JP2008014169A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関停止中に燃料噴射弁から漏洩する燃料によって再始動時に空燃比がオーバーリッチになることを防止する。
【解決手段】始動時水温と機関の停止時間とに対応して始動時の噴射パルス幅を記憶するマップを備え、該マップから検索した始動時噴射パルス幅に基づいて、始動時の燃料噴射を制御する。そして、始動が完了すると空燃比センサで空燃比を検出し、次回の始動時に前記空燃比の検出結果に基づいて始動時噴射パルス幅を補正すると共に、前記マップの噴射パルス幅のデータも書き換える。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、詳しくは、機関の始動時における燃料噴射量の制御技術に関する。
特許文献1には、始動完了後の燃料噴射量を、燃料噴射回数,機関の回転回数及び経過時間のいずれか1つに応じて補正する燃料噴射制御装置が開示されている。
特開2001−329888号公報
ところで、機関停止直後は、燃料噴射弁の上流側の燃料圧力が高いため、燃料噴射弁から吸気管内に燃料が漏洩することがあり、この漏洩した燃料が蒸散する前に機関が再始動されると、通常に燃料噴射弁から噴射される燃料に対して前記漏洩分が余分に加わることになる。
そして、漏洩分が余剰燃料として付加されることで、空燃比が目標に対してオーバーリッチになり、排気性状の悪化などを招く。
従来の燃料噴射制御装置では、上記の機関停止中に漏洩する燃料分を見込んだ補正がなされておらず、漏洩による空燃比のオーバーリッチ化を回避することができないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、機関停止中に燃料噴射弁から漏洩する燃料によって再始動時に空燃比がオーバーリッチになってしまうことを回避できる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明は、内燃機関の停止時間を計測し、前記停止時間に応じて始動時の燃料噴射量を設定することを特徴とする。
機関停止直後は、燃料噴射弁から燃料が漏洩し、しかも、漏洩した燃料が蒸散せずに残っているが、停止時間が長くなると、漏洩に伴う燃料圧力の低下によって燃料の漏洩が収束し、かつ、漏洩した燃料の蒸散も進むことになり、再始動時に余剰分として付加されることになる漏洩燃料量と機関の停止時間とには相関がある。
そこで、上記発明では、機関の停止時間から、再始動時に余剰分として付加されることになる漏洩燃料量を推定し、始動時の燃料噴射量を、漏洩燃料分だけ減らして、空燃比がオーバーリッチとなることを回避する。
従って、機関停止時間に因らずに、始動の空燃比制御精度を向上させることができ、始動時の排気性状を改善できる。
請求項2記載の発明は、内燃機関の停止時間及び始動時の機関温度に応じて始動時の燃料噴射量を設定することを特徴とする。
上記発明によると、始動時に吸気管内壁に付着する燃料(壁流)に影響する始動時の機関温度と、再始動時に余剰分として付加されることになる漏洩燃料量に相関する機関停止時間との双方から、始動時の燃料噴射量が決定される。
従って、壁流分と漏洩分とを考慮して始動時の燃料噴射量を設定でき、始動時の空燃比制御精度をより向上させることができる。
請求項3記載の発明は、始動完了直後の空燃比に基づいて前記始動時の燃料噴射量を学習することを特徴とする。
上記発明によると、機関の停止時間に応じて始動時の燃料噴射量を設定した結果としての空燃比を始動完了直後に検出し、機関の停止時間に対して機関に供給される漏洩燃料分の予測を、前記空燃比の検出結果に基づいて学習する。
従って、燃料噴射弁の特性ばらつきや経時変化によって漏洩燃料量が変化することに対応して、始動時の燃料噴射量を適正値に修正でき、始動時における空燃比の制御精度を安定的に保持できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム図である。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでバタフライ式のスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装される。
そして、前記電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
各気筒の吸気バルブ105上流の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131がそれぞれ設けられている。
前記燃料噴射弁131は、コントロールユニット114からの噴射パルス信号によって開弁駆動されると、燃料を吸気バルブ105に向けて噴射する。
前記燃焼室106内に空気と混合して吸引された燃料は、点火プラグ151による火花点火によって着火燃焼する。
前記点火プラグ151には、それぞれパワートランジスタ内蔵式イグニッションコイル152が直付けされており、前記コントロールユニット114から前記パワートランジスタのオン・オフを制御する点火制御信号を出力することで、各気筒の点火時期が制御される。
前記燃焼室106内の燃焼排気は、排気バルブ107を介して排気管に排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト111,排気側カムシャフト110に設けられたカムによって開閉駆動される。
燃料タンク135には、電動式の燃料ポンプ136が内蔵され、この燃料ポンプ136を駆動することで燃料タンク135内の燃料(ガソリン)が前記燃料噴射弁131に向けて圧送される。
前記燃料ポンプ136から吐出された燃料を各燃料噴射弁131に分配する分配管137には、燃圧センサ138が設けられており、該燃圧センサ138で検出される燃圧が目標圧になるように、前記燃料ポンプ136の吐出量が前記コントロールユニット114によってフィードバック制御される。
尚、燃圧のコントロールは、燃料タンク135内への燃料の戻し量を調整することで目標燃圧を得る構成であってもよい。
前記コントロールユニット114はマイクロコンピュータを内蔵し、予め記憶されたプログラムに従って各種センサからの検出信号を演算処理することによって、前記電子制御スロットル104,燃料噴射弁131,燃料ポンプ136,パワートランジスタ等を制御する。
前記各種センサとしては、前記燃圧センサ138の他、運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ116、機関101の吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ115、クランクシャフト120の回転位置を検出するクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119、前記フロント触媒108の上流側での排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ121等が設けられている。
ここで、前記コントロールユニット114は、燃料噴射弁13の燃料噴射量の制御モードとして、イグニッションスイッチがオンされてから始動完了(完爆)までの始動モードと始動完了後の通常モードとを備え、前記始動モードと通常モードとで異なる演算処理により燃料噴射量を決定する。
前記通常モードでは、前記クランク角センサ117からの検出信号に基づいて機関回転速度Neを算出し、該機関回転速度Neとエアフローメータ115で検出された吸入空気流量Qとから基本噴射パルス幅Tpを演算し、更に、この基本噴射パルス幅Tpを、冷却水温度等に基づく各種補正係数COや空燃比センサ121の検出結果に基づく空燃比フィードバック補正係数LAMBDAなどに基づいて補正することで、最終的な噴射パルス幅Tiを算出する。
そして、前記噴射パルス幅Tiの噴射パルス信号を、各気筒の行程に合わせてそれぞれの燃料噴射弁131に出力することで、各燃料噴射弁131から前記噴射パルス幅Tiに比例する量の燃料を噴射させる。
一方、前記始動モードにおいては、図2のフローチャートに示すようにして、始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)が決定される。
イグニッションスイッチがオンされると(S1)、水温センサ119からの信号に基づいて始動時水温を検出する(S2)と共に、前回機関101が停止されてからの時間を検出する(S3)。
前記水温センサ119で検出される水温は、機関101の温度を代表する状態量であり、水温の他に、シリンダブロック温度や潤滑油温度などを、機関温度を代表する状態量として検出させることができる。
また、前回機関101が停止されてからの時間は、コントロールユニット114に時計が内蔵される場合には、前回機関101が停止された(イグニッションスイッチがオフされた)時刻を記憶しておき、イグニッションスイッチがオンされた時刻と比較して求めることができる他、前回機関101が停止された(イグニッションスイッチがオフされた)時点からタイマーをカウントアップさせて、イグニッションスイッチがオンされた時点でのタイマーの値を読み取ることで求めることができる。
尚、機関101の停止時間が所定時間以上になった場合には、燃料噴射弁131からの燃料の漏洩が収束し、それまでに漏洩した燃料も蒸散してしまい、始動時の燃料噴射量制御における漏洩燃料対策としては、同一条件であると見なすことができるので、タイマーのカウントアップによって計時を行う場合には、経時結果が所定時間に達した時点で、停止時間が所定時間以上になったとして計時を停止することができる。
また、機関の停止及び再始動の開始を、イグニションスイッチ以外の信号に基づいて判断することもできる。
始動時水温及び機関の停止時間を求めると、図3に示すように、始動時水温と機関停止時間(ソーク時間)とを変数として始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)を記憶するマップを参照し(S4)、今回の始動開始時における始動時水温と機関停止時間とに対応する始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)の初期値を決定する(S5)。
前記始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)を記憶するマップにおいては、基本的に、始動時水温が低いほど噴射パルス幅をより大きく設定し、停止時間が短いほど噴射パルス幅をより小さく設定する。
これは、始動時水温が低いほど吸気管内壁に付着する燃料量が多くなってシリンダに直接吸引される燃料量が減るから、目標空燃比の混合気を生成するためには、低温時ほどより多くの燃料を噴射させる必要があるためである。
また、機関停止直後ほど燃圧が高く燃料噴射弁131の噴孔から吸気管内に漏洩する燃料量が多く(図4参照)、機関停止時間が長くなると漏洩量が減る一方で漏洩した燃料の蒸散が進み、漏洩分の燃料は、燃料噴射弁から噴射される燃料に余分に付加されることになるから、目標空燃比の混合気を生成するためには、停止時間が短いときほどより大きく燃料噴射量を減らす必要があるためである。
但し、機関停止時間が所定時間以上になると、前述のように、燃料の漏洩が停止し、かつ、漏洩した燃料が蒸散してなくなってしまい、前記漏洩燃料が始動時の空燃比に影響することがなくなるので、機関停止時間が所定時間以上の領域では、始動時噴射パルス幅は、始動時水温のみから決定されるようにしてある。
換言すれば、機関停止時間が所定時間未満の領域での始動時噴射パルス幅は、機関停止時間が所定時間以上の領域での始動時噴射パルス幅から、漏洩燃料分を減算した値となる。
上記のように、機関停止時間から漏洩燃料の影響を判断して、始動時噴射パルス幅を決定するようにすれば、たとえ機関停止後短時間のうちに再始動される場合であっても、停止中における燃料の漏洩によって始動時の空燃比がオーバーリッチ化することを回避でき、始動時の排気性状を向上させることができる(図5参照)。
一方、前述の始動時水温・機関停止時間の検出、及び、始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)の初期値の決定に並行して、前回始動時における空燃比データが記憶されているか否かを判断する(S6)。
本実施形態では、機関101の始動完了後に(S51)、空燃比センサ121が活性状態になって通常に空燃比を検出できるようになると(S52)、空燃比フィードバック制御を開始する前に、空燃比センサ121からの検出信号に基づいて空燃比を計測し(S53)、その値を前回空燃比値として記憶するようにしてある(S54)。
前記空燃比の検出は、通常モードに移行してから行われることになるが、始動完了直後であれば、始動モードによる燃料噴射量制御の影響を受けた値となり、始動モードにおける空燃比状態を表すことになる。
尚、本実施形態の空燃比センサ121にヒータを設けてあり、特に始動時水温が閾値α以上であるホットリスタート時には、始動開始時から大きなヒータ電流を流して空燃比センサ121が早期に活性化し、始動完了後直ぐに空燃比を検出させることが可能である。
また、始動時水温が閾値α未満であったときには、ヒータ加熱によって空燃比センサ121の素子に熱衝撃が加わることを防止すべく、ヒータ電流を緩やかに上昇させるようにしてあり、この場合には活性時間が相対的に長くなる。
上記のようにして求められる前回空燃比値が記憶されていない場合には、前回空燃比値に基づく始動時噴射パルス幅の修正が行えないので、前記始動時噴射パルス幅(始動時燃料噴射量)の初期値を補正するための空燃比補正係数に固定値β(例えば、β=1)をセットすることで(S7)、空燃比補正係数による補正が実質的に行われないようにする。
一方、前回空燃比値が記憶されている場合には、前回空燃比値に基づいて始動時噴射パルス幅の適正を判断して始動時噴射パルス幅に修正を加える、始動時噴射パルス幅の学習制御を行わせることができる可能性があるので、前回空燃比値を呼び出し(S8)、目標空燃比と前回空燃比との偏差(偏差=目標空燃比−前回空燃比値)を算出する(S9)。
ここで、前回の始動時水温が閾値α(例えば20℃)以上であった場合には、空燃比センサ121に設けられるヒータに通電開始当初から大きな電流を流すことで空燃比センサ121が早期に活性化し、始動完了直後に空燃比を検出できるため、始動時噴射パルス幅の過不足を前回空燃比値から精度良く判断できる。
しかし、前回の始動時水温が閾値α未満であった場合には、空燃比センサ121の活性化に要する時間が長くなるため、始動完了後比較的長い時間が経過した後で検出されたことになる前回空燃比値は、始動時噴射パルス幅の過不足を正しく示さない可能性がある。
そこで、前回の始動時水温が閾値α以上であったか否かを判断し(S10)、前回の始動時水温が閾値α以上であった場合には、前回空燃比値に基づいて今回の始動時噴射パルス幅を補正することができると判断するが、前回の始動時水温が閾値α未満であった場合には、前回空燃比値に基づいて今回の始動時噴射パルス幅を補正することができないと判断する。
そして、前回の始動時水温が閾値α以上であった場合には、図6に示すように、前記空燃比ずれ(A/Fずれ)に対応する空燃比補正係数を記憶したテーブルを参照し(S11)、目標空燃比と前回空燃比値との偏差として求められる空燃比ずれに対応する空燃比補正係数を検索し、今回の始動時噴射パルス幅の補正に用いる空燃比補正係数に決定する(S12)。
一方、前回の始動時水温が閾値α未満であった場合には、前記空燃比補正係数に所定値固定値β(例えば、β=1)を設定し(S7)、前回空燃比値に基づいて今回の始動時噴射パルス幅が誤補正されることを防止する。
尚、前回の始動時水温が低いほど、空燃比センサ121の活性に要する時間が長くなり、活性に要する時間が長いときほど、始動時噴射パルス幅の過不足を示すデータとしての前回空燃比値の信頼性が低下するので、前回の始動時水温が閾値α未満であった場合に、前回の始動時水温が低いほど、前回空燃比値に基づく空燃比補正係数の絶対値をより小さくする補正を行って、空燃比補正係数を決定させることができる。
上記のようにして、前回空燃比値から空燃比補正係数を決定すると、目標空燃比と前回空燃比値との偏差(偏差=目標空燃比−前回空燃比値)の正負を判断することで、目標空燃比に対して前回始動時の空燃比がリッチであったかリーンであったかを判断する(S13)。
そして、「目標空燃比−前回空燃比値」>0で、前回始動時に空燃比が目標よりもリッチであったときには、前回の始動時噴射パルス幅×(空燃比補正係数−1)+今回の始動時噴射パルス幅を、今回の最終的な始動時噴射パルス幅とすることで、前回始動時の空燃比をリッチ化させた燃料の過剰分だけ今回の始動時噴射パルス幅から減算して、今回の始動時における空燃比が目標空燃比に近づくようにする(S14)。
また、「目標空燃比−前回空燃比値」≦0で、前回始動時に空燃比が目標空燃比であるか又は目標よりもリーンであったときには、前回の始動時噴射パルス幅×(1−空燃比補正係数)+今回の始動時噴射パルス幅を、今回の最終的な始動時噴射パルス幅とすることで、前回始動時の空燃比をリーン化させた燃料の不足分を今回の始動時噴射パルス幅に加算して、今回の始動時における空燃比が目標空燃比に近づくようにする(S15)。
始動時噴射パルス幅を決定すると(S16)、該決定した始動時噴射パルス幅を記憶して(S17)、スタートスイッチがオンされるまで待機し(S18)、スタートスイッチがオンされてクランキング(始動)が開始されると、前記記憶した始動時噴射パルス幅に基づいて燃料噴射弁131による燃料噴射を制御する。
尚、前回始動時に燃料噴射がなされなかった場合には(S19)、前記空燃比補正係数による補正をキャンセルし、前記始動時噴射パルス幅の初期値(マップからの検索データ)をそのまま最終的な始動時噴射パルス幅に決定する。
更に、本実施形態では、始動時水温と機関停止時間とを変数として始動時噴射パルス幅を記憶するマップにおけるパルス幅のデータを書き換え更新する学習機能を有する。
前記マップデータの更新制御においては、まず、更新許可条件が成立しているか否かを判断する(S20)。
更新許可条件としては、始動時水温が所定温度範囲内であること、燃料噴射弁を含む燃料噴射装置のハードウェアについて故障判定されていないこと、始動時噴射パルス幅を記憶するマップの所定領域に該当すること、前回空燃比値が記憶されていて今回の始動時噴射パルス幅が補正されていることなどを判断する。
そして、更新条件が成立していない場合には、始動時噴射パルス幅を記憶するマップを更新せず(S21)、更新条件が成立している場合には、始動時噴射パルス幅を記憶するマップの今回の始動に該当する格子データを今回の最終的な始動時噴射パルス幅に基づいて更新する(S22)。
ここで、具体的な始動時噴射パルス幅の補正及びマップデータの更新の様子を、図7を参照しながら説明する。
例えば、始動1回目の始動時水温が−30℃でかつ機関停止時間が2時間を越えるとすると、始動時噴射パルス幅のマップからの検索で、始動時噴射パルス幅として114msが設定される。
この始動時噴射パルス幅=114msとした始動の完了直後に検出された空燃比が目標に対して3.5だけリッチであったとすると、次回の始動時に用いられることになる空燃比補正係数としては、図6のテーブルから0.93が設定される。
そして、2回目の始動が、始動時水温0℃、停止時間1.5時間の条件で行われるとすると、始動時噴射パルス幅の初期値としては102.5msが設定され、この初期値と、前記空燃比補正係数=0.93と、前回の始動時噴射パルス幅=114msとから、今回の最終的噴射パルス幅は、最終パルス幅=114×(0.93−1)+102.5=94.52msに決定され、始動時水温0℃、停止時間1.5時間の条件に対応する始動時噴射パルス幅を、94.52msに書き換えて更新する。
更に、この2回目の始動の完了直後に検出された空燃比が目標に対して1.0だけリーンであったとすると、次回の始動時に用いられることになる空燃比補正係数としては、図6のテーブルから0.98が設定される。
そして、3回目の始動が、始動時水温50℃、停止時間0.5時間の条件で行われるとすると、始動時噴射パルス幅の初期値としては13.36msが設定され、この初期値と、前記空燃比補正係数=0.98と、前回の始動時噴射パルス幅=94.52msとから、今回の最終的噴射パルス幅は、最終パルス幅=94.52×(1−0.98)+13.36=15.52msに決定され、始動時水温50℃、停止時間0.5時間の条件に対応する始動時噴射パルス幅を、15.52msに書き換えて更新する。
この3回目の始動の完了直後に検出された空燃比が目標に対して0.5だけリッチであったとすると、次回の始動時に用いられることになる空燃比補正係数としては、図6のテーブルから0.99が設定される。
そして、4回目の始動が、始動時水温70℃、停止時間2時間以上の条件で行われるとすると、始動時噴射パルス幅の初期値としては21msが設定され、この初期値と、前記空燃比補正係数=0.99と、前回の始動時噴射パルス幅=15.52msとから、今回の最終的噴射パルス幅は、最終パルス幅=15.52×(0.99−1)+21=20.85に決定されることになる。
上記のように、前回の始動時における空燃比の検出データから、始動時噴射パルス幅の過不足(空燃比のリッチ・リーン)を判断して、今回の始動時噴射パルス幅を補正し、また、始動時噴射パルス幅のマップデータを書き換えるようにすれば、燃料噴射弁131のばらつきや経時変化による漏洩特性の違いがあっても、機関の停止時間に対して始動時噴射パルス幅を適正に設定できる。
尚、前回空燃比値から判断される燃料の過不足分をそのまま今回の始動時噴射パルス幅に加減算するのではなく、検出される過不足分を移動平均するなどして、始動時噴射パルス幅の補正及びマップデータの書き換えを行わせることができる。
また、燃料噴射弁131からの燃料の漏洩は、機関停止からの経過時間に相関すると共に、機関停止の燃圧,外気温度,気圧などの影響で変化するので、これらによる補正を始動時噴射パルス幅に加えることができる。
次に、上記の実施形態から把握し得る請求項に記載以外の発明について、以下にその作用効果と共に記載する。
(イ)前回始動時における始動完了直後の空燃比に基づいて前回始動時における燃料噴射量の過不足分を求め、該過不足分に基づいて今回の始動時の燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
上記発明によると、始動完了後の空燃比を検出し、該空燃比に基づいて直前の始動時における燃料噴射量の過不足を判断し、該過不足分に基づいて次回の始動時に燃料噴射量を補正することで、始動時に目標空燃比の混合気を生成できるようにする。
(ロ)内燃機関の停止時間及び始動時の機関温度に応じて始動時の燃料噴射量を書き換え可能に記憶するマップを備え、始動完了直後の空燃比に基づいて前記マップの燃料噴射量のデータを書き換えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
上記発明によると、始動完了後の空燃比を検出し、該空燃比に基づいて直前の始動時における燃料噴射量の過不足を判断し、該過不足分に基づいて始動時噴射量のマップデータを書き換えることで、燃料噴射弁の特性ばらつきや経時変化に対応してマップデータが適正値に書き換えられることになる。
(ハ)排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサを備え、前記空燃比センサの活性完了時間が所定以上に長い条件であったときには、該条件で検出された空燃比に基づく燃料噴射量の学習補正を禁止することを特徴とする請求項(イ)又は(ロ)記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
空燃比センサは活性状態になって初めて空燃比の検出が可能になり、機関温度が低いために活性状態になって空燃比が検出できるようになるまでの時間が長くなると、始動完了直後に空燃比を検出することができなくなる。そして、始動完了後からの経過時間が長くなると、始動時の燃料噴射量の過不足の影響が次第に低下するから、始動時の燃料噴射量の過不足を正当に評価することができなくなる。
そこで、活性完了時間が長く、空燃比センサの検出結果から始動時の燃料噴射量の過不足を正当に評価することができないと判断されるときには、そのときの検出結果に基づく始動時噴射量の学習補正を禁止し、誤った学習補正がなされることを防止する。
実施形態に係る内燃機関のシステム図。 実施形態における始動モードの噴射量制御を示すフローチャート。 実施形態における始動時噴射パルス幅のマップを示す図。 実施形態における機関停止からの経過時間と燃圧・燃料漏れ量との相関を示す線図。 実施形態における始動時のエンジン回転数,排出HC量,空燃比,噴射量の変化特性を示すタイムチャート。 実施形態における空燃比補正係数の特性を示す図。 実施形態におけるマップデータの書き換えの様子を説明する図。
符号の説明
101…エンジン、104…電子制御スロットル、114…コントロールユニット、121…空燃比センサ、131…燃料噴射弁、135…燃料タンク、136…燃料ポンプ、138…燃圧センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の停止時間を計測し、前記停止時間に応じて始動時の燃料噴射量を設定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 内燃機関の停止時間及び始動時の機関温度に応じて始動時の燃料噴射量を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 始動完了直後の空燃比に基づいて前記始動時の燃料噴射量を学習することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012077718A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Bosch Corp 内燃機関の始動噴射量制御方法及び燃料噴射制御装置
JP2015004346A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
CN112283000A (zh) * 2020-10-29 2021-01-29 潍柴动力股份有限公司 发动机燃气喷射阀内泄的检测方法和装置
JP7396195B2 (ja) 2020-05-21 2023-12-12 トヨタ自動車株式会社 燃料供給システムの制御装置

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