JP7406239B2 - 振動試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動試験装置に関する。
従来、供試体に対する振動試験を行う振動試験装置が知られている。供試体は、例えば自動車用の部品である。振動試験では、供試体が保持された振動台を所定の周波数と加速度で振動させ、自動車用の部品等の性能試験や、安全性に関する試験が行われている。
振動試験では、供試体を低周波から高周波まで幅広い周波数帯で、かつ大きい加速度で加振させることが求められている。特許文献1には、複数の加振機を組み合わせて大きい加速度で加振させるようにした振動試験装置が開示されている。特許文献1の振動試験装置では、第1加振機によって加振される第1振動台上に、第2加振機および第2振動台が設置されている。供試体は第2振動台に載置される。第1および第2加振機を同期させて振動させることで、加振機の単独使用では得られない加速度で供試体を加振できるとされている。
実開昭61-122544号公報
しかしながら、特許文献1の振動試験装置は、大型の供試体を加振させるための振動試験装置であり、第1振動台上に設置される第2加振機や第2振動台も大型であり、重量が大きい。重量のある振動台を高周波数帯まで加振させる場合は、加速度が小さくなるという問題がある。
また、振動台を高周波数帯まで加振させる場合は、振動台や加振機等を堅牢な構造にする必要がある。構造を堅牢にすることで重量が増加すると、加振機をさらに大型化する必要が生じ、重量が増加して振動台を高周波数帯まで加振できなくなるという問題が生じる。このため、供試体を低周波から高周波まで幅広い周波数帯で、かつ大きい加速度で加振させることは容易ではなかった。
さらに、振動試験においては、供試体を水平方向(前後方向、左右方向)および鉛直方向(上下方向)の3軸方向について振動試験を行う必要があるが、一軸方向のみに加振する振動試験装置では、振動台に対する供試体の保持姿勢を変更しながら振動試験を行う必要があり、振動試験に手数を要している。このため、振動台に対する供試体の保持姿勢を変更させずに3軸方向について振動試験を行うことや、3軸方向に同時に加振させることができる3軸振動試験装置が求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、供試体を低周波から高周波まで幅広い周波数帯、かつ大きい加速度で、3軸方向に加振させることができる振動試験装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明の振動試験装置は、
第1振動台と、
前記第1振動台に支持されるとともに、供試体を保持する第2振動台と、
前記第1振動台を第1方向に沿って振動させる第1加振機と、
前記第1振動台を前記第1方向に直交する第2方向に沿って振動させる第2加振機と、
前記第1振動台を前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿って振動させる第3加振機と、
前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第1方向に沿って振動させる第4加振機と、
前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第2方向に沿って振動させる第5加振機と、
前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第3方向に沿って振動させる第6加振機と、
を備え、
前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機は、アクチュエータとしてそれぞれ複数の圧電素子が用いられている(第1の構成)。
上記構成によれば、第1振動台は、第1加振機、第2加振機、および第3加振機によって加振され、第1振動台に支持されるとともに供試体を保持する第2振動台は、複数の圧電素子を有する第4加振機、第5加振機、および第6加振機によって加振される。
圧電素子によれば、供試体を高周波の領域で加振することができるため、比較的低周波の領域では、第1加振機、第2加振機、および第3加振機で供試体を加振し、比較的高周波の領域では、圧電素子を用いた第4加振機、第5加振機、および第6加振機で供試体を加振することができる。また、圧電素子は軽量であるため、第1加振機、第2加振機、および第3加振機で加振する比較的低周波の領域においても供試体を大きい加速度で加振することができ、比較的高周波の領域では、圧電素子によって供試体を大きい加速度で加振することができる。さらに、第1加振機から第6加振機により、互いに直交する第1方向、第2方向および第3方向に沿って供試体を加振することができる。
このため、供試体を低周波から高周波まで幅広い周波数帯、かつ大きい加速度で、3軸方向に加振させることができる。
本発明の振動試験装置の具体構成として、次の構成が挙げられる。
上記第1の構成において、
前記第4加振機は、前記第2方向および前記第3方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有し、
前記第5加振機は、前記第1方向および前記第3方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有し、
前記第6加振機は、前記第1方向および前記第2方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有してもよい(第2の構成)。
上記構成によれば、第4加振機、第5加振機、および第6加振機は、加振する方向と直交する2方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有している。
このため、加振力を大きくすることができ、比較的高周波の領域において、供試体を大きい加速度で加振することができる。
上記第1または第2の構成において、
前記第1加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第1方向のみの変位を伝達する第1連結部によって連結され、
前記第2加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第2方向のみの変位を伝達する第2連結部によって連結され、
前記第3加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第3方向のみの変位を伝達する第3連結部によって連結され、
前記第4加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第1方向のみの変位を伝達する第4連結部によって連結され、
前記第5加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第2方向のみの変位を伝達する第5連結部によって連結され、
前記第6加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第3方向のみの変位を伝達する第6連結部によって連結されてもよい(第3の構成)。
上記構成によれば、第1加振機から第3加振機は、加振する方向以外の変位が伝達されないように第1振動台に連結されており、第4加振機から第6加振機は、加振する方向以外の変位が伝達されないように第1振動台および第2振動台に連結されている。
このため、第2振動台のクロストークを低減させることができる。
上記第1から第3のいずれかの構成において、
前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を圧電素子ごとに制御してもよい(第4の構成)。
上記構成によれば、制御部は、第4加振機、第5加振機、および第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を圧電素子ごとに制御する。
このため、圧電素子ごとの動作を制御することにより、第2振動台のクロストークを低減させることができるとともに、第2振動台の変形による周波数や加速度のばらつきを低減させることができる。
上記第1から第3のいずれかの構成において、
前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子をそれぞれ複数の素子群に分け、複数の圧電素子の動作を前記素子群ごとに制御してもよい(第5の構成)。
上記構成によれば、制御部は、第4加振機、第5加振機、および第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を素子群ごとに制御する。
このため、複数の圧電素子の動作を素子群ごとに制御することにより、制御を容易にするとともに、第2振動台のクロストークを低減させ、かつ、第2振動台の変形による周波数や加速度のばらつきを低減させることができる。
本発明の振動試験装置によれば、供試体を低周波から高周波まで幅広い周波数帯、かつ大きい加速度で、3軸方向に加振させることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る振動試験装置をY軸方向から見た図である。 図2は、振動試験装置をZ軸方向から見た図である。 図3は、第1加振機を振動軸に沿って切断した断面図である。 図4は、第1加振機を+X軸方向側から-X軸方向側に見た図である。 図5は、振動試験装置の周波数と応答の関係を示すグラフである。
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1に係る振動試験装置100を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[全体構成]
まず、振動試験装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る振動試験装置100をY軸方向から見た図であり、図2は、振動試験装置100をZ軸方向から見た図である。図1では第2加振機32を省略しており、図2では第3加振機33を省略している。
本実施形態では、Z軸方向を垂直方向(鉛直方向)とし、Y軸方向を水平方向とし、YZ平面に垂直な方向をX軸方向とする。X軸方向は、本発明の第1方向に相当し、Y軸方向は、本発明の第2方向に相当し、Z軸方向は、本発明の第3方向に相当するものとする。
図1、図2に示すように、振動試験装置100は、第1振動台11、第2振動台21、第1加振機31、第2加振機32、第3加振機33、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53、制御部(図示せず)等を備えている。振動試験装置100は、第2振動台21上に保持された供試体Wに対し、X軸方向の加振、Y軸方向の加振、およびZ軸方向の加振を同時または個別に行うことが可能な3軸振動試験装置である。振動試験装置100は、基台(図示せず)上に設置されるが、基台についての説明は省略する。
第1振動台11は、第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33に連結されてX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に加振されるとともに、第2振動台21を支持する振動台である。第1振動台11は、第1X軸振動台12、第1Y軸振動台13、および第1Z軸振動台14を有している。第1X軸振動台12は、X軸方向に直交する方向に配置されている。第1Y軸振動台13は、Y軸方向に直交する方向に配置されている。第1Z軸振動台14は、Z軸方向に直交する方向に配置されている。第1X軸振動台12、第1Y軸振動台13、および第1Z軸振動台14は、それぞれ金属板で構成され、相互に直交した状態で一体に接合されている。
第2振動台21は、第1振動台11に支持されるとともに、供試体Wを保持する振動台である。供試体Wは、図示しない治具によって第2振動台21に固定される。第2振動台21は、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53を介して第1振動台11に支持されている。第2振動台21は、第2X軸振動台22、第2Y軸振動台23、および第2Z軸振動台24を有している。第2X軸振動台22は、X軸方向に直交する方向に配置されている。第2Y軸振動台23は、Y軸方向に直交する方向に配置されている。第2Z軸振動台24は、Z軸方向に直交する方向に配置されている。第2X軸振動台22、第2Y軸振動台23、および第2Z軸振動台24は、それぞれ金属板で構成され、相互に直交した状態で一体に接合されている。
第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33は、動電型加振機である。第1加振機31は、第1連結部61を介して第1X軸振動台12に連結されている。第1加振機31は、第1振動台11をX軸方向に沿って振動させる。第1加振機31は、振動軸L1がX軸方向に対して平行となるように配置されている。
第1連結部61は、X軸方向のみの変位を伝達する連結装置である。第1連結部61は、Y軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)と、Z軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)とが組み合わされることにより、X軸方向のみの変位を伝達するように構成されている。このため、第1加振機31によるX軸方向の振動が第1振動台11に伝達されるとともに、他の加振機(第2加振機32および第3加振機33)と協動して第1振動台11を3軸方向に加振させることが可能である。
第2加振機32は、第2連結部62を介して第1Y軸振動台13に連結されている。第2加振機32は、第1振動台11をY軸方向に沿って振動させる。第2加振機32は、振動軸L2がY軸方向に対して平行となるように配置されている。
第2連結部62は、Y軸方向のみの変位を伝達する連結装置である。第2連結部62は、X軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)と、Z軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)とが組み合わされることにより、Y軸方向のみの変位を伝達するように構成されている。このため、第2加振機32によるY軸方向の振動が第1振動台11に伝達されるとともに、他の加振機(第1加振機31および第3加振機33)と協動して第1振動台11を3軸方向に加振させることが可能である。
第3加振機33は、第3連結部63を介して第1Z軸振動台14に連結されている。第3加振機33は、第1振動台11をZ軸方向に沿って振動させる。第3加振機33は、振動軸L3がZ軸方向に対して平行となるように配置されている。
第3連結部63は、Z軸方向のみの変位を伝達する連結装置である。第3連結部63は、X軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)と、Y軸方向に配置された直動ガイド(リニアガイド)とが組み合わされることにより、Z軸方向のみの変位を伝達するように構成されている。このため、第3加振機33によるZ軸方向の振動が第1振動台11に伝達されるとともに、他の加振機(第1加振機31および第2加振機32)と協動して第1振動台11を3軸方向に加振させることが可能である。
ここで、動電型加振機である第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33の構成について説明する。第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33は同一の構成を有しているため、第1加振機31の構成についてのみ説明する。
図3は、第1加振機31を振動軸L1に沿って切断した断面図である。図3に示すように、第1加振機31は、励磁コイル341,342、ヨーク35、およびドライブコイル37等を備えている。励磁コイル341,342は、静磁場を形成する。ヨーク35は、励磁コイル341,342により形成された静磁場による磁気回路および磁気ギャップを形成する。ドライブコイル37は、磁気ギャップ内に配置される振動発生用のコイルである。
ヨーク35は、第1ヨーク部351、第2ヨーク部352、および第3ヨーク部353を一体的に組み合わせて構成されている。第1ヨーク部351、第2ヨーク部352、および第3ヨーク部353は、強磁性体によって形成されている。第1ヨーク部351の外周面と、第2ヨーク部352の内周面との間に磁気ギャップが形成されている。なお、ヨーク35を構成する第1ヨーク部351、第2ヨーク部352、および第3ヨーク部353の材質としては、高透磁率で高強度の磁性材料、例えばSS400等の低炭素鋼を好適に用いることが可能である。
励磁コイル341,342は、円筒状に巻回されており、第2ヨーク部352の内周面において振動軸L1方向に離隔した状態で並んで取り付けられている。励磁コイル341,342は、第3ヨーク部353と、第1ヨーク部351の外鍔354とによって位置決めされている。
ドライブコイル37は、非磁性体からなる筒体39の一端側(図3では、-X軸方向側)の外周面に巻回されている。ドライブコイル37は、励磁コイル341,342と、ヨーク35(第1ヨーク部351、第2ヨーク部352、および第3ヨーク部353)との対向間の磁気ギャップ内に、励磁コイル341,342およびヨーク35に対し非接触の状態で挿入されている。なお、筒体39の材質としては、非磁性体の高強度の金属(例えばアルミニウム合金)や、合成樹脂(例えばカーボンファイバ)等を好適に用いることが可能である。
ドライブコイル37および筒体39は、X軸方向に沿ってスライド可能に設けられている。具体的には、制御部(図示せず)によって電力増幅器を介して励磁コイル341,342に直流電流を供給することにより、励磁コイル341,342を取り巻くヨーク35内に磁気回路(静磁場)が生成される。ヨーク35には上述したような磁気ギャップが形成されており、磁気ギャップ内に配置されたドライブコイル37に所定周波数の交流電流を制御部により供給することによって、磁気ギャップに生成される静磁場とドライブコイル37に供給される交流電流との間に働く力により、ドライブコイル37が磁束の方向と直交する方向にスライドする。この場合、ドライブコイル37および筒体39は、ヨーク35から外方へ向けて突出(前進)する方向(図3では、+X軸方向)のスライドと、ヨーク35へ向けて内方(図3では、-X軸方向)へ退避(後退)する方向のスライドとを繰り返し行う。つまり、ドライブコイル37および筒体39が、ドライブコイル37に供給される交流電流の信号に応じた周波数で水平方向に沿って振動する。
筒体39の内部には、ドライブコイル37および筒体39の水平方向のスライドを案内する案内棒40、ガイドローラ41、および支持部42が設けられている。ガイドローラ41は、第1ヨーク部351の内壁面に支持されており、案内棒40を水平方向に案内する。ガイドローラ41は、案内棒40の周囲に120度間隔で3箇所に配置されており、図3では、3箇所のガイドローラ41のうち1箇所のガイドローラ41が見えている。なお、ガイドローラ41は、案内棒40の周囲に90度間隔で4箇所に配置されていてもよい。支持部42は、第3ヨーク部353の端部と筒体39との間に配置されている。筒体39の他端側(図3では、+X軸方向側)は、第1連結部61を介して第1X軸振動台12に連結されている(図1参照)。
振動試験装置100では、制御部(図示せず)により第1加振機31を駆動することによって、ドライブコイル37、筒体39、第1連結部61、および第1振動台11等が一体的にX軸方向に沿って振動し、第2振動台21上に保持された供試体Wに対するX軸方向の加振が行われる。
図4は、第1加振機31を+X軸方向側から-X軸方向側に見た図である。図4に示すように、支持部42は、第3ヨーク部353の端部と筒体39との間に配置されている。支持部42は、筒体39の周囲に90度間隔で4箇所に配置されている。なお、支持部42は、筒体39の周囲に120度間隔で3箇所に配置されていてもよい。
図1、図2に戻って、第4加振機51は、第1振動台11(第1X軸振動台12)と第2振動台21(第2X軸振動台22)の間に配置されている。第4加振機51は、第1振動台11と第2振動台21を連結するとともに、第2振動台21を第1振動台11に対してX軸方向に沿って振動させる。第4加振機51は、複数の圧電素子56(ピエゾ素子)、および複数の第4連結部71を有している。
圧電素子56は、第4加振機51の加振力を生じさせるアクチュエータである。圧電素子56は、所定周波数の交流電流を制御部により供給することによって、交流電流の周波数に応じた周波数で振動し、加振力を発生させる。また、圧電素子56は、動電型加振機よりも高い周波数帯で加振力を発生させることが可能である。第4加振機51では、圧電素子56はY軸方向およびZ軸方向に沿ってそれぞれ複数配置されている。各圧電素子56は、振動方向がX軸方向に沿うように配置されている。制御部は、複数の圧電素子56が全て同期した状態でX軸方向に振動するように制御する。
第4連結部71は、各圧電素子56の両面(+X軸方向側および-X軸方向側)に配置され、圧電素子56を挟持するように固定されている。また、-X軸方向側に配置された第4連結部71(711)は、第1振動台11(第1X軸振動台12)に固定され、+X軸方向側に配置された第4連結部71(712)は、第2振動台21(第2X軸振動台22)に固定されている。これにより、第4加振機51は、第1振動台11と第2振動台21を連結している。
第4連結部71は、実質的にX軸方向のみの変位を伝達する連結部である。第4連結部71は例えばゴム素材で形成されており、X軸方向にほとんど変形せず、Y軸方向およびZ軸方向には変形可能となるように構成されている。このため、圧電素子56によるX軸方向の振動が第4連結部71(712)を介して第2振動台21に伝達されるとともに、他の加振機(第5加振機52および第6加振機53)と協動して第2振動台21を3軸方向に加振させることが可能である。
また、第1加振機31によるX軸方向の振動も、第1振動台11および第4加振機51を介して第2振動台21に伝達される。
第5加振機52は、第1振動台11(第1Y軸振動台13)と第2振動台21(第2Y軸振動台23)の間に配置されている。第5加振機52は、第1振動台11と第2振動台21を連結するとともに、第2振動台21を第1振動台11に対してY軸方向に沿って振動させる。第5加振機52は、複数の圧電素子56(ピエゾ素子)、および複数の第5連結部72を有している。
第5加振機52では、圧電素子56はX軸方向およびZ軸方向に沿ってそれぞれ複数配置されている。各圧電素子56は、振動方向がY軸方向に沿うように配置されている。圧電素子56は、第4加振機51に設けられているものと同様のものである。制御部は、複数の圧電素子56が全て同期した状態でY軸方向に振動するように制御する。
第5連結部72は、各圧電素子56の両面(+Y軸方向側および-Y軸方向側)に配置され、圧電素子56を挟持するように固定されている。また、-Y軸方向側に配置された第5連結部72(721)は、第1振動台11(第1Y軸振動台13)に固定され、+Y軸方向側に配置された第5連結部72(722)は、第2振動台21(第2Y軸振動台23)に固定されている。これにより、第5加振機52は、第1振動台11と第2振動台21を連結している。
第5連結部72は、実質的にY軸方向のみの変位を伝達する連結部である。第5連結部72は例えばゴム素材で形成されており、Y軸方向にほとんど変形せず、X軸方向およびZ軸方向には変形可能となるように構成されている。このため、圧電素子56によるY軸方向の振動が第5連結部72(722)を介して第2振動台21に伝達されるとともに、他の加振機(第4加振機51および第6加振機53)と協動して第2振動台21を3軸方向に加振させることが可能である。
また、第2加振機32によるY軸方向の振動も、第1振動台11および第5加振機52を介して第2振動台21に伝達される。
第6加振機53は、第1振動台11(第1Z軸振動台14)と第2振動台21(第2Z軸振動台24)の間に配置されている。第6加振機53は、第1振動台11と第2振動台21を連結するとともに、第2振動台21を第1振動台11に対してZ軸方向に沿って振動させる。第6加振機53は、複数の圧電素子56(ピエゾ素子)、および複数の第6連結部73を有している。
第6加振機53では、圧電素子56はX軸方向およびY軸方向に沿ってそれぞれ複数配置されている。各圧電素子56は、振動方向がZ軸方向に沿うように配置されている。圧電素子56は、第4加振機51に設けられているものと同様のものである。制御部は、複数の圧電素子56が全て同期した状態でZ軸方向に振動するように制御する。
第6連結部73は、各圧電素子56の両面(+Z軸方向側および-Z軸方向側)に配置され、圧電素子56を挟持するように固定されている。また、-Z軸方向側に配置された第6連結部73(731)は、第1振動台11(第1Z軸振動台14)に固定され、+Z軸方向側に配置された第6連結部73(732)は、第2振動台21(第2Z軸振動台24)に固定されている。これにより、第6加振機53は、第1振動台11と第2振動台21を連結している。
第6連結部73は、実質的にZ軸方向のみの変位を伝達する連結部である。第6連結部73は例えばゴム素材で形成されており、Z軸方向にほとんど変形せず、X軸方向およびY軸方向には変形可能となるように構成されている。このため、圧電素子56によるZ軸方向の振動が第6連結部73(732)を介して第2振動台21に伝達されるとともに、他の加振機(第4加振機51および第5加振機52)と協動して第2振動台21を3軸方向に加振させることが可能である。
また、第3加振機33によるZ軸方向の振動も、第1振動台11および第6加振機53を介して第2振動台21に伝達される。
続いて、振動試験装置100の動作について説明する。図5は、振動試験装置100の振動周波数と応答の関係を示すグラフである。
図5では、横軸は対数目盛りで示した振動周波数であり、縦軸は振動に対する応答である。破線は、動電型加振機(第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33)による振動と応答の関係を示しており、実線は、圧電素子56(第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53)による振動と応答の関係を示している。
動電型加振機(第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33)で加振させる振動試験の応答性(破線)は、600Hz付近の領域でピークとなり、周波数が約600Hzを超えると応答性が低下していく。このため、動電型加振機(第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33)を用いることで、おおよそ5Hzから800Hzの周波数帯において、振動試験を行うことが可能である。
一方、圧電素子56(第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53)で加振させる振動試験の応答性(実線)は、800Hzから2000Hzの周波数帯において一定の応答性を保っており、2000Hzを超える周波数帯においても応答性は維持されている。このため、圧電素子56(第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53)を用いることで、おおよそ800Hzから2000Hz以上の周波数帯において、振動試験を行うことが可能である。
このため、比較的低い周波数帯(おおよそ5Hzから800Hz)では動電型加振機(第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33)を用いて加振させ、比較的高い周波数帯(おおよそ800Hzから2000Hz以上)では圧電素子56(第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53)を用いて加振させることで、振動試験装置100は、おおよそ5Hzから2000Hz以上の幅広い周波数帯で一定以上のパフォーマンスを発揮することができる。図5の二点鎖線は、5Hzから2000Hz以上の周波数帯における振動試験装置100の総合的なパフォーマンスを示している。
以上説明した本実施形態に係る振動試験装置100によれば、比較的低周波の領域では、供試体Wを動電型加振機(第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33)で加振し、比較的高周波の領域では、供試体Wを圧電素子56(第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53)で加振することができる。また、圧電素子56は軽量であるため、動電型加振機で加振する比較的低周波の領域においても供試体Wを大きい加速度で加振することができ、比較的高周波の領域では、圧電素子56によって供試体Wを大きい加速度で加振することができる。さらに、第1加振機31から第6加振機53により、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に沿って供試体Wを加振することができる。このため、供試体Wを低周波から高周波まで幅広い周波数帯、かつ大きい加速度で、3軸方向に加振させることができる。
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る振動試験装置100Aについて説明する。
実施形態1に係る振動試験装置100では、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53にそれぞれ設けられた複数の圧電素子56は、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53ごとに全ての圧電素子56が同期した状態で振動するように制御されている。
これに対して、実施形態2に係る振動試験装置100Aでは、制御部は、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53に配置される複数の圧電素子56の動作を圧電素子56ごとに制御する。これにより、例えば、第4加振機51に配置される複数の圧電素子56は、それぞれX軸方向に振動するように制御されるが、全ての圧電素子56を同期させるのではなく、振動に位相差を生じさせるように制御することが可能となる。
この場合、例えば第2振動台21に設置したセンサが検出するクロストークに応じて圧電素子56の振動の位相を制御することにより、第2振動台21のクロストークを低減させ、かつ、第2振動台21の変形による周波数や加速度のばらつきを低減させることができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3に係る振動試験装置100Bについて説明する。
実施形態3に係る振動試験装置100Bでは、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53に配置される複数の圧電素子56をそれぞれ複数の素子群に分け、制御部は、第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53に配置される複数の圧電素子56の動作を素子群ごとに制御する。
例えば、第4加振機51に配置される複数の圧電素子56は、Y軸方向およびZ軸方向に沿ってそれぞれ複数配置されている。Y軸方向に一列に配置されている複数の圧電素子56を一つの素子群とすると、第4加振機51では、複数の素子群がZ軸方向に沿って複数配置されていることとなる。制御部は、圧電素子56の動作を素子群ごとに制御する。これにより、第4加振機51に配置される複数の圧電素子56は、それぞれX軸方向に振動するように制御されるが、素子群ごとに振動に位相差を生じさせるように制御することが可能となる。
この場合、例えば第2振動台21に設置したセンサが検出するクロストークに応じて素子群ごとに圧電素子56の位相を制御することにより、圧電素子56ごとに制御するよりも制御が容易になるとともに、第2振動台21のクロストークを低減させ、かつ、第2振動台21の変形による周波数や加速度のばらつきを低減させることができる。
[変形例]
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、第1振動台11、および第2振動台21の構成は一例であって、他の構成の振動台であってもよい。
上記実施形態では、第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33は動電型加振機としたが、動電型に限定されず、他の種類の加振機を用いてもよい。例えば、第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33として、油圧シリンダを用いた加振機や、サーボモータを用いた加振機を使用してもよい。また、第1加振機31、第2加振機32、および第3加振機33として、それぞれ異なる種類の加振機を使用してもよい。
第4加振機51、第5加振機52、および第6加振機53の構成は一例であって、他の構成としてもよい。
100 振動試験装置
11 第1振動台
21 第2振動台
31 第1加振機
32 第2加振機
33 第3加振機
51 第4加振機
52 第5加振機
53 第6加振機
56 圧電素子
W 供試体

Claims (5)

  1. 第1振動台と、
    前記第1振動台に支持されるとともに、供試体を保持する第2振動台と、
    前記第1振動台を第1方向に沿って振動させる第1加振機と、
    前記第1振動台を前記第1方向に直交する第2方向に沿って振動させる第2加振機と、
    前記第1振動台を前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿って振動させる第3加振機と、
    前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第1方向に沿って振動させる第4加振機と、
    前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第2方向に沿って振動させる第5加振機と、
    前記第1振動台と前記第2振動台を連結するとともに、前記第2振動台を前記第1振動台に対して前記第3方向に沿って振動させる第6加振機と、
    を備え、
    前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機は、アクチュエータとしてそれぞれ複数の圧電素子が用いられており、
    比較的低周波の領域における振動試験では、前記第1加振機、前記第2加振機および前記第3加振機を用いて、前記第2振動台に保持された供試体を加振し、
    前記第1加振機、前記第2加振機および前記第3加振機を用いた振動試験よりも、比較的高周波の領域における振動試験では、前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機を用いて、前記第2振動台に保持された供試体を加振する、
    振動試験装置。
  2. 前記第4加振機は、前記第2方向および前記第3方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有し、
    前記第5加振機は、前記第1方向および前記第3方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有し、
    前記第6加振機は、前記第1方向および前記第2方向に沿ってそれぞれ複数配置される複数の圧電素子を有する、
    請求項1に記載の振動試験装置。
  3. 前記第1加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第1方向のみの変位を伝達する第1連結部によって連結され、
    前記第2加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第2方向のみの変位を伝達する第2連結部によって連結され、
    前記第3加振機と前記第1振動台は、実質的に前記第3方向のみの変位を伝達する第3連結部によって連結され、
    前記第4加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第1方向のみの変位を伝達する第4連結部によって連結され、
    前記第5加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第2方向のみの変位を伝達する第5連結部によって連結され、
    前記第6加振機と、前記第1振動台および前記第2振動台は、それぞれ実質的に前記第3方向のみの変位を伝達する第6連結部によって連結される、
    請求項1または請求項2に記載の振動試験装置。
  4. 前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第2振動台のクロストークを低減させるように、前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を圧電素子ごとに制御する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動試験装置。
  5. 前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子の動作を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第4加振機、前記第5加振機、および前記第6加振機に配置される複数の圧電素子をそれぞれ複数の素子群に分け、前記第2振動台のクロストークを低減させるように、複数の圧電素子の動作を前記素子群ごとに制御する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動試験装置。
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