JP6849455B2 - 振動試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動試験装置に関する。
従来、振動台上に保持された供試体に対する振動試験を行う振動試験装置が知られている。この種の振動試験装置の供試体としては、自動車用の部品や、タイヤ等があり、振動試験装置によって、自動車用の部品等の性能試験や、安全性に関する試験が行われる。
振動試験装置として、例えば特許文献1に示されるような振動試験装置が知られている。この振動試験装置には、動電型の加振機(振動発生機)が備えられており、この加振機は、静磁場を生成するための励磁コイルと、励磁コイルにより生成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するための強磁性体からなるヨークと、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルと、ドライブコイルと一体に形成された振動台とを備えた構成になっている。そして、励磁コイルに直流電流を供給し、ドライブコイルに所定周波数の交流電流を供給することにより、振動台を所定の周波数で振動させ、供試体に対する振動試験を行うようにしている。
特開2003−337079号公報
ところで、上述したような振動試験装置では、動電型の加振機によって振動台を所定の周波数で水平方向に沿って加振(水平加振)する際、次のような問題点がある。すなわち、振動台の組み付け時のガタや、振動台を支持する軸受け(例えば流体軸受け)と振動台との間の隙間等に起因して、振動台及び供試体の重心を中心とする回転力が振動台に発生し、加振方向ではない垂直方向の共振(クロストーク共振)が発生する可能性があり、振動試験の精度が悪化することが懸念される。つまり、垂直方向の加振(垂直加振)を行っていないにもかかわらず、振動台に垂直方向の加速度(クロストーク加速度)が発生し、振動台が共振する可能性がある。例えば、側面視で、振動台が長尺の形状(例えば長方形等)である場合、振動台及び供試体の重心が、加振機の加振軸から大きくオフセットする可能性があり、上述のような問題点が特に懸念される。
本発明は上述したような実情を考慮してなされたもので、水平加振時に、振動台に発生する垂直方向のクロストーク加速度を低減して振動試験の精度を向上させることが可能な振動試験装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、供試体が保持される振動台と、前記振動台の水平方向の一端側に連結され、且つ前記振動台を水平方向に沿って振動させる第1水平加振機とを備えた振動試験装置であって、前記振動台の水平方向の他端側に連結され、且つ水平方向に沿った振動を発生可能な第2水平加振機を備え、前記第1水平加振機の加振軸と、前記第2水平加振機の加振軸とが、互いに平行になっており、前記第1水平加振機及び前記第2水平加振機が、同時に同じ方向への振動を発生するように構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、振動台を挟んで第1水平加振機とは反対側の位置に第2水平加振機が設けられているので、水平加振時の振動台の垂直方向の共振を抑制することができる。具体的には、第1水平加振機が水平方向の一方側に振動すると、振動台には、振動台及び供試体の記重心を中心とする回転力が発生しようとする。この際、第2水平加振機が同じ方向(水平方向の一方側)に振動することによって、上記回転力が低減される(打ち消される)。また、第1水平加振機が水平方向の他方側に振動すると、振動台には、上記重心を中心とする上記とは逆方向の回転力が発生しようとする。この際、第2水平加振機が同じ方向(水平方向の他方側)に振動することによって、上記回転力が低減される(打ち消される)。このように、第1水平加振機の振動に伴って発生しようとする振動台の回転力が、第2水平加振機の振動によって低減されるので、水平加振時に、振動台に発生する垂直方向のクロストーク加速度を低減することができ、振動試験装置による振動試験の精度を向上させることができる。
本発明の振動試験装置の具体構成として、次の構成が挙げられる。上記構成の振動試験装置において、前記第1水平加振機が、前記第2水平加振機側へ向けて前記振動台を振動させる際、同時に前記第2水平加振機が、前記振動台から退避するように前記第1水平加振機側とは反対方向へ向けて振動し、前記第1水平加振機が、前記第2水平加振機側とは反対方向へ向けて前記振動台を振動させる際、同時に前記第2水平加振機が、前記振動台に追従して移動するように前記第1水平加振機側へ向けて振動することが好ましい。
本発明の振動試験装置に備えられる第1、第2水平加振機として、動電型の水平加振機を用いることが好ましい。詳細には、前記第1、第2水平加振機は、それぞれ、静磁場を生成するための励磁コイルと、前記励磁コイルにより生成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨークと、前記磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備え、前記励磁コイルに供給された直流電流と、前記ドライブコイルに供給された所定周波数の交流電流とによって振動を発生するように構成されていることが好ましい。この場合、前記振動台には、前記第1水平加振機による当該振動台の水平方向の加速度を検出する第1加速度センサと、前記第2水平加振機による当該振動台の水平方向の加速度を検出する第2加速度センサとが設けられ、前記第2加速度センサによって検出される加速度波形が、前記第1加速度センサによって検出される加速度波形に一致するように、前記第2水平加振機の前記ドライブコイルに入力される交流電流が調整されることが好ましい。上述のように、第1、第2水平加振機を、動電型の水平加振機として構成することによって、第1、第2水平加振機の駆動を容易に制御することができる。
本発明の振動試験装置において、前記第2水平加振機は、側面視で、前記振動台及び前記供試体の重心を挟んで、前記第1水平加振機とは反対側の位置に設けられており、前記第1水平加振機の加振軸が、前記重心よりも低い位置に配置され、前記第2水平加振機の加振軸が、前記重心よりも高い位置に配置されていてもよい。この構成によれば、振動試験装置への第2水平加振機の取り付けを容易に行うことができる。
本発明の振動試験装置において、前記第1水平加振機の加振軸と前記重心との距離と、前記第2水平加振機の加振軸と前記重心との距離とが、略同じになっていることが好ましい。この構成によれば、水平加振時に、振動台に発生する垂直方向のクロストーク加速度を効率よく低減して振動試験の精度を向上させることができる。
本発明の振動試験装置において、前記振動台を鉛直方向に沿って振動させる垂直加振機をさらに備えていてもよい。あるいは、前記振動台を、水平方向であって前記第1水平加振機の振動方向とは垂直な方向に沿って振動させる第3水平加振機をさらに備えていてもよい。つまり、本発明を、垂直方向の加振及び水平方向の加振を同時に行うことが可能な2軸加振機あるいは3軸加振機を備えた振動試験装置に適用することが可能である。このように、垂直加振機を設けることによって、例えば、自動車用の部品に対する振動試験を、実車走行により近い状態で行うことが可能になり、振動試験の精度を向上させることが可能になる。
本発明によれば、第1水平加振機の振動に伴って発生しようとする振動台の回転力が、第2水平加振機の振動によって低減されるので、水平加振時に、振動台に発生する垂直方向のクロストーク加速度を低減することができ、振動試験装置による振動試験の精度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る振動試験装置の概略構成を示す側面図である。 図2は、図1のA1−A1線断面図である。 図3は、図1のA2−A2線断面図である。 図4は、図1のA3−A3線断面図である。 図5は、図1のA4−A4線断面図である。 図6は、本発明の実施例における加速度センサの出力波形の一例を示す図である。 図7は、本発明の実施例において、第2振動台の振動状態を測定した測定結果を示すグラフである。 図8は、比較例における加速度センサの出力波形の一例を示す図である。 図9は、比較例において、第2振動台の振動状態を測定した測定結果を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例における加速度センサの出力波形の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施例において、第2振動台の振動状態を測定した測定結果を示すグラフである。 図12は、比較例における加速度センサの出力波形の一例を示す図である。 図13は、比較例において、第2振動台の振動状態を測定した測定結果を示すグラフである。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る振動試験装置1の概略構成を示す側面図(一部断面図)である。図2は、図1のA1−A1線断面図であって、垂直加振機4の概略構成を示す。図3は、図1のA2−A2線断面図であって、水平加振機5の概略構成を示す。図3は、図1のA2−A2線断面図であって、水平加振機5の概略構成を示す。図4は、図1のA3−A3線断面図であって、キャンセル用加振機6の概略構成を示す。図5は、図1のA4−A4線断面図であって、第2振動台32、伝達部材33、シャフト55等を示す。なお、本実施形態では、図1〜図5に示すように、Z軸方向を垂直方向(鉛直方向)とし、Y軸方向を水平方向(左右方向)とし、YZ平面に垂直な方向をX軸方向とする。
図1〜図5に示すように、振動試験装置1は、基台2、振動台3、垂直加振機4、水平加振機5、キャンセル用加振機6、図示しない制御装置等を備えている。振動試験装置1は、振動台3上に保持された供試体30に対し、垂直方向(Z軸方向)の加振、及び水平方向(Y軸方向)の加振を同時に行うことが可能な2軸加振機を備えた構成になっている。本実施形態では、垂直加振機4によって供試体30に対する垂直方向の加振(垂直加振)が行われ、水平加振機5によって供試体30に対する水平方向の加振(水平加振)が行われるようになっている。
基台2上には、振動台3、垂直加振機4、水平加振機5、キャンセル用加振機6等が支持されている。基台2は、下部フレーム21と、下部フレーム21の上側に一体に設けられた上部フレーム22及び支持フレーム23と、上部フレーム22の上側に一体に設けられた支持フレーム24とを備えている。振動台3及び垂直加振機4は、下部フレーム21に支持されている。水平加振機5は、上部フレーム22及び支持フレーム23に支持されている。キャンセル用加振機6は、支持フレーム24に支持されている。
振動台3は、垂直加振機4に連結された板状の第1振動台31と、第1振動台31上に設けられた略四角柱状の第2振動台32とによって構成されている。第2振動台32上には、図示しない治具によって供試体30が固定(保持)されている。垂直加振機4によって、第1振動台31及び第2振動台32が一体に垂直方向に沿って振動する。また、水平加振機5によって、第2振動台32が第1振動台31に対し、水平方向に沿って振動する。これにより、第2振動台32に取り付けられた供試体30に対する垂直加振及び水平加振が同時に行われる。
具体的には、図1に示すように、第1振動台31の下面には、垂直加振機4から上方に突出されたシャフト45が一体に連結されており、垂直加振機4によって発生された垂直方向の振動が第1振動台31に伝達されるようになっている。第1振動台31の上面には、流体軸受け31aを介して、第2振動台32が水平方向にスライド自在に支持されている。第1振動台31の上面と、第2振動台32の下面との間には、所定の隙間が設けられており、この隙間に図示しない油路及び油孔を介して、流体軸受け31a用のオイルが供給されるようになっている。
また、第2振動台32の側面の外周には、角筒状の伝達部材33が流体軸受け32aを介して設けられており、伝達部材33に対し、第2振動台32が垂直方向にスライド自在に設けられている。伝達部材33は、第2振動台32の下部に配置されている。第2振動台32の側面と、伝達部材33の内壁面との間には、環状の隙間C1(図5参照)が形成されており、この環状の隙間C1に図示しない油路及び油孔を介して、流体軸受け32a用のオイルが供給されるようになっている。伝達部材33の外面には、水平加振機5から側方(水平方向)に突出されたシャフト55が一体に連結されており、水平加振機5によって発生された水平方向の振動が伝達部材33を介して第2振動台32に伝達されるようになっている。第2振動台32の上部の側方であって、第2振動台32を挟んで水平加振機5とは反対側の位置に、キャンセル用加振機6が配置されている。キャンセル用加振機6は、軸受部材32bによって、第2振動台32に対し垂直方向にスライド自在に設けられている。
第2振動台32には、当該第2振動台32の加速度を検知する加速度センサ34,35,36が取り付けられている。加速度センサ34,35,36は、図示しない制御装置に接続されている。加速度センサ34は、主に、水平加振機5による第2振動台32の水平方向の加速度を検出する。加速度センサ35は、主に、キャンセル用加振機6による第2振動台32の水平方向の加速度を検出する。特に、加速度センサ34,35の検出出力によって、第1振動台31及び第2振動台32の加速度の波形、位相のずれがないかが検出されるようになっている。加速度センサ36は、主に、垂直加振機4による第2振動台32の垂直方向の加速度を検出する。加速度センサ34は、第2振動台32の側面であって、第2振動台32及び供試体30の重心G1と同じ高さ位置に設けられている。加速度センサ35は、第2振動台32の上端部の側面に設けられている。加速度センサ36は、第2振動台32の上面に設けられている。
垂直加振機4は、例えば図2に示すような動電型の振動発生機として構成されている。上述したように、垂直加振機4は、垂直方向に延びるシャフト45を介して第1振動台31と一体に連結されている。
図2に示すように、垂直加振機4は、静磁場を形成するための励磁コイル41と、励磁コイル41により形成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨーク42と、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイル43とを備えている。
ヨーク42は、第1ヨーク部42aと、第2ヨーク部42bと、第3ヨーク部42cと、第4ヨーク部42dを一体的に組み合わせた構成になっている。第1ヨーク部42a、第2ヨーク部42b、第3ヨーク部42c、及び第4ヨーク部42dは、強磁性体によって形成されている。第3ヨーク部42c、及び第4ヨーク部42dは、基台2の下部フレーム21と一体的に設けられている。そして、第1ヨーク部42aの外周面と、第4ヨーク部42dの内周面との間に磁気ギャップが形成されている。なお、ヨーク42を構成する第1ヨーク部42a、第2ヨーク部42b、第3ヨーク部42c、及び第4ヨーク部42dの材質としては、高透磁率で高強度の磁性材料、例えばSS400等の低炭素鋼を好適に用いることが可能である。
励磁コイル41は、円筒状に巻回されており、第2ヨーク部42bの内周面に取り付けられている。励磁コイル41は、第3ヨーク部42cと第4ヨーク部42dとによって位置決めされている。
ドライブコイル43は、非磁性体からなる筒体44の一端側(図2では、−Z方向側)の外周面に巻回されている。ドライブコイル43は、励磁コイル41と、ヨーク42(第1ヨーク部42a、第2ヨーク部42b、第3ヨーク部42c、及び第4ヨーク部42d)との対向間の磁気ギャップ内に、励磁コイル41及びヨーク42に対し非接触の状態で挿入されている。なお、筒体44の材質としては、非磁性体の高強度の金属(例えばアルミニウム合金)や、合成樹脂(例えばカーボンファイバ)等を好適に用いることが可能である。
ドライブコイル43及び筒体44は、垂直方向(図2では、Z軸方向)に沿ってスライド可能に設けられている。具体的には、図示しない制御装置によって電力増幅器を介して励磁コイル41に直流電流を供給することにより、励磁コイル41を取り巻くヨーク42内に磁気回路(静磁場)が生成される。ヨーク42には上述したような磁気ギャップが形成されており、磁気ギャップ内に配置されたドライブコイル43に所定周波数の交流電流を制御装置により供給することによって、磁気ギャップに生成される静磁場とドライブコイル43に供給される交流電流との間に働く力により、ドライブコイル43が磁束の方向と直交する方向にスライドする。この場合、ドライブコイル43及び筒体44が、ドライブコイル43に供給される交流電流の信号に応じた周波数で垂直方向に沿って振動する。
筒体44の内部には、ドライブコイル43及び筒体44の垂直方向のスライドを案内する案内棒46及び複数のガイドローラ47が設けられている。ガイドローラ47は、第1ヨーク部42aの内壁面に支持されている。また、筒体44の内部には、第1振動台31、第2振動台32等の荷重を支えるマウント部材48が設けられている。マウント部材48は、例えば空気ばね等によって形成されている。一方、筒体44の外周面には、ドライブコイル43及び筒体44の垂直方向のスライドを案内する複数のガイドローラ49が設けられている。ガイドローラ49は、基台2の下部フレーム21に支持されている。
筒体44の他端側(図2では、+Z方向側)には、上述したシャフト45が一体に連結されている。シャフト45は、上述したドライブコイル43及び筒体44の振動に伴って、垂直方向に沿って振動する。シャフト45の一端側が筒体44の上面に連結され、シャフト45の他端側が第1振動台31に連結されている。シャフト45は、基台2の上部フレーム22に設けられた軸受け22aによって、基台2に対して垂直方向にスライド自在に支持されている。
振動試験装置1では、図示しない制御装置により垂直加振機4を駆動することよって、ドライブコイル43、筒体44、及びシャフト45が一体的に垂直方向に沿って振動し、これに伴って第1振動台31が垂直方向に沿って振動する。この際、第1振動台31上に設けられた第2振動台32も、第1振動台31とともに垂直方向に沿って振動する。これにより、第2振動台32上にセットされた供試体30に対する垂直加振が行われるようになっている。
水平加振機5は、例えば図3に示すような動電型の振動発生機として構成されている。上述したように、水平加振機5は、水平方向に延びるシャフト55を介して第2振動台32の外周に設けられた伝達部材33と一体に連結されている。
図3に示すように、水平加振機5は、静磁場を形成するための2つの励磁コイル51a,51bと、励磁コイル51a,51bにより形成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨーク52と、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイル53とを備えている。
ヨーク52は、第1ヨーク部52aと、第2ヨーク部52bと、第3ヨーク部52cとを一体的に組み合わせた構成になっている。第1ヨーク部52a、第2ヨーク部52b、及び第3ヨーク部52cは、強磁性体によって形成されている。そして、第1ヨーク部52aの外周面と、第2ヨーク部52bの内周面との間に磁気ギャップが形成されている。なお、ヨーク52を構成する第1ヨーク部52a、第2ヨーク部52b、及び第3ヨーク部52cの材質としては、高透磁率で高強度の磁性材料、例えばSS400等の低炭素鋼を好適に用いることが可能である。
励磁コイル51a,51bは、円筒状に巻回されており、第2ヨーク部52bの内周面にその中心軸線方向に離隔した状態で並んで取り付けられている。励磁コイル51a,51bは、第3ヨーク部52cと、第1ヨーク部52aの外鍔52dとによって位置決めされている。
ドライブコイル53は、非磁性体からなる筒体54の一端側(図3では、−Y方向側)の外周面に巻回されている。ドライブコイル53は、励磁コイル51a,51bと、ヨーク52(第1ヨーク部52a、第2ヨーク部52b、及び第3ヨーク部52c)との対向間の磁気ギャップ内に、励磁コイル51a,51b及びヨーク52に対し非接触の状態で挿入されている。なお、筒体54の材質としては、非磁性体の高強度の金属(例えばアルミニウム合金)や、合成樹脂(例えばカーボンファイバ)等を好適に用いることが可能である。
ドライブコイル53及び筒体54は、水平方向(図3では、Y軸方向)に沿ってスライド可能に設けられている。具体的には、図示しない制御装置によって電力増幅器を介して励磁コイル51a,51bに直流電流を供給することにより、励磁コイル51a,51bを取り巻くヨーク52内に磁気回路(静磁場)が生成される。ヨーク52には上述したような磁気ギャップが形成されており、磁気ギャップ内に配置されたドライブコイル53に所定周波数の交流電流を制御装置により供給することによって、磁気ギャップに生成される静磁場とドライブコイル53に供給される交流電流との間に働く力により、ドライブコイル53が磁束の方向と直交する方向にスライドする。この場合、ドライブコイル53及び筒体54は、ヨーク52から外方へ向けて突出(前進)する方向(図3では、+Y方向)のスライドと、ヨーク52へ向けて内方(図3では、−Y方向)へ退避(後退)する方向のスライドとを繰り返し行う。つまり、ドライブコイル53及び筒体54が、ドライブコイル53に供給される交流電流の信号に応じた周波数で水平方向に沿って振動する。
筒体54の内部には、ドライブコイル53及び筒体54の水平方向のスライドを案内する案内棒56及び複数のガイドローラ57が設けられている。ガイドローラ57は、第1ヨーク部52aの内壁面に支持されている。
筒体54の他端側(図3では、+Y方向側)には、上述したシャフト55が一体に連結されている。シャフト55は、上述したドライブコイル53及び筒体54の振動に伴って、水平方向に沿って振動する。本実施形態では、シャフト55は、第1シャフト55a及び第2シャフト55bの2つに分割されている。第1シャフト55aと第2シャフト55bとの間には、上述した伝達部材33が一体に設けられている。第1シャフト55aの一端側が筒体54に連結され、第1シャフト55aの他端側が伝達部材33に連結されている。第2シャフト55bの一端側が伝達部材33に連結されている。第1シャフト55a及び第2シャフト55bは、基台2の上部フレーム22に設けられた軸受け22b,22cによって、基台2に対して水平方向にスライド自在に支持されている。
振動試験装置1では、図示しない制御装置により水平加振機5を駆動することによって、ドライブコイル53、筒体54、第1シャフト55a及び第2シャフト55b、伝達部材33が一体的に水平方向に沿って振動し、これに伴って、伝達部材33によって囲われた第2振動台32が水平方向に沿って振動する。上述したように、第2振動台32は、第1振動台31に対しスライド自在に設けられているため、第2振動台32が第1振動台31に対し水平方向に沿って振動する。詳細には、ドライブコイル53及び筒体54が、キャンセル用加振機6に向けて近づく(前進する)方向(図3では、+Y方向)にスライドすることによって、第2振動台32も同じ方向にスライドする。逆に、ドライブコイル53及び筒体54がキャンセル用加振機6から遠ざかる(後退する)方向(図3では、−Y方向)にスライドすることによって、第2振動台32も同じ方向にスライドする。このような第2振動台32のスライドが繰り返し行われることによって、第2振動台32上にセットされた供試体30に対する水平加振が行われるようになっている。
本実施形態では、上述した垂直加振機4及び水平加振機5に加え、キャンセル用加振機(第2水平加振機)6が、振動試験装置1に備えられている。キャンセル用加振機6は、図4に示すように、上述した水平加振機5(図3参照)と略同様の動電型の振動発生機として構成されている。キャンセル用加振機6は、水平加振機5よりも若干小さいサイズに構成されている。
図4に示すように、キャンセル用加振機6は、静磁場を形成するための2つの励磁コイル61a,61bと、励磁コイル61a,61bにより形成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨーク62と、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイル63とを備えている。
ヨーク62は、第1ヨーク部62aと、第2ヨーク部62bと、第3ヨーク部62cとを一体的に組み合わせた構成になっている。第1ヨーク部62a、第2ヨーク部62b、及び第3ヨーク部62cは、強磁性体によって形成されている。そして、第1ヨーク部62aの外周面と、第2ヨーク部62bの内周面との間に磁気ギャップが形成されている。なお、ヨーク62を構成する第1ヨーク部62a、第2ヨーク部62b、及び第3ヨーク部62cの材質としては、高透磁率で高強度の磁性材料、例えばSS400等の低炭素鋼を好適に用いることが可能である。
励磁コイル61a,61bは、円筒状に巻回されており、第2ヨーク部62bの内周面にその中心軸線方向に離隔した状態で並んで取り付けられている。励磁コイル61a,61bは、第3ヨーク部62cと、第1ヨーク部62aの外鍔62dとによって位置決めされている。
ドライブコイル63は、非磁性体からなる筒体64の一端側(図4では、+Y方向側)の外周面に巻回されている。ドライブコイル63は、励磁コイル61a,61bと、ヨーク62(第1ヨーク部62a、第2ヨーク部62b、及び第3ヨーク部62c)との対向間の磁気ギャップ内に、励磁コイル61a,61b及びヨーク62に対し非接触の状態で挿入されている。なお、筒体64の材質としては、非磁性体の高強度の金属(例えばアルミニウム合金)や、合成樹脂(例えばカーボンファイバ)等を好適に用いることが可能である。
ドライブコイル63及び筒体64は、水平方向(図4では、Y軸方向)に沿ってスライド可能に設けられている。具体的には、図示しない制御装置によって電力増幅器を介して励磁コイル61a,61bに直流電流を供給することにより、励磁コイル61a,61bを取り巻くヨーク62内に磁気回路(静磁場)が生成される。ヨーク62には上述したような磁気ギャップが形成されており、磁気ギャップ内に配置されたドライブコイル63に所定周波数の交流電流を制御装置により供給することによって、磁気ギャップに生成される静磁場とドライブコイル63に供給される交流電流との間に働く力により、ドライブコイル63が磁束の方向と直交する方向にスライドする。この場合、ドライブコイル63及び筒体64は、ヨーク62から外方へ向けて突出(前進)する方向(図4では、−Y方向)のスライドと、ヨーク62へ向けて内方(図4では、+Y方向)へ退避(後退)する方向のスライドとを繰り返し行う。つまり、ドライブコイル63及び筒体64が、ドライブコイル63に供給される交流電流の信号に応じた周波数で水平方向に沿って振動する。
筒体64の内部には、ドライブコイル63及び筒体64の水平方向のスライドを案内する案内棒66及び複数のガイドローラ67が設けられている。ガイドローラ67は、第1ヨーク部62aの内壁面に支持されている。
振動試験装置1では、図示しない制御装置によりキャンセル用加振機6を駆動することによって、ドライブコイル63及び筒体64が一体的に水平方向に沿って振動する。詳細には、ドライブコイル63及び筒体64が水平加振機5に向けて近づく(前進する)方向(図4では、−Y方向)のスライドと、ドライブコイル63及び筒体64が水平加振機5から遠ざかる(後退する)方向(図4では、+Y方向)のスライドとが繰り返し行われる。
筒体64の他端側(図4では、−Y方向側)には、シャフト65が一体に連結されている。シャフト65の他端側には、上述した軸受部材32bが一体に設けられており、キャンセル用加振機6の駆動時、軸受部材32bも水平方向に沿って振動する。軸受部材32bは、第2振動台32とシャフト65との間に設けられている。軸受部材32bは、例えばリニアガイドローラ等によって構成されている。軸受部材32bによって、第2振動台32がシャフト65及び筒体64に対し垂直方向にスライド自在になっており、第2振動台32の垂直方向の振動がキャンセル用加振機6によって規制されないようになっている。
図1に示すように、水平加振機5の加振軸L1と、キャンセル用加振機6の加振軸L2とが、互いに平行になっている。また、キャンセル用加振機6は、側面視で、第2振動台32及び供試体30の重心G1を挟んで、水平加振機5とは反対側の位置に設けられている。この場合、水平方向(図1のY軸方向)及び垂直方向(図1のZ軸方向)において、キャンセル用加振機6は、上記重心G1を挟んで、水平加振機5とは反対側の位置に設けられている。具体的には、キャンセル用加振機6が上記重心G1の水平方向の一方側(図1では、+Y方向側)に設けられ、水平加振機5が上記重心G1の水平方向の他方側(図1では、−Y方向側)に設けられている。また、キャンセル用加振機6の加振軸L2が上記重心G1よりも高い位置に設けられ、水平加振機5の加振軸L1が上記重心G1よりも低い位置に設けられている。
本実施形態では、水平加振機5及びキャンセル用加振機6が、同時に同じ方向への振動を発生するように構成されている。振動試験装置1では、水平加振機5に+Y方向側の振動(加速度)が発生すると、同時に、キャンセル用加振機6にも+Y方向側の振動(加速度)が発生するように調整される。また、水平加振機5に−Y方向側の振動(加速度)が発生すると、同時に、キャンセル用加振機6にも−Y方向側の振動(加速度)が発生するように調整される。したがって、水平加振機5の振動の周波数と、キャンセル用加振機6の振動の周波数とは同じになるように調整される。
具体的に、水平加振機5では、例えば図6(b)に示すような波形(正弦波)の加速度が発生するように、交流電流の信号がドライブコイル53に入力される。キャンセル用加振機6では、例えば図6(c)に示すような波形(正弦波)の加速度が発生するように、交流電流の信号がドライブコイル63に入力される。キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される交流電流の信号は、水平加振機5のドライブコイル53に入力される交流電流の信号と、同じ極性(同じ位相)で、同じ周波数になるように調整される。
より詳細には、まず、水平加振機5が駆動され、加速度センサ34によって第2振動台32の水平方向の加速度が検出される。続いて、加速度センサ34の検出出力に基づいて、水平加振機5の駆動制御が行われる。この際、加速度センサ34によって、例えば図6(b)に示す加速度波形が検出されるように、水平加振機5のドライブコイル53に入力される交流電流の信号が調整される。つまり、目標加速度(例えば図6(b)に示す波形)に一致させるように、水平加振機5のドライブコイル53に入力される信号が調整される。
次に、キャンセル用加振機6が駆動され、加速度センサ35によって第2振動台32の水平方向の加速度が検出される。そして、加速度センサ35の検出出力に基づいて、キャンセル用加振機6の駆動制御が行われる。この際、キャンセル用加振機6が、水平加振機5と同時に同じ方向への加速度が発生するように、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される信号が調整される。具体的には、加速度センサ35によって、例えば図6(c)に示す加速度波形が検出されるように、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される交流電流の信号が調整される。つまり、目標加速度(例えば図6(c)に示す波形)に一致させるように、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される信号が調整される。
なお、ここでは、垂直加振機4を駆動せず、垂直加振機4のドライブコイル43に入力される信号の値が「0」になっている。このため、図6(a)に示すように、加速度センサ36によって検出される第2振動台32の垂直方向の加速度が、略「0」になっている。つまり、加速度センサ36によって検出される第2振動台32の垂直方向の加速度は、厳密に「0」ではなく、後述するように、クロストーク共振による加速度(クロストーク加速度)が僅かに発生している。
このように、加速度センサ34,35の検出出力に基づいて、水平加振機5及びキャンセル用加振機6が駆動され、水平加振機5及びキャンセル用加振機6が、同時に同じ方向への加速度が発生するように調整している。具体的には、水平加振機5が、キャンセル用加振機6側(図1では、+Y方向)へ向けて第2振動台32を振動させる際、同時に、キャンセル用加振機6が、第2振動台32から退避するように水平加振機5側とは反対方向(図1では、+Y方向)へ向けて振動する。つまり、水平加振機5では、ドライブコイル53及び筒体54が、キャンセル用加振機6に向けて近づく(前進する)方向にスライドし、これと同時に、キャンセル用加振機6では、ドライブコイル63及び筒体64が、水平加振機5から遠ざかる(後退する)方向にスライドする。
また、水平加振機5が、キャンセル用加振機6側とは反対方向(図1では、−Y方向)へ向けて第2振動台32を振動させる際、同時に、キャンセル用加振機6が、第2振動台32に追従して移動するように水平加振機5側(図1では、+Y方向側)へ向けて振動する。つまり、水平加振機5では、ドライブコイル53及び筒体54が、キャンセル用加振機6から遠ざかる(後退する)方向にスライドし、これと同時に、キャンセル用加振機6では、ドライブコイル63及び筒体64が、水平加振機5に近づく(前進する)方向にスライドする。
本実施形態によれば、水平加振時の振動台3(第2振動台32)の垂直方向(Z軸方向)の共振を低減して振動試験の精度を向上させることが可能になる。以下、この点について説明する。
振動試験装置1では、第2振動台32及び供試体30の重心G1が、水平加振機5の加振軸L1から距離(オフセット量)D1だけオフセットしている。このため、第2振動台32の組み付け時のガタ等に起因して、上記重心G1を中心とする回転力が第2振動台32に発生する可能性があり、振動試験の精度が悪化することが懸念される。具体的には、水平加振機5の駆動時、第2振動台32が、上記重心G1を中心として、時計方向(図1では、B1方向)の回転力及び反時計方向(図1では、B2方向)の回転力が交互に発生し、第2振動台32に垂直方向の共振(クロストーク共振)が発生する可能性がある。つまり、垂直加振を行っていないにもかかわらず、第2振動台32に垂直方向の加速度(クロストーク加速度)が発生し、第2振動台32が共振する可能性がある。
しかし、本実施形態では、側面視で、上記重心G1を挟んで水平加振機5とは反対側の位置(対角位置)にキャンセル用加振機6が設けられているので、第2振動台32の垂直方向の共振を抑制することができる。具体的には、水平加振機5が+Y方向に振動すると、第2振動台32には、重心G1を中心にB1方向の回転力が発生しようとする。この際、キャンセル用加振機6が+Y方向に振動することによって、B1方向の回転力が低減される(打ち消される)。また、水平加振機5が−Y方向に振動すると、第2振動台32には、重心G1を中心にB2方向の回転力が発生しようとする。この際、キャンセル用加振機6が−Y方向に振動することによって、B2方向の回転力が低減される(打ち消される)。
このように、水平加振機5の振動に伴って発生しようとする第2振動台32の回転力が、キャンセル用加振機6の振動によって低減される(打ち消される)ので、水平加振時に、第2振動台32に発生する垂直方向のクロストーク加速度を低減することができ、振動試験装置1による振動試験の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、水平加振機5の加振軸L1と上記重心G1との距離D1と、キャンセル用加振機6の加振軸L2と上記重心G1との距離D2とが、略同じになっている。このため、水平加振時に、第2振動台32に発生する垂直方向のクロストーク加速度を効率よく低減して振動試験の精度を向上させることができる。
ここで、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けた場合(実施例)と、設けていない場合(比較例)とにおいて、第2振動台32の振動状態を測定した測定結果を、図6〜図13を参照して説明する。ここでは、垂直加振機4を駆動しない場合、つまり、水平加振のみを行った場合の測定結果を示している。上述したように、垂直加振機4を駆動しない場合であっても、第2振動台32に垂直方向の加速度(クロストーク加速度)が発生するため、第2振動台32に発生する垂直方向の加速度を、第2振動台32の振動状態として示している。
詳細には、図7、図9、図11、図13では、加速度センサ34によって検出される第2振動台32の水平方向の加速度(Y軸方向の加速度)Gyに対する、加速度センサ36によって検出される第2振動台32の垂直方向の加速度(Z軸方向の加速度)Gzを、第2振動台32の振動状態として評価している。図7、図9、図11、図13の縦軸(クロストーク値)は、[20*log(Gz/Gy)]により算出される値である。
図6、図10は、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けた本実施例の場合の加速度センサ34〜36の出力波形の一例を示している。図7、図11は、本実施例の場合の第2振動台32の振動状態を測定した測定結果を示している。
一方、図8、図12は、振動試験装置1にキャンセル用加振機を設けていない比較例の場合の加速度センサ34,36の出力波形の一例を示している。図8、図13は、比較例の場合の第2振動台32の振動状態を測定した測定結果を示している。
図6(a)、図8(a)、図10(a)、図12(a)は、それぞれ、加速度センサ36によって検出される第2振動台32の垂直方向の加速度の一例を示している。なお、横軸を時間[sec]とし、縦軸を加速度[G]としている。ここでは、垂直加振機4を駆動しないため、加速度センサ36によって検出される垂直方向の加速度が、略「0」になっている。
図6(b)、図8(b)、図10(b)、図12(b)は、それぞれ、加速度センサ34によって検出される第2振動台32の水平方向の加速度の一例を示している。なお、横軸を時間[sec]とし、縦軸を加速度[G]としている。図6(b)、図8(b)の波形は、正弦波になっており、振幅が0.4Gであり、周波数が13.3Hzの加速度波形となっている。図10(b)、図12(b)の波形はいわゆるランダム波になっており、振幅の平均値が0.5Gであり、周波数が5Hz〜400Hzの範囲の加速度波形となっている。このランダム波は、例えば自動車の走行時に発生する振動を想定した加速度波形になっている。上述したように、図6(b)、図8(b)、図10(b)、図12(b)に示す波形が加速度センサ34によって検出されるように、水平加振機5のドライブコイル53に入力される信号が調整される。
図6(c)、図10(c)は、それぞれ、加速度センサ35によって検出される第2振動台32の水平方向の加速度の一例を示している。なお、横軸を時間[sec]とし、縦軸を加速度[G]としている。図6(c)の波形は、正弦波になっており、図6(b)の波形と同一の波形となっている。図10(c)の波形はいわゆるランダム波になっており、図10(b)の波形と同一の波形となっている。上述したように、本実施形態では、上述したように、図6(c)、図10(c)に示す波形が加速度センサ35によって検出されるように、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される信号が調整される。
図7の測定結果と、図9の測定結果とを比較すると、振動試験装置1にキャンセル用加振機を設けていない比較例の場合には、図9に示すように、第2振動台32に発生する垂直方向の加速度が、周波数が65Hz以上になると、−20dB(言い換えれば、水平方向の加速度の1/10)を超過し、また、周波数が200Hz以上になると、0dBを超過する(言い換えれば、水平方向の加速度よりも大きくなる)周波数が存在することが分かる。これに対し、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けた本実施例の場合には、図7に示すように、第2振動台32に発生する垂直方向の加速度が、周波数が10Hz〜400Hzの全ての範囲で、−20dB(言い換えれば、水平方向の加速度の1/10)以下に低減されることが分かる。したがって、水平加振時に、第2振動台32に発生する垂直方向のクロストーク加速度を抑制するには、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けることが有効であることが分かる。
図11の測定結果と、図13の測定結果とを比較すると、振動試験装置1にキャンセル用加振機を設けていない比較例の場合には、図13に示すように、第2振動台32に発生する垂直方向の加速度が、周波数が70Hz以上になると、−20dBを超過し、また、周波数が200Hz以上になると、0dBを超過する周波数が存在することが分かる。これに対し、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けた本実施例の場合には、図11に示すように、第2振動台32に発生する垂直方向の加速度が、周波数が10Hz〜400Hzの略全ての範囲で、−20dB以下に低減されることが分かる。したがって、水平加振時に、第2振動台32に発生する垂直方向のクロストーク加速度を抑制するには、振動試験装置1にキャンセル用加振機6を設けることが有効であることが分かる。
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述した振動台3の構成は一例であって、他の構成の振動台を用いてもよい。また、上述した垂直加振機4、水平加振機5、及びキャンセル用加振機6の構成は一例であって、他の構成の加振機を用いてもよい。なお、垂直加振機4、水平加振機5、及びキャンセル用加振機6の好ましい構成としては、静磁場を形成するための励磁コイルと、励磁コイルにより形成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨークと、磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備えた動電型の構成が挙げられる。例えば、垂直加振機4や、水平加振機5、キャンセル用加振機6の励磁コイルの数を変更してもよい。また、垂直加振機4や、水平加振機5、キャンセル用加振機6において、励磁コイルの代わりに、永久磁石を用いてもよい。垂直加振機4や、水平加振機5、キャンセル用加振機6のヨークの組み合わせを他の組み合わせに変更してもよい。また、垂直加振機4や、水平加振機5、キャンセル用加振機6を、サーボモータを利用した加振機として構成してもよい。
上記実施形態において、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される交流電流の信号が、水平加振機5のドライブコイル53に入力される交流電流の信号とは、逆の極性(逆の位相)で、同じ周波数の信号であってもよい。この場合、例えばキャンセル用加振機6の励磁コイル61a,61bに入力される直流電流の信号を、水平加振機5の励磁コイル51a,51bに入力される直流電流の信号と同じ極性(同じ位相)にすればよい。
図6、図10に示した加速度波形は一例であって、加速度センサ35によって検出される加速度波形が、加速度センサ34によって検出される加速度波形に一致するように、キャンセル用加振機6のドライブコイル63に入力される交流電流が調整されるものであれば、その他の加速度波形であってもよい。
上記実施形態では、垂直加振機4を備えた振動試験装置について説明したが、垂直加振機を備えていない振動試験装置にも、本発明を適用可能である。この場合、振動試験装置は、水平加振機5及びキャンセル用加振機6が備えられた構成になっており、供試体30に対する水平加振のみが行われる。なお、上記実施形態のように、垂直加振機4を設けることによって、例えば、自動車用の部品に対する振動試験を、実車走行により近い状態で行うことが可能になり、振動試験の精度を向上させることが可能になる。
上記実施形態の振動試験装置に、水平加振機5の振動方向(Y軸方向)とは垂直な方向(X軸方向)に沿って振動させる第3水平加振機をさらに備える構成としてもよい。この場合、垂直加振機4によって供試体30に対する垂直加振が行われ、水平加振機5によって供試体30に対するY軸方向の水平加振が行われ、第3水平加振機によって供試体30に対するX軸方向の水平加振が行われる。なお、この場合にも、垂直加振機を省略して、供試体30に対する水平加振(X軸方向及びY軸方向)のみを行うようにしてもよい。
本発明は、水平加振機を備えた振動試験装置に利用可能である。
1 振動試験装置
2 基台
3 振動台
4 垂直加振機
5 水平加振機(第1水平加振機)
6 キャンセル用加振機(第2水平加振機)
30 供試体
31 第1振動台
32 第2振動台
34 加速度センサ(第1加速度センサ)
35 加速度センサ(第2加速度センサ)
41,51a,51b,61a,61b 励磁コイル
42,52,62 ヨーク
43,53,63 ドライブコイル
G1 重心
L1、L2 加振軸

Claims (6)

  1. 供試体が保持される振動台と、
    前記振動台の水平方向の一端側に連結され、且つ前記振動台を水平方向に沿って振動させる第1水平加振機とを備えた振動試験装置であって、
    前記振動台の水平方向の他端側に連結され、且つ水平方向に沿った振動を発生可能な第2水平加振機を備え、
    前記第1水平加振機の振動軸と、前記第2水平加振機の振動軸とが、互いに平行であって、かつ、鉛直方向に所定の距離だけ離れた位置に設置され、
    前記第1水平加振機及び前記第2水平加振機が、同時に同じ方向への振動を発生するように構成されており、
    前記第1、第2水平加振機は、それぞれ、静磁場を生成するための励磁コイルと、前記励磁コイルにより生成された静磁場による磁気回路及び磁気ギャップを形成するためのヨークと、前記磁気ギャップ内に配置された振動発生用のドライブコイルとを備え、前記励磁コイルに供給された直流電流と、前記ドライブコイルに供給された所定周波数の交流電流とによって振動を発生するように構成されており、
    前記振動台には、前記第1水平加振機による当該振動台の水平方向の加速度を検出する第1加速度センサと、前記第2水平加振機による当該振動台の水平方向の加速度を検出する第2加速度センサとが設けられ、
    前記第2加速度センサによって検出される加速度波形が、前記第1加速度センサによって検出される加速度波形に一致するように、前記第2水平加振機の前記ドライブコイルに入力される交流電流が調整されることを特徴とする振動試験装置。
  2. 請求項1に記載の振動試験装置において、
    前記第1水平加振機が、前記第2水平加振機側へ向けて前記振動台を振動させる際、同時に前記第2水平加振機が、前記振動台から退避するように前記第1水平加振機側とは反対方向へ向けて振動し、
    前記第1水平加振機が、前記第2水平加振機側とは反対方向へ向けて前記振動台を振動させる際、同時に前記第2水平加振機が、前記振動台に追従して移動するように前記第1水平加振機側へ向けて振動することを特徴とする振動試験装置。
  3. 請求項1または2に記載の振動試験装置において、
    前記第2水平加振機は、側面視で、前記振動台及び前記供試体の重心を挟んで、前記第1水平加振機とは反対側の位置に設けられており、
    前記第1水平加振機の加振軸が、前記重心よりも低い位置に配置され、前記第2水平加振機の加振軸が、前記重心よりも高い位置に配置されていることを特徴とする振動試験装置。
  4. 請求項3に記載の振動試験装置において、
    前記第1水平加振機の加振軸と前記重心との距離と、前記第2水平加振機の加振軸と前記重心との距離とが、略同じになっていることを特徴とする振動試験装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の振動試験装置において、
    前記振動台を鉛直方向に沿って振動させる垂直加振機をさらに備えていることを特徴とする振動試験装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の振動試験装置において、
    前記振動台を、水平方向であって前記第1水平加振機の振動方向とは垂直な方向に沿って振動させる第3水平加振機をさらに備えていることを特徴とする振動試験装置。
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