JP7396195B2 - 燃料供給システムの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は燃料供給システムの制御装置に関するものである。
特許文献1には、予め記憶したフィードポンプの駆動に関する特性、具体的にはフィードポンプにおける駆動電圧と吐出量と吐出圧との関係に基づいて、そのときの状況に応じて目標圧力を設定する燃料供給システムが開示されている。目標圧力は、フィードパイプ内の燃料の圧力であるフィード圧がベーパの発生を防止する上で必要な圧力よりも高い圧力になるように設定される。そして、この燃料供給システムの制御装置は、目標圧力を実現するように、上記の予め記憶したフィードポンプの駆動に関する特性に基づいてフィードポンプを制御するフィード圧制御を実行する。
特開2010-255501号公報
ところで、車両のメインスイッチがオフにされ、エンジンの運転が停止している間はフィードポンプの駆動が停止される。また、各種のセンサからの信号も得られなくなる。しかし、メインスイッチがオフにされて機関運転が停止している間も、外気との熱交換やエンジン各部からの熱の伝達によってフィードパイプ内の燃料の温度は変化し、フィード圧は変化する。
このように、メインスイッチがオフになっているときには、フィード圧の推移を把握することができないため、メインスイッチがオンにされたときにフィード圧を的確に把握することができず、適切なフィード圧制御を実行することができなくなるおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための燃料供給システムの制御装置は、燃料タンクから燃料を汲み上げる電動のフィードポンプと、前記フィードポンプから吐出された燃料が流れるフィードパイプと、を備えた燃料供給システムに適用される。この制御装置は、燃料温度を用いて要求フィード圧を設定する要求圧力設定処理と、燃料温度及び前記フィードポンプのインペラの単位時間当たりの回転数であるポンプ回転数及び前記フィードポンプにおける電流値であるポンプ電流値を用いて前記フィードパイプ内の燃料の圧力であるフィード圧を推定するフィード圧推定処理と、推定したフィード圧と要求フィード圧との偏差を小さくするように前記フィードポンプへの供給電力を制御する圧力調整処理と、を実行する実行装置を備えている。前記実行装置は、メインスイッチがオフにされて稼働が停止され、前記メインスイッチが再びオンにされて稼働が再開されたときには、前記燃料タンク内の燃料の温度を含む複数箇所の温度を用いて、前記メインスイッチがオフにされたときのそれら温度の加重平均値から前記メインスイッチがオンにされたときのそれら温度の加重平均値への変化量を算出し、前記変化量に基づいて前記メインスイッチがオフになっていた期間のフィード圧の変化量を推定する変化量推定処理と、前記メインスイッチがオフにされたときに推定されていたフィード圧に、前記変化量推定処理を通じて推定したフィード圧の変化量を反映させて稼働を再開するときのフィード圧の初期値を算出する初期値算出処理と、を実行する。
燃料タンク内の燃料の温度を含む複数箇所の温度の指標値は、フィードパイプ内の燃料の温度と相関を有している。そして、フィード圧はフィードパイプ内の燃料の温度と相関を有している。
そこで、上記構成では、燃料タンク内の燃料の温度を含む複数箇所の温度の指標値の加重平均値を算出し、メインスイッチがオフにされたときのそれら温度の加重平均値からメインスイッチがオンにされたときのそれら温度の加重平均値への変化量を算出している。すなわち、メインスイッチがオフにされている間のフィードパイプ内の燃料の温度の変化量の指標値として、加重平均値の変化量を算出している。そして、変化量推定処理では、この加重平均値の変化量に基づいてメインスイッチがオフにされてからオンにされるまでの間のフィード圧の変化量を推定している。そして、推定した変化量を、メインスイッチがオフにされたときに推定されていたフィード圧に反映させてフィード圧の初期値を算出している。
こうした構成によれば、メインスイッチがオフにされたときの情報とメインスイッチがオンにされたときの情報とに基づいてメインスイッチがオフにされている間のフィード圧の変化量を推定して稼働を再開するときのフィード圧の初期値を算出することができる。すなわち、メインスイッチがオンにされたときにフィード圧を的確に把握することができるようになる。
燃料供給システムの制御装置の一態様では、複数箇所の温度の指標値に、機関冷却水温が含まれている。
エンジンは、フィードパイプ内の燃料が受ける熱の発生源である。そのため、エンジンの温度の指標値になる機関冷却水温は、燃料温度と相関を有する指標値である。燃料供給システムの制御装置の一態様では、複数箇所の温度の指標値に、機関冷却水温が含まれている。
こうした構成によれば、エンジンからの受熱の影響をより反映させてフィード圧の変化量を推定することができる。
エンジンは、フィードパイプ内の燃料が受ける熱の発生源である。エンジンの温度の指標値になる油温は、燃料温度と相関を有する指標値である。燃料供給システムの制御装置の一態様では、複数箇所の温度の指標値に、エンジンの油温が含まれている。
こうした構成によれば、エンジンからの受熱の影響をより反映させてフィード圧の変化量を推定することができる。
フィードパイプ内の燃料の温度は外気との熱交換によって低下する。そのため、燃料供給システムが位置する空間の温度である外気温は、燃料温度と相関を有する指標値である。燃料供給システムの制御装置の一態様では、複数箇所の温度の指標値に、外気温が含まれている。
こうした構成によれば、外気への放熱の影響をより反映させてフィード圧の変化量を推定することができる。
燃料供給システムの制御装置の一態様では、前記メインスイッチがオフにされてから前記メインスイッチがオンにされるまでの時間であるソーク時間が既定時間以上である場合には、前記実行装置は、前記変化量推定処理を実行せずに、前記初期値算出処理として、大気圧に基づいて前記フィード圧の初期値を算出する処理を実行する。
メインスイッチがオフになっている間は、燃料温度が外気温と等しい値に収束するように低下するとともに、フィードパイプ内の燃料が燃料タンクに少しずつ戻るため、フィード圧が低下する。そのため、ソーク時間が長くなると、最終的にフィード圧は大気圧に収束する。
上記構成によれば、ソーク時間が既定時間以上になっており、フィード圧が大気圧に収束していると推定されるときに、大気圧に基づいてフィード圧の初期値を算出する。そのため、フィード圧の変化量の推定誤差などの影響を受けることなく、フィード圧の初期値を算出することができる。
実施形態の制御装置と同制御装置の制御対象である燃料供給システムの構成を示す模式図。 同実施形態の制御装置が実行する圧力調整処理にかかる処理を示すブロック図。 燃料温度と要求フィード圧の関係を示すグラフ。 温度推定処理にかかるルーチンの一連の処理を示すフローチャート。 メインスイッチがオフにされたときに実行される一連の処理の流れを示すフローチャート。 メインスイッチがオンにされたときに実行される初期値算出処理にかかる一連の処理の流れを示すフローチャート。 加重平均値の変化量ΔQと圧力変化量ΔPfとの関係を示すマップ。 変更例の制御装置が、メインスイッチがオフにされたときに実行する一連の処理の流れを示すフローチャート。 同変更例の制御装置が、メインスイッチがオンにされたときに実行する初期値算出処理にかかる一連の処理の流れを示すフローチャート。
以下、燃料供給システムの制御装置の一実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態の制御装置が適用される車載エンジンの燃料供給システムの構成を示している。すなわち、本実施形態の制御装置100は、車載エンジンの燃料供給システムに適用される。
図1に示すように、この制御装置100が適用される燃料供給システムには、燃料タンク51内に設置されたフィードポンプ52と、燃料タンク51外に設置された高圧燃料ポンプ60と、の2つの燃料ポンプが設けられている。フィードポンプ52は、ブラシレスモータによってインペラを回転させる電動式のポンプである。また、この燃料供給システムには、筒内燃料噴射弁44とポート燃料噴射弁30とが設けられている。筒内燃料噴射弁44は、エンジンの各気筒に設けられ、気筒内に直接燃料を噴射する。筒内燃料噴射弁44は、燃料の蓄圧容器である高圧側デリバリパイプ71に接続されている。また、ポート燃料噴射弁30は、エンジンの各気筒に繋がる吸気ポート内に燃料を噴射する。ポート燃料噴射弁30は燃料の蓄圧容器である低圧側デリバリパイプ31に接続されている。なお、この燃料供給システムが搭載されたエンジンは直列4気筒のエンジンであり、高圧側デリバリパイプ71には4つの筒内燃料噴射弁44が接続されている。また、低圧側デリバリパイプ31にも4つのポート燃料噴射弁30が接続されている。
そして、この燃料供給システムには、フィードポンプ52から高圧燃料ポンプ60及び低圧側デリバリパイプ31に燃料を送る燃料通路であるフィードパイプ57と、高圧燃料ポンプ60から高圧側デリバリパイプ71に燃料を送る燃料通路である高圧燃料パイプ72と、が設けられている。なお、フィードパイプ57は、途中で分岐し、一方が高圧燃料ポンプ60に接続されており、もう一方が低圧側デリバリパイプ31に接続されている。
高圧側デリバリパイプ71には、内部に蓄えられている燃料の圧力である高圧側燃料圧力を検出する燃料圧力センサ132が設置されている。燃料圧力センサ132は大気圧を基準としたゲージ圧で燃料圧力を示す。
フィードポンプ52は、給電に応じて燃料タンク51内の燃料を、上流側フィルタ53を介して吸引してフィードパイプ57に送出する。フィードパイプ57における燃料タンク51の内部に位置する部分には、フィードポンプ52によりフィードパイプ57に送出された燃料の圧力、すなわちフィードパイプ57内の燃料の圧力であるフィード圧Pfが既定の開弁圧力を超えたときに開弁してフィードパイプ57から燃料タンク51に燃料をリリーフするリリーフ弁56が設けられている。
また、フィードパイプ57におけるリリーフ弁56が設けられている部分よりも上流側の部分には、フィードポンプ側を下方にして配設され、弁体が下方に位置する弁座に自重で着座しており、フィードポンプ52から吐出される燃料の流れによって開弁するチェック弁59が設けられている。チェック弁59は、フィードポンプ52が停止して燃料の供給が停止すると閉弁する。
そして、フィードパイプ57は、フィードパイプ57を流れる燃料中の不純物を濾過する下流側フィルタ58とフィードパイプ57内の燃料圧力の脈動を低減するためのパルセーションダンパ61とを介して高圧燃料ポンプ60に接続されている。
高圧燃料ポンプ60は、プランジャ62、燃料室63、電磁スピル弁64、チェック弁65及びリリーフ弁66を備えている。プランジャ62は、エンジンのカムシャフト42に設けられたポンプカム67により往復駆動され、その往復駆動に応じて燃料室63の容積を変化させる。燃料室63は、電磁スピル弁64を介してフィードパイプ57に接続されている。
電磁スピル弁64は、通電に応じて閉弁して、燃料室63とフィードパイプ57との間の燃料の流通を遮断するとともに、通電の停止に応じて開弁して、燃料室63とフィードパイプ57との間の燃料の流通を許容する。チェック弁65は、燃料室63から高圧側デリバリパイプ71への燃料の吐出を許容する一方、高圧側デリバリパイプ71から燃料室63への燃料の逆流を禁止する。リリーフ弁66は、チェック弁65を迂回する通路に設けられており、高圧側デリバリパイプ71側の圧力が過剰に高くなったときに開弁して燃料室63側への燃料の逆流を許容する。
以上のように構成された高圧燃料ポンプ60の燃料の加圧動作について説明する。高圧燃料ポンプ60では、プランジャ62の往復動に応じて燃料室63の容積が変化する。以下の説明では、燃料室63の容積が拡大する方向へのプランジャ62の動作をプランジャ62の下降と記載し、これとは逆に燃料室63の容積が縮小する方向へのプランジャ62の動作をプランジャ62の上昇と記載する。
高圧燃料ポンプ60において、電磁スピル弁64が開弁した状態でプランジャ62が下降を開始すると、燃料室63の容積の拡大に伴って、フィードパイプ57から燃料室63に燃料が流入する。プランジャ62が下降から上昇に転じた後も電磁スピル弁64が開弁した状態を維持すると、プランジャ62の下降中に燃料室63に流入した燃料がフィードパイプ57に押し戻される。プランジャ62の上昇中に電磁スピル弁64を閉弁し、その後にプランジャ62が上昇から下降に転じるまで、電磁スピル弁64の閉弁を維持すると、プランジャ62の上昇に伴う燃料室63の容積の縮小により、燃料室63内の燃料が加圧される。そして、燃料室63内の燃料圧力が高圧燃料パイプ72内の燃料圧力を上回ると、チェック弁65が開弁して、燃料室63内の加圧された燃料が高圧燃料パイプ72に送出される。こうして高圧燃料ポンプ60は、プランジャ62の往復動毎に、フィードパイプ57内の燃料を加圧して高圧燃料パイプ72に送出する。なお、プランジャ62の上昇中における電磁スピル弁64の閉弁時期を変えることで、高圧燃料ポンプ60が加圧動作毎に高圧燃料パイプ72に送出する燃料の量が増減される。
こうした燃料供給システムを備えるエンジンは、制御装置100により制御される。制御装置100は、エンジンの制御装置であり、エンジンの燃料供給システムの制御も司る。すなわち、制御装置100は燃料供給システムの制御装置でもある。
制御装置100は、各種演算処理を実行する実行装置101と、制御用のプログラムやデータが記憶された記憶装置102と、ソークタイマ103と、を備えている。そして、制御装置100は、実行装置101が記憶装置102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、燃料供給システムの制御を含んだエンジンの制御を行っている。
なお、制御装置100には、エンジンの運転状態を検出するための各種センサの検出信号が入力されている。図1に示すように、制御装置100には、アクセルポジションセンサ142によって運転者のアクセルの操作量の検出信号が入力され、車速センサ141によって車両の走行速度である車速の検出信号が入力されている。
さらに、制御装置100には、他にも各種のセンサの検出信号が入力されている。例えば、図1に示すように、制御装置100には、高圧側デリバリパイプ71内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ132の他に、エアフロメータ133、クランクポジションセンサ134、カムポジションセンサ135、冷却水温センサ136が接続されている。また、制御装置100には、車両のメインスイッチ143も接続されている。
エアフロメータ133は、エンジンの吸気通路を通じて気筒内に吸入される空気の温度と、吸入される空気の質量である吸入空気量を検出する。クランクポジションセンサ134は、エンジンの出力軸であるクランクシャフトの回転位相の変化に応じたクランク角信号を出力する。制御装置100は、クランクポジションセンサ134から入力されるクランク角信号に基づいて単位時間あたりのクランクシャフトの回転数である機関回転数を算出する。
カムポジションセンサ135は、カムシャフト42の回転位相の変化に応じたカム角信号を出力する。冷却水温センサ136は、エンジンの冷却水の温度である機関冷却水温THWを検出する。
また、制御装置100には、燃料タンク51内の燃料の液面の高さの水準を検知して燃料の残量を示す検出信号を出力する燃料レベルセンサ138と、外気温を検出する外気温センサ139、大気圧を検出する大気圧センサ140も接続されている。
また、制御装置100には、フィードポンプ52のインペラの単位時間当たりの回転数であるポンプ回転数Npを制御するフィードポンプ制御装置200が接続されている。フィードポンプ制御装置200は、制御装置100からの指令に基づき、フィードポンプ52への供給電力をパルス幅変調により調整することで、ポンプ回転数Npを増減している。なお、フィードポンプ制御装置200は、フィードポンプ52に供給されている電流であるポンプ電流Ip、及びポンプ回転数Npの情報を制御装置100に送信している。
制御装置100は、エンジン制御の一環として、燃料噴射量制御、燃料圧力可変制御、及びフィード圧制御を実行している。
燃料噴射量制御に際して制御装置100はまず、機関回転数やエンジンの負荷率などのエンジン運転状態に応じて筒内燃料噴射弁44、ポート燃料噴射弁30の燃料噴射量の要求値である要求噴射量をそれぞれ演算する。続いて制御装置100は、要求噴射量分の燃料噴射に要する筒内燃料噴射弁44、ポート燃料噴射弁30の開弁時間をそれぞれ演算する。そして、制御装置100は、演算した開弁時間に相当する期間の間、燃料を噴射すべく各気筒の筒内燃料噴射弁44、ポート燃料噴射弁30を操作する。また、制御装置100は、燃料噴射制御の一環として、アクセルの操作量が「0」になっている減速中などに、燃料の噴射を停止してエンジンの燃焼室への燃料の供給を停止し、燃料消費率の低減を図るフューエルカット制御も行う。
燃料圧力可変制御に際して制御装置100は、エンジンの負荷率などに基づき、高圧側燃料圧力の目標値を算出する。高圧側燃料圧力の目標値は基本的には、エンジンの負荷率が低いときには低い圧力に、エンジンの負荷率が高いときには高い圧力に設定される。そして、制御装置100は、燃料圧力センサ132による高圧側燃料圧力の検出値と高圧側燃料圧力の目標値との偏差を縮小すべく、高圧燃料ポンプ60の燃料送出量を調整する。具体的には、高圧側燃料圧力の検出値が目標値よりも低い場合には、プランジャ62の上昇期間における電磁スピル弁64の閉弁時期を早くして、高圧燃料ポンプ60の燃料送出量を増加させる。また、高圧側燃料圧力の検出値が目標値よりも高いときには、プランジャ62の上昇期間における電磁スピル弁64の閉弁時期を遅くして、高圧燃料ポンプ60の燃料送出量を減少させる。
続いて、フィード圧制御の一環として実行する圧力調整処理の詳細を説明する。圧力調整処理は、次の目的で行われる。フィードポンプ52から送出されてフィードパイプ57を流れる燃料がエンジンの熱を受けて高温となると、フィードパイプ57内にベーパが発生して、高圧側デリバリパイプ71、低圧側デリバリパイプ31への燃料の供給が滞ることがある。燃料の圧力が高いほど、燃料の気化温度は高くなるため、フィードパイプ57でのベーパの発生を防止するには、フィードパイプ57へのフィードポンプ52の燃料送出量を多くしてフィード圧Pfを高くすればよい。しかしながら、燃料送出量を増加させれば、その分、フィードポンプ52の電力消費量が増えてしまう。そこで、圧力調整処理では、ベーパの発生を防止可能な限りにおいてフィード圧Pfを低い圧力に維持すべく、フィードポンプ52の燃料吐出量を調整することで、電力消費を抑えつつ、ベーパの発生を防止している。
図2に、制御装置100の実行装置101が実行する圧力調整処理に係る処理の流れを示す。図2に示すように圧力調整処理は、要求圧力設定処理M200、要求ポンプ回転数算出処理M210、フィード圧推定処理M220、及びフィード圧フィードバック処理M230の各処理を通じて行われる。
要求圧力設定処理M200では、実行装置101は、温度推定処理M110を通じて推定した燃料温度Tfに基づいてフィード圧Pfの目標値である要求フィード圧Pf*を算出する。なお、温度推定処理M110は、制御装置100の実行装置101が実行する処理である。温度推定処理M110についての詳細は後述する。
図3に二点鎖線で示すように、この制御装置100では、燃料温度Tfに応じて3段階に要求フィード圧Pf*を切り替える。図3には、二点鎖線で示した要求フィード圧Pf*の他に、燃料の飽和蒸気圧と燃料温度Tfとの関係を、実線と一点鎖線と破線とで示している。なお、実線はガソリンの飽和蒸気圧と燃料温度Tfとの関係を示しており、一点鎖線はガソリンとエタノールとの混合燃料のうち、エタノールを容積比で20%含むE20燃料の飽和蒸気圧と燃料温度Tfとの関係を示している。また、破線はガソリンとメタノールとの混合燃料のうち、メタノールを容積比で15%含むM15燃料の飽和蒸気圧と燃料温度Tfとの関係を示している。
制御装置100では、使用が想定される燃料のうち、最も飽和蒸気圧が高くなる燃料を使用した場合であっても要求フィード圧Pf*が、飽和蒸気圧を下回ることがないように、燃料温度Tfが高いときほど、要求フィード圧Pf*を高くする。具体的には、実行装置101は、要求圧力設定処理M200において、図3に示すように、燃料温度Tfが「T1」未満のときには、要求フィード圧Pf*として「P1」を算出する。そして、実行装置101は、燃料温度Tfが「T1」以上であり、且つ「T1」よりも高い「T2」未満のときには、要求フィード圧Pf*として「P1」よりも高い「P2」を算出する。また、実行装置101は、燃料温度Tfが「T2」以上のときには、要求フィード圧Pf*として「P2」よりも高く且つリリーフ弁56の開弁圧力Pxよりも僅かに低い「P3」を算出する。
要求ポンプ回転数算出処理M210では、実行装置101は、燃料噴射量Qfと、要求圧力設定処理M200を通じて算出した要求フィード圧Pf*とに基づいて、ポンプ回転数Npの目標値である要求ポンプ回転数Np*を算出する。なお、燃料噴射量Qfは、燃料噴射量制御の一環として実行する要求噴射量算出処理M100を通じて算出された要求噴射量、すなわち筒内燃料噴射弁44に対する要求燃料噴射量とポート燃料噴射弁30に対する要求燃料噴射量との和に基づいて把握できる。
制御装置100では、要求ポンプ回転数算出処理M210において、実行装置101が、燃料噴射制御の実行による燃料の消費量を考慮した上で要求フィード圧Pf*を実現するために必要なポンプ回転数Npを、要求ポンプ回転数Np*として算出する。
具体的には、実行装置101は、記憶装置102に記憶されている回転数算出用写像データを用いて要求ポンプ回転数Np*を算出する。回転数算出用写像データは、図2に示すように、要求フィード圧Pf*と燃料噴射量Qfとを入力として要求ポンプ回転数Np*を出力する演算マップである。この演算マップは、例えば、ガソリンを燃料として使用した実験の結果に基づいて要求ポンプ回転数Np*を算出できるように作成されている。図2には、要求ポンプ回転数Np*の等高線を図示している。この演算マップでは、要求フィード圧Pf*が高く、燃料噴射量Qfが多いときほど、出力される要求ポンプ回転数Np*が大きくなる。
フィード圧推定処理M220では、実行装置101は、フィードポンプ制御装置200から受信したポンプ回転数Np及びポンプ電流Ipと、燃料温度Tfとに基づいてフィード圧Pfの推定値を算出する。
具体的には、実行装置101は、記憶装置102に記憶されている推定用写像データを用いてフィード圧Pfの推定値を算出する。推定用写像データは、図2に示すようにポンプ回転数Npとポンプ電流Ipとを入力としてフィード圧Pfを出力する演算マップである。記憶装置102には、推定用写像データとして、対応する燃料温度Tfの水準が異なる3つの演算マップが記憶されている。3つの演算マップは、例えば、「-30℃」に対応する演算マップと、「70℃」に対応する演算マップと、「25℃」に対応する演算マップであり、それぞれ、車両の使用環境下で想定される燃料温度の下限、上限、中央付近に対応する演算マップである。
これら演算マップは、例えば、対応する燃料温度Tfのガソリンを燃料として使用した実験の結果に基づいてフィード圧Pfを算出できるようにそれぞれ作成されている。図2には、フィード圧Pfの等高線を図示している。この演算マップでは、ポンプ回転数が高く、ポンプ電流が大きいときほど、出力されるフィード圧Pfが高くなる。
フィード圧推定処理M220では、まず、実行装置101は、記憶装置102に記憶されている演算マップのうち、2つの演算マップを用いて現在の燃料温度Tfに対応した写像を導出する。
例えば、現在の燃料温度Tfが30℃である場合、30℃よりも低い25℃に対応する推定用写像データと、30℃よりも高い70℃に対応する推定用写像データとから30℃に対応する写像を導出する。ここでは、線形補間によって30℃に対応する写像を導出する。
フィード圧推定処理M220では、実行装置101は、こうして補間により導出した写像に、現在のポンプ回転数Np及びポンプ電流Ipを入力することにより、現在のフィード圧Pfの推定値を算出する。
フィード圧フィードバック処理M230では、実行装置101は、要求圧力設定処理M200を通じて算出された要求フィード圧Pf*と、フィード圧推定処理M220を通じて算出されたフィード圧Pfの推定値とに基づいて要求ポンプ回転数Np*の補正量ΔNを算出する。具体的には、フィード圧フィードバック処理M230では、実行装置101は、フィード圧Pfの推定値が要求フィード圧Pf*よりも小さいときには、補正量ΔNを所定量大きくする。一方で、実行装置101は、フィード圧Pfの推定値が要求フィード圧Pf*よりも大きいときには、補正量ΔNを所定量小さくする。そして、実行装置101は、算出した補正量ΔNを、要求ポンプ回転数算出処理M210を通じて算出された要求ポンプ回転数Np*に加算して要求ポンプ回転数Np*を補正する。これにより、フィードポンプ制御装置200には、フィード圧フィードバック処理M230を通じて算出された補正量ΔNによって補正された後の要求ポンプ回転数Np*が入力される。そして、フィードポンプ制御装置200は、入力された要求ポンプ回転数Np*を実現するようにフィードポンプ52への供給電力を制御する。
要求ポンプ回転数Np*を大きくすると、単位時間当たりにフィードポンプ52から吐出される燃料の量が増えるため、フィード圧Pfが高くなる。一方で、要求ポンプ回転数Np*を小さくすると、単位時間当たりにフィードポンプ52から吐出される燃料の量が減るため、フィード圧Pfが低くなる。すなわち、フィード圧フィードバック処理M230は、推定値と要求フィード圧Pf*との偏差を小さくするように要求ポンプ回転数Np*を補正する処理である。
このようにこの実施形態の燃料供給システムでは、フィード圧Pfを検出するセンサを設けずに、燃料温度Tfとポンプ回転数Npとポンプ電流Ipとに基づいてフィード圧Pfの推定値を算出し、算出した推定値を用いてフィード圧Pfをフィードバック制御している。実行装置101は、こうした圧力調整処理を通じて要求フィード圧Pf*を実現するように写像データを用いてフィードポンプ52への供給電力を制御する。
また、この実施形態の燃料供給システムでは、フィード圧Pfだけでなく、燃料温度Tfについても、燃料温度Tfを検出するセンサを設けずに、推定している。
次に燃料温度Tf推定する温度推定処理M110について、図4を参照して説明する。図4は、温度推定処理M110にかかるルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。このルーチンは、制御装置100に電力が供給されており、制御装置100が稼働しているときに実行装置101によって所定の周期で繰り返し実行される。なお、この制御装置100では、燃料温度Tfとして燃料タンク51内の燃料の温度を推定している。
実行装置101は、このルーチンを開始すると、まずステップS100の処理において、燃料への入熱量Qinを算出する。この制御装置100では、このステップS100の処理において、温度を推定する対象である燃料タンク51内の燃料への入熱量Qinを算出する。
具体的には、エンジンが運転されているときには、エンジンの負荷率及び機関回転数に基づいて入熱量Qinを算出する。負荷率が高いほど、また機関回転数が高いほど、エンジンで発生する熱が多くなるため、燃料タンク51内の燃料に対する入熱量Qinも多くなる。そこで、このステップS100の処理では、エンジンが運転されているときには、実行装置101は、負荷率が高いほど、また機関回転数が高いほど、入熱量Qinが大きくなるように、負荷率及び機関回転数に基づいて入熱量Qinを算出する。
また、エンジンの運転が停止しているときには、燃焼による熱は発生しないものの、エンジン側からの伝熱により燃料タンク51内の燃料の温度が上昇する。そこで、このステップS100の処理では、エンジンの運転が停止しているときには、実行装置101は、エンジンが停止する前の入熱量Qinとエンジン停止からの経過時間とに基づいて入熱量Qinを算出する。例えば、実行装置101は、エンジンが停止する前の入熱量Qinが多いときほど入熱量Qinが大きくなるように、また、エンジン停止からの経過時間が長くなるほど入熱量Qinが小さくなるように、入熱量Qinを算出する。
次に、実行装置101は、処理をステップS110へと進める。そして、実行装置101は、ステップS110の処理において、放熱量Qoutを算出する。この制御装置100では、このステップS110の処理において、温度を推定する対象である燃料タンク51内の燃料からの放熱量Qoutを算出する。
具体的には、実行装置101は、燃料温度Tfの推定値と、外気温センサ139によって検出されている外気温と、車速とに基づいて放熱量Qoutを算出する。燃料温度Tfから外気温を引いた差が大きいほど、すなわち外気温が燃料温度Tfより低いほど放熱量Qoutは多くなる。また、車速が高いほど、外気との熱交換が促進されるため、放熱量Qoutは多くなる。そこで、ステップS110の処理では、実行装置101は、燃料温度Tfから外気温を引いた差が大きいほど、また車速が高いほど、放熱量Qoutが大きくなるように、放熱量Qoutを算出する。
次に、実行装置101は、処理をステップS120へと進める。そして、実行装置101は、ステップS120の処理において、補正係数Kfを算出する。この補正係数Kfは、燃料タンク51内の燃料の残量が多いほど、熱容量が大きくなり、入熱量Qin及び放熱量Qoutに応じた燃料の温度変化が小さくなることを、温度変化量ΔTfの算出に反映させるための係数である。そのため、このステップS120の処理では、実行装置101は、燃料の残量が多いほど小さくなるように、補正係数Kfを算出する。
次に、実行装置101は、処理をステップS130へと進める。そして、ステップS100~S120の処理を通じて算出した入熱量Qinと放熱量Qoutと補正係数Kfとを用いて温度変化量ΔTfを算出する。
具体的には、実行装置101は、入熱量Qinから放熱量Qoutを引いた差を入放熱量Qとして算出する。そして、この入放熱量Qに補正係数Kfを乗じる。こうして算出した積が温度変化量ΔTfである。
次に、実行装置101は、処理をステップS140へと進める。そして、ステップS140の処理において、燃料温度Tfを更新する。
具体的には、前回の制御周期における温度推定処理M110を通じて推定した燃料温度Tfに、温度変化量ΔTfを加算した和を新たな燃料温度Tfにする。こうして燃料温度Tfを更新すると、実行装置101は、このルーチンを一旦終了させる。
このように制御装置100では、このルーチンを実行することにより、燃料タンク51内の燃料に対する入放熱量Qと燃料の残量とに基づいて温度変化量ΔTfを算出し、燃料温度Tfを更新する。つまり、この制御装置100では、このルーチンを繰り返し実行することにより、温度変化量ΔTfを積算することによって燃料温度Tfを推定する温度推定処理M110を実現している。
ところで、メインスイッチ143がオフにされ、制御装置100の稼働が停止している間は、フィードポンプ52の駆動も停止される。そして、各種のセンサからの信号も得られなくなる。しかし、メインスイッチ143がオフにされて機関運転が停止している間も、外気との熱交換やエンジン各部からの熱の伝達によってフィードパイプ57内の燃料の温度は変化し、フィード圧Pfは変化する。
このように、メインスイッチ143がオフになっているときには、フィード圧推定処理M220を通じてフィード圧Pfを推定することができない。そのため、メインスイッチ143がオンにされたときにフィード圧Pfを的確に把握することができず、適切なフィード圧制御を実行することができなくなるおそれがある。
そこで、この制御装置100では、メインスイッチ143がオフにされたときの情報と、メインスイッチ143がオンにされたときの情報に基づいて、メインスイッチ143がオフになっていた間のフィード圧Pfの変化量である圧力変化量ΔPfを算出する。そして、算出した圧力変化量ΔPfを用いてメインスイッチ143がオンにされて稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値を算出するようにしている。
以下、図5~図7を参照して、制御装置100の稼働が停止される場合のフィード圧Pfの算出について説明する。
まずは、図5を参照してメインスイッチ143がオフにされて制御装置100の稼働を停止する際に実行するルーチンについて説明する。このルーチンは、メインスイッチ143がオフにされ、制御装置100が稼働を停止するまでの間に制御装置100の実行装置101によって実行される。
図5に示すように、このルーチンを開始すると、実行装置101はまずステップS200の処理において、燃料の残量を記憶装置102に記憶させる。次に、実行装置101は、処理をステップS210へと処理を進め、フィード圧推定処理M220によって推定されているフィード圧Pfを記憶装置102に記憶させる。
そして、実行装置101は、処理をステップS220へと進め、ステップS220の処理において、温度推定処理M110によって推定されている燃料温度Tfを記憶装置102に記憶させる。次に、実行装置101は、ステップS230の処理において、機関冷却水温THWを記憶装置102に記憶させる。
こうして、燃料の残量、フィード圧Pf、燃料温度Tf及び機関冷却水温THWを記憶装置102に記憶させると、次のステップS240の処理において、実行装置101は、ソークタイマ103によるソーク時間の計測を開始する。このソーク時間の計測は、後述するメインスイッチ143がオンにされたとき実行されるルーチンにおいて停止される。すなわち、ソークタイマ103は、メインスイッチ143がオフにされて車両の稼働が停止されている期間の長さをソーク時間として計測することになる。
実行装置101は、こうしてステップS240の処理を通じてソーク時間の計測を開始すると、この一連の処理を終了させる。
次に、図6を参照してメインスイッチ143がオンにされて制御装置100の稼働を再開したときに実行するルーチンについて説明する。このルーチンは、メインスイッチ143がオンにされ、制御装置100が稼働を再開したときに制御装置100の実行装置101によって実行される。
図6に示すように、このルーチンを開始すると、実行装置101はまずステップS300の処理において、ソークタイマ103によるソーク時間の計測を終了させる。次に、実行装置101は、ステップS310の処理においてソーク時間が既定時間以上であるか否かを判定する。ソーク時間が長くなると、外気との熱交換により燃料温度が低下し、フィード圧Pfは低下する。また、チェック弁59が設けられているものの、ソーク時間が長くなると、次第にフィードパイプ57内の燃料が燃料タンク51に戻ってしまい、それによってもフィード圧Pfは低下する。そして、最終的にフィード圧Pfは大気圧と等しい水準に収束する。既定時間の値は、ソーク時間が既定時間以上であることに基づいてフィード圧Pfが大気圧相当まで低下していると判定することができるように、予め行う実験などの結果に基づいて設定されている。例えば、実験などにより制御装置100の稼働が停止されたときのフィード圧Pfや外気温が異なる様々な条件においてフィード圧Pfが大気圧相当まで低下するのに要した時間を計測し、その最大値よりも大きな値を既定時間にすればよい。
ステップS310の処理において、ソーク時間が既定時間未満であると判定した場合(ステップS310:NO)には、実行装置101は、処理をステップS320へと処理を進める。そして、ステップS320の処理において、実行装置101は、第1加重平均値Q1を算出する。第1加重平均値Q1は、図5を参照して説明したルーチンにおいて記憶装置102に記憶させた燃料温度Tfと、機関冷却水温THWとの加重平均値である。この第1加重平均値Q1における燃料温度Tfと機関冷却水温THWとのそれぞれに対する重みの大きさはあらかじめ行う実験の結果に基づいて設定する適合値である。この燃料供給システムの場合、燃料温度Tfの方が機関冷却水温THWよりもフィード圧Pfの推定に及ぼす影響が大きい。そのため、制御装置100では、燃料温度Tfに対する重みを機関冷却水温THWに対する重みよりも大きくしている。
次に、実行装置101は処理をステップS330へと処理を進め、ステップS330の処理において、燃料温度Tfを算出する。なお、制御装置100が稼働していないと、温度変化量ΔTfの積算を行うことができないため、ここでは図4を参照して説明した温度推定処理M110とは異なる方法で燃料温度Tfを算出する。上述したように、エンジンの運転が停止しているときには、燃焼による熱は発生しないものの、エンジンの運転が停止してからしばらくの間はエンジン側からの伝熱により燃料タンク51内の燃料の温度が上昇する。また、外気との熱交換による放熱は時間の経過とともに進む。そのため、実行装置101は、このステップS330の処理において、図5を参照して説明したルーチンにおいて記憶装置102に記憶させた燃料温度Tfと、ソーク時間と、外気温とに基づいて燃料温度Tfの算出を算出する。例えば、メインスイッチ143がオフにされてから一定の期間においては、時間の経過とともに燃料温度Tfが上昇し、一定の期間を超えると時間の経過とともに燃料温度Tfが低下して外気温と等しい温度に収束するものとしてソーク時間に応じて燃料温度Tfを算出する。
ステップS330の処理において燃料温度Tfを算出すると、実行装置101は、処理をステップS340へと処理を進める。そして、ステップS340の処理において、実行装置101は、機関冷却水温THWを検出する。そして、次のステップS350の処理において、実行装置101は、第2加重平均値Q2を算出する。第2加重平均値Q2は、ステップS330の処理を通じて算出した燃料温度Tfと、ステップS340の処理を通じて検出した機関冷却水温THWとの加重平均値である。この第2加重平均値Q2における燃料温度Tfと機関冷却水温THWとのそれぞれに対する重みの大きさも第1加重平均値Q1を算出する際の重みと同様にあらかじめ行う実験の結果に基づいて設定する適合値である。
第2加重平均値Q2を算出すると、実行装置101は、処理をステップS360へと進める。そして、実行装置101は、ステップS360の処理において、メインスイッチ143がオフにされたときの加重平均値である第1加重平均値Q1からメインスイッチ143がオンにされたときの加重平均値である第2加重平均値Q2への変化量ΔQを算出する。具体的には、実行装置101は、第2加重平均値Q2から第1加重平均値Q1を引いた差を変化量ΔQとして算出する。
次に、実行装置101は、ステップS370の処理において、変化量ΔQに基づいて圧力変化量ΔPfを算出する。具体的には、実行装置101は、記憶装置102に記憶されている演算マップを参照してメインスイッチ143がオフにされていた期間におけるフィード圧Pfの変化量である圧力変化量ΔPfを算出する。
図7に示すように、この演算マップは、入力された変化量ΔQの値に対応する圧力変化量ΔPfの値を出力するものである。この演算マップは、あらかじめ行う実験などの結果に基づいて作成されており、この制御装置100では、図7に示すように、変化量ΔQが「0」であるときには、圧力変化量ΔPfが「0」になっている。そして、この演算マップでは、変化量ΔQの値が大きな値であるほど、出力される圧力変化量ΔPfの値も大きくなる。そのため、このステップS370の処理では、ソーク時間の間に燃料温度Tf及び機関冷却水温THWが低下していて変化量ΔQが「0」より小さくなるほど、圧力変化量ΔPfがより小さな負の値、すなわち絶対値の大きな負の値になる。
次のステップS380の処理では、実行装置101は燃料供給システムの稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値を算出する。具体的には、実行装置101は、図5を参照して説明したルーチンにおいて記憶装置102に記憶させたフィード圧Pfに圧力変化量ΔPfを加算して、その和をフィード圧Pfの初期値として算出する。
一方で、ステップS310の処理においてソーク時間が既定時間以上であると判定した場合(ステップS310:YES)には、実行装置101は、処理をステップS385へと進める。そして、ステップS385の処理において、実行装置101は、大気圧センサ140によって大気圧を検出する。そして、次のステップS390の処理において、実行装置101は、検出した大気圧と等しい値を燃料供給システムの稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値にする。すなわち、この制御装置100では、ソーク時間が既定時間以上になっている場合には、大気圧に基づいてフィード圧Pfの初期値を算出し、フィード圧Pfの初期値を大気圧と等しい値にする。
ステップS380の処理又はステップS390の処理を通じてフィード圧Pfの初期値を算出すると、実行装置101は、このルーチンを終了させる。
本実施形態の作用について説明する。
この制御装置100では、メインスイッチ143がオフにされて稼働が停止されるときに図5を参照して説明したルーチンを実行して、メインスイッチ143がオフにされたときの情報を記憶装置102に記憶する(ステップS200~S230)。また、このルーチンにおいて、ソーク時間の計測を開始する(ステップS240)。
そして、この制御装置100では、メインスイッチ143が再びオンにされて稼働が再開されたときには、図6を参照して説明したルーチンを実行する。そして、実行装置101は、ソーク時間が既定時間未満の場合(ステップS310:NO)には、このルーチンを通じて、第1加重平均値Q1から第2加重平均値Q2への変化量ΔQを算出する(ステップS320~S360)。そして、実行装置101は、変化量ΔQに基づいてメインスイッチ143がオフになっていた期間のフィード圧Pfの変化量である圧力変化量ΔPfを算出する(ステップS370)。すなわち、この制御装置100では、ステップS320~S370が変化量推定処理になっている。
そして、制御装置100は、メインスイッチ143がオフにされたときに推定されていたフィード圧Pfに、変化量推定処理を通じて推定した圧力変化量ΔPfを反映させて稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値を算出する(ステップS380)。すなわち、この制御装置100では、ステップS380の処理が初期値算出処理になっている。
燃料タンク51内の燃料の温度を含む複数箇所の温度の指標値は、フィードパイプ57内の燃料の温度と相関を有している。そして、フィード圧Pfはフィードパイプ57内の燃料の温度と相関を有している。そこで、制御装置100では、燃料温度Tfと機関冷却水温THWの加重平均値を算出し、メインスイッチ143がオフにされたときのそれら温度の加重平均値である第1加重平均値Q1からメインスイッチ143がオンにされたときのそれら温度の加重平均値である第2加重平均値Q2への変化量ΔQを算出している。すなわち、メインスイッチ143がオフにされている間のフィードパイプ57内の燃料の温度の変化量の指標値として、加重平均値の変化量ΔQを算出している。変化量推定処理では、この加重平均値の変化量ΔQに基づいてメインスイッチがオフにされてからオンにされるまでの間のフィード圧Pfの変化量である圧力変化量ΔPfを推定している。そして、推定した圧力変化量ΔPfを、メインスイッチ143がオフにされたときに推定されていたフィード圧Pfに反映させてフィード圧Pfの初期値を算出している。
本実施形態の効果について説明する。
(1)制御装置100では、メインスイッチ143がオフにされたときの情報とメインスイッチ143がオンにされたときの情報とに基づいてメインスイッチ143がオフにされている間のフィード圧Pfの変化量を推定して稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値を算出することができる。すなわち、メインスイッチ143がオンにされたときにフィード圧Pfを的確に把握することができるようになる。
(2)制御装置100では、加重平均値を算出する際に用いる複数箇所の温度の指標値に、機関冷却水温THWが含まれている。エンジンは、フィードパイプ57内の燃料が受ける熱の発生源である。そのため、エンジンの温度の指標値になる機関冷却水温THWは、燃料温度Tfと相関を有する指標値である。そのため、制御装置100によれば、エンジンからの受熱の影響をより反映させて圧力変化量ΔPfを推定することができる。
(3)制御装置100では、ソーク時間が既定時間以上である場合(ステップS310:YES)には、変化量推定処理を実行せずに、初期値設定処理として、大気圧に基づいてフィード圧Pfの初期値を算出する(ステップS390)。
メインスイッチ143がオフになっている間は、燃料温度Tfが外気温と等しい値に収束するように低下するとともに、フィードパイプ57内の燃料が燃料タンク51に少しずつ戻るため、フィード圧Pfが低下する。そのため、ソーク時間が長くなると、最終的にフィード圧Pfは大気圧に収束する。
制御装置100によれば、ソーク時間が既定時間以上になっており、フィード圧Pfが大気圧に収束していると推定されるときに、大気圧に基づいてフィード圧Pfの初期値を算出する。そのため、ソーク時間が既定時間以上になっているときに、圧力変化量ΔPfの推定誤差などの影響を受けることなく、フィード圧Pfの初期値を算出することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・制御装置100では、第1加重平均値Q1及び第2加重平均値Q2の算出に用いる温度の指標値の一つとして機関冷却水温THWを用いる例を示したが、機関冷却水温THWに替えてエンジンの油温を用いてもよい。また、第1加重平均値Q1及び第2加重平均値Q2の算出に用いる温度の指標値に、燃料温度Tf及び機関冷却水温THWに加えて、油温が含まれていてもよい。
上述したように、エンジンは、フィードパイプ57内の燃料が受ける熱の発生源である。エンジンの温度の指標値になる油温は、燃料温度と相関を有する指標値である。温度の指標値に、エンジンの油温が含まれていれば、油温によってエンジンからの受熱の影響を反映させて圧力変化量ΔPfを推定することができる。
・第1加重平均値Q1及び第2加重平均値Q2の算出に用いる温度の指標値に、外気温を含めるようにしてもよい。フィードパイプ57内の燃料の温度は外気との熱交換によって低下する。そのため、燃料供給システムが位置する空間の温度である外気温は、燃料温度と相関を有する指標値である。そのため、温度の指標値に、外気温が含まれていれば、外気への放熱の影響をより反映させて圧力変化量ΔPfを推定することができるようになる。
第1加重平均値Q1及び第2加重平均値Q2の算出に用いる温度の指標値に、外気温を含める場合には、例えば、制御装置100は、図8に示すルーチン及び図9に示すルーチンを実行する。すなわち、制御装置100の実行装置101は、図5を参照して説明したルーチンに替えて図8に示すルーチンを実行し、図6を参照して説明したルーチンに替えて図9に示すルーチンを実行する。
この場合、具体的には、制御装置100は、メインスイッチ143がオフにされて制御装置100の稼働を停止する際に図8に示すルーチンを実行する。図8に示すように、このルーチンは、ステップS200~S230までの処理は図5を参照して説明したルーチンと同じである。このルーチンでは、ステップS230の処理の後、実行装置101は、処理をステップS235へと進め、ステップS235の処理において、外気温を記憶装置102に記憶させる。そして、実行装置101は、次のステップS240の処理において、ソークタイマ103によるソーク時間の計測を開始する。実行装置101は、こうしてステップS240の処理を通じてソーク時間の計測を開始すると、この一連の処理を終了させる。
メインスイッチ143がオンにされ、制御装置100が稼働を再開したときに制御装置100の実行装置101は、図9に示すルーチンを実行する。
図9に示すように、このルーチンを開始すると、実行装置101はまずステップS300の処理において、ソークタイマ103によるソーク時間の計測を終了させる。次に、実行装置101は、ステップS310の処理においてソーク時間が既定時間以上であるか否かを判定する。既定時間の値は、上記の実施形態と同様に、ソーク時間が既定時間以上であることに基づいてフィード圧Pfが大気圧相当まで低下していると判定することができるように、予め行う実験などの結果に基づいて設定されている。
ステップS310の処理において、ソーク時間が既定時間未満であると判定した場合(ステップS310:NO)には、実行装置101は、処理をステップS320へと処理を進める。そして、ステップS320の処理において、実行装置101は、第1加重平均値Q1を算出する。ここでは、第1加重平均値Q1は、図8を参照して説明したルーチンにおいて記憶装置102に記憶させた燃料温度Tfと、機関冷却水温THWと、外気温との加重平均値である。この第1加重平均値Q1における燃料温度Tfと機関冷却水温THWと外気温とのそれぞれに対する重みの大きさはあらかじめ行う実験の結果に基づいて設定する適合値である。
次に、実行装置101は処理をステップS330へと処理を進め、ステップS330の処理において、燃料温度Tfを算出する。このステップS330における燃料温度Tfの算出態様は、図6を参照して説明したルーチンにおけるステップS330の処理と同じである。
ステップS330の処理において燃料温度Tfを算出すると、実行装置101は、処理をステップS340へと処理を進める。そして、ステップS340の処理において、実行装置101は、機関冷却水温THWを検出する。次に実行装置101は、処理をステップS345へと進め、ステップS345の処理において、外気温を検出する。
そして、実行装置101は、次のステップS350の処理において、実行装置101は、第2加重平均値Q2を算出する。第2加重平均値Q2は、ステップS330の処理を通じて算出した燃料温度Tfと、ステップS340の処理を通じて検出した機関冷却水温THWと、ステップS345の処理を通じて検出した外気温との加重平均値である。この第2加重平均値Q2における燃料温度Tfと機関冷却水温THWと外気温とのそれぞれに対する重みの大きさも第1加重平均値Q1を算出する際の重みと同様にあらかじめ行う実験の結果に基づいて設定する適合値である。
第2加重平均値Q2を算出すると、実行装置101は、処理をステップS360へと進め、第1加重平均値Q1から第2加重平均値Q2への変化量ΔQを算出する。つまり、実行装置101は、第2加重平均値Q2から第1加重平均値Q1を引いた差を変化量ΔQとして算出する。そして、実行装置101は、ステップS370の処理において、変化量ΔQに基づいて圧力変化量ΔPfを算出する。こうして実施形態の制御装置100と同様に、実行装置101は、記憶装置102に記憶されている演算マップを参照してメインスイッチ143がオフにされていた期間におけるフィード圧Pfの変化量である圧力変化量ΔPfを算出する。
そして最後に、実行装置101は、ステップS380の処理において、燃料供給システムの稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値を算出する。
なお、このルーチンにおいても、ステップS310の処理においてソーク時間が既定時間以上であると判定した場合(ステップS310:YES)には、実行装置101は、処理をステップS385へと進め、大気圧センサ140によって大気圧を検出する。そして、次のステップS390の処理において、実行装置101は、検出した大気圧と等しい値を燃料供給システムの稼働を再開するときのフィード圧Pfの初期値にする。
ステップS380の処理又はステップS390の処理を通じてフィード圧Pfの初期値を算出すると、実行装置101は、このルーチンを終了させる。
こうして加重平均値の算出に用いる温度の指標値の一つとして外気温を含めるようにすれば、外気への放熱の影響をより反映させて圧力変化量ΔPfを推定することができる。
・第1加重平均値Q1の算出をメインスイッチ143がオンにされて制御装置100が稼働されたときに実行されるルーチンにおいて実行する例を示した。これに対して、第1加重平均値Q1の算出は、メインスイッチ143がオフにされてから制御装置100の稼働を停止するまでの間に実行するルーチンにおいて実行してもよい。
・燃料タンク51内の燃料の温度をそのまま燃料温度Tfとして算出し、要求圧力設定処理やフィード圧制御などに使用する例を示した。これに対して、要求圧力設定処理やフィード圧制御などに使用する燃料温度Tfは燃料タンク51内の燃料の温度そのものでなくてもよい。例えば、フィードパイプ57内の燃料の温度を燃料温度Tfとして算出する場合には、燃料タンク51内の燃料の温度に加えて、高圧燃料ポンプ60内の燃料の温度を用いることが考えられる。すなわちフィードパイプ57には燃料タンク51内の燃料が供給されるため、フィードパイプ57内の燃料の温度は燃料タンク51内の燃料の温度に基づいて決まるが、フィードパイプ57は高圧燃料ポンプ60に接続されている。高圧燃料ポンプ60はポンプカム67が高温のオイルによって潤滑されているため、高圧燃料ポンプ60内の燃料は燃料タンク51内の燃料の温度よりも高くなりやすい。そのため、フィードパイプ57内の燃料は、高圧燃料ポンプ60側からの熱の伝達により燃料タンク51内の燃料よりも温度が高くなる。そこで、こうした高圧燃料ポンプ60側からの伝熱の影響を考慮するため、燃料タンク51内の燃料の温度に加えて、高圧燃料ポンプ60内の燃料の温度を用いて燃料温度Tfとしてフィードパイプ57内の温度を推定する温度推定処理M110を実行する。
・また、入熱量Qinと放熱量Qoutをいずれも正の値で表現した例を示したが、入熱量Qin及び放熱量Qoutの正負はこうした組み合わせに限らない。例えば、燃料における熱の増減の方向にあわせて入熱量Qinを正の値で表現する一方で、放熱量Qoutを負の値で表現するようにしてもよい。この場合には、入放熱量Qは、入熱量Qinと放熱量Qoutを加算した和になる。
・上記実施形態では、フィード圧制御では、フィード圧を3段階に変更するようにしたが、2段階に変更したり、4段階以上に変更したりしてもよい。また、要求圧力設定処理を通じて要求フィード圧Pf*を可変設定することなく、要求フィード圧Pf*を固定してフィード圧制御を行うようにしてもよい。
・現在の燃料温度Tfに対応した写像を、複数の推定用写像データからの補間によって導出する例を示したが、こうした態様でなくてもよい。例えば、燃料噴射量Qfと要求フィード圧Pf*とに加えて、燃料温度Tfを入力とした1つの推定用写像データを使って要求ポンプ回転数Np*を算出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、推定用写像データの例として、演算マップを例示したが、写像データは、演算マップに限らない。例えば、数式で表現される演算モデルであってもよい。すなわち、係数を実験の結果に基づいて適合した適合済み演算モデルや、機械学習を用いて作成した機械学習済みモデルであってもよい。
・エンジンが筒内燃料噴射弁44や高圧側デリバリパイプ71、高圧燃料ポンプ60などを含む高圧燃料供給系とポート燃料噴射弁30や低圧側デリバリパイプ31などからなる低圧燃料供給系とを備えている例を示した。しかし、この制御装置100が適用されるエンジンは必ずしも燃料供給系を2つ備えていなくてもよい。例えば、制御装置100を適用するエンジンは、低圧側デリバリパイプ31やポート燃料噴射弁30を備えておらず、高圧燃料供給系に相当する燃料供給系のみを備えていてもよい。この場合でも高圧燃料ポンプ60よりも上流側のフィードパイプ57内の燃料圧力であるフィード圧Pfを的確に制御するために、上記の実施形態の構成を採用することが有用である。もちろん、低圧燃料供給系のみを備えているエンジンにこの制御装置100を適用することもできる。
・燃料温度Tfを推定する例を示したが、図1に破線で示すように、燃料温度Tfを検出する燃料温度センサ137を備えた燃料供給システムに制御装置100と同様の構成を適用することもできる。その場合には、温度推定処理M110を実行する必要がなくなる。また、燃料温度センサ137によって検出した燃料温度Tfを用いて加重平均値を算出するようにすればよい。
・制御装置100が、フィードポンプ制御装置200を通じてフィードポンプ52を制御する例を示したが、制御装置100とフィードポンプ制御装置200の機能を兼ね備えた1つの制御装置になっている構成を採用してもよい。また、3つ以上のユニットによって制御装置が構成されていてもよい。
・実行装置101は、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、実行装置101は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
51…燃料タンク
52…フィードポンプ
57…フィードパイプ
100…制御装置
101…実行装置
102…記憶装置
103…ソークタイマ
136…冷却水温センサ
139…外気温センサ
140…大気圧センサ

Claims (5)

  1. 燃料タンクから燃料を汲み上げる電動のフィードポンプと、
    前記フィードポンプから吐出された燃料が流れるフィードパイプと、を備えた燃料供給システムに適用され、
    燃料温度を用いて要求フィード圧を設定する要求圧力設定処理と、燃料温度及び前記フィードポンプのインペラの単位時間当たりの回転数であるポンプ回転数及び前記フィードポンプにおける電流値であるポンプ電流値を用いて前記フィードパイプ内の燃料の圧力であるフィード圧を推定するフィード圧推定処理と、推定したフィード圧と要求フィード圧との偏差を小さくするように前記フィードポンプへの供給電力を制御する圧力調整処理と、を実行する実行装置を備えた前記燃料供給システムの制御装置であり、
    前記実行装置は、メインスイッチがオフにされて稼働が停止され、前記メインスイッチが再びオンにされて稼働が再開されたときには、
    前記燃料タンク内の燃料の温度を含む複数箇所の温度を用いて、前記メインスイッチがオフにされたときのそれら温度の加重平均値から前記メインスイッチがオンにされたときのそれら温度の加重平均値への変化量を算出し、前記変化量に基づいて前記メインスイッチがオフになっていた期間のフィード圧の変化量を推定する変化量推定処理と、
    前記メインスイッチがオフにされたときに推定されていたフィード圧に、前記変化量推定処理を通じて推定したフィード圧の変化量を反映させて稼働を再開するときのフィード圧の初期値を算出する初期値算出処理と、を実行する
    燃料供給システムの制御装置。
  2. 複数箇所の温度の指標値に、機関冷却水温が含まれている
    請求項1に記載の燃料供給システムの制御装置。
  3. 複数箇所の温度の指標値に、エンジンの油温が含まれている
    請求項1又は請求項2に記載の燃料供給システムの制御装置。
  4. 複数箇所の温度の指標値に、外気温が含まれている
    請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料供給システムの制御装置。
  5. 前記メインスイッチがオフにされてから前記メインスイッチがオンにされるまでの時間であるソーク時間が既定時間以上である場合には、
    前記実行装置は、前記変化量推定処理を実行せずに、
    前記初期値算出処理として、大気圧に基づいて前記フィード圧の初期値を算出する処理を実行する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料供給システムの制御装置。
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