した。
特許文献1ではシェル層の内部にソース部を設けたが、みぞれ部内にソース部を設けるとスティックが抜けやすい。また、みぞれ部の全体をシェル層で覆うと、かき氷様の食感、冷涼感が損なわれてしまう。
本発明は、アイスバーの形態であり、かき氷様の食感、冷涼感に優れ、ソース部の食感も楽しめ、スティックが抜け難い冷菓を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] シロップ部中に氷片を含むみぞれ部と、前記みぞれ部内に設けられたソース部と、前記みぞれ部の外側に設けられた硬質層とを有する冷菓本体と、前記冷菓本体に挿入されたスティックとを備える冷菓であって、
前記硬質層の凝固点は、前記シロップ部の凝固点より高く、前記シロップ部の凝固点は前記ソース部の凝固点より高く、
前記硬質層は、少なくとも、前記冷菓本体の前記スティックの挿入位置を含む領域に設けられており、前記冷菓本体の外面に前記みぞれ部が露出している露出部がある、ことを特徴とする冷菓。
[2] 前記ソース部が前記スティックと接触している、[1]の冷菓。
本発明によれば、アイスバーの形態であり、かき氷様の食感、冷涼感に優れ、ソース部の食感も楽しめ、スティックが抜け難い冷菓が得られる。
本発明の冷菓の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の冷菓の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の冷菓の第3の実施形態を示す断面図である。 比較例の冷菓の断面図を用いて、評価方法を説明する図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
冷菓とはアイスクリーム類および氷菓の総称である。氷菓とは、冷菓のうち乳固形分が3%未満であるものを意味する。
固形分とは、水分を除いた成分(総量から水分を減じた乾燥物量)を意味する。
凝固点とは、1気圧において液相と固相とが平衡を保つときの温度をいう。
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る冷菓の第1の実施形態を示した断面図である。本実施形態の冷菓は、ブロック状の冷菓本体1にスティック6が挿入されたアイスバーの形態である。冷菓本体1は、みぞれ部2と、みぞれ部2内に設けられたソース部3と、みぞれ部2の外側に設けられた硬質層4とを有する。また、みぞれ部2およびソース部3からなる領域に固体食品5が分散されている。
冷菓本体1の形状は特に限定されない。本実施形態において、冷菓本体1は略直方体である。図1はスティック6が露出するように切断した断面を示している。
スティック6の挿入方向をX方向、図1に示す断面内でX方向に垂直な方向をY方向とする。
スティック6は、その一端部が冷菓本体1に挿入されている。他端部は把持部であり、冷菓本体1から突き出ている。スティック6が挿入されている端面1aは平面であってもよく、曲面であってもよく、凹凸を有する面であってもよい。
スティック6の両側には、X方向に連続する略柱状のソース部3がそれぞれ設けられている。スティック6近傍のソース部3は少なくとも一部がスティック6と接触している。2つのソース部3は、スティック6が存在しない領域で互いに連なっている。
充填するソースの量が多いほど、ソース部3の食感がより強調される一方で、ソース部3の一部がスティック6と接触しやすくなる。また、充填するソースの量が多いほど、ソース部3どうしが互いに連なりやすくなる。
本発明者等の知見によれば、硬質層4が無い場合、ソース部3の一部がスティック6と接触していると、これらが接触していない場合に比べてスティック6が抜けやすい。本実施形態は硬質層4を備えるため、ソース部3とスティック6とが接触していても、スティック6が抜けにくい。
硬質層4は、冷菓本体1の、スティック6の挿入位置6aを含む領域に設けられる。本実施形態では、冷菓本体1のX方向の一方の端面1aの全部を覆うように設けられている。
X方向における硬質層4の厚さは、スティック6と硬質層4とが接触している部分の厚さT1が3〜20mmであることが好ましく、4〜7mmがより好ましい。厚さT1が上記範囲の下限値以上であると、スティック6の抜けを防止する効果に優れる。上限値以下であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
みぞれ部2はソース部3を覆うように存在しており、冷菓本体1の、硬質層4が存在しない外面ではみぞれ部2が露出している。本実施形態において、冷菓本体1の外面のうち、X方向の他方の端面1bの全面と、側面1cの硬質層4が存在しない部分がみぞれ部2の露出部である。みぞれ部2の露出部において、固体食品5が露出していてもよい。
<第2の実施形態>
図2は本発明に係る冷菓の第2の実施形態を示した断面図である。本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態においては、硬質層4を、冷菓本体1のX方向の一方の端面1aの全部を覆うように設けたが、硬質層は、少なくとも、スティック6の挿入位置6aを含む領域に設ければよい。
本実施形態において、硬質層14は、冷菓本体11のX方向の一方の端面11aの中央部分に設けられている。Y方向における冷菓本体1の幅W1に対して、硬質層14が存在している領域の幅W2は30〜100%が好ましく、50〜100%がより好ましい。下限値以上であると、スティック6の抜けを防止する効果に優れる。上限値以下であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
X方向とY方向の両方に垂直な方向(図2の紙面に対して垂直なZ方向(不図示))において、硬質層14が存在している領域の幅は、スティック6の抜けを防止する効果に優れる点で10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。
本実施形態において、X方向の他方の端面11bの全面と、側面11cの全面と、一方の端面11aの周縁部がみぞれ部12の露出部である。みぞれ部12の露出部において、固体食品5が露出していてもよい。
<第3の実施形態>
図3は本発明に係る冷菓の第3の実施形態を示した断面図である。本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、冷菓本体21のX方向の両方の端面21a、21bをそれぞれ覆うように、硬質層4、24が設けられている。本実施形態において、スティック6が挿入されている端面21a側の硬質層4を底部硬質層4ともいい、これと反対の端面21b側の硬質層24を先端部硬質層24ともいう。
冷菓本体21に先端部硬質層24を設けることにより、冷菓本体21の強度が向上し、形状維持性に優れる。
X方向における先端部硬質層24の厚さT2は、最も薄い部分で1〜10mmであることが好ましく、2〜4mmがより好ましい。厚さT2が上記範囲の下限値以上であると、冷菓本体21の強度向上効果に優れる。上限値以下であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
先端部硬質層24が、端面21bから側面21cの上端部分にかけて連続的に設けられていると、冷菓本体21の強度がより向上し、形状維持性により優れる。
X方向において、側面21cが先端部硬質層24で覆われている領域の長さL2は、冷菓本体21の強度向上効果に優れる点で、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましい。
X方向において、冷菓本体21の長さL1に対して、先端部硬質層24が存在している領域の長さL2は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。上限値以下であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
本実施形態において、側面21cにおいて先端部硬質層24および底部硬質層4が存在しない部分がみぞれ部22の露出部である。みぞれ部22の露出部において、固体食品5が露出していてもよい。
本実施形態において、冷菓本体1の外面の総面積(スティック6の挿入位置6aを含む)をAとすると、みぞれ部22の露出部の面積は、面積Aに対して40〜80%が好ましく、60〜80%がより好ましい。上記範囲であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
以下は、特に断りのない限り、第1〜第3の実施形態において共通である。
[みぞれ部]
みぞれ部は、シロップ部中に氷片を含む。氷片はシロップ部に分散している。
氷片は氷を粉砕したものであり、平均粒子径は0.5〜5mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。氷片の平均粒子径が上記範囲の下限値以上であると、かき氷様の食感、冷涼感に優れる。
本明細書における氷片の粒子径は、氷片の光学顕微鏡写真、および氷片の画像処理解析から測定された氷片の面積値をもとに、氷片を球円とみなしたときの断面の直径(円相当径)である(単位:μm)。氷片の平均粒子径は、光学顕微鏡写真から得られる100個の氷片の円相当径のメジアン径である。
シロップ部は、少なくとも水および甘味料を含有するシロップ組成物の凍結物である。さらに安定剤を含むことが好ましい。また油脂を含んでもよい。油脂は植物油脂が好ましい。油脂を含む場合は乳化剤を含むことが好ましい。
甘味料としては、冷菓の原料として公知のものを適宜使用できる。砂糖、水あめ、粉飴、異性化糖、乳糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチロール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料;等が例示できる。甘味料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定剤は、冷菓の原料として公知のものを適宜使用できる。ペクチン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、繊維素グルコール酸ナトリウム(カルボキシメチルセルロース)、グアガム、ローカストビーンガム、カラギナン、微結晶セルロース、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、タラガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、マクロホモプシルガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、大豆多糖類等が例示できる。安定剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シロップ部(シロップ組成物)には、甘味料、安定剤、油脂、乳化剤の他に、冷菓において公知の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。例えば、果汁、食塩、酸味料、香料、着色料、卵、乳成分、チョコレート類、抹茶、紅茶、コーヒー、キャラメル、その他の食品添加剤等が挙げられる。
シロップ部(シロップ組成物)の凝固点は−6〜−3℃が好ましく、−5〜−3.5℃がより好ましく、−5〜−4℃がさらに好ましい。上記範囲であるとかき氷様の食感に優れるとともに、硬すぎず、ほどよいガリガリ感を有するものとなる。
シロップ部(シロップ組成物)の固形分は、適切な凝固点が得られるように調整される。例えば25〜50質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましく、30〜40質量%がさらに好ましい。
シロップ部の空気の含有量を表すオーバーラン値(容量基準:OR)は、0〜15%が好ましく、0〜10%がより好ましく、0〜5%がさらに好ましい。
オーバーラン値は、空気を含有させる前のシロップ組成物の容量に対する、シロップ部の含有空気容量の百分率で表される。例えばオーバーラン値が100%の場合、シロップ部は、シロップ組成物と同容量の空気を含むことを意味する。
シロップ部のオーバーラン値が上記範囲の上限値以下であると喫食時に溶け出しにくくなる。オーバーラン値を高くすると、ガリガリとした、硬すぎない食感が得られやすい。
みぞれ部において、シロップ部と氷片の合計に対して、氷片の含有量は10〜60質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であるとかき氷様の食感、冷涼感に優れる。上限値以下であるとガリガリとした食感であって硬くなりすぎない。
[ソース部]
ソース部は、15℃において流動性を有するソース組成物の凍結物である。
本発明において、流動性を有するとは、ボストウィック粘度計で測定される、測定時間30秒の流動距離が15cm以上であることを意味する。
ソース組成物の例としては、フルーツソース、フルーツプレザーブ、カラメルソース、練乳、チョコレート類、蜂蜜類等が挙げられる。
ソース組成物の凝固点は−13〜−4℃である。好ましくは−11〜−6℃であり、−9〜−7℃がより好ましい。凝固点が上記範囲の下限値以上であると喫食時にダラダラとした液状になりにくく、上限値以下であるとほどよい硬さの冷菓となる。
ソース部の凝固点は、シロップ部の凝固点より低い。スティックが抜けやすく、本発明を適用することによる効果が大きい点からは、両者の凝固点の差は3℃以上が好ましく、4℃以上がより好ましい。
ソース部(ソース組成物)の固形分は、適切な凝固点が得られるように調整される。例えば30〜75質量%が好ましく、35〜60質量%がより好ましく、40〜50質量%がさらに好ましい。
ソース部のオーバーラン値(OR)は、0〜20%が好ましく、0〜10%がより好ましく、0〜5%がさらに好ましい。上記範囲の上限値以下であるとソースとしての味の濃厚さを感じやすいものとなる。
冷菓本体において、みぞれ部100質量部に対してソース部は4〜20質量部が好ましく、5〜18質量部がより好ましく、6〜16質量部がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であるとソースの食感に優れる。上限値以下であるとかき氷様の食感を大きく損なわず、かつ、みぞれとソースの一体感を味わうことが可能である。
[硬質層]
硬質層は凝固点が−4℃以上である硬質層組成物の凍結物である。凝固点が−4℃以上であると、スティックの抜け防止効果に優れる。
硬質層(硬質層組成物)は、少なくとも水および甘味料を含有する硬質層組成物の凍結物であることが好ましい。さらに安定剤を含むことが好ましい。また油脂を含んでもよい。油脂は植物油脂が好ましい。油脂を含む場合は乳化剤を含むことが好ましい。
原料の例としてはシロップ部(シロップ組成物)の原料と同様のものが挙げられる。
硬質層(硬質層組成物)の凝固点は、好ましくは−4℃以上であり、−3℃以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、喫食時の食感の点からは−1.5℃以下が好ましく、−2℃以下がより好ましい。
硬質層の凝固点は、シロップ部の凝固点より高い。硬質層を設けることによる効果に優れる点から、両者の凝固点の差は1℃以上が好ましく、1.5℃以上がより好ましく、2℃以上がさらに好ましい。
硬質層(硬質層組成物)の固形分は、適切な凝固点が得られるように調整される。例えば15〜35質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。
硬質層のオーバーラン値(OR)は、0〜20%が好ましく、0〜10%がより好ましく、0〜5%がさらに好ましい。上記範囲の上限値以下であると融解しにくくスティック抜けの抑制効果が高い。
[固体食品]
冷菓中でソース部は連続相をなしており、固体食品は粒状、小片状で分散されている。
固体食品としては、0℃において保形性を有するものが用いられる。
保形性を有するとは、0℃において、変形しないか、またはボストウィック粘度計で測定される、測定時間30秒の流動距離が1cm未満であることを意味する。
固体食品が融点を有する場合は、融点が15℃以上であることが好ましい。固体食品は融点を有さない固体でもよい。例えば、果肉、豆類、チョコレート、クッキー、ゼリー、マシュマロ、キャラメルチップ等が挙げられる。
固体食品の大きさは特に限定されないが、同体積の立方体の1辺が1〜10mmであることが好ましく、3〜8mmがより好ましく、5〜7mmがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると風味や食感を感じやすく、上限値以下であると、製造時において、スティックを挿す際に、スティック折れや斜めに傾く等の問題が生じにくくなる。
固体食品は、みぞれ部にのみ分散されていてもよく、みぞれ部およびソース部からなる領域に分散されていてもよい。
冷菓本体中に分散させる固体食品の量を多くすると、固体食品の食感をより強調することができる一方で、スティックが抜けやすくなる。本発明では、スティックの挿入位置を含む領域に硬質層を設けたことにより、該硬質層を有さない場合に比べて固体食品を多く含有させることができる。
冷菓本体の、硬質層を除いた総体積に対して、固体食品の体積が3〜20体積%であることが好ましく、3〜15体積%がより好ましく、4〜10体積%がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、固体食品を含有させることによる食感の向上効果、嗜好性の向上効果に優れる。上限値以下であると、製造時において、スティックを挿す際に、スティック折れや斜めに傾く等の問題が生じにくくなる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<原料>
[硬質層組成物(1)の調製]
表1に示す硬質層組成物(1)の原料を混合溶解し、加熱殺菌し、5℃に冷却して硬質層組成物(1)を得た。硬質層組成物(1)の固形分は29.24質量%、凝固点は−2.7℃、オーバーランは0%である。
[果肉入りみぞれ部組成物(1)の調製]
表1に示すシロップ組成物(1)の原料を混合溶解し、加熱殺菌し、5℃に冷却してシロップ組成物(1)を得た。シロップ組成物(1)のオーバーランは0%である。
水の凍結物を破砕した氷片の50質量部と、シロップ組成物(1)の50質量部とを混合し、精粒機(大東食品機械社製)を用いて氷片の平均粒子径を1〜2mmに調整した。この混合物100質量部に対して、表2に示す組成のピーチ果肉入りプレザーブ25質量部を混合して、果肉入りみぞれ部組成物(1)を得た。
ピーチ果肉入りプレザーブの総質量に対して果肉は40質量%である。ピーチ果肉入りプレザーブ中の、果肉を除いた残部(シロップ部)は固形分40質量%、水分60質量%である。
果肉入りみぞれ部組成物(1)の組成(仕込み比)は、氷片40質量%、果肉8質量%、シロップ部(氷片と果肉を除いた部分)52質量%である。
シロップ部と氷片の合計に対して、氷片の含有量は42質量%である。
シロップ部の固形分は37質量%、凝固点は−4.5℃、オーバーランは0%である。
[ソース組成物(1)の調製]
表3に示すソース組成物(1)の原料を混合溶解し、加熱殺菌し、5℃に冷却してソース組成物(1)を得た。ソース組成物(1)の固形分は50質量%、凝固点は−9℃、オーバーランは0%である。
Figure 2019030274
Figure 2019030274
Figure 2019030274
<実施例1>
図3に示す形状の冷菓を製造した。冷菓本体21の形状は略直方体で、X方向の長さL1は95mm、Y方向の幅W1は48mm、X方向とY方向の両方に垂直な方向における厚さは20mmとした。
まず、硬質層組成物(1)(約5℃)の10gを、成形型内へ充填し、この成形型を−35℃の不凍液に浸漬した。成形型の内面に接触している部分が約2mm厚さに凍結した時点で、内部の未凍結部分を吸引除去し、凍結部分からなる先端部硬質層24を形成した。
この上に、果肉入りみぞれ部組成物(1)(約−3℃)の60gを充填した。成形型の内面に接触している部分が約4mm厚さに凍結した時点で、ソース(約5℃)を2箇所に、それぞれ4gずつ(合計8g)を注入した。具体的には、2本のノズルをスティックの挿入位置6aの両側に、X方向に挿入してソースを注入して、ソース部3を形成した。スティックの挿入位置6aにスティック6を挿入し、さらに底部硬質層4となる硬質層組成物(1)(約5℃)の8gを充填した。この状態で、全体を十分に凍結させて、先端部硬質層24とみぞれ部22と底部硬質層4とが一体化された冷菓を成形型から取り出した。
得られた冷菓において、先端部硬質層24および底部硬質層4の凝固点は−2.7℃、固形分は30%、オーバーランは0%である。
みぞれ部22中のシロップ部の凝固点は−4℃、固形分は37%、オーバーランは0%である。
ソース部3の凝固点は−9℃、固形分は40%、オーバーランは0%である。
底部硬質層4の厚さT1は5mmであった。
先端部硬質層24の厚さT2は2mmであり、X方向において、先端部硬質層24が存在する長さL2は15mmであった。
冷菓本体21の外面の総面積に対して、みぞれ部22の露出部の面積(先端部硬質層24および底部硬質層4を除いた面積)は70%であった。
冷菓本体21の総質量(ソース部3およびみぞれ部22の合計)に対してソース部3は9質量%である。断面を観察してソース部3がスティック6と接触していることを確認した。
冷菓本体21の、先端部硬質層24および底部硬質層4を除いた総体積に対して、果肉の体積は7体積%であった。
<比較例1>
比較例として、図4(断面図)に示す形状の冷菓を下記の方法で製造した。本例の冷菓は、実施例1において、底部硬質層4を設けず、X方向おいて先端部硬質層24が存在する長さL2を変更したものである。
図4の例において、図3の例と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
硬質層組成物(1)を成形型内へ充填する際の充填量を33gに変更した。その他は実施例1と同様にして先端部硬質層24を形成し、その上に果肉入りみぞれ部組成物(1)を充填し、ソースを充填し、スティック6を挿入した。この状態で、全体を十分に凍結させて、先端部硬質層24とみぞれ部32とが一体化された冷菓を成形型から取り出した。
得られた冷菓において、先端部硬質層24の厚さT2は2mmであり、X方向おいて先端部硬質層24が存在する長さL2は45mmであった。
冷菓本体31の外面の総面積に対して、みぞれ部32の露出部の面積(先端部硬質層24を除いた面積)は52%であった。
冷菓本体31の総質量(ソース部3およびみぞれ部32の合計)に対してソース部3は8質量%である。断面を観察してソース部3がスティック6と接触していることを確認した。
冷菓本体31の、先端部硬質層24を除いた総体積に対して、果肉の体積は4体積%であった。
<評価方法>
実施例1および比較例1で得た冷菓を、図4に示すように、スティック6の把持部を上方に向けて吊り下げた状態で、27℃に温度調節された庫内に入れ、冷菓本体が落下するまでの時間を測定した。
なお、スティックの把持部が上方であると、該把持部が下方である場合に比べてスティックの抜けが生じ易いため、スティックの把持部を上方にして試験を行った。
その結果、実施例1は25分55秒、比較例は19分03秒であり、スティックの挿入位置を含む領域に硬質層(底部硬質層)を設けることにより、スティックが抜け難くなることが確認された。
1、11、21、31 冷菓本体
2、12、22、32 みぞれ部
3 ソース部
4 硬質層(底部硬質層)
5 固体食品
6 スティック
6a 挿入位置
1a、1b、11a、11b、21a、21b 端面
1c、11c、21c 側面
14 硬質層
24 硬質層(先端部硬質層)

Claims (2)

  1. シロップ部中に氷片を含むみぞれ部と、前記みぞれ部内に設けられたソース部と、前記みぞれ部の外側に設けられた硬質層とを有する冷菓本体と、前記冷菓本体に挿入されたスティックとを備える冷菓であって、
    前記硬質層の凝固点は、前記シロップ部の凝固点より高く、前記シロップ部の凝固点は前記ソース部の凝固点より高く、
    前記硬質層は、少なくとも、前記冷菓本体の前記スティックの挿入位置を含む領域に設けられており、
    前記冷菓本体の外面に前記みぞれ部が露出している露出部がある、ことを特徴とする冷菓。
  2. 前記ソース部が前記スティックと接触している、請求項1に記載の冷菓。
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